画像診断用量子ドット

著者らは特許

A61K49/00 - 生体内試験のための製剤

の所有者の特許 JP2016517403:

ナノコ テクノロジーズ リミテッド

 

【解決手段】患者の疾患を検出する方法が開示される。当該方法は、患者に、患者の胃腸管にて疾患用マーカに結合する分析物を含む量子ドット−分析物結合体を投与することを含む。分析物は、特徴的な放射波長を有する量子ドットに結合している。内視鏡療法を用いて、医師は、患者の胃腸管の部分を照らして、量子ドットの放射に基づいてマーカの存在を検出することができる。治療に対する患者の反応を予測する方法も開示されている。
【選択図】図1

 

 

本発明は、医学的用途の画像診断に、より詳細には、画像診断に量子ドット(QD)を使用することに関する。
[37 CFR 1.97及び1.98に基づいて開示される情報を含む関連技術の記載]
小腸に影響を及ぼす症状の検出について、幾つかの画像診断技術が先行技術において知られている。小腸に影響を及ぼす疾患を診断する既存の技術としては、内的に小腸を見る内視鏡技術と、放射線撮像技術とが挙げられる。既存の撮像技術の特性及び限界は、多くの場合、小腸における炎症の位置及び範囲によって決まる。
[内視鏡技術]
従来の内視鏡技術を用いて、上部消化(GI)管(食道、胃及び十二指腸)を「上部GI内視鏡検査」又は「胃鏡検査」によって、下側の腸(大腸及び末端回腸)を「結腸鏡検査」によって見ることができる。これら処置の利点として、生検を取れることがあるが、小腸の大領域、即ち空腸及び近位側回腸を見ることができない。さらに、処置は患者にとって侵襲性で、不快であるので、多くの場合鎮静を必要とする。
小腸全体を見て、かつ生検を行えるより長い内視鏡が開発されており、それらには、「プッシュ内視鏡検査」及び「ダブルバルーン小腸内視鏡(enteroscopy)」技術が含まれている。しかしながら、これらの診断方法は、長期間の鎮静(最長約3時間)を必要とするために、一般的に利用できず、好ましくない。
カプセル内視鏡検査は、全小腸を撮像できるより最近の技術である。例えば、PillCam SB(Given(登録商標)Imaging)ビデオカプセルは、大きなビタミンカプセルのサイズ(11mm×26mm)であって、これを患者が飲み込んで、8時間にわたって小腸の50,000枚の画像が撮られる。画像は、患者の腰周りに着用されたセンサベルトに記録される。この処置の利点として、非侵襲性であることが挙げられる。カプセルは、消化器系中を移動して、排便により排出されるように設計されている。しかしながら、腸の構造化(structuring)があって障害が生じ得る場合には、カプセルが立ち往生して外科的除去が必要になる虞がある。故に、当該技術は、全ての患者に適しているわけではない。カプセル保持の危険に曝される患者を識別するために、パテンシーカプセル(patency capsule)が投与される。更なる不利な点は、カプセル内視鏡検査では組織学的情報が提供され得ないことである。故に、従来の内視鏡検査における生検に代わるものとして、カプセル内視鏡検査の間に観察される異常について根本的な原因を決定するための方法が必要とされている。
[放射線撮像技術]
放射線撮像技術が、小腸内の構造的な異常を検査するために用いられ得るが、これは組織学的情報を提供することができないので、その診断価値は限られている。撮像技術の選択は、患者の徴候、放射線に対する曝露歴、及び撮像資源の利用状況によって決まり得る。
超音波スキャンは、妊娠中に安全に使用でき、容易にアクセス可能な撮像技術である。例えば、肝臓及び腎臓の障害、胆石などの腹痛を引き起こす可能性がある他の診断を除外するのに、腹部超音波を使用できるが、小腸撮像でのその使用は限られている。熟練した放射線科医であれば、超音波を用いて、活発な炎症によって生じた構造化と、瘢痕組織の結果としての構造化とを区別できるかもしれないが、その診断可能性は限られている。
腹部単純X線撮像も、容易に利用可能である。腸の撮像でのその使用は非常に限られているが、これを用いて、閉塞領域を見ることができる(医学的緊急事態)。効果的に小腸を撮像するには、造影剤が投与されなければならない。バリウムフォロースルー(barium follow-through)検査は、硫酸バリウム、つまり、X線で白色に見える、非毒性の放射線不透過性化合物を用いて、小腸が撮像される。患者が硫酸バリウム調製物を飲んでから、その造影剤が小腸を通過する際に、X線が周期的に撮られる。バリウムが小腸の末端に近づくと、移動式のX線機器が用いられて、バリウムの移動がリアルタイムで追われる。患者は姿勢を変えるように求められることがあり、そして、隣接した腸のループを離そうとして、器具が用いられて腹部に押し込まれることがある。この技術の不利点として、それが長い処置であることで、患者が長時間放射線を受ける(典型的には、放射線量は、100回の腹部単純X線の放射線量又は一年分のバックグラウンド放射線被曝と同等である)ことが挙げられる。硫酸バリウムは、飲むのが不快であるかもしれない。さらに、小腸疾患の顕著な特徴であるボディー・マス・インデックスが低い患者については、腸のループ間を十分に区別するために腹部を押し込むことが困難であることで、この技術は冗長となるかもしれない。
