結腸直腸癌を処置する方法

 

本明細書中には、SMAD7の発現または機能の特異的阻害剤を使用して結腸直腸癌を処置および/または防止するための方法が開示される。結腸直腸癌を処置および/または防止するための、SMAD7の阻害剤を含有する医薬組成物、ならびに、結腸直腸癌を処置および/または防止することにおいて使用されるための、SMAD7の阻害剤を含有する医薬品の製造もまた開示される。本明細書中に記載される発明により、結腸直腸癌を、SMAD7の阻害を介して、すなわち、TGF−βシグナル伝達経路の重要なアンタゴニストとしてのSMAD7の役割を利用して処置するための新規な方法が提供される。結腸直腸癌における治療的介入のための他の潜在的標的が提案されているが、本発明は、結腸直腸腫瘍細胞成長を防止すること、遅らせること、停止させること、または覆すことが示される新規な処置を提供する。

 

 

関連出願への相互参照
この出願は、2013年3月15日に出願された米国仮出願第61/790,488号および2013年7月17日に出願された米国仮出願第61/847,287号(これら各々の全体の内容は、参考として本明細書に援用される)の利益を主張する。
本発明は一般には、結腸直腸癌および結腸直腸癌細胞成長をSMAD7阻害剤(特にSMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド)の投与により処置および/または防止する方法、同様にまた、結腸直腸癌を処置する際に使用されるSMAD7阻害剤を含有する医薬組成物に関する。
結腸直腸癌は、結腸または直腸の細胞を含めて、大腸の細胞の歯止めのきかない増殖によって特徴づけられる疾患である。結腸直腸癌腫瘍は、正常な粘膜に起源を有すると考えられている。腫瘍形成には、増殖異常および生化学的異常を示す肥大した陰窩のクラスターの出現が伴う。原因となる変異(1つまたは複数)を有する上皮細胞の増殖が、高度異形成によって特徴づけられる初期段階の腫瘍になる可能性がある。さらなる成長により、筋肉層内への、また、腸壁を突き抜ける浸潤性成長が生じる可能性がある。処置されないならば、これらの腫瘍は所属リンパ節に広がり、かつ、その後、遠位部位に転移する可能性があり、そのような時点では、腫瘍は、現在利用可能な技術を使用して多くが処置不能になる(MarkowitzおよびBertagnolli(2009)、N.Engl.J.Med.、361(25):2449−2460)。様々な腫瘍がデノボで生じ得るが、証拠は、およそ60%の癌腫が既存の腺腫に起源を有することを示している(Soreideら(2011)、Discov.Med.、12(66):393−404)。したがって、圧倒的多数の結腸直腸癌が腺癌として分類される可能性があり、しかし、リンパ腫および扁平上皮癌もまた、症例のより少ないサブセットにおいて認められる。発癌現象を生じさせる遺伝子変異には、Wntシグナル伝達経路のメンバーにおける変異、TGF−β細胞シグナル伝達経路のメンバー(例えば、TGF−β1ファミリーおよびSMADファミリーのメンバーなど)における変異、細胞増殖と細胞死とのバランスを調節するタンパク質(例えば、TP53など)における変異、および、他のタンパク質(例えば、DCCなど)における変異が含まれる(ReyaおよびClevers(2005)、Nature、434(7035):843−850;Bakerら(1989)、Science、244:217−221;MarkowitzおよびBertagnolli、上掲)。異常なPI3K/Akt活性化および下流側のmTORシグナル伝達が結腸直腸癌の腫瘍形成に伴う(Rychahou他(2006)、Ann.Surg.、243(6):833−842)。高レベルのEGFR発現もまた、結腸癌細胞株において認められており、結腸直腸癌腫瘍進行と相関する(Ciardielloら(1991)、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、88(17):7792−7796)。家族性要因および遺伝的要因のほかに、結腸直腸癌についての危険性要因として、低レベルの身体活動、アルコール消費、脂肪および肉の高食事摂取、ならびに、繊維および野菜の低摂取が挙げられる場合がある。結腸直腸癌の症状として典型的には、直腸出血、貧血、便秘、血便、体重減少、発熱、食欲不振、および、悪心または嘔吐が挙げられる。
結腸直腸癌は、アメリカ人男性およびアメリカ人女性の癌生存者の中では2番目に最も一般的な形態の癌である(Siegelら(2012)、CA Cancer J.Clin.、62(4):220−41)。加えて、結腸直腸癌は、西洋世界では癌死亡の最も一般的な上位3つの原因のうちの1つである(Soreideら(2011)、Discov.Med.、12(66):393−404)。より近年には多くのアジア諸国が西洋型生活様式に適合化することによりまた、結腸直腸癌における著しい増大がそれらの人口において生じている(Yangら(2011)、Dig.Surg.、28(5−6):379−385)。2012年においては、合衆国では120万人が結腸直腸癌の事前の診断とともに生活していたと見積もられている。この同じ年については、さらに143,460人がこの疾患と診断されるであろうことが予測された。結腸直腸癌の診断時におけるメジアン年齢が男性については68歳であり、女性については72歳である(Howladerら(2011)、SEER Cancer Statistics Review,1975−2008、Bethesda、MD:National Cancer Institute)。結腸直腸癌の発生は高齢者において希ではないが、50歳の年齢を超える個体のほんの59.1%が結腸直腸癌スクリーニングを指針(American Cancer Society (2012) Cancer Prevention & Early Detection Facts & Figures、Atlanta、GA:American Cancer Society)に従って受けているだけである。早期検出のこの不足は、患者の39%のみが、癌が局所段階を超えて進行していないときに診断されることをもたらしている(Howladerら、上掲)。結腸直腸癌に罹患する患者の数が増大していることを考えると、ロバストな処置方法、とりわけ、早期スクリーニングによって特定されない大多数の患者のためのロバストな処置方法を開発することが求められている。
MarkowitzおよびBertagnolli、N.Engl.J.Med.(2009)361(25):2449〜2460
Soreideら、Discov.Med.(2011)12(66):393−404

