タンパク質の発現を増加させるための塩基修飾されたrna

 

本発明は、タンパク質の発現を増加させるための、および、例えば遺伝子治療において腫瘍および癌疾患、心臓および循環器系統の病気、感染症、自己免疫疾患、または単一遺伝子疾患の治療に用いる薬学的組成物、特にワクチンの調製のための、塩基修飾されたRNAとその使用を提供する。さらに、本発明は、インビトロ転写法、塩基修飾されたRNAを用いてタンパク質の発現を増加させるためのインビトロでの方法、および、インビボでの方法を提供する。

 

 

発明の詳細な説明
本願は、タンパク質の発現を増加させるための、および、例えば遺伝子治療において腫瘍および癌疾患、心臓および循環器系統の病気、感染症、自己免疫疾患、または単一遺伝子疾患の治療に用いる薬学的組成物、特にワクチンの調製のための、塩基修飾されたRNAとその使用を説明する。さらに、本発明は、インビトロでの転写方法、および塩基修飾されたRNAを用いてタンパク質の発現を増加させるためのインビトロでの方法、エキソビボおよびインビボでの方法を説明する。
心臓および循環器系統の病気と感染症に加えて、腫瘍および癌疾患の発生は、現代社会において最も大きな死因の1つであり、たいていの場合、治療とその後のリハビリテーション対策において相当なコストを伴う。腫瘍および癌疾患の治療は、例えば、発生する腫瘍の種類に大きく依存し、現在では通常、観血法に加えて放射線療法または化学療法を用いることで行われる。しかし、そのような療法は、免疫系に異常なストレスを与え、場合によっては、限られた範囲でしか用いることができない。その上、これらの療法の形態のほとんどは、免疫系を再生させるために、個々の治療の間に長い間隔を必要としている。従って、近年、そのような「従来の処置」に加えて、特に、遺伝子治療的なアプローチまたは遺伝子ワクチン接種が、治療のために、またはそのような療法をサポートするために非常に有望であることが分かっている。遺伝子治療的なアプローチの場合、単一遺伝子疾患、すなわち、1つの遺伝子欠陥によって引き起こされ、メンデルの法則に従って遺伝する(遺伝性)疾患も挙げられる。とりわけ、単一遺伝子疾患の最もよく知られている代表例としては、嚢胞性線維症と鎌状赤血球貧血が挙げられる。
遺伝子治療と遺伝子ワクチン接種は、分子医学的方法であり、それらの疾患の治療と予防における一般的な使用は、医療行為に多大な影響を及ぼす。両方法は、患者の細胞または組織への核酸の導入と、その後に続く、導入された核酸によってコードされる情報の、細胞または組織による処理、すなわち、所望のポリペプチドの発現とに基づいている。
遺伝子治療と遺伝子ワクチン接種の現在の方法における習慣的な手順は、求められる遺伝子情報を細胞に挿入するためにDNAを使用することである。これに関連して、細胞にDNAを導入するための様々な方法が開発されている。これらの方法としては、例えば、リン酸カルシウムトランスフェクション、ポリプレントランスフェクション、プロトプラスト融合、電気穿孔法、顕微注射、および、リポフェクション等が挙げられる。特に、リポフェクションは、適切な方法であることが知られている。
特に遺伝子ワクチン接種方法において提案されているさらなる方法は、DNA媒体としてDNAウイルスを使用することである。そのようなウイルスには、その感染性により非常に高いトランスフェクション効率を実現できるという利点がある。使用されるウイルスは、トランスフェクションされた細胞の中で機能的な感染性粒子が一切形成されないように遺伝子操作される。しかし、この予防策にもかかわらず、組み換えが起こる可能性があるため、導入された遺伝子治療的に活性のあるウイルス遺伝子が無制限に増殖してしまうという一定の危険性を排除することはできない。
細胞に導入されたDNAは、通常、トランスフェクトされた細胞のゲノム中にある程度組み込まれる。一方では、この現象によって、導入されたDNAの作用を長持ちさせることができるので、所望の効果を及ぼすことができる。他方では、ゲノム中への組み込みは、遺伝子治療に対して相当な危険性をもたらす。例えば、導入されたDNAが無傷遺伝子に挿入され、それが突然変異して内在性遺伝子の機能を妨げたり、完全になくしたりするということが考えられる。そのような組み込みが起こる結果、一方では、細胞にとって不可欠な酵素系が排除される可能性があり、他方では、細胞増殖の制御を大きく左右する遺伝子が外来DNAの組み込みによって変えられる場合、退化した状態に変性された細胞に形質転換する危険性もある。このため、遺伝子治療薬やワクチンとしてDNAウイルスを用いいる場合、癌形成等の危険性を排除することはできない。なお、これに関連して、細胞に導入された遺伝子の効果的な発現のために、対応するDNA媒体は、例えばウイルスCMVプロモーター等の強いプロモーターを含んでいる。処理された細胞のゲノム中へのそのようなプロモーターの組み込みによって、細胞中の遺伝子発現の制御に好ましくない変化が引き起こされる可能性がある。
遺伝子治療薬やワクチンとしてDNAを使用することのさらなる欠点は、患者の体内に好ましくない抗DNA抗体を誘導し、致命的な免疫応答を引き起こす可能性があることである。
DNAとは対照的に、遺伝子治療薬やワクチンとしてのRNAの使用は、かなり安全な部類に入れられる。特に、RNAは、トランスフェクトされた細胞のゲノム中に安定して組み込まれるという危険性を伴わない。さらに、効果的な転写のために、プロモーター等のウイルス配列を必要としない。そして、RNAは、はるかに単純にインビボで分解する。抗RNA抗体はこれまで一切検出されてこなっかたが、それは恐らくRNAはDNAと比べて血液循環中の半減期が相対的に短いためであると思われる。従って、RNAは、分子医学的治療方法に適した分子と見なすことができる。
しかし、多くの場合、患者の細胞または組織への核酸の導入とその後の核酸によってコードされる所望のポリペプチドの発現とに基づいた発現系は、DNAとRNAのどちらを使用するかに関わらず、効果的な治療を行うために望ましい発現量どころか、そのために必要な発現量さえ示さない。
従来技術において、インビトロおよび/またはインビボでの発現系のタンパク質発現の収率を高めるための様々な異なる試みがこれまでなされてきた。従来技術において一般に記載された、発現を増加させるための方法は、従来、特定のプロモーターとこれらに対応して使用可能な制御要素とを含んでいる発現カセットの使用に基づいている。そのような発現カセットの多くは、それらのサイズのため(使用した挿入物とは無関係に)トランスフェクションにおける制限を明確に示す。さらに、通常、発現カセットは特定の細胞系に限定されるため、扱われる細胞に基づいて、新しい発現システムのクローンを作り、細胞にトランスフェクトしなければならない。従って、標的細胞において、発現カセット上に導入されたプロモーターと制御要素とは無関係に、細胞に内在する系によってコードされるタンパク質を発現することができる核酸分子が最も好ましい。
例えば、DE10119005(Roche Diagnostics GmbH)には、DNA分子に基づいたタンパク質の発現方法が記載されており、線状の短いDNAの安定性の向上が様々な対策によって実現され、その結果、エクソヌクレアーゼによる分解の低下のため発現が向上する。そこで、DE10119005には、耐エクソヌクレアーゼヌクレオチド類似体または他の分子を線状の短いDNAの3'末端に取り込むことが記載されている。また、DE10119005には、例えばビオチン、アビジン、またはストレプトアビジン等の大きな分子を線状の短いDNAの末端に結合することが記載されている。最後に、DE10119005では、エクソヌクレアーゼは、また、拮抗または非拮抗阻害剤を加えることによって不活性化または抑制することもできる。しかし、DE10119005には、使用される線状の短いDNAの安定性を向上することによってのみタンパク質の発現を増加させることしか記載されていない。また、DE10119005には、RNAに対する修飾については一切示されていない。
従来技術において、RNAの安定性を改善し、それによってRNAを遺伝子治療薬またはRNAワクチンとして使用することを可能にするためのいくつかの対策が追加的に提案さてれいる。EP A−1083232には、例えば、RNAがエキソビボで不安定であるという問題を解決するために、RNA、特にmRNAを細胞と生物に導入するための方法が提案されている。この方法では、RNAはカチオン性ペプチドまたはタンパク質との複合体という形で存在している。
または、WO99/14346には、リボヌクレアーゼによる分解に対してmRNA種を安定させる、mRNAの安定化方法、特にmRNAの修飾が記載されている。そのような修飾は、一方では、配列の修飾、特に塩基除去または塩基置換によるCおよび/またはU含量の低減による安定化に関する。他方では、5'-および3'-保護基だけでなく、ヌクレオチド類似体の使用、ポリAテールの長さの増加、分解防止剤とのmRNAの複合化、およびこれらの組み合わせ等の化学修飾が提案されているが、mRNAによりコードされるタンパク質の発現増加は達成されていない。
米国特許5,580,859と米国特許6,214,804では、とりわけ、mRNAワクチンと治療薬が「一過性遺伝子治療」(TGT)の範囲内で開示されている。翻訳効率とmRNA安定性を向上させるための様々な方法が記載されており、これらの方法は、特に、翻訳されなかった配列領域に基づいている。しかし、そのような修飾は、翻訳されたmRNA配列に比べて比較的長い、非翻訳配列を含む発現ベクターを必要とする。しかし、これにより、発現ベクターが大幅に増化し、トランスフェクションを低下させるおそれがある。さらに、米国特許5,580,859と米国特許6,214,804に記載された配列には、当該配列によってコードされるタンパク質の発現の増加は示されていない。
また、最適化されたmRNAは、WO02/098443(CureVac社)に記載されている。例えば、WO02/098443には、一般的な形で安定し、それらのコーディング領域において翻訳のために最適化されたmRNAが記載され、例えば、配列修飾を決定するための方法が開示されている。また、WO02/098443には、配列のG/C含量を増加させるために、mRNA配列においてアデノシンとウラシルヌクレオチドの置換の可能性が記載されている。WO02/098443によると、G/C含量を増加させるためのそのような置換と適応は、遺伝子治療への応用において、および、癌治療のための遺伝子ワクチンとして使用することができる。WO02/098443は、上記修飾のための塩基配列として、修飾されたmRNAが、例えば全く治療されない、十分に治療されない、または誤って治療される患者の体内で形成される少なくとも1つの活性ペプチドまたはポリペプチドをコードする配列を一般に言及している。または、WO02/098443には、そのような修飾のための塩基配列として癌抗原をコードするmRNAが提案されている。
さらに、従来技術の多くの方法において、修飾は、まず複雑で、たいていの場合は高価なプロセスによって、例えば、DNA/RNA合成装置を用いた核酸合成によるヌクレオチド配列におけるヌクレオチドの置換等によって、遺伝子配列に導入しなければならないことがよく知られている。これにより、一般に、修飾された遺伝子配列の安定性と発現を調べるためのコストと、当該遺伝子配列によってコードされるタンパク質を発現するために当該遺伝子配列をインビトロおよびインビボで使用するコストがともに増加する。
要するに、従来技術では、DNA発現ベクターの使用とは別に、実用にかなった費用便益比(率)と同時に最大限の反応可変性で、インビトロまたはインビボでRNA鋳型分子から始まるタンパク質の発現を意図的に増加させる標的方法または使用が示されていない。従って、本発明の目的は、遺伝子治療薬またはワクチンとしてDNAを使用することの欠点を避けながらも、mRNAに基づいて、標的細胞系におけるタンパク質の発現の増加を実現する遺伝子治療または遺伝子ワクチン接種のための方法および使用を提供することである。
この目的は、タンパク質の発現を増加させるための、塩基修飾されたRNA配列の使用によって実現される。当該塩基修飾されたRNA配列は、少なくとも1つの塩基修飾を含み、かつ少なくとも1つのタンパク質をコードする。本発明が、コードされるタンパク質/ペプチドの発現量を増加させるための塩基修飾されたRNAの使用に関する一方、(単独でまたは任意の組み合わせによってここに開示された(好ましい)特徴を含む)そのような塩基修飾されたRNAは、本発明の対象でもある。
本発明に関連して、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、少なくとも1つのタンパク質/ペプチドをコードするRNAであればどんなRNAでもよい。本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、一本鎖または二本鎖の、線状または環状の、mRNAの形態をとることができる。本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、特に好ましくは一本鎖RNAの形態、さらに好ましくはmRNAという形態をとる。本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、好ましくは50から15,000ヌクレオチドの長さ、より好ましくは50から10,000ヌクレオチドの長さ、さらに好ましくは500から10,000ヌクレオチドの長さ、最も好ましくは500から5000ヌクレオチドの長さを有している。最も好ましくは、本発明の塩基修飾されたRNAは、少なくとも1つのタンパク質/ペプチドの配列をコードする。ここで、コードするRNAは、通常、mRNAであり、当該mRNAはいくつかの構造要素、例えば、任意的な5'−UTR領域、後にコーディング領域が続く上流に位置するリボソーム結合部位、任意的な3'−UTR領域等から構成され、これらの後にポリAテール(および/またはポリCテール)が続いてもよい。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列は、通常、少なくとも1つの塩基修飾を含んでおり、当該少なくとも1つの塩基修飾は、未変化の、すなわち自然(=天然)の、RNA配列に比べて有意に、RNAによってコードされるタンパク質の発現を増加させるのに適していることが好ましい。ここでいう「有意に」とは、天然のRNA配列の発現に比べてタンパク質の発現の増加が、少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、40%、50%、または60%、より好ましくは少なくとも70%、80%、90%、または100%、最も好ましくは少なくとも150%、200%、または300%であることを意味している。本発明に関連して、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの塩基修飾を有するヌクレオチドは、好ましくは、次からなる塩基修飾されたヌクレオチドの群から選択される:
・ 2−アミノ−6−クロロプリンリボシド−5'−三リン酸塩
・ 2−アミノアデノシン−5'−三リン酸塩
・ 2−チオシチジン−5'−三リン酸塩
・ 2−チオウリジン−5'−三リン酸塩
・ 4−チオウリジン−5'−三リン酸塩
・ 5−アミノアリルシチジン−5'−三リン酸塩
・ 5−アミノアリルウリジン−5'−三リン酸塩
・ 5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩
・ 5−ブロモウリジン−5'−三リン酸塩
・ 5−ヨードシチジン−5'−三リン酸塩
・ 5−ヨードウリジン−5'−三リン酸塩
・ 5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩
・ 5−メチルウリジン−5'−三リン酸塩
・ 6−アザシチジン−5'−三リン酸塩
・ 6−アザウリジン−5'−三リン酸塩
・ 6−クロロプリンリボシド−5'−三リン酸塩
・ 7−デアザアデノシン−5'−三リン酸塩
・ 7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩
・ 8−アザアデノシン−5'−三リン酸塩
・ 8−アジドアデノシン−5'−三リン酸塩
・ ベンズイミダゾール−リボシド−5'−三リン酸塩
・ N1−メチルアデノシン−5'−三リン酸塩
・ N1−メチルグアノシン−5'−三リン酸塩
・ N6−メチルアデノシン−5'−三リン酸塩
・ O6−メチルグアノシン−5'−三リン酸塩
・ プソイドウリジン−5'−三リン酸塩
・ プロマイシン−5'−三リン酸塩
・ キサントシン−5'−三リン酸塩
中でも、5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩、7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩、5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩、および、プソイドウリジン−5'−三リン酸塩からなる塩基修飾されたヌクレオチドの群から選択された塩基修飾のためのヌクレオチドが特に好ましい。
これに関連して、これに限定されるものではないが、発明者らは、塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質の発現の増加は、とりわけ、二次構造の安定化の向上、そして状況に応じては、その結果生じる「より高い剛性を有する」RNAの構造および「塩基の積み重ね」の増加に起因すると考えている。例えば、プソイドウリジン−5'−三リン酸塩は、真核生物および原核生物の両方において、構造RNA(tRNA、rRNA、およびsnRNA)に天然に存在することが知られている。これに関連して、プソイドウリジンは、二次構造を安定させるためにrRNAにおいて必要であると考えられる。進化の過程で、RNAにおけるプソイドウリジンの量は増加し、驚くべきことに、翻訳がtRNAとrRNAにおけるプソイドウリジンの存在に左右され、tRNAとmRNAとの相互作用はおそらくこれによって増加していることを示すことが可能である。プソイドウリジンへのウリジンの変換は、プソイドウリジンシンターゼによって転写後に起こる。5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩の場合も、メチルトランスフェラーゼによって触媒されるRNAの転写後修飾が起こる。プソイドウリジンの量と他のヌクレオチドの塩基修飾のさらなる増加は、同様な効果をもたらすと考えうるが、これらの効果は、プソイドウリジン量の自然発生的増加とは違って、標的化された方法で、かつ、はるかに大きな可変性をもって行うことができる。従って、プソイドウリジン−5'−三リン酸塩と同様の機構、すなわち、二次構造の安定化の向上とそれに基づいた翻訳効率の向上が、5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩とその他の上述の塩基修飾に対して想定される。しかし、構造に基づく発現の増加に加えて、翻訳へのプラス効果も、二次構造の安定化と「より高い剛性を有する」RNAの構造とは無関係に想像される。さらに、状況に応じて、発現の増加は、インビトロまたはインビボにてリボヌクレアーゼによるmRNA配列の分解率が低いことに起因することもある。
本発明で用いられるRNAの塩基修飾は、当業者に公知の方法によってRNAに導入することができる。適切な方法としては、例えば、(自動または半自動)オリゴヌクレオチド合成装置を用いた合成方法、例えばインビトロ転写方法等の化学的方法等が挙げられる。これに関連して、長さが一般に50から100ヌクレオチドを超えない(相対的に短い)配列の場合、インビトロ転写方法だけでなく、(自動または半自動)オリゴヌクレオチド合成装置を用いた合成方法も好ましく使うことができるが、(相対的に長い)配列、例えば、50から100ヌクレオチドを超える長さを有する配列の場合、インビトロ転写方法等の化学的方法が好ましく適しており、本発明に係る以下に記載のインビトロ転写方法が好ましい。しかし、さらに長い塩基修飾されたRNA分子を、共有結合により様々な合成断片を結合することによって合成的に合成してもよい。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列の塩基修飾は、通常、塩基修飾されたRNA配列の少なくとも1つの(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドに、好ましくは少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10個の(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドに、より好ましくは少なくとも10から20個の(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドに、さらに好ましくは少なくとも10から100個の(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドに、最も好ましくは少なくとも10から200個以上の(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドに生じる。すなわち、本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列における塩基修飾は、通常、塩基修飾されたRNA配列の少なくとも1つの(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドに、好ましくはすべての(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドの少なくとも10%に、より好ましくはすべての(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドの少なくとも25%に、さらに好ましくはすべての(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドの少なくとも50%に、さらにまた好ましくはすべての(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドの少なくとも75%に、最も好ましくは本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列に含まれる全ての(塩基修飾が可能な)ヌクレオチドの100%に生じる。上記の好ましい百分率の値は、塩基修飾されたRNAのコーディング領域にも当てはまる。すなわち、塩基修飾されたされたRNAのコーディング領域のヌクレオチドの、例えば、好ましくは10%、より好ましくは20%、さらに好ましくは少なくとも25%、特に好ましくは少なくとも75%等が置換されてもよい。
ここでいう「塩基修飾が可能なヌクレオチド」とは、上記のように塩基修飾されたヌクレオチドに置換されるヌクレオチドであればどんなヌクレオチド(好ましくは天然型(自然、天然)で修飾されない)でもよい。これにより、RNA配列のすべてのヌクレオチドまたはRNA配列の特に選ばれたヌクレオチドのみを塩基修飾することが可能となる。RNA配列の全てのヌクレオチドを塩基修飾する場合、RNA配列の「塩基修飾が可能なヌクレオチド」の100%は、使用されたRNA配列のすべてのヌクレオチドである。一方、RNA配列の特に選ばれたヌクレオチドのみを塩基修飾する場合、選ばれたヌクレオチドは、例えば、アデノシン、シチジン、グアノシン、またはウリジンである。従って、天然の配列のアデノシンは塩基修飾されたアデノシンによって、シチジンは塩基修飾されたシチジンよって、ウリジンは塩基修飾されたウリジンによって、そしてグアノシンは塩基修飾されたグアノシンによって置換することができる。この場合、RNA配列の「塩基修飾が可能なヌクレオチド」の100%は、使用されたRNA配列に含まれるアデノシン、シチジン、グアノシン、またはウリジンの100%である。
本発明の塩基修飾されたRNAの好ましい実施形態は、例えば5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩および/または5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたシチジンヌクレオチドに修飾されたすべてのRNAシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも10%、および/または例えば7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたグアノシンヌクレオチドに修飾されたすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも10%、および/または例えばプソイドウリジン−5'−三リン酸塩等の塩基修飾されたウリジンヌクレオチドに修飾されたすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも10%を含んでもよい。本発明の塩基修飾されたRNAの他の好ましい実施形態は、例えば5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩および/または5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたシチジンヌクレオチドに修飾されたすべてのRNAシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも25%、および/または例えば7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたグアノシンヌクレオチドに修飾されたすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも25%、および/または例えばプソイドウリジン−5'−三リン酸塩等の塩基修飾されたウリジンヌクレオチドに修飾されたすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも25%を含んでもよい。本発明の塩基修飾されたRNAの他の好ましい実施形態は、例えば5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩および/または5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたシチジンヌクレオチドに修飾されたすべてのRNAシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも50%、および/または例えば7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたグアノシンヌクレオチドに修飾されたすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも50%、および/または例えばプソイドウリジン−5'−三リン酸塩等の塩基修飾されたウリジンヌクレオチドに修飾されたすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも50%を含んでもよい。本発明の塩基修飾されたRNAの他の好ましい実施形態は、例えば5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩および/または5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたシチジンヌクレオチドに修飾されたすべてのRNAシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも75%、および/または例えば7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド等の塩基修飾されたグアノシンヌクレオチドに修飾されたすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも75%、および/または例えばプソイドウリジン−5'−三リン酸塩等の塩基修飾されたウリジンヌクレオチドに修飾されたすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド(またはコーディング領域のすべてのウリジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド)の少なくとも75%を含んでもよい。特に好ましい実施形態では、塩基修飾されたRNAのコーディング領域が、1つの特定のタイプの塩基修飾されたヌクレオチドを少なくとも75%、より好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95%を含んでいるが、これは、すべてのウリジンヌクレオチドの例えば少なくとも75%、85%、90%、95%が、例えばプソイドウリジン−5'−三リン酸塩、または少なくとも他の一種類の塩基修飾されたウリジンヌクレオチドとプソイドウリジン−5'−三リン酸塩との組み合わせ等の塩基修飾されたウリジンヌクレオチドによって置換されること、または、すべてのシチジンヌクレオチドの例えば少なくとも75%、85%、90%、95%が、例えば5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩および/または5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド、または少なくとも他の一種類の塩基修飾されたシチジンヌクレオチドと5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩および/または5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチドとの組み合わせ等の塩基修飾されたシチジンヌクレオチドによって置換されること、または、すべてのアデノシンヌクレオチドの例えば少なくとも75%、85%、90%、95%が、塩基修飾されたアデノシンヌクレオチドまたは少なくとも二種類の塩基修飾されたアデノシンヌクレオチドの組み合わせによって置換されること、または、すべてのグアノシンヌクレオチドの例えば少なくとも75%、85%、90%、95%が、例えば7−デアザグアノシン−5'-三リン酸塩ヌクレオチド、または少なくとも他の一種類の塩基修飾されたグアノシンヌクレオチドと7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチドとの組み合わせ等の塩基修飾されたグアノシンヌクレオチドによって置換されることを意味する。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列は、さらに骨格修飾を含んでもよい。本発明でいう骨格修飾は、RNAに含まれるヌクレオチドの骨格のリン酸塩が化学的に修飾される修飾である。そのような骨格修飾は、通常、いかなる制限もなく、メチルホスホネート、ホスホルアミデート、およびホスホロチオエート(例えばシチジン5'−O−(1−チオリン酸塩))からなる群からの修飾を含む。

スキーム1:様々な骨格修飾の位置
本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列は、同様に糖修飾を含むこともできる。本発明でいう糖修飾は、存在するヌクレオチドの糖の化学修飾であり、通常、いかなる制限もなく、2'−デオキシ−2'−フルオロ−オリゴリボヌクレオチド(2'−フルオロ−2'−デオキシシチジン−5'−三リン酸、2'−フルオロ−2'−デオキシウリジン−5'−三リン酸塩)、2'−デオキシ−2'−ジアミンオリゴリボヌクレオチド(2'−アミノ−2'−デオキシシチジン−5'−三リン酸、2'−アミノ−2'−デオキシウリジン−5'−三リン酸塩)、2'−O−アルキルオリゴリボヌクレオチド、2'−デオキシ−2'−C−アルキルオリゴリボヌクレオチド(2'−O−メチルシチジン−5'−三リン酸、2'−メチルウリジン−5'−三リン酸塩)、2'−C−アルキルオリゴリボヌクレオチド、およびその異性体(2'−アラシチジン−5'−三リン酸塩、2'−アラウリジン−5'−三リン酸塩)、またはアジド三リン酸塩(2'−アジド−2'−デオキシシチジン−5'−三リン酸塩、2'−アジド−2'−デオキシウリジン−5'−三リン酸塩)からなる群から選択された糖修飾を含む。