コンピュータ断層撮影(CT)スキャニングは、X線を用いて、小腸を含む腹部の断面画像を提供する。より速い捕捉時間で、磁気共鳴撮像(MRI)スキャンから得られるよりもかなりクリアな画像が提供され得る。しかしながら、当該技術は、患者を高線量の電離放射線に曝す。
標識白血球スキャニングは、体内における白血球の凝集を調査して、炎症部位の場所を突き止める。患者の血液サンプルが採られてから、白血球が遠心分離によって抽出されて、放射性同位元素99mTcがラベル付けされる。白血球が患者の血液に注射で戻されてから、患者は、ガンマ線カメラで周期的にスキャンされて、白血球が体の特定の部分に蓄積しているか否かが評価される。これは、炎症の位置の指標となり得る。この技術はまた、活発な炎症と、瘢痕組織から生じた徴候とを区別するのに有用である。というのも、瘢痕は、標識白血球スキャンに現れることはないからである。しかしながら、この技術は、炎症の様々な原因、例えば感染又は自己免疫を区別しないので、診断利益は限られている。放射線への高レベルの露出のせいで、そして技術(磁気共鳴撮像(MRI)スキャニング等)の向上によって、標識白血球スキャンは今では、胃腸病学者によってめったに必要とされていない。
最近の進歩により、MRIスキャニングは小腸症状の診断において、より優れた技術となっている。非電離放射線である電波を用いるので、妊娠中でも、そして患者が以前に高い放射線量に曝されたことがある場合でも、使用は安全である。当該技術は、強力な磁石を用いて、体内の常磁性核(paramagnetic nuclei)(例えば水分子)を磁場と整列させるように誘導する一方で、高周波電流により電磁場を生じさせて、磁場の方向をシステマティックに変える。水分子は緩和して、それらの平衡位置へと異なる速度で戻るが、これは水分子が位置する組織に依存する。造影剤が静脈に及び/又は経口で投与されて、水分子の緩和時間が変更されてよい。故に、当該技術は、種類が異なる炎症の組織及び部位を区別するために用いられ得る。しかしながら、腹部を撮像する課題の1つは、腸壁の筋肉が常に収縮していることで、捕捉時間がかなり短いCTスキャンと比較して、画像の明確さが低減する場合があるということである。筋弛緩薬が、この問題を軽減するために投与され得る。しかしながら、MRIは全ての患者に適しているわけではない。スキャナは、強い磁石を使用するので、金属ピン又はプレート等を有する患者や、無意識のうちに金属フラグメントを取り入れてしまったかもしれない金属工は、スキャンされるべきでない。さらに、経口造影剤は、患者に数リットルの流体を飲むことを求めることがあり、これは、患者が嘔吐症状の腸閉塞に苦しんでいる場合、実行でできない場合がある。閉所恐怖症に苦しむ患者にとって、MRIスキャニングは禁忌である場合がある。
纏めると、小腸診断技術について莫大な選択肢が利用可能であるが、小腸の微視的な変化を観察して炎症の様々な原因を正確に区別することができるのは少数しかない。利用可能なそれらのうち、プッシュ又はダブルバルーン小腸内視鏡技術のみが、全小腸を見る可能性があるが、広く利用可能ではなく、長期間の鎮静を必要とする方法である。故に、全小腸を撮像することができると同時に、様々な医学的症状を区別することができ、侵襲性が最小限である撮像技術が必要である。本明細書では、量子ドットを用いて組織の微視的な変化を肉眼で観察可能にすることによって、既存の小腸撮像技術の一部の欠点に対処する方法が記載されており、非侵襲性の内視鏡法を用いる診断の可能性がもたらされている。
近年、画像診断技術が進んで、患者に対する侵襲性はより少なくなり、又は有害である可能性がよりなくなった。小腸の撮像のために、カプセル内視鏡検査が決まって用いられており、従来の内視鏡ではアクセス不可能であった小腸の部分の画像がもたらされている。それを使用して、巨視的な粘膜変化(ただれ及び潰瘍等)、並びに悪性腫瘍及び出血部位を観察することができる。そうであったとしても、その診断価値は、同様の巨視的な提示によって症状を区別するのに多くの場合必須である組織学的データを提供することができないという点で、限られている。
例えば、クローン病は、消化管のあらゆる部分において炎症を引き起こして、吸収不良及び栄養失調を導く虞がある慢性的な症状である。障害により、構造化、膿瘍形成、穿孔及び瘻孔が導かれる虞がある。小腸に影響を及ぼす場合、それは一般的に回腸の末端において現れるが、炎症の局所的パッチ(patch)は、胃腸管に沿った任意の場所に現れ得る。クローン病の診断を確かめるには、腸粘膜及び組織のより深い層への微視的な組織学的変化(肉芽腫潰瘍及び小嚢腺中心炎症(crypt-centred inflammation)等)を観察するための、影響を受けた領域の生検が必要とされる。これは、潰瘍の正確な原因を確かめるために必要とされる。というのも、他の自己免疫疾患(ベーチェット病、潰瘍性空腸炎、ループス腸炎)のような他の症状、感染症(胃腸結核、エルシニアエンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica))等)、及び非ステロイド性抗炎症薬物の使用により、同様の巨視的な提示がもたらされるが、不正確な治療により致命的な結果となる虞があるからである。しかしながら、十二指腸よりも遠位であるが、回腸−盲腸の領域の近位にある小腸の生検は、標準的な内視鏡の範囲を超えるので、難しい。プッシュ内視鏡検査及びダブルバルーン小腸内視鏡等の技術は、全小腸を見て、かつ生検を行う可能性があるが、専門センターでしか利用可能でなく、日常的に用いることができない。これは、長期間にわたる鎮静を必要とする処置が不快であると考えられるためである。
