多機能未成熟歯髄幹細胞および療法適用

著者らは特許

A61K35/28 - 骨髄;造血幹細胞;由来を問わない間葉系幹細胞,例.脂肪由来幹細胞
A61K35/30 - 神経;脳;眼;角膜細胞;脳脊髄液;神経幹細胞;神経前駆細胞;グリア細胞;オリゴデンドロサイト細胞;シュワン細胞;星状膠細胞;星状細胞;脈絡集網;脊髄組織
A61K35/32 - 骨;骨細胞;骨芽細胞;腱;腱細胞;歯;象牙芽細胞;軟骨;軟骨細胞;滑膜
A61K45/06 - 化学的特性をもたない活性成分の混合物,例.消炎剤および強心剤
C12N - 微生物または酵素;その組成物(殺生物剤,有害生物忌避剤または誘引剤,または植物生長調節剤であって,微生物,ウイルス,微生物菌類,酵素,発酵生産物,または微生物または動物材料から生産されたまたは抽出された物質を含むものA01N63/00;医薬品製剤A61K;肥料C05F);微生物の増殖,保存,維持;突然変異または遺伝子工学;培地(微生物学的試験用の培地C12Q1/00)
C12N5/00 - ヒト,動物または植物の細胞,例.セルライン;組織;その培養または維持;そのための培地(組織培養技術による植物の増殖A01H4/00)

の所有者の特許 JP2016517405:

アヴィタ・インターナショナル・リミテッド

 

本発明は、療法的多機能未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)、およびIDPSC多系譜組成物に関する。本発明は、さらに、変性疾患のリスクを減少させ、そして/または該疾患を治療する、あるいは他の医学的および審美的目的のためのIDPSCおよび組成物の使用に関する。

 

 

出願に関するクロスリファレンス
本文書は、2013年3月15日に出願された、Kerkisに対する「ロバストな長期培養系によって得られた多機能未成熟歯髄幹細胞」と題される米国仮特許出願61/791,594の恩典、およびまた2013年3月15日に出願された、Kerkisに対する「多機能未成熟歯髄幹細胞の療法適用」と題される米国仮特許出願61/800,245の恩典を請求し、各出願の全内容は、すべての目的のため、本明細書に援用される。
電子出願された文書の援用
本明細書にその全体が援用されるのは、本明細書と同時に提出され、そして2014年3月14日に生成された「Seq_List」と称される1つの10,865バイトASCII(テキスト)ファイルとして同定される、コンピュータ読み取り可能ヌクレオチド/アミノ酸配列表である。
発明の分野
本発明は、多機能未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の組成物、こうして得られた幹細胞を幹細胞療法において使用するため、その「幹細胞性」を失うリスクが最小限である早期継代時に、患者または単一のドナーの歯髄(DP)から、臨床的に有用な量のIDPSCを生成するための方法、ならびに変性疾患、および医学的および審美的症状を防止し、そして治療するための、IDPSC多系譜志向療法組成物の臨床的および審美的使用に関する。本明細書に提示する方法によって、神経上皮マーカーが特に濃縮された、多機能IDPSCの混合集団を得る。これらの細胞は、主に(優先的に)非血管周囲ニッチから生じ、そして酵素的に処理されていないDP外植片を長期培養するだけで得られる。
最近数十年間で、特定の組織細胞に分化する能力を維持している細胞、特に幹細胞(SC)の誘導に対して、科学コミュニティはかなりの注意を向けてきている。この関心は、弱った体を治癒させ、そして罹患し、そして損傷を受けた体の組織および部分の細胞および機能を再確立する、新規組織および細胞置換アプローチを発展させようとする、強い必要性および要望によってさらに高まっている。
SCは、すべての多細胞生物に見られる。これらは、自己再生し、そして異なる特殊細胞に発展する能力を有する。哺乳動物幹細胞は、2つの一般的なタイプ、初期胚発生中に見られる胚性幹細胞(ES細胞)、ならびにより後の段階および生涯に渡って生物の組織中に見られる成体幹細胞(ASC)に分類される。
ASCはまた、体性幹細胞とも呼ばれ、すべてのSCの同じ基本的特性を所持する。すなわち、これらは、ときに動物の全生涯の間に、不定に自己再生可能であり、そして特殊な細胞タイプに分化することが可能である。哺乳動物において、ASCの重要なタスクは、これらが位置する組織を維持し、そして治癒させることである。これらは未分化細胞のままであり、組織損傷または多数の細胞タイプを形成する他の条件に際して活性化され、そして組織損傷を修復することも可能である(Friedenstein Aら(1974)in vitroコロニーアッセイ法によって検出されるような、造血細胞の異なる集団中の線維芽細胞前駆体。Exp Hematol 2:83−92)。
さらに、ASCは、細胞微小環境の炎症反応を調節し、組織修復プロセスに関与する血管新生および細胞の増殖を制御することによって作用し、そしてしたがって、周皮細胞としても知られる(Caplan AI(2009)MSCはなぜ療法性か? 新規データ:新規洞察。J. Pathol. 217:318−324)。
しかし、ASCは、多能性胚性幹細胞と比較した際、分化に関して限定された能力しか持たず、そして通常、その起源組織の特定の細胞タイプのみを形成するように分化可能である。胚性幹細胞とは対照的に、成体幹細胞は全生物を構築することが不可能である。
こうした細胞をすべての胚葉に由来する細胞へと分化させうる真に高い可塑性および多能性を所持するのが、胚性発生の初期段階(例えば胚盤胞段階)中に存在するES細胞である(Evans, M.およびKaufman, M.(1981)マウス胚由来の多能性細胞の培養中の樹立。Nature 292, 154−6)。胚盤胞内への再導入に際して、ES細胞は、通常の発生を再開し、そして出芽組織およびさらなる胚組織へとコロニー形成することも可能である。
培養ES細胞は、長期間および多くの細胞分裂に渡って、未分化状態を保持しうる。一方、培養ES細胞をまた、分化するよう誘導することも可能である。例えば、懸濁中で培養される際、懸濁中で培養されるES細胞は、「胚様体」(Eb)として知られる多能性ES細胞の三次元凝集物を形成し、これがすべての三胚葉の細胞への細胞特定を経る(Ling, V.およびNeben, S.(1997)胚性幹細胞のin vitro分化:培養胚様体の免疫表現型分析。J. Cell Physiol. 171,104−5)。
高い多能性を考えると、胚性幹細胞は、理論的には、多数の新規医学的適用において使用される理想的な細胞であろう。しかし、ES細胞の使用は、多大な論争を呼んでおり、そして幹細胞療法における使用は、重大な倫理的および法的懸念によって妨害される。ASCに基づく治療は、ヒト胚の破壊を必要としないため、論争がより少ない。さらに、ASCは奇形腫瘍を生じず、そして免疫原性が低い。
これらの理由から、非胚性ASCは、多くの研究および作業の焦点となってきている。単離し、そしてin vitro拡大した後、ASCは間葉系幹細胞(MSC)として知られる。MSCは多分化能を有し、そしてin vitroで、骨、軟骨および筋肉などのいくつかの細胞タイプに分化するin vivo能力を保持する。
残念なことに、療法において成体幹細胞を実際的に使用するための困難は無数にある。これらは最低限の数でしか見られず、そして有用な量でこれらを単離するのは極端に困難である。さらに、これらの増殖能は比較的低く、そしてこれらは多くのDNA異常を含有する可能性もある。
療法においてMSCを使用するための別の本質的な困難および課題は、その分化能が、適切な単離および培養条件に非常に依存することである。したがって、MSCが多数の壊滅的な疾患を治療する潜在能力を満たすためには、大規模産生セッティングに対する制御を達成する必要があることが明らかである。
スケールアップの異なる方法があるが、幹細胞がその環境に対する生得的な感受性を有するため、一般的なルールとして、臨床的な品質特性を維持するために、大規模プロセスは、元来の小規模プロセスと実質的に類似のままである必要がある。Davie, N.L.ら(2012)臨床規模から商業規模の細胞療法製造の合理化。BioProcess Inernational 10(3), 24−29。したがって、早期臨床研究のために増殖させた細胞が平面(例えばTフラスコまたはトレイ)上で培養される場合、大規模実行に到達する際には、これらの細胞は、同様に培養される必要があるであろう。しかし、これは実行が困難である可能性もあり、そしてその後の産生能力を制限する可能性もある。同様に、スケールアッププロセスの望ましい終点が、マイクロキャリアー上で細胞を培養することである場合、早期研究で用いる産物は、やはり、懸濁培養を用いて産生されている必要がある。そうでなければ、最終産物細胞は、おそらく、臨床において後に用いられるものと匹敵しないであろう。
歴史的に予測可能なスケールアップ戦略(例えば小さいものからより大きいNunc Cell Factoryへのもの)すら、いくつかの望ましくない細胞変化、例えば特定のマーカーの喪失または獲得、あるいは特定のサイトカインの分泌停止または活性化を与える可能性もある。しかし、時に、スケールアップ方法論から生じるこうした変化が産物の臨床機能には適さないことは事実である。所定の変化が作用の提唱される機構に影響を及ぼさないか、または副作用を引き起こさない場合、新規プロセスは監査官によって認可される可能性が高い。監督官庁は、これを認識し、これが製品が「匹敵する」と示される必要があり、「同一」ではない理由である。
実際、未分化MSCを単離し、そして増殖させるための改善された方法は、新規成体幹細胞療法および再生医学の発展に必須であると見なされる。
異なる組織から多数のMSCを得る一方、分化に関するその能力を保持するための多数のプロセスが、以前知られている(Kuehle, I.およびGoodell, M.A.(2002)成体由来の幹細胞の療法潜在能力。B.M.J. 325, 372−376; Pittenger, M.F.およびMartin, BJ.(2004)間葉系幹細胞および心臓療法剤としてのその潜在能力。Circ. Res. 95, 9−20)
にもかかわらず、これらの方法は、分化能が限定されたMSCの単離を生じ、限定された多様性の細胞タイプしか生じさせない。さらに、組織中のASCの数は、非常に少ないため、これらの方法は、不均質な培養を生じ、幹細胞ではない多数の細胞を含有する。
医学において現在用いられるMSCの主な供給源は、骨髄および臍帯である。しかし、これらの組織から、多能性SCの純粋な集団をそして多量に単離するのは困難である。非常に多能性で、そして均質な幹細胞の単離のための別の供給源が必要であり、こうした供給源は、いくつかの疾患の治療有効性を有意に増加させるであろう。
1つのこうしたありうる供給源には、歯および歯科組織から得られるMSCが含まれる。歯は、組織再生および修復に有用なMSCを得るために容易にアクセス可能な供給源を提示する。ヒトの体内の他の臓器と同様、歯およびその周囲組織は、細胞の混合集団によって構成され、これには、多分化能MSC/周皮細胞、前駆体および分化した細胞が含まれる(Arthurら(2008)成体ヒト歯髄幹細胞は、適切な環境合図のもとで、機能的に活性なニューロンに向かって分化する。Stem Cells 26:1787−1795; Giordano Gら(2011)口腔ニッチ由来の幹細胞:概説。Ann Stomatol(Roma)2:3−8)。
幹細胞療法を行うためには、ヒト疾患を治療するために十分な量のこれらの細胞を生じるため、幹細胞の有意なin vitro拡大が必要である。現時点では、培養中の比較的純粋な歯髄幹細胞集団を多量に効率的に生成する信頼性がある方法は知られていない。
この1つの理由は、年齢とともに再生潜在能力が減少することであり、そしてこれは、成体幹細胞の機能障害に帰因している。培養中の細胞は、特定の数の細胞分裂後、老化を経て、それによって細胞が肥大し、そして最終的に増殖を停止する(Wagner Wら(2009)加齢および複製性老化は、ヒト幹細胞および前駆細胞に対して、関連する影響を有する。PLos One 4:e5846)。
歯髄幹細胞を大規模産生するのが困難である別の重要な理由は、拡大プロセス自体が幹細胞の老化、ならびに増殖および分化能の減少によって示されるような、幹細胞性の喪失を誘導することである。Baxterらは、in vivoでの振る舞いと、in vitro拡大中のテロメア喪失率を相関させることによって、MSCの複製能に対するin vitro拡大の影響を示した。これらは、最小限の拡大を伴うプロトコルであってさえ、MSCの迅速な加齢を誘導し、喪失は総複製寿命の約半分と同等であることを示した(Baxter MAら(2004)テロメア長の研究は、in vitro拡大後のヒト骨髄間質細胞の迅速な加齢を明らかにする。Stem Cells 22,675−682)。
さらに、幹細胞の長期培養は、遺伝的変化の可能性増加と相関し、これは臨床試験および将来の療法における安全な使用に弊害をもたらす。例えば、Wangらは、動物および細胞培養では、テロメアが決定的に短くなった際、テロメア完全性を維持する手段として、ゲノム再編成を行う能力が異なることを示唆する(Wang Yら(2005)決定的に短くなったテロメアを所持するネズミ胚性幹細胞におけるテロメア姉妹染色分体交換の増加。Proc Natl Acad Sci U S A. Jul 19;102(29):10256−60)。
幹細胞療法成功の鍵は、細胞採取およびその拡大のプロセスに関連することが明らかである。このプロセスは、同時に、分化のための最大能力を維持しながら、理想的には、非常に多量の患者自身の幹細胞の産生を可能とするはずである。この方式で、小児期に乳歯から幹細胞を凍結保存するか、または人生のより遅い段階で、智歯または臼歯から幹細胞を提供する患者は、これらの貴重な細胞の完全な療法能によって利益を得ることも可能である。
ASCを多数回継代する間に獲得される遺伝的異常による腫瘍原性のリスクを減少させるであろう、DSCのためのプロトコルを発展させることが非常に重要である。いくつかの前臨床研究において、幹細胞移植の成功および効率は、幹細胞タイプ、その増殖能および遊走能、ならびに注射部位に応じることが示された。
Friedenstein Aら(1974)Exp Hematol 2:83−92
Caplan AI(2009)J. Pathol. 217:318−324
Evans, M.およびKaufman, M.(1981)Nature 292, 154−6
Ling, V.およびNeben, S.(1997)J. Cell Physiol. 171,104−5
Davie, N.L.ら(2012)BioProcess Inernational 10(3), 24−29
Kuehle, I.およびGoodell, M.A.(2002)B.M.J. 325, 372−376
Pittenger, M.F.およびMartin, BJ.(2004)Circ. Res. 95, 9−20
Arthurら(2008)Stem Cells 26:1787−1795
Giordano Gら(2011)Ann Stomatol(Roma)2:3−8
Wagner Wら(2009)PLos One 4:e5846
Baxter MAら(2004)Stem Cells 22,675−682
Wang Yら(2005)Proc Natl Acad Sci U S A. Jul 19;102(29):10256−60