本明細書中に記載される発明により、結腸直腸癌を、SMAD7の阻害を介して、すなわち、TGF−βシグナル伝達経路の重要なアンタゴニストとしてのSMAD7の役割を利用して処置するための新規な方法が提供される。結腸直腸癌における治療的介入のための他の潜在的標的が提案されているが、本発明は、結腸直腸腫瘍細胞成長を防止すること、遅らせること、停止させること、または覆すことが示される新規な処置を提供する。
本発明は、結腸直腸癌を、SMAD7を阻害することによって処置するための方法を提供する。具体的には、本発明は、SMAD7を患者における直腸結腸腫瘍において阻害する方法を提供する。本発明はまた、結腸直腸癌細胞の成長を、SMAD7を阻害することによって阻害する方法を提供する。本発明はまた、SMAD7を阻害すること、結腸直腸癌を処置すること、および/または、結腸直腸癌細胞の成長を阻害することを、有効量のSMAD7の阻害剤を投与することにより行うための方法を提供する。例えば、SMAD7の阻害剤(例えば、抗SMAD7アンチセンス治療、すなわち、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド、および、SMAD7に対する抗体)。「アンチセンスオリゴヌクレオチド」は本明細書中で使用される場合、標的タンパク質(例えば、SMAD7)をコードするメッセンジャーRNA(mRNA)に対して相補的である短い合成オリゴヌクレオチド配列を示す。アンチセンスオリゴヌクレオチド配列はそのようなmRNAにハイブリダイゼーションし、これにより、遍在する(ubiquitary)触媒酵素(例えば、RNaseH(これはDNA/RNAハイブリッド鎖を分解し、したがって、タンパク質翻訳を妨げる)など)の活性化を引き起こすことができる二重鎖ハイブリッドをもたらす。
SMAD7の阻害剤は、SMAD7の特異的阻害剤(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチドなど)、または、SMAD7を高い特異性で標的とするどのような他の手段でもある場合がある。SMAD7のアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤は、本明細書中に記載される配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11および配列番号12の群より選択される場合があり、しかし、SMAD7のアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤はこれらに限定されない。例えば、SMAD7のアンチセンスオリゴヌクレオチド阻害剤には、配列番号5または配列番号9が含まれる場合があり、あるいは、配列番号6または配列番号10が含まれる場合がある。本発明の例示的なSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドの1つが、配列番号6の形態によって表される配列であって、すべてのリン酸結合がホスホロチオアート結合である配列である(配列番号10、これは本明細書中ではGED−0301として示される)。
「阻害剤」は本明細書中で使用される場合、遺伝子またはDNA配列の発現を低下させること、遺伝子のRNA産物の産生、活性、またはタンパク質への翻訳を妨げるか、または抑制すること、あるいは、遺伝子のタンパク質産物の活性を妨げるか、または抑制することを、遺伝子、遺伝子のRNA産物またはタンパク質産物、あるいは、これらの実体の何らかの過渡的形態、あるいは、意図された標的の活性または発現に対してその活性または発現が影響を与える別の分子的実体との直接的または間接的のどちらかでの相互作用を介して行うことができる作用剤を示す。そのような阻害剤には、例えば、抗体、特異的な分子標的に結合する小分子、および、特異的なmRNA転写物に標的化されるアンチセンスオリゴヌクレオチドが含まれる場合があるが、これらに限定されない。したがって、「SMAD7の阻害剤」は本明細書中で使用される場合、SMAD7の発現を低下させること、SMAD7のRNA産物の産生、活性、またはタンパク質への翻訳を妨げるか、または抑制すること、あるいは、SMAD7のタンパク質産物の活性を妨げるか、または抑制することを、SMAD7の遺伝子、RNA産物またはタンパク質産物、あるいは、これらの実体の何らかの過渡的形態、あるいは、SMAD7の活性または発現に対してその活性または発現が影響を与える別の分子的実体との直接的または間接的のどちらかでの相互作用を介して行うことができる作用剤を示す。
本発明はまた、結腸直腸癌を、SMAD7の特異的阻害剤を投与することにより処置する方法を提供する。「特異的阻害剤」は本明細書中で使用される場合、当該特異的阻害剤が分子標的に対して排他的に、または高い選択性で作用することを可能にする構造的性質および/または機能的性質を有する作用剤を示す。したがって、SMAD7の特異的阻害剤は、SMAD7遺伝子、そのRNA産物またはタンパク質産物、あるいは、SMAD7またはその産物の活性または発現に対して、排他的にまたは高い特異性でのどちらかでその活性または発現が影響を与える別の分子的実体を標的化する固有の機能的性質を有する。SMAD7の抗体阻害剤の場合には、特異性を、SMAD7タンパク質エピトープと高い特異性で結合することが知られているタンパク質配列を含むことにより当該抗体に組み込むことができる。SMAD7の小分子阻害剤の場合には、SMAD7タンパク質の特異的構成に結合することを可能にする化学基を当該小分子の構築において含むことができる。様々なアンチセンスオリゴヌクレオチドを、それぞれのアンチセンスオリゴヌクレオチドの組み込まれたヌクレオチド配列の標的化部分がSMAD7のmRNA配列に対して完全に、またはほとんど完全に相補的であるように設計することができる。そのような相補的なヌクレオチド配列またはほぼ相補的なヌクレオチド配列が組み込まれることにより、所与の標的に対する高い特異性を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドを操作することが可能になる。特異性を、様々なパラメーター(例えば、解離定数など)の測定により、あるいは、他の基準(例えば、タンパク質またはRNAの発現レベルにおける変化など)、または、SMAD7の活性もしくは発現を測定する他のアッセイにより評価することができる。
特異的なSMAD7阻害剤には、例えば、結腸直腸癌を処置するための、および/または、結腸直腸癌細胞成長を阻害するための小さい結合性分子(例えば、天然化合物および合成化合物)、抗体、アプタマー、イントラマー、RNAi(二重鎖RNA、siRNA)分子および抗SMAD7アンチセンス分子を挙げることができる。SMAD7阻害剤はまた、SMAD7の活性、結合パートナーまたは基質を妨害し、かつ、それにより、SMAD7の機能を阻害する短縮化および/または変異化されたSMAD7分子を含む場合がある。
「有効量」は本明細書中で使用される場合、患者に投与されたときには状態を少なくとも部分的に処置するために十分である作用剤の量を示す。治療有効量は、状態、成分の投与経路、および、処置されている患者の年齢、体重などに依存して変化するであろう。したがって、SMAD7の特異的阻害剤の有効量は、結腸直腸癌を患者において処置するために必要な阻害剤の量であって、当該作用剤の投与により、当該結腸直腸癌が対象において生じることを妨げるか、結腸直腸癌の進行を妨げる(例えば、腫瘍形成、腫瘍成長または転移などの事象の開始を妨げる)か、あるいは、当該結腸直腸癌のすべての関連症状を緩和するか、または完全に改善する、すなわち、当該疾患の退縮を引き起こすような量である。
本発明はまた、結腸直腸癌を、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む医薬組成物を投与することにより処置するための方法を提供する。別の局面において、本発明は、結腸直腸癌を処置する際に使用される医薬組成物を提供する。医薬組成物は、SMAD7の阻害剤(例えば、SMAD7を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドなど)と、医薬的に許容され得るキャリアとから構成される場合がある。本明細書中で使用される場合、用語「医薬組成物」は、例えば、指定量の治療化合物、例えば、治療有効量の治療化合物を医薬的に許容され得るキャリアに含有する混合物で、結腸直腸癌を処置するために哺乳動物(例えば、ヒト)に投与されるためのそのような混合物を意味する。いくつかの実施形態において、本明細書中では、SMAD7に対する意図されたアンチセンスオリゴヌクレオチドと、医薬的に許容され得るキャリアとを含む医薬組成物が意図される。別の局面において、本発明は、結腸直腸癌を処置するための医薬品の製造における、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用を開示する。「医薬品」は本明細書中で使用される場合、用語「医薬組成物」と本質的に同じ意味を有する。
本明細書中で使用される場合、「医薬的に許容され得るキャリア」は、過度な毒性、刺激、アレルギー応答あるいは他の問題または合併症を伴わない、すなわち、合理的な利益/危険性比に相応するヒトおよび動物の組織との接触での使用のために好適である緩衝剤、キャリアおよび賦形剤を意味する。そのようなキャリアは、配合物の他の成分と適合性があり、かつ、レシピエントに対して有害でないという意味で「許容され得る」ものでなければならない。医薬的に許容され得るキャリアには、薬学的投与と適合し得る緩衝剤、溶媒、分散媒体、被覆、等張剤および吸収遅延剤などが含まれる。医薬活性物質のためのそのような媒体および作用剤の使用は当該技術分野で公知である。1つの実施形態において、医薬組成物は経口投与され、消化系または消化管の内部における封入物質の吸収部位を調節するために好適な腸溶性被覆を含む。例えば、腸溶性被覆はエチルアクリラート−メタクリル酸コポリマーを含むことができる。
1つの実施形態において、SMAD7の意図されたアンチセンスオリゴヌクレオチド、および、どのような医薬組成物であれ、その医薬組成物は、経口投与、局所投与、非経口投与(例えば、皮下注射)、吸入スプレーによる投与、または直腸投与を含めて1つまたはいくつかの経路によって投与される場合がある。非経口の用語は本明細書中で使用される場合、皮下注射、膵臓内投与、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内への注射技術または注入技術を包含する。例えば、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは対象に皮下投与される場合がある。別の一例では、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは対象に経口投与される場合がある。別の一例では、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドは、結腸直腸腫瘍細胞または結腸直腸癌細胞に直接、非経口投与により投与される場合がある。
図1(A)は、IgGアイソタイプコントロールの免疫染色(アイソタイプ、左側パネル)、ならびに、散発性結腸直腸癌を有する患者の非腫瘍(NT)領域および腫瘍(T)領域におけるSMAD7の免疫染色(中央パネルおよび右側パネル、それぞれ)を示す;図1(B)は、散発性結腸直腸癌を有する2名の患者に由来するNT組織およびT組織におけるSMAD7およびβ−アクチンのレベルを示すウエスタンブロット(左側パネル)、ならびに、SMAD7のウエスタンブロットシグナルのデンシトメトリー分析(右側パネル)である;図1(C)は、IECならびにDLD−1細胞およびHCT−116細胞におけるSMAD7およびβ−アクチンのレベルを示すウエスタンブロットである;図1(D)は、HCT−116細胞(左側)およびDLD−1細胞(右側)におけるFITCコンジュゲート化IgGアイソタイプコントロール(アイソタイプ)およびFITCコンジュゲート化SMAD7抗体のシグナルのFACS分析を示す;図1(E)は、4つの結腸直腸癌細胞株(HCT−116、HCT−115、HT−29およびDLD−1)および1つの肝細胞癌腫細胞株(HepG2)におけるSMAD7およびβ−アクチンの発現レベルを示すウエスタンブロット(左側パネル)、ならびに、同じブロットから得られるSMAD7のウエスタンブロットシグナルのデンシトメトリー分析(右側パネル)である。 図2(A)は、細胞総数を表し、かつ、非標識のSMAD7センスオリゴヌクレオチドにより、または、増大する用量のFITCコンジュゲート化SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドGED−0301(GED−0301、FITCコンジュゲート化)によりそのどちらかでトランスフェクションされているヨウ化プロピジウム(PI)陽性HCT−116細胞および蛍光(FITC)陽性HCT−116細胞の百分率を示す一連のドットプロットである;図2(B)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのどちらかによるトランスフェクションの後のHCT−116細胞におけるSMAD7およびβ−アクチンのレベルを示すウエスタンブロットである;図2(C)は、非処置(Untr)、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションの後における増殖中のHCT−116細胞(黒棒)またはDLD−1細胞(白棒)の割合を示すグラフ(左側)、および、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(上段)またはGED−0301オリゴヌクレオチド(下段)によるトランスフェクションの後における増殖中のHCT−116細胞の割合を示すヒストグラムを表す;図2(D)は、非処置(Untr)、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションの後における異なる細胞周期段階にあるHCT−116細胞の割合を示すグラフである;図2(E)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされ、かつ、未処置のままにされたか、あるいは、過剰なTGF−βタンパク質(TGF−β)またはTGF−β抗体(抗TGF−β)にさらされた増殖中のHCT−116細胞の割合を示す。 図3(A)は、非処置(Untr)、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのどちらかによるトランスフェクションの後の24時間(上段)または48時間(下段)でのHCT−116細胞死の割合を表すグラフ、ならびに、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションの後におけるPI染色およびアネキシンV(AV)染色を例示するドットプロット(下段)を示す;図4(B)は、非処置(Untr)、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのトランスフェクションの後の異なる時点でのHCT−116細胞における活性なカスパーゼ−3を定量化するドットプロットを示す;図4(C)は、非処置、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションの後における活性なカスパーゼ−3を有する、N−(2−キノリル)バリル−アスパルチル−(2,6−ジフルオロフェノキシ)メチルケトン(Q−VD−OPH)にさらされた細胞の割合を示すグラフである;図4(D)は、Q−VD−OPHにさらされ、その後、非処置、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションにさらされた細胞における細胞死の割合(%)を示すグラフである;図4(E)は、Q−VD−OPHにさらされ、その後、非処置、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションのどちらかにさらされた増殖細胞の割合(%)を示すグラフである。 