[画像診断用量子ドット]
量子ドット(QD)は、典型的に2乃至10nmの直径を有する半導体材料のナノ粒子である。QDは、これらの半導体バンドギャップが粒子サイズによって決定されるような量子閉込め効果を示す。バンドギャップは、ナノ粒子径が減少するにつれて、増大する。光照射直後に、QDは光をダウン変換して、ナノ粒子サイズによって決定された波長(色)にて蛍光を発する。故に、与えられた半導体材料の量子ドットからの光ルミネセンスは、粒子サイズを操作することによって「調節される(tuned)」。電磁スペクトルの可視領域の光ルミネセンスが、量子ドット材料の範囲で知られており、II乃至VI半導体(CdSe等)と、III乃至V半導体(InPが挙げられる)に基づくものが挙げられる。
QDは、コロイド溶液中で調製でき、表面が有機配位子で不動態化された(「キャッピングされた(capped)」)ナノ粒子が生じる。表面配位子は、例えば溶液中へとQDを処理するのを促進する。QDの表面不動態化を修飾して、これらを水性系(aqueous system)と適合させる技術が開発された。QDの1つの考えられる用途が、インビボ画像診断である。
先行技術におけるカプセル内視鏡検査技術の限界の1つは、ある医学的症状を示す小腸の内壁の微視的な変化を評価する生検ができないことである。小腸に影響を及ぼす様々な炎症症状を区別するために利用できる微視的な差異の一部をラベル付けできるならば、例えば、それらの細胞組成が異なっている場合、タイプが異なる組織に結合する特定の官能基と結合する有色の異なるQDを用いることによって、疾患の微視的な病理学的変化の一部を、光ルミネセンスを介して、巨視的に観察することが可能となる。
先行技術における診断用QDの使用の方法は、通常、単一の特定の生物学的実在物の検出に限定される。Edgar et al.は、複数の細菌系統(bacterial strain)の同時検出のための、様々な有色のQD(各色が、異なるタイプのファージに結合される)の使用を提唱した。[R.Edgar,M.McKinstry,J.Hwang,A.B.Oppenheim,R.A.Fekete,G.Giulian,C.Merril,K.Nagashima and S.Adhya,Proc.Natl.Acad.Sci.,2006,103,4841]
多くの場合、GI障害では移動時間が非常に増大するので、粒子が小さいほど、大きな粒子よりも吸収される傾向がある。吸収に及ぼす粒子サイズの影響の研究が、ナノ粒子の薬物キャリアとしての可能性を評価するために行われている。潰瘍性大腸炎(大腸に影響を及ぼす)が化学的に誘発されたラットにおける蛍光ポリスチレン粒子(0.1、1、及び10μm)の取込みに及ぼす粒子サイズの影響の研究では、全ての粒子サイズについて、取込みは、炎症を起こした組織においてかなり増強されており、0.1μmの粒子では、10μmの粒子と比較して粒子結合がパーセンテージで6.5倍増大することがわかった[A.Lamprecht,U.Schafer and C.−M.Lehr,Pharm.Res.,2001,18,788]。このことは、QDが、小腸内の炎症を起こした組織によって容易に吸収されることを示唆している。さらに、腸撮像では、それ故に、QDバイオマーカを含む造影剤は、バルク蛍光粒子を含むものよりもよく吸収されるだろう。結果的に、このことで、QD造影剤の用量は比較的少なくなって、更には副作用がより少なくなり得る。
開示されている方法は、QD−分析対象ラベル付け技術を用いて小腸内の微視的な変化を肉眼で見えるようにすることで、小腸の視覚化のためのカプセル内視鏡検査技術における制限を克服する。カプセル内視鏡検査が適切な撮像技術であるが、従来の内視鏡方法では、炎症部位の生検が得られなかった患者に対して、本方法は、識別診断を区別して、最も適切な治療の選択肢を決定するのに役立つ。
カプセル内視鏡は、カメラ及びフラッシュ光源を備える。小腸の画像は、通常幾つかの画像が8時間以上にわたって秒単位で、周期的に撮られる。画像は、患者の腰周りに着用されたベルトに構築された一連のセンサによって記録される。記録は、医師による検査の後、何らかの異常を探すために見られる。本発明において、光源は、単色LEDであるのが最適であり、例えば、官能化された(functionalized)QD用の励起源として機能し得る青色光を放射する。異なった組織病理学的特徴による識別診断の場合、2つ以上の異なる有色のQDマーカを含有する造影剤を調製してタイプが異なる細胞にラベル付けすることによって、カプセル内視鏡検査中にて腸壁が発光する色によって異なる症状を区別することが可能となる。