スキーム2:様々な糖修飾の位置
しかし、本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列は、いかなる糖修飾または骨格修飾も含まないことがより好ましい。その理由は、RNA配列の特定の骨格修飾と糖修飾が、一方では、自身のインビトロでの転写を妨げるか、少なくとも著しく減らすおそれがあるからである。従って、一例として行われたeGFPのインビトロ転写は、例えば、糖修飾では、2'−アミノ−2'−デオキシウリジン5'-リン酸塩、2'−フルオロ−2'−デオキシウリジン−5'−リン酸塩、および2'−アジド−2'−デオキシウリジン−5'−リン酸塩でのみ機能する。さらに、タンパク質の翻訳、すなわちインビトロまたはインビボでのタンパク質の発現は、通常、骨格修飾によって、またそれとは無関係に、RNA配列の糖修飾によって大幅に低下する。上記選ばれた骨格修飾と糖修飾に関連して、例えばeGFPについて、これを示すことは可能であった。
好ましい実施形態によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、GC含量が天然の配列とは異なる。本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの第1の代替案によると、塩基修飾されたRNAのコーディング領域のGC含量は、天然のRNA配列のコーディング領域のGC含量より大きく、コードされるアミノ酸配列は、野生型、すなわち天然のRNA配列によってコードされるアミノ酸配列と比べて変わらない。ここで、様々なヌクレオチドの組成と配列が大きな役割を果たす。特に、増加したG((グアニン)/C(シトシン)含量を有する配列は、増加したA(アデニン)/U(ウラシル)含量を有する配列より安定している。従って、本発明によると、コドンは、翻訳されたアミノ酸配列順序を保持しながら、増加したG/Cヌクレオチドを含むように、野生型と比べて変更される。いくつかのコドンが同じアミノ酸をコードするため(遺伝暗号の縮退)、安定性に有利なコドンを決定することができる(代替コドンの使用)。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるアミノ酸配列に基づいて、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの天然の配列を修飾するための異なる可能性が考えられる。GまたはCのヌクレオチドのみを含むコドンによってコードされるアミノ酸の場合、コドンの修飾を一切必要としない。よって、AやUはまったく存在しないため、Pro(CCCまたはCCG)、Arg(CGCまたはCGG)、Ala(GCCまたはGCG)、および、Gly(GGCまたはGGG)のコドンはいかなる変化も必要としない。
以下の場合、Aおよび/またはUヌクレオチドを含むコドンは、同じアミノ酸をコードするが、Aおよび/またはUを含まないコドンとの置換によって変更することができる。例は次のとおりである:
Proのコドンは、CCUまたはCCAからCCCまたはCCGに変更することができる;
Argのコドンは、CGU、CGA、AGA、または、AGGからCGCまたはCGGに変更することができる;
Alaのコドンは、GCUまたはGCAからGCCまたはGCGに変更することができる;
Glyのコドンは、GGUまたはGGAからGGCまたはGGGに変更することができる。
他の場合、AやUヌクレオチドをコドンから取り除くことができないが、よりわずかなAおよび/またはUヌクレオチドしか含まないコドンの使用によってAとUの含量を減らすことは可能である。例えば:
Pheのコドンは、UUUからUUCに変更することができる;
Leuのコドンは、UUA、CUU、または、CUAからCUCまたはCUGに変更することができる;
Serのコドンは、UCU、UCA、または、AGUからUCC、UCG、または、AGCに変更することができる;
Tyrのコドンは、UAUからUACに変更することができる;
停止コドンUAAは、UAGまたはUGAに変更することができる;
Cysのコドンは、UGUからUGCに変更することができる;
Hisのコドンは、CAUからCACに変更することができる;
Glnのコドンは、CAAからCAGに変更することができる;
Ileのコドンは、AUUまたはAUAからAUCに変更することができる;
Thrのコドンは、ACUまたはACAからACCまたはACGに変更することができる;
Asnのコドンは、AAUからAACに変更することができる;
Lysのコドンは、AAAからAAGに変更することができる;
Valのコドンは、GUUまたはGUAからGUCまたはGUGに変更することができる;
Aspのコドンは、GAUからGACに変更することができる;
Gluのコドンは、GAAからGAGに変更することができる。
Met(AUG)とTrp(UGG)のコドンの場合、一方では、配列修飾の可能性がまったくない。
上述した置換は、もちろん、天然のRNA配列(または核酸配列)と比べて、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAのG/C含量を増加させるために、単独でまたは全ての可能な組み合わせで使用することができる。例えば、天然のRNA配列に存在しているThrのすべてのコドンは、ACC(またはACG)に変更することができる。しかし、より好ましくは、上記に考えられた置換の組み合わせが使用される。例えば:
天然のRNA配列においてThrをコードする全てのコドンのACC(またはACG)による置換および本来Serをコードする全てのコドンのUCC(またはUCG、またはAGC)による置換;
天然のRNA配列においてIleをコードする全てのコドンのAUCによる置換、本来Lysをコードする全てのコドンのAAGによる置換、および、本来Tyrをコードする全てのコドンのUACによる置換;
天然のRNA配列においてValをコードする全てのコドンのGUC(またはGUG)による置換、本来Gluをコードする全てのコドンのGAGによる置換、本来Alaをコードする全てのコドンのGCC(またはGCG)による置換、および、本来Argをコードする全てのコドンのCGC(またはCGG)による置換;
天然のRNA配列においてValをコードする全てのコドンのGUC(またはGUG)による置換、本来Gluをコードする全てのコドンのGAGによる置換、本来Alaをコードする全てのコドンのGCC(またはGCG)による置換、本来Glyをコードする全てのコドンのGGC(またはGGG)による置換、および、本来Asnをコードする全てのコドンのAACによる置換;
天然のRNA配列においてValをコードする全てのコドンのGUC(またはGUG)による置換、本来Pheをコードする全てのコドンのUUCによる置換、本来Cysをコードする全てのコドンのUGCによる置換、本来Leuをコードする全てのコドンのCUG(またはCUC)による置換、本来Glnをコードする全てのコドンのCAGによる置換、および、本来Proをコードする全てのコドンのCCC(またはCCG)による置換等である。
本発明で用いられる塩基修飾されたされたRNAのコーディング領域のG/C含量は、好ましくは、天然のRNAのコーディング領域のG/C含量に比べて、天然のRNA(または核酸)のコーディング領域の、考えられる修飾可能なコドンの少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、さらに好ましくは少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、最も好ましくは少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも100%が修飾されるように、増加される。
これに関して、天然のRNA配列に比べてできるだけ、特にコーディング領域において、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAのG/C含量を増加させることが特に好ましい。G/C修飾されたRNAは、好ましくは、この修飾に従って導入された、置換されたG/Cヌクレオチドの少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも59%、より好ましくは少なくとも75%、より好ましくは少なくとも90%が、塩基修飾されたGおよび/またはCヌクレオチド、例えば、7−デアザグアノシン−5'−三リン酸塩ヌクレオチド、および/または5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩、および/または5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩ヌクレオチドとなるように提供されてもよい。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの第2の代替案は、RNAの転写効率が、細胞におけるtRNAの異なる発生頻度によっても決定されるという知見に基づいている。従って、RNA配列中に存在するいわゆる「まれな」コドンの数が増加したならば、対応するRNAは、相対的に「頻繁な」tRNAをコードするコドンが存在する場合と比べて、翻訳が著しく劣る。
従って、この本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの第2の代替案によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAのRNAのコーディング領域は、細胞において相対的にまれなtRNAをコードする天然のRNAの少なくとも1つのコドンが、細胞において相対的に頻繁なtRNAをコードし、相対的にまれなtRNAと同じアミノ酸を担持するコドンによって置換されるように、天然のRNAコーディング領域と比べて変更される。
この修飾によって、本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列は、頻繁に現れるtRNAが使用可能なコドンが挿入されるように修飾される。どのtRNAが細胞において比較的頻繁に出現しているか、そしてどれが対照的に比較的まれであるかは当業者に知られている(例えば、Akashi, Curr. Opin. Genet. Dev. 2001, 11(6): 660-666参照)。
この修飾によって、本発明で用いられる塩基修飾されたRNA配列の、細胞において相対的にまれなtRNAをコードする全てのコドンは、本発明に従って、細胞において相対的に頻繁なtRNAをコードし、相対的にまれなtRNAと同じアミノ酸を担持するコドンによって置換することができる。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるアミノ酸配列を変えることなく、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAにおける増加した、特に最大の、配列G/C含量を「頻繁な」コドンと組み合わせることが特に好ましい。この好ましい実施形態は、本発明で用いられる、特に効率的に翻訳され、安定化された塩基修飾されたRNA(例えば、本発明に係る薬学的組成物)を表す。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの上述の実施形態は、適宜、互いに組み合わせることができる。本発明で用いられる最適な塩基修飾されたRNAの決定は、当業者に公知の方法、例えば、WO02/098443に開示されているような、手動または自動化された方法によって行うことができる。これにより、RNA配列の適応は、上記他の異なる最適化目的のために、すなわち、一方ではコドンの使用に従ってtRNAの頻度をできるだけ考慮に入れながら、他方ではG/C含量を最大にするために行うことができる。方法の第1の工程では、所望するRNA(またはDNA)配列であればどんなRNA(またはDNA)配列でも、仮想翻訳を行って、対応するアミノ酸配列を生成することができる。当該アミノ酸配列を起点として、仮想逆翻訳が実行され、遺伝暗号の縮退に基づいて、対応するコドンの選択の可能性が得られる。求められる最適化または修飾に応じて、対応する選択リストと最適化アルゴリズムを用いて適切なコドンを選ぶ。アルゴリズムは、通常、コンピュータ上で適切なソフトウェアによって実行される。例えば、作成した最適化されたRNA配列は、例えば、適切な表示装置によって表示し、元の(野生型の)配列と比較することができる。個々のヌクレオチドの頻度にも同じことが言える。元のヌクレオチド配列と比べての変化は、強調することが好ましい。さらに、好ましい実施形態によると、事実上知られている安定した配列が読み込まれ、これらの配列は、天然の配列モチーフに従って安定化されたRNAのための基礎とすることができる。同様に、二次構造分析を提供することも可能であり、これにより、構造計算に基づいてRNAの安定化および不安定化特性または領域を分析することができる。
真核RNAの配列においては、通常、不安定化配列要素(DSE)があり、これらにシグナルタンパク質が結合し、インビボでのRNAの酵素分解を調整する。従って、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAをさらに安定させるために、不安定化配列要素が一切存在しないように、天然のRNAの対応する領域と比べて1つ以上の変化をもたらすことが好ましい。もちろん、同様に、本発明によると、RNAから非翻訳領域(3'−および/または5'−UTR)において状況に応じて存在しているDSEを取り除くことが好ましい。
そのような不安定化配列としては、例えば、高AU配列(「AURES」)があり、これらは多数の不安定なRNAの3'−UTR部分に存在する(Caput et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1986, 83: 1670 to 1674)。従って、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、そのような不安定化配列を一切含まないように、天然のRNAと比べて変化させることが好ましい。同じことが、考えられるエンドヌクレアーゼによって認識される配列モチーフ、例えば、トランスフェリン受容体をコードする遺伝子の3'−UTR部分に含まれる配列GAACAAGにも当てはまる(Binder et al., EMBO J. 1994, 13: 1969 to 1980)。そのような配列モチーフも、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAから取り除くことが好ましい。
RNAにおけるコドンの置換、すなわち、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAにおけるコドンの置換に適した様々な方法が、当業者に知られている。例えば、(生物活性のあるまたは抗原性を示すペプチドをコードする)相対的に短いコーディング領域の場合、当業者に知られている標準的な技術を用いて、本発明で用いられる塩基修飾されたRNA全体を化学的に合成することが可能である。
しかし、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAを作成するために、ターゲット変異誘発の技術によって、DNAマトリックスを用いて塩基置換を導入することがより好ましい(例えばManiatis et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 3rd Ed., Cold Spring Harbor, NY, 2001参照)。従ってこの工程において、対応するDNA分子はインビトロで転写され(下記参照)、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAを生産する。このDNAマトリックスは、インビトロ転写のための適切なプロモーターとインビトロ転写のための終結シグナルを任意で有しており、適切なプロモーターとしては、例えば、T3、T7、またはST6プロモーターがあり、このプロモーターの後には、塩基修飾されたRNAを作成するための所望のヌクレオチド配列が続いている。そして、生産される塩基修飾されたRNA構造のマトリックスを形成するDNA分子は、細菌内で複製可能なプラスミドの一部として、発酵増殖とそれに続く単離によって作成することができる。そのために適したプラスミドとしては、例えば、プラスミドpT7Ts(GenBank受託番号U2 6404;Lai et al., Development 1995, 121: 2349 to 2360)、例えばpGEM(登録商標)−1(GenBank受託番号X65300;Promegaから提供)等のpGEM(登録商標)シリーズ、および、pSP64(GenBank受託番号X65327)がある。また、Mezei and Storts, Purification of PCR Products, in: Griffin and Griffin (eds.), PCR Technology: Current Innovation, CRC Press, Boca Raton, FL, 2001参照のこと。
このように、切断部位において短い一本鎖の塩基転位を有する短い合成DNAオリゴヌクレオチドを用いて、または、化学合成によって作成された遺伝子を用いて、当業者に知られている分子生物学的方法によって、適切なプラスミドにおいて所望のヌクレオチド配列のクローンを作ることが可能である(上記Maniatis et al., (2001)参照)。そして、DNA分子は、制限エンドヌクレアーゼによる消化によって、自身が1つのまたは複数のコピーで存在し得るプラスミドから切り取られる。
本発明の特定の実施形態によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、5'−キャップ構造(修飾されたグアノシンヌクレオチド)をさらに有してもよい。キャップ構造の例としては、m7G(5')ppp(5'(A,G(5')ppp(5')AおよびG(5')ppp(5')G等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明のさらなる好ましい実施形態によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、少なくとも約50ヌクレオチドの、好ましくは少なくとも約70ヌクレオチドの、より好ましくは少なくとも約100ヌクレオチドの、さらに好ましくは少なくとも約200ヌクレオチドのポリAテールを含んでいる。
本発明の別の好ましい実施形態によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、少なくとも約20ヌクレオチドの、好ましくは少なくとも約30ヌクレオチドの、より好ましくは少なくとも約40ヌクレオチドの、さらに好ましくは少なくとも約50ヌクレオチドのポリAテールを含んでいる。
さらなる実施形態によると、上記のように、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、精製用のタグをコードする核酸部をさらに含んでいる。そのようなタグの例としては、ヘキサヒスチジンタグ(HISタグ、ポリヒスチジンタグ)、ストレプトアビジンタグ(strepタグ)、SBPタグ(ストレプトアビジン結合タグ)、GST(グルタチオンS−トランスフェラーゼ)タグ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。塩基修飾されたRNAは、例えばMycタグ、Swa11エピトープ、FLAGタグ、Haタグ等の抗体エピトープ(抗体結合タグ)を介して、すなわち、(固定化された)抗体を介したエピトープの認識によって、精製用のタグをさらにコードすることができる。
RNA、特にmRNAの効率的な翻訳のためには、リボソーム結合部位(Kozak配列:GCCGCCACCAUGG(配列番号1、AUGは開始コドンを形成する)へのリボソームの効果的な結合も必要である。なお、この点において、この部位の周囲におけるA/U含量の増加により、mRNAとのより効率的なリボソーム結合が可能になることが知られている。従って本発明の他の好ましい実施形態によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、天然のRNAと比べて、リボソーム結合部位の周囲において、5%から50%、より好ましくは25%から50%以上増加したA/U含量を有することができる。
さらに、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの実施形態によると、1つ以上のいわゆるIRES(配列内リボソーム進入部位)をRNAに導入することが可能である。このように、IRESは、唯一のリボソーム結合部位として機能することができるが、リボソーム(「マルチシストロニックRNA」)によって互いに独立して翻訳される複数のタンパク質をコードする本発明で用いられる塩基修飾されたRNAを提供する働きをすることもできる。本発明に従って使用することができるIRES配列の例としては、ピコルナ・ウイルス(例:FMDV)、ペストウイルス(CFFV)、ポリオ・ウイルス(PV)、脳心筋炎ウイルス(ECMV)、口蹄ウイルス(FMDV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ブタコレラウイルス(CSFV)、マウス白斑ウイルス(MLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)、またはコオロギ麻痺ウイルス(CrPV)からのIRES配列が挙げられる。
本発明のさらなる好ましい実施形態によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、その5'−および/または3'−非翻訳領域において、細胞質ゾルにおけるRNAの半減期を増すことが可能な安定化配列を含んでいる。これらの安定化配列は、ウイルス、細菌、および真核生物に存在している天然由来の配列と100%の配列相同性を示すものであってもよいが、それらはまた部分的にまたは全体的に合成的な性質を有していてもよい。本発明において使用可能な安定化配列の例としては、例えばヒトまたはツメガエルのβ−グロビン遺伝子の非翻訳配列(UTR)が挙げられる。安定化配列の他の例は、一般式(C/U)CCANCCC(U/A)PyUC(C/U)CC(配列番号2)を有しており、これは、α−グロビン、α−(I)−コラーゲン、15−リポキシゲナーゼ、またはチロシン水酸化酵素をコードする非常に安定したRNAの3'−UTRに含まれている(Holcik et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 1997, 94: 2410 to 2414参照)。もちろん、そのような安定化配列は、当業者に知られている他の安定化配列との組み合わせにおいてだけでなく、単独でまたは互いとの組み合わせにおいて使用することができる。
さらに、好ましい実施形態において、処置される細胞または治療される生物に対する、本発明に従って塩基修飾されたRNAの効果的な移入は、本発明で塩基修飾されたRNAをカチオン性ペプチドまたはタンパク質に対応付けるかまたは結合させることによって改善することができる。特に、ポリカチオン性の核酸結合タンパク質として、プロタミン、ヒストン、スペルミン、ヌクレオリン、または基本的な核酸結合配列を含むそれらの配列の誘導体を使用することが特に効果的である。さらに、同様に、例えばポリ−L−リジンまたはヒストン等、他のカチオン性ペプチドまたはタンパク質の使用も可能である。この修飾されたRNAを安定させるための手順は、例えば、EP−A−1083232において記載されており、その特許文献の開示内容は、参照により全体として本発明に組み入れられる。
本発明に関連して、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質は、診断目的のために、好ましくは、全ての治療上有益なタンパク質から、例えば、組み換えの方法によって作り出されるか、自然界に生じ、かつ、治療目的のために使用される、当業者に知られている全てのタンパク質から選択することができる。さらに、本発明は、ほとんどいかなる目的に対しても、例えば、診断または研究目的に対しても有益な高い発現率で、タンパク質を発現することを可能にする、塩基修飾されたRNAによるシステムを提供する。よって、本発明の塩基修飾されたRNAは、インビトロまたはインビボ発現系において、(塩基修飾されたヌクレオチドなしで)対応する天然由来のRNAより高い発現率で発現されるほとんどいかなるタンパク質をコードしてもよい。
本発明の塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質は、例えば、以下に挙げるタンパク質のいずれかから選択してもよい:0ATL3,0FC3,0PA3,0PD2,4−1BBL,5T4,6Ckine,707−AP,9D7,A2M,AA,AAAS,AACT,AASS,ABAT,ABCA1,ABCA4,ABCB1,ABCB11,ABCB2,ABCB4,ABCB7,ABCC2,ABCC6,ABCC8,ABCD1,ABCD3,ABCG5,ABCG8,ABL1,ABO,ABR ACAA1,ACACA,ACADL,ACADM,ACADS,ACADVL,ACAT1,ACCPN,ACE,ACHE,ACHM3,ACHM1,ACLS,ACPI,ACTA1,ACTC,ACTN4,ACVRL1,AD2,ADA,ADAMTS13,ADAMTS2,ADFN,ADH1B,ADH1C,ADLDH3A2,ADRB2,ADRB3,ADSL,AEZ,AFA,AFD1,AFP,AGA,AGL,AGMX2,AGPS,AGS1,AGT,AGTR1,AGXT,AH02,AHCY,AHDS,AHHR,AHSG,AIC,AIED,AIH2,AIH3,AIM−2,AIPL1,AIRE,AK1,ALAD,ALAS2,ALB,HPG1,ALDH2,ALDH3A2,ALDH4A1,ALDH5A1,ALDH1A1,ALDOA,ALDOB,ALMS1,ALPL,ALPP,ALS2,ALX4,AMACR,AMBP,AMCD,AMCD1,AMCN,AMELX,AMELY,AMGL,AMH,AMHR2,AMPD3,AMPD1,AMT,ANC,ANCR,ANK1,ANOP1,AOM,AP0A4,AP0C2,AP0C3,AP3B1,APC,aPKC,APOA2,APOA1,APOB,APOC3,APOC2,APOE,APOH,APP,APRT,APS1,AQP2,AR,ARAF1,ARG1,ARHGEF12,ARMET,ARSA,ARSB,ARSC2,ARSE,ART−4,ARTC1/m,ARTS,ARVD1,ARX,AS,ASAH,ASAT,ASD1,ASL,ASMD,ASMT,ASNS,ASPA,ASS,ASSP2,ASSP5,ASSP6,AT3,ATD,ATHS,ATM,ATP2A1,ATP2A2,ATP2C1,ATP6B1,ATP7A,ATP7B,ATP8B1,ATPSK2,ATRX,ATXN1,ATXN2,ATXN3,AUTS1,AVMD,AVP,AVPR2,AVSD1,AXIN1,AXIN2,AZF2,B2M,B4GALT7,B7H4,BAGE,BAGE−1,BAX,BBS2,BBS3,BBS4,BCA225,BCAA,BCH,BCHE,BCKDHA,BCKDHB,BCL10,BCL2,BCL3,BCL5,BCL6,BCPM,BCR,BCR/ABL,BDC,BDE,BDMF,BDMR,BEST1,beta−Catenin/m,BF,BFHD,BFIC,BFLS,BFSP2,BGLAP,BGN,BHD,BHR1,BING−4,BIRC5,BJS,BLM,BLMH,BLNK,BMPR2,BPGM,BRAF,BRCA1,BRCA1/m,BRCA2,BRCA2/m,BRCD2,BRCD1,BRDT,BSCL,BSCL2,BTAA,BTD,BTK,BUB1,BWS,BZX,C0L2A1,C0L6A1,C1NH,C1QA,C1QB,C1QG,C1S,C2,C3,C4A,C4B,C5,C6,C7,C7orf2,C8A,C8B,C9,CA125,CA15−3/CA 27−29,CA195,CA19−9,CA72−4,CA2,CA242,CA50,CABYR,CACD,CACNA2D1,CACNA1A,CACNA1F,CACNA1S,CACNB2,CACNB4,CAGE,CA1,CALB3,CALCA,CALCR,CALM,CALR,CAM43,CAMEL,CAP−1,CAPN3,CARD15,CASP−5/m,CASP−8,CASP−8/m,CASR,CAT,CATM,CAV3,CB1,CBBM,CBS,CCA1,CCAL2,CCAL1,CCAT,CCL−1,CCL−11,CCL−12,CCL−13,CCL−14,CCL−15,CCL−16,CCL−17,CCL−18,CCL−19,CCL−2,CCL−20,CCL−21,CCL−22,CCL−23,CCL−24,CCL−25,CCL−27,CCL−3,CCL−4,CCL−5,CCL−7,CCL−8,CCM1,CCNB1,CCND1,CCO,CCR2,CCR5,CCT,CCV,CCZS,CD1,CD19,CD20,CD22,CD25,CD27,CD27L,cD3,CD30,CD30,CD30L,CD33,CD36,CD3E,CD3G,CD3Z,CD4,CD40,CD40L,CD44,CD44v,CD44v6,CD52,CD55,CD56,CD59,CD80,CD86,CDAN1,CDAN2,CDAN3,CDC27,CDC27/m,CDC2L1,CDH1,CDK4,CDK4/m,CDKN1C,CDKN2A,CDKN2A/m,CDKN1A,CDKN1C,CDL1,CDPD1,CDR1,CEA,CEACAM1,CEACAM5,CECR,CECR9,CEPA,CETP,CFNS,CFTR,CGF1,CHAC,CHED2,CHED1,CHEK2,CHM,CHML,CHR39C,CHRNA4,CHRNA1,CHRNB1,CHRNE,CHS,CHS1,CHST6,CHX10,CIAS1,CIDX,CKN1,CLA2,CLA3,CLA1,CLCA2,CLCN1,CLCN5,CLCNKB,CLDN16,CLP,CLN2,CLN3,CLN4,CLN5,CLN6,CLN8,C1QA,C1QB,C1QG,C1R,CLS,CMCWTD,CMDJ,CMD1A,CMD1B,CMH2,MH3,CMH6,CMKBR2,CMKBR5,CML28,CML66,CMM,CMT2B,CMT2D,CMT4A,CMT1A,CMTX2,CMTX3,C−MYC, 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CYP1A1, CYP1B1, CYRAA, D40,DADl, DAM, DAM−10/MAGE−B1, DAM−6/MAGE−B2, DAX1, DAZ, DBA, DBH, DBI, DBT, DCC, DC−CK1, DCK, DCR, DCX, DDB 1, DDB2, DDIT3, DDU, DECR1, DEK−CAN, DEM, DES, DF,DFN2, DFN4, DFN6, DFNA4, DFNA5, DFNB5, DGCR, DHCR7, DHFR, DHOF, DHS, DIA1, DIAPH2, DIAPH1, DIH1, DIO1, DISCI, DKC1, DLAT, DLD, DLL3, DLX3, DMBT1, DMD, DM1, DMPK, DMWD, DNAI1, DNASE1, DNMT3B, DPEP1, DPYD, DPYS, DRD2, DRD4, DRPLA, DSCR1, DSG1, DSP, DSPP, DSS, DTDP2, DTR, DURS1, DWS, DYS, DYSF, DYT2, DYT3, DYT4, DYT2, DYT1, DYX1, EBAF, EBM, EBNA, EBP, EBR3, EBS1, ECA1, ECB2, ECE1, ECGF1, ECT, ED2, ED4, EDA, EDAR, ECA1, EDN3, EDNRB, EEC1, EEF1A1L14, EEGV1, EFEMP1, EFTUD2/m, EGFR, EGFR/Her1, EGI, EGR2, EIF2AK3, eIF4G, EKV, El IS, ELA2, ELF2, ELF2M, ELK1, ELN, ELONG, EMD, EML1, EMMPRIN, EMX2, ENA−78, ENAM, END3, ENG, ENO1, ENPP1, ENUR2, ENUR1, EOS, EP300, EPB41, EPB42, EPCAM, EPD, EphA1, EphA2, EphA3, EphrinA2, EphrinA3, EPHX1, EPM2A, EPO,EPOR, EPX, ERBB2, ERCC2 ERCC3,ERCC4, ERCC5, ERCC6, ERVR, ESR1, ETFA, ETFB, ETFDH, ETM1, ETV6−AML1, ETV1, EVC, EVR2, EVR1, EWSR1, EXT2, EXT3, EXT1, EYA1, EYCL2, EYCL3, EYCL1, EZH2, F10, F11, F12, F13A1, F13B, F2, F5, F5F8D, F7, F8, F8C, F9, FABP2, FACL6, FAH, FANCA, FANCB, FANCC, FANCD2, FANCF, FasL,FBN2, FBN1, FBP1, FCG3RA,FCGR2A, FCGR2B, FCGR3A, FCHL, FCMD, FCP1, FDPSL5, FECH, FEO, FEOM1, FES, FGA, FGB, FGD1, FGF2, FGF23, FGF5, FGFR2, FGFR3, FGFR1, FGG, FGS1, FH, FIC1, FIH, F2, FKBP6, FLNA, FLT4, FMO3,FMO4, FMR2, FMR1, FN, FN1/m, FOXC1, FOXE1, FOXL2, FOXO1A, FPDMM, FPF, Fra−1, FRAXF, FRDA, FSHB, F