図4(A)は、トランスフェクションされなかった細胞(Untr)、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされた細胞から得られ、リン酸化CDK2(p−CDK2(Thr−14/Tyr−15))、CDK2、サイクリンAおよびβ−アクチンについてプローブ探査されるHCT−116細胞抽出物のウエスタンブロットを示す;図4(B)は、トランスフェクションされなかった細胞(Untr)、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされた細胞から得られ、CDC25A、CDC25BおよびCDC25Cについてプローブ探査されるHCT−116細胞抽出物のウエスタンブロットを示す;図4(C)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされたHCT−116細胞における異なる時点でのCDC25AのmRNA発現の定量化を示す;図4(D)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされた細胞から得られ、プロテアソーム阻害剤のMG115およびMG132にさらされた後でCDC25Aまたはβ−アクチンについてプローブ探査される細胞抽出物のウエスタンブロットを示す;図4(E)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされた細胞から得られ、リン酸化EiF2α(p−EiF2α(Ser51))、総EiF2α、CDC25A、サイクリンAおよびβ−アクチンについて異なる時点でプローブ探査される細胞抽出物のウエスタンブロットである;図4(F)は、ジメチルスルホキシド(DMSO)またはSalubrinalにさらされた後で、p−EiF2α(Ser51)、EiF2α、CDC25Aおよびβ−アクチンについてプローブ探査されるHCT−116細胞抽出物のウエスタンブロットを示す;図4(G)は、SMAD7抗体により免疫沈降され、プロテインホスファターゼ1抗体(上段パネル)、EiF2α抗体(中段パネル)またはSMAD7抗体によりプローブ探査されるHCT−116細胞抽出物(左側パネル)または原発性結腸直腸癌細胞(右側パネル)から作製されるウエスタンブロットを示す;図4(H)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされ、PP1抗体免疫沈降またはEiF2α抗体免疫沈降のどちらかに供され、反対側の抗体よりプローブ探査されるHCT−116細胞抽出物のウエスタンブロットを示す。 図5(A)は、アゾキシメタンおよびデキストラン硫酸ナトリウム(AOM+DSS)による処置の後のマウスから得られる非腫瘍組織または腫瘍組織におけるSMAD7免疫染色を示す;図5(B)は、AOM+DSSによる処置の後のマウスから得られる非腫瘍組織および腫瘍組織における相対的なSMAD7のmRNA発現を示すグラフである。 図6(A)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのどちらかによりトランスフェクションされた結腸直腸癌組織外植片のヘマトキシリン・エオシン(H&E)染色および増殖細胞核抗原(PCNA)免疫染色を示す;図6(B)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのどちらかによりトランスフェクションされたヒト結腸直腸癌組織外植片の、SMAD7、PCNA、サイクリンA、p−EiF2α(Ser51)およびCDC25Aの免疫染色を示す。 図7(A)は、HCT−116がコロニー形成したRag1−/−マウスへの注射の後でPBS(CTR)またはFITCコンジュゲート化GED−0301のどちらかの単回注射にさらされたHCT−116由来異種移植片におけるFITCシグナルの分布を示す;図7(B)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのどちらかにさらされたHCT−116由来異種移植片のタンパク質抽出物におけるSMAD7およびβ−アクチンの発現を示すウエスタンブロットである;図7(C)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのどちらかにより処置されたマウスに由来する異種移植片の腫瘍体積を定量化するグラフ(左側)、および、同じ実験から得られる異種移植片の代表的な写真である;図7(D)は、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドのどちらかにより処置された異種移植片の、SMAD7、PCNAおよびサイクリンAの免疫染色を示す。 図8(A)は、AOMにさらされ、続いて、SMAD7のセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドにより処置されたApc(Min/+)マウスから得られる内視鏡画像(左側パネル)、同様にまた、腫瘍数および腫瘍スコアの内視鏡分析(グラフ、右側)、ならびに、Apc(Min/+)マウスの結腸切片から得られるH&E染色(中段パネル)を示す;図8(B)〜図8(F)は、SMAD7、PCNA、サイクリンA、CDC25Aおよびp−EiF2α(Ser51)についてそれぞれ免疫染色される、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)により処置されたマウスから得られる腫瘍(T)組織切片および非腫瘍(NT)組織切片を示す;図8(G)は、Apc(Min/+)マウスにおける腸組織へのFITCコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの局在化を示す。 図8(A)は、AOMにさらされ、続いて、SMAD7のセンスオリゴヌクレオチドまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドにより処置されたApc(Min/+)マウスから得られる内視鏡画像(左側パネル)、同様にまた、腫瘍数および腫瘍スコアの内視鏡分析(グラフ、右側)、ならびに、Apc(Min/+)マウスの結腸切片から得られるH&E染色(中段パネル)を示す;図8(B)〜図8(F)は、SMAD7、PCNA、サイクリンA、CDC25Aおよびp−EiF2α(Ser51)についてそれぞれ免疫染色される、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)により処置されたマウスから得られる腫瘍(T)組織切片および非腫瘍(NT)組織切片を示す;図8(G)は、Apc(Min/+)マウスにおける腸組織へのFITCコンジュゲート化アンチセンスオリゴヌクレオチドの局在化を示す。
結腸直腸癌
本発明は結腸直腸癌の処置方法を提供する。「結腸直腸癌」は本明細書中で使用される場合、結腸または直腸の細胞を含めて、大腸の細胞の歯止めのきかない増殖によって特徴づけられる疾患を示す。結腸直腸癌は典型的には、大腸の上皮細胞に起源を有し、腸陰窩幹細胞がもっともらしい起源細胞である。発癌現象を生じさせる遺伝子変異には、Wntシグナル伝達経路のメンバー(例えば、β−カテニン、APC、AXIN1、AXIN2、TCF7L2およびNKD1など)における変異、TGF−β細胞シグナル伝達経路のメンバー(例えば、TGF−β1ファミリーおよびSMADファミリーのメンバーなど)における変異、細胞増殖と細胞死とのバランスを調節するタンパク質(例えば、TP53など)における変異、および、他のタンパク質(例えば、DCCなど)における変異が含まれる。原因となる変異(1つまたは複数)を有する上皮細胞の増殖により、筋肉層内への、また、腸壁を突き抜ける浸潤性成長が生じる可能性がある。結腸直腸癌の症状として典型的には、直腸出血、貧血、便秘、血便、体重減少、発熱、食欲不振、および、悪心または嘔吐が挙げられる。圧倒的多数の結腸直腸癌が腺癌として分類される可能性があり、その一方で、リンパ腫および扁平上皮癌が症例のより少ないサブセットにおいて認められる。したがって、用語「結腸直腸癌」は本明細書中で使用される場合、大腸に起源を有する細胞または結腸直腸癌病理学に関連する組織のどのような異常な悪性成長も示す。
用語「結腸直腸癌細胞」は本明細書中で使用される場合、結腸直腸癌または結腸直腸腫瘍を生じさせるどのような起源細胞も、結腸直腸腫瘍の腫瘍形成、成長、進化、維持または支援に関連する細胞、あるいは、結腸直腸癌の病理学的出現に関連するどのような他の細胞も示す。「結腸直腸癌細胞の成長」は本明細書中で使用される場合、起源となる結腸直腸癌細胞、結腸直腸腫瘍細胞、または、結腸直腸癌病理の出現に関連するどのような細胞にも関連する細胞の歯止めのきかない増殖または異常な増殖を示す。結腸直腸癌細胞の成長は、異常な細胞周期活性、細胞周期チェックポイントの誘導不良、アポトーシスの誘導不良、または、他の腫瘍抑制因子活性の喪失の結果である場合がある。
処置および評価
用語「処置する(treat)」、用語「処置」、用語「処置する(treating)」および同様な用語は、所望される薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることを一般には意味するために本明細書中では使用される。効果は、疾患またはその症状を完全または部分的に防止するという観点で予防的である場合があり、ならびに/あるいは、疾患および/または該疾患に起因する悪影響を部分的または完全に治すという観点で治療的である場合がある。用語「処置」は本明細書中で使用される場合、哺乳動物(特にヒト)における疾患のどのような処置も包含し、(a)該疾患が、該疾患に罹りやすいかもしれないが、該疾患を有するとして未だ診断されていない対象において生じることを防止すること、(b)該疾患を阻害すること、すなわち、その発達を停止させること、または、(c)該疾患を緩和すること、すなわち、該疾患の退縮を引き起こすことを包含する。
処置の効力が、結腸直腸癌に関連する全体的症状の評価、組織の組織学による分析、生化学的アッセイ、画像化方法(例えば、磁気共鳴画像法など)または他の知られている方法によって評価される場合がある。例えば、処置の効力が、貧血状態、直腸出血、腫瘍サイズ、または、結腸直腸癌に関連する肉眼的な病理の他の局面を、SMAD7阻害剤を結腸直腸癌患者に投与した後で分析することによって評価される場合がある。処置の効力はまた、例えば、組織生検物または腫瘍生検物を得て、組織または細胞の肉眼的な形態学特性または染色特性を評価することによって組織レベルまたは細胞レベルで評価される場合がある。タンパク質またはRNAの発現を調べる生化学的アッセイもまた、処置の効力を評価するために使用される場合がある。例えば、PCNA、p−CDK2(Thr−14/Tyr−15)、あるいは、細胞増殖活性または細胞死活性の指標となる別のタンパク質のレベルが、解離細胞または非解離組織において、免疫細胞化学的方法、免疫組織化学的方法またはウエスタンブロッティング方法により評価される場合がある。血漿あるいは腫瘍組織または非腫瘍組織に見出される有用なバイオマーカーの発現の存在またはレベルもまた、癌の進行および処置の効力を評価するために評価される場合がある。
処置の効力を評価する際には、好適なコントロールが、有効な評価を保証するために選定される場合がある。例えば、SMAD7の阻害剤の投与の後で結腸直腸癌の患者において評価される症状を、処置前の同じ患者、または、結腸直腸癌と診断されていない別の患者におけるそのような症状と比較することができる。代替において、SMAD7阻害剤投与後における腫瘍組織の生化学的分析または組織学的分析の結果が、同じ患者から得られる非腫瘍組織の結果、あるいは、結腸直腸癌と診断されていない個体から、または、SMAD7阻害剤投与前の同じ患者から得られる結果と比較される場合がある。
SMAD7阻害の有効性確認が、SMAD7の発現レベルまたは活性の直接的または間接的な評価によって明らかにされる場合がある。例えば、SMAD7のタンパク質発現またはRNA発現を測定する生化学的アッセイが、全体的なSMAD7阻害を評価するために使用される場合がある。例えば、腫瘍組織におけるSMAD7のタンパク質レベルが、全体的なSMAD7レベルを評価するためにウエスタンブロットによって測定される場合がある。SMAD7のmRNAレベルがまた、全体的なSMAD7阻害を明らかにするためにノーザンブロットまたは定量的ポリメラーゼ連鎖反応によって測定される場合がある。SMAD7のタンパク質レベル、または、SMAD7活性の指標となる別のタンパク質のレベルがまた、解離細胞または非解離組織において、免疫細胞化学的方法または免疫組織化学的方法により評価される場合がある。SMAD7阻害はまた、様々なパラメーター(例えば、細胞周期段階分布など)を測定すること、細胞死のマーカー(例えば、アネキシンVまたはカスパーゼIIIなど)による染色、または、SMAD7活性における変化と相関させられる他のパラメーターにおける変化を測定することによって間接的に評価される場合がある。例えば、SMAD7阻害剤により処置される腫瘍の細胞における活性なカスパーゼ−3のレベルが、前記細胞におけるSMAD7活性の目安として測定される場合がある。血漿あるいは腫瘍組織または非腫瘍組織に見出される有用なバイオマーカーの発現の存在またはレベルもまた、SMAD7阻害の効力を評価するために評価される場合がある。
SMAD7ノックダウンの効力を評価する際には、好適なコントロールが、有効な評価を保証するために選定される場合がある。例えば、SMAD7阻害剤投与後における腫瘍組織の生化学的分析または組織学的分析の結果が、同じ患者から得られる非腫瘍組織の結果、あるいは、結腸直腸癌と診断されていない個体から、または、SMAD7阻害剤投与前の同じ患者から得られる結果と比較される場合がある。
「患者」は本明細書中に記載される場合、哺乳動物、霊長類およびヒト(これらに限定されない)を含めて、どのような動物であれ、結腸直腸癌についての危険性があるか、または、結腸直腸癌に罹患している動物を示す。例えば、患者は、結腸直腸癌発達の危険性が高いと診断される個体、または、結腸直腸癌と診断されている誰かである場合がある。ある特定の実施形態において、患者はヒト以外の哺乳動物である場合があり、例えば、ネコ、イヌまたはウマなどである場合がある。
SMAD7の阻害剤
ある特定の実施形態において、抗SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドが、ヒトSMAD7 mRNAの部位403、部位233、部位294、部位295、部位296、部位298、部位299および/または部位533(すなわち、ヌクレオチド403、ヌクレオチド233、ヌクレオチド294、ヌクレオチド295、ヌクレオチド296、ヌクレオチド298、ヌクレオチド299およびヌクレオチド533、それぞれ)を標的とする場合がある。1つの例示的な実施形態において、抗SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドは、ヒトSMAD7 mRNAの核酸403〜核酸423を標的とする。
ある特定の実施形態において、アンチセンスオリゴヌクレオチドが下記の抗SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドに由来する場合がある:5’−GTCGCCCCTTCTCCCCGCAGC−3’(配列番号3)。
SMAD7を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチドは、CpG対におけるシトシン残基が5’−メチルシトシン(これはMe−dCと略記される)によって置き換えられる混合型骨格を含む場合があることが本明細書中では意図される。メチルホスホナート連結もまた、アンチセンスオリゴヌクレオチドの5’端および/または3’端に配置される場合がある(これはMePと略記される)。意図された抗SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドのリン酸骨格は場合により、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれよりも多くのホスホロチオアート結合を含む場合がある(すなわち、ホスホロチオアート結合がホスホジエステル結合に取って代わるであろう)。1つの実施形態において、すべてのリン酸結合がホスホロチオアート結合である場合がある。
SMAD7を標的とする例示的なアンチセンスオリゴヌクレオチド治療には、下記のものが含まれるが、それらに限定されない:
5’−GTXYCCCCTTCTCCCXYCAG−3’(配列番号4)、式中、Xは、シトシンおよび5−メチルシトシンまたは2’−O−メチルシトシンヌクレオシドからなる群より選択される含窒素塩基を含むヌクレオチドであり、かつ、Yは、グアニンおよび5−メチルグアニンまたは2’−O−メチルグアニンヌクレオシドからなる群より選択される含窒素塩基を含むヌクレオチドであり、ただし、ヌクレオチドXまたはヌクレオチドYのうちの少なくとも1つがメチル化含窒素塩基を含む;