例えば、2つの症状X及びYを考える。巨視的に、X及びYは、ほとんど区別できない。症状Xは自己免疫性であり、ステロイドのような免疫抑制医薬での治療を必要とする。他方、症状Yは、細菌感染によって引き起こされ、抗生物質治療を必要とする。症状Xにおける抗生物質の投与は、治療を延ばして疾患を進行させる虞があること以外、ほとんどダメージを与えないかもしれないが、症状Yにおけるコルチコステロイドの投与はさらに、感染症と戦う体の能力を抑制することとなり、これは致命的となり得るかも知れない。従って、治療の前に疾患の性質を確かめることが必須である。
幾つかの微視的な顕著な特徴が、症状Xと症状Yの間にはある。
1.炎症を起こす組織は通常、症状Yでなく、症状Xにて小嚢腺細胞にある。
2.抗酸性桿菌が、症状Xではなく、症状Yについて観察される。
開示される方法の実施形態において、造影剤が、カプセル内視鏡検査の前に経口投与される。現在の例では、造影剤は、小嚢腺細胞中の炎症マーカに結合し得る部分と結合する赤色発光QDと、症状Yを引き起こす細菌に結合し得る官能基と結合する緑色発光QDとを含んでよい。腸壁に存在する異常に結合できる部分と結合している標識QDは、カプセル内視鏡で照明されると蛍光を発することとなるが、不適切に結合したQDは、腸壁に付着することなく、消化器系を通過することとなるので、蛍光を発することはない。添付の図に示されるように、炎症を起こした組織が赤色の蛍光を発するか、又は緑色の蛍光を発するかについて単に観察するだけで、診断が確かめられる。
診断が確立しているが、患者が治療に反応していない場合では、QD撮像技術は、より有力な治療に対する応答の可能性を評価するためにも適用できる。ここでも、小腸で現れるクローン病又は全身性の免疫主導の症状(ループス腸炎又はベーチェット病等)の例に倣うと、比較的新しいクラスの薬物治療として、モノクローナル抗体治療法がある。これらには、例えば、インフリキシマブ及びアダリムマブのような抗腫瘍壊死因子アルファ(抗−TNF−α)薬物や、ナタリズマブのようなα−4インテグリン阻害剤が挙げられる。これらの作用方法は異なる。抗−TNF−αは、炎症反応になる急性期反応中に発現され得るサイトカインTNF−αをターゲットとするが、α−4インテグリンは、白血球が臓器中へと移動するのに必要であると考えられている細胞と周囲組織の接着を媒介する。炎症反応の間、α−4インテグリンは、アドレシン(内皮細胞受容体)と連携して、炎症に寄与する。炎症部位は、高レベルのアドレシンを有し得る。広範囲にわたるモノクローナル抗体治療法が、今では癌及び自己免疫症状の治療に利用可能である。
モノクローナル抗体治療は高価である。2つ以上の処置が、治療を評価できる反応の前に、求められるかもしれない。幾つかのモノクローナル抗体治療が利用可能な場合、各治療法の可能性を評価する方法により、薬物の投与前に、時間及び費用のかなりの節約を実現できる。開示される方法は、炎症部位又は悪性腫瘍にインビボ投与されることで、存在する任意の受容体に結合し得る、異なる有色のQDと、適切な部分(例えば、サイトカインの場合、タンパク質抗体)とを結合させることによって評価をする方法を提供する。組織に照射して、蛍光の色を観察することによって、存在するのであれば、何れの潜在的治療が最も有効でありそうかを決定することが可能となり得る。
撮像技術は、造影剤及び内視鏡の投与に適した経路があるが、生検が禁忌である他の臓器系での診断に適用可能である。
図1は、量子ドット撮像技術を説明する図である。例えば、2つの症状X及びYを区別するために、量子ドット造影剤を投与後、カプセル内視鏡で照射されると、炎症を起こした腸壁が蛍光を発する色によって、炎症の根本的な原因が区別され得る。
図2は、本明細書に記載されるように量子ドットを用いて、疾患マーカの存在を検出する方法を示すフローチャートである。
生物学的実在物のQDによるラベル付けは、先行技術において報告されている。QDの所与のサイズの集団は、特定の波長で蛍光を発し、これは、インビボ動物研究を介した医学的症状の検出及び診断に用いられてきた。QDの蛍光波長(色)は、粒子サイズに依存する。QDの2つ以上のサイズの集団を組み合わせることによって、本発明は、先行技術の撮像技術を進展させる。各集団(色)は、ある症状において存在するが、標識QDの他のサイズの集団を用いて検出可能な症状において観察されない疾患マーカに選択的に結合する部分でラベル付けされている。当該技術をカプセル内視鏡撮像と組み合わせることによって、標識生物学的実在物は、内視鏡光源で照明されると、その蛍光によって観察される。当該技術により、照明直後に組織が蛍光を発する色によって2つ以上の識別診断を区別する可能性がもたらされる。臨床所見(徴候等)と組み合わされる場合、このことで、標準的な内視鏡が届く範囲を越えた小腸の領域のような、症状の位置が生検を行うのが難しいと以前に立証されている場所について患者の診断が可能となる。
表は、生検が行われる場合に、診断を補助するために用いられる小腸及び組織学的提示に影響を及ぼす幾つかの炎症症状を纏めている。適用できる場合には、これらの組織学的見解をQDでラベル付けするように潜在的に開発され得る戦略は、本方法の範囲内に含まれる。