したがって、優れた品質であり、そして同じドナーから得られた早期継代での腫瘍原性のリスクが減少している、非常に強力なASCの限定されないそして一貫した大規模産生のための方法が、成体幹細胞療法の発展のために望ましい。
本発明の目的は、非腫瘍原性および非免疫原性IDPSCの多系譜志向多機能の療法組成物およびその使用法を提供することであり、前記多系譜志向および非腫瘍原性は、in vitroおよびin vivoで証明される。多系譜志向のin vitro証明は、多機能マーカー発現および多様な細胞系譜に向かう多機能性によって証明され、そしてin vivoで証明される多系譜性は、多様な組織へのIDPSCのin vivo生着潜在能力に基づき、そして組織特異的機能性によって特徴付けられる。in vivo多機能性の強い証明は、腫瘍原性および免疫原性を伴わない、多数の組織内へのIDPSC子宮内移植に基づく。非腫瘍原性のさらなる証明は、腫瘍抑制遺伝子であるp53がLP−IDPSCにおいて発現していることであり、そしてLP採取後、継代数が少ない必要があるため、これが核型突然変異を防止し、そしてしたがってまた腫瘍原性リスクを減少させる。IDPSC組成物による治療の開示する方法のさらなる利点は、免疫原性潜在能力が減少していることであり、これは前記IDPSCがHLA−ABCおよびHLA−DR主要組織適合性(MHC)抗原に関して陰性であり、したがって同種移植が可能になるためである。
本発明のIDPSCの多機能性および強い神経上皮細胞系譜志向は、再生医学のため、特にCNS疾患(限定されるわけではないが、神経変性障害を含む)の治療および防止、腎障害、膵臓障害(糖尿病)、皮膚疾患(創傷治癒によって限定されない)、脱毛症候群の治療、ならびに女性(子宮内機能を改善)および男性(精子形成を改善)の生殖機能補助において、多数の使用を提供する。子宮内で証明されたIDPSCの多機能性は、限定されるわけではないが、神経変性疾患、心不全、心筋虚血、四肢虚血、生殖障害、審美的症状、免疫障害、糖尿病、脳卒中、ならびに皮膚、肝臓および腎臓疾患を含む、多様な病理学的または生理学的状態の症状を、単一活性生物学的成分として、あるいは限定されるわけではないが、細胞、活性薬学的または生物学的、または天然成分剤などのさらなる療法成分に対する付属物として、IDPSC濃縮物、懸濁物、混合物を含む療法組成物を投与することによって、治療するか、または軽減するための方法を提供する。
本開示の側面は、2つのアプローチに基づく:薬剤、療法物質および生物学的剤の毒性効果の評価のための、発癌性アッセイのための、そして/または感受性試験のための、以前から知られ、そして用いられる臓器および組織外植片の培養である。しかし、組み合わせた両技術は、歯髄からの幹細胞の単離のために、本発明において最初に用いられ、これはES細胞の培養に用いられる細胞培養条件と組み合わせて、IDPSC集団の新規非酵素的単離法の発見を可能にした。
本開示に提示するいくつかの方法の利点は、以下の説明を通じて理解可能である。
臓器の一部または臓器全体をin vitro培養するための1つの目的は、臓器培養組織構造を維持することである。例えば、実質および間質が構造および機能の両方に関して保存され、そしてしたがって、臓器培養は、問題のin vivo臓器とよく似ている。臓器培養は、ヒトドナー角膜の保存のために選択される方法として、眼科学において広く用いられる。第二のアプローチは、細胞単離のために用いられる外植片を培養することである。組織を無菌条件下で単離し、細かく刻み、そして培地を含有する細胞培養プレートに片を入れる。外植片培養は、in vivo環境をより正確に模倣する、細胞が周囲の細胞外マトリックス中に残っている培養であり、そして時間とともに、前駆細胞が組織外に遊走して、そして培養プレート表面に付着する。
どちらのアプローチも、環境および幹細胞ニッチを保持するため、類似性を有する。しかし、組織は、培養時間中に低酸素に曝露され、これは幹細胞の未分化状態を維持する大きな利点を提示する。したがって、小さい臓器である歯髄、およびDP片、外植片の機械的トランスファーは、単離後にその始原特性を未変化状態で維持するMSCを連続して単離する戦略である。
神経冠起源の細胞であるIDPSC(外植片)の単離のために選択される戦略をまた、神経管から、遊走性「真正」神経冠幹細胞を単離するため用いたことに注目する価値がある。神経冠起源の細胞であるCTIPD(外植片)の単離のために選択される戦略がまた、神経管外植片を用いた遊走性体幹神経冠細胞の単離のために採用されたことにもまた注目する価値がある。
図1は、歯髄中の幹細胞ニッチ(左)、および未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)で単離される遊走幹/前駆細胞の混合集団の産生を示す。 図2は、乳歯における歯科幹細胞(DSC)のニッチを示す。A)乳歯は歯冠および歯根で構成される。A1)乳歯の長軸割面は、矢印によって示される血管周囲ニッチ(a)を示す。B)乳歯における歯根の吸収を示す。B1)B)で示す歯冠の長軸割面は、象牙芽細胞下の細胞リッチゾーン(b)および無髄神経線維および線維芽細胞を含有する、細胞が少ないゾーン(c)にあり、そして毛細血管が横断する、DSCの2つの他のニッチを示す。C)B1)由来のDSCニッチの拡大を示す。 図3は、神経系譜に向かうIDPSCの分化を立証する、位相差顕微鏡で捉えた画像を示す。A)およびC)は、乳歯(DD)から単離された、分化したIDPSCを示す。B)およびD)は、成体の歯(すなわち永久歯)(DA)から単離された分化したIDPSCを示す。ニューロンの形態学的多様性に注目されたい。20X対物レンズ。 図4は、光学顕微鏡で捕捉され、そしてヘマトキシリンおよびエオジン(HE)染色によって示された、神経分化後のIDPSCの画像を示す。A)40X対物レンズ。スケールバー50μm。(B)100x対物レンズ。(C)ニューロン様形態を持つ分化したIDPSC。典型的な樹状突起棘が観察可能である。樹状突起棘は、神経の樹状突起由来の小さい膜状の突出であり、典型的には軸索の単一のシナプスから入力を受け取る。60X対物レンズ。スケールバー40μm。(D〜F)ニューロン中のニッスル顆粒(暗褐色染色で示される)。20X対物レンズ。スケールバー40μm。 図5は、IDPSCニューロン分化中の蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)分析を示す。染色体21に対する赤色蛍光ハイブリダイゼーションプローブを用いた。核はDAPIで染色され、そして青く見える。倍数体細胞(4nおよび6n)および正常核(2n)の存在に注目されたい。対物レンズ:A)、D)およびE)40X;B)20X;C)63X。 図6は、IDPSCのin vitroニューロン分化中の倍数体細胞の定量化を示す。2つ、4つおよび6つのハイブリダイゼーションプローブシグナルを持つ細胞核の割合を示す。 図7は、分化したIDPSCにおけるニューロン系譜マーカーの発現を示す。A)未分化IDPSCにおけるネスチン(ネスチナとしても知られる)の発現。B)分化誘導後のIDPSCにおけるネスチンの発現。C)〜E)ニューロン形態を獲得したIDPSCにおけるベータ−チューブリン(ベータ−チューブリナとしても知られる)の発現。F)分化したIDPSCにおけるグリアマーカー、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)の発現。J)およびH)分化したIDPSCにおける成熟神経細胞マーカー、NeuNの発現。核視覚化のため、DAPI(青色)を用いた。A)〜B)20X対物レンズ。C)〜H)40X対物レンズ。 図8は、分化したIDPSCから形成されるニューロスフェア様構造の顕微鏡画像を示す。A)およびB)は、位相差顕微鏡を用いた画像を示す。C)は、ネスチンの陽性免疫蛍光を示す。対物レンズは、A)およびB)に関しては40X、そしてC)に関しては63Xであった。 図9は、分化した(レーン1)および未分化(レーン2)IDPSCにおけるニューロン遺伝子の発現のRT−PCR分析を示す。レーン1は、ベータ−チューブリンIII、中分子量ニューロフィラメント、およびGFAPに対するmRNAの存在を示す。レーン2は、中分子量ニューロフィラメントの発現を示す。グルタルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)は、装填対照として用いたハウスキーピング遺伝子である。 図10は、グリアIDPSC由来前駆体のスペクトルを示す。未分化IDPSCはビメンチンを発現する。星状細胞分化後、細胞は、ビメンチン、CD44およびネスチンなどのマーカーサブセットを発現する。成熟星状細胞はGFAPを発現する。 図11は、LP IDPSC由来ニューロン様細胞のスペクトルを示す。LP IDPSCは、神経上皮系譜の初期マーカーであるネスチンを発現する。分化後、IDPSCは形態を変化させ、そしてネスチンおよびベータ−チューブリンIIIを発現し始める(ニューロン前駆体)。未成熟ニューロンは、ベータ−チューブリンIIIを発現する一方、より成熟したニューロンは、成熟期間中、NeuNおよびニューロフィラメントを発現する。 図12は、残った(spared)白質の定量化を示す。A)白質定量化に用いたLuxolファーストブルー(LFB)染色面積。B)グラフは、ヒト未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)群において、より高い値を示す、残った白質の平均値を示す(p<0.05)。C)T9レベルでの脊髄傷害圧迫の図(図の上部部分)、および連続切片の定量化に用いた脊髄のセグメント(図の下部部分)。D)およびE)亜急性+DMEM(D)および亜急性+IDPSC(E)群由来の、残った白質の定量化に用いた、LFBによって染色した脊髄切片を例示する画像(DMEM、ダルベッコの修飾イーグル培地)。 図13A〜13Dは、免疫標識栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子ベータ(NGF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、およびニューロトロフィン−4(NT−4)の定量化を示す。DMEM処置動物に比較して、すべての分析した栄養因子、特にBDNFおよびNGFに関して、IDPSC(ヒト歯髄幹細胞またはHPDCとしても知られる)で処置した動物において、より強い染色が見られ、亜急性および慢性群の両方で、より強い免疫標識領域を示したことに注目されたい(p<0.05;**p<0.01)。亜急性群は白いバーによって示され、一方、慢性群は黒いバーによって示される。 図14は、亜急性DMEM処置動物A)〜C)およびLP IDPSC処置動物D)〜I)由来の脊髄の半薄および超薄切片を示す。A)、半薄切片において、いくつかの空洞化がある(短い赤い矢印)。B)において、典型的な基底層(挿入図)を含むシュワン細胞(実線の白い矢印)を示し、そしてC)において、星状細胞突起(矢じり)、およびいくつかの微小空洞化(アステリスク)を示す。D)は、より保存された形態を持つIDPSC処置動物由来の半薄切片を示す。E)は、多くの保持された線維(長い白い矢印)およびマクロファージ(黒い短い矢印)を示す。F)において、シュワン細胞(実線の矢印)およびオリゴデンドロサイト(長い黒い矢印)ミエリン化軸索が見られる。G)は、再生島の例を示し、そしてH)は、細胞体でシナプス接触を形成する、損なわれていない(intact)末端を持つ、保持された健康に見えるニューロンを示し、これはI)においてより高い倍率で示される。DMEM:ダルベッコの修飾イーグル培地。 図15は、慢性DMEM(A、C、およびE)、およびLP IDPSC処置(B、D、およびF)動物由来の脊髄の半薄および超薄切片を示す。A)マクロファージ(赤い実線の矢印)。B)白質(長い矢印)およびマクロファージ(赤い短い矢印)における保持された線維。C)シュワン細胞(星)および多くの空洞化(アステリスク)。D)いくつかの保持された線維(白い矢印)。E)慢性病変に典型的な、激しい星状細胞増加(矢じり)。F)ここで終結する多くのシナプス接触を含む、保持された神経細胞体(長方形の領域)。DMEM:ダルベッコの修飾イーグル培地。 図16は、DMEM処置群およびLP IDPSC処置群の機能分析を示す。広範囲移動性試験は、処置35日後の亜急性群および慢性群の広範囲移動性の進行を示した。IDPSC処置動物(BおよびE)は、評価期間中、DMEM処置動物(AおよびD)よりも、オープンフィールドにおいて、より長い距離(青い線)を歩いた。 図17は、LP IPDSC移植後の、ウイルス疾患である犬ジステンパーの軽い症例の治療における進歩を示す。A)およびB)は、IDPSC移植前を示す。C)およびD)は、IDPSC単回適用の1ヶ月後を示す。 図18は、LP IPDSC移植後の、ウイルス疾患である犬ジステンパーの重度の症例の治療における進歩を示す。A)およびB)は、IDPSC移植前を示す。C)およびD)は、IDPSC単回適用の1ヶ月後を示す。 図19は、LP IDPSCから得た心筋細胞(CM)様細胞を示す。A)分化したIDPSCの自発的融合。B〜C1)分化したIDPSCのCM様表現型および形態。 図20は、他の細胞タイプとの共培養を通じた、LP IDPSC自発的細胞融合を示す。A)、A1)、およびA2)は、IDPSCと交差させたマウス骨髄を示す。A)合併画像。A1)IDPSC。A2)マウス骨髄細胞。B)、B1)およびB2)は、IDPSCと交差させたヒト線維芽細胞を示す。B)合併画像。B1)IDPSC。B2)ヒト線維芽細胞。 図21は、冠動脈結紮による心筋梗塞のラットモデルにおける、心筋のLP IDPSC(緑色)ホーミングを示す。 図22は、ゴールデンレトリバー筋ジストロフィー(GRMD)イヌにおける、LP IDPSCの筋原潜在能力および自発的融合の分析結果を示す。異なるマーカー、例えば抗ヒト核、抗ヒト・ジストロフィン抗体およびヒトY染色体に対するDNA蛍光プローブは、イヌ筋肉におけるLP IDPSCホーミングの証拠を提供する。 図23は、マウス骨髄内へのLP IDPSCの生着を示す。LP IDPSCは、特異的抗体によって認識され、そして骨髄中の細胞は、親油性膜染色剤であるDilで同定された。 図24は、未分化LP IDPSCにおけるCK18およびインテグリン・ベータ1(CD29)セルトリ細胞の発現を示す。 図25は、マウス精巣内へのLP IPDSC移植の模式図を示す。 図26は、繁殖性マウスの精巣内へのLP IDPSC移植を示す。IDPSC形態(A)。Vybrantで染色したIDPSC(B)。(C、D)移植1日後、IDPSCは、主に、通常、ライディッヒ細胞が位置する細胞区画で検出された(E)。スケールバー:(A、B、E)20μm;(C)100μm;(D)50μm。 図27は、繁殖性マウスの精巣内へのLP IDPSC移植を示す。(A、B)移植9日後、IPDSC(赤色)は、繁殖性マウス精巣において、管内(IT)および管領域(TS)で検出された。A)共焦点顕微鏡:落射蛍光およびデジタル干渉コントラスト(DIC)、(B)落射蛍光。DAPI(青色)を核視覚化に用いた。(C)陰性対照;生理食塩水を注射したマウス。バー(A)20μm;(B、C)100μm。 図28は、繁殖性マウスの精巣内へのLP IDPSC移植を示す。(A、B)第9日、これらの細胞は、中央管腔で観察される異なる形態を伴う細胞を含有する蛍光群を形成した(B)。マウスの精子を赤い矢印で示す(B、C)。これらのいくつかは、ヒト精子と似た形態を示す(白い矢印)(B、C)。バー(A〜C)20μm。 図29は、LP IDPSCを移植した不妊マウス由来の精巣の画像を示す。IDPSCの局在は、TS周辺で観察され、これらは薄膜中に移植されている(A、B)。(C)白い矢印は、推定上の丸い精子細胞を示し、一方、赤い矢印は、始原生殖細胞を示す。(D)において、4つの精子細胞の4つ組の存在がVibrant(IDPSC染色剤)で示される。(D1)において、陰性対照としての同じマウス精巣から単離された別の4つ組を示す。核視覚化に用いた、PI(赤色)(C)およびDAPI(青色)(D、D1)。バー(A、B)20μm、(C)10μm。 図30は、繁殖性マウスにおける成熟の異なる段階で、赤色で示すLP IDPSC由来精子細胞様細胞を示す(A〜D)。(A)丸い精子細胞。(B〜C)伸張した精子細胞。バー10μm。 図31は、ヒトおよびマウス精子における表現型同定を示す。ヒト精子と形態学的に非常に類似のいくつかの蛍光標識された精子細胞(赤色で示す)が検出された(A〜C)。(D)ヒト精子様形態。(E)マウス精子の形態。バー10μm。 図32は、細胞遺伝学的分析を示す。ヒトX染色体に特異的なプローブを用いたFISH分析は、いくつかの細胞内で、1つのみのXシグナルの存在を確認し、これは、減数分裂中に起こる染色体減少を示唆する。細胞が対を形成し、これは倍数体細胞が分裂する際、半数体細胞が互いに近くに位置するであろう事実と一致することに注目されたい。スケールバー5μm。 図33は、細胞融合を示す。(AおよびA1)LP IDPSC細胞質をVybrantで赤く染色した:(A1)における核(DAPI、青色)の形態に注目されたい。マウス生殖細胞細胞質は、緑に染色され(B)、核小体がより大きく増加する(B1)。(C)2つの融合した核および緑に染色された細胞質を含む細胞。(D)2つの融合した核および赤く染色された細胞質を含む細胞。(E)(C)および(D)の間の重ね合わせ。 図34は、時間ポイント4、7、および9で生じるLP IDPSC移植経過中の尿素レベルの増減を示す。 図35は、時間ポイント4、7、および9で生じるLP IDPSC移植経過中のクレアチニンレベルの増減を示す。 図36は、時間ポイント4、7、および9で生じるLP IDPSC移植経過中の電解質レベル(カリウム、カルシウム、およびリン)の増減を示す。 は、ヒトIDPSC療法を受けたネコ腎臓の巨視的提示を示す。A)IDPSCを受けた左(大サイズ)、および右の腎臓の間のサイズの相違。B)左の腎臓では、不規則に出現する新生物が明らかである。 図38は、左(A〜A2)および右(B〜B2)腎臓の組織学的提示を示す。スケールバー;A〜B2=200μm。B1およびB2では、血液浸潤(赤色)もまた観察可能である。B2において、糸球体内皮細胞の保持が可視である。 図39は、ネコ腎臓におけるIDPSCの存在を示す。A)抗IDPSC抗体で陽性免疫染色された糸球体(赤色)。B)〜C)尿細管において、抗IDPSC抗体は、尿細管細胞と反応する(赤色)。共焦点顕微鏡合併画像:デジタル干渉コントラスト+蛍光顕微鏡。核をDAPI(青色)で染色した。スケールバー:A=200μm、BおよびC=100μm。 図40は、マッソンの三色染色によって示される皮膚リモデリングの組織学的提示を示す:A)〜A2)LP EGFP−IDPSCを投与された動物由来の代表的な画像。B)〜B2)PBSのみを投与された動物由来の代表的な画像。対物レンズ20X。 図41は、損傷を受けた皮膚における、LP EGFP−IDPSC(緑色)の生着を示す。核はヨウ化プロピジウム(PI)(赤色)で染色された。共焦点顕微鏡:蛍光顕微鏡(Fm)、DICおよびDIC+Fm。組織学的提示、H&E染色。スケールバー=100μm。 図42は、PBSのみを投与された動物由来の代表的な画像を示す。核はPI(赤色)で染色された。共焦点顕微鏡:蛍光顕微鏡(Fm)、DICおよびDIC+Fm。組織学的提示、H&E染色。スケールバー=100μm。 図43は、EPおよびLP IDPSCの分化の神経および網膜潜在能力を示す。EP IDPSCは、神経分化にしたがうことのみが可能であり、網膜分化にはしたがわず、神経分化の初期マーカーであるネスチンおよびベータ−チューブリンIIIを発現する。LP IDPSCは、神経分化および網膜分化両方の初期マーカー(Pax6およびChx−10)を発現する。Crx、Nrl、およびロドプシンは、後期網膜神経マーカーであり、これらは分化したLP IDPSCによって発現されるが、EP IDPSCには発現されない。 図44は、網膜細胞に向かうLP IDPSC分化を示す。A)〜F)分化の段階。F)において、網膜細胞分化の最後の段階は、光受容体によって優先的に提示される。分化後、細胞数は有意に減少する。G)分化のタイムライン。 図45は、接着性ニューロスフェアであるEP IDPSCが、網膜分化を進行不能であることを示す。A)10X;B)〜D)40X。 図46は、接着性ニューロスフェアであるLP IDPSCが、網膜分化を進行可能であることを示す。A)10X;B)〜D)40X。 図47は、EP IDPSCの神経分化を示す。A)〜B)グリア様形態を持つ細胞を示す位相差−10X対物レンズ。C)〜D)β−III−チューブリンの発現を示す免疫蛍光。C)10X対物レンズ。D)60X対物レンズ。E)〜H)GFAPの発現−40X。E)細胞体および細胞核のGFAP免疫染色。F)DAPIで染色された核。G)グリア様細胞の形態を示す明視野。H)すべてのフィルター(DAPI+ローダミン、明視野)の重ね合わせ。 図48は、未分化IDPSCによるCD73(A、B)およびビメンチン(D、E)の発現を示す。C〜F)二次抗体対照。核をDAPI(青色)で染色した。 図49は、未分化LP IDPSCにおける、免疫蛍光、ならびに網膜細胞の特異的マーカー、例えばPax−6、Chx−10、Crx、Nrl、カルビンディンおよびロドプシンの発現の欠如を示す。 図50は、未分化LP IDPSCにおける、フローサイトメトリー、ならびに網膜細胞の特異的マーカー、例えばPax−6、Chx−10、Crx、Nrl、カルビンディンおよびロドプシンの発現の欠如を示す。 図51は、異なるタイプの神経形態、例えばニューロンおよび神経節様細胞を示す、分化したLP IDPSCを示す。 A)〜B)懸濁中の二次ニューロスフェア−20X対物レンズ。C)〜D)接着した二次ニューロスフェア−対物レンズ10X。E)〜F)ロゼット様形態−20X対物レンズ。 図53は、分化したLP IDPSCニューロスフェアおよび遊走性ニューロンにおけるCD73の発現を示す(A〜F)。(B)において、このマーカーに関して陰性であるいくつかの細胞が観察可能である。 図54は、ニューロスフェア様構造に編成されるLP IDPSC由来網膜前駆細胞における、Pax6の発現を示す。抗Pax−6抗体は、分化した細胞の50%で陽性免疫染色を示した。 図55は、ニューロスフェア様構造に編成されるLP IDPSC由来網膜前駆細胞における、Chx10の発現を示す。抗Chx−10抗体は、分化した細胞の80%で陽性免疫染色を示した。 図56は、ニューロスフェア様構造に編成されるLP IDPSC由来網膜前駆細胞における、Crxの発現を示す。より高い倍率によって、このタンパク質の核局在が示された。抗Crx抗体は、分化した細胞の80%で陽性免疫染色を示した。 図57は、ニューロスフェア様構造に編成されるLP IDPSC由来網膜前駆細胞における、NRL(核および核周囲局在)の発現を示す。抗NRL抗体は、分化した細胞の20%で陽性免疫染色を示した。 図58は、ニューロスフェア様構造に編成されるLP IDPSC由来網膜前駆細胞における、カルビンディン(細胞質局在)の発現を示す。抗カルビンディン抗体は、分化した細胞の20%で陽性免疫染色を示した。 図59は、ニューロスフェア様構造に編成されるLP IDPSC由来網膜前駆細胞における、リカバリン(細胞質局在)の発現を示す。抗リカバリン抗体は、分化した細胞の20%で陽性免疫染色を示した。 図60は、ニューロスフェア様構造に編成されるLP IDPSC由来網膜前駆細胞における、ロドプシン(細胞質局在)の発現を示す。抗ロドプシン抗体は、分化した細胞の20%で陽性免疫染色を示した。 図61は、実験モデルの子宮角を例示するスキーム1を示す:処置した胎児の群は、右子宮角の1、3、4および5にあった(Cud);これらの胎児にEGFP LP IDPSCの移植を行った。胎児の対照群は、左子宮角の2および7であった(Cue);これらを実験対照のために収集した。 図61は、実験モデルの子宮角を例示するスキーム1を示す:処置した胎児の群は、右子宮角の1、3、4および5にあった(Cud);これらの胎児にEGFP LP IDPSCの移植を行った。胎児の対照群は、左子宮角の2および7であった(Cue);これらを実験対照のために収集した。 図62は、フローサイトメトリーによって行われる、EGFP LP IDPSC移植の定量化、および移植後のこれらの細胞増殖の評価を示す。A、B)肺組織断片における移植EGFP LP IDPSCの定量化。A)抗IDPSC(52.8%)およびB)抗HuNu(50.2%)抗体。C)イヌ胎児内への移植後、細胞周期の異なる相にあるEGFP LP IDPSCの模式的評価。D)細胞周期の異なる相でのEGFP LP IDPSCの定量的および比較分析。 図63は、フローサイトメトリーによって行われる、EGFP LP IDPSC移植の定量化、および移植後のこれらの細胞増殖の評価を示す。A、B)筋組織断片における移植EGFP LP IDPSCの定量化。A)抗IDPSC(52.8%)およびB)抗HuNu(50.2%)抗体。C)イヌ胎児内への移植後、細胞周期の異なる相にあるEGFP LP IDPSCの模式的評価。D)細胞周期の異なる相でのEGFP LP IDPSCの定量的および比較分析。 図64は、フローサイトメトリーによって行われる、EGFP LP IDPSC移植の定量化、および移植後のこれらの細胞増殖の評価を示す。A、B)腎組織断片における移植EGFP LP IDPSCの定量化。A)抗IDPSC(42.3%)およびB)抗HuNu(31.3%)抗体。C)イヌ胎児内への移植後、細胞周期の異なる相にあるEGFP LP IDPSCの模式的評価。D)細胞周期の異なる相でのEGFP LP IDPSCの定量的および比較分析。 図65は、フローサイトメトリーによって行われる、EGFP LP IDPSC移植の定量化、および移植後のこれらの細胞増殖の評価を示す。A、B)脳組織断片における移植EGFP LP IDPSCの定量化。A)抗IDPSC(13.1%)およびB)抗HuNu(13.4%)抗体。C)イヌ胎児内への移植後、細胞周期の異なる相にあるEGFP LP IDPSCの模式的評価。D)細胞周期の異なる相でのEGFP LP IDPSCの定量的および比較分析。 図66は、フローサイトメトリーによって行われる、EGFP LP IDPSC移植の定量化、および移植後のこれらの細胞増殖の評価を示す。A、B)胎盤母性組織断片における移植EGFP LP IDPSCの定量化。A)抗IDPSC(64.8%)およびB)抗HuNu(65.6%)抗体。C、D)イヌ胎児内への移植後、細胞周期の異なる相にあるEGFP LP IDPSCの模式的評価。E、F)細胞周期の異なる相でのEGFP LP IDPSCの定量的および比較分析。 図67は、胎児イヌ心筋の筋線維の間に移植された、EGFP LP IDPSC(緑色)におけるヒトタンパク質OCT3/4(赤色)の発現を示す(A1〜A3)。A1−Oct3/4およびEGFP LP IDPSCの間の重複は、核および細胞質局在を立証する。A2)LP IDPSCにおけるEGFPタンパク質の発現。A3)Oct3/4に関する陽性免疫染色は、心筋細胞様局在を示す。A1〜A2=Fcm、A3−Fcm+CID。スケールバー:A1〜A3=5μm。 図68は、フローサイトメトリー分析を示す。心筋に移植したEGFP LP IDPSCにおける、未分化細胞(MSCおよびES細胞)のマーカーの発現。A)細胞体積の対照。B〜D)Oct3/4の発現−21.5%(C)CD146−0.0%および(D)β1−インテグリン−0.0%。 図69は、フローサイトメトリー分析を示す。骨格筋組織−二頭筋に移植したEGFP LP IDPSCにおける、未分化細胞(MSCおよびES細胞)のマーカーの発現。A)Oct3/4の発現(45.4%)(B)CD146の発現(0.4%)および(C)β1−インテグリンの発現(36.7%)。 図70は、フローサイトメトリー分析を示す。心臓組織における、分化した細胞のマーカーの発現。心臓タンパク質の陽性発現:ミオゲニン(A)、カルジオチン(C)、およびCK−18に関する陰性(B)。本発明者らは、CD45+の陽性発現を観察し、この量は、心筋(D)および大動脈弓(E)において多様である。 図71は、フローサイトメトリー分析を示す。骨格筋組織−大腿二頭筋における、分化した細胞のマーカーの発現。筋肉タンパク質の陽性発現:(A)Myo D1、(B)7.5%ミオゲニン、(C)7.7%のCK−18および(D)12.0%のCD45。 図72は、母性胎児胎盤イヌ組織に移植されたEGFP LP IDPSC(緑色)における、ヒトOct3/4(赤色)タンパク質の発現を示す(A1〜A3)。A1)Oct3/4に関する陽性免疫染色。A2)LP IDPSCにおいて観察される直接GFP蛍光、A3)観察される、Oct3/4およびEGFP LP IDPSCの間の重複。FCM CID=A1+、A2〜A3=FCM;スケールバー:A1〜A3=10μm。 図73は、フローサイトメトリー分析を示す。胎盤組織におけるEGFP LP IDPSCにおける未分化細胞(MSCおよびEs細胞)のマーカーの発現。A)対照細胞体積(B)12.6%のタンパク質Oct3/4、(C)2.5%のCD146、および(D)18.3%のβ−インテグリンの発現。 図74は、IDPSCのスケールアップを示す。水平方向に、DP in vitroプレーティング(第0日、P0)のプロセス後、DP接着および細胞アウトグロース(outgrowth)(第3〜4日)を示す。このプロセス後、細胞の酵素処理(P1)および多数コロニーの形成が続く(CFU−f:コロニー形成単位−線維芽細胞)。5日後、酵素処理を行って、多コロニー由来IDPSCの集団を採取する(P2)。次に、IDPSCのin vitro拡大(P3)を行う。図の上記の各プレートの上の数字は、各継代において採取されるIDPSCのおよその量を示す。垂直方向に、DPの多数回の機械的トランスファー後であるが、同じプロセスを示す。 図75は、SHEDおよびIDPSCの単離、in vitro拡大、およびバンキングの戦略を示す。DPの酵素的処理によるSHED単離、SHED in vitroプレーティング(第0日、P1)、および異種集団における多数のコロニーの形成のプロセスを左に示す。右に示すIDPSC単離プロセスには、DP in vitroプレーティング(第0日、P0)後、DP接着および細胞アウトグロース(第3〜4日)が含まれる。IDPSCのスケールアップは、細胞の酵素処理(P1)および多数コロニーの形成(CFU−f:コロニー形成単位−線維芽細胞)を含むプロセスである。約5日後、酵素処理を行って、多コロニー由来IDPSC(P2)集団を採取する。次に、IDPSCのin vitro拡大(P3)を行う。図の細胞培養フラスコの上の数字は、各継代において採取されるIDPSCのおよその量を示す。垂直方向に、DPの多数回の機械的トランスファー後であるが、同じプロセスを示す。 図76は、歯髄およびIDPSCを示す。A)摘出直後の非常に血管形成された(黒い矢印)DP。B)アウトグロース中(outgrowing)のIDPSCを含む、DPの外植片培養。C)最初の継代時のIDPSC培養。D)大きな核を持つ、ES様細胞形態を示すIDPSC。E)いくつかの仮足を持つ、MSC様形態を示すIDPSC。F)ES細胞およびMSCに似た、均質な形態を示すIDPSC。G)対の染色体を示し、そして大きさおよび位置の順に並べたIDPSC(LP)の核型分析は、ルーチンのGバンド形成分析によって示されるように、染色体数のいかなる数値変化も明らかにしなかった。図3A〜3Cおよび3Gは、光学顕微鏡で生成され、一方、図3D〜3Fは、透過型電子顕微鏡から生じた。図3Aに関する倍率=20Xおよび図3G=63X;図3Bのスケールバー=20mm;図3Cおよび3F=10mm;ならびに図3Dおよび3E=3mm。 図77は、DPのBrdU免疫染色を示す。A)培地中にプレーティングした約6時間後のDP。B)in vitro培養の約48時間後のDP。C)in vitro培養の約72時間後のDP。D)酵素処理を行わないDP。E)酵素処理を行ったDP、DPの外部細胞層がこうした処理によって破壊されていることが示される。すべての画像のため、光学顕微鏡を用いた。図4A〜4Cのスケールバー=20μm、および4D〜4E=50μm。 図78は、DPにおける、ネスチン、STRO−1、ビメンチン、およびOct3/4の発現を示す。図5A〜5Hは、細胞リッチゾーン(図5Aから5C)、細胞不含ゾーン(図5D〜5F)および象牙芽細胞層(図5G〜5H)におけるネスチン発現を示す。A)多数のネスチン陽性細胞が観察可能である。ここで、および以下で、黒い矢印は、免疫陽性を示し、そして白い矢印は、免疫陰性細胞を示す。B)見かけ上、分化していないMSCが、ネスチン細胞質局在を示す。C)2つの別個の形態を持つネスチン陽性細胞:丸い上皮様(ES様)および線維芽細胞様細胞。D)神経叢における中間径フィラメント染色を示すネスチン。E)2つの強く染色されたネスチン陽性細胞を含む小さい毛細管。F)毛細管側面にネスチン陽性細胞(矢印)を持つ、E)と同じもの。G)およびH)ネスチン陽性象牙芽細胞が観察可能である。I)陰性対照:二次抗体のみを用いた。J)毛細管内部(血管周囲ニッチ)の細胞不含領域におけるSTRO−1陽性細胞。K)細胞不含ゾーンの神経叢内では非常に少数のSTRO−1免疫染色しか確認されなかった。L)およびM)細胞リッチ(L)および細胞不含(M)ゾーンにおけるビメンチン陽性(黒い矢印)細胞局在。N)〜Q)細胞リッチ(N)および細胞不含(O〜Q)ゾーンにおけるOct3/4陽性細胞局在。光学顕微鏡を用い、5A、5D、および5F〜5Pのスケールバー=20μm;ならびに5B、5C、および5Q=5μm。 図79は、IDPSCのEPおよびLPの特徴付けを示す。図6A1〜6F1)IDPSCのEPを示すフローサイトメトリー、これらはSH2/CD105(A1):SH3/CD73(B1);ネスチン(C1):ビメンチン(D1);フィブロネクチン(E1)などのマーカーを高発現した。F1)EPにおけるOct3/4の低発現;A2〜F2)IDPSCのLPを示すフローサイトメトリー、EPと同じマーカーを発現した。F2)F1におけるよりも、LPにおけるOct3/4のより高い発現。A3〜F3)(A2〜E2)におけるものと同じマーカーを用いる、IDPSCのLPの免疫蛍光。F3)Oct3/4の核局在が観察可能である。A3〜F3)落射蛍光、DAPI(青色)で染色された核。A3、B3、E3、およびF3に関するスケールバー=5μm、ならびにC3、およびD3に関するもの=10μm。 図80A〜Dは、関連しない4人のドナーから各々単離されたIDPSC集団におけるOct3/4の発現を示す。各集団におけるOct3/4陽性細胞の比率は、それぞれ、A)25%;B)47%;C)12%;D5%であった。 図81は、3つの別個の培地中での培養後の、IDPSCの増殖率および遺伝子発現を示す。A)凍結保存前のLPの増殖曲線。B)凍結保存後のLPの増殖曲線。C)凍結保存後のLPの遺伝子発現。 図82は、IDPSCのフローサイトメトリー発現プロファイルを示す。A〜B)ヒトES細胞マーカーに関するCD105およびCD73のIDPSC陽性免疫染色。C)〜D)適切な陰性IgG1対照。E)〜G)IDPSCによる、内皮および造血マーカー、例えばCD34、CD45およびCD43の発現の欠如。H)CD13に関する陽性免疫染色。フィコエリトリン(PE)およびFITCコンジュゲート化二次抗体を用いた。 図83は、IDPSCのフローサイトメトリー発現プロファイルを示す。A〜B)IDPSCによるHA−DRおよびHLA−ABC発現の欠如。C〜H)CD44(86%)、CD117(80%)、CD90(100%)、CD29(99.5%)、ネスチン(99.2%)、およびビメンチン(95.6%)に関する陽性免疫染色。 図84は、IDPSCのフローサイトメトリーおよびRT−PCR分析を示す。A〜E)神経栄養因子BNDF(脳由来神経栄養因子)、GNDF(グリア細胞株由来神経栄養因子)、NGF−β(神経成長因子)、NT−3(ニューロトロフィン−3)、NT−4/5(ニューロトロフィン−4/5)に関するフローサイトメトリー発現プロファイル。F)IDPSCによるp75のフローサイトメトリー発現プロファイル。G)IDPSCにおける神経栄養因子およびp75の発現の逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析。レーン1−cDNAテンプレート;レーン2−陰性対照、逆転写酵素なし;レーン3−陰性対照、テンプレートなし。H)p75発現のRT−PCR分析;GAPD−ハウスキーピング遺伝子。 図85は、角膜縁幹細胞および角膜上皮に対するヒト特異的抗体での陽性免疫染色を示す、未分化ヒトIDPSCを示す。A)hIDPSC核局在におけるp63(緑色)での免疫陽性反応;B)DAPIで染色した核とp63染色の合併画像;C)インテグリンβ1は膜における局在を示す;D)中間径フィラメントであるビメンチンの染色;E)細胞膜におけるコネキシン43の染色;F)形質膜におけるABCG2染色;G)K3/12抗体での染色は、弱い陽性免疫染色を示した;H)hIDPSCの陰性対照の一次抗体でのインキュベーションを省略し、そしてhIDPSCを二次抗体とインキュベーションした。A)に関して共焦点顕微鏡を用い、D)〜G)に関して蛍光顕微鏡(Fcm)を用い、そしてH)に関して、Fcm+示差干渉コントラスト(Epi+DIC)を用いた。DAPIで染色された核は青色で示される。スケールバー=50μm。I)hIDPSCにおける角膜縁幹細胞マーカーの発現のRT−PCR分析:レーン1、ラダー100bp;レーン2、ヒト角膜組織;レーン3、ヒト角膜縁組織;レーン4、hIDPSC。RT−PCR分析は、hIDPSCにおけるABCG2、コネキシン43およびK12 mRNAの存在を立証し、K3のものはhIDPSC中には見出されなかった。 図86は、IDPSCにおけるES細胞マーカーの発現を示す。A)Oct3/4、Nanog、SOX2、およびp53の発現の逆転写−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)分析。B〜C1)核局在を伴う、hIDPSCにおけるOct3/4およびNanog(緑色)との免疫陽性反応;B1およびC1)DAPIで染色された核を示す、合併画像。倍率100X。D)ヒト上皮幹細胞(hESC)に比較した、IDPSCにおけるOct3/4、Nanog、SOX2の相対的発現パーセントを示す、定量的PCRアッセイ。 図87Aは、乳歯(DL−1およびDL−4)および第三大臼歯(DL−2)から単離されたhIDPSCより増幅されるビメンチン、テネシン−C、1型コラーゲン、およびフィブロネクチンに関する、RT−PCR産物を含む、アガロースゲルの画像を示す。 図87Bは、図87Aに示すバンドの密度計分析を示す。 図88は、DL−1細胞(乳歯から単離されたhIDPSC)における(A)ビメンチン、(B)1型コラーゲン、(C)フィブロネクチン、および(D)テネシン−Cの代表的な免疫蛍光画像を示す。(A)ビメンチンは、中心体から分岐して、細胞の末梢ドメインに到達する、フィラメントの波打つ束のように見える。(B)I型コラーゲンは、細胞質全体に広がるドットとして現れ、核周囲領域の周りでより高い濃度を持つ。フィブロネクチン(C)ならびに、テネシン−C(D)は、細胞質全体に均質に分布する小さいドットとして現れる(元来の倍率:400X)。 異なるドナーから単離された2つの独立のIDPSC集団において、図89A〜Bは、p53発現の定量化を示し、そして図89C〜Dは、CD44発現の定量化を示す。p53は、2つの集団のIDPSC細胞の99.5%および99.4%で発現され、一方、CD44は、2つの集団のIDPSC細胞の98.5%および98.6%で発現された。 図90は、多様なサイクル後の、IDPSCにおけるSOX2タンパク質発現を示す。図90aは、15サイクルの機械的トランスファー後、ならびにin vitro培養後、継代2(A)および5(B)の、IDPSCにおけるSOX2タンパク質発現を示す。図90A1および90B1は、SOX2の細胞継代依存性細胞内局在を示す:A1−核、A2−核周囲。図90bは、45サイクルの機械的トランスファー後、ならびにin vitro培養後、継代2(A)および5(B)の、IDPSCにおけるSOX2タンパク質発現を示す。 図91aは、hIDPSC由来ニューロンの後期集団(LP)におけるSOX1およびβ−チューブリンタンパク質の発現を示す。A.DAPIで染色されたニューロンの核(白い矢印);A2.ニューロンの核(白い矢印)において観察されたSOX1の陽性免疫染色;A3、β−チューブリンに関する陽性免疫染色;A3.合併画像A〜A2;A4.A3における挿入図の大拡大によって、ニューロンの核(白い矢印)中のDAPIおよびSOX1の重ね合わせを示す。落射蛍光、スケールバー=5μm。図91b〜eは、15、30および45サイクルの歯髄機械的トランスファーおよび神経分化誘導後の、神経前駆体およびニューロンで、hIDPSCのLPの濃縮を示す。A.SOX1陰性細胞の割合、DAPI(青色)のみで染色された核。SOX1陽性細胞は緑色で示される。B.β−チューブリン陰性細胞の割合、DAPI(青色)のみで染色された核。β−チューブリン陽性細胞は赤色で示される。 図92aは、抗BrdU抗体で陽性に免疫染色されるIDPSC神経芽細胞の核、およびβ−チューブリン・クラスIIIと陽性に反応するニューロン体を示す。図92b〜cは、DP機械的トランスファーの増大するサイクル数後、わずかに分化した神経芽細胞を含む、分化したIDPSC集団の濃縮を示す。 図93aは、15、30および45サイクルの歯髄機械的トランスファーおよび神経分化誘導後の、神経前駆体およびニューロンを含む、hIDPSCのLPの濃縮を示す。BrdU陽性細胞は赤色を示し、そしてSOX2は緑色の核を示し、DAPI(青色)でもまた染色される。図92bは、DAPI(青色)で染色された核に関連づけて示される、BrdUおよびSOX2陽性細胞の割合を示す。 図94aは、Cimadamoreら、2011の図解の要約を示す。図94bは、本明細書に開示する態様の要約を示す。 図95は、ニューロスフェアおよびロゼットを形成する、IDPSC由来神経芽細胞における神経マーカーの同時発現を示す。A)神経分化の方に向かうように誘導された、IDPSC由来神経芽細胞内のRAR−アルファ発現(緑色)。B)およびC)は、それぞれニューロスフェアおよび分化したニューロンにおけるCD271(P75)の発現。D)ベータ−3−チューブリナ発現。C)NeuN抗体、ニューロスフェアにおける核局在。F)、G)およびH)ダイニン−Lis1−Nde1複合体発現。I)およびJ)それぞれ、ミエリンP2およびO4発現。K)シナプトフィジン発現。L)CD146発現およびM)対照。スケールバー=10μm、DAPIで染色した核(青色)。 図96は、初期および後期継代で、in vitro培養されたLP IDPSCの雄性核型を示す。 図97は、病原性が異なるMtbおよびウシ結核菌(M.Bovis)にi.t.感染させたC57Bl/6マウスの肺細胞によるサイトカイン産生に対するIDPSC i.p.接種の影響を示す。 図98は、智歯歯髄組織およびCD105に関する免疫組織化学染色を示す。A.組織の全体の側面、HE染色;矢印は血管周囲ニッチを示し、そして星は神経叢を示す。陰性対照反応では、二次抗体のみを用いた。B.血管周囲(黒い矢印)および血管叢(オレンジ色の矢印)で観察されるCD105に関する陽性染色。C、D、FおよびG、さらにはBにおいて、より高い倍率である。H.CD105に関する陽性染色−神経叢。ヘマトキシリンおよびエオジン(HE)での対比染色。 図99は、智歯歯髄組織、ならびにCD73−SH3およびSH4に関する免疫組織化学染色。A.組織の全体の側面、HE染色、矢印は血管周囲ニッチを示す。B、C.血管(黒い矢印)および血管周囲(オレンジ色の矢印)で観察されるSH3に関する陽性染色、D−神経叢、神経細胞は同様である。E、F−SH−4に関する非常に弱い染色。 図100は、智歯歯髄組織、およびN−カドヘリン(AC)、ABCG2(D、E)およびNanog(F)に関する免疫組織化学染色を示す。A.組織の全体の側面、HE染色、N−カドヘリンに関する陽性染色。B、C.血管周囲ニッチ(黒い矢印)(B)および周皮細胞の部位(オレンジ色の矢印)(C)で観察されるN−カドヘリンに関する最大に増加した陽性染色。D、E、ABCG2の陽性発現は、膜上の位置を示す(黒い矢印)。F. Nanog−転写因子に対する陽性染色、ABCG2、細胞質局在と比較してより強くはない(黒い矢印)。 図101は、CD105+および+CD73/SH3およびN−カドヘリンに関する免疫組織化学染色の歯髄組織智歯比較分析を示す。A.組織の全体の外見、HE染色、CD105+をマークする。B.ファブリックの全体の外見、HE染色、CD73/SH3+をマークする。C.(A)におけるのと同じ、より大きい増加。血管周囲ニッチ:黒い矢印は内皮細胞を示し、赤い矢印は周皮細胞を示す。D.C.においてさえ、(B)の増加がより大きい。血管周囲ニッチ:黒い矢印は内皮細胞を示す。そしてN−カドヘリンに関しては陽性発現。赤い矢印は周皮細胞の位置を示し、黒い矢印は内皮細胞を示す。 図102は、CD105に関して免疫陽性である細胞の線維芽細胞様形態(A)、および複製された(facsimile)CD73/SH3+に関して免疫陽性である神経細胞を示す。黒い矢印。 図103は、ヒトIDPSCの皮下適用後、細胞塊および/または奇形腫の形成を伴わない、ヌードマウスの背側領域を示す。 図104は、第三大臼歯を示す。 図105は、多数の患者投薬のため、臨床的に適切な量を得るための、LP法によるhIPDSCの産業的スケールアップのためのバッチ放出プロセスの例示的なフローチャートを示す。