5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号5)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−一リン酸である;
5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’(配列番号6)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−一リン酸である;
5’−ZTXGCCCCTTCTCCCXGCAZ−3’(配列番号7)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−一リン酸であり、かつ、Zは2’−デオキシグアノシンメチルホスホナートである;
5’−ZTXGCCCCTTCTCCCXGCAZC−3’(配列番号8)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−一リン酸であり、かつ、Zは2’−デオキシグアノシンメチルホスホナートである。
特定の実施形態において、意図されたSMAD7アンチセンスは、下記の1つを含む配列である場合がある:
5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAG−3’(配列番号9)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−モノホスホロチオアートである;
5’−GTXGCCCCTTCTCCCXGCAGC−3’(配列番号10)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−モノホスホロチオアートである;
5’−ZTXGCCCCTTCTCCCXGCAZ−3’(配列番号11)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−一リン酸であり、かつ、Zは2’−デオキシグアノシンメチルチオホスホナートである;
5’−ZTXGCCCCTTCTCCCXGCAZC−3’(配列番号12)、式中、Xは5−メチル2’−デオキシシチジン5’−一リン酸であり、かつ、Zは2’−デオキシグアノシンメチルチオホスホナートである。
例えば、配列番号9〜配列番号12は、1つ、2つ、3つ、4つまたはそれよりも多くのホスホロチオアート結合を含む。1つの実施形態において、配列番号9〜配列番号12のすべてのO,Oホスホナート結合がホスホロチオアート結合である。
医薬組成物および投与経路
SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含有する医薬組成物、例えば、本明細書中に開示される医薬組成物などは、投薬単位形態物で提示することができ、どのような方法であれ、好適な方法によって調製することができる。医薬組成物は、その意図された投与経路と適合性であるように配合されなければならない。有用な配合物を製薬分野において広く知られている方法によって調製することができる。例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(Mack Publishing Company、1990)を参照のこと。
医薬配合物は好ましくは無菌である。無菌化を、例えば、無菌のろ過膜に通すろ過によって達成することができる。組成物が凍結乾燥される場合、ろ過滅菌を凍結乾燥および再構成の前または後で行うことができる。
非経口投与
本発明の医薬組成物は非経口投与のために配合することができ、例えば、静脈内経路、筋肉内経路、皮下経路、病巣内経路または腹腔内経路による注射のために配合することができる。水性組成物、例えば、SMAD7阻害剤を含有する水性の医薬組成物などの調製は、本開示に照らして当業者には知られているであろう。典型的には、そのような組成物は、液状の溶液または懸濁物のどちらとしてでも注射物として調製することができる;液体を注射前に添加したときに溶液または懸濁物を調製するために使用するために好適な固体形態もまた調製することができる;調製物はまた、乳化させることができる。
注射剤使用のために好適である医薬形態物には、無菌の水性の溶液または分散物;ゴマ油、ピーナッツ油または水性プロピレングリコールを含む配合物;および、無菌の注射可能な溶液または分散物をその場で調製するための無菌の粉末が含まれる。すべての場合において、形態物は無菌でなければならず、かつ、容易なシリンジ注入性が存在する程度に流動性でなければならない。形態物は製造および貯蔵の条件のもとで安定でなければならず、かつ、微生物(例えば、細菌および真菌など)の汚染作用から保護されなければならない。
遊離塩基または薬理学的に許容され得る塩としての活性な化合物の溶液を、界面活性剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなど)と好適に混合される水において調製することができる。分散物もまた、グリセロール、液状ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物において、また、オイルにおいて調製することができる。加えて、無菌の固定油が溶媒または懸濁用媒体として用いられる場合がある。この目的のために、無刺激性の固定油はどれも、合成されたモノグリセリドまたはジグリセリドを含めて用いることができる。加えて、脂肪酸(例えば、オレイン酸など)を注射物の調製において使用することができる。無菌の注射可能な調製物はまた、非毒性の非経口的に許容され得る希釈剤または溶媒における無菌の注射可能な溶液、懸濁物または乳濁液である場合があり、例えば、1,3−ブタンジオールにおける溶液としてである場合がある。用いられることがある許容され得るビヒクルおよび溶媒には、水、リンゲル液(米国薬局方)および等張性塩化ナトリウム溶液が含まれる。1つの実施形態において、SMAD7阻害剤は、1%(w/v)のカルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1%(v/v)のTWEEN(商標)80を含むキャリア流体に懸濁される場合がある。貯蔵および使用の通常の条件のもとで、これらの調製物は、微生物の成長を防止するために保存剤を含有する。
注射可能な調製物、例えば、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁物が、好適な分散化剤または湿潤化剤および懸濁化剤を使用して、知られている技術に従って配合される場合がある。一般には、分散物が、様々な無菌化された有効成分を、基礎的な分散媒体と、上記で列記される成分からの要求される他の成分とを含有する無菌のビヒクルに組み込むことによって調製される。本発明の無菌の注射可能な溶液が、SMAD7阻害剤を、要求に応じて、上記で列記される様々な他の成分とともに要求量の適切な溶媒に組み込み、その後、ろ過滅菌することによって調製される場合がある。無菌の注射可能な溶液を調製するための無菌の粉末の場合には、好ましい調製方法が、有効成分と、それに加えて、何らかのさらなる所望される成分との粉末を事前に無菌ろ過されたその溶液からもたらす真空乾燥技術および凍結乾燥技術である。注射可能な配合物は、例えば、細菌保持フィルターに通してろ過することによって無菌化することができる。
筋肉内注射のためのより高濃度の溶液または高濃縮溶液の調製もまた意図される。これに関して、DMSOを溶媒として使用することが好ましく、これは、DMSOが極めて迅速な浸透をもたらし、これにより、高濃度のSMAD7阻害剤を小さい面積に送達するであろうからである。
そのような溶液における使用のための好適な保存剤には、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、クロロブタノール、およびチメロサールなどが含まれる。好適な緩衝剤には、pHを約pH6〜pH8の間で維持するために、好ましくは約pH7〜pH7.5の間で維持するために十分な量でのホウ酸、重炭酸ナトリウムおよび重炭酸カリウム、ホウ酸ナトリウムおよびホウ酸カリウム、10炭酸ナトリウムおよび10炭酸カリウム(sodium and potassium 10 carbonate)、酢酸ナトリウム、ならびに、二リン酸ナトリウムなどが含まれる。好適な等張化剤には、デキストラン40、デキストラン70、デキストロース、グリセリン、塩化カリウム、プロピレングリコールおよび塩化ナトリウムなどが挙げられ、その結果、点眼溶液の塩化ナトリウム相当量が0.9プラスまたはマイナス0.2%の範囲であるようにされる。好適な酸化防止剤および安定剤には、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム(sodium thiosulfite)およびチオウレアなどが含まれる。好適な湿潤化剤および清澄剤には、ポリソルベート80、ポリソルベート20、ポロキサマー282およびチロキサポールが含まれる。好適な増粘剤には、デキストラン40、デキストラン70、ゼラチン、グリセリン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ラノリン、メチルセルロース、ワセリン、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンおよびカルボキシメチルセルロースなどが含まれる。
1つの例示的な実施形態において、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの皮下投与のための医薬組成物は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、配列番号6によって表されるアンチセンスオリゴヌクレオチド、または、その医薬的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)と、医薬的に許容され得るキャリアとを含む。
経口投与
いくつかの実施形態において、本明細書中では、アンチセンスオリゴヌクレオチドの経口送達のために好適である組成物(例えば、錠剤)であって、腸溶性被覆(例えば、胃耐性被覆)を含み、その結果、組成物により、アンチセンス化合物が、例えば、患者の結腸に送達され得る組成物(例えば、錠剤)が意図される。例えば、そのような投与は、アンチセンス化合物を患者の結腸の罹患部分に対して直接に実質的には局所的に適用して局所的効果をもたらす場合がある。そのような投与により、いくつかの実施形態では、アンチセンス化合物の望まれない全身的吸収が実質的に回避される場合がある。
例えば、開示されたアンチセンス化合物、例えば、GED−0301と、医薬的に許容され得る賦形剤とを含む顆粒を含む(例えば、そのような顆粒から少なくとも一部が形成される)経口投与用の錠剤が提供される。そのような錠剤は腸溶性被覆により被覆される場合がある。意図された錠剤は、医薬的に許容され得る賦形剤、例えば、フィラー、バインダー、崩壊剤および/または滑剤、同様にまた、着色剤、離型剤、被覆剤、甘味剤、矯味矯臭剤(例えば、冬緑油、オレンジ、キシリトール、ソルビトール、フルクトースおよびマルトデキストリンなど)および芳香剤、保存剤ならびに/あるいは酸化防止剤などを含む場合がある。
いくつかの実施形態において、意図された医薬配合物は、意図されたアンチセンス化合物、例えば、GED−0301、または、医薬的に許容され得る塩、例えば、GED−0301、および、医薬的に許容され得るフィラーを含む顆粒内相を含む。例えば、GED−0301およびフィラーが、必要な場合には他の賦形剤と一緒にブレンドされ、顆粒にされる場合がある。いくつかの実施形態において、顆粒内相が、湿式造粒を使用して形成される場合があり、例えば、液体(例えば、水)が、ブレンドされたアンチセンス化合物およびフィラーに加えられ、その後、組合せ物が、顆粒を製造するために乾燥され、粉砕され、および/またはふるい分けされる。当業者は、他のプロセスが、顆粒内相を達成するために使用される場合があることを理解するであろう。
いくつかの実施形態において、意図された配合物は顆粒外相を含む。この顆粒外相は、1つまたは複数の医薬的に許容され得る賦形剤を含む場合があり、かつ、開示された配合物を形成するために顆粒内相とブレンドされる場合がある。
開示された配合物は、フィラーを含む顆粒内相を含む場合がある。例示的なフィラーには、セルロース、ゼラチン、リン酸カルシウム、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ソルビトール、微結晶セルロース、ペクチン、ポリアクリラート、デキストロース、酢酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、部分的アルファ化デンプン、炭酸カルシウム、およびそれらの組合せを含む他のフィラーが挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、開示された配合物は、医薬配合物の成分を一緒に保持するように一般に機能し得るバインダーを含む顆粒内相および/または顆粒外相を含む場合がある。本発明の例示的なバインダーには、下記のものが含まれる場合があるが、それらに限定されない:デンプン、糖、セルロースまたは修飾セルロース(例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ラクトース、アルファ化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロースおよび糖アルコールなど、ならびに、それらの組合せ。
意図された配合物、例えば、顆粒内相および/または顆粒外相を含む配合物は崩壊剤を含む場合があり、この場合、崩壊剤としては、例えば、デンプン、セルロース、架橋ポリビニルピロリドン、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸塩、トウモロコシデンプン、クロスメロース(crosmellose)ナトリウム、架橋カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプロピルセルロースおよびアラビアゴムなどがそれらの組合せを含めて挙げられるが、これらに限定されない。例えば、顆粒内相および/または顆粒外相が崩壊剤を含む場合がある。
いくつかの実施形態において、意図された配合物は、開示されたアンチセンス化合物、ならびに、マンニトール、微結晶セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびデンプングリコール酸ナトリウムまたはそれらの組合せから選ばれる賦形剤を含む顆粒内相と、微結晶セルロース、デンプングリコール酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムまたはそれらの組合せのうちの1つまたは複数を含む顆粒外相とを含む。
いくつかの実施形態において、意図された配合物は滑剤を含む場合があり、例えば、顆粒外相が滑剤を含有する場合がある。滑剤には、タルク、シリカ、脂肪、ステアリン、ステアリン酸マグネシウム、リン酸カルシウム、二酸化シリコーン(silicone dioxide)、ケイ酸カルシウム、リン酸カルシウム、コロイド状二酸化ケイ素、金属ステアリン酸塩、水素化植物油、トウモロコシデンプン、安息香酸ナトリウム、ポリエチレングリコール、酢酸ナトリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、タルクおよびステアリン酸が含まれるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態において、医薬配合物は腸溶性被覆を含む。一般に、腸溶性被覆により、薬物が消化管に沿って吸収される場所を制御する経口薬物療法のためのバリアがもたらされる。腸溶性被覆は、pHに従って異なる速度で崩壊するポリマーを含む場合がある。腸溶性被覆は、例えば、酢酸フタル酸セルロース、アクリル酸メチル−メタクリル酸コポリマー、セルロースアセタートスクシナート、ヒドロキシルプロピルメチルセルロースフタラート、メタクリル酸メチル−メタクリル酸コポリマー、エチルアクリラート−メタクリル酸コポリマー、メタクリル酸コポリマータイプC、ポリビニルアセタート−フタラートおよび酢酸フタル酸セルロースを含む場合がある。
例示的な腸溶性被覆には、Opadry(登録商標)AMB、Acryl−EZE(登録商標)、Eudragit(登録商標)の様々な品種が含まれる。いくつかの実施形態において、腸溶性被覆は、重量比で、意図された錠剤の約5%〜約10%、約5%〜約20%、8%〜約15%、約8%〜約18%、約10%〜約12%、または、約12%〜約16%を含む場合がある。例えば、腸溶性被覆はエチルアクリラート−メタクリル酸コポリマーを含む場合がある。