SHMD1A, FSHR, FTH1, FTHL17, FTL, FTZF1, FUCA1, FUT2, FUT6, FUT1, FY, G250, G250/CAIX, G6PC, G6PD, G6PT1, G6PT2, GAA, GABRA3, GAGE−1, GAGE−2, GAGE−3, GAGE−4, GAGE−5, GAGE−6, GAGE−7b, GAGE−8, GALC, GALE, GALK1, GALNS, GALT, GAMT, GAN, GAST, GASTRIN17, GATA3, GATA, GBA, GBE, GC, GCDH, GCGR, GCH1, GCK, GCP−2, GCS1, G−CSF, GCSH, GCSL, GCY, GDEP,GDF5, GDI1, GDNF, GDXY, GFAP, GFND, GGCX, GGT1, GH2, GH1, GHR, GHRHR, GHS, GIF, GINGF, GIP, GJA3, GJA8, GJB2, GJB3, GJB6, GJB1, GK, GLA, GLB, GLB1, GLC3B, GLC1B, GLC1C, GLDC, GLI3, GLP1, GLRA1, GLUD1, GM1 (fuc−GM1), GM2A, GM−CSF, GMPR, GNAI2, GNAS, GNAT1, GNB3, GNE, GNPTA, GNRH, GNRH1, GNRHR, GNS, GnT−V, gp100, GP1BA, GP1BB, GP9, GPC3, GPD2, GPDS1, GPI, GP1BA, GPN1LW, GPNMB/m, GPSC, GPX1, GRHPR, GRK1, GROα, GROβ, GROγ, GRPR, GSE, GSM1, GSN, GSR, GSS, GTD, GTS, GUCA1A, GUCY2D, GULOP, GUSB, GUSM, GUST, GYPA, GYPC, GYS1, GYS2, H0KPP2, H0MG2, HADHA, HADHB, HAGE, HAGH, HAL, HAST−2, HB 1, HBA2, HBA1, HBB, HBBP1, HBD, HBE1, HBG2, HBG1, HBHR, HBP1, HBQ1, HBZ, HBZP, HCA, HCC−1, HCC−4, HCF2, HCG, HCL2, HCL1, HCR, HCVS, HD, HPN, HER2, HER2/NEU, HER3, HERV−K−MEL, HESX1, HEXA, HEXB, HF1, HFE, HF1, HGD, HHC2, HHC3, HHG, HK1 HLA−A, HLA−A*0201−R170I, HLA−A11/m, HLA−A2/m, HLA−DPB1 HLA−DRA, HLCS, HLXB9, HMBS, HMGA2, HMGCL, HMI, HMN2, HMOX1, HMS1 HMW−MAA, HND, HNE, HNF4A, HOAC, HOMEOBOX NKX 3.1, HOM−TES−14/SCP−1, HOM−TES−85, HOXA1 HOXD13, HP, HPC1, HPD, HPE2, HPE1, HPFH, HPFH2, HPRT1, HPS1, HPT, HPV−E6, HPV−E7, HR, HRAS, HRD, HRG, HRPT2, HRPT1, HRX, HSD11B2, HSD17B3, HSD17B4, HSD3B2, HSD3B3, HSN1, HSP70−2M, HSPG2, HST−2, HTC2, HTC1, hTERT, HTN3, HTR2C, HVBS6, HVBS1, HVEC, HV1S, HYAL1, HYR, I−309, IAB, IBGC1, IBM2, ICAM1, ICAM3, iCE, ICHQ, ICR5, ICR1, ICS 1, IDDM2, IDDM1, IDS, IDUA, IF, IFNa/b, IFNGR1, IGAD1, IGER, IGF−1R, IGF2R, IGF1, IGH, IGHC, IGHG2, IGHG1, IGHM, IGHR, IGKC, IHG1, IHH, IKBKG, IL1, IL−1 RA, IL10, IL−11, IL12, IL12RB1, IL13, IL−13Rα2, IL−15, IL−16, IL−17, IL18, IL−1a, IL−1α, IL−1b, IL−1β, IL1RAPL1, IL2, IL24, IL−2R, IL2RA, IL2RG, IL3, IL3RA,IL4, IL4R,IL4R, IL−5, IL6, IL−7, IL7R, IL−8, IL−9, Immature laminin receptor, IMMP2L, INDX, INFGR1, INFGR2, INFα, IFN INFγ, INS, INSR, INVS, IP−10, IP2, IPF1, IP1, IRF6, IRS1, ISCW, ITGA2, ITGA2B, ITGA6, ITGA7, ITGB2, ITGB3, ITGB4, ITIH1, ITM2B, IV, IVD, JAG1, JAK3, JBS, JBTS1, JMS, JPD, KAL1, KAL2, KALI, KLK2, KLK4, KCNA1, KCNE2, KCNE1, KCNH2, KCNJ1, KCNJ2, KCNJ1, KCNQ2, KCNQ3, KCNQ4, KCNQ1, KCS, KERA, KFM, KFS, KFSD, KHK, ki−67, KIAA0020, KIAA0205, KIAA0205/m, KIF1B, KIT, KK−LC−1, KLK3, KLKB1, KM−HN−1, KMS, KNG, KNO, K−RAS/m, KRAS2, KREV1, KRT1, KRT10, KRT12, KRT13, KRT14, KRT14L1, KRT14L2, KRT14L3,KRT16, KRT16L1, KRT16L2, KRT17, KRT18, KRT2A, KRT3, KRT4, KRT5, KRT6 A, KRT6B, KRT9, KRTHB1, KRTHB6, KRT1, KSA, KSS, KWE, KYNU, L0H19CR1, L1CAM, LAGE, LAGE−1, LALL, LAMA2, LAMA3, LAMB3, LAMB1, LAMC2, LAMP2, LAP, LCA5, LCAT, LCCS, LCCS 1, LCFS2, LCS1, LCT, LDHA, LDHB, LDHC, LDLR, LDLR/FUT, LEP, LEWISY, LGCR, LGGF−PBP, LGI1, LGMD2H, LGMD1A, LGMD1B, LHB, LHCGR, LHON, LHRH, LHX3, LIF, LIG1, LIMM, LIMP2, LIPA, LIPA, LIPB, LIPC, LIVIN, L1CAM, LMAN1, LMNA, LMX1B, LOLR, LOR, LOX, LPA, LPL, LPP, LQT4, LRP5, LRS 1, LSFC, LT− β , LTBP2, LTC4S, LYL1, XCL1, LYZ, M344, MA50, MAA, MADH4, MAFD2, MAFD1, MAGE, MAGE−A1, MAGE−A10, MAGE−A12, MAGE−A2, MAGE−A3, MAGE−A4, MAGE−A6, MAGE−A9, MAGEB1, MAGE−B10, MAGE−B16, MAGE−B17, MAGE−B2, MAGE−B3, MAGE−B4, MAGE−B5, MAGE−B6, MAGE−C1, MAGE−C2, MAGE−C3, MAGE−D1, MAGE−D2, MAGE−D4, MAGE−E1, MAGE−E2, MAGE−F1,MAGE−H1, MAGEL2, MGB1, MGB2, MAN2A1, MAN2B1, MANBA, MANBB, MAOA, MAOB, MAPK8IP1, MAPT, MART−1, MART−2, MART2/m, MAT1A, MBL2, MBP, MBS1, MC1R, MC2R, MC4R, MCC, MCCC2, MCCC1, MCDR1, MCF2, MCKD, MCL1, MC1R, MCOLN1, MCOP, MCOR, MCP−1, MCP−2, MCP−3, MCP−4, MCPH2, MCPH1, MCS, M−CSF, MDB, MDCR, MDM2, MDRV, MDS 1, ME1, ME1/m, ME2, ME20, ME3, MEAX, MEB, MEC CCL−28, MECP2, MEFV, MELANA, MELAS, MEN1 MSLN, MET, MF4, MG50, MG50/PXDN, MGAT2, MGAT5, MGC1 MGCR, MGCT, MGI, MGP, MHC2TA, MHS2, MHS4, MIC2, MIC5, MIDI, MIF, MIP, MIP−5/HCC−2, MITF, MJD, MKI67, MKKS, MKS1, MLH1, MLL, MLLT2, MLLT3, MLLT7, MLLT1, MLS, MLYCD, MMA1a, MMP 11, MMVP1, MN/CA IX−Antigen, MNG1, MN1, MOC31, MOCS2, MOCS1, MOG, MORC, MOS, MOV18, MPD1, MPE, MPFD, MPI, MPIF−1, MPL, MPO, MPS3C, MPZ, MRE11A, MROS, MRP1, MRP2, MRP3, MRSD, MRX14, MRX2, MRX20, MRX3, MRX40, MRXA, MRX1, MS, MS4A2, MSD, MSH2, MSH3, MSH6, MSS, MSSE, MSX2, MSX1, MTATP6, MTC03, MTCO1, MTCYB, MTHFR, MTM1, MTMR2, MTND2, MTND4, MTND5, MTND6, MTND1, MTP, MTR, MTRNR2, MTRNR1, MTRR,MTTE, MTTG, MTTI, MTTK, MTTL2, MTTL1, MTTN, MTTP, MTTS1, MUC1,MUC2, MUC4, MUC5AC, MUM−1, MUM−1/m, MUM−2, MUM−2/m, MUM−3, MUM−3/m, MUT, mutant p21 ras, MUTYH, MVK, MX2, MXI1, MY05A, MYB, MYBPC3, MYC, MYCL2, MYH6, MYH7, MYL2, MYL3, MYMY, MYO15A, MYO1G, MYO5A, MYO7A, MYOC, Myosin/m, MYP2, MYP1, NA88−A, N−acetylglucosaminyltransferase−V, NAGA, NAGLU, NAMSD, NAPB, NAT2, NAT, NBIA1, NBS1, NCAM, NCF2, NCF1, NDN , NDP, NDUFS4, NDUFS7, NDUFS8, NDUFV1, NDUFV2, NEB, NEFH, NEM1, Neo−PAP, neo−PAP/m, NEU1, NEUROD1, NF2, NF1, NFYC/m, NGEP, NHS, NKS1, NKX2E, NM, NME1, NMP22, NMTC, NODAL, NOG, NOS3, NOTCH3, NOTCH1, NP, NPC2, NPC1, NPHL2, NPHP1, NPHS2, NPHS1, NPM/ALK
, NPPA, NQO1, NR2E3, NR3C1, NR3C2, NRAS, NRAS/m, NRL, NROB1, NRTN, NSE, NSX, NTRK1, NUMA1, NXF2, NY−CO1, NY−ESO1, NY−ESO−B, NY−LU−12, ALDOA, NYS2, NYS4, NY−SAR−35, NYS1, NYX, OA3, OA1, OAP, OASD, OAT, OCA1, OCA2, OCD1, OCRL, OCRL1, OCT, ODDD, ODT1, OFC1, OFD1, OGDH, OGT, OGT/m, OPA2, OPA1, OPD1, OPEM, OPG, OPN, OPN1LW, OPN1MW, OPN1SW, OPPG, OPTB1, TTD, ORM1, ORP1, OS−9, OS−9/m, OSM LIF, OTC, OTOF, OTSC1, OXCT1, OYTES1, P15, P190 MINOR BCR−ABL, P2RY12, P3, P16, P40, P4HB, P−501, P53, P53/m, P97, PABPN1, PAFAH1B1, PAFAH1P1, PAGE−4, PAGE−5, PAH, PAI−1, PAI−2, PAK3, PAP, PAPPA, PARK2, PART−1, PATE, PAX2, PAX3, PAX6, PAX7, PAX8, PAX9, PBCA, PBCRA1, PBT, PBX1, PBXP1, PC, PCBD, PCCA, PCCB, PCK2, PCK1, PCLD, PCOS1, PCSK1, PDB1, PDCN, PDE6A, PDE6B, PDEF, PDGFB, PDGFR, PDGFRL, PDHA1, PDR, PDX1, PECAM1, PEE1, PEO1, PEPD, PEX10, PEX12, PEX13, PEX3, PEX5, PEX6, PEX7, PEX1, PF4, PFBI, PFC, PFKFB1, PFKM, PGAM2, PGD, PGK1, PGK1P1, PGL2, PGR, PGS, PHA2A, PHB, PHEX, PHGDH, PHKA2, PHKA1, PHKB, PHKG2, PHP, PHYH, PI, PI3, PIGA, PIM1−KINASE, PIN1, PIP5K1B, PITX2, PITX3, PKD2, PKD3, PKD1, PKDTS, PKHD1, PKLR, PKP1, PKU1, PLA2G2A, PLA2G7, PLAT, PLEC1, PLG, PLI, PLOD, PLP1, PMEL17, PML, PML/RARα, PMM2, PMP22, PMS2, PMS1, PNKD, PNLIP, POF1, POLA, POLH, POMC, PON2, PON1, PORC, POTE, POU1F1, POU3F4, POU4F3, POU1F1, PPAC, PPARG, PPCD, PPGB, PPH1, PPKB, PPMX, PPOX, PPP1R3A, PPP2R2B, PPT1, PRAME, PRB, PRB3, PRCA1, PRCC, PRD, PRDX5/m, PRF1, PRG4, PRKAR1A, PRKCA, PRKDC, PRKWNK4, PRNP, PROC, PRODH, PROM1, PROP1, PROS1, PRST, PRP8, PRPF31, PRPF8, PRPH2, PRPS2, PRPS1, PRS, PRSS7, PRSS1, PRTN3, PRX, PSA, PSAP, PSCA, PSEN2, PSEN1, PSG1, PSGR, PSM, PSMA, PSORS1, PTC, PTCH, PTCH1, PTCH2, PTEN, PTGS1, PTH, PTHR1, PTLAH, PTOS1, PTPN12, PTPNI l, PTPRK, PTPRK/m, PTS, PUJO, PVR, PVRL1, PWCR, PXE, PXMP3, PXR1, PYGL, PYGM, QDPR, RAB27A, RAD54B, RAD54L, RAG2, RAGE, RAGE−1, RAG1, RAP1, RARA, RASA1, RBAF600/m, RB1, RBP4, RBP4, RBS, RCA1, RCAS1, RCCP2, RCD1, RCV1, RDH5, RDPA, RDS, RECQL2, RECQL3, RECQL4, REG1A, REHOBE, REN, RENBP, RENS1, RET, RFX5, RFXANK, RFXAP, RGR, RHAG, RHAMM/CD168, RHD, RHO, Rip−1, RLBP1, RLN2, RLN1, RLS, RMD1, RMRP, ROM1, ROR2, RP, RP1, RP14, RP17, RP2, RP6, RP9, RPD1, RPE65, RPGR, RPGRIP1, RP1, RP10, RPS19, RPS2, RPS4X, RPS4Y, RPS6KA3, RRAS2, RS1, RSN, RSS, RU1, RU2, RUNX2,RUNXl, RWS, RYR1, S−100, SAA1, SACS, SAG, SAGE, SALL1, SARDH, SART1, SART2 , SART3, SAS, SAX1, SCA2, SCA4, SCA5, SCA7, SCA8, SCA1, SCC, SCCD, SCF, SCLC1, SCN1A, SCN1B, SCN4A, SCN5A, SCNN1A, SCNN1B, SCNN1G, SCO2, SCP1, SCZD2, SCZD3, SCZD4, SCZD6, SCZD1, SDF−1/SDHA, SDHD, SDYS, SEDL, SERPENA7, SERPINA3, SERPINA6, SERPINA1, SERPINC1, SERPIND1, SERPINE1, SERPINF2, SERPING1, SERPINI1, SFTPA1, SFTPB, SFTPC, SFTPD, SGCA, SGCB, SGCD, SGCE, SGM1, SGSH, SGY−1, SH2D1A, SHBG, SHFM2, SHFM3, SHFM1, SHH, SHOX, SI, SIAL, SIALYL LEWISX , SIASD, S11, SIM1, SIRT2/m, SIX3, SJS1, SKP2, SLC10A2, SLC12A1, SLC12A3, SLC17A5, SLC19A2, SLC22A1L, SLC22A5, SLC25A13, SLC25A15, SLC25A20, SLC25A4, SLC25A5, SLC25A6, SLC26A2, SLC26A3, SLC26A4, SLC2A1, SLC2A2, SLC2A4, SLC3A1, SLC4A1, SLC4A4, SLC5A1, SLC5A5, SLC6A2, SLC6A3, SLC6A4, SLC7A7, SLC7A9, SLC11A1, SLOS, SMA, SMAD1, SMAL, SMARCB1, SMAX2, SMCR, SMCY, SM1, SMN2, SMN1, SMPD1, SNCA, SNRPN, SOD2, SOD3, SOD1, SOS1, SOST, SOX9, SOX10, Sp17, SPANXC, SPG23, SPG3A, SPG4, SPG5A, SPG5B, SPG6, SPG7, SPINK1, SPINK5, SPPK, SPPM, SPSMA, SPTA1, SPTB, SPTLC1, SRC, SRD5A2, SRPX, SRS, SRY, ss(エスツェット)hCG, SSTR2, SSX1, SSX2 (HOM−MEL−40/SSX2), SSX4, ST8, STAMP−1, STAR, STARP1, STATH, STEAP, STK2, STK11, STn/ KLH, STO, STOM, STS, SUOX, SURF1, SURVIVIN−2B, SYCP1, SYM1, SYN1, SYNS1, SYP, SYT/SSX, SYT−SSX−1, SYT−SSX−2, TA−90, TAAL6, TACSTD1, TACSTD2, TAG72, TAF7L, TAF1, TAGE, TAG−72, TALI, TAM, TAP2, TAP1, TAPVR1, TARC, TARP, TAT, TAZ, TBP, TBX22, TBX3, TBX5, TBXA2R, TBXAS1, TCAP, TCF2, TCF1, TCIRG1, TCL2, TCL4, TCL1A, TCN2, TCOF1, TCR, TCRA, TDD, TDFA, TDRD1, TECK, TECTA, TEK, TEL/AML1, TELAB1, TEX15, TF, TFAP2B, TFE3, TFR2, TG, TGFA, TGF−β, TGFBI, TGFB1, TGFBR2, TGFBRE, TGFβ, TGFβRII, TGIF, TGM−4, TGM1, TH, THAS, THBD, THC, THC2, THM, THPO, THRA, THRB, TIMM8A, TIMP2, TIMP3, TIMP1, TITF1, TKCR, TKT, TLP, TLR1, TLR10, TLR2, TLR3, TLR4, TLR4, TLR5, TLR6, TLR7, TLR8, TLR9, TLX1, TM4SF1, TM4SF2, TMC1, TMD, TMIP, TNDM, TNF, TNFRSF11A, TNFRSF1A, TNFRSF6, TNFSF5, TNFSF6, TNFα, TNFβ, TNNI3, TNNT2, TOC, TOP2A, TOP1, TP53, TP63, TPA, TPBG, TPI, TPI/m, TPI1, TPM3, TPM1, TPMT, TPO, TPS, TPTA, TRA, TRAG3, TRAPPC2, TRC8, TREH, TRG, TRH, TRIM32, TRIM37, TRP1, TRP2, TRP−2/6b, TRP−2/INT2, Trp−p8, TRPS1, TS, TSC2, TSC3, TSC1, TSG101, TSHB, TSHR, TSP−180, TST, TTGA2B, TTN, TTPA, TTR, TU M2−PK, TULP1, TWIST, TYH, TYR, TYROBP, TYROBP, TYRP1, TYS, UBE2A, UBE3A, UBE1, UCHL1, UFS, UGT1A, ULR, UMPK, UMPS, UOX, UPA, UQCRC1, URO5, UROD, UPK1B, UROS, USH2A, USH3A, USH1A, USH1C, USP9Y, UV24, VBCH, VCF, VDI, VDR, VEGF, VEGFR−2, VEGFR−1, VEGFR−2/FLK−1, VHL, VIM, VMD2, VMD1, VMGLOM, VNEZ, VNF, VP, VRNI, VWF, VWS, WAS, WBS2, WFS2, WFS1, WHCR, WHN, WISP3, WMS, WRN, WS2A, WS2B, WSN, WSS, WT2, WT3, WT1, WTS, WWS, XAGE, XDH, XIC, XIST, XK, XM, XPA, XPC, XRCC9, XS, ZAP70, ZFHX1B, ZFX, ZFY, ZIC2, ZIC3, ZNF145, ZNF261, ZNF35,Z
NF41, ZNF6, ZNF198, ZWS1。本発明の塩基修飾されたRNAは、上記タンパク質に対する2つ以上のコーディング領域を含んでもよい。よって、本発明のRNAは例えばバイまたはマルチシストロニックであってもよい。
好ましくは、本発明のRNAによってコードされるタンパク質は、例えばTGFα、IGF(インスリン様増殖因子)等の(トランスジェニック)生物において成長を促進する成長ホルモンまたは成長因子から、例えばα−アンチトリプシン、LDL受容体、エリスロポエチン(EPO)、インシュリン、GATA−1等の代謝および/または造血に影響するタンパク質から、または例えば血液凝固系の第8因子と第6因子等のタンパク質から(いかなる限定もなく)選択される。かかるタンパク質には、さらに、例えばβ−ガラクトシダーゼ(lacZ)、DNA制限酵素(例えばEcoRI、HindIII等)、リゾチーム等、または例えばパパイン、ブロメライン、ケラチナーゼ、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、レニン(キモシン)、Suizyme、Nortase等のプロテアーゼのような酵素が含まれる。これらのタンパク質は、高い発現量を特徴とする、本発明の塩基修飾されたRNAによって提供されうる。よって、本発明は、(例えば変異により、または発現不良や発現欠落により)治療される生物において欠陥のあるタンパク質の置換を可能にする技術を提供する。よって、本発明は、治療される生物において、例えば単一遺伝子疾患において見られるような機能しないタンパク質の効果的で高い発現の提供を可能にする。
または、本発明は、例えば、病気や疾患を引き起こす、機能不全のタンパク質または外因性のタンパク質の(過剰)発現等による特定の病気を治すことが可能な、例えば抗体やプロテアーゼ等の治療用タンパク質を提供することができる。よって、本発明は、(ウイルス、細菌等の)病原体を攻撃する本発明のRNAを、生物に治療目的で導入するのに用いることができる。例えば、治療用プロテアーゼをコードするRNAは、ウイルスの組み立てまたはウイルス生産の他の必須工程に必須のウイルスタンパクを切断するのに用いることができる。
または、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質は、塩基修飾されたRNAの元のRNAが免疫応答を誘発しないのに対して、適応的免疫応答を引き起こすのに十分に発現された抗原を提供することによって、適応免疫応答を刺激するのに用いることができる。その程度において、本発明は、抗原性のタンパク質またはペプチドの高い発現量を示す塩基修飾されたRNAに基づき、ワクチンを提供することを可能にする。これらのワクチンは、腫瘍抗原を提供する腫瘍ワクチン、または、感染症等を引き起こす病原微生物に由来する抗原を提供するのに用いることができる。本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質は、特に好ましくは、以下の抗原から選択することができる。5T4, α5β1−インテグリン, 707−AP, AFP, ART−4, B7H4, BAGE, β−カテニン/m, Bcr−abl, MN/C IX 抗原, CA125, CAMEL, CAP−1, CASP−8, β−カテニン/m, CD4, CD19, CD20, CD22, CD25, CDC27/m, CD 30, CD33, CD52, CD56, CD80, CDK4/m, CEA, CT, Cyp−B, DAM, EGFR, ErbB3, ELF2M, EMMPRIN, EpCam, ETV6−AML1, G250, GAGE, GnT−V, Gp100, HAGE, HER−2/new, HLA−A*0201−R170I, HPV−E7, HSP70−2M, HAST−2, hTERT (or hTRT), iCE, IGF−1R, IL−2R, IL−5, KIAA0205, LAGE, LDLR/FUT, MAGE, MART−1/melan−A, MART−2/Ski, MC1R, ミオシン/m, MUC1, MUM−1, −2, −3, NA88−A, PAP, NY−ESO1, プロテイナーゼ−3, p190 minor bcr−abl, Pml/RARα, PRAME, PSA, PSM, PSMA, RAGE, RU1 または RU2, SAGE, SART−1 または SART−3, サバイビン, TEL/AML1, TGFβ, TPI/m, TRP−1, TRP−2, TRP−2/INT2, VEGF, WT1等の腫瘍特異性表面抗原(TSSA)、または例えばNY−Eso−1またはNY−Eso−B等の配列。
本発明の塩基修飾されたされたRNAによって発現可能な他のクラスのタンパク質としては、例えば、特に生物の免疫系において、アポトーシスや細胞増殖等の重要な細胞内プロセスに影響を与える信号伝送調節(抑制または刺激)等によって、様々な細胞内経路を調節するタンパク質を挙げることができる。よって、塩基修飾されたされたRNAによって、例えばサイトカイン、リンフォカイン、モノカイン、インターフェロン等の免疫調節成分を効率的に発現することができる。従って、好ましくは、これらのタンパク質としては、例えば、4つの位置特異的な保存システイン残基(CCCC)と保存配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)とを含むクラスIサイトカインファミリーのサイトカインも挙げられる。ここで、Xは、保存されていないアミノ酸を表す。クラスIサイトカインファミリーのサイトカインとしては、例えばIL−3、IL−5、GM−CSF等のGM−CSFサブファミリー、例えばIL−6、IL−11、IL−12等のIL−6サブファミリー、例えばIL−2、IL−4、IL−7、IL−9、IL−15等のIL−2サブファミリー、またはサイトカインIL−1α、IL−1β、IL−10等が挙げられる。同様に、上記タンパク質としては、4つの位置特異的な保存システイン残基(CCCC)を同様に含んでいるが保存配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)は含んでいなクラスIIサイトカインファミリー(インターフェロン受容体ファミリー)のサイトカインも挙げることができる。クラスIIサイトカインファミリーのサイトカインとしては、例えば、IFN−α、IFN−β、IFN−γ等が挙げられる。