すべての刊行物、特許および特許出願は、いかなる図および付録も含めて、各個々の刊行物または特許出願が、特に、そして個々に、本明細書に援用されると示されるのと同じ度合いで、本明細書に援用される。
以下の説明には、開示の側面を理解する際に有用でありうる情報が含まれる。本明細書に提供する情報のいずれも、先行技術であるかまたは現在請求される発明に適切であるとの、あるいは特にまたは暗に言及されるいかなる刊行物も先行技術であるとの、承認ではない。
本文書において、本明細書にそして請求項に用いられるような、動詞「含む」およびその活用は、限定されない意味で用いられ、その語に続く項目が含まれるが、特に言及されない項目が排除されないことを意味する。さらに、不定詞「a」または「an」による要素への言及は、1つの、そして1つのみの要素が存在することを、文脈が明らかに必要としない限り、要素の1より多くが存在する可能性を排除しない。不定詞「a」または「an」は、通常、「少なくとも1つ」を意味する。
本明細書において、用語「Matrigel」は、多くの組織に見られる複雑な細胞外環境に似せる、Engelbreth−Holm−Swarm(EHS)マウス肉腫細胞によって分泌されるゼラチン性タンパク質混合物を指す。
「採取サイクル」は、IDPSCの接着およびアウトグロース(outgrowth)後、新規細胞培養容器へのDPのトランスファー、その後の保存(例えば凍結保存)および/またはIDPSCのアウトグロース物の継代培養を構成する。
本明細書において、「低酸素条件」は:
(i)最大約0.5%〜1%、または最大約0.5%〜15%の間の酸素(O);
(ii)約0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%または2%または5%の酸素(O);
(iii)約0.1%〜2%の間の酸素(O);あるいは
5〜7%のCOを含む(i)、(ii)または(iii)のいずれか
を含むかまたはこれらに同等の培養条件下で、細胞を培養することを含む。
本明細書において、用語「幹細胞」は、未成熟の非特殊化細胞であって、特定の条件下で、成熟した機能性細胞に分化可能である前記細胞を指す。
本明細書において、用語「hIDPSC」は、限定されるわけではないが、中枢および末梢神経系由来の細胞、例えばニューロン、星状細胞、神経節細胞、および/またはオリゴデンドロサイトを含む、広範囲の細胞タイプに分化可能な、未分化幹細胞を指す。
本明細書において、用語「LP」は、少なくとも15サイクルの多数回DPトランスファー後のIDPSCを指す。用語「EP」は、DP摘出直後に単離されたIDPSCを指す。
本明細書において、用語「細胞培養」または「培養細胞」は、人工的なin vitro環境において維持され、培養され、または増殖される、細胞または組織を指す。
本明細書において、用語「多能性」は、任意の成体細胞を形成する能力を有する、前駆細胞を指す。
本明細書において、用語「未分化」は、分化した細胞から区別する、未分化細胞の形態学的特徴を示す培養細胞を指す。
本明細書において、用語、細胞の「実質的に均質な」集団は、細胞総数の大部分(例えば約50%〜約90%)が関心対象の明記する特性(例えばSOX1、SOX2、およびベータ・チューブリンの発現)を有する細胞集団を指す。
本明細書において、用語「同時発現」は、同じ細胞集団における、好ましくは同じ細胞中/上の、2またはそれより多い分子マーカー、例えばSOX1およびSOX2、およびベータ−3−チューブリンの同時検出を指す。
本明細書において、用語「(細胞)培養維持」、「増殖」、「伝播」、「拡大」、および「成長」は、細胞数の増加を伴う、細胞または細胞集団の連続した生存を指す。
本明細書において、歯髄(DP)in vitro培養、IDPSC単離および拡大に関して、用語「長期」(LT)は、15より多い、好ましくは>25のIDPSCの多数回の採取サイクル、より好ましくは25〜60サイクル、そしてより好ましくは15〜45サイクルおよびそれより多くに関するDPの培養、すなわち「後期集団」(LP)を指す。
本明細書において、細胞培養および拡大に関して、用語「大規模」は、DPからの単離、および少なくとも、各非酵素的採取サイクル後に細胞が倍加することを可能にする条件下でのSCの培養を指す。
本明細書において、用語「神経前駆細胞」は、CNSおよびPNSの1より多い細胞タイプに分化することが可能な子孫を産生可能な、幹細胞由来の細胞を指す。
本明細書において、用語「神経保護因子」、「神経成長因子」、または「ニューロトロフィン」は、限定されるわけではないが、NGF、BDNF、NT3、NT4より選択される、神経発生を支持する因子を指す。
本明細書において、用語「神経バイオマーカー」SOX1(性決定領域Y−ボックス1を指す)は、初期中枢神経系発生に関与する転写因子を指す。SOX1は、特に、腹側線条体で発現されうる。
本明細書において、用語「SOX2」は、胚性神経上皮の自己再生性および多分化能幹細胞によって発現される転写因子である、神経前駆体および幹細胞性マーカーを指す(9)。SOX2は、成体ラット脳において、神経発生領域において、活発に分裂中の神経前駆細胞によって発現される可能性があり、そしてまた、脳実質に広く分布する、グリア線維性酸性タンパク質免疫陽性アストログリアによってもまた発現されうる(10)。SOX2はまた、Oct4と組み合わせて、多能性のための必須転写因子としても知られる(Ivanonaら, Nature 442:5530538(2006);マウスから人工多能性幹細胞を調製する方法もまた知られる(TakahashiおよびYamanaka, 2006)。iPS細胞の誘導には、典型的には、Soxファミリー由来の少なくとも1つのメンバーおよびOctファミリー由来の少なくとも1つのメンバーの発現またはこうしたメンバーへの曝露が必要である。
本明細書において、用語「クラスIII β−チューブリン」、「ベータ3−チューブリン」、「微小管会合タンパク質2(MAP2)、またはニューロフィラメント」は、初期ニューロン前駆体のニューロン表現型マーカーに特徴的な、ニューロンにおいてもっぱら発現され、そして特異的ニューロンプロモーターとして働く微小管要素を指す。
本明細書において、用語「ブロモデオキシウリジン」(5−ブロモ−2’−デオキシウリジン、BrdU)は、生存組織において、増殖中の細胞の検出に用いられる合成ヌクレオシドを指す。BrdUは、複製中の細胞の新規に合成されるDNA内に取り込まれうる(細胞周期のS期中)。次いで、BrdUに特異的な抗体を用いて、取り込まれた化学薬品を検出し、こうして、DNAを活発に複製している細胞を示すことも可能である。BrdUは、複製に際して娘細胞に渡されうる。BrdUは、注入後、2年に渡って検出可能であることが示されてきている。
本明細書において、用語「行動試験」および/または「認知機能」は、情報収集および/またはプロセシング;情報および/またはアイディアの理解、類推、および/または適用;情報の特定;問題解決に関連する動物またはヒト被験体の精神機能、ならびにアイディアおよび/または情報の学習、知覚、および/または認知などの精神機能を指す。認知機能は、認知機能に関する1またはそれより多い試験またはアッセイ、例えば妥当な診断試験および/またはコンピュータ化認知試験を通じて定義されうる。
本明細書において、用語「変性障害」には、細胞死または機能不全が存在するいかなる疾患も含まれる。変性障害の例には、限定されるわけではないが、神経変性障害、心臓機能不全、不妊、腎不全、皮膚疾患、自己免疫疾患、糖尿病、網膜および他の眼科学的疾患、ならびに過剰増殖性障害、例えば癌が含まれる。
本明細書において、用語「神経形成」は、in vivoまたはin vitroの神経細胞の増殖、遊走、分化、および/または生存を指す。
いくつかの開示の文脈において、用語「神経変性障害」は、中枢または末梢神経系の細胞が失われる疾患と定義される。神経学的および/または神経変性障害の例は、脊髄傷害、頭蓋内または椎間病変であり、これには限定されるわけではないが、脊髄の打撲、貫通、剪断、圧迫または裂傷病変、あるいは鞭打ち様揺さぶられっ子症候群が含まれる。
本明細書に提示する開示の文脈において、神経学的障害にはまた、虚血事象、あるいは虚血または虚血性障害が含まれ、これらは、細胞または組織における低酸素の任意の局所的または局部的状態と定義可能であり、通常、例えばこの領域の血管の遮断または閉塞によって引き起こされる、不適切な血液供給(循環)によるものである。
低酸素症は、低酸素症および/または虚血におけるような急性傷害を引き起こす可能性もあり、これには、限定されるわけではないが、脳血管機能不全、脳虚血または脳梗塞(塞栓性閉塞および血栓症から生じる脳虚血または梗塞を含む)、網膜性虚血(糖尿病またはその他)、緑内障、網膜変性、多発性硬化症、虚血性視覚性ニューロパシー、急性脳虚血後の再灌流、周産期低酸素虚血傷害、または任意のタイプの頭蓋内出血(限定されるわけではないが、硬膜外、硬膜下、クモ膜下または脳内出血)が含まれる。
いくつかの側面にしたがって、本明細書の開示のIDPSCは、新規タイプの、本明細書において、「混合最大能力」と称する能力を示した。混合最大能力は、間葉系幹細胞(MSC)の多分化能特性(IDPSCの約99%がMSCマーカーを所持する)、ヒト多能性幹細胞(hPSC)の多能性特性(最大30%)、神経上皮(neuropepithelial)幹細胞マーカー濃縮(90%、ネスチン発現は細胞の95%にある)、および他の方法によって得られるDPSCと対照的な比較的低いSTRO発現の混合である。長期培養(LP)下で得られる単離IDPSC集団のこうした混合最大能力組成物は、神経上皮分化に向かう再生特性の相乗効果を生じる。さらに、IDPSC集団のこうした混合最大能力組成物は、高い拡張可能性および安全性(免疫適合性および腫瘍形成の低リスク)によって特徴付けられる。
本明細書に記載するのは、巨大な神経幹および血管を含有する、歯冠歯髄および歯根歯髄の中央領域に位置するニッチから単離された、ヒト未成熟歯髄幹細胞の混合集団の特徴的なパターンおよび特性である。より具体的には、この領域は、歯髄層の最も内部であると同定可能であり、これは細胞リッチゾーンであり、そして血管と密接に関連する線維芽細胞および未分化幹細胞を含有する。新規未成熟歯髄幹細胞表現型を記載し、そしてこれは、胚性、間葉系、角膜縁およびニューロン/神経上皮幹細胞の目印の発現によって特徴付けられる。IDPSCは、三胚葉である内胚葉、外胚葉および中胚葉の派生物を産生することも可能である。
発生中、および成体生物において、幹細胞は、幹細胞ニッチと呼ばれる、特殊な微小環境に見出されうる。ニッチは、特殊な解剖学的部位であり、幹細胞と相互作用する。幹細胞ニッチは分化を防止し、そしてこうしてその運命を制御すると仮定される。胚発生中、ニッチ因子が胚性幹細胞に対して作用して、増殖または分化を誘導する。これらの変化は、遺伝子改変および特異的タンパク質発現のために起こり、胎児の発生および全生物の形成を導く。ヒトの人生の出生後の期間中、特に小児期、幹細胞ニッチは、完全な発生に必要な特殊化細胞を連続して産生する。成体生物において、ニッチは、成体幹細胞を静止状態で維持する。幹細胞活性化は、組織傷害に反応して、周囲の微小環境が幹細胞にシグナルを送り、自己再生、増殖、および分化を促進して、損傷を受けた組織を回復する際に起こる。ニッチ内の幹細胞の振る舞いを制御する際には、いくつかの因子が関与する。第一に、幹細胞間の細胞−細胞相互作用、ならびに幹細胞および隣接する分化した細胞の間の相互作用、幹細胞および接着分子の間の相互作用、細胞外マトリックス構成要素、酸素圧、成長因子、サイトカイン、ならびにpH、イオン強度(例えばCa2+濃度)、およびATPのような代謝産物を含む環境の物理化学的性質もまた重要である。幹細胞およびニッチの間のこうした相互作用は、発生中に起こり、そして成人期の間、維持される。
成体生物において、骨髄の造血幹細胞は、骨内膜下(subendoosteal)骨芽細胞、類洞内皮細胞および骨髄間質細胞、例えば線維芽細胞、単球および脂肪細胞で構成されるニッチを有する。腸内幹細胞ニッチは、上皮下線維芽細胞/筋線維芽細胞ネットワークによって構成され、腸内陰窩を取り巻く。こうした幹細胞ニッチはすべての成体組織中に見出されうる。in vivoの幹細胞ニッチに関する知識は、細胞培養in vitro条件を発展させ、そして単離後の細胞幹細胞性を保持するのを補助するため、非常に関連する。異なる組織内のこうしたニッチの同定、ならびにその構成要素および機能の発見は、再生療法に必須である。この知識は、多様な構成要素に関する情報を提供し、これは、療法のために患者に再度導入する前に、十分な量の適切な細胞タイプを提供するため、フラスコ中またはプレート中で制御しなければならない、幹細胞in vitro増殖、拡大および分化中の細胞増殖および分化に重要である。成体幹細胞は、成体の一生の間、未分化状態で維持される。しかし、これらをin vitroで培養する際、これらはしばしば、形態が変化し、そして増殖能が減少する「加齢」プロセスを経る。成体幹細胞が、長期に渡って幹細胞性を維持可能であるように、成体幹細胞の正しい培養条件を改善することが必要である。
歯冠は歯冠歯髄を含有する。歯冠歯髄は、6つの表面:咬合面、近心面、遠位面、頬側面、舌面、および床面を有する。象牙質が連続して沈着するため、歯髄は年齢とともに小さくなる。これは、歯冠歯髄全体で均質ではなく、上部(roof)または側壁よりも床面でより迅速に進行する。歯冠および歯根歯髄の中央領域は、大きな神経幹および血管を含有する。この領域は、末梢で、特殊な象牙質生成領域によって裏打ちされ、この領域は3つの層(最も内部から最も外部)を有する。最も内部の歯髄層は、細胞リッチゾーンであり、血管と緊密に関連する、線維芽細胞および未分化間葉系幹細胞を含有する。
幹細胞ニッチの同定はまた、ヒト胚性幹細胞に類似のユニークな特性を持つ、成体幹細胞の均質な集団の単離を補助し、したがって、その単離にいかなる倫理的な考慮も伴わない。こうした成体幹細胞は、再生医学の有望な供給源であり、そしてこれらが単離のために遺伝子操作または前選択法の使用を必要としない正常な細胞であるため、最近記載される人工多能性幹細胞に比較した際に利点を有する。
1つの態様において、組成物は、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の単離集団を含み、ここで、IDPSCの少なくとも50%がp75神経上皮マーカーを発現する。いくつかの態様において、IDPSCの少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%がp75神経上皮マーカーを発現する。
別の態様において、本発明は、IDPSCの単離集団を含む組成物を提供し、ここで、IDPSCの少なくとも50%がp53腫瘍抑制マーカーを発現する。いくつかの態様において、IDPSCの少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%がp53腫瘍抑制マーカーを発現する。
1つの側面において、IDPSCの50%未満が、CD13およびCD31より選択されるマーカーを発現する。別の側面において、IDPSCの45%未満、40%未満、35%未満、30%未満、25%未満、20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満が、CD13およびCD31より選択されるマーカーを発現する。1つの態様において、IDPSCは、CD34、CD43、およびCD45マーカーに関して陰性である。
CD13は、骨髄系譜に拘束される細胞の初期マーカーの1つであり、そして正常な造血および骨髄細胞機能には不要である。血管形成に重要な機能性の役割を果たし、そして血管形成の必須の制御因子と同定される。非造血細胞において、CD13は、内皮細胞、上皮細胞、特定の腎領域、脳細胞、骨髄、破骨細胞に見られた。細胞外ペプチダーゼとして、CD13は、小さいペプチドのN末端から単一の中性アミノ酸を切断するよう機能する。例えば、脳において、CD13はオピオイドペプチドおよびエンケファリンを切断して、神経シグナル伝達を制御し、そして腸において、ペプチドを切断してアミノ酸吸収を促進する。CD31はまた、血小板内皮細胞接着分子(PECAM−1)としても知られる。
別の態様において、IDPSCの少なくとも50%が、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、ニューロトロフィン−4(NT4)、およびニューロトロフィン−5(NT5)より選択される神経栄養因子を産生する。あるいは、IDPSCの少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%が、BDNF、GNDF、ベータ−NGF、NT3、NT4、およびNT5より選択される神経栄養因子を産生する。
脳において特異的に発現され、そしてin vivoおよびin vitroでの神経発生に影響を及ぼす成長因子には、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア由来神経栄養因子(GNDF)、および毛様体神経栄養因子(CNTF)が含まれる。BDNFは、NSC、ヒト上衣下細胞、およびニューロン前駆体のニューロンへのin vitro分化を促進し、そしてin vivoで海馬(hippocarnal)幹細胞の神経突起アウトグロースを促進する、神経成長因子ファミリーのメンバーである。BDNFおよびEGFのチロシンヒドロキシラーゼ陽性ニューロンへの排他的分化が見られてきている。GDNFは、TGFスーパーファミリーのメンバーである。初期神経形成において、GDNFは、前側神経外胚葉において発現され、神経発生において、重要な役割を果たしうることが示唆される。GDNFは、末梢神経および筋肉における運動ニューロンの生存を促進し、そして神経栄養および分化能を有する。
特定の側面において、IDPSCの少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%が、ネスチンを発現する。他の側面において、IDPSCの20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満がOct3/4を発現する。
1つの態様において、表現型的に均質な、単離ヒト出生後IDPSCの多系譜集団は:
(a)IDPSCの少なくとも80%が、ネスチン、p75、ATP結合カセットサブファミリーGメンバー2(ABCG2)、p63、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、NT4、およびNT5より選択されるマーカーを発現する、神経上皮幹細胞プロファイルIDPSC;ならびに
(b)IDPSCの20%未満が、STRO−1およびCD146より選択されるマーカーを発現する、周皮細胞プロファイルIDPSC;
(c)集団の少なくとも80%が、CD105、CD73、CD90、CD29、CD44、CD117、ビメンチン、フィブロネクチン、アルカリホスファターゼ(ALP)、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、テネシン−C、マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)、MMP−2、MMP−9、シンデカン1(SDC1)、SDC2、SDC3、SDC4、p53、および1型コラーゲンより選択されるマーカーを発現する、間葉系幹細胞プロファイルIDPSC;
(d)IDPSCの2%〜30%が、Oct3/4、SOX2、Nanog、TRA1−60、TRA1−81、およびSSEA4より選択される少なくとも1つのマーカーを発現する、多能性幹細胞プロファイルIDPSC;ならびに
(e)IDPSCがHLA−ABCおよびHLA−DR主要組織適合性(MHC)抗原に関して陰性である、間葉系幹細胞プロファイルIDPSC
の多機能分子プロファイルによって特徴付けられる。
HLA(ヒト白血球抗原)は、元来、HLAミスマッチドナーにおいて組織移植拒絶を生じる移植片対宿主病を仲介する、細胞表面抗原と定義された。テネシンは、胚性組織において、そして組織修復プロセス中に豊富である。
いくつかの態様において、IDPSCの少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、または少なくとも95%が、ネスチン、p75、ATP結合カセットサブファミリーGメンバー2(ABCG2)、p63、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、NT4、およびNT5より選択されるマーカーを発現する。
他の態様において、IDPSCの20%未満、15%未満、10%未満、または5%未満が、STRO−1およびCD146より選択されるマーカーを発現する。いくつかの側面において、IDPSCの2%〜30%またはその中の任意の範囲(例えば5%〜30%、10%〜30%、2%〜10%、2%〜20%)は、Oct3/4、SOX2、Nanog、TRA1−60、TRA1−81、およびSSEA4より選択される、少なくとも1つのマーカーを発現する。
別の側面において、組成物は、単離ヒト出生後IDPSCの表現型的に均質な多系譜集団を含み、ここで、ヒト出生後IDPSCの前記集団は、低酸素条件下で、少なくとも10の採取サイクルに渡って培養したDPからのアウトグロースとして得られる。
特定の態様において、酵素処理を伴わずに、LP IDPSCを機械的にトランスファーする。これは、DPを保持し、そしてIDPSCの低酸素誘導性多系譜志向を可能にする。
いくつかの態様において、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ビトロネクチン、ポリリジン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、エンタクチン、またはその組み合わせを含む細胞外マトリックス(ECM)基質と、IDPSCを培養する。ECM基質はMatrigelであってもよい。
IDPSCは、少なくとも5回の採取サイクル、少なくとも10回の採取サイクル、少なくとも15回の採取サイクル、少なくとも20回の採取サイクル、少なくとも25回の採取サイクル、少なくとも30回の採取サイクル、少なくとも35回の採取サイクル、少なくとも40回の採取サイクル、少なくとも45回の採取サイクル、少なくとも50回の採取サイクル、少なくとも55回の採取サイクルまたは少なくとも60回の採取サイクルで培養したDPからのアウトグロースとして単離可能である。
IDPSCは、乳歯、永久歯、および第三大臼歯より選択される歯由来の歯髄(DP)から単離可能である。
いくつかの側面にしたがって、本開示はまた、IDPSCの単離集団を産生する方法も提供する。この方法によって提供されるユニークな利点は、IDPSCの産生をスケールアップする能力、およびその結果のIDPSCの臨床的有用性に関する。幹細胞を用いた中枢神経系(CNS)臨床試験で用いられる細胞の公表される療法用量は、用量あたり、10x10〜10x10細胞の範囲である。
1つの態様において、IDPSCの5〜10継代後に生成される細胞の平均数は、以下の通りである。
5x10細胞から出発し、酵素消化した後、5継代後に、3x10 IDPSCが産生され、そして10継代の後、IDPSCの5x10細胞が生じるであろう。1つの歯髄(DP)は、15採取サイクル後(採取サイクルが約3日ごとに1回生じた場合、約1.5ヶ月)、酵素処理を伴って培養したEP IDPSCを用いて、5回目の継代で5x1012 IDPSCを生じるであろう。LP IDPSCおよび酵素処理を伴わない機械的トランスファーを用いると、15回の採取サイクル後、5回目の継代で約3x1013 IDPSCが生じるであろう。LP IDPSCおよび酵素処理を伴わない機械的トランスファーを用いると、30回の採取サイクル後、さらに3x1013 IDPSCが生じ、そして50回の採取サイクル後、さらに5x1013 IDPSCが生じるであろう。
該方法のさらなる利点は、外植片培養によってDPから単離される細胞の増殖率が一定に維持され、そして通常、各3〜4日間で4倍になることである。酵素処理を用いてDPから単離される細胞の増殖率は、通常、各3〜4日間で3倍である。
1つの態様において、本開示は:
(a)歯からDPを摘出し;
(b)無菌容器中にDPを入れ、そして抗生物質を含む無菌溶液でDPを洗浄し;
(c)場合によって、抗生物質を含む無菌溶液を取り除き、そしてDPを基本培地中で細かく刻み;
(d)DPを、培地を含む別の容器内に、機械的にトランスファーし;
(e)IDPSCのアウトグロースおよび接着が観察されるまでDPを培養し;そして
(f)DP内の多数ニッチからIDPSCのアウトグロースおよび接着を可能にするように、少なくとも5回、工程(d)および(e)を反復する
工程を含むIDPSCの単離集団を産生する方法を提供する。
DPの培養は、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも10日間または少なくとも15日間続けてもよい。工程(d)および(e)を少なくとも10回、少なくとも15回、少なくとも20回、少なくとも25回、少なくとも30回、少なくとも35回、少なくとも40回、少なくとも45回、少なくとも50回、少なくとも55回または少なくとも60回反復してもよい。
DP外植片を、培地を含む別の容器内に機械的にトランスファーする前に、DPを凍結保存し、そして融解してもよい。いくつかの側面において、コロニー形成能は、凍結保存前および後の両方で保持される。凍結保存の前および/または後のコロニー形成能の効率は、75%より大きく、80%より大きく、85%より大きく、90%より大きく、95%より大きく、96%より大きく、97%より大きく、98%より大きく、または99%より大きい。
本開示の方法は、プロテアーゼ処理を伴いまたは伴わず、IDPSCの継代培養への継代を含むことも可能である。継代培養を最大10回、最大9回、最大8回、最大7回、最大6回、最大5回、最大4回、最大3回、最大2回、または最大1回、反復してもよい。
いくつかの態様において、約3日間のDPの培養は、少なくとも1x10 IDPSC、少なくとも2x10 IDPSC、少なくとも3x10 IDPSC、少なくとも4x10 IDPSC、少なくとも5x10 IDPSC、少なくとも6x10 IDPSC、少なくとも7x10 IDPSC、少なくとも8x10 IDPSC、少なくとも9x10 IDPSC、または少なくとも1x10 IDPSCの単離集団を生じる。
特定の側面において、培地は、DMEM/F12培地またはMEM−アルファ培地である。培地に約5%〜約20%のウシ胎児血清、約1%の非必須アミノ酸、約1%のL−グルタミンまたはL−グルタミン代替物、および約1%の抗生物質を補充してもよい。
本開示の側面はまた、本明細書に開示する方法いずれかによって生成されるIDPSCの単離集団も含む。
いくつかの態様において、開示する方法の幹細胞は、歯髄幹細胞である。歯髄幹細胞は、歯の象牙質内部の歯髄組織中に存在し、そして歯髄、象牙質等に分化することが可能である(主に象牙芽細胞に分化可能)、体性幹細胞の一種である。(i)歯科矯正治療において便宜上、摘出された歯から、または歯周疾患等のため摘出された歯から、あるいは(ii)歯科矯正治療において、便宜上、または智歯歯周炎等の治療で摘出された智歯(第三大臼歯としても知られる)から、歯髄組織を摘出することによって、歯髄幹細胞を得ることも可能である。
歯髄組織を保持する任意の歯を、歯髄幹細胞の供給源として用いることも可能であるが、高い増殖能を持つ歯髄幹細胞が豊富な歯を選択することが好ましい。
歯髄幹細胞の1つの適切な供給源は、歯科矯正の目的のために摘出される智歯を有する若者(例えばヒトにおいて、約12〜16歳)の智歯に由来する歯髄組織である。これらの年齢の智歯はなお、歯科分化の最初の段階中の歯根形成のただ中にあり、そして高い存在量の歯髄組織、比較的高密度の歯髄幹細胞、およびこれらの増殖の非常に高い潜在能力によって特徴付けられる。
智歯は、ときに、他の年齢群で歯科矯正目的のために摘出されるため、そしてまた、歯髄組織は、便宜上、摘出される智歯以外の歯からも得られうるため、これらの摘出歯の利用可能性は高い。
歯髄幹細胞の他の潜在的な供給源には、歯周病の治療のために摘出される歯、智歯歯周炎のために摘出される歯等が含まれる。この場合、混入のリスクが増加し、そして得られる歯髄組織の量がより少ないという不都合な点がある。しかし、成人(特に高齢者)から、これらの歯を得るのが容易であるため、これらの細胞から分化させる細胞または組織の自家移植が望ましい場合、これらの材料は、歯髄幹細胞の主要供給源として働きうる。
本発明で使用可能な歯髄幹細胞は、哺乳動物を含む、任意の動物種に由来してもよい。歯髄幹細胞は任意の動物種から収集可能であるが、得た幹細胞をヒト再生医薬のために用いる場合は、移植拒絶が存在しないため、患者から、または同じタイプのヒト白血球抗原(HLA)を共有する別のヒトから、歯髄幹細胞を収集することが特に好ましい。幹細胞をヒトに投与(すなわち移植)せず、例えば患者の薬剤感受性および不都合な薬剤反応の存在または非存在を決定するスクリーニングのための細胞供給源として用いる場合、患者から、または薬剤感受性および不都合な薬剤反応に相関する、同じ遺伝子多型を共有する別のヒトから、歯髄幹細胞を収集しなければならない。
歯科組織からMSC/周皮細胞を単離し、そして乳歯および他の歯科供給源から幹細胞を保持するためのこの新規および革新的アプローチの潜在能力を活用するため、多様な企業が歯のバンキングを設定している。米国において、StemSave、BioEdenおよびStore−A−Toothが歯の幹細胞バンキングに関与する企業である。日本において、最初の歯のバンクが広島大学および名古屋大学に設立された。
本明細書に記載する本開示の側面は、歯胚(歯胚は、歯の前駆体である原始的胚細胞である)、乳歯、第三大臼歯および永久歯の初代歯髄から得られる、ユニークで、そして以前単離されなかったヒト成体幹細胞の混合集団を誘導するための方法に関する(Lizierら(2012)PLos ONE 7:e39885を参照されたい)。
前記の混合集団は、MSC/周皮細胞/神経上皮/内胚葉、外胚葉および中胚葉胚性胚葉に分化可能な多能性幹細胞を含む。
より具体的には、前記混合集団は、CD105+、CD73+、CD90+、CD29、CD44、CD117(c−kit)、ビメンチン、フィブロネクチン、アルカリホスファターゼ(ALF)、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、テネシン、マトリックスメタロプロテイナーゼ1、2、9、シンデカン1、2、3、4、p53、1型コラーゲンによって特徴付けられる少なくとも96%〜99%の間葉系幹細胞(MSC)、ならびに52%のCD13とともにCD45−、CD34−およびHLA ABC(低)、HLA DR−発現シグニチャーで構成される。前記バイオマーカーが定義する細胞シグニチャー・フィンガープリントは、古典的な多分化能細胞タイプ特性を持つMSCの典型である。
さらに、前記混合集団は、STRO−1によって特徴付けられる少なくとも24%、ならびに少なくとも36%のCD146(MUC18)発現シグニチャーによって特徴付けられるMSC/周皮細胞を含む。前記バイオマーカーに定義される細胞シグニチャー・フィンガープリントは、血管周囲ニッチ由来多能性細胞タイプ特性を持つMSCの典型である。
さらに、前記混合集団は、Oct3/4、SOX2、Nanog、TRA1−60、TRA1−81、およびSSEA4発現シグニチャーによって特徴付けられる少なくとも2%〜30%のMSC/多能性幹細胞を含む。前記バイオマーカーに定義される細胞シグニチャー・フィンガープリントは、多能性細胞タイプ特性の典型である。
予期せぬことに、前記混合集団は、少なくとも95%のネスチン、少なくとも85%のp75(神経成長因子受容体、CD271/p75(NTR)は、間葉系幹細胞が、骨形成性、脂肪形成性、軟骨形成性、および筋肉形成性系譜に分化することを阻害する)、ABCG2(ABCG2は、ATP結合カセット(ABC)輸送体のメンバーであり、幹細胞増殖を促進し、そして幹細胞表現型を維持する際に重要な役割を果たす)、p63(p63は、重層上皮中の幹細胞の増殖潜在能力に必須;角強膜角膜縁においてp63およびABCG2発現:幹細胞精製に関与)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、NT4、5、少なくとも20%のβ−チューブリンIII(弱)、コネキシン43およびサイトケラチン−K12発現シグニチャーのMSC/神経上皮幹細胞を含む。前記のバイオマーカーが定義する細胞集団シグニチャー・フィンガープリントを有する混合集団IDPSCの濃縮は、ユニークであり、そして予期されなかった。この細胞集団は、有望で多大な研究および療法適用を保持する。
したがって、これらの態様の側面にしたがって、MSC/神経上皮バイオマーカー、好ましくは多様な神経保護因子、例えばp75およびp63、BDNF、GNDF、ベータ−NGF、NT3、NT4/5によって特徴付けられる濃縮幹細胞を含むIDPSC細胞集団を提供する。
さらなる態様は、多数回の採取サイクルを通じて、歯科DP外植片のex vivoでの長期培養からIDPSCを連続して誘導する方法に関する。
前記方法は、予期されない、そしてほぼ限定されない数の採取/誘導サイクルを可能にし、そしてしたがって、先に報告される方法と同様の数の細胞を得るために、IDPSCの継代数を減少させることも可能である。
前記の開示する方法は、実行が容易であり、そして歯髄の酵素的消化を用いてIDPSCを誘導するための伝統的な方法で生じる、幹細胞における多数回継代中に生じうる、自発的ゲノム突然変異および最終的な核型異常の可能性を減少させる。
さらに、本開示の側面は、前記細胞およびこれらの細胞を含有する濃縮物から実現される分化のためのプロセス、ならびに前記プロセスから得られる分化した細胞およびこれらの細胞を含有する濃縮物を指す。
MSC/周皮細胞表現型を提示する幹細胞の数は、歯科組織由来のMSCの異なる集団で多様であり、そしてこれは個体の変動を提示する。したがって、多数のバッチを得るために単一ドナーから培養すると有意な利点があり、これには減少した可変性、一貫性および再現可能性を含まれる。
例として、前記方法を用いて、保存するかまたは保持し、そして必要に応じて使用することも可能な、少なくとも1つの乳歯または場合によって4つの上の歯および4つの下の「乳」歯から得られうる、単一ドナーのDPから得られる、療法的に十分な量の低継代IDPSCを得ることが可能である。
周皮細胞を血管周囲ニッチから単離することは一般的に認められ;このニッチはまた、歯髄中にも見出されてきている(ShiおよびGronthos、2002)。本明細書において驚くべき知見は、非血管周囲ニッチおよび血管周囲ニッチの両方からIDPSCが誘導されることである。非血管周囲から得られる神経上皮マーカーが濃縮されたIDPCSは、本明細書において初めて、長期培養法を用いて得られる。
さらなる態様は、血管周囲幹細胞ニッチからIDPSCを誘導するための低酸素条件下で、DP外植片を長期培養する方法に関する。
さらなる態様は、非血管周囲幹細胞ニッチからIDPSCを誘導するための栄養供給減少条件下で、DP外植片を長期培養する方法に関する。
やはり本明細書に開示するのは、長期培養中に10%から<2%に減少しうる、Oct3/4発現の核局在によって立証されるような、多能性能力を持つ細胞集団である。
凍結保存のための、または患者において使用するための幹細胞を増殖させる際、FDAは、これらの細胞を15継代より長く継代しないように推奨している。
これは、高い継代数に関連する核型突然変異および腫瘍原性のリスクを低下させ、そしてin vivo分化可塑性を減少させるためである。したがって、凍結保存後、必要な方法に応じて、臨床投与前に、2〜5のさらなる継代を拡大可能である。継代数のこの限界は、臨床適用のために収集可能な幹細胞の数を限定する。
さらなる態様は、臨床的に十分な数のIDPSCが低い継代数で得られうる方法に関する。
さらなる態様において、単一ドナー外植片を最長6ヶ月またはそれより長く培養中で生体保存して、生存、単一クローン性コロニーが形成されるまで、3日間、P0のIDPSCを誘導することが好ましい。前記外植片を次いで、次の連続採取誘導サイクルのために置き換えて、こうした連続培養は、1ヶ月あたり10サイクルで少なくとも5ヶ月、P0の総数50トランスファーおよび誘導サイクルを導くことも可能である。各トランスファーおよび誘導サイクルから、IDPSCを増殖させ、そして凍結保存または使用の前に最大5回継代する。
上述のように、本明細書に提示する開示の側面は、部分的に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)が、歯に存在する幹細胞ニッチから単離可能であるという驚くべき発見に基づく。これらのニッチは、乳歯由来の歯髄に見られうるが、ユニークではない。さらなるニッチが細胞不含ゾーンの神経ネットワーク、細胞リッチゾーンの最も内部の歯髄層、および細胞不含ゾーン中、象牙芽細胞を含有する最も外側の層に位置することが見出されてきている(図1および2を参照されたい)。これらのニッチの存在は、歯科幹細胞(DSC)の神経冠起源と一致し、そしてIDPSCにおける神経上皮および間葉系幹細胞の混合集団の単離と一致する。