[量子ドットを用いた細菌の検出]
QDが、細菌の検出に、例えば、胃腸結核(GITB)の場合、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の検出に用いられてよい。Edgar et al.は、増殖が遅い細菌系統(マイコバクテリウム(Mycobacterium)属等)を検出する方法を提唱した[R.Edgar,M.McKinstry,J.Hwang,A.B.Oppenheim,R.A.Fekete,G.Giulian,C.Merril,K.Nagashima and S.Adhya,Proc.Natl.Acad.Sci.,2006,103,4841]。当該方法は、E.coliの大腸菌の検出を成功裡に実証しており、ビオチン化されて外殻に結合され得るペプチドを示すようにファージ(細菌に感染するウイルス)を操作することを含んでいた。ストレプトアビジンコーティングされたQDが、ファージに結合した。ファージに感応性の細菌の存在下で、ファージは細菌に感染して、各細菌中でタンパク質によってビオチン化され得る後代ビリオンを産生することとなった。この技術は、存在する各細菌について増幅が高い程度で起こることを可能とし、検出が起こるレートを促進した。故に、ストレプトアビジンコーティングされたQDを、結核菌に侵入するファージに結合させることで、本発明の方法は、カプセル内視鏡検査中にてGITBを検出できる。
[量子ドットを用いた白血球の検出]
白血球(WBC)(leukocyte)は、細菌、ウイルス、パラサイト及び異物などの有害な種による攻撃から自身を防御するために、体の免疫系の一部として機能する血液の成分である。自己免疫疾患では、免疫系は、自身の組織を認識することができず、その代わりとして、組織を外部からの種であるかのように攻撃する。一般的に、高レベルのWBCが、炎症を起こした組織の内外で観察される。一方で、1又は複数のタイプのWBCが、特定の症状によって特徴的に発現され得る。例えば、小腸に影響を及ぼす症状では、高レベルのマクロファージ及び好中球(肉芽腫及び小嚢腺炎症の特性)がクローン病で発現され得る一方で、好酸球の過剰発現がループス腸炎では典型的である。
活性化された白血球は、ある種のタンパク質又は酵素を発現し、その多くは既知の抗体を有している。適切な抗体にQDを結合させることで、高レベルの特定のタイプのWBCを、蛍光を発する色からインサイチュで検出する方法が開発され得る。
表に纏めているように、肉芽腫は、幾つかの小腸症状で観察される。生検部位由来の肉芽腫のサイズ及び分布は、多くの場合、診断を区別するために用いられる。肉芽腫はマクロファージの集合であるので、その検出の一方法は、マクロファージのラベル化によるものであろう。TNF−αやINF−γなどのある種のサイトカイン(細胞シグナル伝達タンパク質)が、マクロファージによって分泌される。モノクローナル抗体治療法は、サイトカインをターゲットにしており、最近になって作り出されて関心が高く、幾つかのサイトカイン抗体が市販されている。適切なサイトカイン抗体のQDへの結合は、マクロファージのインビボ検出法として利用され得る。
Yuan et al.は、QDをキャッピングするカルボキシル基とTNF−α抗体のアミノ基との間でアクリルアミド結合を形成することによって、ヒト抗ウサギTNF−α抗体をCdTe QDに結合させた[L.Yuan,X.Hua,Y.Wu,X.Pan and S.Liu,Anal.Chem.,2011,83,6800]。これに先立って、CdTe QDは、ポリマー官能化シリカナノスフェアの表面上にインプラントされた。サイトカイン抗体と結合すると、QD−ポリマー官能化シリカナノスフェア標識が用いられて、電気化学発光測定及び方形波ボルタンメトリ測定によって、TNF−α抗体が検出された。
インテグリンαは、マクロファージ細胞によって発現されるタンパク質である。CD11b抗体は、インテグリンαを発現するマクロファージ細胞をターゲットとする。Jennings et al.は、蛍光CD11b−ナノ粒子結合体を用いて、マウス脾臓組織中のマクロファージ細胞をインビトロ検出した[T.L.Jennings,R.C.Triulzi,G.Tao,Z.E.St.Louis and S.G.Becker−Catania,Sensors,2011,11,10570]。CD11bは、スルフヒドリル反応性であるので、抗体上のジスルフィド結合の還元によって形成されたスルフヒドリル基と、マレイミド配位子との間のチオエーテル結合を介して、マレイミドキャップド(maleimide-capped)QDと結合した。同刊行物において、B細胞(リンパ球)をターゲットとするアミン反応性抗体B220へのQD結合を用いた白血球検出もまた、報告された。最初に、タンパク質において一般的に見られる官能基をターゲットとするヘテロ二官能性架橋分子で抗体を修飾して、4−ホルミルベンゼンキャップド(4-formylbenzene-capped)ナノ粒子にビスアリールヒドラジン結合を介して結合する(ligate)であろうヒドラジン官能基を形成することによって、結合は達成された。
全身性エリテマトーデスを含むある種の自己免疫疾患において典型的に過剰発現される好酸球は、その名の通り好酸性である、即ち蛍光色素エオシンによって染色できる。故に、生検サンプル中の好酸球は典型的に、エオシンによる染色を用いて検出される。好酸球の発達は、インターロイキン−3(IL−3)及びインターロイキン−5(IL−5)サイトカインの存在下で起こる。従って、ループス腸炎において観察され得るようなGI管における好酸球の高いレベルが、インターロイキン抗体に結合したQDを用いて潜在的に検出され得た。蛍光免疫測定技術を用いたIL−3検出のために、ウサギ抗IL−3をコロイダル金ナノ粒子に接合させる方法が、以前にPotuckova et al.によって説明された[L.Potuckova,F.Frando,M.Bambouskova and P.Draber,J.Immunological Methods,2011,371,38]。従って、IL−3のインビボ検出のために、好酸球の存在のインジケータとして、コロイダルQDを抗IL−3に結合させることが可能である。
小嚢腺細胞炎症は、クローン病において観察されるように通常、活性化された好中球の過剰発現を伴う。活性化された好中球のQDラベル付けは、Hoshino et al.によって説明されており、抗ミエロペルオキシダーゼ抗体の、蛍光ナノ粒子への結合を用いている[A.Hoshino,T.Nagao,A.Nakasuga,A.Ishida−Okawara,K.Suzuki,M.Yasuhara and K.Yamamoto,IEEE Trans.Nanobiosci.,2007,6,341]。ミエロペルオキシダーゼ酵素は、活性化された好中球の表面で発現されるので、この技術は、不活性の好中球に結合することなく、活性化された好中球を選択的に検出することがわかった。