例えば、約0.5重量%〜約70重量%、例えば、約0.5重量%〜約10重量%、または、約1重量%〜約20重量%のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその医薬的に許容され得る塩(例えば、GED−0301)を含むか、あるいは、約0.5重量%〜約70重量%、例えば、約0.5重量%〜約10重量%、または、約1重量%〜約20重量%のアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはその医薬的に許容され得る塩(例えば、GED−0301)から本質的になる錠剤が提供される。そのような錠剤は、例えば、約0.5重量%〜約60重量%のマンニトール、例えば、約30重量%〜約50重量%のマンニトール、例えば、約40重量%のマンニトール、および/または、約20重量%〜約40重量%の微結晶セルロース、もしくは、約10重量%〜約30重量%の微結晶セルロースを含む場合がある。例えば、開示された錠剤は、約30重量%〜約60重量%、例えば、約45重量%〜約65重量%、または、代替では、約5重量%〜約10重量%のGED−0301、約30重量%〜約50重量%、または、代替では、約5重量%〜約15重量%のマンニトール、約5%〜約15%の微結晶セルロース、約0%〜約4%、または、約1%〜約7%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、および、約0%〜約4%、例えば、約2%〜約4%のデンプングリコール酸ナトリウムを重量比で含む顆粒内相を含む場合がある。
別の実施形態において、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの経口投与のための医薬用錠剤配合物は、アンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、GED−0301、または、その医薬的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)と、医薬的に許容され得るフィラーとを含む顆粒内相を含み、かつ、該医薬用錠剤配合物はまた、医薬的に許容され得る賦形剤(例えば、崩壊剤など)を含む場合がある顆粒外相を含む場合がある。顆粒外相は、微結晶セルロース、ステアリン酸マグネシウムおよびそれらの混合物から選ばれる成分を含む場合がある。この場合の医薬組成物はまた、錠剤の約12重量%〜16重量%の腸溶性被覆を含む場合がある。例えば、経口使用のための医薬的に許容され得る錠剤は、約.5重量%〜10重量%のアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、GED−0301、または、その医薬的に許容され得る塩、約30重量%〜50重量%のマンニトール、約10重量%〜30重量%の微結晶セルロース、および、エチルアクリラート−メタクリル酸コポリマーを含む腸溶性被覆を含む場合がある。
別の一例において、経口使用のための医薬的に許容され得る錠剤は、約5重量%〜約10重量%のアンチセンスオリゴヌクレオチド、例えば、GED−0301、または、その医薬的に許容され得る塩、約40重量%のマンニトール、約8重量%の微結晶セルロース、約5重量%のヒドロプロピルメチル(hydropropylmethyl)セルロースおよび約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウムを含む顆粒内相と、約17重量%の微結晶セルロース、約2重量%のデンプングリコール酸ナトリウム、約0.4重量%のステアリン酸マグネシウムを含む顆粒外相と、エチルアクリラート−メタクリル酸コポリマーを含む、該錠剤を覆う腸溶性被覆とを含む場合がある。
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、約13重量%または約15重量%、16重量%、17重量%または18重量%の、例えば、AcyrlEZE(登録商標)を含む腸溶性被覆を含有する場合がある(例えば、PCT公開番号WO2010/054826(これは参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)を参照のこと)。
被覆が溶解し、有効成分が放出される時点での割合が、その溶解割合である。1つの実施形態において、意図された錠剤は、例えば、米国薬局方/欧州薬局方のタイプ2装置(パドル)での試験が7.2のpHのリン酸塩緩衝液において100rpmおよび37℃で行われるとき、約50%〜約100%のオリゴヌクレオチドが約120分〜約240分の後において、例えば、180分後において放出されるという溶解プロフィルを有する場合がある。別の実施形態において、意図された錠剤は、例えば、米国薬局方/欧州薬局方のタイプ2装置(パドル)での試験が1.0のpHの希HClにおいて100rpmおよび37℃で行われるとき、オリゴヌクレオチドが120分後において実質的に全く放出されない溶解プロフィルを有する場合がある。意図された錠剤は別の実施形態において、例えば、米国薬局方/欧州薬局方のタイプ2装置(パドル)での試験が6.6のpHのリン酸塩緩衝液において100rpmおよび37℃で行われるとき、約10%〜約30%のオリゴヌクレオチド、または約50%もしくはそれ未満のオリゴヌクレオチドが30分後において放出されるという溶解プロフィルを有する場合がある。
開示された配合物、例えば、錠剤はいくつかの実施形態において、患者に経口投与されたとき、患者におけるオリゴヌクレオチドの最小血漿中濃度をもたらす場合がある。別の実施形態において、開示された配合物は、患者に経口投与されたとき、患者の結腸または直腸に、例えば、患者の罹患部位または疾患部位に局所送達する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に提供される方法はさらに、本明細書中に開示される疾患および障害を処置することに向けられる少なくとも1つの他の作用剤を投与することを含む場合がある。1つの実施形態において、意図された他の作用剤が共投与される場合がある(例えば、連続的または同時に)。
意図される作用剤には、グルココルチコイド、細胞増殖抑制剤、抗体、イムノフィリンに作用する作用剤、インターフェロン、オピオイド、TNF結合タンパク質、ミコフェノラートおよび小さい生物学的作用剤を含む免疫抑制剤が含まれる。例えば、意図された免疫抑制剤には、タクロリムス、シクロスポリン、ピメクロリムス、シロリムス、エベロリムス、ミコフェノール酸、フィンゴリモド、デキサメタゾン、フルダラビン、シクロホスファミド、メトトレキサート、アザチオプリン、レフルノミド、テリフルノミド、アナキンラ、抗胸腺細胞グロブリン、抗リンパ球グロブリン、ムロモナブ−CD3、アフツズマブ、リツキシマブ、テプリズマブ、エファリズマブ、ダクリズマブ、バシリキシマブ、アダリムマブ、インフリキシマブおよびエタネルセプトが含まれるが、これらに限定されない。
投薬量および投与頻度
例示的な配合物には、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの約35mg〜約500mgを含むか、または、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの約35mg〜約500mgから本質的になる投薬形態物が含まれる。例えば、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの約35mg、40mg、50mg、60mg、70mg、80mg、90mg、100mg、110mg、120mg、130mg、140mg、150mg、160mg、170mg、180mg、190mg、200mgまたは250mgを含む配合物が本明細書中では意図される。1つの実施形態において、配合物は、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの約40mg、80mgまたは160mgを含む場合がある。いくつかの実施形態において、配合物は、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの少なくとも100μgを含む場合がある。例えば、配合物は、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの約0.1mg、0.2mg、0.3mg、0.4mg、0.5mg、1mg、5mg、10mg、15mg、20mgまたは25mgを含む場合がある。投与される量は、様々な変数に、例えば、処置されるべき疾患または適用症のタイプおよび程度、患者の全体的健康状態およびサイズ、アンチセンスオリゴヌクレオチドのインビボ効力、医薬配合物、ならびに、投与経路などに依存するであろう。最初の投与量は、所望される血中レベルまたは組織中レベルを迅速に達成するために、上限レベルを超えて増大させることができる。代替において、最初の投薬量は最適量よりも少ないことが可能であり、投薬量が処置の経過期間中に徐々に増大させられる場合がある。ヒトでの投薬量を、例えば、40mgから160mgにまで及ぶために設計される従来の第I相用量増加研究において最適化することができる。服用頻度が、様々な要因に依存して、例えば、投与経路、投薬量および処置される疾患などに依存して変化する可能性がある。例示的な服用頻度が、1日に1回、1週間に1回、および、2週間毎に1回である。いくつかの実施形態において、服用が7日間にわたって1日に1回である。
本発明がさらに、下記の実施例によって例示される。下記の実施例は例示目的のためにだけ提供されており、本発明の範囲または内容を限定するものとしていかなる点においても解釈してならない。
実施例1:結腸直腸癌細胞におけるSMAD7タンパク質発現レベル
SMAD7のタンパク質発現レベルを、結腸直腸癌についての結腸切除を受ける6名の患者から採取されるペアにした結腸直腸癌の腫瘍結腸粘膜試料および非腫瘍結腸粘膜試料において評価した。腫瘍(T)組織および非腫瘍(NT)組織のSMAD7免疫染色により、SMAD7タンパク質の顕著な蓄積が、非腫瘍組織と比較した場合、腫瘍組織において明らかにされ、一方、結腸直腸癌切片がIgGアイソタイプコントロールとインキュベーションされたときには、染色が全く認められなかった(アイソタイプ;図1A、結腸直腸癌の6名の患者の切片が分析された3つの別々の実験を表す)。加えて、結腸直腸癌患者から得られる腫瘍(T)組織および隣接する非腫瘍(NT)組織の14個の対応したペアにおけるSMAD7タンパク質レベルをウエスタンブロッティングによって評価した。細胞抽出物のウエスタンブロッティングにより、際立ってより高いレベルのSMAD7が、非腫瘍組織と比較して腫瘍組織において明らかにされた(図1B、2つの代表的な患者サンプルから得られる抽出物のウエスタンブロッティングが示される)。β−アクチンを負荷コントロールとして使用した。デンシトメトリー分析による同じブロットにおけるSMAD7発現レベルの定量化により、SMAD7レベルが、同じ患者に由来する非腫瘍粘膜と比較した場合、結腸直腸癌サンプルにおいて有意に増大したことが確認された(図1B)。
SMAD7タンパク質発現を結腸直腸癌細胞株においても調べた。総タンパク質抽出物を結腸直腸癌細胞株のDLD−1およびHCT−116の細胞から、同様にまた、正常な結腸上皮細胞細胞(IEC)から集め、ウエスタンブロッティングによってSMAD7発現について評価した(図1C)。IECを、散発性結腸直腸癌についての結腸切除を受ける患者の肉眼的および微視的な非患部粘膜から単離した。ウエスタンブロッティングにより、SMAD7タンパク質の顕著により高い発現が、IECと比較してDLD−1細胞およびHCT−116細胞において明らかにされた。SMAD7抗体シグナルの特異性が、FITCコンジュゲート化SMAD7抗体(SMAD7)またはIgGアイソタイプコントロール(アイソタイプ)により標識されるHCT−116細胞およびDLD−1細胞のFACS分析によって確認された(図1D)。加えて、HCT−116、HT−115、HT−29およびDLD−1を含めて一連の結腸直腸癌細胞株から集められる抽出物におけるSMAD7タンパク質レベルのウエスタンブロット検出およびデンシトメトリー分析により、高レベルのSMAD7発現が明らかにされた(図1E)。同じ実験において、SMAD7発現を、HepG2細胞において、すなわち、高レベルのSMAD7タンパク質を発現することが知られている肝細胞癌細胞株において評価した。β−アクチンを両方の一組のウエスタンブロット実験における負荷コントロールとして、また、図1Eに示されるバンドデンシトメトリー分析のための正規化標準物として使用した。
実施例2:SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドによる結腸直腸癌細胞のSMAD7タンパク質レベルのノックダウン
SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドのGED−0301による癌細胞のトランスフェクションをHCT−116細胞株の細胞において評価した。HCT−116細胞を非標識のセンス(SMAD7センス)オリゴヌクレオチドにより、または、増大する用量(0.5μg/ml、1μg/mlまたは2μg/ml)のFITCコンジュゲート化GED−0301によりそのどちらかで6時間トランスフェクションした。図2Aは、PI陽性およびFITC陽性のトランスフェクションされたHCT−116細胞の百分率を定量化する代表的なドットプロットを示す。高いトランスフェクション効率が、PI染色およびFITC染色によって評価された場合、非常に低いレベルの細胞死とともに達成された。類似する結果が得られた2つの代表的な実験のうちの一方が図2Aに示される。
様々な量のGED−0301をトランスフェクションした後におけるSMAD7タンパク質レベルのノックダウンもまた、HCT−116細胞において評価した。HCT−116細胞をSMAD7センスオリゴヌクレオチドにより(2μg/mlで)、またはGED−0301により(0.5μg/ml、1μg/mlまたは2μg/mlで)そのどちらかで12時間トランスフェクションした。その後、細胞をリン酸塩緩衝化生理的食塩水(PBS)により洗浄し、新鮮な培地を用いて6時間培養し、PBSにより再び洗浄し、さらに24時間培養した。その後、SMAD7およびβ−アクチンのレベルをウエスタンブロッティングによって分析した。図2Bは3つの代表的な実験のうちの1つを示し、SMAD7タンパク質レベルにおける際立ったノックダウンを、SMAD7センスオリゴヌクレオチドによりトランスフェクションされる細胞と比較した場合、増大する量のGED−0301によりトランスフェクションされる細胞において明らかにしている。これらの結果は、SMAD7のアンチセンスオリゴヌクレオチド(GED−0301)は結腸直腸癌細胞にトランスフェクションすることができ、かつ、SMAD7タンパク質レベルのロバストなノックダウンを誘導することができたことを明らかにした。
実施例3:SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は結腸直腸癌細胞における細胞周期動力学に影響を及ぼす
細胞増殖を、SMAD7センスオリゴヌクレオチドおよびGED−0301オリゴヌクレオチドを投与した後でのHCT−116細胞およびDLD−1細胞において評価した。HCT−116細胞およびDLD−1細胞をトランスフェクションに供しなかった(Untr)か、あるいは、1μg/mlでのSMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションに供した。トランスフェクション後12時間で、細胞をPBSにより洗浄し、さらに6時間培養し、PBSにより再洗浄し、カルボキシフルオレセインジアセタートスクシンイミジルエステル(CFSE)により30分間標識した。その後、標識された細胞をPBSにより洗浄し、新鮮な培地でさらに24時間、再培養した。増殖細胞の百分率をフローサイトメトリーによって評価した。細胞増殖における有意な低下が、SMAD7センスオリゴヌクレオチドによりトランスフェクションされた細胞と比較した場合、GED−0301によりトランスフェクションされたDLD−1細胞(白棒)およびHCT−116細胞(黒棒)の両方において認められた(図2C;HCT−116:SMAD7センストランスフェクション細胞対GED−0301トランスフェクション細胞、P<0.001;DLD−1:SMAD7センストランスフェクション細胞対GED−0301トランスフェクション細胞、†P<0.001)。グラフにおけるデータは3回の実験の平均±標準偏差(SD)を表す。図2Cにおけるヒストグラムは、1回だけの実験から得られる細胞増殖の総割合をSMAD7センスオリゴヌクレオチド(82%)またはGED−0301オリゴヌクレオチド(47%)のどちらかによりトランスフェクションされたHCT−116細胞において表す。したがって、結腸直腸癌腫細胞株のHCT−116およびDLD−1において、SMAD7のASオリゴヌクレオチドの投与は細胞増殖における有意な低下をもたらした。