再生医薬のために単離IDPSCを用いる重要な利点は、これらが腫瘍原性のより少ないリスクを提示するという事実である。本発明者らは、IDPSC単離、操作、および凍結保存の新規戦略を開発し、これはこれらの細胞の、限定されない数のin vitro継代での長期培養を導く。この戦略を用いて、早期継代(5またはそれ未満)の実質的に限定されない数のIDPSCが産生可能である。Lizierら(2012)PLoS ONE 7:e39885を参照されたい。
脂肪組織由来幹細胞(ASC)がin vivoで腫瘍を産生するアフィニティを有することが示されてきている。ASCのこのアフィニティは、血管周囲ニッチからの単離と相関するようである(Zhangら、2010)。IDPSCは、歯髄の異なるニッチから単離可能であり、したがって、腫瘍形成のリスクは最小限である。Lizierら(2012)PLoS ONE 7:e39885。本開示において、本発明者らは、乳歯由来のDSCの新規系譜(hIDPSC)が、歯髄における異なる(非血管周囲)特徴的なニッチから、あるいはDP外植片の虚血/血管栄養/酸素枯渇内部組織から、単離可能であり、したがって、推定上、腫瘍形成リスクを最小限にすることを開示する。
いくつかの態様のIDPSC組成物を、薬学的に有効な量で投与する。本明細書において、句「薬学的に有効な量」は、疾患、状態、または障害を治療するために十分な量を指す。疾患の重症度;患者の年齢、体重、健康状態、および性別;患者における薬剤感受性;投与時間、経路および放出速度;治療期間;またはいくつかの態様の組成物とともに、ブレンドしてもしくは同時に用いる薬剤を含む要素、あるいは医学分野に周知の他の要素にしたがって、有効投薬量のレベルを決定することも可能である。例えば、IDPSCの投薬量は広い範囲内で多様であり、そして特定の場合で、個体の必要にしたがって決定される。一般的に、非経口投与の場合、IDPSCは、通常、約1x10、約1x10、約1x10、約1x10、または約1x1010細胞/個体のkg体重の量で投与される。さらに、いくつかの態様の組成物および当該技術分野に知られる他の疾患治療物質の組成物を、個体に同時にまたは連続して投与してもよい。
いくつかの態様のIDPSC組成物を局所的または全身性に投与してもよく、こうした組成物は、局所効果(例えば細胞増殖/細胞死、組織完全性および機能性に影響を及ぼす、変性組織と接触したIDPSCの直接再生効果)を誘導するため、および/または全身性の影響により(例えば、防御性栄養因子を放出し、そして炎症促進性サイトカインレベルを減少させることによって)、療法活性を得るために、ex vivoまたはin vivo操作を必要とする可能性もある。
変性、生殖、臨床性または審美的損傷を治療し、そして/または被験体、組織、細胞の将来の損傷を防止する、既知の医学的方法から、IDPSC投与経路を選択する。IDPSC治療は、本明細書において、状態の進行を抑止するか、実質的に阻害するか、遅延させるかまたは逆転させるか、状態の臨床的または審美的症状を実質的に寛解させるか、あるいは状態の臨床的または審美的症状の外見を実質的に防止するかまたは減少させることを含む。別の側面にしたがって、変性臨床的または審美的損傷、または組織、細胞機能の喪失から被験体を保護し、あるいは本明細書に記載する実施例には限定されないが、本明細書に言及する任意の疾患の存在する症状および/または将来の症状の軽減のための、別の療法細胞または別の薬剤と組み合わせた、IDPSC組成物の使用を提供する。
いくつかの態様において、「ロバストな長期培養系によって得られる多機能未成熟歯髄幹細胞」と題され、そして米国第61/791,594号を有する、本発明者らが同時出願した仮特許出願に記載するような方法および/または治療のいずれかと一致して、組成物の投与が行われ、該出願の内容はその全体が本明細書に援用される。より具体的には、本開示の側面は、DPの長期培養における組織外植片培養および機械的(非酵素的)トランスファーに基づく、異常な遺伝的および生物学的変化を伴わずに、患者自身のDTSCを臨床的に十分な数で得るための方法に関する。
1つの態様にしたがって、DPは、機械的トランスファー後に数ヶ月間、培養中で維持される。以下の特性を評価した:DP摘出直後(初期集団、EP)および多数回のDPトランスファー後(後期集団、LP)のIDPSCの形態、特定のMSC表現型およびES細胞タンパク質および遺伝子の発現、核型、増殖速度、ならびに分化能。これらのパラメータのうちいくつかを凍結保存後に、そして3つの別個の培地中で培養したIDPSCで、評価した。プレーティング直後、およびDP培養3日後のDPにおいて取り込まれるBrdUに対する抗体を用いると、外植片培養による、IDPSC生成の機構に関する洞察が得られた。さらに、DPにおけるSCを区別するため、ネスチン、ビメンチン、Oct3/4およびSTRO−1に対する免疫組織化学染色を行った。
やはり本明細書に開示するのは、典型的なMSCの純粋な集団を得る方法であり、該集団はまた、神経冠幹細胞(NCSC)および神経上皮幹細胞に関してほぼ純粋である。この集団の一部(約24%を超えない)を、SHEDとして提示し、そして別の部分をMSC+NCSC+多能性幹細胞によって提示する。フローサイトメトリーおよび磁気ビーズなどの方法では、これらの集団を分離することは不可能である。
別の態様は、LP法にしたがって、よりロバストなアプローチによって、そして伝統的なDP酵素解離技術またはEP DPアウトグロース法を用いるよりも多い細胞数で、SHED細胞を分離する可能性を提供する。
顕著なことに、神経上皮集団の濃縮は、採取サイクル後、進行性に、これらのマーカーで濃縮される。
DPはまた、こうした細胞を得る代替法として、いくつかの機械的処理、例えば穿孔またはミンチ処理などのいくつかの機械的処理を克服することも可能である。通常、最初の細胞は、DPプレーティングの約1週間後にアウトグロースして現れ;神経叢から、細胞が後に遊走し、これは血管よりもDP内のより深部にあるためであると仮定される。一方、やはりこれらの細胞を産生可能である象牙質細胞下ニッチは、末梢に位置し、そして酵素処理はこれを破壊可能である。DPミンチ処理のような機械的治療は、歯髄が巨大である場合には、特に有用である。
さらに、「ストレス」/低酸素細胞培養条件を誘導して、外部細胞培地配合構成要素またはガス平衡によって神経上皮マーカーを誘導することも可能である。例えば、多能性幹細胞マーカー発現を低酸素によって誘導することも可能である。
さらなる態様は、血管周囲および非血管周囲起源の多数のニッチから得られるDPSCの新規系譜を産生する、開示する方法の使用に関する。培養延長/低酸素条件中、内部DPニッチに対する栄養分および酸素の枯渇のため、非血管周囲起源からの誘導が誘導され、そしてしたがって、内部ニッチ細胞は表面へと遊走する。こうした細胞は、OCT4の核発現、ならびに外胚葉/NPCマーカー、例えばネスチン、p75、p63およびその他のロバストな発現によって特徴付けられる。
いくつかの側面にしたがって、変性損傷または疾患あるいは審美的症状の減少を生じるために十分な療法的有効量の本開示のIDPSC組成物を、局所(皮膚、および眼内)、限局、経粘膜(頬側、舌下を含む)、非経口/全身性(皮下、皮内、筋内、静脈内、および動脈内)を含む多様な投与経路を通じて投与することも可能であり、そして好ましくは非経口投与を通じる。
未分化の、または特殊な分化を経るよう誘導されたIDPSC(前駆細胞)を、変性疾患を有する被験体に投与してもよく、例えば、疾患部位/腔/環境内に直接注入し、体の別の場所に移植してもよいし、あるいは足場または送達ビヒクルに接着させて、そして体の許容されうる位置に、外科的に挿入/移植/グラフト処理してもよい。hIDPSCは、免疫原性でなく、そして大部分の場合、免疫抑制プロトコルの使用を必要としないが、いくつかの免疫過剰反応性または感受性症例において、免疫調節が必要である可能性があるか、または免疫マッチしたドナーが優先的に用いられる。年齢、外傷、好ましくは(神経)変性疾患の結果として得られるものを含めて、任意の方式で得られた、異常なまたは変性症状を有する被験体に、IDPSCを投与してもよい。本発明者らは、IDPSCが、他の病気の中でも神経学的疾患を治療するために非常に有効であることを見出してきている。
被験体において、変性障害、限定されるわけではないが、例えば神経変性障害、生殖障害、外胚葉性、または糖尿病などを治療するため、分化したまたは分化していないIDPSCの療法的有効量を投与することによって、IDPSCを被験体に局所的にまたは全身性に導入してもよい。
米国特許出願第2003/0219898号、2003/0148513は、神経変性条件の異なる療法的治療のための幹細胞の移植を解説する。IDPSCは、好ましくは、外科的方法または注入を通じて、クモ膜下腔内、または脳室内を通じて投与される。米国特許第5,762,926号;第5,650,148号;第5,082,670号は、中枢神経系内、または心室腔内、または宿主脳の表面上に硬膜下的な(すなわち実質外移植)、細胞移植を伴う神経移植またはグラフティングの方法を解説する。さらなる脳内送達法には、注入によって達成される、実質内移植が含まれる。多数回の注射が、この方法で用いられうる。多数の移植片は、細胞タイプの混合からなり、そして/または、細胞内に挿入される導入遺伝子を組み合わせることも可能である。脊髄グラフティングには、腔内への移植が好ましい可能性もある。脳内に移植される細胞をグラフティングするには、腔の吸引またはクリーニング、あるいは病変の充填等が必要であろう。最も好ましい非経口投与は、クモ膜下腔内投与である。糖尿病を治療するため、未分化またはベータ様細胞に分化したIDPSCを、注射、皮下注射、腹腔内注射、腎臓被膜下の注射、門脈を通じた注射、および脾臓内への注射、あるいは肝臓の門脈を通じた腎臓被膜下への移植、または脾臓内への移植によって投与してもよい。送達ビヒクル/足場または被包技術を用いて、IDPSCを移植してもよい。
いくつかの態様のIDPSC組成物を、局所(頬側、舌下、皮膚、および眼内)、非経口(皮下、皮内、筋内、静脈内、および動脈内を含む)、および経皮投与を通じて投与可能であり、そして好ましくは非経口投与を通じる。最も好ましい非経口投与は、クモ膜下腔内投与である。本発明者らは、IDPSCが、他の病気の中でも、神経学的疾患を治療するために、非常に有効であることを見出してきている。
毛再生および回復
毛包は、成長する際、3つの相:成長相(成長期)、後退相(退行期)、および休止相(休止期)を通過する。毛成長は連続したプロセスであり、生物の生涯を通じて続く。したがって毛包は幹細胞ニッチを有しているはずであり、これは常に活性であり、そして特に、毛包再生時に活性である。現在の知識によれば、神経冠から生じる毛包幹細胞は、皮脂腺の近くの毛包の膨らんだ領域に常在する。これらの細胞は、未分化状態でネスチンを発現し、これは神経および毛包幹細胞のマーカーである。毛包の膨らんだ領域に見られるこうしたネスチン発現幹細胞は、成長期中に、毛包の外部および内部経路外筒を形成することになっていた。これらの幹細胞は、毛包を産生可能であるだけでなく、表皮中の創傷を再生するかまたは少なくとも治癒させることが可能であることが示されてきている。さらに、毛包幹細胞は、ニューロンに変換可能である。これらはニューロスフェアを形成し、これが次に、ニューロン、グリア細胞、角化細胞、平滑筋細胞、および他の細胞タイプを形成した。毛包幹細胞をマウスに皮下注射すると、これらはニューロンを形成した。マウスに移植した後、毛包の膨らんだ領域において、これらは血管を生じさせ、毛包幹細胞が内皮細胞を形成する潜在能力を有することが示された。毛包幹細胞はまた、神経再生および神経機能回復の速度を非常に増進させることも可能である。これらの結果は、毛包幹細胞の多能性、および再生医学におけるその潜在的な使用を示す。これらの幹細胞は、胚性および成体幹細胞のいくつかの利点を組み合わせる特性を有する。胚性幹細胞と同様に、これらは高い度合いの可塑性を有し、高レベルの純度で単離可能であり、そして培養中で拡大可能である。
ヒト未成熟歯髄幹細胞もまた、神経冠から生じる。胚性幹細胞および毛包幹細胞で、ネスチンおよび他の胚性幹細胞マーカーを発現する、類似の特性を共有することが示されてきている。これらは、ニューロスフェアを形成し、そしてニューロン、グリア細胞、上皮、角化細胞、平滑筋細胞、および他の細胞タイプを形成可能であり、高い度合いの可塑性を提示する。これらはまた、歯冠および歯根歯髄の中央領域から、特に最も内部の歯髄層の未分化幹細胞リッチゾーンとして同定可能である領域から、豊富な量で単離可能であり、高レベルの純度を提示し、そして培養中で容易に拡大可能である。これらのヒト未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)を発生中の胚内に再導入すると、キメラ胎児が形成され、そして異なる組織および臓器への寄与が示され、特に上皮への高密度の生着がある。驚くべきことに、LP培養IDPSCは凍結保存後もまた、その幹細胞性を維持する。GFP(緑色蛍光タンパク質)を発現しているIDPSCをマウス皮下に移植した後、これらは毛包に集合し、そしていくつかのGFPを発現する糸状の毛を生じた。
これらの細胞は、容易にアクセス可能であり、そして胚性幹細胞の議論または医学的問題を伴わずに、禿頭の場合の療法の供給源として、患者自身の歯を用いることにつながりうる。これらの知見に基づいて、IDPSCはまた、パーキンソン病、多発性硬化症、ヒルシュスプルング病、脳卒中、末梢ニューロパシーおよびALSを治療するために有用でありうる。心臓の特定の欠陥、および骨の欠陥(変性、頭蓋顔面誕生時欠陥)もまた、神経冠幹細胞置換療法を通じて治療可能である。これらをまた、幹細胞マーカーを失わずに、数百万の細胞に培養中で拡大することも可能である。
IDPSCは、選択される幹細胞となり、将来、再生医学のため、上皮神経冠幹細胞の他の供給源を置換することも可能であり、それは、(1)これらが本質的に誰からでも容易に入手可能であり、(2)これらが容易に培養され、そして拡大され、(3)これらが非常に多能性であり、(5)これらが、胚性幹細胞および胎児幹細胞が持つ倫理的な問題を持たず、(6)これらが奇形腫を産生せず、(7)これらが免疫適合性であるためである。
皮膚再生
幹細胞に基づく療法は、傷害および疾患後の皮膚再生に新たな道を開く。皮膚にはいくつかの機能性幹細胞ニッチがあり、これらは集合的に、物理的および化学的微小環境の合図の原因であることが知られており、これらが、すべての層のヒト皮膚再生潜在能力を可能にする。前臨床研究によって、傷害部位に局所送達された後、幹細胞によって分泌されるパラクリン因子が、慢性創傷治癒を改善可能であり、そしてこれが幹細胞が修復を増進可能な主要な機構であることが立証されてきている。間葉系幹細胞(MSC)由来の馴化培地でさえ、宿主細胞の活性化を通じて創傷治癒を促進することが示されてきている。
IDPSCは、すでにいくつかのマーカーを発現しており、これらは、皮膚幹細胞ニッチと関連する。したがって、膨らみ由来の上皮幹細胞およびIDPSCは、共通の特徴を有し、これには、サイトケラチン、インテグリンおよびp63の発現が含まれる。一方、最近の研究によって、毛包の毛乳頭内の細胞集団は成体幹細胞として機能しうる。この皮膚幹細胞ニッチは、前駆細胞のユニークな集団を含有し、IDPSCによってもまた発現される転写因子SOX2を発現する。したがって、IDPSCに基づく療法は、火傷および他の皮膚変性障害を含む創傷治癒を克服する際に将来有望である可能性がある。IDPSCの再生(自己再生および分化可塑性)およびパラクリン(防御因子放出)の効果は、皮膚リモデリング進行を促進しうる。適切な微小環境の生成は、幹細胞が生存し、そして皮膚組織の再生および修復に関与するための重要な課題である。組織再生の成功は、最適な局所血管形成および細胞外マトリックス内への移植物の組み込み成功および抗瘢痕形成効果に応じる。
1つの態様において、IDPSCを用いて、創傷治癒および皮膚リモデリング課題、例えば以下のようなものを克服する:
1. 創傷治癒、例えば糖尿病から生じる難治性皮膚潰瘍、虚血およびコラーゲン疾患は、ほとんど解決策がない重大な問題に相当する。
2. 火傷創傷は、非常に困難な課題であり、火傷傷害は、世界的に、罹患率および死亡率の重要な原因であると報告されてきている。
3. 皮膚の堅固さを改善し、しわを減少させ、ならびに加齢プロセスが加齢組織を生じさせるのを遅延させて、若い皮膚に似た外見、成長および分化を有する、バイオ皮膚美容(bio−dermocosmetic)療法。
本明細書に開示するのは、これらの細胞の血管への生着が、組織リモデリングプロセスに必須である新規血管形成を支持可能であることを示唆する驚くべき結果である。さらに、コラーゲン再生は、創傷を受けた、または/および加齢した皮膚の完全性の喪失の潜在的な治療を示す。免疫学的反応が欠如していることから、免疫学的障害(例えば白斑)の治療への、または皮膚火傷患者へのIDPSC使用が示唆される。
1つの態様において、開示するIDPSC療法を、細胞移植として適用することも可能であるし、あるいは自己または同種IDPSCの局所送達または全身注入を通じて不全組織の生存または機能を回復することも可能である。
精子形成
繁殖性マウス由来の精原幹細胞を不妊レシピエントマウスの精巣に移植すると、ドナー由来精子形成が生じ、そしてまた、ドナーから子孫レシピエント動物への遺伝物質の伝達が生じることが示されてきている。生殖細胞移植は、雄性生殖細胞発生系の生物学を研究するバイオアッセイを提供し、精子形成における欠陥を調べ、そして雄性不妊を治療する、精原幹細胞の単離および培養の系を発展させる。生殖細胞の移植は、齧歯類において最も広く研究されているが、より大きな哺乳動物に適用された。ブタ、ヤギおよびウシを含む家畜動物、ならびに霊長類において、精巣中の超音波カニューレ挿入によって導かれ、生殖細胞をレシピエント精巣内に移植可能である。生殖細胞移植は、関連のない種(ブタおよびヤギ)間で成功し、そして免疫抑制プロトコルを用いる必要がない一方、齧歯類における移植は、同系または免疫適合性パートナーである動物を使用する必要がある。
しかし、SSCはマウスにおいてより徹底的に性質決定されており、そしてヒトSSCの生物学は未知であり、その研究に利用可能な方法はない。組織起源にかかわらず、ヒトが関与する移植および操作の実験は倫理的に問題が多いため、ヒト幹細胞の性質決定は、困難である。
この意味で、ヒト幹細胞の移植における実験動物の使用が、これらの細胞の生物学を研究する現実的な代替法として用いられている。例えば、ヒト骨髄由来の造血細胞の免疫不全マウスにおける異種移植が実行され、そしてHSCヒト起源のマーカーの同定、ならびにHSCによるヒト遺伝子トランスファーの効率の同定に用いられた。実験動物を用いた異種移植は、幹細胞の生物学および幹細胞臨床適用の発展を理解するための強力なアプローチであり、ヒトにおける実験に関連する倫理的懸念を最小限にする。
近年、ヒト生殖細胞をマウス精巣内に移植する試みが報告されてきている。結果は、ヒト生殖細胞がマウス精巣中でまったく生存しないことを示し、これらの細胞がおそらく、ヒト生殖細胞および動物精巣環境間の不適合、または免疫学的拒絶のために死ぬことを示唆した。対照的に、以前の研究は、霊長類(ヒヒ(baboon))の生殖系列幹細胞が、少なくとも6ヶ月間、免疫不全マウスの精巣で、コロニー形成可能であることを立証してきている。これらの細胞は、精子形成によってのみ分化したが、この結果は、霊長類の幹細胞がマウスの精巣において生存するだけでなく、増殖可能であることも示した。
哺乳動物の出生後の期間に見られる精原幹細胞(SSC)と呼ばれる生殖系列幹細胞は、精子形成(精子産生プロセス)に必須であり、そして雌性卵母細胞とともに、種の連続に必須である。SSCは、精巣の輸精管基底膜に常在し、そして体細胞性セルトリ細胞によって囲まれており、微小環境またはニッチを形成する。ニッチ内部で、成長因子および細胞外シグナルが、SSCの自己再生または拡大のための分化、および精子形成分化プロセスの開始を制御し、マウスにおいては40日後、そしてヒトにおいては64日後に、成熟精子の産生を生じる(Loefflerら、1997、Harrisonら、1980)。精子形成における連続工程のタイミングは、生殖細胞および分化プロセスを支えるセルトリ細胞の遺伝子によって緊密に制御される。
さらに、動物精巣における幹細胞の移植は、幹細胞が雄性配偶子に分化する生物学的能力を研究し、このプロセスに影響を及ぼす因子を評価し、精巣機能性および不妊を引き起こす理由を調べるための強力なツールである。これらの研究は、精巣機能性の理解を非常に増加させ、そして雄性繁殖性を制御し、そして保持する能力を非常に増加させるであろう。
開示する結果は、hIDPSCが生殖細胞および胚運命支持細胞に分化する潜在能力を示唆する。これらのデータは、例えば、化学療法適用のための不妊をしばしば導く癌の後のヒト繁殖性の回復におけるIDPSCのありうる使用を示す。このデータは、IDPSCが異なる区画のマウス輸精管に生着可能であることを示唆する。IDPSC分化は、繁殖性マウスにおいてより迅速であるようであり、細胞生着および幹細胞分化には環境が重要であることが示唆される。マウス精巣内に移植されると、IDPSCはマウス精上皮の分化の連続した命令にしたがい、そして低い効率ではあるが、丸い精子細胞、伸張した細胞、および精子に似た細胞さえ観察可能である。本発明者らのデータはまた、動物の輸精管の環境を用いて、ドナーマッチしたヒト精子細胞を達成するモデルツールとしうることも示唆する。本発明者らは、マウス細胞およびヒト細胞の間の融合が起こりうるが、核間の融合は検出されないことを見出した。
本発明者らは、異種移植(不妊動物モデル)における精子形成の再構築のため、まず、環境を回復しなければならないと仮定する。精子形成を補助する細胞は、SSC進行に影響を及ぼし、そして精子形成を促進する、ヒトタンパク質を産生する。公表されたデータを分析して、本発明者らは、今日まで、科学者の努力は主に、SSCが精子形成に入る能力をチェックするためにSSCを使用することに向けられていたと結論づけ可能である。SSCは、精子形成に拘束された細胞であり、そしてしたがって、分化においては失敗であり、そしてこれらの細胞は移植された環境の正常なシグナルを受けなかった。
セルトリ細胞は、支持細胞であり、すなわち、該細胞は、輸精管末梢に位置する「育てる」細胞である。これらはまた、精原細胞のための栄養および機械的支持を提供すれば、「幹細胞」とも呼ばれる。これらはまた、生殖系列幹細胞のニッチを確立し、そして維持する際にも関与し、その再生および成熟精原細胞への分化を確実にし、精子の放出において完了する進行を制御する。
hIDPSCは、免疫原性ではなく、そして免疫抑制プロトコルの使用を必要としない。これらは遊走細胞であり、そしてマウス精巣中に広く分布可能であり、一方、SSCは遊走不能である。
腎不全
腎不全(RF)(腎不全または腎臓機能不全とも)は、腎臓が血液から廃棄産物を適切に濾過することに失敗する医学的状態である。高レベルの外胚葉性マーカー発現が、ネコRF獣医学的患者に対するIDPSC療法を可能にするかどうかを試験するため(RF代表的症例は、獣医学的専門家の書面の治療/症状分析に基づいて記載され、何匹かのペットにおいては、飼い主によるリクエスト/通知された懸念(informed concern)を通じて、本明細書に記載しない他の例がRF疾患を治療するために適用された)。
本発明者らは、IDPSを含むIDPSC細胞療法組成物、およびin vitro培養、好ましくはLP由来IDPSCを用いて、ヒトを含む哺乳動物種においてRF疾患を治療する方法を開示する。顕著なことに、IDPSCは、腎不全のラットモデルに移植した後、CD146およびVEGFを発現することが示され、内皮マーカーの重要性が示される。総合すると、これらの両研究は、急性(ラット)および慢性(ネコ)腎疾患において、IDPSC移植の腎保護効果および臨床的利点を立証する。
1つの態様において、局所腎内投与が提唱可能である。他の態様において、緩衝生理食塩水中のi.v.注入によって、または全身投与のための当該技術分野に知られる他の任意の適切なビヒクル中で、kg体重あたりおよそ0.01〜1x10細胞の用量で、IDPSCをi.v./全身性に投与する。続いて、腎機能の有意な改善があるまで、例えば1〜3週間ごとに、療法的に活性なレベルで、注入を反復し、その後、患者の状態に応じて、注入間隔を1〜6ヶ月に増加させる。さらなる態様において、組成物には、RF患者を治療するために送達しようとする他の細胞、または/および活性療法剤または/および遺伝子が含まれてもよい。
腎不全は、イヌおよびネコにおいて高い発生率を示し、これらの種で、かなりの罹患率および死亡率を引き起こす(Lees, GE、2004)。慣用的な療法を用いていても、構造的な傷害が起こり、損なわれた代謝に関連する腎質量の減少およびその結果の腎臓の生理学的機能の喪失が支持され、したがって結果として臓器不全に至る。慣用的な医学的療法、液体および食餌カウンセリング、ならびに疾患を引き起こす医学的合併症に対する修正は、血清クレアチニンが6mg/dlを超え、そして尿素が90mg/dlを超えた際には、通常、無効であり、この時点で、動物の生活の質の重大な損傷につながる(Fischer, Jr.ら、2004)。
本発明者らは、本明細書において、in vitro拡大同種ヒトIDPSCを用いて、ネコ、ならびにイヌおよびヒトを含む他の種における慢性腎疾患を治療する、IDPSC含有組成物、および方法を記載する。この意味で、幹細胞療法は、大きな見込みがある可能性を示し、これは損傷を受けた組織の再生が、この疾患のありうる永続的な治癒を予期させるためである。
神経前駆体およびニューロンを含む、hIDPSCの後期集団の濃縮
本開示の他の側面は、歯髄機械的トランスファーおよび神経分化の誘導の15、30および45サイクル後、神経前駆体およびニューロンを用いた、hIDPSCの後期集団の濃縮に関する。CNSは、外胚葉から生じ、より正確には、多分化能神経上皮幹細胞(NSC)のプールから生じる。この細胞集団は、神経前駆体の2つの異なる群によって少なくとも構成され:第一の群は、単層培養で成長することが可能であり;第二の群は、一般的にニューロスフェアを形成する(すなわち懸濁培養中で増殖する)。この相違にもかかわらず、どちらの細胞タイプも同じ分化潜在能力を示す(Nobleら、2011、Kempermann、2011)。
NSCは、全身性に分裂し、そして適切な条件下で、神経芽細胞に迅速に変換され、これは非対称に分裂する前駆体であり、遊走期後に、ニューロンに発展可能である。神経芽細胞は、NSCよりわずかにより分化しており、そして移行(transit)増幅する細胞集団を産生可能である。分裂能力は、神経芽細胞およびニューロンの間の主な相違であり、後者は分裂終了細胞である。神経芽細胞は、ニューロンに分化しそして成熟するが、他の細胞タイプにはならない。
NSCの運命は、他の機構の中でも、周囲組織から生じるシグナルを通じて制御される。NSCは、いわゆる幹細胞ニッチと呼ばれる、幹細胞増殖、自己再生および分化を制御する微小環境の合図を提供する、特定の領域中に見られる。
今日知られるのは、分化の神経潜在能力を持つ幹細胞の2つの潜在的な供給源である:第一に、中絶から得られる胎児神経前駆体、および第二に、in vitro神経前駆体に分化するよう誘導された多能性幹細胞(ES細胞、iPSC)。胎児神経前駆体は、多くの倫理的問題を生じさせ、一方、ESおよびiPSCのヒト使用に関連する特定の安全性リスクがあり、療法適用は遅れている。神経学的疾患の治療のための細胞療法の使用を開発するには、幹細胞の他のヒトタイプによる神経変性療法の代替法が必要である。幹細胞および前駆細胞を移植するための方法が、米国特許第5,928,947号;第5,816,773号、およびPCT公報第WO 01/176507号に記載されている。これらの方法には、細胞培養における拡大および未分化神経保護幹細胞の移植、および/または神経前駆細胞または/および完全に分化した神経細胞の移植によるものが含まれる。細胞療法介入は、細胞移植および内因性神経前駆細胞の刺激の両方を伴いうる。慣用的な方法は、多数の不都合な点および限界を有し、そして幹細胞神経保護/神経再生療法のための細胞の新規供給源が必要である。やはり重要なのは、分子マーカーを用いた幹細胞療法のための細胞の神経保護潜在能力を予測することである。
歯髄由来の幹細胞は、Gronthosら、2000、Shiら、WO 02/07679によって単離されてきている。Sharpe(WO 01/60981)は、胚性幹細胞または成体幹細胞または組織培養からの、歯の前駆細胞の産生を請求した。米国特許公報2002/0119180は、第三大臼歯歯胚からの生物学的歯の産生法を請求した(Youngら 2002)。米国特許第8,192,987号に開示される発明は、一般的に、多能性幹細胞に関し、歯に由来する胚性多能性幹細胞が含まれる。
本明細書に提示する開示の側面は、SOX1、SOX2およびベータ−3−チューブリンマーカーを同時発現するhIDPSCの組成物に関し、そして特に、神経学的状態を治療する方法に関する。やはり本明細書に開示するのは、LT hIDPSC細胞培養中に共発現されたマーカーの濃縮の組成物および方法であって、したがってこうしたLP hIDPSCの神経外胚葉系譜拘束が増加したものである。本明細書に開示するのは、LT採取サイクルを通じて得られ、そして特定の神経バイオマーカー、例えば限定されるわけではないが、SOX1、およびSOX2、ベータ−3−チューブリンが濃縮されているhIDPSCを用いて、神経変性疾患を治療する新規方法である。この方法は、hIDPSCの神経系譜拘束に影響を及ぼし、そしてCNSおよびPNS疾患を治療するより高い潜在能力を保持する一方、正常核型を維持し、そしてin vivoで奇形腫形成がまったく検出されないマーカーに関してスクリーニングするために有用である。さらに、意図される態様は、前記幹細胞性ニューロンマーカー(SOX1、SOX2およびベータ−3−チューブリン)を同時発現する一方、正常核型を維持し、そして奇形腫形成のリスクを所持しない、実質的に均質な濃縮された細胞集団を提供する。均質な集団は、ヒト(哺乳動物)において疾患を治療するために好適である可能性が高い。本明細書に開示する、細胞に基づく療法の他の利点には、限定されるわけではないが、中枢神経系組織、末梢神経系組織の取り込みが含まれる。こうして取り込まれた細胞は、ニューロン、グリアまたは他の細胞に分化するかまたは発展する潜在能力を有し、損傷を受けたか、外傷を受けたかまたは変性した組織を置換するかまたはその修復を促進して、それによって変性、急性傷害、外傷性、神経学的状態のより永続的な治療を生じる。
本文書に援用されるのはまた、その内容が全体として本明細書に援用される、米国仮特許出願61/791,594において、hIDPSCと呼ばれる幹細胞の限定されない数を産生するため、歯髄(DP)組織を長期in vitro培養する、開示する方法である。酸素は、正常組織ホメオスタシス下で、幹細胞特性に影響を及ぼしうる決定的なシグナルの1つである。興味深いことに、低い酸素レベル、または低酸素は、幹細胞ニッチの特徴である(Panchision、2009)。
驚くべきことに、hIDPSCの長期/LT細胞培養中に保存される生物学的試料に関して、このプロセス中に、歯科組織が次第に縮み、歯髄組織内部に低酸素が生じることが観察された。より驚くべきことに、30回の機械的トランスファー/採取サイクル後にDPから単離され(IDPSCの後期集団(LP))、そしてin vitroでニューロンを産生する能力に関して試験された未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)が、機械的トランスファー/採取の15または25サイクル後に単離されたIDPSC(早期集団(EP))に比較した際、神経分化能力増加、ならびに神経前駆体を含むあらかじめ拘束されたLP IDPSC集団の濃縮を示した。
いくつかの側面にしたがって、本発明者らは、あらかじめ拘束されたIDPSC神経前駆体中の活発に増殖しているニューロン前駆体(神経芽細胞)の数が、DPトランスファーサイクルの数に関連することを発見した。
SOX1およびSOX2バイオマーカー
SOX1(性決定領域Y−ボックス1を示す)タンパク質は、初期中枢神経系発生に関与する転写因子である。SOX1は、発達中の中枢神経系に特徴的な既知のマーカー特性である。神経板および神経管におけるSOX1の発現は、まだ最終段階に拘束されていない有糸分裂的に活性である前駆体と相関するようである。SOX1は、胚性CNSの分裂中の神経前駆体を定義し、そして特に腹側線条体で発現する(Pevnyら、1998;Kempermannら、2003)。
SOX2は、発生中の神経管中で発現される最も初期に知られた転写因子の1つであり、そして成体脳の特定の細胞において発現される。SOX2は、一般的に、中枢神経系において重要な役割を果たすことが知られる。近年、Terskikhおよび同僚ら(2011)は、末梢神経系におけるSOX2の役割を解明した。彼らは、遊走細胞が上皮から間葉系転移(EMT)を経て、神経冠(NC)細胞の特性を獲得する、hESCに基づくモデルを開発した。彼らは、遊走性NC前駆体がSOX2を下方制御するが、次いで、分化するにつれてSOX2を再発現し始め、神経原性後根神経節(DRG)様クラスターを形成することを見出した。SOX2下方制御は、EMTを誘導するのに十分であり、そしてニューロン分化が誘導された際、激しいアポトーシスを生じた。彼らはまた、SOX2がNGN1(ニューロゲニン(neorogenin)1)およびMASH1プロモーターに直接結合し、そしてこれらの発現に必要であることも示した。神経冠幹細胞がSOX2再発現を防止されると、細胞は死ぬか、あるいはグリアまたは平滑筋細胞を生じさせうる。したがって、SOX2の機能は、後の発生でニューロンになるために、細胞を多分化能または多能性に維持することである。
神経変性疾患モデルにおけるSOX2:ハンチントン病(HD)モデル
Moleroおよび同僚ら(2009)は、HDモデルを概説した。このモデルにおいて、9ヶ月齢で進行性認知障害が発展し、ありうる海馬機能不全が示唆される(Kandasamyら、2010)。彼らは、後期胚性段階で、NSC自己再生、多系譜潜在能力、および神経形成を仲介する因子である高レベルのSOX2とともに、NSC自己再生の増進を観察した。他のグループは、ハンチントン病のトランスジェニックラットモデルの海馬神経幹細胞ニッチにおいて、疾患に関連する海馬前駆細胞増殖の進行性の減少に、トランスジェニック動物における5−ブロモ−2−デオキシウリジン標識保持SOX2陽性休止幹細胞プールの拡大が付随することを示した。
発生中の脳に移植すると、これらは広範に宿主脳内に入り込み、広範囲の分布を示し、確立された宿主脳遊走トラックに沿って遊走し、領域特異的方式で、3つの基本的な神経系譜の子孫に分化し、局所の合図に応じ、そして生存する宿主の発生および組織形成に関与することが示される。
定義特性のこの組み合わせは、単離のために用いた方法に関わらず、本発明の神経前駆細胞株を同定するであろう。1つの方法は、神経前駆細胞に分化可能であり、そして次いで完全に分化したニューロン(ニューロン、アストログリア、またはオリゴデンドロサイトを含む)に分化可能である、未分化幹細胞を移植することである。別の方法は、神経系の影響を受けた領域に神経保護因子を放出可能な未分化のまたは分化前のIDPSCを移植することである。さらに、記載する神経再生のhIDPSC移植法の使用は、患者に、分化前のex vivoニューロン前駆体を、または完全に分化したニューロンを、またはその組み合わせを投与することに基づいてもよい。
いくつかの側面にしたがって、細胞培養組成物は、神経冠幹細胞である、(同時発現)SOX1およびSOX2陽性hIDPSCを含む。SOX1およびSOX2は、LT細胞培養を通じて得られてもよい。転写因子の濃縮は、LP培養に向かって増加し、これはニューロン分化に向かう高い潜在能力を保持し、核型を正常に維持し、そしてin vivoで奇形腫のリスクを持たない。
別の側面にしたがって、hIDPSCの均質集団を得るための方法は、LT機械的/非酵素的採取サイクルを通じて集団を得る工程を含む。採取サイクル数は、25を超えるサイクル、約45サイクル、または45より多いサイクルを含んでもよい。方法の態様は、さらに、採取した細胞を培養し、そして細胞培養からプラスチック接着細胞を継代する工程をさらに含んでもよい。プラスチック接着細胞は、典型的には(i)自己再生し、(ii)内胚葉、中胚葉、または外胚葉系譜の細胞に分化し、そして(iii)マーカーSOX1、SOX2および3−ベータ−チューブリンを発現する。方法の態様は、さらに、CNS疾患を治療する細胞療法のため、薬学的に認められるキャリアー/ビヒクル中に、薬学的組成物として患者に産物を投与する工程をさらに含んでもよい。
別の側面にしたがって、有糸分裂的に活性である均質な神経前駆体(神経芽細胞)組成物は、最終段階にまだ拘束されていない、SOX1、SOX2、およびベータ−3−チューブリンなどのマーカーを含む(同時発現する)。
別の側面にしたがって、分化前のIDPSCの均質な集団を得るための方法は、以下の工程の1またはそれより多くを含む。非接着性条件(懸濁)において、IDPSCを培養することによって、IDPSC由来ニューロスフェアを得る。神経ロゼットを形成するため、プラスチックプレートに接着させた後、ロゼット内の細胞は、(i)IDPSCよりわずかにより分化した、SOX1、SOX2、およびBrdUおよびベータ−3−チューブリンに関して陽性である神経芽細胞の移行増幅細胞集団;(ii)外部in vitroまたはin vivo誘導性微小環境に際して、中枢および末梢神経系のニューロン系譜(ニューロン前駆体、アストログリアおよびオリゴデンドロサイトおよび神経節細胞)に最終的に分化する神経芽細胞;(iii)患者に投与することによって、CNS疾患を治療する細胞療法のための薬学的に許容されうるキャリアー/ビヒクル中での薬学的組成物としての使用;および/または(iv)神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫を治療するが、これらの腫瘍タイプに限定されない腫瘍を治療するための遺伝子療法を含む、抗癌療法のための薬学的に許容されうるキャリアー/ビヒクル中の薬学的組成物としての使用によって提示される。
別の側面にしたがって、hIDPSCの実質的に均質なLPは、限定されるわけではないが、SOX1、SOX2、またはベータ−3−チューブリンを含む群より選択されるマーカーを同時発現する細胞を含む。
意図される開示の多様な態様を、限定と見なしてはならない以下の実施例にさらに例示する。本出願全体に引用する、すべての参考文献、特許、および公開特許出願、ならびに図は、その全体がすべての目的のため、本明細書に援用される。
実施例1. IDPSCの神経分化
IDPSCを、集密(confluence)の前まで培養したが、これは基本培地中、25cmに2x10に等しい。次に、細胞をPBS中で2回洗浄し、そして基本培地を、2% B27を補った神経基本培地(NB+B27)に交換した。培地を3〜4日で交換しなければならない。1週間後、0.25%トリプシン/EDTAで2〜3分処理した後に、細胞を採取し、そして同じ培地で中和した。800xgで5分間遠心分離した後、細胞ペレットを得て、そして上清を取り除いた。次に、NB+B27中で、IDPSCを穏やかに脱凝集させ、そして6つのペトリ皿9.6cm上に植え付けた。レチノイン酸を0.1μMの最終濃度で24時間添加し、その後、成熟ニューロンを得た。
神経分化にこのプロトコルを用いると、同じ培養プレート中、同時に、ニューロンおよびグリア細胞へのIDPSC分化が観察された(図3)。
実施例2. ニューロン表現型分析
さらに、ニューロン形態を研究するため、ヘマトキシリンおよびエオジン(H&E)染色を用いた(図4)。分化中の細胞およびニューロン表現型を獲得するプロセスのものの形態を示す細胞によって形成されるネットワークの両方が観察可能であった(図4A〜4C)。神経中のニッスル顆粒の染色のためにニュートラルレッドを用い(図4D〜4F)、これは、遊離リボソームのロゼットを含む粗面小胞体であり、そしてタンパク質合成部位である。
実施例3. 四倍体網膜神経節細胞(RGC)の下位集団の場合による支持のために重要な特徴としての、異数性および細胞融合の同定
神経分化のプロセス中、いくつかの細胞は、二核(または多核)であることが見出された。この事実は、細胞融合が分化中のIDPSCにおいて起こる指標であろう。図4Eにおいて、多数の核を持つニューロンが観察可能である。これらの細胞学的データは、蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)で確認された(図5)。
分化したIDPSCの核中のヒト染色体21に関するハイブリダイゼーションシグナルのカウントは、FISHによって行われ、そして2つより多くのハイブリダイゼーションプローブシグナルを持つ細胞核が約25%と概算される細胞融合率と立証された(図6)。全部で250の核を数えた。
FISH分析を実行するため、ダウン症候群と関連する染色体21の領域に対する特異的プローブLSI21(Vysis)を用いた。以下に簡潔に記載するように、製造者の指示(Vysis−Abbott)にしたがってFISHプロトコルを用いた。