また、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質は、例えばTNF−α、TNF−β、TNF−RI、TNF−RII、CD40、Fas等腫瘍壊死ファミリーのサイトカイン、または例えばIL−8、MIP−1、RANTES、CCR5、CXR4等の、7つの膜貫通へリックスを含みかつGタンパク質と相互作用するケモカインファミリーのサイトカインをさらに含むことができる。また、上記タンパク質は、アポトーシス因子またはアポトーシス関連タンパク質から選択することができる。アポトーシス因子またはアポトーシス関連タンパク質としては、AIF、例えばApaf−1、Apaf−2、Apaf−3等のApaf、APO−2(L)、APO−3(L)、アポパイン,Bad,Bak,Bax,Bcl−2,Bcl−x,Bcl−x,bik,CAD,カルパイン,例えばカスパーゼ−1、カスパーゼ−2、カスパーゼ−3、カスパーゼ−4、カスパーゼ−5、カスパーゼ−6、カスパーゼ−7、カスパーゼ−8、カスパーゼ−9、カスパーゼ−10、カスパーゼ−11等のカスパーゼ、ced−3、ced−9、c−Jun、c−Myc、crm A、シトクロムC、CdR1、DcR1、DD、DED、DISC、DNA−PKCS、DR3、DR4、DR5、FADD/MORT−1、FAK、Fas(FasリガンドCD95/fas(受容体))、FLICE/MACH、FLIP、ホドリン、fos、G−アクチン、Gas−2、ゲルゾリン、グランザイムA/B、ICAD、ICE、JNK、lamin A/B、MAP、MCL−1、Mdm−2、MEKK−1、MORT−1、NEDD、NF−κB、NuMa、p53、PAK−2、PARP、パーフォリン、PITSLRE、PKCσ、pRb、プレセニリン、prICE、RAIDD、Ras、RIP、スフィンゴミエリナーゼ、単純ヘルペス由来のチミジンキナーゼ、TRADD、TRAF2、TRAIL、TRAIL−R1、TRAIL−R2、TRAIL−R3、トランスグルタミナーゼ等が挙げられる。
最後に、塩基修飾されたRNAは、抗原特異的なT細胞受容体をコードしてもよい。T細胞受容体(TCR)は、Tリンパ球(またはT細胞)の表面に見られ、一般に、主要組織適合複合体(MHC)分子と結合した抗原の認知に関与する分子である。T細胞受容体(TCR)は、T細胞の95%においてアルファ鎖およびベータ鎖からなるヘテロダイマーであり、T細胞の5%はガンマ鎖およびデルタ鎖からなるTCRを有している。抗原およびMHCに対するTCRの関与は、関連した酵素、コレセプター、および特殊化したアクセサリー分子によって媒介された一連の生化学的事象を通して、結果的にそのTリンパ球の活性化を招く。それゆえ、これらのタンパク質は、特定の抗原を特に標的にすることを可能にし、その標的特性によって免疫系の機能性をサポートすることができる。よって、これらの受容体をコードする塩基修飾されたRNAを投与することによるインビボにおける細胞のトランスフェクション、または好ましくは、(例えば、特定の免疫細胞をトランスフェクトすることによる)インビトロトランスフェクションアプローチを達成することができる。導入されたT細胞受容体分子は、MHC分子上で特定の抗原を認識することで、攻撃すべき抗原に対する免疫系の感知能力をサポートすることができる。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードすることができるタンパク質としては、上記タンパク質のいずれかと、例えばこれらの天然の配列と、少なくとも80%または85%、好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも99%の配列同一性を有するタンパク質またはタンパク質配列がさらに挙げられる。ここで、塩基修飾されたヌクレオチドとこれらの天然の(塩基修飾されていない)類似体とは、「同一である」と考えられる。
本願において「同一性」とは、以下に示すように、配列が互いに同等であることを意味する。2つの核酸配列の同一性百分率を決定するためには、続く配列の比較を可能にするために、まず、配列を相互に配置する(アラインメント)。このために、例えば、最初の核酸配列の配列にギャップを挿入することができ、ヌクレオチドは2番目の核酸配列の対応する位置と比較されうる。そして、最初の核酸配列中のある位置が2番目の核酸配列中の位置と同じヌクレオチドによって占められる時に、2つの配列はその位置で同一である。2つの核酸配列間の同一性百分率は、同一の位置の数を、調べられた核酸配列のすべての比較された位置の数によって割った関数である。もし例えば、ある特定の核酸(例えば、上述のタンパク質をコードする核酸)について、定義された長さを有する参照核酸(例えば従来技術の核酸)との比較において、ある特定の配列の同一性が推定されたら、この同一性百分率は参照核酸に関連して相対的に示される。従って、例えば、100ヌクレオチドの長さを有する参照核酸と50%の配列の同一性を有する核酸といえば、その核酸は、50ヌクレオチドの長さを有する参照核酸の一部とまったく同一の50ヌクレオチドの長さを有する核酸を表す可能性がある。しかし、それは、参照核酸とその全長にわたって50%の同一性を有する100ヌクレオチドの核酸、すなわちこの場合、50%同一の核酸を表すともいえる。また、その核酸は、100ヌクレオチドの長さを有する参照核酸と、その核酸の100ヌクレオチドの長さを有する一部において、まったく同一の、200ヌクレオチドの核酸でありうる。もちろん他の核酸も同様にこれらの基準を満たす。核酸の同一性に関する説明はタンパク質またはペプチドの配列にも同様に適用される。
2つの配列の同一性百分率の決定は、数学的なアルゴリズムによって行われうる。2つの配列を比較するために用いることができる数学的なアルゴリズムの好ましい例は、これに限定されるものではないが、Karlin et al. (1993), PNAS USA, 90:5873-5877のアルゴリズムである。かかるアルゴリズムはNBLASTプログラムに組み込まれており、当該プログラムを用いて、本発明の配列との所望の同一性を有する配列を同定することができる。上述したギャップドアラインメント(gapped alignment)を得るためには、Altschul et al. (1997), Nucleic Acids Res, 25:3389-3402に記載されているように、「ギャップドBLAST」(Gapped BLAST)プログラムを用いることができる。BLASTプログラムおよび「ギャップドBLAST」プログラムを用いるときには、特定のプログラム(例えばNBLAST)のデフォルトパラメータを用いることができる。配列は、さらに、Genetic Computing Group社のGAP(global alignment program)バージョン9を用い、−12のギャップオープニングペナルティ(ギャップの最初のゼロ点)および−4のギャップエクステンションペナルティ(ギャップのそれぞれの追加的な連続するゼロ点)を有するデフォルト(BLOSUM62)マトリックス(−4から+11の値)を用いてアライメントを行うことができる。アラインメントの後、同一性百分率は、クレームされた配列において、一致の数を核酸のパーセンテージとして表すことによって求められる。2つの核酸配列の同一性百分率を決定する上記方法は、必要に応じて、アミノ酸配列についても同様に適用されうる。
好ましい実施形態では、本発明で用いられ、上記タンパク質をコードする部分を含む塩基修飾されたRNAは、さらに、少なくとも1つの他の治療の成分をコードする機能的部分をRNA配列上に含みうる。当該治療の成分は、治療されるべき疾患に応じて選択されうる。このような他の成分は、例えば自己免疫疾患を治療する時には、例えば免疫抑制の性質を有していてもよく(例えば免疫抑制剤をコーディング)、塩基修飾されたRNAがワクチン接種目的(例えば、感染症または腫瘍の治療のため)に使われる時には、免疫賦活性の性質(免疫原性腫瘍または病原性抗原によって誘発された適応免疫応答を強化する性質)を有していてもよい。したがって、塩基修飾されたRNA上において追加的にコードされている免疫賦活性成分は、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、INF−α、IFN−β、INF−γ、GM−CSF、G−CSF、M−CSF、LT−β、または、TNF−α、hGH等の成長因子のような、免疫反応を促進するサイトカイン(モノカイン、リンフォカイン、インターロイキン、またはケモカイン)から選ばれてもよい。塩基修飾されたRNAのこの少なくとも1つの追加の成分は、一般にIRESと結合し、これにより、バイ−またはマルチシストロニックな、塩基修飾されたRNAが形成される。
さらなる好ましい実施形態では、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、上述したタンパク質に加えて、分泌シグナルペプチドをコードしていてもよい。かかるシグナルペプチドは、通常15から30までの長さのアミノ酸を含み、好ましくはコードされる(ポリ)ペプチドのN末端に位置する(シグナル)配列である。シグナルペプチドは、一般に、これに融合されたタンパク質(ここでは、例えば治療上活性なタンパク質)を、定められた細胞成分、好ましくは、細胞表面、小胞体、またはエンドソーム−リソソームの中に輸送する。本発明で使用できるシグナル配列の例は、例えば、従来のおよび非従来のMHC分子、サイトカイン、免疫グロブリンのシグナル配列;インバリアント鎖、Lamp1、tapasin、Erp57、カルレティキュリンおよびカルネキシン並びにすべての膜に存在するエンドソーム−リソソームの関連タンパク質または小胞体の関連タンパク質のシグナル配列である。ヒトMHCクラスI分子HLA−A*0201をより好適に用いることができる。
特定の実施形態では、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、脂質修飾を含むことができる。かかる脂質修飾されたRNAは、典型的に、本発明で用いられる上記塩基修飾されたRNAで、少なくとも1つのリンカーが当該RNAと共有結合で結合し、少なくとも1つの脂質がそれぞれのリンカーと共有結合で結合している。或いは、本発明で用いられる脂質修飾されている、塩基修飾されたRNAは、(少なくとも)1つの本発明で用いられる上記塩基修飾されたRNAからなり、少なくとも1つの(二官能性の)脂質が当該RNAと共有結合で結合している。第3には、本発明で用いられる脂質修飾されている、塩基修飾されたRNAは、本発明で用いられる上記塩基修飾されたRNAと、当該RNAに結合された少なくとも1つのリンカーと、それぞれのリンカーと共有結合で結合された少なくとも1つの脂質と、本発明で用いられる上記塩基修飾されたRNAと共有結合で(リンカー無しで)結合された少なくとも1つの(二官能性の)脂質とからなる。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの脂質修飾のために用いられる脂質は、一般に、好ましくは、当該脂質自身が、生物活性のある脂質または親油性ラジカルである。
かかる脂質は、好ましくは、例えば、ビタミン(例えば、RRR−α−トコフェロール(以前のD−α−トコフェロール)、L−α−トコフェロール、ラセミ化合物D,L−α−トコフェロール、ビタミンEコハク酸塩(VES)を含むα−トコフェロール(ビタミンE));または、ビタミンAおよびその誘導体(例えばレチノイン酸、レチノール)、ビタミンDおよびその誘導体(例えば、ビタミンDおよびそのエルゴステロール前駆体)、ビタミンEおよびその誘導体、ビタミンKおよびその誘導体(例えばビタミンKおよび関連するキノン化合物またはフィトール化合物);または、胆汁酸(例えばコール酸、デオキシコール酸、デヒドロコール酸、コーチゾン、デオキシゲニン(digoxygenin)、テストステロン、コレステリン、またはチオコレステロール)等のステロイド類のような天然物質または天然化合物である。本発明の範囲に含まれるさらなる脂質または親油性ラジカルには、これに限定されるものではないが、ポリアルキレングリコール(Oberhauser et al., Nucl. Acids Res., 1992, 20, 533);例えばC1−C20のアルカン、C1−C20のアルケン、または、C1−C20のアルカノール化合物等(例えば、ドデカンジオール、ヘキサデカノール、または、ウンデシルラジカル(Saison-Behmoaras et al., EMBO J, 1991, 10, 111; Kabanov et al., FEBS Lett., 1990, 259, 327; Svinarchuk et al., Biochimie, 1993, 75, 49)等の脂肪族グループ;例えば、ホスファチジルグリセロール、ジアシルホスファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ジヘキサデシル−rac−グリセロール、スフィンゴ脂質、セレブロシド、ガングリオシド、または、トリエチルアンモニウム1,2−ジ−O−ヘキサデシル−rac−グリセロ−3−H−ホスホン酸塩(Manoharan et al., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 3651; Shea et al., Nucl. Acids Res., 1990, 18, 3777)等のリン脂質;ポリアミン;例えばポリエチレングリコール(PEG)(Manoharan et al., Nucleosides & Nucleotides, 1995, 14, 969)、ヘキサエチレングリコール(HEG)等のポリアルキレングリコール;パルミチンまたはパルミチルラジカル(Mishra et al., Biochim. Biophys. Acta, 1995, 1264, 229);オクタデシルアミンまたはヘキシルアミノカルボニルオキシコレステロールラジカル(Crooke et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 1996, 277, 923);および、ろう、テルペン類、脂環式炭化水素、飽和−および一価不飽和−または多価不飽和−脂肪酸ラジカル等が含まれる。
脂質と本発明で用いられる塩基修飾されたRNAとの間の結合は、原理的には、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの、どのヌクレオチドでも、どのヌクレオチドの塩基または糖ラジカルでも、3´および/または5´末端でも、および/または、リン酸塩部分でも起こる。本発明では、塩基修飾されたRNAの3´および/または5´末端における、末端の脂質修飾が特に好ましい。末端の修飾には配列中の修飾よりも多くの利点がある。一方では、配列中の修飾はハイブリダイゼーションに影響を与えうる。このことは、立体的に厳しいラジカルの場合には逆効果となりうる。配列中の修飾(立体的に厳しい修飾)は、翻訳を妨げることが非常に多く、それは頻繁にタンパク質合成の終了を引き起こす。これに対して、本発明で用いられる、脂質修飾されている、塩基修飾されたRNAが、末端でのみ修飾される合成の場合には、塩基修飾されたRNAの合成は、大量に入手可能な市販されている単量体を用いて、従来公知の合成方法を用いて行うことができる。
第1の好適な実施形態では、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAと少なくとも1つの脂質との間の結合は、「リンカー」(塩基修飾されたRNAと共有結合で結合している)を介して形成される。本発明の範囲に含まれるリンカーは、一般に、少なくとも2つの、場合に応じて、3、4、5、6、7、8、9、10、10−20、20−30、または、これより多い、例えば、水酸基、アミノ基、アルコキシ基等から選択される反応性基を有する。より好ましくは、1つの反応性基が、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAに結合する。当該反応性基は、例えば、DMT基(ジメトキシトリチルクロライド)、Fmoc基、MMT(モノメトキシトリチル)基、TFA(トリフルオロ酢酸)基等として、保護された形で存在していてもよい。さらに、硫黄グループは、例えばアルキルチオール(例えば、3−チオプロパノール等)等のジスルフィドによって、または、2−チオピリジン等の活性化された成分によって保護されうる。1つまたはそれ以上のさらなる反応性基が、本発明において、1つまたはそれ以上の脂質の共有結合に用いられる。第1の実施形態では、従って、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、共有結合で結合されたリンカーを介して、塩基修飾されたRNA毎に、好ましくは、少なくとも1つの脂質、例えば1、2、3、4、5、5−10、10−20、20−30、またはより多くの脂質と、特に好ましくは、少なくとも3−8、またはより多くの脂質と結合する。ここで、結合した脂質は、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの異なる位置に、互いに離れて結合されていてもよいし、塩基修飾されたRNAの一ヶ所またはより多い箇所で、複合体を形成して存在していてもよい。リンカーの追加的な反応性基が、例えば、固相のようなキャリア材への、直接的または間接的な(切断可能な)結合のために使用されうる。本発明に好適に用いられるリンカーとしては、例えば、グリコール、グリセロールおよびグリセロール誘導体;2−アミノブチル−1,3−プロパンジオールおよび2−アミノブチル−1,3―プロパンジオール誘導体/骨格;ピロリジンリンカーまたはピロリジン含有有機分子(特に3´末端での修飾のための)等が含まれる。グリセロールまたはグリセロール誘導体(C3アンカー)または2−アミノブチル−1,3−プロパンジオール誘導体/骨格(C7アンカー)はリンカーとして、本発明で特に好適に用いられる。グリセロール誘導体(C3アンカー)は、脂質修飾がエーテル結合を介して導入されるときに、リンカーとして、特に好適に用いられる。脂質修飾が、例えば、アミドまたはウレタン結合を介して導入されるときは、2−アミノブチル−1,3−プロパンジオール骨格(C7アンカー)が好ましい。これに関連して、リンカーと本発明で用いられる塩基修飾されたRNAとの間に形成される結合の性質は、アミダイト化学の条件および化学物質と同様である。すなわち、好ましくは、酸にも塩基にも不安定でない。好ましくは、合成的に容易に得ることができ、核酸合成工程のアンモニアによる分解処理によって加水分解されない結合である。好適な結合は、原理的には、すべての相当する好適な結合であり、より好ましくは、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合、および、エーテル結合である。(合成の工程が少ない)出発物質を得やすいことに加えて、酵素的な加水分解に対する比較的高い生物的安定性のために、エーテル結合が特に好ましい。
第2の好適な実施形態では、上記(少なくとも1つの)本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、直接、すなわち、上述したリンカーを用いずに、上述した少なくとも1つの(二官能性の)脂質と結合している。かかる場合、本発明で用いられる上記(二官能性の)脂質は、好ましくは、少なくとも2つの反応性基、または、必要に応じて、3、4、5、6、7、8、9、10またはこれより多い反応性基を含んでいる。1つめの反応性基は、脂質を直接的または間接的にここで説明したキャリア材と結合するために供され、少なくとも1つの更なる反応性基は、塩基修飾されたRNAを結合するために供される。したがって、第2の実施形態では、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、好ましくは、塩基修飾されたRNA毎に、少なくとも1つの脂質、例えば、1、2、3、4、5、5〜10、10〜20、20〜30、または、これより多い脂質、特に好ましくは、少なくとも3〜8、または、これより多い脂質と、(リンカー無しで直接)結合しうる。結合された脂質は、相互に独立して、塩基修飾されたRNAの異なる位置に結合しうるか、または、塩基修飾されたRNAの1以上の位置で、複合体の形で存在しうる。或いは、第2の実施形態では、上記少なくとも1つの本発明で用いられる塩基修飾されたRNA、例えば、必要に応じて、3、4、5、6、7、8、9、10、10−20、20−30、またはそれ以上の塩基修飾がされたRNAは、その反応性基を介して、上述したように脂質に結合していてもよい。本第2の実施形態で用いられる脂質は、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)とその誘導体、ヘキサエチレングリコール(HEG)とその誘導体、アルカンジオール、アミノアルカン、チオアルカノール等の(好ましくはその末端または必要に応じて分子間で)結合を可能とする(二官能性の)脂質を含んでいることが特に好ましい。
第3の実施形態では、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAと、上述した少なくとも1つの脂質との間の結合は、上述した実施形態の両方が同時に起こったものであってもよい。例えば、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、当該RNAの一か所で、少なくとも1つの脂質と、(第1の実施形態と同様に)リンカーを介して結合されているとともに、当該塩基修飾されたRNAの異なった位置でリンカーを介さずに(第2の実施形態と同様に)少なくとも1つの脂質に結合されていてもよい。例えば、上記塩基修飾されたRNAの3´末端で、上述した少なくとも1つの脂質がリンカーを介して共有結合により当該RNAに結合し、上記塩基修飾されたRNAの5´末端で、上述した少なくとも1つの脂質がリンカーを介さずに共有結合により当該RNAに結合していてもよい。あるいは、本発明で用いられる上記塩基修飾されたRNAの5´末端で、上述した少なくとも1つの脂質がリンカーを介して当該塩基修飾されたRNAに共有結合により結合し、上記塩基修飾されたRNAの3´末端で、上述した少なくとも1つの脂質がリンカーを介さずに共有結合により当該塩基修飾されたRNAに結合していてもよい。同様に、共有結合は、本発明で用いられる上記塩基修飾されたRNAの末端のみでなく、上述したように分子内でも起こりうる。共有結合は、例えば、3´末端および分子内、5´末端および分子内、3´末端と5´末端と分子内、分子内のみ、等で起こりうる。
本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、例えば、既知の合成核酸の合成方法(例えば、Maniatis et al. (2001) supra参照)を用いて、自動的または手動的に、従来公知の調製方法により得ることができる。
本発明のさらなる目的によると、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAは、腫瘍および癌疾患、心臓および循環器系統の病気、感染症、または自己免疫疾患を治療するための薬学的組成物の製造にも、遺伝子療法において単一遺伝子疾患の治療にも用いることができる。
本発明の範囲に含まれる薬学的組成物は、上述の塩基修飾されたRNAと、必要に応じて、薬学的に許容されるキャリアおよび/またはさらなる補助剤および添加剤および/またはアジュバントとを含んでいる。本発明で用いられる薬学的組成物は、典型的には、安全且つ効果的な量の上述した塩基修飾されたRNAを含んでいる。ここで、「安全且つ効果的な量」とは、治療される状態、例えば、後述する腫瘍若しくは癌の疾患、心臓若しくは循環器系統の病気、または、感染症における好ましい変化を顕著に誘発するのに十分な、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの量を意味する。しかし、同時に、「安全且つ効果的な量」は、これらの疾患の治療において重大な副作用を避けるために、すなわち、効果とリスクとの間の実用的な関係を可能にするために十分に少ない。これらの限界の決定は、一般に実用的な医学的判断の範囲内である。したがって、かかる薬学的組成物における本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの濃度は、例えば、如何なる限定も含むことなく、広い範囲、例えば、0.1μg〜100mg/mlの範囲で変化する。かかる本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの「安全且つ効果的な量」は、治療される特定の状態と関連して、および、治療を受ける患者の年齢および健康状態、状態の深刻さ、治療の期間、同時に行う治療の性質、用いられる特定の薬学的に許容されるキャリアの性質および類似の要因と関連して、医師の知識と経験の範囲内で変化する。ここに記載の薬学的組成物は、ヒトのために、そしてさらに獣医学の目的のためにも使用することができる。
もし、(例えば腫瘍または感染症の治療のための、ワクチンとしての使用のため)薬学的組成物の免疫原性を増大させる必要がある場合は、当該薬学的組成物は、さらに、1以上の補助剤を含んでいてもよい。本発明で用いられる塩基修飾されたRNAと、必要に応じてさらに含まれる補助剤との、薬学的組成物における相乗作用が、好ましくはこれにより達成される。かかる観点では、補助剤の様々なタイプに依存して、様々なメカニズムが考慮されうる。例えば、樹状細胞(DC)の成熟を可能とする化合物(例えば、リポ多糖体、TNF−α、またはCD40配位子)は、好適な補助剤の第1のクラスを形成する。一般に、補助剤としては、「danger signal」(LPS、GP96等)またはGM−CSF等のサイトカインのように免疫系に影響する物質であれば、どのような物質でも用いることができる。「danger signal」(LPS、GP96等)またはGM−CSF等のサイトカインは、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAにより生み出される免疫応答が、目標とされる方法で、強化されおよび/または影響され、同時に免疫反応が開始されることを可能とする。特に好ましい補助剤は、モノカイン、リンフォカイン、インターロイキン、ケモキネシス等のサイトカインであり、例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18 、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、IL−31、IL−32、IL−33、INF−α、IFN−β、INF−γ、GM−CSF、G−CSF、M−CSF、LT−β、または、TNF−αまたはインターフェロン(例えばIFN−γ)または成長因子(例えばhGH)を挙げることができる。
腫瘍または感染症を治療するためのワクチンとして提供された場合の上記薬学的組成物は、従来知られているアジュバントをさらに追加的に含むことができる。本発明に関連して、従来知られているアジュバントの例としては、これらに限定されるものではないが、例えばプロタミン、ヌクレオリン(nucleoline)、スペルミン、スペルミジン等の上記安定化カチオン性ペプチドまたはポリペプチド、およびカチオン性多糖類特にキトサン、TDM、MDP、ムラミルジペプチド、プルロニクス、アルム水、水酸化アルミニウム、ADJUMER(商標)(ポリホスファゼン);リン酸アルミニウムゲル;藻類由来のグルカン;アルガムリン;水酸化アルミニウムゲル(アルム);タンパク質高吸着性水酸化アルミニウムゲル;低粘性酸化アルミニウムゲル;AFまたはSPT(スクアラン(5%)、Tween 80(0.2%)、プルロニック L121(1.25%)、リン酸緩衝生理食塩水のエマルジョン、pH7.4);AVRIDINE(商標)(プロパンジアミン);BAY R1005(商標)((N−(2デオキシ−2−L−ロイシルアミノ−b−D−グルコピラノシル)−N−オクタデシルドデカノイル−アミドハイドロ酢酸塩);CALCITRIOL(商標)(1α、25−ジヒドロキシ−ビタミンD3);リン酸カルシウムゲル;CAPTM(リン酸カルシウムナノ粒子);コレラホロトキシン、コレラ毒素−A1タンパク質−A−D−フラグメント融合タンパク質、コレラ毒素のサブユニットB;CRL 1005(ブロック重合体P1205);サイトカイン含有リポソーム;DDA(臭化ジメチルジオクタデシルアンモニウム);DHEA(デヒドロエピアンドロステロン);DMPC(ジミリストイルホスファチジルコリン);DMPG (ジミリストイルホスファチジルグリセロール);DOC/アルム複合体(デオキシコール酸ナトリウム塩);フロインド完全アジュバント;フロイント不完全アジュバント;ガンマイヌリン;ゲルブアジュバント((i)N−アセチルグルコサミニル(P1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニルD−グルタミン(GMDP)と、(ii)塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩化(DDA)と、(iii)亜鉛−L―プロリン塩複合体(ZnPro−8)との混合物;GM−CSF);GMDP(N−アセチルグルコサミニル−(b1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン);イミキモド(1−(2−メチプロピル)−1H−イミダゾ[4、5−c]キノリン−4−アミン);ImmTher(商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−イソGlu−L−Ala−グリセロールジパルミテート);DRV(脱水−再水和小胞から調製された免疫リポソーム);インターフェロン−γ;インターロイキン−1β;インターロイキン−2;インターロイキン−7;インターロイキン12;ISCOMS(商標)(「Immune Stimulating Complexes(免疫刺激性コンプレックス)」);ISCOPREP 7.0.3.(商標);リポソーム;LOXORIBINE(商標)(7−アリル−8−オキソグアノシン);LT経口アジュバント(大腸菌の不安定なエンテロトキシンプロトキシン);任意の組成のマイクロスフェアおよび微粒子;MF59(商標);(スクアレン−水エマルジョン);MONTANIDE ISA 51(商標)(精製不完全フロインドアジュバント);MONTANIDE ISA 720(商標)(代謝可能なオイルアジュバント);MPL(商標)(3−Q−デサシル−4’−モノホスホリルリピドA);MTP−PEおよびMTP−PEリポソーム((N−アセチル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L―アラニン−2−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−(ヒドロキシホスホリロキシ))エチルアミド、モノナトリウム塩);MURAMETIDE(商標)(Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH);MURAPALMITINE(商標)およびD−MURAPALMITINE(商標)(Nac−Mur−L−Thr−D−イソGIn−sn−グリセロールジパルミトイル);NAGO(ノイラミニダーゼ−ガラクトースオキシダーゼ);任意の組成のナノスフェアまたはナノ粒子;NISV(非イオン界面活性剤小胞);PLEURAN(商標)(β−グルカン);PLGA、PGA、およびPLA(乳酸およびグリコール酸のホモおよびコポリマー;マイクロおよびナノスフェア);PLURONIC L121(商標);PMMA(ポリメチルメタクリレート);PODDS(商標)(プロテイノイドマイクロスフェア);ポリエチレンカルバメート誘導体;ポリ−rA:ポリ−rU(ポリアデニル酸のポリウリジル酸複合体);ポリソルベート80(Tween 80);タンパク質コキレート(Avanti Polar Lipids, Inc., Alabaster, AL);STIMULON(商標)(QS−21);Quil−A(Quil−Aサポニン);S−28463(4−アミノ−otec−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−1−エタノール);SAF−1(商標)(「Syntex adjuvant formulation(シンテックスアジュバントフォーミュレーション)」);センダイプロテオリポソームと脂質センダイマトリックス;Span−85(ソルビタントリオレアート);スペコール(Marcol 52、Span−85、およびTween 85のエマルジョン);スクアレンまたはRobane(登録商標)(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサン、および2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル−2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサン);ステアリルチロシン(オクタデシルチロシン塩酸塩);Theramid(登録商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−isoGlu−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド);トレオニル−MDP(Termurtide(商標)または[thr 1]−MDP;N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン);Ty粒子(Ty−VLPまたはウイルス様粒子);Walter−Reedリポソーム(水酸化アルミニウム上に吸着されたリピドAを含んでいるリポソーム)等が挙げられる。同様に、例えばPam3Cys等のリポペプチドは、ここに記載された薬学的組成物と結合するのに特に好適である。(Deres et al., Nature 1989, 342: 561-564参照)。同様に、上記薬学的組成物は、例えばCpGやRNAオリゴヌクレオチド等の核酸系のアジュバント、または例えばTLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12、またはTLR13またはそれらの同族体のリガンド等のToll様受容体リガンドを、(追加)アジュバントとして含むことが可能である。