異なる細胞周期段階にある細胞の分布もまた、GED−0301のトランスフェクションの後でのHCT−116細胞において分析した。HCT−116細胞をトランスフェクションに供しなかった(Untr)か、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによるトランスフェクションに供した。HCT−116細胞を1μg/mlでのSMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドによりトランスフェクションした。トランスフェクション後12時間で、細胞をPBSにより洗浄し、新鮮な培地でさらに24時間培養した。その後、細胞周期の異なる段階にある細胞の百分率をフローサイトメトリーによって評価した。S期に存在する細胞の百分率における統計学的に有意な増大、および、G0/G1集団を構成する細胞の百分率における統計学的に有意な付随する低下が、コントロールと比較して、GED−0301によりトランスフェクションされた細胞において認められた(図2D;GED−0301トランスフェクション細胞対SMAD7センストランスフェクション細胞、S期については、**P=0.001;G0/G1期については、P=0.01)。類似する結果が得られた3つの代表的な実験のうちの1つが示される。これらの結果は、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドのGED−0301の投与によって促進されるSMAD7タンパク質のノックダウンが結腸直腸癌細胞における変化した細胞周期段階集団分泌をもたらしたことを明らかにする。
結腸直腸癌細胞は多くの場合、TGF−β1シグナル伝達を媒介する遺伝子に変異を有しており、このことが、結腸直腸癌細胞をTGF−β1活性における変化に対して非応答性にしている。したがって、SMAD7活性における変化によって誘導される細胞増殖に対する認められた影響と、TGF−β1シグナル伝達活性との関係を、ヒト結腸直腸癌細胞株のHCT−116およびDLD−1において調査した。SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)によりトランスフェクションされた細胞をTGF−β1タンパク質またはTGF−β1中和抗体のどちらかにさらした。増大したTGF−β1に対する暴露、または、抗体暴露を介したTGF−β1活性の阻害はどちらも、細胞増殖における際立った変化をもたらさなかった。加えて、GED−0301(AS)によりトランスフェクションされ、かつ、同じ処理にさらされた細胞もまた、処置されなかったGED−0301トランスフェクション細胞に対して、細胞増殖における変化を何ら示さなかった(図2E、HCT−116のデータが示される)。これらの結果から、結腸直腸癌細胞において認められるSMAD7シグナル伝達の細胞分裂促進(pro−mitogenic)影響はTGF−β1活性とは無関係であることが明らかにされた。
実施例4:SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は結腸直腸癌細胞における増大した細胞死を引き起こす
細胞死を、細胞周期分布における認められた変化が細胞死プログラムの活性化と相関したかどうかを明らかにするために、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドのGED−0301を投与した後でのHCT−116細胞において評価した。細胞死を調査するために、HCT−116細胞を非処置(Untr)のままにしたか、あるいは、1μg/mlでのSMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドにより12時間トランスフェクションした。その後、細胞をPBSにより洗浄し、さらに6時間培養し、PBSにより再洗浄し、新鮮な培地でさらに24時間〜48時間培養した(図3A、上段パネルおよび中段パネル、それぞれ)。細胞死をAV染色および/またはPI染色のフローサイトメトリー分析によって評価した。一緒になったAV−/PI+集団、AV+/PI+集団およびAV+/PI−集団によって評価されるような細胞死における有意な増大が、SMAD7センスオリゴヌクレオチドによりトランスフェクションされた細胞と比較して、GED−0301によりトランスフェクションされたHCT−116細胞について48時間において認められた(図3A、中段パネル;SMAD7センス対GED−0301、P<0.001)。結果が3回の実験の平均±SDとして表される。代表的なドットプロット(図3A、下段パネル)はトランスフェクション後48時間でのAV陽性および/またはPI陽性のHCT−116細胞の百分率を示す。
SMAD7ノックダウン後の結腸直腸癌細胞における細胞死経路の活性化をさらに評価するために、活性なカスパーゼ−3を発現する細胞の割合を、GED−0301によりトランスフェクションされる細胞において調査した。HCT−116細胞を非処置(Untr)のままにしたか、あるいは、1μg/mlでのSMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドにより12時間トランスフェクションした。その後、細胞をPBSにより洗浄し、新鮮な完全培地を用いてさらに6時間培養し、その後、PBSにより洗浄し、新鮮な培地でさらに16時間、24時間または36時間培養した。その後、カスパーゼ−3の活性化をフローサイトメトリーによって評価した。図3Bにおけるドットプロットは、GED−0301トランスフェクション細胞での活性なカスパーゼ−3における顕著な増大をSMAD7センストランスフェクション細胞および非トランスフェクション細胞と比較して示す。そのうえ、GED−0301のトランスフェクションは、カスパーゼ−3が活性な細胞の徐々により大きい百分率をそれぞれの時点でもたらした。これらの結果は、HCT−116結腸直腸癌細胞株において、GED−0301の投与が、コントロールと比較して、細胞死を受けるか、または活性なカスパーゼ−3を発現する細胞の割合(%)における有意な増大をもたらしたことを明らかにする。
細胞死が、GED−0301によりトランスフェクションされる細胞において阻止され得るかどうかを明らかにするために、細胞を通常の培地で、あるいは、汎カスパーゼ阻害剤Q−VD−OPHまたはDMSOの存在下で1時間培養し、その後、非処置のままにしたか、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドにより36時間トランスフェクションした。活性なカスパーゼ(capase)−3を発現する細胞の割合をフローサイトメトリーによって評価した。有意差が非トランスフェクション群またはSMAD7センストランスフェクション群のいずれにおいても何ら認められなかったが、活性なカスパーゼ−3を発現する細胞の割合における有意な低下が、薬物に何らさらされなかったか、または、Q−VD−OPHにさらされたGED−0301トランスフェクション細胞の間において認められた(図3C;薬物非存在対Q−VD−OPH、P=0.002)。
同じプロトコルを使用して、細胞死の割合を評価したが、この場合には、細胞をトランスフェクション後48時間で評価し、細胞死の割合を、総細胞集団内の一緒になったAV陽性および/またはPI陽性の集団を検討することによって評価した。有意差が非トランスフェクション群またはSMAD7センストランスフェクション群のいずれにおいても何ら認められなかったが、細胞死を受ける細胞の割合における有意な低下が、薬物に何らさらされなかったか、または、Q−VD−OPHにさらされたGED−0301トランスフェクション細胞の間において認められた(図3D;薬物非存在対Q−VD−OPH、P=0.008)。
GED−0301誘導のHCT−116細胞成長停止が細胞死の誘導に対して二次的であるかどうかを明らかにするために、細胞増殖を、Q−VD−OPHにさらされるGED−0301トランスフェクション細胞において評価した。細胞を通常の培地で、あるいは、Q−VD−OPHまたはDMSOの存在下または非存在下で1時間培養し、その後、非処置のままにしたか、あるいは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301によりトランスフェクションした。24時間後、増殖細胞の百分率をフローサイトメトリーによって評価した。Q−VD−OPH暴露にもかかわらず、すべてのGED−0301トランスフェクション細胞集団が、SMAD7センストランスフェクション群および非トランスフェクション群と比較して、増殖細胞の割合における低下を示し、このことから、細胞死が、SMAD7タンパク質のノックダウンに供された結腸直腸癌細胞における低下した増殖の二次的な影響であることが明らかにされた(図3E)。図3C〜図3Eに示される結果は3回の実験の平均±SDである。
実施例5:SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドは下流側のTGFβ1シグナル伝達成分の相互作用を中断させ、細胞周期調節タンパク質の発現および活性に影響を与える
細胞周期の進行が様々なサイクリン依存性キナーゼ(CDK)によって調節され、この場合、これらのサイクリン依存性キナーゼは活性化パートナー(これらはサイクリンとして知られている)と会合して、様々な役割を細胞周期進行において果たす様々なタンパク質の活性を調節する。CDK活性はそれ自体、阻害性のリン酸化および活性化するリン酸化の両方によって調整される。例えば、CDK−サイクリン複合体が、CDKのATP結合ポケット内のThr−14残基およびTyr−15残基のリン酸化によって阻害され得る。CDK2がS期の制御において中心的役割を果たしており、サイクリンEまたはサイクリンAのどちらかに結合して、G1/S移行およびS期進行をそれぞれ調節する。
結腸直腸癌細胞におけるCKD2/サイクリン活性に対するSMAD7発現の影響を分析するために、CDK2のリン酸化状態をGED−0301によるトランスフェクションの後でのHCT−116細胞において分析した。HCT−116細胞を非トランスフェクション(Untr)のままにしたか、あるいは、1μg/mlでのSMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションした。トランスフェクション後6時間で、細胞をPBSにより洗浄し、新鮮な培地を用いてさらに16時間に再培養した。p−CDK2(Thr−14/Tyr−15)、CDK2、サイクリンAおよびβ−アクチンのレベルを細胞抽出物のウエスタンブロッティングによって分析した。類似する結果が得られた3つの代表的な実験のうちの1つが図4Aに示される。図4Aにおけるブロットは、GED−0301によるHCT−116細胞のトランスフェクションにより、p−CDK2(Thr−14/Tyr−15)レベルにおける際立った増大がコントロールと比較してもたらされたこと、同様にまた、サイクリンAレベルにおける低下がもたらされたことを明らかにし、このことは、GED−0301投与後でのS期における細胞の蓄積を説明するための機構を提供する。
CDK2の活性化が、CDK/サイクリン複合体をリン酸化し、これを活性化する特化したホスファターゼ(CDC25)の活性に厳密に依存している。ヒトCDC25ファミリーの3つのメンバーが存在する。CDC25AがS期経由の進行を制御し、一方、CDC25BおよびCDC25CがG2から有糸分裂への移行の制御に関与する。CDC25ファミリーメンバーのレベルを、SMAD7欠損細胞におけるCDK2の不活性化/リン酸化がCDC25タンパク質の損なわれた発現と関連したかどうかを明らかにするために調べた。HCT−116細胞を非処理(Untr)のままにしたか、あるいは、1μg/mlでのSMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)により血清非含有培地において20時間トランスフェクションした。その後、細胞をPBSにより洗浄し、10%ウシ胎児血清(FBS)培地でさらに24時間培養した。SMAD7のノックダウンには、CDC25Aタンパク質発現の顕著な低下が伴い、一方、CDC25BおよびCDC25Cのレベルは変化しないままであった(図4B;結果は3回の実験を表す)。したがって、SMAD7活性が、結腸直腸癌細胞におけるロバストなCDC25A発現のために必要であるようである。
CDC25Aの細胞内濃度が多数のレベルで調節され得る。SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド誘導によるCDC25Aタンパク質のダウンレギュレーションがCDC25A転写の阻害から生じたかどうかを明らかにするために、総RNAを、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされ、異なる期間にわたって培養されたHCT−116細胞から抽出し、リアルタイムPCRによってCDC25AのmRNAレベルについて分析した。CDC25AのリアルタイムPCRシグナルをβ−アクチンのシグナルに対して正規化した。すべての細胞を1μg/mlでの(at at)オリゴヌクレオチドにより血清非含有培地において20時間トランスフェクションし、PBSにより洗浄し、10%のFBSを含有する培地を用いて培養した。その後、細胞を4時間後に再洗浄し、示された時点について血清非含有培地で培養した。CDC25AのRNA転写物レベルが、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドにより処置された細胞(黒棒)では、SMAD7センスオリゴヌクレオチドにより処置された細胞(白棒)と比較して、ダウンレギュレーションされたのではなく、むしろ増大した(図4Cは3回の実験の平均(SEM)の平均±標準誤差を示す)。このデータは、CDC25Aのタンパク質レベルとRNAレベルとがSMAD7欠損の結腸直腸癌細胞では連動していないことを明らかにし、また、SMAD7によるCDC25Aタンパク質発現の調節が翻訳機構または翻訳後の(例えば、プロテアソーム依存的な)機構を介して生じていることを示唆した。
プロテアソーム依存的機構により、SMAD7ノックダウン細胞における認められたCDC25Aの低下が説明されたかを明らかにするために、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされた細胞をプロテアソーム阻害剤のMG115およびMG132にトランスフェクション後24時間にわたってさらした。これらのプロテアソーム阻害剤による結腸直腸癌細胞の処置はCDC25Aタンパク質発現の阻害を妨げなかった(図4D;3回の実験のうちの1つに由来する代表的なブロット)。
CDC25Aタンパク質発現はまた、様々なタンパク質の翻訳減衰のために不可欠である真核生物翻訳開始因子2アルファ(EiF2α)によって調節される(TomkoおよびLazo(2008)、Cancer Res.、68(18):7457−7465)。EiF2α活性がSer51におけるリン酸化によって調節され、これにより、EiF2αの隔離がもたらされる(Wekら(2006)、Biochem.Soc.Trans.、34:7−11)。したがって、EiF2αの過剰リン酸化はCDC25Aタンパク質発現の顕著な低下を生じさせる。したがって、SMAD7アンチセンスにより処置された結腸直腸癌細胞におけるEiF2αリン酸化の状態を、EiF2α活性における変化がCDC25Aレベルにおける認められた変化の原因となり得るであろうかを明らかにするために調査した。細胞を1μg/mlで血清非含有培地において20時間トランスフェクションし、PBSにより洗浄し、10%のFBSを含有する培地を用いて培養した。その後、細胞を4時間後に再洗浄し、示された時点について血清非含有培地で培養した(図4E;12時間、18時間または24時間)。SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)にさらすことによるHCT−116細胞およびDLD−1細胞の両方におけるSMAD7の沈黙化はEiF2αのSer51のリン酸化を増大させ、CDC25Aタンパク質およびサイクリンAタンパク質のダウンレギュレーションに先行した(図4E;3つの代表的なブロットのうちの1つが示される)。