PBSでカバースリップを洗浄した後、これらの分化した細胞を4%ホルムアルデヒド中で1週間固定し、そして4℃で保存した。次に、カバースリップ上の材料を一連のアルコール(70%、90%および100%、Merck)で各3分間、室温で脱水し、そしてカバースリップを風乾した。変性溶液(2xSSC、NaCl/クエン酸ナトリウム中、70%ホルムアミド;Sigma)で材料を72℃で変性した。材料を一連のアルコール中で、各3分間、氷中で再び脱水し、そして風乾した。この材料にプローブを添加し、そしてカバースリップをハイブリダイゼーションのため、16時間の期間に渡って(一晩)、加湿チャンバー中、37℃で維持した。この期間の後、2XSSC中、50%ホルムアミドを含有する溶液中で、カバースリップを2回洗浄し、その後、2XSSCおよび4XSSC中で希釈した1%Tween20(Merck)中で2回、各洗浄に関して3分間洗浄した。最後に、カバースリップにDAPI含有Vectashieldをマウントし、そして蛍光顕微鏡下で分析を行った。
実施例4. 分化プロトコルにしたがったニューロンバイオマーカーの発現
IDPSC由来ニューロンにおける、ニューロン分化の初期マーカー、ネスチンに対する抗体(図7A〜7B);神経細胞のマーカー、ベータ−チューブリンに対する抗体(図7C〜7E);グリアタンパク質、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)に対する抗体(図7F);および成熟神経細胞のマーカー、NeuNに対する抗体(図7J〜7H)を用いた免疫蛍光を用いて、神経分化の特異的タンパク質の発現を実行した。これらのマーカーのすべてが、IDPSCニューロン様細胞において発現された。
本発明者らは、Santa Cruz Biotechnology(米国カリフォルニア州サンタクルーズ)から購入したマウス・モノクローナル・ネスチンおよびグリア線維酸性タンパク質(GFAP)抗体、ならびにChemiconのβ−チューブリンIIIを用いた。以下の免疫染色プロトコルを用いた:カバースリップ上で増殖するIDPSCをリンス緩衝液(20mM Tris−HCl、pH7.4、0.15M NaCl、0.05% Tween−20)で2回洗浄し、4%パラホルムアルデヒドで固定し、そして0.1% Triton X−100で透過処理した。5%ウシ血清アルブミンでブロッキングした後、希釈した一次抗体と細胞を、室温で1時間インキュベーションした。一次抗体を1:100に希釈した。リンス緩衝液中で3回洗浄した後、イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)またはCy3標識した適切な二次抗体を1:100希釈で30分間添加した。顕微鏡スライドを、DAPIを含むまたは含まないVectashieldマウンティング媒体(Invitrogen)中でマウントした。冷却CCDカメラ(PCO、VC44)で得て、ISISソフトウェア(MetaSystem、米国マサチューセッツ州ベルモント)でプロセシングしたデジタル画像で分析を行った。
IDPSC神経分化中、ニューロスフェア様構造の形成もまた観察された(図8A〜8B)。本発明者らが、ネスチンに対する免疫蛍光を実行した際、これらの構造の内部は、ネスチン陽性であることが見出され(図8C)、これは、これらのスフェア内に神経前駆体が存在することを示す。
神経分化はまた、逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を用いて、ベータ−チューブリン、中分子量ニューロフィラメント、およびGFAPなどの神経遺伝子の発現によって確認された(図9)。
IDPSCが神経細胞に分化する能力に関する結果を、星状細胞および神経細胞運命に関して、それぞれ、図10および11に要約する。
実施例5. 脊椎傷害のマウスモデルにおけるIDPSCの療法的使用
先に、Marquesおよび同僚ら(2009)によって記載されるように、成体雌マウス6〜8週齢をケタミンおよびキシラジン(それぞれ、100および15mg/kg)で麻酔し、そして30g血管クリップ(Kent Scientific社、コネチカット州トリングトン)によって、T9レベルで1分間圧迫傷害に供した。術後、温パッド上で動物を回復させ、そして1mLの生理食塩水溶液を投与して、脱水および血液の喪失を補償し、そしてエンロバイトリル(enrobaytril)(2.5mg/kg/日SC)を注射した。自発的な尿機能が戻るまで、膀胱を1日2回、手動で絞った(expressed)。
IDPSC移植を以下のように行った。亜急性および慢性病変の間の回復を比較するため、2つの異なる時点で、細胞を移植した。亜急性群は、傷害7日後に処置を受けた:総体積4μLの培地(亜急性+DMEM、n=8)またはIDPSC(4μL中、8x10、n=8、亜急性+IDPSC)の注射。慢性群は、病変28日後に、(慢性+DMEM、n=8)またはIDPSC(慢性+IDPSC、n=8)、同じ濃度および体積で処置を受けた。すべての群で、10μLハミルトンシリンジを用いて、病変の発生部位内に細胞を注射した。細胞をまったく投与されないが、すべての外科処置に供される偽群を対照として含んだ。
白質保持を以下のように測定した。この定量化の分析は、DMEM群におけるよりもIDPSC群において、白質領域のよりよい保持を示した(図12)。偽群は、正常分布の病変群に比較して、正常のおよび優れた値(63.23−1.2%)を示した。IDPSC処置動物は、亜急性に関して、ほぼ46.85−1.97%、および慢性群に関して43.49−2.89%の値を示し、一方、処置としてDMEMのみを投与された動物は、亜急性および慢性群に関して、それぞれ、約38.03−4.28%および39.00−2.54%のより低い値を示した。白質保持を、傷害領域の残された白質パーセントに関して計算した。すべての値を図12に例示し、これはまた、この定量化に用いた傷害部位および脊髄試料の模式図も示す(図12Dおよび12E)。
免疫標識栄養因子、脳由来神経栄養因子(BDNF)、神経成長因子ベータ(NGF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、およびニューロトロフィン−4(NT−4)の定量化もまた、脊髄切片に対して行った(図13A〜13D)。用いた一次抗体は:ウサギ抗ヒトBDNF(1:100、PreproTech、ニュージャージー州ロッキーヒル)、ウサギ抗ヒトNGF(1:100;PreproTech)、ヤギ抗マウスNT−3(1:100;PreproTech)、またはヤギ抗マウスNT−4(1:100;PreproTech)であった。一次インキュベーション後、スライドを洗浄し、そして適切な抗体:Alexa 488ヤギ抗ウサギ(1:600;Sigma−Aldrich)またはAlexa 488ウサギ抗ヤギ(1:600;Sigma−Aldrich)と、室温で2時間インキュベーションした後、3回洗浄し、そしてFluoromount(Sigma−Aldrich)でカバースリップ処理した。定量化研究のため、12匹の動物(群あたり3匹)を用いた。染色領域および総視野領域の間の比を評価することによって、免疫蛍光画像をImage−Pro Plus(バージョン6.0)で分析した。各動物由来の6つの切片を用い、そしてこれらの切片は100μm離れていた。すべての脊髄横断面を含むため、各切片から、10X対物レンズを用いて、2枚の写真を撮った。その後、これらの画像を用いて、栄養因子BDNF、NGF−b、NT−3、およびNT−4を定量化した。一方向ANOVAおよびチューキー法を用い、GraphPad Prismソフトウェアを用いて、データを統計的に分析した。
栄養因子が可溶性であり、そしてしたがって、組織中に非常に迅速に分散するため、栄養因子染色は低い免疫反応性を示すが、群間の染色パターンの相違が観察可能であった(データ未提示)。一般的に、IDPSC処置群は、特に、分析した栄養因子すべてのより高いレベルを示した亜急性群において、DMEM処置群に比較して、領域あたり、増加した免疫反応を示した。慢性群に関して、本発明者らは、BDNFおよびNGF定量化に関して、IDPSC処置群およびDMEM処置群間の相違を観察したのみであった。DMEM処置動物に比較した際、すべての分析した栄養因子に関して、特に亜急性および慢性群両方において、有意により高い免疫標識領域を示したBDNFおよびNGFに関して、IDPSC処置動物において、より強い染色が観察された(図13A〜13D)。
Graph Pad Prism 4.0で、すべての統計分析を行った。結果を平均−SEMとして示し、そしてp値≦0.05を有意と見なした。
電子顕微鏡に関しては、動物に細胞移植を行った8週後、上述のように、ケタミンおよびキシラジンで麻酔し、そして0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)中の4%パラホルムアルデヒドおよび1%グルタルアルデヒド溶液で、心臓内灌流した。脊髄を摘出し、3つの異なるセグメント(病変の発生部位、ならびにその頭側および尾側)に分け、そして0.8%フェロシアン化カリウムを含むカコジル酸緩衝液中の1%四酸化オスミウム中に、室温で6時間、浸すことによって、後固定した。試料を0.1Mリン酸緩衝液(pH7.4)で3回洗浄し、段階的なアセトンシリーズで脱水し、樹脂中に包埋し、そして60℃で48時間、重合させた。RMCウルトラマイクロトームを用いて、半薄(500nm)および超薄切片を作製した。半薄切片をトルイジンブルーで染色し、そしてZeiss顕微鏡(Axioscop 2 Plus)下で観察し、そしてAxiovisionプログラム・バージョン4.5(Zeiss)を用いて画像を獲得した。超薄切片を銅グリッド上に収集し、酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で染色し、そしてZeiss 900透過型電子顕微鏡中で観察した。
図14および15は、すべての群由来の半薄および超薄切片を示す。本発明者らは、一般的に、亜急性相(図14A〜14C)または慢性相(図15A、15C、および15E)において、DMEMを投与された動物の超構造分析が、多くの空洞化(図14Aにおいて短い赤い矢印、ならびに図14Cおよび15Cにおいてアステリスク)を伴う組織崩壊、および強い星状細胞増加(図15Eの矢じり)、ほとんど保持されない線維(図14Bおよび14C)、および典型的な基底膜を伴う、いくつかのミエリン化シュワン細胞(図14Bにおいて実線の矢印、および図15Cにおいて星)を明らかにしたことを観察した。
IDPSC移植を受けた亜急性群および慢性群はどちらも、より優れた組織保持を示した。IDPSC亜急性群(図14D〜14I)において、本発明者らは、白質内部に多数の保持された線維(図14Eの大きな矢印)、ならびに内部に多くの細胞質封入、ミエリン破片、および脂質を含むかなりの数のマクロファージ(図14Eの黒い矢印)を観察可能であった。損なわれていないシュワン細胞(図14Fの実線の矢印)およびオリゴデンドロサイト再ミエリン化軸索(図14Fの黒い矢印);再生島(図14G)、およびいくつかの保持されたニューロンもまた観察された。これらのニューロンのいくつかは、いくつかの保持されたシナプス接触(図14Hの人工的に着色された部分)を示した。IDPSC慢性群(図15B、15D、および15F)の超構造分析は、多くの保持された線維(図15Bの長い矢印)、いくつかのシュワン細胞ミエリン化軸索(図15Dの矢印)、およびシナプス接触を含む保持されたニューロン(図15Fの長方形)を示した。
行動分析を以下のように行った。傷害前、傷害1日後、および毎週、細胞移植後、最長8週まで、動物を評価した。回復を分析するため、オープンフィールドで1分間、webcam(1秒あたり5フレーム)で動物を記録することによって、自発運動改善を評価する、Marquesおよび同僚らによって記載される広域移動試験(2009)を用いた。その後、1分間の期間中に動物が到達する速度(cm/秒)を、ImageJソフトウェアを用いて測定した。Bassoマウススケール(BMS)試験もまた行い(Bassoら、2006)、これは、かかとの動き、足の位置、体重支持、足底ステップ、後肢および前肢の協調、および体幹安定性などの自発運動能力および自発運動特徴を示す、9ポイントスケールである。統計分析のため、左および右後肢(HL)から得られるスコアの平均を用いて、動物あたり単一のスコアを確立した。事後比較のための一方向ANOVAおよびチューキー試験を決定した。
広域移動試験に関して、偽処置動物は、自発運動にいかなる改変も示さず、そしてほぼ16.21−1.73cm/秒の正常値を示した。IDPSCを投与された亜急性群(6.94−1.85cm/秒)は、DMEM群(3.71−0.95cm/秒)に比較して、より高い値を示し、そして自発運動の改変は、細胞移植の7日後(すなわち脊髄傷害(SCI)の14日後)から始まり、そして研究の続く週の間、維持された。慢性動物は、処置7日後にわずかな改善を示した。しかし、細胞移植14日後、これらは、DMEM群における4.15−1.07cm/秒に対して、ほぼ6.6−2.03cm/秒の平均の、より高い自発運動速度を示した。IDPSCを投与された群はどちらも、動物は、通常の速度には到達しなかったが、これらは、より優れた探索パターンを示し、はるかに多く歩き、そしてオープンフィールドを試験中に数回横断した。図16は、IDPSC移植35日後のこれらの動物の置換を例示する。
IDPSC処置動物によって示される機能的改善はまた、これらの細胞による神経栄養因子の放出に帰因しうる。これは、病変領域をバイパスし、そして新規シナプス接触を作製して、機能転帰を増進させうる、側枝出芽を刺激することによって作用する可能性もある(Cummingsら、2005)。これは、多くの健康なニューロン、損なわれていないシナプス接触、および保存された軸索が超構造分析において見られるため、もっともらしい説明である。この研究によって、マウス包括的SCIの亜急性および慢性段階の両方において適用されるような、IDPSC移植の重要な療法的潜在能力が立証された。IDPSCは、近い将来、ヒト試験において用いられるべき幹細胞に基づく治療のための優れた候補であるようであった。
実施例6. イヌ・ジステンパーおよび硬蹠症の臨床的症例における、IDPSCの神経学的潜在能力の前臨床研究
イヌ・ジステンパーは、イヌのウイルス性疾患であり、そしてこのウイルスは、パラミクソウイルス群に属する。ヒトにおいて、麻疹ウイルスもまたこの群のメンバーである。症例のおよそ半分は致死性である。イヌ・ジステンパーは、治癒が不可能であり、あらゆる面でイヌの体を攻撃する深刻なウイルス性疾患である。該ウイルスは、イヌの中枢神経系の持続性感染を引き起こし、進行性の多病巣性脱ミエリン化疾患を生じる。動物がひとたび、該疾患の神経学的症状、例えば発作または麻痺を発展させたら、生存の可能性は低く、そして生活の質は、次第に悪くなっていく運命である。したがって、これらの動物は、通常、安楽死となる。
病歴
動物の飼い主によってサインされたインフォームドコンセントを得た後、そして国際動物飼育指針にしたがって、動物を実験処置に登録した。また、飼い主にはいかなる費用も負担させずに治療を実現し、そして動物は治療後、長期追跡調査を受けた。
年齢4〜6歳の間、そして体重8kg〜16kgの間の、イヌ・ジステンパーと診断され、そして嘔吐、下痢、および発熱等の症状を提示した、多様な犬種の8匹のイヌを登録した。細胞移植前に、これらのイヌには、咳および肺炎と戦うため、抗生物質を投与し、これらはいかなる臨床的寛解も提供しなかった。イヌ自身がウイルスの影響をかわす能力にしたがって、イヌは、この疾患の神経型の症状、例えば後足の麻痺または後足および前足両方の麻痺を得た。
ウイルスの影響が終わった後、初めて、異種IDPSC移植を行った。継代3〜5回で凍結保存した未分化IDPSCを用いた。移植直前に細胞を融解し、そしてあらかじめ温めた(37℃)無菌PBSで2回洗浄した後、800xgで5分間遠心分離した。その際に、トリパンブルー染色を用いて、細胞生存度を試験し、そしてこれはおよそ98%の生存細胞だった。各適用で用いる細胞数をイヌの体重にしたがって確立し、そしてこれは2x10(8kg)〜4x10(16kg)の間で多様であった。細胞を、続く静脈内注射のため、平均体積±0.5mLの無菌生理学的溶液中に懸濁した。イヌに注射可能麻酔剤を投与し、この用量はイヌの体重および麻酔に対する特定の犬種の感度にしたがって計算された。疾患重症度にしたがって、イヌに単回または複数回(3回より多くない)適用を投与した。いかなる免疫抑制プロトコルも伴わずにIDPSCを移植した。動物はいずれも、単回または複数回IDPSC移植後、免疫拒絶の徴候を示さなかった。
最初のIDPSC適用後まもなく、すべての動物は、イヌ・ジステンパーの神経学的型の症状の有意な寛解を示した。這うことしかできなかった動物が、半分起き上がり始め、半分起き上がることが可能であった動物が、起き上がって歩き始めた。這うことしかできなかった動物が、起き上がり始め、起き上がることが可能であった動物が、ゆっくりと歩き始めた。各動物は、治癒の自身の動力学を有し、そして筋系がより強いものは、寛解の加速された動力学を有した。より進行した臨床的症状を提示し、そして這うことしかできなかったイヌは、3回目のIDPSC適用後に有意な寛解を示し、そして困難を伴いながらであったが、歩くことが可能であった。次に、最適な臨床結果を得るため、これらを理学療法に供した。
代表的な図17および18において、イヌ・ジステンパーの穏やかなおよび重度の神経学的型を示す2匹の動物(細胞適用前)および治癒の進行(細胞適用後)を示す。穏やかな神経学的型を伴う動物は、後足の麻痺を示し(図17Aおよび17B)、これは単回のIDPSC適用後、完全に回復し(図17Cおよび17D)、そして十分な期間中、動物は、歩き、そして立つことが可能であった。重度の神経学的型を伴う動物は、発作ならびに前足および後足の麻痺の両方を示した(図18Aおよび18B)。発作は、最初のIDPSC適用後に消え、そしてイヌは足を正しく動かすことが不可能である、疾患症状を提示しながらではあったが、短い距離を歩くことが可能であった(図18Cおよび18D)。このイヌは、3回目のIDPSC適用後、すべての運動をほぼ完全に回復させた。
4ヶ月後の追跡調査時、すべての動物は、運動を回復させ、そして走る能力さえ回復させた。2年後の追跡調査時、動物は、IDPSC移植が安全であり、そしてイヌの身体能力を維持することが可能であり、見かけ上、健康であることを示した。動物はいずれも、幹細胞移植によって引き起こされうると言われる、腫瘍形成を示さなかった。
実施例7. IDPSCの筋原性分化
さらに、心筋細胞(CM)様細胞へのIDPSCの分化を観察した(図19)。IDPSCは、融合(図19A)または分化(図19B〜19C1)後、in vitroでCM様表現型および形態を採用しうる。
心筋細胞アポトーシスは、結果的に鬱血性心不全を生じる進行性心臓機能不全に非常に重要である。骨髄細胞は、心筋細胞との融合を通じて、虚血後に心臓機能を回復することを補助し、こうして心臓細胞をアポトーシスから救出するのを補助することが可能である。細胞融合は、心筋梗塞後、心筋細胞をアポトーシスから保護し、こうしてターゲティング心臓再生療法の新規アプローチを提供する(Yangら、2012)。IDPSCはまた、in vitroで立証されうる天然の自発的な融合能のため、心不全において使用する優れたオプションである可能性もある(図20)。初代ヒト皮膚線維芽細胞(PHSF)、マウス骨髄細胞(MBMC)およびIDPSCを単離し、そしてカルシウムおよびマグネシウム不含ダルベッコのリン酸緩衝溶液(DPBS、Invitrogen)で2回洗浄し、そして0.25%トリプシン/EDTA溶液(Invitrogen)で解離させた。懸濁物を遠心分離し、そして緑色(Dio)蛍光色素(Vybrant CM−Dio細胞標識溶液;Molecular Probes、Invitrogen)を含有する10%ウシ胎児血清(FBS)(Invitrogen)を含むDMEM(Invitrogen)中に細胞ペレットを再懸濁し、一方、赤色(Dil)蛍光色素を含有する同じ溶液中に、IDPSC懸濁物を再懸濁した。細胞を37℃で15分間インキュベーションし、DPBS中で2回洗浄し、そして混合細胞IDPSC:PHSFおよびIDPSC:MBMCを1:1比で植え付けた。どちらの実験でも、効率的で自発的な細胞融合が観察された(図20)。
これらの未分化IDPSC(10)をまた、記載されるように(Selye H, Bajusz E, Grassos S, Mendell P. ラットにおける冠血管の外科閉塞のための単純な技術。 Angiology.(1960)11:398−407)誘導した、冠状動脈結紮による心筋梗塞のラットモデルにも移植した。すべての方法は、動物飼育および使用における倫理的実行のための国際ガイドラインにしたがって実行した。5匹の若いWistar雄を用い、体重は200〜250グラムの間であった。心筋梗塞の誘導直後、直接心筋内注射によって、細胞を投与した。1ヶ月後、心筋中にIDPSCホーミングがあった(図21)。Kerkisら(2006)Cells Tissues Organs 184:105−116に記載されるように得た抗IDPSC抗体を用いて、IDPSCホーミングを分析した。
レシピエント細胞および筋組織と、IDPSCのin vivo筋原性潜在的および自発的融合能をまた、ゴールデンレトリバー筋ジストロフィー(GRMD)犬でも立証した。GRMDで以前観察された、家族間の変動の影響を最小限にするため、同腹仔由来のイヌを用いた。人工授精を通じて、罹患した雄とキャリアーの雌を交配させた後に生まれた、6匹(3匹の雄および3匹の雌)の罹患した動物を用いた。各性別に動脈注射を通じて、6x10 IDPSCを投与した。1匹の未注射の雄および1匹の未注射の雌を、年齢マッチ対照として分析した。IDPSCでの長期治療の潜在的な影響を検証するため、44日齢から開始して、動物を毎月治療した。異なる時点で、生検を得て、そしてIDPSCのホーミングおよび分化を研究した。図22に見られるように、IDPSCは、イヌ筋肉中のヒトジストロピン染色によって示されるように、注射GRMD犬の筋細胞に分化し、そしてこれらと融合した。
実施例8. マウス骨髄におけるIDPSCホーミング
各試験株(n=4)10細胞でBALB/cヌードマウス(n=15)の腹腔内注射後、生着する能力によって、IDPSCをさらに性質決定した。IDPSC注射の2週間後にマウスを屠殺した際、これらの細胞の高密度の生着がマウス骨髄において観察された(図23)。
実施例9. マウス精巣における精子形成の支持細胞および精原細胞様細胞へのIDPSCの分化
IDPSCが未分化である際、セルトリ細胞の重要なマーカー、例えばデスミン、ビメンチンおよびサイトケラチン−18およびCD29(インテグリン・ベータ1)を発現するのは興味深いことであった(図24)。このデータから、これらの細胞は、セルトリ細胞および精原細胞の他のタイプに分化する能力を試験することを正当化する、すべての利点を有する可能性が高いようであった。パイロット実験において、図25に概略するように、ヒトIDPSC(hIDPSC)の2つの培養を、繁殖性および不妊(放射線照射による)マウス精巣内に移植した。
細胞懸濁物(10細胞)を蛍光色素Vybrant(図26A〜26B)で染色し、そして正常マウス精巣またはガンマ照射によって不妊にしたマウス精巣(系統CD−1)に注射した。照射(150ラド)を3回(1ヶ月)行い、そして照射1ヶ月後、細胞を適用した。対照マウスには生理食塩水溶液を注射した。注射3日後および9日後に動物を屠殺した。ルーチンのプロトコルを用いて、薄層凍結切片(5μm)を用意した。色素Vybrantによって放出される蛍光によって、マウス精巣中のIDPSCの存在を評価した。
繁殖性マウスにおいて、注射1日後、細胞は主に、ライディッヒ区画およびセルトリ細胞中で検出された(図26C〜26E)。3日後および9日後、IDPSCは、管腔近くで見出され、ここには通常、より分化した精原細胞が位置する(図27および28)。IDPSCは、これらの区画内にクラスター分布を示し、そして蛍光は、いくつかの管領域(TS)でのみ観察され、IDPSCの存在を示した;が、マウスにおいてTSの大部分は、細胞の徴候をまったく示さなかった。対照マウスにおいて、生理食塩水を注入したTSでは、蛍光シグナルはまったく観察されなかった(図27C)。不妊マウスにおいて、IDPSCを照射精巣に注射した9日後、IDPSCは主に、高密度の結合組織で構成される白膜の移植したTSの末梢部分で観察された(図29)。
IDPSCの注射9日後、ヒト生殖様細胞の形成が観察された。IDPSCを特異的に認識する抗IDPSC抗体(緑色)を用いて分析を行った(図29C)。四分染色体の存在が観察され、減数分裂の発生が示された(図29D〜29D1)。
Vybrant(赤色)で染色されたIDPSCからの発生の異なる段階での生殖様細胞の形成もまた観察された(図30および31)。ヒトX染色体プローブを用いたFISH分析は、関心対象の区画でのヒトX染色体の存在を示す(図32)。しかし、ヒトおよびマウス細胞間の融合も発生する可能性があり、そして四倍体細胞が減数分裂を通じてどう進行するかを想像することは困難である(図33)。
本発明者らは、Vybrant染色IDPSC(赤色)および緑色に染色されるマウス精巣から単離された細胞をin vitroで共培養した際、これらの間の融合を観察した。これらの細胞の間の融合は、細胞質の二重染色で、またヒトおよびマウス細胞に対応する別個の形態を示す核を含む、二核細胞の存在で観察された(図33A〜33B1)。
さらに、本発明者らは、hIDPSCが、不妊マウスにおいて、60日後、セルトリ、ライディッヒおよび筋様細胞の部位に、集合することが可能であり、前述の形態学的特性を示すことを示した(データ未提示)。
実施例10. IDPSCを用いた、ネコにおける腎不全の治療
雄のペルシャ猫、年齢11歳が、中程度の脱水、多尿、多飲、食欲喪失、無感情、および体重喪失の症状を提示したことによって、臨床ケアのため、動物病院を訪れた。バイタルパラメータの身体検査によって、水和の度合いの変化が示され、これはほぼ7%であった。腎機能の評価を行い、尿素>250mg/dl、クレアチニン11.1mg/dl、尿比重1012と測定され、そして腎臓の超音波評価によって、どちらも皮髄境界部の部分的喪失、小さいサイズ、皮質エコー輝度増進を示した。腎臓の測定値は、それぞれ左および右で、幅1.7cm、長さ2.0cm、および幅2.0cm、長さ2.5cmであった。組織学的変化は観察されなかった。
慢性腎不全(CRF)の臨床診断が記載された後、電解質(Na)155mg/dl、(K)3.0mg/dl、(Ca)イオン化8.4mg/dl、および(P)7.7mg/dlと測定された。3.5mlの塩化カリウム(19.1%のKCl溶液)、2mLの化合物Bおよび0.5mLのラニチジンを加えた250mlのリンゲル乳酸(RL)の静脈内注射によって、即時支援治療を開始した。カリウム以外は、この療法を最初の12日間維持し、そして次いで、0.5mLの皮下(SC)ラニチジン投与を開始した。この期間中、支持療法開始の5日後に、臨床的改善が観察され始め、そして尿素およびクレアチニンの濃度は、それぞれ、最小限174.1mg/dlおよび5.3mg/dlに到達した。動物は、走り去って遊び、そして正常酸素圧(normorexia)を示したが、なお多尿/多飲を有した。
IDPSC療法
最初のヒトIDPSC療法は、療法支持開始の27日後に行い、第二および第三は41日後および50日後であった。最初の細胞療法中、動物には、1mLの無菌リン酸溶液中で希釈した未分化LP IDPSCの2x10を投与し;0.6mLは腎内(右腎臓のみ)に適用し、そして0.4mLは皮下適用した。この方法のため、動物に5mg/kgモルヒネの鎮痛剤を投与し、そして水槽中、吸入麻酔剤、イソフルランで誘導した。
IDPSC療法後の12日間の間、そして上述の支持治療をなお受けながら、動物は、変化なく、そしていかなる他の特定の治療も受けずに、臨床像を有した。IDPSC療法の1ヶ月後、80%の改善が観察された。動物は、尿排出および水摂取の減少を示した。この期間中、尿素およびクレアチニンの濃度は、それぞれ、最低値の172mg/dlおよび4.4mg/dlに到達した。
第二のIDPSC療法は、最初のものの43日後に、同じ条件下で行われた。第二の細胞療法の29日後、動物はよい状態のままだった。第二の療法の30日後、CTスキャンは、無感情および正球性/正色素性の図を示し、再生性でないことを示した。
第三の細胞療法を、第二の細胞療法の50日後に、同じ条件で行い、そして動物はよい状態であった。第三の細胞療法の7日後、動物は元気で、よく遊び、体重を増やし、正常酸素状態であり、そして正常尿(normuria)正常飲量(normodipsia)であった。この期間中、尿素およびクレアチニン濃度は、それぞれ、最低値の136.2mg/dlおよび3.8mg/dlに到達した。
第三の細胞療法の4ヶ月および12日後、動物は、それぞれ、198.1mg/dlおよび4.4mg/dlの尿素およびクレアチニン濃度を示した。この期間後、動物は無感情を示し始め、しばしば、嘔吐および蒼白色の粘膜のエピソードを示したが、多尿/多飲は示さず、そして体重は安定なままであった。エリスロポエチンでの処置は、2000IU用量の100IU/kgを週3回で開始され、そして新規の推奨があるまで、Combiromを24mg/mLおよび1/2mL BIDを処方された。処置16日後、血球数は正常に戻り、そして動物は元気であった。
図34〜36において、細胞療法中の尿素、クレアチニンおよび電解質の変動を要約する。測定を12回行い、そして数字4、7および9は、IDPSC移植に相当する。図35は、IDPSC細胞療法が、クレアチニンレベルを安定化させ、これは低く、そして安定に維持されることを示す。尿素のレベルは、この期間中、変動を示したが、長期にわたって減少する傾向を示し(図34)、電解質も同様である(図36)。
さらに1ヶ月後、動物は、筋肉の脱力感および腹頸部屈曲および嘔吐を示して受診した。静脈内リンゲル乳酸、0.3mLのPlasil、およびカリウム補充液3mL(19.1% KCl溶液)で、0.5mEq/kg/時間の速度を超えずに、液体療法を開始した。4時間後、動物は、発作を起こし、そして死亡した。動物が到着した際に検査を行い、カリウム4.1mg/dl、尿素156mg/dlおよびクレアチニン4.4mg/dlが示され、全処置中に値を維持する処置を取ったため、死亡のありうる原因は腎不全ではないことが示された。
死亡後まもなく、飼い主の許可を得て、腎臓を取り除き、そして10%ホルムアルデヒド中で固定した。巨視的には、右および左の腎臓のサイズに有意な相違があり(図37A)、左の腎臓は、不規則な外見の新生物が顕著であり(図37B)、そしてコンシステンシーは左の腎臓と類似であった。この相違は、超音波によって先に観察された。
組織学的評価によって、腎内注射を通じてIDPSC移植を受けた右の腎臓、および左の腎臓の間に、有意な相違が示された(図38)。左の腎臓は、糸球体の基底膜肥厚および糸球体の糸球体間質増殖(図38A2)を伴う、広範な線維症(図38A〜38A1)を示す。右の腎臓は、最小限の線維症(図38B1)および保持された糸球体(図38B2)を伴う、より保持された形態(図38B)を示す。IDPSC移植の他の陽性の効果の中で、右の腎臓における血液浸潤(赤色)は、図38B1および38B2で観察されるように明らかであった。さらに、図38B2は、図38A2では見られない、糸球体内皮細胞の保存を示す。
ネコ腎臓におけるIDPSCの存在は、抗IDPSC抗体を用いた免疫蛍光分析によって確認された(図49A〜39C)。
実施例11. 迅速な皮膚リモデリングおよび瘢痕形成の防止におけるIDPSCの影響
LP増進緑色蛍光タンパク質(EGFP)タグ化IDPSC(EGFP−IDPSC)を記載されるように培養した(Lizierら(2012)PLoS ONE 7:e39885)。Swissマウス(8週齢;雌;体重20〜23g)を用いた。動物をランダムに3つの群に分け、そして切除創傷副子固定モデルを生成した。簡潔には、12匹のマウスにおいて、腹部表面から毛を除去し、そして麻酔した後、2つの5mmの完全な厚さの切開皮膚創傷を、正中線の各側に生成した。各創傷に、100μLのPBS中に希釈した10細胞(LP EGFP−IDPSC)を投与し、そして細胞を4つの注射部位で、創傷周囲に皮内注射した。対照群はPBSのみを投与された。免疫抑制プロトコルは適用されなかった。切開をナイロン(4−0)で縫合した(saturated)。動物を個々に飼育した。本発明者らは、本実験前に、マウスの皮膚に対して接着剤を試験し、そしていかなる皮膚刺激またはアレルギー反応も観察されなかった。動物を7日後に安楽死させた。
組織学的検査を以下のように行った。組織標本を3%パラホルムアルデヒド中、24時間固定し、そして最適切断温度を確実にする、凍結組織に用いる包埋媒体、OCT中に包埋した。光学顕微鏡用に、厚さ6ミクロンの切片をH&Eおよびマッソンの三色染色剤で染色した。LP EGFP−IDPSC生着におけるGFP発現の分析を、共焦点顕微鏡によって行った。
組織学的に、最適な側面は、局所送達を通じて、LP EGFP−IDPSCを投与された群で観察された。この群では、よく組織化された組織が、上皮、真皮、および皮下組織を形成することが観察された。生着免疫拒絶の徴候は検出されなかった。
伸張した原線維の形のコラーゲンが、通常、皮膚に見られうる。マッソンの三色染色剤による染色は、皮膚におけるコラーゲンの存在を立証し、これは、傷害を受けた部位にEGFP−IDPSCを局所送達することによってリモデリングされた。対照的に、対照群は、皮膚リモデリングを示さなかった(図40)。
共焦点顕微鏡は、小さい血管、毛包の膨らみの周囲、および皮脂腺中に、LP EGFP−IDPSCのロバストな生着を示した(図41)。PBSのみで処理した皮膚細胞の共焦点顕微鏡検査で得られる画像を、比較のため、図42に示す。
実施例12. LP IDPSCのin vitro網膜分化
神経網膜は、外胚葉細胞、ならびにDPおよびDP由来IDPSCと同じ起源のものからなるため、これらの細胞、網膜およびIDPSCのどちらも、IDPSCを中枢神経系(CNS)のニューロンだけでなく、網膜幹細胞および網膜ニューロン様細胞に生じさせることを可能にしうる、共通の胚性「記憶」を保持しうる。
LP IDPSCの神経原潜在能力の研究によって、これらの細胞がより制御されたタイプの分化の必要性を提示し、そしてレチノイン酸で神経原性誘導を誘導すると、適切に反応することが示された。誘導されたLP IDPSCをin vitroでプレーティングすると、さらなる分化が観察され、そして細胞の大部分は、未成熟ニューロンのマーカーであるβ−チューブリンIIIを発現した。さらに、多くのプレーティングされた細胞は、成熟ニューロンまたはグリア細胞のマーカーを発現した。
脊椎動物において、網膜は、中枢神経系(CNS)の一部と見なされる。しかし、網膜は神経細胞の特殊なクラスであり、そしてシナプスによって相互連結されたニューロンのいくつかの層を含む重層構造である。網膜は光受容体細胞を生じ、これらは光に直接感受性であるニューロンである。3つのタイプの網膜ニューロンは:桿体細胞、錐体細胞、および神経節細胞と同定されうる。桿体細胞は、白黒の視覚を提供し、錐体細胞は、日中の視覚および色の知覚を補助し、そして光感受性神経節細胞は、明るい昼光に対する反射反応に重要である。
ニューロンおよび網膜細胞は、広い範囲の特異的なマーカーが異なり、そして網膜細胞は、初期神経細胞マーカーを発現可能であり、神経細胞は神経マーカー(例えばネスチンおよびβ−チューブリンIII)のみの発現によって限定されない(図43)。EP IDPSCは、神経細胞に分化することのみが可能であり、一方、LP IDPSCは神経および網膜分化の両方を示した(図45〜47)。
in vitroで網膜細胞に向かうLP IDPSC分化のプロトコル
LP IDPSCを維持し、そしてLizierら、2012に記載されるようにin vitro拡大した。LP IDPSCからニューロスフェアを得て、これを25cmの培養フラスコ中、70%の半集密に到達するまで増殖させた。次いで、細胞をトリプシン処理し、そして2つの35mmペトリ皿に分け、1%アガロース(Sigma)であらかじめ処理し、これはプレートの底に薄層を形成した。3%B27を補った神経基本培地(どちらもGibco)を用いた。プレートを、5%COインキュベーター中、加湿大気中、37℃で3日間、インキュベーションした。ひとたび形成されたら、ニューロスフェアを他のプレートに移し、そしてIDPSC基礎培地中で接着させるため、カバースリップ上にプレーティングし、翌日、NB+B27に交換した。接着したニューロスフェアを、ニューロスフェアから細胞がアウトグロースを開始するまで、NB+B27+0.5μMレチノイン酸培地に5日間、維持した。次に、0.25%トリプシンを用いて、酵素消化を行い、そして細胞を35mmの新規ペトリ皿に植え付け、同じ培地であるが5μMレチノイン酸添加を伴わずにさらに10日間維持し、そして培地を3日ごとに交換した。細胞培養をさらに5日間維持し、そして次いで、4%ホルムアルデヒド中で固定した。要約したプロトコルを図44A〜44Fに示し、そして分化のタイムラインを図44Gに示す。
分化の第15日、EPおよびLPの間の網膜細胞に向かう分化の相違を観察し、そして図45および46に示す。EP IDPSCはロバストなニューロン分化を示し、主なマーカー、例えばベータ−チューブリンIIIおよびGFAPを発現する(図47)。
LP IDPSCのCD73(エクト−5’ヌクレオチダーゼ)の発現を、免疫蛍光によって評価し、これもまた網膜細胞の前駆体と近年報告された。MSCのマーカーであるビメンチンの発現もまた評価した。どちらのマーカーもLP IDPSCで陽性であった(図48)。
提唱されるIDPSCの神経冠胚性起源を考慮すると、網膜細胞の特異的マーカー、例えばPax−6、Chx−10、Crx、Nrl、カルビンディンおよびロドプシンの発現もまた、免疫蛍光(図49)およびフローサイトメトリー(図50)によって決定した。これらのマーカーは、未分化LP IDPSCにおいては発現されなかった。
LP IDPSCによって形成される接着ニューロスフェアは、続いて、多量に細胞を放出し、この中のいくつかは、ニューロンに類似の形態を持つ細胞を有した。約5日間培養した後、本発明者らは、接着ニューロスフェアが、スフェア周囲の細胞の非常に濃縮された領域を提示することを観察した。本発明者らは、細胞を継代し、そしてプレートで網膜様細胞が濃縮されるように、NB+B27およびRA中、これらの細胞をさらに10日間培養した。細胞は、異なるタイプの神経細胞に類似の形態を示した(図51)。
LP IDPSCの量および酵素的解離の時間を変化させると、本発明者らは、この変動に応じて、結果が非常に異なりうることを観察した。本発明者らは、短時間の酵素消化下、CNS自体の神経細胞または胚性幹細胞由来のものと非常に類似の形態を示す、二次ニューロスフェアの形成が起こることを観察した(図52)。
分化した細胞を評価するため、本発明者らは、免疫蛍光アッセイを行い、まず、細胞外アデノシン5’−一リン酸のアデノシンへの変換を触媒する、エクト−5’−ヌクレオチダーゼとしても知られるCD73の発現をチェックした。これは錐体および桿体両方の前駆体の細胞表面マーカーである(KOSOら、2009)。図53は、ニューロスフェアおよび分化細胞におけるCD73の発現を立証する。
次に、本発明者らは、転写因子であり、その局在が主に、細胞の核および核周辺領域である、PAX−6を分析した。この分化段階に特徴的である、核および細胞質の間の高い比のため、前駆細胞上で、細胞質発現を視覚化することも可能である。このマーカーの発現は、すべての細胞では起こらなかった。到達した成熟段階に応じて、このマーカーに関して陰性である多くの細胞がある(50%)(図54)。
Pax−6同様、Chx−10もまた、網膜初期発生の前駆体の分化に関与する転写因子である。本発明者らは、Chx−10陽性細胞の数が、Pax−6よりも多く、そしてほぼ80%のChx−10陽性細胞に到達することを観察した(図55)。Chx−10は、転写因子Crxを活性化する。遺伝子Crxは、光受容体発現と協調する転写因子をコードし、そして光受容体前駆体のマーカーと見なされ、そして核および核周辺領域に発現される(図56)。
遺伝子Crxは、別の転写因子Nrlを活性化し(図57)、この分子は網膜ニューロンにおいて発現され、そしてロドプシン遺伝子プロモーターに連結することによって、ロドプシンの発現を促進する。発生中、中枢神経および末梢系全体で発現されるが、成体期には、新皮質および網膜ニューロンに制限される。網膜細胞で発現される次のマーカーはカルビンディンであり、これは、カルシウム結合ビタミンD依存性タンパク質としても知られ、そして神経組織および水平網膜細胞において発現される。リカバリンは、カルシウムリガンド光受容体タンパク質であり、そして発光適応に必要な酵素であるロドプシンキナーゼ活性の制御に関与する。本発明者らは、このタンパク質を発現するいくつかの細胞を見出した。カルビンディンおよびリカバリンはどちらも、細胞質に局在する(図58〜59)。
最後に、光受容体の視覚色素であるロドプシンは、光子の吸収に、より具体的には、明/暗の適応に関与する。その局在は、細胞質により多く、また、コアでも見られうる。このタンパク質を発現する細胞の量はまた、網膜前駆体ではるかにより低かった(図60)。
したがって、本発明者らは、網膜前駆体および成熟細胞における、LP IDPSCのブレークスルーin vitro分化に到達したと結論づけ可能である。
免疫蛍光およびフローサイトメトリーは、他の実施例、ならびにKerkisら、2006およびLizierら、2012に用いられるものと同じである。用いた抗体のリストを以下の表1〜3に示す。
表1. 分化したIDPSC細胞の画像化に用いた抗体。