ここに記載された本発明に係る薬学的組成物は、(その治療目的が何であれ)薬学的に許容されるキャリアを任意で含むことができる。ここでいう「薬学的に許容されるキャリア」とは、好ましくは、ヒトへの投与に適した、適合した1つ以上の固体または液体の充てん剤、希釈剤、または封止化合物を含む。ここでいう「適合した」とは、組成物の構成成分が、組成物の薬学的有効性を大幅に低くするような相互作用が起こらないような形、例えば、コードされる医薬効果のあるタンパク質の医薬活性を低くしたり、さらには医薬効果のあるタンパク質の発現を妨げたり損ねたりするような相互作用が起こらないような形で、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAと混合したり、任意で追加的に存在するアジュバンドと混合したり、互いに混合したりすることができることを意味する。薬学的に許容されるキャリアは、もちろん、治療対象者への投与に適するように、十分に高い純度と十分に低い毒性を有する必要がある。薬学的に許容されるキャリアまたはそれらの構成成分として使用可能な化合物のいくつかの例としては、例えば乳糖、グルコース、サッカロース等の糖類;例えばコーンスターチ、ジャガイモでんぷん等のでんぷん;例えばナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、酢酸セルロース等のセルロースおよびその誘導体;トラガント粉末;麦芽;ゼラチン;獣脂;例えばオクタデシル酸、ステアリン酸マグネシウム等の固体流動促進剤;硫酸カルシウム;例えばラッカセイ油、綿実油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油、およびカカオの油等の植物油;例えばポリプロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、マンニトール、ポリエチレングリコール等のポリオル;アルギン酸;例えばTween(登録商標)等の乳化剤;例えばラウリル硫酸ナトリウム等の湿潤剤;着色剤;味付与剤、薬学的キャリア;錠剤形成剤;安定化剤;酸化防止剤;防腐剤;発熱物質を含まない水;等張食塩水リン酸緩衝溶液等が挙げられる。
薬学的に許容されるキャリアの選択は、原則として、本発明で用いられる薬学的組成物が投与される方法により決定される。本発明で用いられる薬学的組成物は、例えば、全身的に投与することができる。投与経路としては、例えば、経皮的経路、経口経路、皮下または静脈注射を含む非経口経路、局所および/または鼻腔内の経路等が挙げられる。使用する薬学的組成物の適当量は、動物モデルを用いたルーチン実験によって決定することができる。そのようなモデルとしては、これらに限定されないが、ウサギ、ヒツジ、マウス、ラット、イヌ、およびヒト以外の霊長類動物モデルが挙げられる。注射に好ましい単位用量形としては、滅菌水溶液、生理食塩水、またはそれらの混合物が挙げられる。なお、そのような溶液のpHは、約7.4に調整される。注射に適したキャリアとしては、ヒドロゲル、制御または遅延放出のための手段、ポリ乳酸、およびコラーゲンのマトリックスが挙げられる。ここで使用可能な局所適用のための薬学的に許容されるキャリアとしては、ローション、クリーム、ゲル等における使用に適しているものが挙げられる。化合物を自分自身で投与する場合は、錠剤やカプセル等が好ましい単位用量形である。経口投与に使用可能な、単位用量形の調製のための薬学的に許容されるキャリアは、従来技術においてよく知られており、その選択は、味、コスト、および貯蔵性等の二次的な検討材料に依存するが、これらは本発明の目的にとって重要でなく、当業者よって容易に行うことができる。
特定の実施形態によると、ここで使用される薬学的組成物は、ワクチンの形をとることもできる。理論に縛られることなく、ワクチン接種は、生物、特に細胞への抗原(この場合、本発明で用いられる、(治療効果のある)タンパク質をコードする塩基修飾されたRNA)の導入に基づく。ここで使用される薬学的組成物に含まれる塩基修飾されたRNAは、コードされるタンパク質に翻訳される。すなわち、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質が発現され、当該タンパク質をターゲットにした免疫反応が結果的に刺激される。癌または腫瘍の疾患または感染症の治療のための遺伝子ワクチンとして使用するこの場合、適応的免疫反応は、例えば、腫瘍または病原抗原の遺伝情報の導入によって実現される。結果として、癌抗原が生物内に発現され、癌または腫瘍の細胞に効果的に向けられる免疫反応が結果的に誘発される。本発明に係るワクチンは、薬学的組成物のための上記組成物を含み、当該組成物は、特に、それらの投与方法によって決定される。ここで説明するとおり、ワクチンは、好ましくは全身的に投与される。そのようなワクチンの投与経路としては、例えば、経皮的経路、経口経路、皮下または静脈注射を含む非経口経路、局所および/または鼻腔内の経路等が挙げられる。従って、ここで説明されるようなワクチンは、好ましくは液体または固体の形で製剤される。また、上記のように、ワクチンの免疫原性をさらに高めることができるさらなる補助剤は、任意でワクチンに組み入れることもできる。有利に、1つ以上のさらなる補助剤は、以上に定義されているように、本発明で用いられる塩基修飾されたRNAの他の特性に依存して、ここに説明されたワクチンに選ばれる。
本発明のさらなる好ましい目的によると、ここに説明される、塩基修飾されたRNA、またはここに説明されるような薬学的組成物、特に好ましくは、ここに説明されるワクチンは、以下の例に示す適応症を治療するために使われる。上記の薬学的組成物、特に好ましくは上記のワクチンを用いることによって、特に限定するものではないが、例えば、癌または腫瘍疾患もしくは感染症(ウイルス性、細菌性、または原生動物学的感染症)等の疾患または健康状態を治療し得る。癌または腫瘍疾患としては、黒色腫、悪性黒色腫、結腸癌、リンパ腫、肉腫、芽腫、腎癌、胃腸腫瘍、神経膠腫、前立腺腫瘍、膀胱癌、直腸腫瘍、胃癌、食道癌、膵臓癌、肝癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘパトーム、ウイルスによって誘発される様々な腫瘍(例えば、乳頭腫ウイルスによって誘発される悪性腫瘍(例えば子宮頚癌)、悪性腺腫、ヘルペスウイルスによって誘発される腫瘍(例えばバーキットリンパ腫、EBVによって誘発されるB細胞リンパ腫)B型肝炎によって誘発される腫瘍(肝細胞悪性腫瘍)、HTLV−1およびHTLV−2によって誘発されるリンパ腫等)、聴神経腫、肺癌(=気管支癌)、小細胞肺癌、咽頭癌、肛門癌、グリア芽腫、直腸癌、星状細胞腫、脳腫瘍、網膜芽腫、基底細胞腫、脳転移、髄芽腫、膣癌、膵臓癌、精巣癌、ホジキン症候群、髄膜腫、シュネーベルガー病、脳下垂体腫瘍、菌状息肉腫、カルチノイド、神経鞘腫、棘細胞腫、バーキットリンパ腫、喉頭癌、腎癌、胸腺腫、体癌(corpus carcinoma)、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫、尿道癌、CUP症候群、頭/頸部腫瘍(head/neck tumours)、乏突起膠腫、外陰癌、腸癌、結腸癌、食道悪性腫瘍(=食道癌)、いぼ合併症、小腸腫瘍、頭蓋咽頭腫、卵巣癌、生殖器腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、子宮内膜癌、肝転移、陰茎癌、舌癌、胆嚢癌、白血病、形質細胞腫、まぶた腫瘍、前立腺癌(=前立腺腫瘍)等が挙げられる。感染症(ウイルス性、細菌性、または原生動物学的感染症)としては、例えば、インフルエンザ、マラリア、SARS、黄熱、エイズ、ライムボレリア症、リーシュマニア症、炭疽病、髄膜炎、ウイルス感染症(例えば、エイズ、尖圭コンジローマ、凹窩いぼ(hollow warts)、デング熱、三日熱、エボラウイルス、風邪、初夏髄膜脳炎(Early summer meningoencephalitis)(FSME)、インフルエンザ、帯状ヘルペス、肝炎、単純ヘルぺス I型、単純ヘルぺス II型、帯状疱疹、インフルエンザ、日本脳炎、ラッサ熱、マールブルグウイルス、麻疹、口蹄疫、単核症、流行性耳下腺炎、ノーウォークウイルス感染、プファイファー腺熱、疱瘡、ポリオ(幼年期 跛行)、仮性クループ、伝染性紅斑、狂犬病、いぼ、西ナイル熱、水痘、巨細胞ウイルス(CMV)等)、細菌感染症(例えば、流産(前立腺炎症)、炭疽病、虫垂炎、ボレリア症、ボツリヌス中毒、カンフィローバクター(Camphylobacter)、トラコーマクラミジア(尿道の炎症、結膜炎)、コレラ、ジフテリア、鼠径肉芽腫(donavanosis)、喉頭蓋炎、発疹チフス、ガス壊疽、淋病、野兎病、ヘリコバクターピロリ、百日咳、鼠径リンパ肉芽腫、骨髄炎、レジオネラ症、ハンセン病、リステリア症、肺炎、髄膜炎、細菌性髄膜炎、炭疽病、中耳炎、マイコプラズマホミニス、新生児敗血症(絨毛羊膜炎)、水癌、パラチフス、ペスト、ライター症候群、ロッキー山紅斑熱、サルモネラ菌パラチフス、サルモネラ菌発疹チフス、猩紅熱、梅毒、破傷風、トリッパー、ツツガムシ病、結核、発疹チフス、膣炎、軟性下疳等)、および寄生虫、原生動物、または菌によって発症する感染症(例えば、アメーバ症、ビルハルツ住血吸虫症、シャーガス病、エキノコックス属、広節裂頭条虫(fish tameworm)、魚類中毒症(シガテラ中毒)、キツネ条虫(fox tapeworm)、みずむし、イヌ条虫(canine tapeworm)、カンジダ症、酵母菌斑(yeast fungus spots)、疥癬、皮膚のリーシュマニア症、ランブル鞭毛虫症、シラミ、マラリア、顕微鏡検査(microscopy)、糸状虫症(河川盲目症)、真菌症、ウシ条虫(bovine tapeworm)、住血吸虫病、睡眠病、ブタ条虫(porcine tapeworm)、トキソプラズマ症、トリコモナス症、トリパノソーマ症(睡眠病)、内臓性リーシュマニア症、おしめ/おむつ皮膚炎、または微小条虫(miniature tapeworm)を挙げることができる。
本発明の塩基修飾されたRNAを含む、塩基修飾されたRNAの組成物によって治療される疾患の別のグループは、心臓および循環器系統の疾患、神経の疾患、および自己免疫疾患に関する。心臓および循環器系統の疾患は、冠動脈心疾患、動脈硬化、卒中、高血圧から選ばれ、神経細胞の疾患は、アルツハイマー病、筋萎縮側索硬化、ジストニー、てんかん、多発硬化、およびパーキンソン病から選ばれ、自己免疫疾患は、I型自己免疫疾患、II型自己免疫疾患、III型自己免疫疾患、またはIV型自己免疫疾患(例えば、多発硬化(MS)、関節リウマチ、糖尿病、I型糖尿病(真性糖尿病)、全身性エリテマートーデス(SLE)、慢性多発関節炎、バセドウ氏病、自己免疫型慢性肝炎、潰瘍性大腸炎、I型アレルギー疾患、II型アレルギー疾患、III型アレルギー疾患、IV型アレルギー疾患、線維筋痛、脱毛症、ベヒテレフ病、クローン病、重症筋無力症、神経皮膚炎、リウマチ性多発筋痛、全身性進行性硬化(PSS)、乾癬、ライター症候群、関節リウマチ、乾癬、脈管炎等、またはII型糖尿病)から選ばれる。
塩基修飾されたRNA、または塩基修飾されたRNAを含む組成物は、例えばタンパク質の活性が失われる遺伝子突然変異、またはタンパク質の転写や翻訳が行えなくなる調節変異に起因する遺伝子異常によって起こる遺伝子疾患を治療するためにも用いることができる。これらの疾患は、例えば筋ジストロフィ等の代謝異常の症状等を引き起こすことが多い。従って、本発明では、上昇した発現率によって充分な量のタンパク質が翻訳されうる、塩基修飾されたRNAを介して、正常に機能していなかったタンパク質を供給することによって、これらの疾患を治療することができる。この条件において、以下の疾患を治療し得る。3−β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素欠乏症(II型);3−ケトチオラーゼ欠乏症;6−メルカプトプリン過敏症;アールスコグ−スコット症候群;無βリポタンパク血症;無カタラーゼ血症;軟骨無形成症;軟骨無形成症・軟骨低発生症;軟骨形成不全症;色覚異常;遠位中間肢異形成症(ハンター・トンプソン型);ACTH欠乏症;アシルCoAデヒドロゲナーゼ欠乏症(短鎖、中鎖、長鎖);大腸線種性ポリポーシス;アデノシン−デアミナーゼ欠乏症;アデニロスクシナーゼ欠乏症;サルコグリカン異常症(Adhalinopathy);先天性副腎皮質過形成(11−β−ヒドロキシラーゼ欠乏症に起因するもの;17−α−ヒドロキシラーゼ欠乏症に起因するもの;21−ヒドロキシラーゼ欠乏症に起因するもの);低ゴナドトロピン性性機能低下を伴う先天性副腎形成不全;副腎生器症候群;副腎白質ジストロトフィ;副腎脊髄神経障害;無フィブリノーゲン血症;無ガンマグロブリン血症;アラジル症候群;白皮症(褐色、眼白子症、眼皮膚、赤褐色);急性アルコール不耐性;アルドラーゼA欠乏症;糖質コルチコイド反応性アルドステロン症;アレグザンダー病;アルカプトン尿;全身性脱毛症;α−1−抗キモトリプシン欠乏症;αメチルアシルCoAラセマーゼ欠乏症;αサラセミア/精神遅滞症候群;アルポート症候群;アルツハイマー病1(APP関連);アルツハイマー病3;アルツハイマー病4;エナメル質形成不全症;アミロイド神経障害(家族性、いくつかの対立遺伝子型);アミロイドーシス(オランダ型、フィンランド型、遺伝性腎性、腎性、老年性全身性);筋萎縮性側索硬化症;無アルブミン血症;アンドロゲン非感受性;貧血(ダイアモンド−ブラックファン);貧血(溶血性、PK欠損による);貧血(溶血性、RHナル、suppressor type);貧血(新生児溶血性、致死的および準致死的);貧血(鉄芽球性、運動失調を伴う);貧血(鉄芽球性/低色素性);G6PD欠損症による貧血;動脈瘤(家族性 動脈性);アンジェルマン症候群;血管性浮腫;無虹彩症;前部異型(anterior segment anomalies)と白内障;前部間葉性異形成(anterior segment mesenchymal dysgenesis);前部間葉性異形成(anterior segment mesenchymal dysgenesis)と白内障;抗トロンビンIII欠乏症;不安関連の性格特性;アペール症候群;無呼吸(麻酔後);ApoA−IおよびapoC−III欠乏(複合);アポリポタンパクA−II欠乏症;アポリポタンパクB−100(リガンド欠損);顕性の鉱質コルチコイド過剰(高血圧を伴う);アルギニン血症;アルギニノコハク酸尿症;関節症(進行性偽性リューマチ、幼年期);アスパルチルグルコサミン尿症;運動失調(一過性);ビタミンE単独欠乏を伴う運動失調;毛細血管拡張性運動失調;骨発生不全症II型;ATP感受性DNAリガーゼI欠乏症;房室伝導欠陥を伴う心房中隔欠損;丘疹性病変を伴う無毛症;自閉症(スクシニルプリン性);自己免疫多腺性疾患(autoimmune polyglandular disease) I型;自律神経機能障害;アクセンフェルト異常(Axenfeld anomaly);無精子症;Bamforth−Lazarus症候群;Bannayan−Zonana症候群;バース症候群;バーター症候群(2型または3型);基底細胞癌;基底細胞母斑症候群;BCG感染;Beare−Stevenson cutis gyrata症候群;ベッカー筋ジストロフィ;ベックウィズ−ヴィーデマン症候群;ベルナール−スーリエ症候群(B型;C型);ベスレムミオパチー;原発性胆汁酸吸収不良;ビオチニダーゼ欠損症;膀胱癌;欠損トロンボキサンA2受容体によって発生する出血性障害;ブルーム症候群;短指症(B1型またはC型);鰓耳症候群;鰓性耳腎症候群;乳癌(浸潤性乳管癌、小葉乳癌、ライフェンスタイン症候群を伴う雄性乳癌、散発性乳癌);乳癌1(早発型);乳癌2(早発型);ブロディミオパチー(Brody myopathy);ブルガダ症候群;ブルンナー症候群;バーキットリンパ腫;蝶形ジストロフィ(網膜);C1q欠損(A型;B型;タイプC型);C1r/C1s欠損;単独C1s欠損;C2欠損;C3欠損;C3b不活化因子欠損;C4欠損;C8欠損、II型;C9欠損;常染色体の性転換を伴う屈曲肢異形成症;屈指症関節症内反股心膜炎症候群;キャナヴァン病;カルバモイルリン酸シンセターゼI欠乏症;含水炭素不足の糖タンパク質症候群(I型;Ib型;II型);肺のカルチノイド腫瘍;心筋脳筋症(乳児致死性、シトクロムcオキシダーゼ欠損症による);心筋症(拡張型;X連鎖拡張型;家族性肥大性;肥大性);カルニチン欠乏症(全身性 原発性);カルニチン−アシルカルニチントランスロカーゼ欠損;手根管症候群(家族性);白内障(青色;先天的性;結晶状;棘状(aculeiform);若年発症型;多形性で層状;点状;小帯の粉末状(zonular pulverulent));Coppock様白内障;CD59欠損;中心コア病;小脳性運動失調;脳のアミロイドアンギオパチー;皮質下梗塞と白質脳症を伴う脳動脈障害;脳の海綿形成異常1(Cerebral cavernous malformations−1);頭蓋顔骨格症候群(OFS症候群);脳腱黄色腫症;脳血管障害;セロイドリポフスチノーシス(神経性、異型若年型、顆粒状のオスミウム酸親性の沈着物を伴う);セロイドリポフスチノーシス(神経性1、乳児性);セロイドリポフスチノーシス(神経性3、若年性);Char症候群;シャルコー−マリー−ツース病;シャルコー−マリー−ツース神経障害;シャルルボワ・サグネ型;チェディアック−東症候群;クロール下痢症(chloride diarrhea)(フィンランド型);胆汁うっ滞(良性反復性肝内);胆汁うっ滞(家族性肝内);胆汁うっ滞(進行性家族性肝内);コレステロールエステル貯蔵病;点状軟骨異形成症(末節骨短縮;四肢根部;X連鎖優性型;X連鎖劣性型;グレーベ型);軟骨肉腫;コロイデレミア;慢性肉芽腫症(常染色体性、CYBAの欠失による);慢性肉芽腫症(X連鎖);NCF−1の欠失による慢性肉芽腫症;NCF−2の欠失による慢性肉芽腫症;家族性カイロミクロン血症候群;シトルリン血症;古典的コケーン症候群1;唇裂、顎裂、口蓋裂;唇裂/口蓋裂の外胚葉性異形成症候群;鎖骨頭蓋異形成不全;CMO II欠失;コーツ病;コケーン症候群2 B型;コフィン−ローリー症候群;コルヒチン耐性;結腸腺癌;結腸癌;色盲(第2色覚異常;第1色覚異常;第3色覚異常);結腸直腸癌;複合第V・第VIII因子欠乏症;複合高脂血症(家族性);複合免疫不全症(X連鎖性、中等症);コンプレックスI欠失;複合神経障害;錐体ジストロフィ3;錐体杆体ジストロフィ3;錐体杆体網膜ジストロフィ6;錐体杆体網膜ジストロフィ2;先天的な、両側の輸精管の欠如;木質性結膜炎;拘縮クモ指症;コプロポルフィリン症;先天性扁平角膜;角膜混濁;角膜ジストロフィ(アベリノ型;膠様滴状;グレーノー型I;格子状I;ライス−ビュックラース);コルチソル耐性;クマリン耐性;カウデン病;CPT欠損、肝性(I型;II型);痙攣(家族性、カリウムにより悪化する);頭蓋・聾・手症候群;頭蓋骨癒合(2型);クレチン病;クロイツフェルト−ヤコブ病;クリグラー−ナジャー症候群;クルゾン症候群;クラリーノ症候群;弛緩性皮膚;周期性造血;周期性魚鱗癬;円柱腫症;嚢胞性線維症;シスチン症(腎症);シスチン尿症(II型;III型);先天色盲;ダリエ病;D−二官能性タンパク質欠乏症;常染色体優性遺伝性難聴1、;常染色体優性遺伝性難聴11;常染色体優性遺伝性難聴12;常染色体優性遺伝性難聴15;常染色体優性遺伝性難聴2;常染色体優性遺伝性難聴3;常染色体優性遺伝性難聴5;常染色体優性遺伝性難聴8;常染色体優性遺伝性難聴9;常染色体劣性遺伝性難聴1;常染色体劣性遺伝性難聴2;常染色体劣性遺伝性難聴21;常染色体劣性遺伝性難聴3;常染色体劣性遺伝性難聴4;常染色体劣性遺伝性難聴9;非症候性感音性難聴13;X連鎖難聴1;X連鎖難聴3;デブリソキン感受性;ドゥジュリーヌ−ソッタ病;認知症(家族性、デンマーク型);認知症(前頭側頭型、パーキンソニズムを伴う);デント病;歯の異常;歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症;デニス・ドラッシュ症候群;隆起性皮膚線維肉腫;類腱疾患;尿崩症(腎性);尿崩症(神経下垂体性);糖尿病(インシュリン耐性);糖尿病(まれな形態のもの);糖尿病(II型);捻曲性骨異形成症;ジヒドロピリミジン尿症;量感受性性転換(Dosage−sensitive sex reversal);ドインの鉢巣状網膜退化;デュービン−ジョンソン症候群;デュシェーヌ型筋ジストロフィ;血小板減少を伴う異常造血性貧血;異常フィブリノゲン血症(α型;β型;γ型);先天性角化不全症1;プロトロンビン異常症;ジストニー(DOPA反応性);ジストニー(間代性筋痙攣症);ジストニー1(捻転);外胚葉性異形成;水晶体偏位;瞳孔転位;欠指症(外胚葉性異形成、口唇裂/口蓋裂症候群3);エーラース−ダンロス症候群(早老型);エーラース−ダンロス症候群(I型;II型;III型;IV型;VI型;VII型);エラスチン大動脈弁上部狭窄;楕円赤血球症1;楕円赤血球症2;楕円赤血球症3;エリス−ファンクレフェルト症候群;エメリー−ドライフス筋ジストロフィ;気腫;脳症;心内膜繊維弾性症2;子宮内膜癌;端板アセチルコリンエステラーゼ欠失;ヒト遺伝性網膜変性症 (Enhanced S−cone syndrome);前庭水管の拡大;表皮水疱症;栄養障害型表皮水疱症(優性または劣性);単純型表皮水疱症;表皮剥離性角質増殖症;表皮溶解性掌蹠角皮症;てんかん(全身性;若年性;ミオクローヌス性;夜行性前頭葉;進行性ミオクローヌス性);良性新生児てんかん(1型または2型);骨端異形成症(多発性);エピソード性運動失調(2型);エピソード性運動失調/ミオキミア症候群;赤血病(α−;異形成);赤血球増加;紅斑角皮症;エストロゲン耐性;LDH−Aの欠失による労作性ミオグロビン尿症;外骨症、多発性(1型;2型));滲出性硝子体網膜症、X連鎖;ファブリー病;第H因子欠失;第VII因子欠失;第X因子欠失;第XI因子欠失;第XII因子欠失;第XIIIA因子欠失;第XIIIB因子欠失;家族性地中海熱;ファンコニ貧血;ファンコーニ−ビッケル症候群;ファーバー脂肪肉芽腫症;脂肪肝(急性);ソラマメ中毒;魚眼病;中心窩の形成不全(foveal hypoplasia);脆弱X症候群;Frasier症候群;フリードライヒ運動失調;フルクトースービスホスファターゼフルクトース不耐性;フコース蓄積症;フマラーゼ欠失;白点眼底;黄色斑眼底;G6PD欠損症;GABAトランスアミナーゼ欠失;白内障を伴うガラクトキナーゼ欠損;ガラクトースエピメラーゼ欠損;ガラクトース血症;ガラクトシアリドーシス;GAMT欠失;ガードナー症候群;胃癌;ゴーシェ病;熱性けいれんプラスをもつ全般てんかん;生殖細胞腫瘍;ゲルストマン‐シュトロイスラー‐シャインカー症候群;巨細胞性肝炎(新生児期);巨血小板障害(giant platelet disorder);巨細胞線維芽腫;ギテルマン症候群;
グランツマン血小板無力症(A型;B型);緑内障1A;緑内障3A;多形膠芽腫;糸球体硬化症(巣状分節状);グルコース輸送欠陥(血液脳関門);グルコース/ガラクトース吸収不良;グルコシダーゼI欠失;グルタル酸尿症(I型;IIB型;IIC型);グルタチオンシンセターゼ欠損症;グリセロールキナーゼ欠失;グリシン受容体(α−1ポリペプチド);糖原病I;糖原病II;糖原病III;糖原病IV;糖原病VI;糖原病VII;糖原病(肝型、常染色体性);糖原病(X連鎖性、肝型);GM1ガングリオシドーシス;GM2ガングリオシドーシス;甲状腺腫(青年期、多結節性);甲状腺腫(先天性);甲状腺腫(非地方病性、単純性);性器発育異常(XY型);敗血症性肉芽腫症;グレーヴズ病;グレーグ頭蓋多合指症候群;グリセリ症候群;成長ホルモン不足による小人症;難聴と精神遅滞を伴う成長遅延;女性化乳房(家族性、アロマターゼ活性の増大による);オルニチン血症(B6反応性または非反応性)を伴う脳回転状網膜脈絡膜萎縮;ヘーリー−ヘーリー病;Haim−Munk症候群;手足子宮症候群;ハルデロポルフィリン尿症(Harderoporphyrinuria);HDL欠失(家族性);心ブロック(非進行性または進行性);ハインツ小体性貧血;HELLP症候群;血尿(家族性良性);ヘム・オキシゲナーゼ1欠失;片麻痺性片頭痛;ヘモクロマトーシス;ヘモグロビンH症;ADA過剰による溶血性貧血;アデニル酸キナーゼ欠損による溶血性貧血;バンド3欠損症による溶血性貧血;グルコース―リン酸イソメラーゼ欠損による溶血性貧血;グルタチオン合成酵素欠損症による溶血性貧血;ヘキソキナーゼ欠損による溶血性貧血;PGK欠失による溶血性貧血;溶血性尿毒症症候群;血球貪食性リンパ組織球増多症;血友病A;血友病B;第V因子欠失による出血性素因;血鉄症(全身性、無セルロプラスミン血症による);肝性リパーゼ欠失;肝芽腫;肝細胞癌;遺伝性出血性毛細管拡張症1;遺伝性出血性毛細管拡張症2;ヘルマンスキー−パドラック症候群;内臓逆位(X連鎖 内臓性);異所形成(室周線維);Hippel−Lindau症候群;ヒルシュスプルング病;HRG欠失による、ヒスチジン豊富糖タンパク質栓友病;HMG−CoAリアーゼ欠失;全前脳症2;全前脳症3;全前脳症4;全前脳症5;ホールト−オーラム症候群;ホモシスチン尿症;Hoyeraal−Hreidarsson症候群;HPFH(欠失型または非欠失型);HPRT関連の痛風;ハンティングトン病;中脳水道狭窄による水頭症;胎児水腫;高βリポタンパク血症;家族性高コレステロール血症;高フェリチン血症白内障症候群;高グリセロール血症;高グリシン血症;高免疫グロブリン血症Dと周期熱症候群;高インスリン血症;高インスリン高アンモニア血症候群;高カリウム血性周期性麻痺;高リポタンパク血症;高リシン血症;高メチオニン血症(持続性、常染色体性、優性、メチニオンによる、アデノシルトランスフェラーゼI/III欠損);高オルニチン血・高アンモニア血ホモシトルリン血症候群;高シュウ酸尿症;上皮小体亢進;プテリン・4カルビノールアミンデヒドラターゼ欠失による高フェニルアラニン血症;高プロインスリン血症;高プロリン血症;高血圧症;甲状腺機能亢進症(先天性);高トリグリセリド血症;低αリポプロテイン血症(Hypoalphalipoproteinemia);低β―リポタンパク血症;低カルシウム血症;低軟骨形成症;低色性小球性貧血症;歯数不足症;低フィブリノーゲン血症;低グロブリン血とB細胞非存在(Hypoglobulinemia and absent B cells);性腺機能低下症(性腺刺激ホルモン過剰);下垂体性機能不全(性腺機能低下症);低カリウム血性周期性麻痺;血中マグネシウム減少症;ミエリン形成減少症(先天性);副甲状腺機能低下;低フォスファターゼ血症(成人型;小児型;乳児型;遺伝性);低プロトロンビン血症;甲状腺機能低下症(先天性;遺伝性先天性;非甲状腺腫);魚鱗癬様紅皮症;魚鱗癬;ジーメンス型水疱性魚鱗癬;IgG2欠失;線毛不動症候群1;免疫不全(T細胞受容体/CD3複合体);免疫不全(X連鎖、高IgM);CD3−γ欠損による免疫不全;免疫不全動原体の不安定顔面異常症候群(Immunodeficiency−centromeric instabilityfacial anomalies syndrome);色素失調;無痛症(先天性、無汗症);不眠症(致死的、家族性);インターロイキン−2受容体欠乏症(α鎖);椎間板疾患;虹彩角発生奇形; 成長ホルモン単独欠損症(GHを欠くイリグ型と生物学的不活性GHのKowarski型);イソ吉草酸血;ジャクソン・ワイス症候群;イェンセン症候群;ジェルヴェル‐ランゲ・ニールセン症候群;ジュベール症候群;ジュバーグ・マーシディ症候群;カルマン症候群;神崎病;角膜炎;角皮症(掌蹠角皮症);線状掌蹠角化症I;線状掌蹠角化症II;SCOT欠損によるケトアシドーシス;Keutel症候群;クリッペル・トレノーネイ症候群; クニースト骨異形成症;コストマン好中球減少症;クラッベ病;Kurzripp−Polydaktyle症候群; PDX1欠損による乳酸血症;ランガー中間肢異形成症;ラロン小人症;ローレンス・ムーン・バルデー・ビードル症候群;LCHAD欠損症;レーバー先天黒内障;左右軸奇形;リー症候群;平滑筋腫症(広範性、アルポート症候群を伴う);妖精症;Leri− Weill軟骨異形成症;レッシュ‐ナイハン症候群;白血病(急性骨髄性、急性前骨髄球性、急性T細胞性リンパ芽球性、慢性骨髄性、若年性骨髄単球性);白血病−1(T細胞性急性リンパ芽球性);白血球接着不全;ライディッヒ細胞腺腫;レルミット・デュクロ症候群;リドル症候群;リー・フラウメニ症候群;リポアミドデヒドロゲナーゼ欠乏症;脂肪異栄養症;リポイド副腎過形成症;リポ蛋白質リパーゼ欠損症;脳回欠損症(X連鎖);脳回欠損症1;肝型糖原病(0型);QT延長症候群1;QT延長症候群2;QT延長症候群3;QT延長症候群5;QT延長症候群6;ロウ症候群;肺癌;肺癌(非小細胞);肺癌(小細胞);リンパ水腫;リンパ腫(B細胞非ホジキン);リンパ腫(びまん性大細胞型);リンパ腫(濾胞性);リンパ腫(MALT);リンパ腫(マントル細胞);リンパ増殖症候群(X連鎖);リジン蛋白不耐症;マチャド‐ジョセフ病;難治性大球性貧血(5q症候群);黄斑ジストロフィ;悪性中皮腫;マロニルCoA脱炭酸酵素欠損症;マンノシドーシス(αまたはβ);カエデシロップ病(Ia型、Ib型、II型);マルファン症候群;マロトー‐ラミー症候群;マーシャル症候群;MASA症候群;肥満細胞性白血病;血液疾患を伴う肥満細胞症;マッカードル病;マックキューン‐オールブライト多骨性線維性異形成症;McKusick−Kaufman症候群;マクラウド表現型;甲状腺髄様癌;髄芽細胞腫;メースマン角膜上皮変性症;巨赤芽球性貧血1;黒色腫;膜性増殖性糸球体腎炎;メニエール病;髄膜腫(NF2関連、SIS関連);メンケス病;精神遅滞(X連鎖);メフェニトイン低代謝;中皮腫;異染性白質萎縮症;骨幹端軟骨異形成症(Murk Jansen型、 Schmid型);メトヘモグロビン血症;メチオニンアデノシルトランスフェラーゼ欠損症(常染色体劣性);メチルコバラミン欠損症(cbl G型);メチルマロン酸性尿症(ムターゼ欠損型);メバロン酸尿症; MHCクラスII欠損症;小眼球症(白内障、虹彩異常);三好ミオパチー;MODY; Mohr−Tranebjaerg症候群;モリブデン補因子欠損症(A型またはB型);連珠毛;ファブリー病;ゴーシェ病;ムコ多糖体症;ムコビシドーシス;Muencke症候群;ミュア‐トール症候群;マリブレー低身長症;マルチプルカルボキシラーゼ欠損症(ビオチン反応性);多発性内分泌腫瘍;筋糖原病;筋ジストロフィ(先天性、メロシン欠損型);筋ジストロフィ(福山型先天性);筋ジストロフィ(肢帯);筋ジストロフィ(デュシェーヌ様);単純型先天性表皮水疱症を伴う筋ジストロフィ;筋無力症症候群(スローチャネル型先天性);マイコバクテリア感染(非定型、家族性播種性);骨髄異形成症候群;骨髄性白血病;骨髄性悪性腫瘍;ミエロペルオキシダーゼ欠損症;ミオアデニル酸デアミナーゼ欠損症;PGK欠損によるミオグロビン尿症/溶血;Myoneurogastrointestinal encephalomyopathy症候群;ミオパシー(アクチン、先天性、デスミン関連、心骨格、遠位型、ネマリン);CPTII欠損によるミオパシー;ホスホグリセリン酸ムターゼ欠損によるミオパシー;先天性ミオトニー;先天性筋強直症(Myotonia levior);筋緊張性ジストロフィ;粘液性脂肪肉腫;NAGA欠損;爪膝蓋骨症候群;ネマリンミオパシー1(常染色体優性);ネマリンミオパシー2(常染色体劣性);新生児副甲状腺機能亢進症;腎石症;ネフロン癆(若年性);腎症(慢性 低補体血症性);ネフローゼ1;ネフローゼ症候群;ネザートン症候群;神経芽細胞腫;神経線維腫症(1型または2型);神経線維鞘腫症(Neurolemmomatosis); 神経セロイドリポフスチノーシス5;ニューロパシー;好中球減少症(自己免疫性 新生児);ニーマン‐ピック病(A型、B型、C1型、D型);夜盲症(先天性定常);ナイミーヘン症候群;左室心筋緻密化障害;非表皮溶解性掌蹠角化症;ノリエ病;Norum病;ヌクレオシドホスホリラーゼ欠損症;肥満症;後角症候群;眼白子症(ネトルシップファルス型);眼咽頭筋ジストロフィ;小口病;乏歯症;オーメン症候群;両眼隔離症;腎疾患を伴う視神経欠損症;オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症;オロト酸尿症; 起立性調節障害;OSMED症候群;頚椎後縦靭帯骨化症;変形性関節症;骨形成不全症;骨溶解;大理石骨病(劣性または突発性);骨肉腫;卵巣癌;卵巣形成不全;先天性爪肥厚症(Jackson−Lawler型または Jadassohn−Lewandowsky型);骨パジェット病;パリスター・ホール症候群;膵発育不全;膵臓癌;膵炎;パピヨン‐ルフェーヴル症候群;傍神経節腫;先天性パラミオトニ;頭頂孔(Parietal foramina);パーキンソン病(家族性または若年性);発作性夜間血色素尿症;ペリツェーウス‐メルツバッヒャー病;ペンドレッド症候群;会陰尿道下裂;周期熱;ペリオキシソーム病;新生児持続性高インスリン性低血糖病;持続性ミュラー管開存症(II型);ペーテルス異常;ポイツ‐ジェガーズ症候群;プファイファー症候群;フェニルケトン尿症;ホスホリボシルピロリン酸合成酵素関連通風;肝臓および筋肉のホスホリラーゼキナーゼ欠損症;まだら症;毛母腫; 両眼性の網膜芽細胞腫を伴う松果体腫;ACTH分泌性下垂体腺腫;下垂体ホルモン欠乏症;下垂体部腫瘍;胎盤のステロイドスルファターゼ欠乏症;プラスミン・インヒビター欠乏症;プラスミノゲン欠乏症(I型とII型);プラスミノゲン栃木型異常病;血小板障害;血小板糖蛋白質IV欠乏症;血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ欠乏症;多発性嚢胞腎疾患;硬化性白質脳症を伴う多発嚢胞性脂肪膜性骨異形成症;軸後指過剰症;ポリポーシス;膝窩翼状片症候群;ポルフィリン症(急性肝性、急性間欠性、または先天性赤血球生成性);晩発性皮膚ポルフィリン症;肝造血性ポルフィリン症;異型ポルフィリン症;プラーダー‐ヴィリ症候群;性的早熟症;早発性卵巣機能不全;早老症 I型;早老症 II型;進行性外眼筋麻痺症;進行性妊娠性肝内胆汁うっ滞2;プロラクチノーマ(副甲状腺機能亢進症、カルチノイド症候群);プロリダーゼ欠損症;プロピオン酸血症; 前立腺癌;プロテインS欠損症;蛋白尿;プロトポルフィリン症(造血性);偽性軟骨形成不全症;偽半陰陽;偽性低アルドステロン症;偽性上皮小体機能低下症;偽膣性会陰部陰嚢部尿道下裂(Pseudovaginal perineoscrotal hypospadias);偽性ビタミンD