結腸直腸癌細胞におけるEiF2α活性とCDC25A発現との連係を確認するために、EiF2α機能をSalubrinalによって、すなわち、EiF2αのSer51の脱リン酸化を妨害する化合物によってHCT−116細胞およびDLD−1細胞において特異的に阻害した。HCT−116細胞をDMSOまたはSalubrinalにより6時間〜24時間処理し、その後、細胞抽出物を、p−EiF2α(Ser51)、総EiF2α、CDC25Aまたはβ−アクチンについてウエスタンブロットによってプローブ探査した。Salubrinalによる結腸直腸癌細胞の処理は、DMSO処理のコントロールに対して、リン酸化EiF2αの増大およびCDC25Aタンパク質レベルの付随する低下をもたらした(図4F;3つの代表的なブロットのうちの1つが示される)。これらの結果から、SMAD7のノックダウンはEiF2αのリン酸化を変化させ、このことは結果として、結腸直腸癌細胞におけるCDC25A発現レベルをもたらす(effect)ことが明らかにされた。
SMAD7はまた、成長停止・DNA損傷タンパク質(Growth Arrest and DNA Damage Protein)(GADD34)、すなわち、プロテインホスファターゼ1(PP1)ホロ酵素の調節サブユニットと相互作用して、それにより、TGFβタイプI受容体のシグナル伝達を促進させる。GAD334/PP1複合体はまた、EiF2αと相互作用し、その脱リン酸化を促進させることができる。結腸直腸癌細胞におけるこれらの異なる分子成分の間での会合を、免疫沈降実験およびウエスタンブロッティング実験を行うことによって調べた。HCT−116細胞(左側パネル)、DLD−1細胞(示されず)および原発性結腸直腸癌細胞(右側パネル)から得られる全細胞抽出の免疫沈降を、抗SMAD7抗体を使用して、その後、抗PP1抗体(上段)、抗EiF2α抗体(中段)または抗SMAD7抗体(下段)によるウエスタン分析を使用して行った(図4G、3つの代表的なブロットのうちの1つがそれぞれの実験について示される;IP=免疫沈降、n.s.=非特異的バンド)。ブロットはまた、アイソタイプ特異的なコントロール抗体によりプローブ探査した(それぞれのブロットにおける右側レーン;ve−)。この実験から、内因性SMAD7が、結腸直腸癌細胞株、および、新鮮な結腸直腸癌腫瘍組織から単離される原発性細胞においてPP1およびEiF2αと相互作用することが明らかにされた。
SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)またはSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)によりトランスフェクションされたHCT−116細胞におけるさらなる免疫沈降/免疫ブロッティング実験では、SMAD7の沈黙化がPP1とEiF2αとの間での会合を著しく低下させたことが示された(図4H;3つの代表的なブロットのうちの1つがそれぞれの実験について示される;n.s.=非特異的バンド)。トランスフェクション細胞から得られるHCT−116細胞抽出物をPP1抗体による免疫沈降に供し、EiF2α抗体を使用するウエスタンブロットによってプローブ探査し(上段)、または、逆に、EiF2α抗体による免疫沈降に供し、PP1抗体を使用するウエスタンブロットによってプローブ探査した(下段)。ブロットはまた、コントロールとしてのアイソタイプ特異的抗体(Ve−)によりプローブ探査した。したがって、SMAD7は、PP1ホロ酵素とEiF2αとの間での会合を媒介することにおいて重要な役割を果たし、これにより、EiF2α活性に影響を与えている。そのうえ、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は、これらの成分の分断、ならびに、その結果として生じる、サイクリンAおよびCDC25Aの発現における低下をもたらした。このことは、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドにさらされたときに結腸直腸癌細胞において認められる変化した細胞増殖および細胞周期進行を説明するための機構を提供する。
実施例6:インビボでのSMAD7のタンパク質発現およびmRNA発現が誘発結腸直腸癌のマウスモデルにおいて増大する
SMAD7のタンパク質発現およびmRNA発現を、結腸直腸癌のインビボでの誘発が増大したSMAD7レベルと関連したかどうかを明らかにするために、大腸炎随伴結腸直腸癌を有するマウスの腫瘍領域および非腫瘍領域において評価した。本実施例で利用されるモデルでは、C57BL/6JマウスにAOMを投与し、その後で、反復したDSS摂取を続け(AOM+DSS)、これにより、結腸の炎症と、多数の結腸腫瘍のその後の発達とを引き起こした。動物を、AOM+DSSによる処置の84日後に屠殺した。SMAD7のタンパク質レベルを、大腸炎随伴結腸直腸癌を有するマウスから採取される組織の非腫瘍領域および腫瘍領域の免疫染色によって評価した。図5Aは、AOM+DSSにより処置されたマウスの腫瘍領域でのSMAD7免疫染色の明瞭な増大を示す。画像が、行われた3回の実験のうちの1つから撮影される。SMAD7のmRNA発現もまた、リアルタイムPCRによって評価される場合、AOM+DSSにより処置されたマウスの非腫瘍領域と比較して、腫瘍領域において増大した(図5B)。図5Bにおける値は平均±SEMを表しており、6匹のマウスがそれぞれの群に含まれた。したがって、インビボでのSMAD7の増大したmRNA発現、また、特にタンパク質発現が、もっぱら腫瘍組織における結腸直腸癌の誘導と相関した。
実施例7:SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は低下した組織外植片細胞増殖をもたらす
SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドにより促進されるノックダウンの、組織における細胞増殖に対する影響を評価するために、H&E染色またはPCNA免疫染色をエクスビボ結腸直腸癌組織外植片から得られる切片に対して行った。新鮮な組織外植片をSMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドにより36時間トランスフェクションし、その後、染色した。図6Aは、新たに得られた外植片から得られるH&E染色切片およびPCNA染色切片の代表的な画像を示す。H&E染色およびPCNA免疫シグナルの両方における明瞭な低下が、SMAD7センスオリゴヌクレオチドによりトランスフェクションされる外植片と比較して、GED−0301によりトランスフェクションされる組織外植片において認められ、このことから、GED−0301が細胞増殖をトランスフェクションされた組織において効率的に低下させたことが明らかにされた。2回の代表的な実験のうちの1つから得られる画像が示される。
同様に、SMAD7のセンスオリゴヌクレオチド(S)またはアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)をヒト結腸直腸癌組織外植片の器官培養物に加え、細胞成長および細胞周期関連タンパク質を24時間後に分析した。結腸直腸癌組織外植片の連続切片の免疫組織化学は、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドが、SMAD7、PCNA、サイクリンAおよびCDC25Aを発現する結腸直腸癌細胞の割合を低下させ、かつ、p−EiF2α(Ser51)について陽性である細胞の百分率を増大させたことを示した(図6B)。画像は5つの代表的な結果のうちの1つを示し、それと同時に、アイソタイプコントロールの染色(アイソタイプ)が左側の欄に示される。
実施例8:SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は異種移植片マウスモデルにおいてインビボでの結腸直腸癌の腫瘍成長および細胞増殖を低下させる
HCT−116異種移植片モデルを使用して、結腸直腸癌腫瘍発達および結腸直腸癌細胞増殖に対するGED−0301投与の影響を評価した。その目的のために、Rag−1−/−マウスにHCT−116細胞を接種した(5×105個の細胞を500μlのマトリゲルにおいて)。接種後1週間で、マウスはPBS(図7A、CTR)または100μgのFITCコンジュゲート化GED−0301(図7A、GED−0301 FITCコンジュゲート化)のどちらかの単回腹腔内注射を受けた。マウスを試薬注射後24時間で屠殺し、腫瘍を切除し、FITCコンジュゲート化GED−0301の分布を免疫蛍光シグナルによって評価した。FITCシグナルが明瞭に、異種移植片細胞に由来する核シグナルとともに共局在化していた(図7A、Dapi/FITCパネル)。
SMAD7タンパク質シグナルもまた、GED−0301投与に供された動物から得られる異種移植片において評価した。HCT−116細胞をRag−1−/−マウスに接種し、動物をSMAD7センスまたはGED−0301のどちらかにより腹腔内処置した。両方のオリゴヌクレオチドを100μg/マウスで、HCT−116注入後7日で開始して毎日投与した。マウスをHCT−116細胞接種後21日で屠殺した。異種移植片組織から得られる総タンパク質抽出物のウエスタンブロッティングにより、SMAD7シグナルの際立って低下したレベルが、SMAD7センス処置マウスではなく、GED−0301処置マウスから得られるサンプルにおいて明らかにされた(図7B)。β−アクチンを負荷コントロールとして使用した。したがって、GED−0301は結腸直腸癌異種移植片細胞におけるSMAD7タンパク質のレベルをインビボにおいてノックダウンすることができた。
上記と同じプロトコルに供されるマウスから集められる異種移植片を、それぞれの群において生じる腫瘍の体積について分析した。腫瘍体積における有意な低下が、SMAD7センスオリゴヌクレオチドにより処置されるマウスと比較して、GED−0301により処置されるHCT−116接種マウスにおいて認められた(図7C)。図7Cにおけるグラフは、SMAD7センスオリゴヌクレオチドまたはGED−0301オリゴヌクレオチドにより処置されるマウスについて21日において平均腫瘍体積を示す(図7C、左側パネル;SMAD7センス対GED−0301、P<0.001;2回の独立した実験の平均、群あたり12匹以上のマウス;棒は平均±SDを示す)。図7C(右側パネル)は、SMAD7センス処置マウス(上段列)およびGED−0301処置マウス(下段列)において発達した異種移植片の代表的な写真を提供する。これらの結果から、SMAD7のGED−0301ノックダウンは直腸結腸腫瘍成長を異種移植片モデルにおいて阻害したことが明瞭に明らかにされる。
SMAD7、細胞増殖マーカーPCNAおよびCDK2パートナーのサイクリンAについての免疫染色もまた、上記と同じプロトコルを受けたマウスから集められる異種移植片組織切片において行った。SMAD7、PCNAおよびサイクリンAについて染色された異種移植片切片の代表的な画像が図7Dに示される。6回の代表的な実験のうちの1つから得られる画像が示される。アイソタイプコントロールの染色が左側の欄に示される(アイソタイプ)。3つすべてのシグナルにおける低下が、SMAD7センス処置マウス(S)に由来する組織切片と比較して、GED−0301処置マウス(AS)において発達した異種移植片から得られる組織切片において認められ、このことから、SMAD7タンパク質のSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド媒介のノックダウンがインビボでの結腸直腸癌細胞における低下した細胞増殖をもたらしたことが明らかにされた。
実施例9:SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドの投与は腫瘍形成を自然発症結腸直腸癌のモデルにおいて阻害する
SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドが腸腫瘍原性をインビボで阻害し得るかを、自然発症結腸直腸癌のマウスモデルを使用して調べた。具体的には、多発性腸新形成(Min)マウス(これは大腸腺腫性ポリポーシス(Apc)遺伝子における優性の変異を有する)をこれらの実験のために使用した。このマウスモデルは、家族性腺腫性ポリポーシスとして知られているヒト疾患に類似している(この疾患もまた、APC遺伝子における変異によって引き起こされる)。発癌物質AOMによるApc(Min/+)マウスの処置は、腫瘍の発生率、数およびサイズを特に結腸において増大させる。マウスを、AOM(10mg/kg)により週に1回、2週間にわたって腹腔内(i.p)処置し、腫瘍形成についてモニターした。最後のAOM注射の1週間後、マウスを、80日目での屠殺まで週に3回、125μg/マウスのSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(AS)またはSMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)のどちらかにより経口処置した。平行して、マウスは、非標識のオリゴヌクレオチド(CTR)またはFITCコンジュゲート化SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド(FITCコンジュゲート化AS;125μg/マウス)の経口服用を、オリゴヌクレオチドの腸管取り込みを評価するために受け、マウスを8時間後に屠殺した(図8G)。腸組織切片の分析により、FITCシグナルの存在が明らかにされ、このことは、アンチセンスオリゴヌクレオチドが標的組織に局在化したことを示していた。
72日目での内視鏡検査では、SMAD7センスオリゴヌクレオチドにより処置されるマウスが多数の大きい腫瘍を発達させ、これに対して、腫瘍の数およびサイズが、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチドにより処置されたマウスの結腸では低下したことが示された(図8A、左側パネル)。腫瘍数および腫瘍スコアの内視鏡分析では、これらのパラメーターにおける有意な低下がSMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド処置マウスにおいてSMAD7センスオリゴヌクレオチド処置マウスに対して明らかにされた(図8A、グラフ;腫瘍数について、S対AS、P=0.004;腫瘍スコアについて、S対AS、P=0.001;両方のグラフについて、棒は平均±SEMを示す(3回の個々の実験、群あたり5匹以上のマウス))。これらの結果が、80日目に屠殺されたマウスにおける腫瘍の直接評価によって確認された。具体的には、結腸組織のH&E染色により、SMAD7アンチセンスオリゴヌクレオチド処置マウスではなく、SMAD7センスオリゴヌクレオチド処置マウスにおける大きい成長の存在が明らかにされた(図8A、中段パネル)。
腫瘍切片(T)および非腫瘍切片(NT)の免疫組織化学では、SMAD7が、SMAD7センスオリゴヌクレオチド(S)にさらされる新生物領域においてアップレギュレーションされ、アンチセンスオリゴヌクレオチド処置(AS)によって阻害されたことが示された(図8B)。PCNA染色により、Smad7アンチセンスオリゴヌクレオチドの抗増殖効果が確認された(図8C)。そのうえ、アンチセンスオリゴヌクレオチド処置は腫瘍領域においてサイクリンAおよびCDC25Aのレベルを低下させ(図8D、図8E)、p−EiF2α(Ser51)のレベルをアップレギュレーションした(図8F)。したがって、GED−0301はインビボでの腫瘍の形成および成長を結腸直腸癌の多発性動物モデルにおいて首尾よく阻害した。
参照による組み込み
本明細書中で引用される特許文献および科学論文のそれぞれの開示全体がすべての目的のために参照によって組み込まれる。
均等物
本発明は、その本質的な特徴から出発することにより他の具体的な形態で具体化することができる。したがって、前記実施形態は、本明細書中に記載される発明に対する限定であるのではなく、むしろ、例示であると見なされるものとする。本発明の範囲は、前記の記載によってではなく、むしろ、添付された請求項によって示される。請求項と同等である意味および範囲に含まれるすべての変化が、本発明に包含されることが意図される。