表2. 分化したIDPSC細胞の画像化に用いた抗体。

表3. 分化したIDPSC細胞の画像化に用いた抗体。

実施例13. LP IDPSCからの膵臓細胞前駆体の産生
外胚葉起源である膵臓β細胞は、外胚葉、神経冠起源であるニューロンと共通の特徴を共有することが、以前示されてきている(Yangら、1999;TeitelmanおよびLee、1987;Baekkeskovら、1990;De Vroedeら、1990)。これらのデータによって、歯科組織は、インスリン産生細胞の生成のための幹細胞のありうる供給源でありうることが示唆される。したがって、酵素消化を用いて得られた乳歯由来のDPSCが、膵臓様β細胞に分化可能であることが報告された(Govindasamyら、2011)。したがって、この研究は、いくつかの疑問を生じた。ランゲルハンス島は、内分泌(すなわちホルモン産生)細胞を含有する膵臓領域であり、膵臓質量のおよそ1%〜2%を構成する。これらの島は、ホルモンを産生する5つの異なる細胞タイプで構成される。
ES細胞を用いる、現在使用される分化プロトコルの大部分は、それぞれのリガンドでの処理を通じた、胚性シグナル経路の連続活性化または阻害に頼る。細胞シグナル伝達分子を機能的に模倣しうる、生物学的に活性な低分子量化学化合物を同定する、別のアプローチが取られてきている。
本発明者らは、LP IDPSCが、異なる神経マーカーセット、例えばNGF、BDNF、NT−3、NT−4、ならびに低アフィニティ受容体、p75NTR(CD271)を発現することを立証した。したがって、正常な膵臓神経組織はまた、ニューロトロフィンのいくつかも発現する(Schneiderら 2001)。あるいは、NGFは、インスリン分泌膵臓ベータ細胞株のニューロン様分化を誘導することも可能である(Polakら、1993)。膵臓ベータ細胞が、胚性内胚葉から生じると、NGFによるインスリン分泌性膵臓β細胞の分化の誘導は、内分泌および神経細胞が、発生経路を共有することを示す。LP IDPSCは、神経および網膜細胞へのロバストな分化を示し、これは膵臓細胞へのLP IDPSC集団の潜在的な能力を強く支持する。
表4において、未分化LP IDPSCおよび異なる膵臓細胞におけるいくつかのニューロトロフィンおよび初期神経マーカーの発現パターンを提示する。膵臓細胞およびLP IDPSCにおけるこれらのマーカーの発現パターンの間の重複が明らかである。これは、LP IDPSCが、幹細胞の潜在的に限定されない供給源であり、インスリン産生内分泌細胞ならびに外分泌細胞(導管/小導管)および膵臓ニューロンへの拘束を示すことを示す。
何人かの著者らは、解剖学的起源が別個であるため、膵臓β−細胞およびニューロンの間の類似性に関する言及を認めなかった(Hebrok、2012)。この仮定に反して、胎児発生中に、内胚葉組織を含む3つの胚葉に寄与するLP IDPSCを、以下の実施例15で立証し、そして提示した(LP IDPSCの子宮内移植)。LP IDPSCは、インスリン産生(内分泌)細胞を産生するか、または外分泌細胞のための細胞基礎を提供するかまたは両方が可能である。これら、またはニューロトロフィンが豊富なこれらの細胞の上清を、ES細胞と組み合わせて用いて、適切な細胞ニッチを生成する膵臓細胞分化に有用な多様な因子を提供することも可能である。ES細胞に勝るLP IDPSCのさらなる利点は、これらがMSCであり、そしてまた、多数のパラクリン機構を通じて作用可能であることである。
総合すると、これらの事実は、島細胞の増殖性分化を誘導することによって、糖尿病のいくつかのタイプの療法的治療の基礎を形成することを示す。
表4.LP IDPSCおよび膵臓細胞において観察される一般的なマーカーの発現