故に、本明細書に記載される方法では、幾つかの異なるQD標識であって、各タイプのQDバイオマーカが、QDの異なるサイズ集団、従って異なる蛍光波長を有するようなQD標識を組み合わせた造影剤を調製することによって、炎症の2つ以上の考えられる原因を、カプセル内視鏡で照射すると、小腸内の炎症を起こした組織が蛍光を発する色によって区別することが可能である。
[量子ドットを用いた免疫細胞の検出]
免疫細胞は、その多くは既知の抗体を有しており、炎症部位で過剰発現する。放出される免疫細胞のタイプは、炎症の根本的原因の性質によって決まり、1又は複数の種類の免疫細胞が、特定の症状の特徴的なマーカとなる。故に、QD−免疫細胞抗体結合体(QD-immune cell antibody conjugates)を用いる免疫細胞のラベル付けは、インビボ検出法として利用できるであろう。
更なる実施形態は、1又は複数のモノクローナル抗体治療法に対する患者の反応可能性を評価するための、QD撮像技術の使用に関する。モノクローナル抗体治療法は、ある種の疾患における炎症反応の原因となる過剰発現免疫細胞をターゲットとしており、体の免疫応答を弱めることを目的とする。広範囲にわたるモノクローナル抗体治療法は、今では発展して、その多くは疾患の治療が認可されている。従って、多数のモノクローナル抗体が市販されている。疾患の治療に用いられるモノクローナル抗体に結合できるように、QDの表面官能基化(surface functionalisation)を処理することで、患者がその治療に応じることとなるかどうかを検出する手段が提供され得る。QD−抗体結合体が炎症の部位に結合するならば、治療は有益であり得るが、蛍光が観察されなければ、抗体は炎症の部位をターゲットとしそうにないので、治療は価値のある選択肢とはなり得ない。
TNF−αは、活性化されたマクロファージによって優勢に産生されるサイトカインである。TNF−αをターゲットとするモノクローナル抗体治療法は、インフリキシマブ及びアダリムマブを含んでおり、双方とも1回の処置当たり£1000を超過するコストがかかる。TNF−αは、既にQDでラベル付けされたことがある[L.Yuan,X.Hua,Y.Wu,X.Pan and S.Liu,Anal.Chem.,2011,83,6800]。CdTe QD−ポリマー−官能化シリカナノスフェアが、抗ウサギTNF−α抗体に結合されて、電気化学発光測定及び方形波ボルタンメトリ測定を用いてTNF−αが検出された。同様にして、QD又はQDポリマービーズの表面への抗−TNF−α抗体の結合が、TNF−αをインビボ検出するために用いられてよい。これは、マクロファージ活性のインジケータとして用いられてよく、これが今度は肉芽腫のサイズ及び分布と比例する。抗−TNF−α抗体治療法に対する患者の応答可能性を評価するために、抗−TNF−α抗体に結合したQDを含む造影剤をカプセル内視鏡検査の前に投与することによって、高レベルのTNF−αが、炎症部位にて発現されるかどうかについて、従って、患者が抗−TNF−α抗体治療法から利益を得られそうか否かについて、評価がなされ得る。
別のサイトカインINF−γは、マクロファージ−活性化因子として機能する。QDへの抗−INF−γの結合が、肉芽腫(マクロファージ)の存在を検出するために用いられ得る。
サイトカインIL−1β「カタボリン」は、活性化されたマクロファージ、単核細胞、線維芽細胞及び樹状細胞によって産生される。その治療抗体カナキヌマブは、幾つかの自己免疫疾患の治療が認可されており、更なる臨床治験が、他の症状の治療におけるその可能性を評価するために進行中である。従って、QDのカナキヌマブとの結合は、炎症部位での活性化されたマクロファージ、単核細胞、線維芽細胞、及び/又は樹状細胞の存在を検出するために、並びに/或いは、カナキヌマブによる治療に対する患者の反応可能性を評価するために用いられ得る。
本発明の範囲内では、例えば、抗−TNF−α抗体に結合したQDの第1の色と、カナキヌマブに接合したQDの第2の色とを含む造影剤が(それらの、炎症を起こした組織への付着がほぼ等しくなるような適切な割合で)、カプセル内視鏡検査の前に患者に投与されてよい。それ故に、一方又は他方の治療法による治療に対する患者の反応可能性は、カプセル内視鏡で照射すると、炎症を起こした腸組織が蛍光を発する色によって評価され得る。相対的蛍光強度は、2つの治療法の何れが最も有効となりそうかどうかの予測因子として機能する。この方法は、2つの抗体治療法の比較に限定されない。任意の数のQD−抗体結合体が造影剤に組み込まれてもよいが、蛍光波長が肉眼によって十分に区別できることを条件とする。
[QD調製]
インビボでの使用において、QD造影剤は非毒性であって、電磁スペクトルの可視領域内で放射すべきである。これは、多くのタイプの半導体材料を用いて達成され得る(有毒であろうとなかろうと、インビボで非毒性になるようにナノ粒子が適切に官能化されることを条件とする)。例えばInP−ベースのQDのようなIII−V−ベースのQD(合金及びそのドープされた誘導体を含む)が用いられてよい。最近の事実は、InP−ベースのQDの細胞障害性が、インビボ分解直後に低下すると主張していることから、この材料は、ヒトに投与される造影剤への使用に安全であろうと示唆される[H.Chibli,L.Carlina,S.Park,N.M.Dimitrijevic and J.L.Nadeau,Nanoscale,2011,3,2553]。適切な市販のQD材料の例として、CFQD(登録商標)量子ドット(Nanoco Technologies,UK)がある。一部の実施形態において、QDコアは、よりバンドギャップが広い材料(組成的な勾配がある(graded)1又は複数の合金を含んでよい)の1又は複数のシェル層でキャッピングされて、表面欠陥及びダングリングボンドが除外されるので、QDの光学的性質が向上する。例として、制限されないが、InP/ZnS、InP/ZnS/ZnO又はInP/ZnSe1が挙げられる。
抗体又は他の分析物へのQDの結合は、抗体中のアクセス可能な官能基に結合できる部分を含む配位子によるナノ粒子の官能化に依存する。QDの表面官能性を変える方法は、先行技術において周知であり、配位子交換手順や重合技術が挙げられる。