  1. 結腸直腸癌を処置する方法であって、SMAD7を患者における結腸直腸腫瘍において阻害することを含む、方法。

  2. 結腸直腸癌細胞の成長を阻害する方法であって、SMAD7を前記結腸直腸癌細胞において阻害することを含む、方法。

  3. 結腸直腸癌を処置する方法であって、結腸直腸癌の処置を必要とする患者に有効量のSMAD7の特異的阻害剤を投与することを含む、方法。

  4. 結腸直腸癌細胞の成長を患者において阻害する方法であって、結腸直腸癌患者に有効量のSMAD7の特異的阻害剤を投与することを含む、方法。

  5. 前記阻害剤が、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを含む、請求項3または4に記載の方法。

  6. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11および配列番号12からなる群より選択されるオリゴヌクレオチドを含む、請求項5に記載の方法。

  7. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号5または配列番号9を含む、請求項5または6に記載の方法。

  8. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号6または配列番号10を含む、請求項5または6に記載の方法。

  9. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが非経口投与される、請求項5〜8のいずれか一項に記載の方法。

  10. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが経口投与される、請求項9に記載の方法。

  11. SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドと、医薬的に許容され得るキャリアとを含む医薬組成物を投与することを含む、請求項3または4に記載の方法。

  12. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11および配列番号12からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。

  13. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号5または配列番号9を含む、請求項11または12に記載の方法。

  14. SMAD7に対する前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが配列番号6または配列番号10を含む、請求項11または12に記載の方法。

  15. 前記医薬組成物が非経口投与される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。

  16. 前記医薬組成物が経口投与される、請求項11〜14のいずれか一項に記載の方法。

  17. 前記医薬組成物が、エチルアクリラート−メタクリル酸コポリマーを含む腸溶性被覆を含む、請求項16に記載の方法。

  18. 前記患者がヒトである、請求項1または3〜17のいずれか一項に記載の方法。

  19. 少なくとも100μgの前記アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項5〜18のいずれか一項に記載の方法。

  20. 35mg〜500mgの前記アンチセンスオリゴヌクレオチドを投与することを含む、請求項19に記載の方法。

  21. 結腸直腸癌を処置する際に使用するための医薬組成物であって、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドと、医薬的に許容され得るキャリアとを含む、医薬組成物。

  22. 結腸直腸癌を処置するための医薬品の製造における、SMAD7に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドの使用。

  23. 結腸直腸癌の処置において使用するためのSMAD7の阻害剤。

  24. 結腸直腸癌の処置において使用するためのSMAD7の阻害剤であって、請求項2〜10のいずれかにおいて定義されるようなものであるSMAD7の阻害剤。

  25. 結腸直腸癌の処置において使用するためのSMAD7の阻害剤であって、前記阻害剤は、請求項11〜20のいずれかにおいて定義されるようなものであり、かつ、前記阻害剤は、請求項11〜21のいずれかにおいて定義されるような医薬組成物において医薬的に許容され得るキャリアと一緒になっている、SMAD7の阻害剤。

 

 

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