−−−−陰性;+弱い;++中程度;+++強い;n/a−未分析
実施例14. 子宮内幹IDPSC移植(IUSCT)
本発明者らは、本明細書において、ひとたびIDPSCを子宮中の胎児内に移植すると、胎児全体に分布しながら、未分化型および分化型で生存し続けることを示し、そして他の実施例において、多組織特異的分子マーカーおよびロバストな分化潜在能力で特徴付けられる、ユニークな多系譜志向のため、多数の細胞タイプに発展することを示す。
やはり驚くべきことに、IDPSCおよびその分化した子孫は、免疫適格宿主によって拒絶されず、そして不適切な分化に変化せず、適切な宿主ニッチ協調方式で適宜、分化した。したがって、本発明者らは、IDPSCの多系譜志向が、in vivo分布、ならびに多数の組織および臓器内でのIDPSC生着によって証明されると結論づける。
開示する結果によって、子宮内経路を通じて、治療のための有効量で、胎児に投与することによって、細胞療法のためのIDPSCの使用が支持される。
驚くべきことに、トランスフェクションされたGFPタグ化IDPSCは、胎児および胎盤組織に分布する。1つの態様において、本開示は、外因性遺伝物質をIDPSCに形質導入する工程を含む、遺伝子修飾されたIDPSCを得る方法、および遺伝した遺伝子障害および/または獲得障害の治療のため、外因性遺伝子によってコードされる療法タンパク質のための送達系としての、修飾hIDPSC送達系の使用に関する。
骨髄から単離されるが、続いて、脳、筋肉、および臍帯血を含む他の組織において確立可能であるが歯髄では確立されない前駆体である、多分化能成体前駆細胞(MAPC)は、子宮中でリソソーム障害を治療することが示されてきている(米国特許第7,927,587号を参照されたい)。MAPCおよびLP IDPSCの間の驚くべき異なる特性には、以下が含まれる:
・IDPSCはRex1を決して発現しない。
・MAPCはまた、CD44に関して陰性である。
・MAPCは、ネスチン、およびLP IDPSCが特徴付けられる多くの他の因子を発現しない。
・MAPC純度は、IDPSCにおけるような高純度の集団を得るために、細胞選択法の使用を必要とするが、この工程は、IDPSCでは不要である。
・IDPSCが、精製法の必要性を伴わずに、十分な多系譜志向を有することは、重要な相違である。
・さらに、MAPCを用いると、あらかじめ分化した細胞のみが用いられ、そしてMAPC生着の匹敵するレベルは低い。
・IDPSCは、いかなる選択も伴わずに高レベルの生着を示し、これはこれらが「幹細胞」であることを意味する。例えば、本明細書に開示するのは、幹細胞ニッチ、例えばその起源の組織(DP)ではない、例えば筋組織にホーミングする能力を有する、サテライト細胞である、未分化IDPSCの使用である。言い換えると、これらは「真の」幹細胞である!
顕著なことに、本発明者らは、子宮中の実験中、分化および未分化LP IDPSCの分布および生着を検出した。これらが分化する際、これらはこれを適切に行い、例えば心臓組織において、これらは適切なマーカーを発現するが、上皮のマーカーであるCK18を発現しない。これらは、CD45を発現するヒトリンパ球に分化することが示された。本明細書に開示するのは、ロバストな多臓器生着および組織にマッチした分化である。比較すると、MAPCは、分化する、より限定された能力を示す:
・MAPCのIUTトランスファーは、上皮細胞タイプへの分化を生じなかった。
・肺生着同様、MAPCは、腸に存在した;しかし、サイトケラチン染色もまた陰性であり、MAPCが腸上皮に分化しなかったことを示す。
・MAPCはまた、心臓および骨格筋でも見られ、ならびに脾臓および皮膚にも見られたが、いかなる分化も示さなかった。
・脳において、MAPCは、星状細胞およびオリゴデンドロサイトに分化したが、ニューロンには分化せず、そして神経栄養因子を発現しなかった。対照的に、IDPSCを用いるとプルキニエ細胞および脳血管が観察された。
要約すると、本明細書に開示するのは、多系譜志向IDPSC、または分化したその子孫を、単回または組み合わせた生物学的治療(すなわち、これらは他の再生または療法剤と混合してもよい)として、薬学的キャリアー中で投与して、好ましい細胞タイプへの分化を促進する、ロバストな方法である。これはまた、生着または遺伝子送達が、胎児における臓器系の発生進行にしたがって望ましい場合に好適でありうる。
いくつかのモデルにおいて、子宮内移植のため、異なる起源の細胞が用いられてきている。イヌモデルにおける、1x10/kg CD34+父性イヌ骨髄由来細胞の子宮内移植は、多様な組織において、低レベルの微小キメラ化(1%)を達成した(Blakemoreら、2004)。ヒト臍帯血由来CD34+濃縮幹細胞を45〜60日齢のヒツジ胎児腹腔内に移植すると、生後1〜3ヶ月で18%の生着が達成された(Youngら、2003)。妊娠第13日または第14日に、NOD/SCID(非肥満糖尿病/重症複合免疫不全症)マウスに移植されたヒト胎児肝臓単核細胞または胎児骨髄由来CD34+細胞は、それぞれ、8週齢のレシピエントの12%で多系譜ヒト造血生着を生じた(Turnerら、1998)。ヒト胎児間葉系幹細胞を第14日〜第16日のデュシェンヌ型筋ジストロフィーのマウス胎児に移植すると、多数の臓器で、広範囲の長期(19週間)移植が生じた(Chanら、2007)。ネズミ胎児に移植された胚性幹細胞は、低レベル(0.4%)のキメラ化を達成した(Moustafaら、2004)。妊娠末期胎盤由来のヒト胎盤由来羊膜および漿膜細胞もまた、新生ブタおよびラットにおける移植に成功し、移植後、低レベルのキメラ化を示した(Bailoら、2004、Chenら、2009)。
Liechtyおよび同僚ら(2000)は、妊娠開始時のヒツジにおいて、ヒト骨髄間葉系幹細胞のIUTを行った。この研究は、いくつかの組織において、異種MSC生着を示し、これは、移植後13ヶ月間持続した。移植された細胞は、分化を経て、移植部位で、軟骨細胞、脂肪細胞、筋細胞、および心筋細胞、骨髄および胸腺間質細胞になった。この研究によって、MSCは、その多分化能を維持することが可能であり、そしてさらに、免疫学的拒絶を伴わない、そのユニークな免疫学的特性が示された(Almeida−Poradaら、1996、b、2002;LIECHTYら 2000)。続いて、MacKenzie & Flake(2001a、b 2002)はこれらの結果を確立した。しかし、どちらの研究においても低レベルのキメラ化が観察された。
別のグループは、妊娠第14日に、ヒツジ子宮において、同種MSC移植を行い、これはまた低レベルのキメラ化を生じたが、多数の臓器における生着を示した(SCHOEBERLEINら、2005)。
妊娠第14日にヒト骨髄MSCをマウス子宮に移植した際、これらは、三胚葉由来のすべての組織に生着を示し、これは4ヶ月後まで維持された。CD45+細胞(ヒトリンパ球マーカー)が、マウス末梢血において検出されたことに言及することが重要である(Chouら、2006)。この研究によって、MSCの集団が、適切な環境において血液細胞に分化可能な前駆細胞を含有しうることが示唆される。
哺乳動物において、心臓発生のための骨髄MSCの有用性を調べるため、胎児および成体起源のこれらの細胞をヒツジ胎児中に腹腔内注射した。成体骨髄または胎児肝臓および脳から単離されたMSCの移植片の間で、相違はまったく観察されなかった。大部分のヒト細胞は、プルキニエ線維に移植された。およそ43.2%のプルキニエ線維がヒト起源であり、対照的に、わずか0.01%の心筋細胞がMSCのものであった(Aireyら 2004)。
妊娠の最初の三半期に、末梢血から単離されたヒト胎児CTMを、多発性骨折を生じ、そして現在対照療法的にしか治療されない骨形成不全(HI)のホモ接合性マウスの子宮に適用した。ドナー細胞は、動物骨において見られ、そして細胞外構造タンパク質、骨オステオポンチンを産生する骨芽細胞系譜の遺伝子を発現する。治療後、骨折および骨格異常の顕著な減少が観察された(GUILLOTら、2008)。
ヒト羊膜および胎盤から得たMSCもまた、IUTの動物モデルにおいて用い、多様な臓器における遊走および局在が明らかであったが、移植は低レベルのままであった(Hanら、2008、Chenら)。脂肪組織由来MSCは同様の低い生着を示した(Martinez−Gonzalez、2012)。
羊水から得たMSCの自家移植を、GFP陽性幹細胞を用いてヒツジにおいて実行し、細胞は、心臓、肝臓、胎盤膜、臍帯、副腎および筋肉を含む胎児組織中で検出された(Shawら 2010)。
ウサギ胎児肝臓から得た同種MSCを、2つの投与経路:肝臓内および羊膜内によって行った。移植片を、10日後および16日後に研究し、そしてこれらの細胞の低い移植が観察され、これらは、にもかかわらず、16週間持続した(Morenoら、2011)。
ヒトES細胞が機能するニューロンにin vivoで分化する能力をチェックするため、これらの細胞を、妊娠第14日のマウス胚の側脳室中に移植した。この研究によって、ES細胞がマウス脳内に組み込まれ、そして主に、実質および機能性ニューロンに位置する星状細胞を産生することが可能であることが示され、これらは、顔の流れに沿って脳室下で遊走することが見出され、そしてまた嗅球にも見られたが、脳におけるこれらの移植片は、>0.1%と低かった(Muotriら 2005)。
歯髄幹細胞の利点は、歯髄が胚性起源であることによる。頭蓋顔面組織は、神経冠から生じ、これは、一過性の胚性構造である。現在の知識によれば、神経冠幹細胞(NCSC)は、ES細胞に類似の高い自己再生能および分化潜在能力を有する。
遊走後NCSCは、末梢神経系を生じる大部分の細胞および組織、ならびに多様な非神経細胞タイプ、例えば心臓血管系の平滑筋細胞、皮膚の上皮細胞、頭蓋顔面骨、軟骨および結合組織、角膜上皮および歯髄、その他を生じる(LE DOUARIN、DUPIN、2003; DOUARIN LEら、2004、2008)。
子宮内幹細胞移植(IUSCT)は、遺伝的、先天的、血液学的、および免疫学的疾患の治療のための方法である。基本的研究において、異なるタイプの幹細胞の遊走、移植および機能状態の動力学を研究するためのモデルを提供する。機能的には同等ではない4つに分けられうる妊娠期間の異なる瞬間に、細胞を移植することも可能である。細胞、および幹細胞を適用する4つの期の選択は、細胞の振る舞いおよび移植の結果に影響を及ぼしうる。胎児および成体造血または骨髄由来間葉系幹細胞(MSC)が、主にIUSCTに用いられた。本発明者らは以前、ヒト未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)を得て、これは多能性潜在能力および免疫適合特性を示した。
本発明者らの目的は、イヌにおける第三胎生期中、IUSCT後のIDPSCの遊走能、増殖、ホーミングおよび分化を評価することであった。すべての実験法は、サンパウロ大学の獣医学動物科学部倫理委員会によって認可され、そして適切な麻酔下で行われた。1x10の未分化GFP陽性ヒトIDPSCを、妊娠第45日、5つの胎児内に、術中超音波制御下で、開腹手術、および腹腔内注射にしたがって移植した。IDPSCを投与されない5つの胎児を対照として用いた。胎児を収集する前に、超音波分析を毎日行った。7日後、卵巣子宮切除術を行い、胎児を収集した:臓器および組織を単離し、そして4%パラホルムアルデヒド中で固定するかまたは凍結保存した。
臓器および組織内のEGFP LP IDPSCの生体分布を、共焦点顕微鏡下で、凍結切片に対して分析した。EGFP LP IDPSCのホーミングは、三胚葉である、内胚葉、外胚葉および中胚葉由来の臓器で観察された。胃および腸において、EGFP LP IDPSCは、腺内空間、ならびに粘膜筋板で見られた。肝臓において、これらは、肝実質に見られ;心臓においては心筋に、そして脳においては血管に、小脳においてはプルキニエ細胞内に見られる。フローサイトメトリーアッセイを用いると、EGFP LP IDPSC移植片が定量化された。異なる臓器の中で、心臓の心筋(〜50%)中に、脾臓および肝臓に、明らかなホーミングが観察された。EGFP LP IDPSCはまた、イヌ胎盤、特に血管にも見られた。これらのデータは、抗ヒト核(HuNu)、抗GFPおよび抗IDPSC抗体を用いて確認された。ヒトEGFP LP IDPSCは、イヌ胎児においてIUSCT後、高い遊走能および増殖潜在能力を示した。未分化EGFP LP IDPSCは、胎児造血性(胎盤)、上皮(胃腺)および血管周囲幹細胞ニッチにおけるホーミングも示した。本発明者らのデータは、EGFP LP IDPSCがIUSCTを通じてこれらの疾患のための遺伝的、先天的、血液学的、および免疫学的治療のための新規の有望な供給源であることを示唆する。
実験群−動物
本発明者らは、イヌモデル(イヌ(Canis lupus familiar))、SRD(雑種)、雌、3〜4歳、妊娠ほぼ43日の妊娠動物を用いた。
胎児年齢を概算するための腹部超音波
外科処置の3日、2日、および1日前に、トランスデューサー:7.5MHzリニア、コンベックス5.0MHzおよび別の腔内装置(endocavitary)を備えた、ハンドセットGE(登録商標)ブランド、モデルLogic 100MP超音波検査を行った。画像をデジタル文書化した。
7.5MHzリニアアレイトランスデューサーを臓器および子宮の臨床的評価のためのすべての試験で用い、一方、5MHzトランスデューサーは、長さおよび寸法において、胎児の体を評価するために、特に帯状胎盤の限界を超える場合に有用であり、例えばCR(体の長さ−頭殿長)を、最も吻側の頭蓋骨から尾の付け根までの間の距離から測定し、DTC(胎児の横径)を、胎児の背側および腹側外側外側(ventral−lateral−lateral)の距離から得た。膜と関連する構造を定義する際に、PE(胎盤の厚さ)の測定値を得た。
胎児年齢を決定して、胎児が43日齢未満であることを確認するために、肺および肝臓のエコー輝度(ecogenicidade)の評価を通じて、年齢を得た。本発明者らはまた、心拍(HR)を測定し、細胞移植前および後の胎児生存性を確認した。
子宮胎盤ベルトのマッピングおよび位置決定
スキーム1は、実験モデルの子宮角を例示する:治療群胎児1、3、4および5の右の子宮角(Cud)は、GFPタグ化IDPSCを投与された。胎児対照群は左の子宮角(Cue)の2および7中にあり;これらを実験対照のために収集した(図61)。
イヌ胎児モデルにおける子宮内移植のための方法
本発明者らは、3つの異なる回で、この研究において使用する外科処置を分けた:
初回は外科処置1の3日前に始まる
1−妊娠した雌の臨床的評価
2−年齢および胎児生存性を決定する腹部超音波(US)
3−CBCのための血液収集
4−術前12時間絶食および4時間水分遮断(fluid deprivation)
5−両方の外科処置における麻酔技術
メペリジン(Cristalia Chemicals and Pharmaceuticals、イタピラ)5mg/kg IM(筋内)とともに、0.1mg/kgの用量のアセプロマジン(Univet、サンパウロ、SP)の前麻酔を15分間行い、その後、ジアゼパム5mg/kgとともに、7.5mg/kg用量のケタミンで麻酔の誘導に進み、次いで、腰仙を通じて、皮下注射針40x8で、血管収縮剤を伴わない2%リドカイン(Cristalia Chemicals and Pharmaceuticals、イタピラ)とともに、1.0mg/3kgの用量のモルヒネでの硬膜外麻酔を用いた。手術中には、4.4mg/kg IV(静脈内を通じる)の用量のフェンタニル(疼痛緩和剤)(Hipolabor、サバラ)およびアンピシリンナトリウム(抗生物質)20mg/kg IVを用いた。
1−外科処置I−試験開腹(Exploratory Laparomia)
2−子宮胎児を計数するためのマッピング、および胎盤近傍(paraplacentary)右子宮角(CUD)の胎児の同定
3−US−腔内プローブに導かれた、胎児の腹腔の同定
4−腹腔内胎児1、3、4および5 Cudへの、1.0ml無菌生理食塩水中に再懸濁された子宮内IDPSC 1x10細胞の移植
5−毎日のケア:ATB(抗生物質療法)療法、5.0mg/kg SC(皮下)BID(12時間ごと)の用量のエンロフロキサシン10%、ならびに第1日に0.2mg/kg、そして2日目および3日目に0.1mg/kgの用量のSC後、SID(24時間ごと)の抗炎症(Anti−flamatorio)メロキシカム0.2%、ならびに液体ヨウ素およびDakimポルビジン(polvidine)での領域のドレッシング。
6−動物に自由に食物および水を与えて犬小屋で飼育し、そして動物の機械的制限としてエリザベスカラーを用いた。
2回目を、子宮GFPタグ化IDPSCの移植7日後に行った
1−胎児生存性を決定するための腹部超音波(心拍−HR、蠕動胎児運動)
2−CBCのための母親血液収集
3−術前12時間絶食および4時間水分遮断
外科処置II−3日以内に卵巣卵管子宮摘出術(ovariosalpingohisterectomy)を行い、続いて:
1−臨床評価のため、術後1日目、2日目、および3日目の腹部超音波
2−先に記載するものと同様の毎日の術後ケア(ATB、治癒および抗炎症部位)
3−動物に自由に食物および水を与え、そしてエリザベスカラーをつけて、3日間犬小屋で飼育した。
4−動物を飼い主に高率で返した(High return)
子宮除去を行った直後の3回目
胎児剖検−胎児1、3、4および5(治療群−CUD)、ならびに胎児2および7対照群−CUE+2 CUD胎児の臓器および組織を、後の異種移植の分析のために収集した。
胎児の剖検直後、以下の臓器を収集した:舌、食道、胸腺、肺、心臓、横隔膜、腹大動脈、胃、小腸(Jujuno)、脾臓、腎臓(Kidney Law)、性腺(卵巣または精巣)、脳、小脳、胎盤を以下のように収集した:
試料1−1/3の臓器を10%パラホルムアルデヒドに先に入れ、そしてパラフィンに浸した。
試料2−1/3は、やはり10%に設定されたパラホルムアルデヒドに入れたが、OCT中に入れる(「最適カッティング化合物」Tissue−Tek(登録商標))
試料3−1/3の臓器を、凍結試験管中、−80℃の冷凍庫で凍結保存した。
フローサイトメトリー分析
トリプシン処理によって細胞を採取し、そしてウシ胎児血清でトリプシンを不活性化し、細胞を15ml試験管に入れた。次いで、材料を1500rpmで10分間遠心分離して、細胞ペレットを形成した。遠心分離後、上清を廃棄し、そして5mlの0.9%生理食塩水溶液中に再懸濁して、1500RPMで10分間洗浄遠心分離し、そして再び上清を廃棄し、そしてFACS緩衝液フローを添加して、懸濁物をサイトメトリー用の試験管に移し、そしてすべての特異的抗ヒト抗体、例えば抗HuNu、抗IDPSC、CD45、CK18、CD146、OCT3/4、β1インテグリン、カルジオチン、MyoD1およびミオゲニン、ヒトを添加し、4℃で15分間インキュベーションした。FACS Caliburフローサイトメーター上で、10,000事象に関して、発現分析を行い、そして獲得プログラムMdi Win 2.8によって分析した。FITC非特異的蛍光色素で標識したアイソタイプ対照と比較することによって、マーカー発現を決定した。
細胞質および核マーカー、抗IDPSC抗HuNuおよびOct3/4の発現評価。細胞をあらかじめ10μlのTriton X−100(0.1%)で30分間透過処理した後、特異的一次抗体を添加した。
細胞周期分析
多様な臓器から細胞を単離した後、これらを注意深く、1mlの70%エタノールRNアーゼに再懸濁し、微量遠心管に移し、そして−20℃の温度で保存した。固定した試料をあらかじめ2000rpmで5分間遠心分離し、そして保存した。上清を廃棄し、細胞を1mlサイトメトリー緩衝液中に再懸濁し、そして再び遠心分離した。遠心分離後、上清を廃棄し、そして細胞をPI溶液中に再懸濁し、5mlのPBSから調製して、これに5μl Triton 100(0.01% v/v)、50mLのRNアーゼA(2mg/ml)および20μlのヨウ化プロピジウム(5mg/ml)を添加した。次いで、フローサイトメーターFACS Caliburでデータフローを10,000事象に関して獲得し、そして分析プログラム、Mdi Win 2.8を用いた。
細胞集団の獲得後、ゲートまたは象限に含有されるEGFPタンパク質に関して陽性である細胞を選択し、そしてPI(ヨウ化プロピジウム)を取り込んだGFP+細胞の定量化のため、FL−2チャネルを用いて細胞周期相を決定した。
結果の解釈
ヨウ化プロピジウム(PI)は、DNAの二本鎖に散在する(intersperses)化学量論蛍光色素である。蛍光はFL−2で捕捉され、そしてこれは細胞中のDNA含量に比例する。複製していない(細胞周期のG0/G1期)二倍体細胞は、2n細胞含量を有し、DNA含量の増加がある間のS期に位置する細胞よりも、より低い強度のシグナルを放出する。S期の細胞は、続いて、4nへのDNA含量の完全な複製が完了するまで、G2/Mに位置するものより低い強度のシグナルを生成し、これは、G2期から減数分裂まで、このままであり、減数分裂時で各母細胞は、2つの娘細胞を生じる。
ピーク低二倍体(hipodiploide)(下位G1)に位置する細胞は、2nより少ないDNA含量を所持し、そしてこれは、細胞死事象に特徴的である細胞破片および断片化DNAの発生増加に相当しうる。
生じたシグナルをすべて増幅し、そして装置によってパルスに変換し、細胞周期における細胞の分布グラフの構築を可能にする。一方、DNA含量の増加および生じるパルスの面積の間には、比例関係がある。
免疫組織化学
免疫組織化学分析には、スライド上にマウントされたパラフィン切片を用いた。この方法のため、材料をあらかじめ4%のパラホルムアルデヒドに入れ、パラフィン包埋し、そして5.4μm(Microtome、LEICA)に切断した。
IPを通じて注射したEGFP LP IDSPCの追跡を、抗体:抗IDPSC:ヒト歯髄のマーカー、および抗ヒト核−HuNuを用いて行った。
免疫組織化学技術を達成するため、ブレードを50℃で30分間、キシレンに浸し、そして次いで、室温で20分間、キシレンに浸した。組織の自然蛍光を最小限にするため、スライドをメタノール+アセトン中に「一晩」浸す必要があった。このプロセス後、一連の減少するアルコール(100%、95%および75%)で2分間、材料を水和し、そして残ったホルマリンを除去するため、水酸化アンモニウム溶液中で10分間インキュベーションした。
固定の間、組織において抗原マスキングプロセスが起こり、検出がより困難になる可能性もある。抗原曝露を増加させるため、抗原回収のために、材料をクエン酸緩衝液中に浸し、そして水槽に35分間入れる、加湿熱を用いた。
次の工程において、ブレードの内因性ペルオキシダーゼをメタノールおよび過酸化水素(1:1)の溶液でブロッキングした。この工程後、加湿チャンバー中、一次抗体と組織を、4℃で「一晩」インキュベーションした。この工程後、材料をDako Envisionキットで明らかにし、そして上昇する一連のアルコール(50%、75%、95%および100%)中で脱水した。用いた色素原はDAB(Dako(登録商標))であり、スライドを、マイヤーのヘマトリキシナ(Hematolixina)で対比染色し、Permountで密封し、そして光学顕微鏡によって視覚化した。
EGFP LP IDPSCの定量化、ならびに子宮内移植後の増殖および分化の測定
三胚葉由来の多様な組織において、EGFP LP IDPSCの移植に関して多くの証拠を提供した後、本発明者らは、レシピエント組織内のありうる増殖および分化を評価した。
内胚葉由来組織の分析−肺
肺組織は、赤色免疫陽性染色によって測定されるように(図X A、B)、高率のEGFP LP IDPSC移植を示した。ローダミン二次抗体の選択は、緑色EGFP LP IDPSCによって放出される蛍光シグナルの干渉を回避するためであった。移植率は、抗IDPSCの発現によって観察した際は52.8%、そして抗HuNu抗体では50.2%であった(図62A〜62B)。次いで、フローサイトメトリーによって、EGFP LP IDPSCに関して、増殖を分析し(図62C〜62D)、そして53.17%のEGFP LP IDPSCがDNA断片化を有し、29.88%がG0/G1期にあり(静止細胞そしてDNA合成の準備中)、8.53%がDNA合成のS期で見られ、そして8.65%が細胞分裂のG2期にあった。
中胚葉由来の組織の分析−横紋筋組織−大腿二頭筋
中胚葉中のEGFP LP IDPSCの定量化を、骨格筋組織(大腿二頭筋)(図63A〜63D)および腎組織(図64A〜64D)を用いて行った。抗IDPSCおよび抗HuNuの発現によって測定されるような移植率は、それぞれ、34.29%および36.86%であった。大腿二頭筋に移植されたEGFP LP IDPSCの細胞周期の分析によって、22.28%が断片化DNAを有し、8.82%がG0/G1期(静止細胞そしてDNA合成の準備中)にあり、そして2.64%がDNA合成のS期であり、そして31.70%が細胞分裂のG2期にあることが明らかになった(図63C〜63D)。
腎組織
腎組織において、EGFP LP IDPSC移植率は、42.3%(抗IDPSC)および31.3%(抗HuNu)(図64A〜64B)であった。大腿二頭筋におけるEGFP LP IDPSCの細胞周期の分析によって、50.07%が断片化DNAを有し、15.92%がG0/G1期にあり、8.97%がS期にあり、そして25.25%がG2期にあることが明らかになった(図64C〜64D)。
外胚葉由来の組織の分析−脳および小脳
脳組織試料において、EGFP LP IDPSC移植率は13.1%(抗IDPSC)および13.4%(抗HuNu)と観察された(図65A〜65B)。脳におけるEGFP LP IDPSCの細胞周期分析によって、8.52%の細胞が断片化DNAを有し、3.24%がG0/G1期にあり、29.1%がS期にあり、そしてG2期が66.59%にあることが明らかになった(図65C〜65D)。
胚外組織の分析−胎盤材料および胎盤血腫
本発明者らは、胎盤材料および胎盤血腫におけるEGFP LP IDPSCの移植を検出した。本発明者らは、胎盤ベルトにおけるEGFP LP IDPSC移植のみ定量化し、そしてこの移植が64.8%(抗IDPSC)および65.6%(抗HuNu)であることを見出した(図66A〜66B)。次いで、本発明者らは、胎盤ベルト、胎盤血腫におけるEGFP LP IDPSC生存度および増殖を別個に分析し、これは胎児構造とは異なっていた。本発明者らのデータは、胎盤組織の環境および機能が、EGFP LP IDPSCの生存度および増殖に対する影響を有しうることを示唆する。胎盤中央ベルトにおける細胞周期の分析によって、21.96%のEGFP LP IDPSCが断片化DNAを有し、10.83%がG0/G1期にあり、3.59%がS期にあり、そして38.64%がG2期にあることが明らかになった(図66C〜66D)。中央胎盤ベルトに関して、挫傷周辺部または側部ポケットにおいて、より高率の断片化DNA31.82%、そしてより低いG1/G2期、S期およびG2期の、それぞれ、7.40%、1.63%および13.13%が示された。
心臓組織
筋組織におけるOct3/4およびMSCマーカーの発現
Oct3/4を発現しながら分化していないEGFP LP IDPSCが知られる(Kerkisら、2006)。本研究により、EGFP LP IDPSCがイヌ胎児心筋において、高い移植を示すため、本発明者らは、この組織においてこのマーカーの発現を分析した。免疫蛍光分析によって、EGFP LP IDPSCにおいて、このタンパク質の発現が示され、そして核内に位置することが示された(図67A1〜67A3)。これらの細胞のサイズは5μm未満であり、これによって、これらが、サテライト細胞とも呼ばれる筋細胞の特性および局在を示すことが示唆される。フローサイトメトリーによって、EGFP LP IDPSC率の定量化が可能であり、これは抗Oct3/4抗体を発現し、これは21.3%に等しかった(図68A〜68B)。同時に、MSCマーカーの発現率に関しては:同じ組織中のCD146(周皮細胞)およびβ1−インテグリンは非常に低く、そしてそれぞれ、0.1%および0.5%であった。
さらに、本発明者らは、大腿二頭筋の骨格筋におけるこれらのマーカーの発現を分析した。本発明者らは、高率のタンパク質発現Oct3/1、CD146、β1−インテグリンを観察し、これらはそれぞれ、45.4%、0.4%および36.7%であった(図68C〜68D)。
骨格筋組織−大腿二頭筋
本発明者らは、EGFP LP IDPSCが心筋の筋組織において、分化プロセスを経るかどうかを評価した。ミオゲニンおよびカルジオチン(cardiotin)タンパク質は、それぞれ29.7%および49.1%の率で、これらの細胞において発現され(図69)、一方、上皮細胞マーカーであるCK18の発現は、予期されるとおり、筋組織において4.7%と低かった。異なるタイプの造血細胞のマーカーであるタンパク質CD45は、移植心臓組織中のEFGP LP IDPSCにおいて発現された。この結果を検証するため、本発明者らは、心筋および異なると予期される動脈において、このマーカーの発現を比較した。予期されるように、心筋上のCD45の発現は、9.6%であり、それに対して動脈では19.5%であった(図69)。大腿二頭筋の横紋筋における分化した筋細胞のマーカーの発現研究によって、分析細胞のそれぞれ33.87%および7.5%でのMyoD1およびミオゲニンの存在が明らかになった(図69)。CK18は細胞の7.7%で陽性であり、一方、CD45は分析細胞の12%で陽性であった。
心臓組織
心臓組織中の分化したIDPSCのマーカー発現は、心臓タンパク質ミオゲニンおよびカルジオチンの陽性発現、ならびにCK−18に関する陰性を示した。本発明者らは、CD45+の陽性発現を観察し、その量は、心筋および動脈弓で多様である(図70)。
骨格筋組織−大腿二頭筋
EGFP LP IDPSCは、Oct3/4に関する陽性の免疫染色を示し、これは核および核周囲局在を示す(図72)。EGFP LP IDPSC Oct3/4の率もまたフローサイトメトリーによって評価し、そしてこれは12.6%であった。MSCマーカー、例えばCD146(周皮細胞)およびβ1−インテグリンは、それぞれ、2.5%および18.3%であった(図73)。
胎盤組織において、本発明者らは、それぞれ、細胞の9.4%および2.3%でCD45およびCK18のタンパク質発現を観察した。ミオゲニンの発現は、おそらく胎盤血管を覆う平滑筋組織におけるEGFP LP IDPSCの生着に対応する細胞の16.6%で登録された。
実施例15. IDPSCの単離およびin vitro培養
ヒト歯髄(DP)は、Kerkisら(Kerkisら(2006)OCT−4および他の胚性幹細胞マーカーを発現している未成熟歯髄幹細胞集団の単離および性質決定。Cells Tissues Organs 184:105−116)に以前記載されるように、メスを用いて、歯の尖端部分の除去を通じて、10人の健康な被験体(6〜9歳の範囲)の10の乳歯から摘出された。
次に、DPをリン酸緩衝溶液(PBS)(Invitrogen、米国カリフォルニア州カールスバッド)中で穏やかにリンスし、わずかに切開し、そして35mmプラスチック組織培養プレート(Corning社、米国ニューヨーク州コーニング)内に入れた。
5%CO2加湿大気中、37℃で、15%ウシ胎児血清(FBS、Hyclone、米国ユタ州ローガン)、100単位/mlペニシリン、100mg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、および2mM非必須アミノ酸(すべてInvitrogen)を補充したダルベッコの修飾イーグル培地(DMEM)/HamのF12(DMEM/F12、Invitrogen社−米国カリフォルニア州カールスバッド)中で、DP組織外植片を培養した。
3または4日の期間後、線維芽細胞様細胞を、接着性外植片から生成した。多数のIDPSCを生成するため、外植片を同じ培養条件下で別のペトリ皿に移し、そして図74に示すように、この方法を数回反復した。IDPSCを生成するこのプロセスは、ヒト剥脱乳歯由来の幹細胞(SHED)を培養するものとは異なる(図75を参照されたい)。単離後、SHEDは直ちに酵素消化に供され、これによって、p53およびp75バイオマーカーを発現するものなどの幹細胞の特定の集団の生成が防止される。
単層で増殖する線維芽細胞様細胞を、PBSでさらに2回洗浄し、そして0.5g/Lトリプシンおよび0.53mmol/Lエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(Invitrogen)に37℃で3〜5分間供した。
継代1を最初の酵素消化後にカウントした。10%ウシ胎児血清(FBS)を補充した培地を添加することによって、トリプシン活性を不活性化した。およそ5x10細胞を25cm細胞培養フラスコ(Corning)に入れた。継代培養を3〜4日ごとに行い、そして培地を毎日交換した。
単離および拡大後、乳歯由来の幹細胞を、図75に示すように凍結保存した(CRYOP)。凍結保存のため、90%FBSおよび10%ジメチルスルホキシド(DMSO)(Sigma、米国ミズーリ州セントルイス)を凍結媒体として用いた。凍結細胞を密封バイアル中で−196℃に維持した。
実施例16. 歯髄(DP)の長期in vitro培養
新鮮に抽出された歯髄(DP)は、歯冠および歯根歯髄の中央領域に大きな神経幹および血管を含有する(図76A)。線維芽細胞様細胞の最初のアウトグロースは、DPプレーティング3〜4日後の間に現れた(図76B)。酵素処理の使用を伴わずに、新規培養プレート内にDPを機械的にトランスファーすることによって、長期培養を行った。各トランスファー後、DPは、3または4日ごとに、多数のアウトグロースする(outgrowing)細胞を産生し、したがって継代ゼロ(P0)で幹細胞(SC)の一定の産生が可能であった(図74および75を参照されたい)。本発明者らは、少なくとも6ヶ月の間、各3〜5日間のDPの多数回の機械的トランスファーを行った。本発明者らは、乳歯のすべての試料(n=10)での単離に成功した。
実施例17. DPの長期培養後のIDPSC形態(表現型)
透過型電子顕微鏡検査(TEM)用に、IDPSCのEPおよびLPを2.5%グルタルアルデヒド(Sigma)中で48時間固定し、1%リン酸緩衝四酸化オスミウム溶液(pH7.4)(Sigma)中で4℃で2時間、後固定し、そしてSpurrの樹脂(Sigma)中に包埋した。自動ウルトラマイクロトーム(Ultracut R、Leica Microsystems、ドイツ)を用いて、超薄層切片を得た。切片を、酢酸ウラニル(Sigma)およびクエン酸鉛(Sigma)(それぞれ、2%および0.5%)で二重染色し、そしてTEM(Morgagni 268D、FEI社、オランダ;Mega)を用いて分析した。
DPの長期培養中、IDPSCの初期集団(EP)(すなわち、摘出2週間後またはそれより短い、DPの初期機械的トランスファー中の細胞のアウトグロースから単離されたIDPSC)および後期集団(LP)(すなわち、摘出2週間後より長期で、DPのより後の機械的トランスファー中の細胞アウトグロースから単離したIDPSC)両方の形態が保持された(図76Cを参照されたい)。TEMは、2つのタイプのIDPSC形態を明らかにした:
1. 低い細胞質対核比、低い細胞質密度、および少ない細胞内小器官を持つES様細胞(図76D);ならびに
2. ES様IDPSCに比較して、より多い細胞質および細胞内小器官を持ち、基盤探査で作用する伸張した仮足を多数有するMSC様細胞IDPSC(図76E)。
図76Fは、IDPSCが、これらの2つの細胞タイプの形態に関して、比較的均質な集団を示したことを記述する。
実施例18. 核型分析
DMEM/F12培地(Invitrogen)中で培養するIDPSCの集密未満のEPおよびLPの核型決定を継代3で行った。採取前、最終濃度0.1mg/mlのデメコルシン(Sigma)を1時間添加した。細胞を採取し、PBS中で洗浄し、そして0.5mlの培地中に再懸濁し、そして0.075M KCl(Sigma)と10mlの体積まで混合した。室温で20分間インキュベーションした後、細胞を400gで5分間遠心分離して、そしてペレットを5ml中で3倍(3:1)の冷メタノール/酢酸(Sigma)中で固定した。スライドあたり細胞懸濁物3滴を固定した。染色体計数のため、ギムザ中でスライドを15分間染色し、そして;細胞株あたり>200細胞を分析し、そしてヒト細胞遺伝学命名のための国際的システムにしたがって、Zeiss II顕微鏡(Zeiss、ドイツ・イエナ)上で報告した。
LP IDPSC核型は、本明細書において、不変であることが確認され、培養中、数のおよび全体構造の染色体異常は、ルーチンのGバンディング技術によって示されるように、起こらなかったことが示唆される(図76G)。
実施例19. 歯髄内の幹細胞遊走:in vitro培養中のDPにおけるBrdU陽性細胞の局在
in vitro培養中のDPにおけるBrdU陽性細胞を調べるため、歯髄をPBSで穏やかにリンスし、そしてスライスした。各スライスを異なる培養プレートに入れた。次に、5−ブロモ−29−デオキシウリジン(BrdU、Sigma)を基本培地内に直接添加した。最初の歯髄スライスを固定し、そしてBrdUで6時間処理した後にプロセシングした。歯髄スライスを含む第二の培養プレートにおいて、BrdUを42時間後に添加し、そして第三のプレートにおいて、66時間後に添加した。
BrdUで6時間処理した後、すべてのスライスを10%ホルマリン溶液中で48時間固定した。標本をパラフィンブロック中に包埋し、そして10mmの切片を得た。上記標本をすべて、以下のように免疫組織化学法によって処理した。10mmのパラフィン切片を脱パラフィン処理し、そして次いで水和した。切片を過酸化水素0.1%溶液(Sigma)中で30分間インキュベーションすることによって、内因性ペルオキシダーゼ活性を測定した。抗原回収のため、切片をトリプシンと37℃で10分間、インキュベーションした。非特異的抗原結合を阻害するため、切片をブロッキング血清(5%ウシ胎児血清、Invitrogen)と10分間インキュベーションした。次いで、一次抗体と切片を加湿チャンバー中、4℃で12〜16時間インキュベーションした。
一次抗体は、IDPSCの免疫表現型決定で用いたものと同じもの、そしてさらに抗ヒトSTRO−1(Santa Cruz)およびマウス抗BrdU IgG(Chemicon)であった。一次抗体の最適希釈は、1:10であることが見出された。スライドを再び、PBSでリンスし、そして次いで、1:200希釈のビオチン化二次抗体(DAKO、デンマーク・グロストラップ)で30分間インキュベーションした。試料をPBST(0.1%Tween20を含むPBS)で洗浄し、そしてStrepABComplex/HRP(DAKO)と1:100希釈で30分間インキュベーションした。さらに1回PBSTで洗浄した後、色素原3(3−ジアミノベンジジンDABキット、Zymed Laboratories, Inc.)で5分間、発色させ、その後、PBST洗浄し、Harrisヘマトキシリンで45秒間、核対比染色し、脱水し、そしてPermount中でマウントした。Carl Zeiss Axioplan蛍光顕微鏡(Zeiss)を用いて、切片の観察を行った。一次抗体をPBSによって置換した以外は、陰性対照切片を同様に処理した。
IDPSC生成の連続プロセスを理解するため、DPを摘出し、そしてびin vitroプレーティングした直後に、BrdUで処理した(図77A〜77C)。6時間後、DPの中央部分に数個の抗BrdU抗体陽性細胞のみが見られた(図77A)。48時間後、BrdU陽性細胞がDP周辺に観察され(図77B)、一方、72時間後、BrdU陽性細胞数が増加し、そしてIDPSCアウトグローイングゾーン(outgrowing zone)に近い尖端部分のDP周辺でもまた見られた(図77C)。
実施例20. 酵素処理後のDP組織
組織特異的幹細胞単離には少なくとも2つの方法:酵素処理および外植片培養が使用可能である。幹細胞単離のため、柔組織を小片に切り、そして組織脱凝集後、酵素で処理した。
本発明者らは、酵素処理(コラゲナーゼ/ディスパーゼ)を伴いおよび伴わず、DPの形態学的特徴を比較した(図77D〜77E)。いかなる処理も行わないDPは、BrdU陽性細胞が観察される領域で、特にその完全性を維持した(図77D)。しかし、酵素消化後、この領域は破壊された(図77E)。したがって、本発明者らは、DP幹細胞(SC)の単離のために、DP外植法を選択した。比較形態分析によって、先のSC単離酵素処理が、おそらくSC「ニッチ」を破壊するため、DPに関して推奨されないことが示された。
実施例21. 歯髄幹細胞のin vivo免疫表現型
IDPSC免疫表現型決定は、免疫蛍光に基づき、そして抗ヒト特異的抗体:ビメンチン、ネスチン、フィブロネクチン、およびOct3/4(すべてSanta Cruz Biotechnology、米国カリフォルニア州サンタクルーズより);ならびにCD105/SH−2およびCD73/SH−3(どちらも、Case Western Reserve University、米国オハイオ州より)を用いることによって、フローサイトメトリー分析を行った。FITCコンジュゲート化二次抗体(Chemicon、米国カリフォルニア州テメキュラ)を用いて、そしてそれぞれのアイソタイプマッチ対照を用いた。PBS中の4%パラホルムアルデヒド(Sigma)中で細胞固定し、そしてPBS中の0.1% Triton X−100(Sigma)中で透過処理した後、前述の抗体を用いて、免疫蛍光を分析した。IDPSCを5%ウシ血清アルブミン(BSA、Sigma)とインキュベーションし、PBS中で30分間希釈し、そしてPBS(Invitrogen)中、1:500の最終希釈で、FITCコンジュゲート化ヤギ抗マウスまたは抗ウサギ免疫グロブリン(Chemicon)と、室温で1時間、さらにインキュベーションした。
顕微鏡スライドを、49,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI、Vector Laboratories、カリフォルニア州バーリンゲーム)を含むVectashieldマウンティング媒体中でマウントし、そしてCarl Zeiss Axioplan蛍光顕微鏡(LSM 410、Zeiss、ドイツ・イエナ)またはNikon Eclipse E1000(Nikon、日本・神奈川)を用いて、免疫蛍光を検出した。CCDカメラ(Applied Imagingmodel ER 339)でデジタル画像を獲得し、そして用いたドキュメンテーションシステムは、Cytovision v.2.8(Applied Imaging社−米国カリフォルニア州サンタクララ)であった。
継代3でIDPSCのEPおよびLPを用いて、フローサイトメトリーを行った。PBS 0.02%EDTAで、37℃で10分間の処理を用いることによって、細胞を剥離させ、ペレットにし(400gで10分間)、そして0.1M PBS中の0.1%BSA中、4℃で洗浄した。次に、10細胞/mlの濃度の細胞を飽和濃度の前述の抗体(10ml)で染色した。暗所中、室温で45分間インキュベーションした後、細胞をPBSで3回洗浄し、そして0.25mlの冷PBS中に再懸濁した。CELL Questプログラム(Becton, Dickinson)を用いて、蛍光活性化細胞ソーター(FACS;Becton, Dickinson、カリフォルニア州サンノゼ)上でフローサイトメトリー分析を行った。フローサイトメトリーおよび/または免疫蛍光分析をすべての試料(n=10)で反復し、そして代表的な実験を図に提示する。少なくとも3つ組で、すべての実験を行った。
これらの免疫組織化学アッセイを用いて、DP内のニッチのネスチン、ビメンチン(MSCのマーカー)およびOct3/4(ES細胞マーカー)細胞(図78A〜78Q)を同定した。ネスチン陽性細胞は、DPのすべてのゾーン;細胞リッチゾーン(線維芽細胞および未分化間葉系細胞を含有する最も内部の歯髄層)(図78A〜78C);細胞不含ゾーンで見られ、ネスチン発現は、毛細管および神経系の両方(図78D〜78F);ならびに象牙芽細胞層(象牙芽細胞を含有し、そして前象牙質および成熟象牙質の隣にある、最も外側の層)(図78G〜78H)で観察された。細胞リッチゾーンにおけるネスチン陽性細胞は、線維芽細胞様ならびにES様細胞形態を示した(図78B〜78C)。細胞不含ゾーンにおいて、ネスチンタンパク質は、神経叢由来の細胞において、中間径フィラメントにおいて発現されることが見出された(図78D)。さらに、ネスチン陽性細胞は、小さい毛細管の壁に包埋され(図78E)、そしてこれらの毛細管の隣接領域にあった(図78F)。
象牙芽細胞層において、いくつかの丸いES細胞様および巨大円柱状細胞もまた、ネスチン陽性であった(図78G〜78H)。STRO−1は、DP由来の幹細胞/周皮細胞の特異的マーカーである。したがって、STRO−1抗体を対照として用いた。STRO−1の発現は主に、小さい毛細管および中程度のサイズの血管で観察され(図78J)、ならびに細胞不含ゾーンの神経叢中でも観察された(図78K)。本発明者らはまた、DPにおけるビメンチン発現細胞の局在も検証した。予期されるように、ビメンチン陽性細胞は、毛細管および最も内側の歯髄層中に位置し、この部位ではネスチン陽性細胞もまた見出された(図78L〜78M)。
本発明者らはまた、DPにおけるOct3/4の発現も調べた。最初に、少ない割合の細胞のみ(〜0.75%)がOct3/4陽性であった。この割合は、DP in vitro培養の時間とともに増加した。Oct3/4の強い発現がDP毛細管および最も内部の歯髄層中に位置する細胞の核で観察された(図78N〜78Q)。
実施例22. IDPSCのEPおよびLPの免疫表現型決定
SH2/CD105、SH3/CD73(MSCマーカー)およびOct3/4(ES細胞マーカー)を含むいくつかのマーカーを用いて、初期集団(EP)および後期集団(LP)幹細胞を性質決定した。さらに、MSCマーカー、例えばビメンチン、ネスチン、フィブロネクチンの発現をEPおよびLPの両方で評価した。代表的な図79(A1〜E1、A2〜E2)は、すべてのMSCマーカーが両方の集団(EPおよびLP)で発現され、そして多数回のDPトランスファーサイクル6ヶ月後、Oct3/4を例外として、LP SCでわずかに減少したことを示す(図79A2〜79E2)。
これらのマーカーに関して陽性免疫染色を示したIDPSCの割合を、フローサイトメトリーによって評価した。結果は:SD2/CD105に関して、EPに対して99.10%、およびLPに対して96.60%;SH3/CD73に関して、EPに対して99.60%およびLPに対して98.40%;ネスチンに関して、EPに対して97.76%およびLPに対して94.56%;ビメンチンに関して、EPに対して99.45%およびLPに対して95.60%;フィブロネクチンに関して、EPに対して97.10%およびLPに対して96.30%(図79A1〜79E1および79A2〜6E2)であった。
興味深いことに、この特定のIDPSC集団において、非常に低い割合のOct3/4陽性細胞0.75%がEPにおいて観察された。この割合は、LP細胞において、10.03%に増加した(図79F1および79F2)。
同じMSCおよびES細胞マーカーに対する抗体を用いた細胞の免疫染色によって、フローサイトメトリーデータを確認した。発現は、IDPSCのEPおよびLP両方で観察された。図79において、LP中のMSCマーカーの発現が提示される(図79A3〜79E3)。予期されるように、Oct−3/4タンパク質発現が細胞核において観察された(図79F3)。Oct−3/4の場合を除き、LPにおけるこれらのマーカーすべての発現は、EPと同様であった(データ未提示)。4つの関連しないドナーから単離されたLP IDPSCは、5%〜47%のOct−3/4陽性細胞の多様な比率を示した(図80A〜D)。
実施例23. 培地はEPおよびLP増殖速度に影響を及ぼす
細胞増殖に対する異なる培地の影響を評価するため、新鮮に単離し、そして同じIDPSC凍結融解物を3つの群(DMEM/F12)、DMEM低グルコース(1000mg/ml;DMEM−LG)、および最小必須培地(MEM)アルファ培地(MEM−アルファ)に等しく分けた。すべての培地(Invitrogen)に15%FBS(Hyclone)、100単位/mlペニシリン、100mg/mlストレプトマイシン、2mM L−グルタミン、および2mM非必須アミノ酸(すべてInvitrogen)を補った。細胞を10/cmの密度で植え付け、そして少なくとも連続15日間カウントして、増殖率および凍結保存の影響を評価した。DP組織外植片が凍結保存および融解の連続周期後にIDPSCを産生する能力もまた検証した。すべての実験を3つ組で行った。
細胞株、継代数(P2〜P15)、凍結保存、および増殖培地からのデータを用いて、増殖曲線を構築した。チューキー事後多重比較検定によって補完した二元配置分散分析(「凍結保存」および「増殖培地」)を用いることによって、細胞数データを分析した。有意性レベルを5%に設定した(SPSS 19.0、米国イリノイ州シカゴ)。
また、3つの異なる培地:DMEM/F12、DMEM−LG、およびMEM−アルファを用いて、凍結保存前および後にIDPSCのEPおよびLPの増殖能を研究した。P2から始めて、酵素的解離後、非凍結保存細胞を採取し、そして連続15継代中、毎日計数した。DMEM/F12およびMEM−アルファ培地中で培養したIDPSCは、最初の継代中、一定の増殖速度を示し、これは継代5±2でピーク増殖を達成した(図82A、表5)。図81に示す増殖曲線に基づいて、継代3〜7の細胞数を考慮して、統計分析を行った(表5)。同じパラメータを用いて、融解後にDMEM/F12およびMEM−アルファ培地中で培養したEPおよびLPの増殖率を評価し、そして凍結保存前のものと比較した際、類似の増殖潜在能力を示した(図81B、表5)。DMEM−LG中で培養したIDPSCの非凍結保存EPおよびLPは、骨原性系譜への自発的な分化を示し(データ未提示)、そして増殖潜在能力の迅速な減少を示した(図81A、表5)。興味深いことに、融解後、DMEM−LG中で培養したIDPSCのEPおよびLPは、増殖状態を維持した(図81B、表6)。DMEM/F12およびMEM−アルファ培地は、IDPSCの非凍結保存および凍結保存EPおよびLPにおいて、いかなる自発的な分化も誘導しなかった。
表5. 凍結保存前および後の3つの異なる増殖培地中および異なる継代で培養したIDPSCの数