特定の粒子サイズが、例えば、細胞中に深く入りこむのではなく細胞膜にのみ付着するように、QDレジーム(regime)よりも大きいことが求められる場合には、QDはポリマービーズ中に組み込まれてよい。ビーズは続いて、所望の分析物に結合するように官能化されてよい。また、このやり方でQDをポリマービーズ中に組み込むことで、出願人の同時係属中の米国特許出願公開第2010/0059721号に記載されているように、水性適合性を達成する有効な手段が提供される。当該文献は、参照によってその全体が本明細書の一部となる。
[造影剤の調製]
2つ以上の所望のQD−分析対象結合体を選択した後に、造影剤が調製されてよい。これは、各ターゲット細胞に対する相対的な親和性が等しくなるような適切な濃度で即ち、炎症を起こした組織の所与の領域について、ほぼ等しい蛍光強度が、ラベル付けしているQD−分析対象結合体(色)に関係なく、肉眼によって観察されるような適切な濃度で、標識QDを混合することによってなされる。観察される蛍光強度は、カプセル内視鏡からの光のパルスによってもたらされる低い光強度状態でのヒトの眼のスペクトル応答を考慮すべきである。当業者であれば、QD−分析対象結合体の各色からの蛍光強度を、コンピュータ処理ソフトウェアを用いて定量化する方法を開発できるであろう。
小腸の撮像では、一部の実施形態において、造影剤は、カプセル内視鏡検査の前に患者によって摂取されるように、経口溶液中に調製される。しかしながら、投与の方法は、経口に限定されない。当業者であれば、投与の他の方法(坐薬又は静脈注射等)が、撮像されるべき組織又は臓器に応じて、適切となり得ることを理解するであろう。QD−分析対象結合体以外の、造影剤の付加的な成分は、QD蛍光ラベルの送達を補助し、及び/又は溶液の嗜好性を向上させるために付加されてよいが、照明下で、カプセル内視鏡において用いられる光の波長によって可視領域内で蛍光を発するべきでない。全ての成分は非毒性であるべきである。造影剤は、QD蛍光ラベルが、少なくとも、溶液を摂取し、かつ検査を実行するのにかかる時間(ほぼ10時間)、小腸内に残るように設計されるべきであるが、かなり長く体内に残るべきでない。
適切な疾患マーカの存在下で、QD−分析対象結合体は、腸壁に結合することとなる。疾患マーカが腸内に存在しない場合、対応するQD−分析対象結合体は腸壁に結合せずに排出されることとなる。
造影剤の投与後、小腸を撮像するカプセル内視鏡検査が患者に実行される。腸壁に結合したQD−分析対象結合体は、カプセル内視鏡で照射されると蛍光によって検出されて、1又は複数の特定の疾患マーカの存在が識別され得る。
QDを用いて特定の疾患マーカを検出する方法は、図2に記載されている。
本発明の方法の目的は、本明細書に記載されたQD含有造影剤が、根本的な疾患の原因に応じて異なった波長にて放射するQDを特定の疾患マーカにラベル付けして、小腸に影響を及ぼす症状の診断を向上させることによって、カプセル内視鏡検査技術の診断能力を増強することにある。
たった一色のQDを用いるのではなく、本発明の方法は、特定の分析物に様々な有色のQDをラベル付けすることで、単一の内視鏡検査において、単一の症状について単にポジティブアンサー又はネガティブアンサーだけを得るのではなくて、幾つかの症状を区別するのに役立ち得る。さらに、QDの正確な波長調整可能性(tunability)、及び表面の化学的性質を操作することによって結合を制御する能力によって、患者の示す徴候及び他の試験結果に基づいて、カスタムメイドの(bespoke)造影剤を設計する可能性がもたらされる。
撮像技術は、生検部位から出血するリスクがある従来の内視鏡検査とは異なり、非侵襲性である。カプセル内視鏡検査手順は通常快適であって、患者は、試験の間中、日々の活動を続けることができ、その後の回復期間を必要としない。対照的に、従来の内視鏡手順は不快であって、多くの場合、長期間にわたる鎮静及びほぼ24時間の回復期間を必要とする。
造影剤を用いてモノクローナル抗体治療法に対する反応可能性を評価する場合、本技術は、満足のいく応答が達成されるまで患者を様々な治療の逐次的なコースに曝すのではなく、最も有効な治療へのより速いアクセスを実現できる。これは、時間を節約して、患者の健康がさらに悪化するリスクを引き下げるだけでなく、費用をも節約し得る。というのも、モノクローナル抗体治療法はかなり高価である一方で、2回分以上の用量が患者の反応を評価するために必要とされることがあるためである。さらに、最も有効な治療へのより速いアクセスを実現することによって、効果のない治療で起こり得る副作用も回避される。
このように、本発明の方法は、より速い診断、及び適切な治療の識別をもたらすことによって、患者及びヘルスケア提供者の双方にとって利益となり得る。
参考文献
1.Yuan et al.,Anal. Chem.,2011,83,6800,「Polymer Functionalized Silica Nanosphere Labels for Ultrasensitive Detection of Tumor Necrosis Factor−alpha」
2.Jennings et al.,Sensors,2011,11,10570,「Simplistic Attachment and Multispectral Imaging with Semiconductor Nanocrystals」
3.Edgar et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.,2006,103,4841,「High−Sensitivity Bacterial Detecton using Biotin−Tagged Phage and Quantum−Dot Nanocomplexes」
4.Liandris et al.,PLoS ONE,2011,6,e20026,「Detection of Pathogenic Mycobacteria Based on Functionalized Quantum Dots Coupled with Immunomagnetic Separation」
5.Hoshino et al.,IEEE Trans.Nanobiosci.,2007,6,341,「Nanocrystal Quantum Dot−Conjugated Anti−Myeloperoxidase Antibody as the Detector of Activated Neutrophils」
6.Potuckova et al.,J.Immunological Methods,2011,371,38,「Rapid and Sensitive Detection of Cytokines using Functionalized Gold Nanoparticle−Based Immuno−PCR,Comparison with Immuno−PCR and ELISA」