欠乏性くる病;弾力線維性仮性黄色腫(常染色体優性、常染色体劣性);肺胞蛋白症;肺高血圧症;電撃性紫斑病;濃化異骨症;熱変形赤血球症;ピルビン酸カルボキシラーゼ欠乏症;ピルビン酸デヒドロゲナーゼ欠乏症;Rabson−Mendenhall症候群;レフサム病;腎細胞癌;尿細管性アシドーシス;難聴を伴う尿細管性アシドーシス;尿細管性アシドーシス−大理石骨病症候群;細網症(家族性細網肉腫);網膜変性;網膜ジストロフィ;色素性網膜炎;白点状網膜炎;網膜芽細胞腫;レチノール結合タンパク質欠乏症;網膜分離症;レット症候群;RHmod症候群;Rhabdoid predisposition症候群;ラブドイド腫瘍;横紋筋肉腫;横紋筋肉腫(胞状);近節短縮性点状軟骨形成異常症;Ribbing症候群;くる病(ビタミンD耐性);リーガー異常;ロビノー症候群;ロートムント‐トムソン症候群;Rubenstein−Taybi症候群;サッカロピン尿症;シーザー‐ショッツェン症候群;サラ病;ザントホフ病(乳児性、若年性、成人性);サンフィリポ症候群(A型、B型);シンドラー病;脳裂;精神分裂病(慢性);シュワン細胞腫(散発性);SCID(常染色体劣性、T陰性/B陽性型);TMDをもつ分泌経路(Secretory pathway w/TMD);先天性SED;セガワ症候群;選択的T細胞欠損;SEMD(パキスタン型);SEMD(Strudwick型);中隔視覚異形成症;重症複合免疫不全症(B細胞陰性);重症複合免疫不全症(T細胞陰性、B細胞/ NK細胞陽性型);重症複合免疫不全症(X連鎖);ADA欠損による重症複合免疫不全症;性転換(XY、副腎不全を伴う);セザリー症候群;Shah−Waardenburg症候群;低身長;Shprintzen−Goldberg症候群;シアル酸蓄積症;シアリドーシス(I型またはII型);シアル酸尿症; 鎌状赤血球貧血;Simpson−Golabi−Behmel症候群;内臓錯位;シェーグレン‐ラルソン症候群; Smith−Fineman−Myers症候群;スミス‐レムリ‐オピッツ症候群(I型またはII型);成長ホルモン分泌細胞腫瘍(Somatotrophinoma); ソースビー黄斑変性症;痙性対麻痺;球状赤血球症;球状赤血球症−1;球状赤血球症−2;ケネディ球脊髄性筋萎縮;脊髄性筋萎縮;脊髄小脳性運動失調;脊椎肋骨異骨症(Spondylocostal dysostosis);遅発性脊椎骨端異形成症;脊椎・骨幹端異形成症(日本型);シュタルガルト病−1;多発性皮脂嚢腫症;スティックラー症候群;スタージ‐ウェーバー症候群;皮質下層状heteropia(Subcortical laminal heteropia);皮質下層状異所性灰白質(Subcortical laminar heterotopia);コハク酸セミアルデヒドデヒドロゲナーゼ欠損;ショ糖不耐症;Sutherland−Haan症候群;CFを伴わない汗中塩素濃度上昇;指節癒合症;Synostoses症候群;合多指症;タンジアー病;テイ‐サックス病;T細胞急性リンパ芽球性白血病;T細胞免疫不全症;T細胞前リンパ球性白血病;サラセミア(αまたはδ);Hb Leporeによるサラセミア;致死性骨異形成症(I型またはII型);チアミン反応性巨赤芽球性貧血症候群;血小板血症;血栓形成傾向(プラスミノーゲン異常);ヘパリンコファクターII欠乏による栓友病;プロテインC欠乏による栓友病;トロンボモジュリン欠乏による血栓形成傾向;甲状腺腺腫;甲状腺ホルモン不応症;甲状腺ヨウ素ペルオキシダーゼ欠乏症;ティエッツ症候群;トルブタミド低代謝;Townes−Brocks症候群;トランスコバラミンII欠乏症;トリーチャー・コリンズ下顎顔面形成異常;Trichodontoosseous症候群;毛髪鼻指節骨症候群;裂毛症;三機能性タンパク質欠乏症(I型またはII型);トリプシノーゲン欠乏症;結節硬化症−1;結節硬化症−2;ターコット症候群;チロシンホスファターゼ;チロシン血症;Ulnar−mammary症候群;尿石症(2,8−ジヒドロキシアデニン);アッシャー症候群(1B型または2A型);静脈奇形;心室性頻拍;男性化;ビタミンK依存性凝固障害;VLCAD欠損;フォーヴィンケル症候群;フォン・ヒッペル‐リンダウ症候群;ヴォン・ヴィレブランド病;ワールデンブルヒ症候群;ワールデンブルヒ症候群/眼白子症;Waardenburg−Shah神経変異;Waardenburg−Shah症候群;ヴァーグナー症候群;ワルファリンナトリウム過敏;ワトソン症候群;Weissenbacher−Zweymuller症候群;ヴェルナー症候群;Weyers acrodental 骨形成不全;白色海綿状母斑;ウィリアムズ症候群;ウィルムス腫(1型);ウィルソン病;ヴィスコット‐オールドリッチ症候群;Wolcott−Rallison症候群;ウォルフラム症候群;ウォルマン病;キサンチン尿症(I型);色素性乾皮症;X−SCID; イエメン盲ろう色素脱失症候群(Yemenite deaf−blind hypopigmentation syndrome);低カルシウム尿性高カルシウム血症(I型);ツェルヴェーガー症候群;Zlotogora−Ogur症候群。
遺伝的背景をもつ疾患、および主に単一遺伝子異常によって起こりメンデルの法則に従って遺伝する疾患で、この治療を行うことが望ましい疾患は、好ましくは、アデノシンデアミナーゼ欠乏症、家族性高コレステロール血症、Canavan症候群、ゴーシェ病、ファンコニ貧血、神経セロイドリポフスチノーシス、ムコビシドーシス(嚢胞性線維症)、鎌状赤血球貧血、フェニルケトン尿症、アルカプトン尿症、白皮症、甲状腺機能低下不全症、ガラクトース血症、α1アンチトリプシン欠損症、色素性乾皮症、Ribbing症候群、ムコ多糖体症、唇裂、顎、口蓋、ローレンス・ムーン・バルデー・ビードル症候群、短肋骨多指症候群、クレチン病、ジュベール症候群、II型早老症、短指症、副腎性器症候群等の常染色体劣性遺伝性疾患、および色覚異常(例えば赤緑色盲)、ぜい弱X症候群、筋ジストロフィ(デュシエンヌ型、Becker−Kiener型)、血友病AとB、G6PD欠損症、ファブリー病、ムコ多糖体症、Norrie症候群、色素性網膜炎、敗血性肉芽腫症、X−SCID、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、レッシュ‐ナイハン症候群等のX染色体遺伝性疾患からなる群から選ばれる。または、例えば遺伝性欠陥浮腫、マルファン症候群、神経線維腫症、I型早老症、骨形成不全症、クリッペル・トレノーネイ症候群、スタージ‐ウェーバー症候群、ヒッペル・リンダウ症候群、結節性硬化症等の常染色体優性遺伝性疾患から選ばれる。
本発明によると、自己免疫疾患を治療するための治療方法をも提供しうる。従って、塩基修飾されたRNA、または塩基修飾されたRNAを含む組成物を、自己免疫疾患の治療、または自己免疫疾患の治療のための薬物を製造するために用いることができる。自己免疫疾患は、それぞれの疾患の主要な臨床病理学的特徴により、全身性自己免疫疾患と、器官特異性または局在性自己免疫疾患とに大別することができる。自己免疫疾患は、全身性エリテマートーデス(SLE)、シェーグレン症候群、強皮症、関節リウマチ、および多発性筋炎を含む全身性症候群の範疇と、内分泌性(I型糖尿病(糖尿病1型)、橋本甲状腺炎、アジソン病等)、皮膚性(尋常性天疱瘡)、血液性(自己免疫性溶血性貧血)、もしくは神経性(多発性硬化症)、または事実上いかなる限局性体組織塊にも関わりうる局在性症候群の範疇とに分けることができる。治療する対象の自己免疫疾患は、I型自己免疫疾患、II型自己免疫疾患、III型自己免疫疾患、あるいはIV型自己免疫疾患からなる群から選択することができ、それらには、例えば多発硬化(MS)、関節リウマチ、糖尿病、I型糖尿病(真性糖尿病)、慢性多発関節炎、バセドウ氏病、自己免疫型慢性肝炎、潰瘍性大腸炎、I型アレルギー疾患、II型アレルギー疾患、III型アレルギー疾患、IV型アレルギー疾患、線維筋痛、脱毛症、べヒテレフ病、クローン病、重症筋無力症、神経皮膚炎、リウマチ性多発筋痛、全身性進行性硬化(PSS)、ライター症候群、関節リウマチ、乾癬、脈管炎等、またはII型糖尿病を含む。なぜ免疫系が自己抗原に対して免疫応答を引き起こすかについての正確な様態がこれまで解明されなかったが、その病因についてはいくつかの研究結果がある。それによると、自己反応はT細胞バイパスによるものである可能性がある。正常な免疫系では、B細胞が抗体を大量に産生できるようになる前に、T細胞によってB細胞を活性化させる必要がある。このようなT細胞の必要性は、超抗原を産生する生物による感染等の稀な例において回避することができる。超抗原は、非特異的な方法でT細胞受容体のβサブユニットと直接結合して、B細胞の、あるいはT細胞までもの多クローン性活性化を開始することができる。別の説明では、自己免疫疾患を分子擬態によるものであると推定している。外来性抗原は、一定の宿主抗原に対して、構造面での類似性を有している可能性がある。従って、この(自己抗原を模倣する)抗原に対して産生されるいかなる抗体もまた、理論上は、宿主抗原に結合し、免疫応答を増幅しうる。分子擬態の最も著しい形は、ヒトの心筋と抗原を同じくする、グループAベータ溶血性連鎖球菌で観察され、リウマチ熱による心臓の症状の原因となる。従って、本発明によると、一般に免疫系の脱感作を可能にする自己抗原をコードする塩基修飾されたRNAを含む本発明の組成物が得ることができ、また(自己抗原を含まない)本発明に係る(免疫賦活性の)組成物を得ることができる。
従って、本発明はまた、上述の適応症または疾患の治療における、ここで説明されるような塩基修飾されたRNA、またはここで説明されるような薬学的組成物、特に好ましくはここで説明されるワクチンの使用に関する。本発明はまた、特に、ここで説明される塩基修飾されたRNAの、接種のための使用、または上記薬学的組成物の、接種剤としての使用を含む。
本発明のさらに別の目的は、上述の疾患を治療するための方法または上述の疾患を予防するための接種の方法を提供することであるが、この方法は、患者、特にヒトに対して上述した薬学的組成物を投与する工程を含む。
本発明はまた、塩基修飾されたRNAの作製のためのインビトロ転写法に関し、
a)特に上述した目的のタンパク質をコードする核酸を作製/調製する工程;
b)RNAポリメラーゼ、緩衝液、核酸混合物、および必要に応じてリボヌクレアーゼ阻害剤を含むインビトロ転写媒質に上記(デオキシ)リボ核酸を添加する工程であって、該核酸混合物は、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、および/またはUの代りとしての、上述の1つ以上の塩基修飾ヌクレオチドと、天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUの全てが置換されるわけではない場合、必要に応じて、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUとを含む、工程;
c)上記インビトロ転写媒質中にて上記核酸をインキュベートし、該核酸をインビトロ転写する工程;および
d)必要に応じて、精製および組み込まれなかったヌクレオチドの上記インビトロ転写媒質からの除去を行う工程;
の各工程を含む。
本発明に係るインビトロ転写法の、工程a)において述べられる核酸は、上述のように、目的のタンパク質をコードするいかなる核酸でもよく、とりわけ、上述したように、好ましくは診断学上重要なタンパク質、治療活性タンパク質、または他の、実験または研究を目的として使用された、あるいは使用可能な、いかなるタンパク質をも含む。この目的のために使用されるのは、通常、上述のようにタンパク質をコードするDNA配列、例えばゲノムDNAもしくはその断片、またはプラスミドであり、あるいは(それに対応する)RNA配列、例えば、好ましくは直線化した、mRNA配列である。上記インビトロ転写は通常、RNAポリメラーゼ結合部位を有するベクターを用いて行うことができる。この目的のために、関連技術分野において公知のあらゆるベクター、例えば上述の市販されるベクターを用いることができる。例えば、クローニングサイトの上流および/または下流においてSP6、T7またはT3結合部位を有するベクターが好ましい。これにより、使用される核酸配列は、選択されたRNAポリメラーゼによって、所望に沿って、のちに転写することができる。上に規定されるような、インビトロ転写およびタンパク質のコーディングに使用される核酸配列は、通常、例えば使用するベクターの持つマルチクローニングサイトを介して、ベクターにクローン化する。転写の前に、クローンは通常、後にRNAの3’末端になる箇所が位置する箇所で、適切な制限酵素によって切断され、その断片は精製される。これにより、RNAがベクター配列を含むことを防ぎ、決まった長さのRNAが得られる。3’突出末端を産生する制限酵素(例えばAat II、Apa I、Ban II、Bgl I、Bsp 1286、BstX I、Cfo I、Hae II、HgiA I、Hha I、Kpn I、Pst I、Pvu I、Sac I、Sac II、Sfi I、Sph I等)はいずれも使用しない方が好ましい。それでもなお、このような制限酵素を使用する場合、3’突出末端は、好ましくは、例えばクレノウまたはT4−DNAポリメラーゼで埋められる。
あるいは、核酸を、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって、転写テンプレートとして作製することも可能である。この目的のために使用されるプライマーの1つは通常、RNAポリメラーゼ結合部位の配列を含んでいる。さらに、使用されるプライマーの5’末端は、好ましくは長さがおよそ10から50ヌクレオチドであり、さらに好ましくは15から30ヌクレオチドであり、最も好ましくはおよそ20ヌクレオチドである。
インビトロ転写に先立って、高い収率を確保するために、例えばDNAテンプレートまたはRNAテンプレート等の核酸は通常精製され、リボヌクレアーゼが除去される。精製は、例えば塩化セシウム濃度勾配法またはイオン交換法等の、関連技術分野において公知のいかなるプロセスによっても行うことができる。
方法工程b)では、核酸がインビトロ転写媒質に添加される。適切なインビトロ転写媒質にはまず、工程a)で作製された核酸が、例えばおよそ0.1から10μg、好ましくはおよそ1から5μg、より好ましくは2.5μg、最も好ましくはおよそ1μg含まれる。適切なインビトロ転写媒質にはまた、必要に応じて、DTT等の還元剤を、より好ましくは50mMのDTTが1から20μl、さらに好ましくは50mMのDTTがおよそ5μl含まれる。インビトロ転写媒質はさらにヌクレオチド、例えば、本発明の場合、例えば、上述のように規定される塩基修飾されたヌクレオチド(通常、ヌクレオチドごとにおよそ0.1から10mM、好ましくはヌクレオチドごとに0.1から1mM、好ましくは合計でおよそ4mM)、および、必要に応じて未修飾のヌクレオチドからなるヌクレオチド混合物を含む。例えばプソイドウリジン5’−三リン酸塩、5−メチルシチジン−5’−三リン酸塩等の、上述の塩基修飾されたヌクレオチド(ヌクレオチドごとにおよそ1mM、好ましくは合計でおよそ4mM)は通常、塩基修飾されたヌクレオチドが天然型のヌクレオチドによって完全に置換されるような量を添加する。しかしながら、特定のヌクレオチドの代わりに、1つ以上の塩基修飾されたヌクレオチドおよび天然型のヌクレオチドとの混合物を用いることも可能である。すなわち、天然型のヌクレオチドA、G、Cおよび/またはUの1つ以上の代替物として、上述のように1つ以上の塩基修飾されたヌクレオチド、あるいは、天然型のヌクレオチドA、G、CまたはUの全てを置換しない場合は、天然型のヌクレオチドA、G、CまたはUの1つ以上が必要に応じてさらに存在していてもよい。インビトロ転写媒質へ所望の塩基を選択的に添加することによって、転写された塩基修飾されたRNA配列における所望の塩基修飾の内容、すなわち発生と量とを制御することができる。適切なインビトロ転写媒質は同様に、例えばT7−RNAポリメラーゼ(例えばT7オプティmRNAキット、CureVac社、テュービンゲン、ドイツ)、T3−RNAポリメラーゼまたはSP6等のRNAポリメラーゼを、通常およそ10から500U、好ましくはおよそ25から250U、より好ましくはおよそ50から150U、最も好ましくはおよそ100U含んでいる。インビトロ転写媒質はさらに、転写RNAの分解を避けるために、リボヌクレアーゼがない状態に保たれることが好ましい。従って、適切なインビトロ転写媒質には、必要に応じてリボヌクレアーゼ阻害剤がさらに含まれる。
工程c)において、核酸は、通常およそ30分から120分、好ましくはおよそ40分から90分、最も好ましくはおよそ60分の間、およそ30℃から45℃、好ましくは37℃から42℃で、インビトロ転写媒質中でインキュベートされ、転写される。インキュベーション温度は、使用されるRNAポリメラーゼによって決定され、例えば、T7RNAポリメラーゼの場合は、およそ37℃である。転写によって得られる核酸は、好ましくはRNA、さらに好ましくはmRNAである。
インキュベーションの後に、本発明に係るインビトロ転写法の工程d)において、必要に応じて反応物の精製を行ってもよい。この目的のために、関連技術分野において公知の、いかなる適切なプロセスを用いてもよく、そのプロセスは、例えばアフィニティクロマトグラフィ、ゲル濾過等のクロマトグラフィ精製工程である。精製によって、組み込まれなかった、すなわち過剰なヌクレオチドをインビトロ転写媒質から除去することができる。
本発明はまた、タンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法に関し、
a)特に上述した目的のタンパク質をコードする核酸を作製/調製する工程;
b)RNAポリメラーゼ、緩衝液、核酸混合物、および必要に応じてリボヌクレアーゼ阻害剤を含むインビトロ転写媒質に上記(デオキシ)リボ核酸を添加する工程であって、該核酸混合物は、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、および/またはUの代りとしての、上述の1つ以上の塩基修飾ヌクレオチドと、天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUの全てが置換されるわけではない場合、必要に応じて、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUとを含む、工程;
c)上記インビトロ転写媒質中にて上記核酸をインキュベートし、該核酸をインビトロ転写する工程;
d)必要に応じて、精製および組み込まれなかったヌクレオチドの上記インビトロ転写媒質からの除去を行う工程;
e)工程c)(および必要に応じて工程d))で得られた塩基修飾された核酸を、インビトロ翻訳媒質に添加する工程;
f)上記インビトロ翻訳媒質中にて上記塩基修飾された核酸をインキュベートし、該塩基修飾された核酸によってコードされるタンパク質をインビトロ翻訳する工程;および
g)必要に応じて、工程f)において翻訳されたタンパク質を精製する工程;
の各工程を含む。
本発明に係る、タンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程a)、b)、c)およびd)は、上述の、本発明に係るインビトロ転写法の工程a)、b)、c)およびd)と同一である。
本発明に係る、タンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程e)において、工程c)(必要に応じて工程d))で得られた塩基修飾された核酸は、適切なインビトロ翻訳媒質に添加される。適切なインビトロ翻訳媒質は、例えば網状赤血球溶解物、小麦胚芽抽出物等を含む。そのような媒質は通常さらにアミノ酸混合物を含む。かかるアミノ酸混合物は典型的には、(全ての)天然型のアミノ酸を含み、あるいは(例えば、オートラジオグラフィによって翻訳効率を制御するための)35S−メチオニン等の修飾アミノ酸を必要に応じて含む。適切なインビトロ翻訳媒質はさらに反応緩衝液を含む。インビトロ翻訳媒質は、例えばクリーグとメルトン(1987)によって説明されており(P. A. Krieg and D. A. Melton (1987) In vitro RNA synthesis with SP6 RNA polymerase Methods Enzymol 155:397-415)、その開示内容全体が、参照によって本発明に組み込まれるものとする。
本発明に係る、タンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程f)において、塩基修飾された核酸はインビトロ翻訳媒質中でインキュベートされ、塩基修飾された核酸によってコードされるタンパク質はインビトロで翻訳される。インキュベーション時間は通常、およそ30分から120分、好ましくはおよそ40分から90分、最も好ましくはおよそ60分である。インキュベーション温度は通常、およそ20℃から40℃の範囲であり、好ましくはおよそ25℃から35℃、最も好ましくはおよそ30℃である。
本発明に係る、タンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の、b)からf)の各工程、またはb)からf)の個々の工程は、互いに組み合わせることができる。すなわち、同時に行うことができる。必要な成分は全て最初に同時に添加するか、あるいは上述の工程b)からf)の順番に従って、反応の間に、連続して反応媒質に添加することが好ましい。
任意の工程g)において、工程f)で得られた翻訳されたタンパク質を精製してもよい。精製は、当業者に公知のプロセス、例えばアフィニティクロマトグラフィ(HPLC、FPLC等)、イオン交換クロマトグラフィ、ゲルクロマトグラフィ、サイズ排除クロマトグラフィ、ガスクロマトグラフィ等のクロマトグラフィ、抗体検出、または、NMR分析等の生物物理学的プロセス(例えば、上記マニアティスら(2001))によって行うことができる。アフィニティクロマトグラフィプロセスを含むクロマトグラフィプロセスでは、上述のように、例えばヘキサヒスチジンタグ(HISタグ、ポリヒスチジンタグ)、ストレプトアビジンタグ(strepタグ)、SBPタグ(ストレプトアビジン結合タグ)、GST(グルタチオンSトランスフェラーゼ)等の、精製のためのタグを適切に用いることができる。精製はさらに、Mycタグ、Swa11エピトープ、FLAGタグ、HAタグ等の抗体エピトープ(抗体結合タグ)を用いて行ってもよい。つまり、(固定化)抗体を用いたエピトープの認識によって行ってもよい。
本発明はまた、宿主細胞中におけるタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法に関し、
a)特に上述した目的のタンパク質をコードする(デオキシ)リボ核酸を作製/調製する工程;
b)RNAポリメラーゼ、緩衝液、および1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、および/またはUの代りとしての、上述の1つ以上の塩基修飾ヌクレオチドと、天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUの全てが置換されるわけではない場合、必要に応じて、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUを含むインビトロ転写媒質に上記核酸を添加する工程;
c)上記インビトロ転写媒質中にて上記核酸をインキュベートし、該核酸をインビトロ転写する工程;
d)必要に応じて、精製および組み込まれなかったヌクレオチドの上記インビトロ転写媒質からの除去を行う工程;
e’)工程c)(および必要に応じて工程d))において得られた塩基修飾された核酸を、宿主細胞にトランスフェクトする工程;
f’)上記宿主細胞中にて上記塩基修飾された核酸をインキュベートし、該塩基修飾された核酸によってコードされるタンパク質を翻訳する工程;および
g’)必要に応じて、工程f’)において翻訳されたタンパク質を単離および/または精製する工程;
の各工程を含む。
本発明に係る、宿主細胞におけるタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程a)、b)、c)およびd)は、上述の本発明に係るインビトロ転写法、および、上述の本発明に係るタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程a)、b)、c)およびd)と同一である。
本発明に係る、インビトロで転写および翻訳を行う方法の工程e’)によると、工程c)(必要に応じて工程d))で得られる塩基修飾された核酸は、宿主細胞にトランスフェクトされる。トランスフェクションは一般に、関連技術分野で公知のトランスフェクション法によって行われる(例えば、Maniatis et al. (2001) Molecular Cloning: A laboratory manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Habor, NY)。適切なトランスフェクション法には以下が含まれるが、これらに限定されるものではない:例えば改良型電気穿孔法(例えばヌクレオフェクション)等の電気穿孔法、例えばカルシウム共沈法等のリン酸カルシウム法、DEAE−デキストラン法、例えばトランスフェリンを介したリポフェクション法等のリポフェクション法、ポリプレントランスフェクション、粒子衝突、例えばPLGA等のナノプレックス、例えばPEI等のポリプレックス、プロトプラスト融合、およびマイクロインジェクション。リポフェクション法が特に適切な方法であることがわかっている。
本発明に係る、宿主細胞におけるタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程e’)に関連して、(適切な)宿主細胞は、本発明に従って用いられる塩基修飾されたRNAを発現させることができれば、いかなる細胞でもよく、好ましくは、培養された真核細胞(例えば酵母細胞、植物細胞、動物細胞、およびヒト細胞)のいずれか、または原核細胞(バクテリア細胞)である。コードされるタンパク質に対する翻訳後修飾、例えば糖鎖修飾が必要であれば(N−および/またはO−結合)、本発明に従って用いられる塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質を発現させるために、多細胞生物の細胞が選択されることが好ましい。原核細胞とは異なり、そのような(高等)真核細胞は、合成タンパク質に対する翻訳後修飾を可能にする。当業者には、例えば293T(胚性肝細胞株)、HeLa(ヒト子宮頸癌細胞)、CHO(チャイニーズハムスターの卵巣由来の細胞)、およびその他の細胞株、例えばhTERT−MSC、HEK293、Sf9、またはCOS細胞等の、実験目的のために開発された細胞または細胞株等の、高等真核細胞または高等真核細胞株の多くが知られている。適切な真核細胞にはさらに、疾患または感染によって損なわれた細胞または細胞株、例えば癌細胞、特に本明細書に記載された癌の型のいずれかによる癌細胞、HIVによって損なわれた細胞、および/または免疫系もしくは中枢神経系(CNS)の細胞等が含まれる。特に好ましい真核細胞は、ヒト細胞または動物細胞である。適切な宿主細胞は同様に、真核微生物由来のもの、例えば出芽酵母(Stinchcomb et al., Nature, 282:39, (1997))、分裂酵母等の酵母、カンジダ、ピチア、およびアスペルギルス属、アオカビ属等の糸状菌等由来のものである。適切な宿主細胞は同様に、原核細胞、例えば、大腸菌またはバチルス属、ラクトコッカス属、乳酸菌、シュードモナス属、ストレプトマイセス属、連鎖球菌属、ブドウ球菌属等の細菌由来の、好ましくは大腸菌等由来のバクテリア細胞等を含む。
本発明に係る、宿主細胞におけるタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程f’)においては、塩基修飾された核酸を宿主細胞においてインキュベートし、塩基修飾された核酸によってコードされるタンパク質の翻訳を宿主細胞において行う。この目的のために、例えば、リボソームおよびtRNAを用いた、宿主細胞における(m)RNAの翻訳等の、宿主細胞に固有の発現機構を用いることが好ましい。そのために利用されるインキュベーション温度は、個々のケースで用いられる宿主細胞系によって決定される。