  1. 患者の疾患を検出する方法であって、
    患者の胃腸管にて疾患用マーカに結合できる分析物であって、特徴的な放射波長を有する量子ドットと結合している分析物を含む量子ドット−分析物結合体を、患者に投与する工程と、
    患者の胃腸管の部分を照らして、特徴的な波長での放射の存在を検出することによって、分析物のマーカへの結合を検出する工程と、
    を含む方法。

  2. 量子ドットは、リン化インジウム、リン化インジウムの合金、又はリン化インジウムのドープされた誘導体を含む、請求項1に記載の方法。

  3. 分析物は、サイトカイン抗体である、請求項1に記載の方法。

  4. 分析物は、免疫細胞抗体である、請求項1に記載の方法。

  5. 免疫細胞抗体は、抗−TNF−α、抗−INF−γ、又はカナキヌマブである、請求項4に記載の方法。

  6. 量子ドット−分析物結合体は、経口投与される、請求項1に記載の方法。

  7. 量子ドット−分析物結合体は、坐薬として、又は静脈内に投与される、請求項1に記載の方法。

  8. 患者の胃腸管の部分を照らすことは、カプセル内視鏡検査を用いることを含む、請求項1に記載の方法。

  9. 患者の第1の可能性がある疾患と第2の可能性がある疾患とを識別する方法であって、
    患者に
    (1)患者の胃腸管にて第1の可能性がある疾患用のマーカに結合できる第1の分析物であって、第1の特徴的な波長にて放射する第1の量子ドットと結合している第1の分析物を含む第1の量子ドット−分析物結合体と、
    (2)患者の胃腸管にて第2の可能性がある疾患用のマーカに結合できる第2の分析物であって、第1の波長とは異なる第2の特徴的な波長にて放射する第2の量子ドットと結合している第2の分析物を含む第2の量子ドット−分析物結合体と、
    を含む造影剤を投与する工程と、
    患者の胃腸管の部分を照らして、第1の特徴的な波長又は第2の特徴的な波長での放射の存在を検出することによって、第1の可能性がある疾患用のマーカへの第1の分析物の結合、又は第2の可能性がある疾患用のマーカへの第2の分析物の結合を検出する工程と、
    を含む方法。

  10. 第1の量子ドット及び第2の量子ドットは、リン化インジウム、リン化インジウムの合金又はリン化インジウムのドープされた誘導体を含む、請求項9に記載の方法。

  11. 第1の分析物及び第2の分析物は、サイトカイン抗体である、請求項9に記載の方法。

  12. 第1の分析物及び第2の分析物は、免疫細胞抗体である、請求項9に記載の方法。

  13. 免疫細胞抗体は、抗−TNF−α、抗−INF−γ、又はカナキヌマブである、請求項12に記載の方法。

  14. 造影剤は、経口投与される、請求項9に記載の方法。

  15. 造影剤は、坐薬として又は静脈内に投与される、請求項9に記載の方法。

  16. 患者の胃腸管の部分を照らすことは、カプセル内視鏡検査を用いることを含む、請求項9に記載の方法。

  17. 患者の免疫細胞抗体治療に対する反応を予測する方法であって、
    患者の胃腸管にて免疫細胞に結合できる量子ドット−免疫細胞抗体結合体であって、免疫細胞抗体は、特徴的な放射波長を有する量子ドットと結合している、量子ドット−免疫細胞抗体結合体を、患者に投与する工程と、
    患者の胃腸管の部分を照らして、特徴的な波長での放射の存在を検出することによって、免疫細胞抗体のマーカへの結合を検出する工程と、
    を含む方法。

  18. 量子ドットは、リン化インジウム、リン化インジウムの合金又はリン化インジウムのドープされた誘導体を含む、請求項17に記載の方法。

  19. 免疫細胞抗体は、抗−TNF−α、抗−INF−γ、又はカナキヌマブである、請求項17に記載の方法。

  20. 量子ドット−免疫細胞抗体結合体は、経口投与される、請求項17に記載の方法。

  21. 量子ドット−免疫細胞抗体結合体は、坐薬として又は静脈内に投与される、請求項17に記載の方法。

  22. 患者の胃腸管の部分を照らすことは、カプセル内視鏡検査を用いることを含む、請求項17に記載の方法。

 

 

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