任意の工程g’)において、工程f’)で得られる翻訳されたタンパク質を単離および/または精製することができる。翻訳された(発現された)タンパク質の単離は通常、タンパク質を反応物の成分から分離する工程を含み、例えば細胞溶解、超音波分解、または同様の方法等、当業者にとって公知のプロセスによって行うことができる。精製は、本発明に係る、タンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程e)に記載される方法によって行うことができる。
工程(a)から(d)とは独立して、本発明に従って使用される核酸は、工程(e’)から(g’)のインビトロ翻訳法によって発現させることも可能であり、よってこれも本発明の一部を構成する。
本発明はまた、生物内での(治療活性)タンパク質の発現を増加させるためにインビトロでの転写およびインビボでの翻訳を行う方法に関し、
a)特に上述した目的のタンパク質をコードする(デオキシ)リボ核酸を作製/調製する工程と、
b)RNAポリメラーゼ、適切な緩衝液および核酸混合物を含むインビトロ転写媒質へ核酸を添加する工程であって、該核酸混合物は、天然型のヌクレオチドA、G、Cおよび/またはUの1つ以上の代替物として、上述のように1つ以上の塩基修飾されたヌクレオチド、あるいは、天然型のヌクレオチドA、G、CまたはUの全てを置換しない場合は、天然型のヌクレオチドA、G、CまたはUの1つ以上、またあるいは、リボヌクレアーゼ阻害剤を含んでいる、工程と、
c)上記インビトロ転写媒質で上記核酸をインキュベートし、インビトロで上記核酸を転写する工程と、
d)精製および上記インビトロ転写媒質からの組み込まれなかったヌクレオチドの除去を行う任意の工程と、
e’’)工程c)(あるいは工程d))で得られた上記塩基修飾された核酸を、宿主細胞にトランスフェクトし、トランスフェクトされた上記宿主細胞を生物内に移植する工程、そして
f’’)上記塩基修飾された核酸によってコードされる上記タンパク質の翻訳を上記生物内で行う工程と、
の各工程を含む。
本発明に係る生物内でのタンパク質の発現を増加させるためにインビトロでの転写およびインビボでの翻訳を行う方法の工程a)、b)、c)およびd)は、上述の本発明に係るインビトロ転写法、上述の本発明に係るタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法、および上述の本発明に係る宿主細胞におけるタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法の工程a)、b)、c)およびd)と同一である。
工程e’’)における宿主細胞にはまた、ここでは自己細胞、すなわち患者から取り出された後に戻される細胞(体に属している細胞)が含まれていてもよい。そのような自己細胞は、インビボでの適用の際の、免疫系による拒絶のリスクを軽減する。自己細胞の場合、患者の、患部のある身体領域/器官からの(正常な、または疾患状態の)細胞を用いることが好ましい。トランスフェクション法は、上述の工程e)での方法が好ましい。工程e’’)において、生物内への宿主細胞の移植は工程e)に加えて行われる。本発明に関連する生物すなわち生命体は通常、ヒトに加えて、ウシ、ブタ、マウス、犬、猫、齧歯類、ハムスター、うさぎ等の動物である。工程e’’)およびf’’)の代わりに、工程f)/f’)および/または工程g)/g’)に係る単離および/または精製、ならびにそれに続く、翻訳された(治療活性)タンパク質の生命体に対する投与を行うことができる。投与は、薬学的組成物に関する記載にあるように行うことができる。
工程f’’)において、塩基修飾された核酸によってコードされるタンパク質の翻訳を生物内で行う。翻訳は、使用される宿主細胞に基づいて、宿主細胞に固有の系によって行われる。
工程(a)から(d)とは独立して、本発明で用いられる核酸を、工程(e’’)から(g’’)のインビトロ翻訳法によって発現させることも可能であり、従ってこれも本発明の一部を構成する。
本発明の他の実施形態では、治療目的の、細胞に基づいた手法を参照する。よって、生物、特にヒトの体から外植された細胞は、インビトロで培養される。ここで開示されるように、これらの細胞は塩基修飾されたRNAによってトランスフェクトされる。かかる塩基修飾されたRNAは、本明細書の他の箇所に説明されているようにして提供される。より詳細には、インビトロまたはインビボでの細胞または組織のトランスフェクションは一般に、工程a)によって調製される、および/または作製される塩基修飾されたRNAを、細胞または組織に添加することで行われる。複合体化されたRNAがその後、エンドサイトーシス等の細胞機構を用いて細胞に入ることが好ましい。細胞または組織への複合体化されたRNAの添加は、さらに別の成分なしで直接行ってもよい。あるいは、工程a)に従って調製され、および/または作製され、細胞または組織に添加される、塩基修飾されたRNAの添加は、本明細書で規定される(必要に応じてさらに別の成分を含む)組成物として行ってもよい。
(工程a)に従って調製される、および/または作製される)塩基修飾されたRNAの、インビトロによるトランスフェクションの構成における細胞(または宿主細胞)には、あらゆる細胞が含まれ、好ましくは、これらには限定されないが、塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質を発現させることができる細胞である。この構成における細胞には、好ましくは培養された真核細胞(例えば酵母細胞、植物細胞、動物細胞、およびヒト細胞)、または原核細胞(例えばバクテリア細胞等)が含まれる。コードされるタンパク質に対する翻訳後修飾、例えば糖鎖修飾が必要であれば(N−、および/またはO−結合)、多細胞生物の細胞が選択されることが好ましい。原核細胞と比較して、そのような(高等)真核細胞は合成タンパク質に対する翻訳後修飾を可能にする。当業者には、例えば293T(胚性肝細胞株)、HeLa(ヒトの子宮頸癌細胞)、CHO(チャイニーズハムスターの卵巣由来の細胞)、およびその他の細胞株、例えばhTERT−MSC、HEK293、Sf9、またはCOS細胞等の、実験目的のために開発された細胞または細胞株等の、高等真核細胞または高等真核細胞株の多くが知られている。適切な真核細胞にはさらに、疾患または感染によって損なわれた細胞または細胞株、例えば癌細胞、特に本明細書に記載された癌の型のいずれかによる癌細胞、HIVによって損なわれた細胞、および/または免疫系もしくは中枢神経系(CNS)の細胞等が含まれる。適切な細胞は同様に、真核微生物由来のもの、例えば出芽酵母(Stinchcomb et al., Nature, 282:39, (1997)),分裂酵母等の酵母、カンジダ、ピチア、アスペルギルス属、アオカビ属等の糸状菌等由来のものである。ヒト細胞または動物細胞、例えばここで述べられているような動物の細胞が、真核細胞として好ましい。ヒト細胞または例えば、ここで言及されるような動物の動物細胞は特に真核細胞として好ましい。さらに、抗原提示細胞(APC)を、本発明に係る塩基修飾されたRNAの、エキソビボのトランスフェクションに使用することができる。これにはまた、樹状細胞が含まれるが、これは、本発明に係る複合体化されたRNAの、エキソビボのトランスフェクションに使用することができる。これらAPC、特に樹状細胞は、塩基修飾されたRNAが病原体の抗原または腫瘍抗原をコードする場合に、特に有益である。これにより、再移植されたAPCはインビボで抗原を発現し、インビボで適正な適応免疫応答を引き起こすことができる。従って、好ましくは血液中に再移植されたAPCは、その生物が腫瘍または病原菌を免疫学的に攻撃することを可能にする、適正な免疫応答を引き起こす。APCに対するトランスフェクション後に呈される自己抗原は、(適正な投与手順を踏めば)その生物を脱感作し、それによってその生物の免疫応答を抑制する可能性があるため、この方法は自己免疫疾患の処置を可能にすることもできる。
適切な細胞は同様に、原核細胞、例えば、大腸菌またはバチルス属、ラクトコッカス属、乳酸菌、シュードモナス属、ストレプトマイセス属、連鎖球菌属、ブドウ球菌属等の細菌由来の、好ましくは大腸菌等由来のバクテリア細胞等を含む。
要約すると、本実施形態によると、細胞に基づいた遺伝子治療の手法を遂行することができ、これにより(a)塩基修飾されたRNAまたは塩基修飾されたRNAを含む組成物を提供し、(b)(必要であれば)細胞を多細胞生物から外植し、(c)細胞を本発明の塩基修飾されたRNAによってトランスフェクトし、そして(d)細胞が生物内に再移植される。自己細胞が使用される場合、この手法は有効である。自己細胞を使う必要が全くないならば、同種細胞(例えば株化細胞)を用いることもでき、これはその後トランスフェクトされ、再移植される。したがって、同種細胞によって工程(b)を省略することができる。エキソビボの方法が1つの実施形態ではあるが、本発明はまた、上に開示するように、細胞または組織の細胞外のトランスフェクションのための塩基修飾されたRNAの使用も包含する。
本発明によると、RNAライブラリーまたはRNAライブラリーを含む組成物の作製するための製造方法を提供し、当該製造方法は
(a)任意の細胞または組織、特に患者の腫瘍組織から、cDNAライブラリーまたはその一部を調整/提供する工程と、
(b)上記cDNAライブラリーまたはその一部を用いて、本発明に係る塩基修飾されたRNAのインビトロ転写のためのマトリックスを作製/調製する工程と、
(c) インビトロで上記マトリックスを転写する工程と
の各工程を含む。
患者のどのような組織であっても、例えば単純な生検によって得られる(例えば腫瘍組織)。しかし、腫瘍の浸潤した組織等の外科的除去によっても得ることができる。本発明に係る、作製プロセスの工程(a)によるcDNAライブラリーまたはその一部の作製/調製は、さらに、対応する組織を、保存のために、好ましくは−70℃未満の温度で冷凍した後に行うことができる。cDNAライブラリーまたはその一部の作製のために、例えば腫瘍組織生検からの全RNAの単離がまず行われる。このためのプロセスは、上記のマニアティスらにおいて説明されている。このための対応キットはさらに、例えばロッシュAG等によって市販されている(製品「ハイピュアRNAアイソレイションキット」等)。対応するポリ(A)RNAは、当業者にとって公知のプロセスに従って、全RNAから分離される(例えば、上記マニアティスらを参照)。このための適切なキットもまた、市販されている。例えば、ロッシュAGの「ハイピュアRNAティシューキット」である。このように得られたポリ(A)RNAから始めて、cDNAライブラリーは作製される(この構成に関してはまた、例えば、上記マニアティスらを参照)。cDNAライブラリーの作製におけるこの工程にも、例えばクロンテック社製「SMART PCR cDNA合成キット」等の、市販されているキットが当業者には入手可能である。ポリ(A)RNAからニ本鎖cDNAへの個々のサブステップは、クロンテック社製「スマート・PCR・cDNA合成キット」に従って実行することができる。
上記の作製プロセスでの工程(b)によると、cDNAライブラリーまたはその一部を用いて、インビトロ転写のためにマトリックスが合成される。本発明によると、これは特に、得られたcDNAの断片を、例えばプラスミド等の適切なRNA産生ベクターとしてクローン化することで達成される。本発明に係る工程(b)で作製されたマトリックスのインビトロ転写のために、これらの断片はまず、環状プラスミド(c)DNAとして存在している場合、対応する制限酵素によって線状とされる。このように分割されたコンストラクトは、実際のインビトロ転写の前に、例えば適切なフェノール/クロロホルムおよび/またはクロロホルム/フェノール/イソアミルアルコール混合物によって再び精製されることが好ましい。このようにして、DNAマトリックスが無タンパク質状態であることを、とりわけ確実にする。その後、精製されたマトリックスを用いて、RNAの酵素合成が行われる。このサブステップは、適切な緩衝液中に、線状とされた無タンパク質のDNAマトリックスを含む、好ましくはリボヌクレアーゼ阻害剤が添加された適切な反応混合物中で、天然の、または塩基修飾されたヌクレオチドとして必要とされるリボヌクレオチド三リン酸塩(rATP、rCTP、rUTP、およびrGTP)と、十分な量の、例えばT7ポリメラーゼ等のRNAポリメラーゼとの混合物を用いて行われる。これにより、特定の塩基修飾されたrATP、rCTP、rUTP、またはrGTPを排他的に含むRNAライブラリーを調整することができる。また、例えば、塩基修飾されたアデノシンヌクレオチドおよび塩基修飾されたシチジンヌクレオチド(例えば7−デアザグアノシン−TPおよびプソイドウリジン−TP)等の、塩基修飾されたヌクレオチドのいかなる組み合わせも得ることができる。上記の代わりに、または上記に加えて、ライブラリーは上記4タイプのうち1つ以上のタイプの一定量のみが塩基修飾されたヌクレオチドを含んでいてもよく、これは、転写反応媒質に添加された、塩基修飾されたヌクレオチド/未修飾のヌクレオチドの最初の比率(例えば20%の7−デアザグアノシンTPと80%の天然のグアノシン−TP)によって影響されうる。さらに、存在している4種類のヌクレオチドの1つ以上が異なる、塩基修飾されたヌクレオチドの組み合わせも可能であり、その比率は同様に、媒質に添加された、修飾されたヌクレオチドの最初の比率(例えば、5−ブロモシチジン−三リン酸塩30%と5−メチルシチジン−三リン酸塩70%との組み合わせ)による。ここで、反応混合物はリボヌクレアーゼのない水の中に存在する。また、実際のRNAの酵素合成の間に、キャップアナログを添加することが好ましい。37℃での、適切な長さの時間、例えば2時間のインキュベーションの後に、リボヌクレアーゼを含まないデオキシリボヌクレアーゼを添加することにより、DNAマトリックスは分解される。その後、再び37℃でインキュベートすることが好ましい。
このように調整されたRNAは、酢酸アンモニウム/エタノールによって沈殿させられ、適切であれば一度または数回、リボヌクレアーゼを含まないエタノールで洗浄することが好ましい。最後に、このように精製されたRNAは乾燥され、好適な実施形態では、リボヌクレアーゼを含まない水の中に取り上げられる。このように調整されたRNAはさらに、フェノール/クロロホルムまたはフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールを用いて、何度か抽出されてもよい。
上記で規定される製造方法のさらなる好適な実施形態によると、全cDNAライブラリーの一部だけが得られ、対応するmRNA分子に変換される。従って、本発明によると、いわゆるサブトラクションライブラリーはまた、本発明に係るmRNA分子を作製するために、全cDNAライブラリーの一部として用いることができる。どのような組織(例えば腫瘍組織)のcDNAライブラリーでも好ましい部分は、特に目的とする特定のタンパク質をコードする。だが一方、他のタンパク質はより重要性が低い。例えば、腫瘍特異性抗原のサブトラクションライブラリーを作製することに利点がある可能性がある。だが一方、どのような細胞にも存在するハウスキーピングタンパク質を取り去ることが好ましい。一定の腫瘍に対応する抗原は公知である。さらに別の好適な実施形態によると、(腫瘍)特異性抗原をコードするcDNAライブラリーの一部を最初に(つまり、上記で規定された製造方法の工程(a)の前に)規定することができる。これは、(腫瘍)特異性抗原の配列を、正常な組織由来の、対応するcDNAライブラリーを用いて、アラインメントによって決定することで達成されることが好ましい。病原体由来の一定の抗原が、本発明に係るRNAライブラリーによって提示される場合、塩基修飾されたRNA配列を含むRNAライブラリーを樹立するために、同様の方法を用いることができる。これらの抗原は、感染組織から正常なタンパク質を取り去ることで同様に単離できる。
本発明のアラインメントには、特に正常な組織の発現パターンと、対象となっている(腫瘍)組織の発現パターンとの比較が含まれる。対応する発現パターンは、核酸レベルで、例えばハイブリダイゼーション実験の支援の下で決定できる。このために、例えばその組織における対応する(m)RNAまたはcDNAは、それぞれの場合に適切なアガロースまたはポリアクリルアミドゲルの中で分離し、メンブランにトランスファーされて、対応する核酸プローブ、好ましくはオリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズすることができ、これらのプローブはその特定の遺伝子を表す(それぞれ、ノーザンブロットおよびサザンブロット)。従って、対応するハイブリダイゼーションの比較は、腫瘍組織によって排他的に、またはその組織でより大きな程度に発現される遺伝子が提供される。
さらに別の好適な実施形態によると、(1つ以上の)マイクロアレイによる診断の支援の下、上述のハイブリダイゼーション実験は行われる。かかるDNAマイクロアレイは、小さな、またはごく小さな空間に、特に核酸プローブ、とりわけオリゴヌクレオチドプローブを、一定の配置で含んでいる。各プローブはそれぞれの場合での例えば遺伝子を表し、この遺伝子が存在するか否かは、対応する(m)RNAまたはcDNAライブラリーにおいて調べられる。適切なマイクロアレンジメントでは、数百、数千、および数万から数十万個までもの遺伝子をこのように表すことができる。次に、特定の組織の発現パターンを分析するため、ポリ(A)RNAまたは、好ましくは対応するcDNAが、適切な標識によって標識され、特にこの目的のためには蛍光標識が用いられ、適切なハイブリダイゼーション条件の下でマイクロアレイと接触させる。cDNA種がマイクロアレイに存在するプローブ分子、特にオリゴヌクレオチドプローブ分子と結合した場合、それにより、適切な検出装置(適切に設計された蛍光分光計等)を用いて測定することができるような、ある程度はっきりした蛍光シグナルが観察される。ライブラリーで、cDNA(またはRNA)種がより多いと、蛍光シグナル等のシグナルがより大きくなる。対応する(何度かの、あるいは数多くの)マイクロアレイハイブリダイゼーション実験が、腫瘍組織と正常組織とで別々に行われる。従って、腫瘍組織によって排他的にまたはより大きな程度まで遺伝子が発現されたことは、マイクロアレイ実験によって解読された信号同士の差異から結論付けることができる。そのようなDNAマイクロアレイ分析は、例えばSchena (2002), Microarray Analysis, ISBN 0-471-41443-3, John Wiley & Sons, Inc., New York、において説明されており、該文献のこの点に関する開示内容は、その全範囲にわたって本発明に含まれるものとする。
しかし、(腫瘍)組織特異性発現パターンの樹立は、核酸レベルでの分析には限定されるものではない。従来技術により公知の、タンパク質レベルでの発現分析に有用な方法もまた、もちろん当業者には知られている。特に、ここに述べられるような、二次元ゲル電気泳動と質量分析の技術が存在し、これらの技術はまたタンパク質バイオチップと組み合わせることができる(すなわち、例えばタンパク質レベルのマイクロアレイで、例えば正常組織または腫瘍組織からの抽出タンパク質が、マイクロアレイ基板に塗布された抗体および/またはペプチドと接触させられる)。質量分析方法については、MALDI−TOF(「マトリックス支援レーザー脱離イオン化」)法が、この点に関しては触れられるべきであろう。正常組織と比較した腫瘍組織の発現パターンを得るための、タンパク質化学の分析のために述べられた技術は、例えばRehm (2000) Der Experimentator: Proteinbiochemie/Proteomics [The Experimenter: Protein Biochemistry/Proteomics], Spektrum Akademischer Verlag, Heidelberg, 3rd ed.に説明されており、この開示内容は、本発明において、この点に関して、明確に参照する。タンパク質マイクロアレイではさらに、上述のSchena(2002)の記載をこの点に関してやはり参照する。
塩基修飾されたヌクレオチドを含むいかなるRNAライブラリー(cRNA)も、本発明に包含される。本発明のRNAライブラリーはまた、RNA分子の元の数から、一定のmRNA分子を減じることによって、トランスクリプトーム(細胞/組織の転写されたmRNA分子の全て)の一部のみを表す。特に、本発明に係る上記の方法によって得られるどのようなRNAライブラリーも、本発明に包含される。
以下の実施例および図は、上述の説明をより詳細に説明、図解することを意図したものである。
図1は、プソイドウリジン5'-三リン酸塩を用いてルシフェラーゼRNAの塩基修飾を行い、その後にHela細胞へトランスフェクトした結果を示す(実施例2B参照)。図2から分かるように、ルシフェラーゼの過剰発現は大幅に改善された(塩基修飾されたRNA配列の実量94015amolと比較した未修飾のmRNA配列の実量960amol(アトモル))。
図2は、5-メチルシチジン-5'-三リン酸塩を用いてルシフェラーゼRNAの塩基修飾を行い、その後にHela細胞へトランスフェクトした結果を示す(実施例2B参照)。図2から分かるように、ルシフェラーゼの過剰発現は、同様に、大幅に改善された(塩基修飾されたmRNA配列の実量3087amolと比較した未修飾のmRNA配列の実量960amol)。
図3は、5−メチルシチジン−5三リン酸塩とともにプソイドウリジン5'−三リン酸塩を用い、ルシフェラーゼRNAの塩基修飾をし、その後にhPBMC細胞へトランスフェクトした結果を示す(実施例3参照)。図3から分かるように、ここにおいてもまた、ルシフェラーゼの過剰発現は大幅に改善された(プソイドウリジン5'−三リン酸塩を用いて修飾されたmRNA配列の実量3351amol、および、5−メチルシチジン−5を用いて修飾されたmRNA配列の実量1274amolと比較した未修飾のmRNA配列の実量260amol)。
図4Aは、以下のさらなる修飾を含むルシフェラーゼのmRNA配列(配列番号3)を示す(実施例1A参照):
α−グロビン遺伝子由来の安定化配列;
3’末端の70個のアデノシンのポリAテール;
3’末端の30個のシトシンのポリAテール。
図4Bは、ルシフェラーゼの天然型のmRNA配列(配列番号4)を示す(実施例1A参照)。
図4Cは、以下のさらなる修飾を含む、プソイドウリジンを用いて修飾されたルシフェラーゼのmRNA配列(配列番号5)を示す(実施例1B参照):
α−グロビン遺伝子由来の安定化配列;
3’末端の70個のアデノシンのポリAテール;
3’末端の30個のシトシンのポリAテール。
図4Dは、以下のさらなる修飾を含む、ルシフェラーゼのメチルシチジンを用いて修飾されたmRNA配列(配列番号6)を示す(実施例1B参照):
α−グロビン遺伝子由来の安定化配列;
3’末端の70個のアデノシンのポリAテール;
3’末端の30個のシトシンのポリAテール。
図5は、トランスフェクション実験の結果を示す棒グラフである。ルシフェラーゼをコードする、修飾されていない、または修飾されたmRNAを用いてhPBMCをトランスフェクトし、トランスフェクトしてから16時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。このデータは、CTPを5−ブロモ−CTPまたは5−メチル−CTPと置換、GTPを7−デアザ−GTPと置換、またはUTPをプソイド−UTPと置換することにより、未修飾のmRNAを用いてトランスフェクトした細胞におけるルシフェラーゼ活性に比べて、修飾されたmRNAによってコードされるルシフェラーゼの活性が増加することを示す。
図6はトランスフェクション実験の結果を示す棒グラフである。ルシフェラーゼをコードする、修飾されていない、または修飾されたmRNAを用いてHela細胞をトランスフェクトし、トランスフェクトしてから16時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。このデータは、CTPの5−ブロモ−CTPまたは5メチルCTPと置換、GTPを7−デアザ−GTPと置換、またはUTPをプソイド−UTPと置換することにより、未修飾のmRNAを用いてトランスフェクトした細胞におけるルシフェラーゼ活性に比べて、修飾されたmRNAによってコードされるルシフェラーゼの活性が増加することを示す。
以下の実施例は、それに限定することなく本発明をさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕RNAの塩基修飾:
A)mRNAコンストラクト
まず、塩基修飾のためのテンプレートとしてルシフェラーゼコンストラクト(CAP−Ppluc(wt)−muag−A70−C30)を作成した(図4A、配列番号3を参照)。上記コンストラクトは、天然型のコーディング配列に加えて以下の修飾を含んでいた(配列番号4、図4bを参照):
α−グロビン遺伝子由来の安定化配列;
3’末端の約70個のアデノシンのポリAテール;
3’末端の30個のシトシンのポリAテール。
B)インビトロ転写
本発明に従って使用される塩基修飾の導入のために、T7ポリメラーゼ(T7-opti mRNA Kit, CureVac, Tubingen, Germany)を用いてルシフェラーゼコンストラクト(CAP−Ppluc(wt)−muag−A70−C30、図4A、配列番号3を参照)を転写した。このために、TriLink(San Diego, USA)から、修飾されたヌクレオチドを得た。すべてのmRNAトランスクリプトは、長さが約70塩基であるポリAテールと5'−キャップ構造を含んでいた。キャップ構造は、N7−メチルグアノシン−5'−三リン酸塩5'−グアノシンを過剰に添加することによって得られた。ウリジン3リン酸塩の代わりに、プソイドウリジン5'−三リン酸塩をインビトロ転写反応に添加することによって、プソイドウリジン5'−三リン酸塩で修飾されたmRNAを得た(配列番号5、図4C)(以下を参照)。シチジン三リン酸塩の代わりに、5−メチルシチジン−5'をインビトロ転写反応に添加することによって、5−メチルシチジン−5'で修飾されたmRNAを得た(配列番号6、図4D)(以下を参照)。
〔実施例2〕Hela細胞中のルシフェラーゼの発現における塩基修飾の効果
A)プソイドウリジン5'−三リン酸塩を用いた修飾
mRNAによりコードされるタンパク質の発現における様々な塩基修飾の効果を調べるために、ウリジン5'−三リン酸塩の代りに、プソイドウリジン5'−三リン酸塩を含む媒質を用いて、ルシフェラーゼをコードするプラスミドに対してインビトロ転写を行った。そして、転写したmRNAを、Hela細胞にトランスフェクトした(上記を参照)。細胞溶解の後、照度計を用いてルシフェラーゼの発現を測定した。ルシフェラーゼの過剰発現は、大幅に改善された(塩基修飾されたmRNA配列の実量94015amolと比較した未修飾のmRNA配列の実量960amol)(図1参照)。
B)5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩を用いた修飾
シチジン5'−三リン酸塩の代わりに、5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩を含む媒質を用いることによって、ルシフェラーゼをコードするプラスミドに対して、インビトロ転写を行った。そして、転写したmRNAを、Hela細胞にトランスフェクトした(上記を参照)。細胞溶解の後、照度計を用いてルシフェラーゼの発現を測定した。ルシフェラーゼの過剰発現は、大幅に改善された(塩基修飾されたmRNA配列の実量3087amolと比較した未修飾のmRNA配列の実量960amol)(図2参照)。
〔実施例3〕ルシフェラーゼの発現における塩基修飾に関する比較試験
A)ルシフェラーゼをコードする、未修飾の、および塩基修飾されたmRNAを用いて行った電気穿孔後の、Hela細胞とhPBMCにおけるルシフェラーゼ発現の測定
実施例1によると、EasyjecT Plus(Peqlab, Erlangen, Germany)を使用して、10mgの未修飾の、または塩基修飾されたRNAを用いて、Hela細胞とhPBMCsをトランスフェクトした。トランスフェクトした16時間後に、溶解緩衝液(25mM PO、2mM EDTA、10%のグリセロール、1%のトリトン-X 100、2mM DTT)を用いて、細胞を溶解した。上清をルシフェリン緩衝液(25mMグリシルグリシン、15mM MgSO、5mM ATP、62.5μMルシフェリン)と混合し、照度計(Lumat LB9507(Berthold Technologies, Bad Wildbad, germany))を用いて発光を測定した。
B)
比較試験において、ルシフェラーゼをコードするmRNA、(1)ウリジン5’−三リン酸塩の代わりにプソイドウリジン5'−三リン酸塩、および(2)シチジン5’−三リン酸塩の代わりに5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩に対して、インビトロ転写を行い、hPBMC細胞にトランスフェクトした。細胞の溶解後、照度計を用いてルシフェラーゼの発現を測定した。ここで、また、ルシフェラーゼの過剰発現は、大幅に改善された(プソイドウリジン5'−三リン酸塩を用いて修飾されたmRNA配列の実量3351amol、および、5−メチルシチジン−5を用いて修飾されたmRNA配列の実量1274amolと比較した未修飾のmRNA配列の実量260amol)(図3を参照)。
要約すれば、mRNAの塩基修飾としてメチルシチジンを用いることによって、未修飾のmRNAに比べて、ルシフェラーゼはHela細胞において約3倍、hPBMCにおいて約5倍発現される。プソイドウリジンを用いてmRNAを修飾すると、コードされるルシフェラーゼの発現における効果ははるかに大きくなる。例えば、未修飾のmRNAに比べて、ルシフェラーゼはHela細胞において約100倍発現され、hPBMCにおいて約13倍発現される。それゆえ、本発明に従って使用される、塩基修飾されたRNAによってコードされるタンパク質における増化した過剰発現の効果は、選択される宿主細胞と無関係である。
塩基修飾として、5−ブロモ−CTP(CTPの代わり)、5−メチル−CTP(CTPの代わり)、7−デアザ−GTP(GTPの代わり)、またはプソイド−UTP(UTPの代わり)を有する塩基修飾されたRNAをコードする、比較目的ルシフェラーゼについて、相当する実験を行った。トランスフェクトされたhPBMC(図5)およびトランスフェクトされたHela細胞(図6)の発現を示す(対数で示される百万分子ルシフェラーゼ)。トランスフェクションを行った16時間後にルシフェラーゼ活性を測定した。図5は、ルシフェラーゼmRNAがhPBMCにおいて翻訳されたことを示す。CTPと5−ブロモ−CTPまたは5−メチル−CTPとの置換、GTPと7−デアザ−GTPとの置換、またはUTPとプソイド−UTPとの置換によって、修飾されていないmRNAを用いてトランスフェクトされた細胞におけるルシフェラーゼ活性に比べて、修飾されたmRNAによってコードされるルシフェラーゼの活性が著しく(少なくとも12倍)増加する。Hela細胞における実験は、これらの知見を反映し、本発明に係る塩基修飾RNAにおける増加した発現率をよりいっそう明確に示す。
プソイドウリジン5'-三リン酸塩を用いてルシフェラーゼRNAの塩基修飾を行い、その後にHela細胞へトランスフェクトした結果を示す図である。 5-メチルシチジン-5'-三リン酸塩を用いてルシフェラーゼRNAの塩基修飾を行い、その後にHela細胞へトランスフェクトした結果を示す図である。 5−メチルシチジン−5三リン酸塩とともにプソイドウリジン5'−三リン酸塩を用い、ルシフェラーゼRNAの塩基修飾をし、その後にhPBMC細胞へトランスフェクトした結果を示す図である。 さらなる修飾を含むルシフェラーゼのmRNA配列(配列番号3)を示す図である。 ルシフェラーゼの天然型のmRNA配列を示す図である。 さらなる修飾を含むルシフェラーゼのmRNA配列(配列番号5)を示す図である。 さらなる修飾を含むルシフェラーゼのmRNA配列(配列番号6)を示す図である。 トランスフェクション実験の結果を示す図である。 トランスフェクション実験の結果を示す図である。



  1. タンパク質の発現を増加させるための、塩基修飾されたRNA配列の使用であって、該塩基修飾されたRNA配列は、少なくとも1つの塩基修飾を含み、かつ少なくとも1つのタンパク質をコードする、使用。

  2. 上記塩基修飾されたRNAが、一本鎖または二本鎖であり、線状または環状であり、rRNA、tRNAまたはmRNAの形態である、請求項1に記載の使用。

  3. 上記塩基修飾されたRNAがmRNAである、請求項1または2に記載の使用。

  4. 上記塩基修飾されたRNAは、組換えによって、または、天然に産生されるタンパク質の群より選択されるタンパク質の少なくとも1つをコードし、該タンパク質の群は、成長ホルモンまたは成長因子;代謝および/または造血に影響するタンパク質;血液凝固系のタンパク質;[ベータ]−ガラクトシダーゼ(lacZ);DNA制限酵素;リゾチーム;プロテアーゼ;細胞の信号伝達を刺激するタンパク質;アポトーシス因子またはアポトーシスと関連または結合するタンパク質;腫瘍特異性表面抗原(TSSA)を含む抗原;NY−Eso−1またはNY−Eso−Bを含む配列;上記タンパク質のうちの1つに対して、少なくとも80%の配列同一性を有するタンパク質またはタンパク質配列からなり、
    上記成長ホルモンまたは成長因子は、TGFα、IGF(インスリン様増殖因子)を含み、
    上記代謝および/または造血に影響するタンパク質は、α−アンチトリプシン、LDL受容体、エリスロポエチン(EPO)、インシュリン、GATA−1を含み、
    上記血液凝固系のタンパク質は、第8因子、第6因子等であり、
    上記DNA制限酵素は、EcoRI、HindIIIを含み、
    上記プロテアーゼは、パパイン、ブロメライン、ケラチナーゼ、トリプシン、キモトリプシン、ペプシン、レニン(キモシン)、Suizyme、Nortaseを含み、
    上記細胞の信号伝達を刺激するタンパク質は、4つの位置特異的な保存システイン残基(CCCC)と保存配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)とを含むクラスIサイトカインファミリーのサイトカイン、4つの位置特異的な保存システイン残基(CCCC)を含んでいるが保存配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)を含んでいないクラスIIサイトカインファミリー、腫瘍壊死ファミリーのサイトカイン、7つの膜貫通ヘリックスを含みかつG−タンパク質と相互作用するケモカインファミリーのサイトカインを含み、
    上記4つの位置特異的な保存システイン残基(CCCC)と保存配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)とを含むクラスIサイトカインファミリーのサイトカインは、IL−3;IL−5;GM−CSF;IL−6、IL−11、IL−12を含むIL−6サブファミリー;IL−2、IL−4IL−7、IL−9、IL−15を含むIL−2サブファミリー;サイトカインIL−1α;IL−1β;IL−10を含み、
    上記4つの位置特異的な保存システイン残基(CCCC)を含んでいるが保存配列モチーフTrp−Ser−X−Trp−Ser(WSXWS)を含んでいないクラスIIサイトカインファミリー(インターフェロン受容体ファミリー)のサイトカインは、IFN−α、IFN−β、IFN−γを含み、
    上記腫瘍壊死ファミリーのサイトカインは、TNF−α、TNF−β、TNF−RI、TNF−RII、CD40、Fasを含み、
    上記7つの膜貫通ヘリックスを含みかつG−タンパク質と相互作用するケモカインファミリーのサイトカインは、IL−8、MIP−1、ランテス、CCR5、CXR4を含み、
    上記アポトーシス因子またはアポトーシスと関連または結合するタンパク質は、AIF、Apaf、APO−2(L)、APO−3(L)、アポパイン、Bad、Bak、Bax、Bcl−2、Bcl−x、Bcl−x、bik、CAD、カルパイン、カスパーゼ、ced−3、ced−9、c−Jun、c−Myc、crm A、シトクロムC、CdR1、DcR1、DD、DED、DISC、DNA−PKCS、DR3、DR4、DR5、FADD/MORT−1、FAK、Fas(FasリガンドCD95/fas(受容体))、FLICE/MACH、FLIP、ホドリン、fos、G―アクチン、ガス−2、ゲルゾリン、グランザイムA/B、ICAD、ICE、JNK、ラミンA/B、MAP、MCL−1、Mdm−2、MEKK−1、MORT−1、NEDD、NF−B、NuMa、p53、PAK−2、PARP、パーフォリン、PITSLRE、PKCσ、pRb、プレセニリン、prICE、RAIDD、Ras、RIP、スフィンゴミエリナーゼ、単純ヘルぺス由来のチミジンキナーゼ、TRADD、TRAF2、TRAIL、TRAIL−R1、TRAIL−R2、TRAIL−R3、トランスグルタミナーゼを含み、
    上記Apafは、例えばApaf−1、Apaf−2、Apaf−3であり、
    上記カスパーゼは、例えば、カスパーゼ1、カスパーゼ2、カスパーゼ3、カスパーゼ4、カスパーゼ5、カスパーゼ6、カスパーゼ7、カスパーゼ8、カスパーゼ9、カスパーゼ10、カスパーゼ11であり、
    上記腫瘍特異性表面抗原(TSSA)を含む抗原は、5T4、α5β1−インテグリン、707−AP、AFP、ART−4、B7H4、BAGE、β−カテニン/m、Bcr−abl、MN/C IX抗原、CA125、CAMEL、CAP−1、CASP−8、β−カテニン/m、CD4、CD19、CD20、CD22、CD25、CDC27/m、CD30、CD33、CD52、CD56、CD80、CDK4/m、CEA、CT、Cyp−B、DAM、EGFR、ErbB3、ELF2M、EMMPRIN、EpCam、ETV6−AML1、G250、GAGE、GnT−V、Gp100、HAGE、HER−2/new、HLA−A*0201−R170I、HPV−E7、HSP70−2M、HAST−2、hTERT(またはhTRT)、iCE、IGF−1R、IL−2R、IL−5、KIAA0205、LAGE、LDLR/FUT、MAGE、MART−1/melan−A、MART−2/Ski、MC1R、ミオシン/m、MUC1、MUM−1、−2、−3、NA88−A、PAP、プロテイナーゼ−3、p190 minor bcr−abl、Pml/RARα、PRAME、PSA、PSM、PSMA、RAGE、RU1、RU2、SAGE、SART−1、SART−3、サバイビン、TEL/AML1、TGFβ、TPI/m、TRP−1、TRP−2、TRP−2/INT2、VEGF、およびWT1を含む、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。

  5. 上記塩基修飾されたRNAは、2−アミノ6−クロロプリンリボシド−5'−三リン酸塩、2−アミノアデノシン5'−三リン酸塩、2−チオシチジン−5'−三リン酸塩、2−チオウリジン5'−三リン酸塩、4−チオウリジン5'−三リン酸塩、5−アミノアリルシチジン−5'−三リン酸塩、5−アミノアリルウリジン−5'−三リン酸塩、5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩、5―ブロモウリジン5'−三リン酸塩、5−ヨードシチジン−5'−三リン酸塩、5−ヨードウリジン−5'−三リン酸塩、5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩、5メチルウリジン5'−三リン酸塩、6−アザシチジン5'−三リン酸塩、6―アザウリジン5'−三リン酸塩、6−クロロプリンリボシド−5'−三リン酸塩、7−デアザアデノシン5'−三リン酸塩、7−デアザグアノシン5'−三リン酸塩、8−アザアデノシン−5'−三リン酸塩、8−アジドアデノシン−5'−三リン酸塩、ベンズイミダゾール−リボシド5'−三リン酸塩、N1−メチルアデノシン−5'−三リン酸塩、N1−メチルグアノシン−5'−三リン酸塩、N6−メチルアデノシン−5'−三リン酸塩、O6−メチルグアノシン−5'−三リン酸塩、プソイドウリジン5'−三リン酸塩、プロマイシン5'−三リン酸塩、および、キサントシン5'−三リン酸塩からなる群より選択される塩基修飾の少なくとも1つを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。

  6. 上記塩基修飾は、5−メチルシチジン−5'−三リン酸塩、7−デアザグアノシン5'−三リン酸塩、5−ブロモシチジン−5'−三リン酸塩、および、プソイドウリジン5'−三リン酸塩からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の使用。

  7. 上記塩基修飾されたmRNAが、骨格修飾および糖修飾を含んでいない、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。

  8. 上記塩基修飾されたmRNAが、少なくとも1つの骨格修飾および/または少なくとも1つの糖修飾を含んでいる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の使用。

  9. 上記塩基修飾されたmRNAが、該塩基修飾されたRNAのコード領域内に、天然型のRNA配列のコード領域のG/C含量よりも多いG/C含量をさらに有しており、コードされるアミノ酸配列が野生型と比較して変更されていない、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。

  10. tRNAをコードする天然型のRNAの少なくとも1つのコドンであって細胞内に比較的まれに存在するコドンが、細胞内に比較的多く存在しかつ該比較的まれに存在するtRNAと同一のアミノ酸を運ぶtRNAをコードするコドンの1つによって置換される様式にて、上記塩基修飾されたRNAのコード領域が、天然型のRNAのコード領域と比較して変更されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の使用。

  11. 上記塩基修飾されたRNAが、m7G(5')ppp(5'(A,G(5')ppp(5')AおよびG(5')ppp(5')Gからなる群より選択される5'−キャップ構造をさらに含んでいる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。

  12. 上記塩基修飾されたRNAが、少なくとも50ヌクレオチドのポリAテールを含んでいる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。

  13. 上記塩基修飾されたRNAが、少なくとも20ヌクレオチドのポリAテールを含んでいる、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。

  14. 上記塩基修飾されたRNAが、ヘキサヒスチジンタグ(HISタグ、ポリヒスチジンタグ)、ストレプトアビジンタグ(連鎖球菌タグ)、SBPタグ(ストレプトアビジン結合タグ)、またはGST(グルタチオンS-トランスフェラーゼ)タグからなる群より選択される精製用のタグ、または、抗体結合タグ、Mycタグ、Swallエピトープ、FLAGタグ、およびHAタグからなる群より選択される抗体エピトープを介する精製用のタグをさらにコードする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。

  15. 上記塩基修飾されたRNAが、脂質修飾を含んでいる、請求項1〜14のいずれか1項に記載の使用。

  16. 腫瘍および癌疾患、心臓および循環器系統の病気、感染症、自己免疫疾患または単一遺伝子疾患からなる群より選択される疾患を処置するための薬学的組成物を調製するための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の塩基修飾されたRNAの使用。

  17. 上記薬学的組成物が、プロタミン、ヌクレオリン、スペルミン、またはスペルミジンを含むカチオン性ペプチドまたはポリペプチド;キトサン、TDM、MDP、ムラミルジペプチド、プルロニクス、アルム溶液、水酸化アルミニウム、ADJUMER(商標)(ポリホスファゼン)を含むカチオン性の多糖類;リン酸アルミニウムゲル;藻類由来のグルカン;アルガムリン;水酸化アルミニウムゲル(アルム);高タンパク質吸着性水酸化アルミニウムゲル;低粘性酸化アルミニウムゲル;AFまたはSPT(スクアラン(5%)、Tween 80(0.2%)、プルロニック L121(1.25%)、リン酸緩衝食塩水のエマルジョン、pH7.4);AVRIDINE(商標)(プロパンジアミン);BAY R1005(商標)((N−(−2デオキシ−2−L−ロイシルアミノ−b−D−グルコピラノシル)−N−オクタデシルドデカノイル−アミドハイドロ酢酸塩);CALCITRIOL(商標)(1α,25−ジヒドロキシビタミンD3);リン酸カルシウムゲル;CAPTM(リン酸カルシウムナノ粒子);コレラホロトキシン、コレラ毒素−A1−タンパク質−A−D−フラグメント融解タンパク質、コレラ毒素のサブユニットB;CRL 1005(ブロック共重合体P1205);サイトカイン含有リポソーム;DDA(ジメチルジオクタデシルアンモニウム臭化物);DHEA(デヒドロエピアンドロステロン);DMPC(ジミリストイルホスファチジルコリン);DMPG(ジミリストイルホスファチジルグリセロール);DOC/アルム複合体(デオキシコール酸ナトリウム塩);フロイント完全アジュバント;フロイント不完全アジュバント;ガンマイヌリン;ゲルブアジュバント((i)N−アセチルグルコサミニル(P1−4)−N−アセチルムラミル−LアラニルD−グルタミン(GMDP)と、(ii)ジメチルジオクタデシルアンモニウム塩化物(DDA)と、(iii)亜鉛−L―プロリン塩複合体(ZnPro−8)との混合物;GM−CSF);GMDP(N−アセチルグルコサミニル−(b1−4)−N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン);イミキモド(1−(2−メチプロピル)−1H−イミダゾ[4,5−c]キノリン−4−アミン);ImmTher(商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−isoGlu−L−Ala−グリセロールジパルミテート);DRV(脱水−再水和小泡から調製された免疫リポソーム);インターフェロン−γ;インターロイキン−1β;インターロイキン−2;インターロイキン−7;インターロイキン−12;ISCOMS(商標)(「Immune Stimulating Complexes」);ISCOPREP 7.0.3.(商標); リポソーム;LOXORIBINE(商標)(7−アリル−8−オキソグアノシン);LT経口アジュバント(大腸菌の不安定なエンテロトキシンプロトキシン);任意の組成のマイクロスフェアおよび微粒子;MF59(商標);(スクアレン水エマルジョン);MONTANIDE ISA 51(商標)(精製不完全フロインドアジュバント);MONTANIDE ISA 720(商標)(代謝可能なオイルアジュバント);MPL(商標)(3−Q−デサシル−4’−モノホスホリルリピドA);MTP−PEおよびMTP−PEリポソーム((N−アセチル−L−アラニル−D−イソグルタミニル−L―アラニン−2−(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−(ヒドロキシホスホリルオキシ))エチルアミド、モノナトリウム塩);MURAMETIDE(商標)(Nac−Mur−L−Ala−D−Gln−OCH);MURAPALMITINE(商標)およびD−MURAPALMITINE(商標)(Nac−Mur−L−Thr−D−isoGIn−sn−グリセロールジパルミトイル);NAGO(ノイラミニダーゼガラクトースオキシダーゼ);任意の組成のナノスフェアまたはナノ粒子;NISV(非イオン界面活性剤小泡);PLEURAN(商標)(β−グルカン);PLGA、PGA、およびPLA(乳酸およびグリコール酸のホモポリマーおよびコポリマー;マイクロ/ナノスフェア);PLURONIC L121(商標);PMMA(ポリメチルメタクリレート);PODDS(商標)(プロテノイドマイクロスフェア);ポリエチレンカルバメート誘導体;ポリ−rA:ポリ−rU(ポリアデニル酸のポリウリジル酸複合体);ポリソルベート80(Tween 80);タンパク質コキエート(Avanti Polar Lipids, Inc., Alabaster, AL);STIMULON(商標)(QS−21);Quil−A(Quil−Aサポニン);S−28463(4−アミノ−otec−ジメチル−2−エトキシメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]−キノリン−1−エタノール);SAF−1(商標)(「Syntex adjuvant formulation」);センダイプロテオリポソームおよび脂質センダイマトリックス;Span−85(ソルビタントリオレート);スペコール(Marcol 52、Span85、およびTween85のエマルジョン);スクアレンまたはRobane(登録商標)(2,6,10,15,19,23−ヘキサメチルテトラコサン、および2,6,10,15,19,23−ヘキサメチル2,6,10,14,18,22−テトラコサヘキサン);ステアリルチロシン(オクタデシルチロシン塩酸塩);Theramid(登録商標)(N−アセチルグルコサミニル−N−アセチルムラミル−L−Ala−D−isoGlu−L−Ala−ジパルミトキシプロピルアミド);Theronyl−MDP(Termurtide(商標)または[thr 1]−MDP;N−アセチルムラミル−L−トレオニル−D−イソグルタミン);Ty粒子(Ty−VLPまたはウイルス様粒子);Walter−Reedリポソーム(水酸化アルミニウム上に吸着されたリピドAを含むリポソーム);Pam3Cysを含むリポペプチド;CpGおよび/またはRNAオリゴヌクレオチドから選択された核酸系のアジュバント、または、TLR1、TLR2、TLR3、TLR4、TLR5、TLR6、TLR7、TLR8、TLR9、TLR10、TLR11、TLR12、またはTLR13、またはそれらの相同体のリガンドから選択されたトール様受容体からなる群より選択されるアジュバントをさらに含んでいる、請求項16に記載の使用。

  18. 上記薬学的組成物がワクチンである、請求項16または17に記載の使用。

  19. 上記癌または腫瘍の疾患が、黒色腫、悪性黒色腫、結腸癌、リンパ腫、肉腫、芽腫、腎癌、胃腸腫瘍、神経膠腫、前立腺腫瘍、膀胱癌、直腸腫瘍、胃癌、食道癌、膵臓癌、肝癌、乳癌、子宮癌、子宮頸癌、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、ヘパトーム、ウイルスによって誘発される様々な腫瘍(例えば、乳頭腫ウイルスによって誘発される悪性腫瘍(例えば子宮頚癌)、悪性腺腫、ヘルペスウイルスによって誘発される腫瘍(例えばバーキットリンパ腫、EBVによって誘発されるB細胞リンパ腫)、B型肝炎によって誘発される腫瘍(肝細胞悪性腫瘍)、HTLV−1およびHTLV−2によって誘発されるリンパ腫等)、聴神経腫、肺癌(=気管支癌)、小細胞肺癌、咽頭癌、肛門癌、グリア芽腫、直腸癌、星状細胞腫、脳腫瘍、網膜芽腫、基底細胞腫、脳転移、髄芽腫、膣癌、膵臓癌、精巣癌、ホジキン症候群、髄膜腫、シュネーベルガー病、脳下垂体腫瘍、菌状息肉腫、カルチノイド、神経鞘腫、棘細胞腫、バーキットリンパ腫、喉頭癌、腎癌、胸腺腫、体癌、骨肉腫、非ホジキンリンパ腫、尿道癌、CUP症候群、頭頸部腫瘍、乏突起膠腫、外陰癌、腸癌、結腸癌、食道悪性腫瘍(=食道癌)、いぼ合併症、小腸腫瘍、頭蓋咽頭腫、卵巣癌、生殖器腫瘍、卵巣癌、膵臓癌、子宮内膜癌、肝転移、陰茎癌、舌癌、胆嚢癌、白血病、形質細胞腫、まぶた腫瘍、および、前立腺癌(=前立腺腫瘍)からなる群より選択される、請求項15〜17のいずれか1項に記載の使用。

  20. 上記感染症が、インフルエンザ、マラリア、SARS、黄熱、エイズ、ライムボレリア症、リーシュマニア症、炭疽病、髄膜炎、ウイルス感染症、細菌感染症、炭疽病、虫垂炎、ボレリア症、ボツリヌス中毒、カンフィローバクター、トラコーマクラミジア(尿道の炎症、結膜炎)、コレラ、ジフテリア、鼠径肉芽腫、喉頭蓋炎、発疹チフス、ガス壊疽、淋病、野兎病、ヘリコバクターピロリ、百日咳、鼠径リンパ肉芽腫、骨髄炎、レジオネラ症、ハンセン病、リステリア症、肺炎、髄膜炎、細菌性髄膜炎、炭疽病、中耳炎、マイコプラズマホミニス、新生児敗血症(絨毛羊膜炎)、水癌、パラチフス、ペスト、ライター症候群、ロッキー山紅斑熱、サルモネラ菌パラチフス、サルモネラ菌発疹チフス、猩紅熱、梅毒、破傷風、トリッパー、ツツガムシ病、結核、発疹チフス、膣炎、軟性下疳等、および寄生虫、原生動物、または菌によって発症する感染症、疥癬、皮膚のリーシュマニア症、ランブル鞭毛虫症、シラミ、マラリア、顕微鏡検査、糸状虫症(河川盲目症)、真菌症、ウシ条虫、住血吸虫病、睡眠病、ブタ条虫、トキソプラズマ症、トリコモナス症、トリパノソーマ症(睡眠病)、内臓性リーシュマニア症、おしめ/おむつ皮膚炎、または微小条虫によって引き起こされる感染症からなる群より選択され、
    上記ウイルス感染症は、例えば、エイズ、尖圭コンジローマ、凹窩いぼ、デング熱、三日熱、エボラウイルス、風邪、初夏髄膜脳炎(FSME)、インフルエンザ、帯状ヘルペス、肝炎、単純ヘルぺス I型、単純ヘルぺス II型、帯状疱疹、インフルエンザ、日本脳炎、ラッサ熱、マールブルグウイルス、麻疹、口蹄疫、単核症、流行性耳下腺炎、ノーウォークウイルス感染、プファイファー腺熱、疱瘡、ポリオ(幼年期 跛行)、仮性クループ、伝染性紅斑、狂犬病、いぼ、西ナイル熱、水痘、巨細胞ウイルス(CMV)等であり、
    上記細菌感染症は、例えば、流産(前立腺炎症)であり、
    上記寄生虫、原生動物、または菌によって発症する感染症は、例えば、アメーバ症、ビルハルツ住血吸虫症、シャーガス病、エキノコックス属、広節裂頭条虫、魚類中毒症(シガテラ中毒)、キツネ条虫、みずむし、イヌ条虫、カンジダ症、酵母菌斑である、
    請求項16〜18のいずれか1項に記載の使用。

  21. 上記心臓および循環器系統の病気が、冠動脈心疾患、動脈硬化、卒中、高血圧からなる群より選択され、神経細胞の疾患が、アルツハイマー病、筋萎縮側索硬化、ジストニー、てんかん、多発硬化、およびパーキンソン病から選択される、請求項16〜18のいずれか1項に記載の使用。

  22. 上記自己免疫疾患が、I型自己免疫疾患、II型自己免疫疾患、III型自己免疫疾患、またはIV型自己免疫疾患からなる群より選択され、
    上記自己免疫疾患が、例えば、多発硬化(MS)、関節リウマチ、糖尿病、I型糖尿病(真性糖尿病)、全身性エリテマートーデス(SLE)、慢性多発関節炎、バセドウ氏病、自己免疫型慢性肝炎、潰瘍性大腸炎、I型アレルギー疾患、II型アレルギー疾患、III型アレルギー疾患、IV型アレルギー疾患、線維筋痛、脱毛症、ベヒテレフ病、クローン病、重症筋無力症、神経皮膚炎、リウマチ性多発筋痛、全身性進行性硬化(PSS)、乾癬、ライター症候群、関節リウマチ、乾癬および脈管炎である、
    請求項16〜18のいずれか1項に記載の使用。

  23. 上記単一遺伝子疾患が、アデノシンデアミナーゼ欠乏症、家族性高コレステロール血症、Canavan症候群、ゴーシェ病、ファンコニ貧血、神経セロイドリポフスチノーシス、ムコビシドーシス(嚢胞性線維症)、鎌状赤血球貧血、フェニルケトン尿症、アルカプトン尿症、白皮症、甲状腺機能低下不全症、ガラクトース血症、α1アンチトリプシン欠損症、色素性乾皮症、Ribbing症候群、ムコ多糖体症、唇裂、顎、口蓋、ローレンス・ムーン・バルデー・ビードル症候群、短肋骨多指症候群、クレチン病、ジュベール症候群、II型早老症、短指症、副腎性器症候群のような常染色体劣性遺伝性疾患からなる群、および色覚異常、ぜい弱X症候群、筋ジストロフィ(デュシエンヌ型、Becker−Kiener型)、血友病AおよびB、G6PD欠損症、ファブリー病、ムコ多糖体症、Norrie症候群、色素性網膜炎、敗血性肉芽腫症、X−SCID、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、レッシュ‐ナイハン症候群のようなX染色体遺伝性疾患からなる群、または、例えば遺伝性欠陥浮腫、マルファン症候群、神経線維腫症、I型早老症、骨形成不全症、クリッペル・トレノーネイ症候群、スタージ‐ウェーバー症候群、ヒッペル・リンダウ症候群、結節性硬化症のような常染色体優性遺伝性疾患より選択され、上記色覚異常は例えば赤緑色盲である、請求項16〜18のいずれか1項に記載の使用。

  24. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の、塩基修飾されたRNA配列。

  25. 以下の工程(a)〜(d)を含む、塩基修飾されたRNAの調製のためのインビトロ転写法:
    (a)目的のタンパク質をコードする(デオキシ)リボ核酸を調製する工程;
    (b)RNAポリメラーゼ、緩衝液、核酸混合物、および必要に応じてリボヌクレアーゼ阻害剤を含むインビトロ転写媒質に上記核酸を添加する工程であって、該核酸混合物は、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、および/またはUの代りとしての、請求項5に定義されている1つ以上の塩基修飾ヌクレオチドと、天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUの全てが置換されるわけではない場合、必要に応じて、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUとを含む、工程;
    (c)上記インビトロ転写媒質中にて上記核酸をインキュベートし、該核酸をインビトロ転写する工程;
    (d)必要に応じて、精製および組み込まれなかったヌクレオチドの上記インビトロ転写媒質からの除去を行う工程。

  26. タンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法であって、以下の工程(a)〜(g)を包含する方法:
    (a)目的のタンパク質をコードする(デオキシ)リボ核酸を調製する工程;
    (b)RNAポリメラーゼ、緩衝液、核酸混合物、および必要に応じてリボヌクレアーゼ阻害剤を含むインビトロ転写媒質に上記核酸を添加する工程であって、該核酸混合物は、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、および/またはUの代りとしての、請求項5に定義されている1つ以上の塩基修飾ヌクレオチドと、天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUの全てが置換されるわけではない場合、必要に応じて、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUとを含む、工程;
    (c)上記インビトロ転写媒質中にて上記核酸をインキュベートし、該核酸をインビトロ転写する工程;
    (d)必要に応じて、精製および組み込まれなかったヌクレオチドの上記インビトロ転写媒質からの除去を行う工程;
    (e)工程(c)および必要に応じて工程(d)において得られた塩基修飾された核酸を、インビトロ翻訳媒質に添加する工程;
    (f)上記インビトロ翻訳媒質中にて上記塩基修飾された核酸をインキュベートし、該塩基修飾された核酸によってコードされるタンパク質をインビトロ翻訳する工程;
    (g)必要に応じて、工程(f)において翻訳されたタンパク質を精製する工程。

  27. 宿主細胞中におけるタンパク質の発現を増加させるためにインビトロで転写および翻訳を行う方法であって、以下の工程(a)〜(g')を包含する方法:
    (a)目的のタンパク質をコードする(デオキシ)リボ核酸を調製する工程;
    (b)RNAポリメラーゼ、緩衝液、核酸混合物、および必要に応じてリボヌクレアーゼ阻害剤を含むインビトロ転写媒質に上記核酸を添加する工程であって、該核酸混合物は、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、および/またはUの代りとしての、請求項5に定義されている1つ以上の塩基修飾ヌクレオチドと、天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUの全てが置換されるわけではない場合、必要に応じて、1つ以上の天然型のヌクレオチドA、G、C、またはUとを含む、工程;
    (c)上記インビトロ転写媒質中にて上記核酸をインキュベートし、該核酸をインビトロ転写する工程;
    (d)必要に応じて、精製および組み込まれなかったヌクレオチドの上記インビトロ転写媒質からの除去を行う工程;
    (e')工程(c)および必要に応じて工程(d)において得られた塩基修飾された核酸を、宿主細胞にトランスフェクトする工程;
    (f')上記宿主細胞中にて上記塩基修飾された核酸をインキュベートし、該塩基修飾された核酸によってコードされるタンパク質を翻訳する工程;
    (g')必要に応じて、工程(f)において翻訳されたタンパク質を単離および/または精製する工程。

  28. 以下の(a)〜(c)の工程を包含する、エキソビボでの治療法:
    (a)必要に応じて患者から細胞または組織を外植する工程;
    (b)培養された細胞/組織、または工程(a)で得られた細胞/組織を、請求項24に記載の塩基修飾されたRNAによってトランスフェクトする工程;
    (c)必要に応じて、工程(b)においてトランスフェクトされた細胞を患者に移植する工程。

  29. 上記トランスフェクトされた細胞が抗原提示細胞(APC)である、請求項28に記載の方法。

  30. 請求項24に記載の塩基修飾されたRNA配列を含んでいる、RNAライブラリー。

  31. 細胞/組織転写物の一部を提示するサブトラクションライブラリーである、請求項30に記載のRNAライブラリー。

  32. 以下の工程(a)〜(c)によって特徴付けられる方法より取得される、RNAライブラリー:
    (a)任意の細胞または組織から、cDNAライブラリーまたはその一部を作製/調製する工程;
    (b)上記cDNAライブラリーまたはその一部を用いて、本発明に係る塩基修飾されたRNAをインビトロ転写するためのマトリックスを作製/調製する工程;
    (c)上記マトリックスをインビトロ転写する工程。

 

 

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