表6. 凍結保存前および後、異なる増殖培地中で培養したIDPSC(継代範囲P3〜P7)の細胞数(x10

実施例24. 培地は、EPおよびLP遺伝子発現に影響を及ぼす
IDPSCのEPおよびLPを、3つの異なる培地(DMEM/F12、MEM−アルファ、およびDMEM−LG)中、7回の継代中で培養した。遺伝子発現に対するこれらの異なる培地の影響を評価するため、Trizol(Invitrogen)を用いて、総RNAを抽出した:IDPSCをPBS中で洗浄し、そしてRNA抽出を製造者の支持にしたがって行った。1μgの総RNAから、RevertAid M−MuLV逆転写酵素およびオリゴ(dT)(Fermentas Life Science、米国ニューヨーク州アムハースト)を用いて、製造者の指示にしたがって逆転写して、cDNAを合成した。試薬の最終濃度は以下の通りであった:20μlのPCR反応物を、2μl cDNA、0.2μMの各プライマー、1単位のTaq DNAポリメラーゼ、0.2μMのdNTP、1.5mMの塩化マグネシウムおよびTaq DNAポリメラーゼ緩衝液(Fermentas Life Science)で調製した。プライマー配列(順方向および逆方向)、および増幅産物の長さを要約する:ネスチンFW 5’−CTCTGACCTGTCAGAAGAAT−3’(配列番号l)およびRV 5’−GACGCTGACACTTACAGAAT−3’(配列番号2)(302bp/54℃);ビメンチンFW 5’−AAGCAGGAGTCCACTGAGTACC−3’(配列番号3)、およびRV 5’−GAAGGTGACGAGCCATTTCC−3’(配列番号4)(205bp/55℃);フィブロネクチンFW 5’−GGATCACTTACGGAGAAACAG−3’(配列番号5)およびRV 5’−GATTGCATGCATTGTGTCCT−3’(配列番号6)(386bp/56℃); OCT3/4 FW 5’−ACCACAGTCCATGCCATCAC−3’(配列番号7);およびRV 5’−TCCACCACCCTGTTGCTGTA−3’(配列番号8)(120bp/61℃); SH2/CD105 FW 5’−TCTGGACCACTGGAGAATAC−3’(配列番号9)、およびRV 5’−GAGGCATGAAGTGAGACAAT−3’(配列番号10)(171bp/56℃); SH3/CD73 FW 5’−ACACGGCATTAGCTGTTATT−3’(配列番号11)、およびRV 5’−AGTATTTGTTCTTTGGGCA−3’(配列番号12)(391bp/56℃)。軟骨原性および筋原性分化に関しては、以下のプライマー配列を用いた: COMP FW 5’−CCGACAGCAACGTGGTCTT−3’(配列番号13)、およびRV 5’−CAGGTTGGCCCAGATGATG−3’(配列番号14)(91bp/53℃); ACTB FW 5’−TGGCACCACACCTTCTACAATGAGC−3’(配列番号15)、およびRV 5’GCACAGCTTCTCCTTAATGTCACGC−3’(配列番号16)(395bp/59℃); MYOD1 FW 5’−GCCGCCTGAGCAAAGTAAATGAGG−3’(配列番号17)、およびRV 5’−TAGTCCATCATGCCGTCGGAGC−3’(配列番号18)(280bp/53℃)。GADPH遺伝子FW 5’ACCACAGTCCATGCCATCAC−3’(配列番号19)、およびRV 5’−TCCACCACCCTGTTGCTGTA−3’(配列番号20)(463bp/61℃)を対照として用いた。未分化IDPSCを陰性対照として、分化特異的プライマーに関して調べた。以下の条件下で、PCR反応を行った:94℃5分間の1周期、その後、94℃1分間、1分間のアニーリング温度、および72℃1分間の35周期。1.5%アガロースゲル(Sigma)上の電気泳動によって、増幅産物を分離し、そしてエチジウムブロミド(Sigma)染色を用いて視覚化した。
融解後のEPおよびLPにおいて、RT−PCRによって、多能性ES細胞およびMSCマーカーの遺伝子発現パターンを分析した。総合すると、EPおよびLPはどちらも、ビメンチン、SH2/CD105およびSH3/CD73の類似の発現パターンを示した(図81C)。類似の発現パターンは、IDPSCをDMEM/F12およびDMEM−LG中で培養した際、フィブロネクチン、ネスチンおよびOct3/4に関して観察された。しかし、MEM−アルファ中で培養した場合は異なり、この際は、これらの遺伝子のうち3つ(フィブロネクチン、ネスチンおよびOct3/4)は、いかなる発現も示さなかった(図81C)。
実施例25. 未成熟歯髄幹細胞におけるMSCマーカーの発現パターン
フローサイトメトリー分析のため、細胞表面分子に対する以下の抗体およびそのそれぞれのアイソタイプ対照を用いた:モノクローナル抗ヒトCD45、CD13(Sigma)、CD43、およびCD34(BD−PharMingen、米国カリフォルニア州サンディエゴ)およびCD105(Serotec、英国オックスフォード)。SH−2、SH−3、およびSH−4は、Case Western Reserve University(米国オハイオ州クリーブランド)から、マウス抗ヒトHLA−ABCおよびHLA−DR(Chemicon)、CD90、CD146(BD PharmingenTM)、CD29(Serotec)、CD117/c−kit、CD44/Hcam(米国カリフォルニア州サンタクルーズ)。約10細胞を一次抗体と氷上で30分間、インキュベーションし、PBS+2%FBSおよび1Mアジ化ナトリウム(緩衝剤)中で洗浄し、その後、二次FITCまたはフィコエリトリン・コンジュゲート化抗体を添加した。細胞内抗原を染色するため、細胞を固定し、そして透過処理プロトコルにしたがった。ペレットを1mlのTween−20溶液(PBS中、0.2%)に室温で再懸濁し、そして混合物を37℃の水槽で15分間インキュベーションした。CELL Questプログラム(Becton, Dickinson)を用いて、蛍光活性化細胞ソーター(FACS、Becton, Dickinson、米国カリフォルニア州サンノゼ)上でフローサイトメトリー分析を行った。
フローサイトメトリーによって、DPからのアウトグロース細胞は、ヒトMSC特異的抗原、例えばSH−2(CD105)、SH−3、およびSH−4(CD73)および造血前駆体のCD13マーカーに関して均質に陽性であり(図82A、82B、および82H)、一方、ヒト初代線維芽細胞は、これらのマーカーすべてに関して陰性であることが明らかになった(データ未提示)。DPから単離されたこれらの細胞はまた、CD34、CD43およびCD45に関して陰性であり、造血細胞および内皮細胞の混入は排除された(図82E〜82G)。
さらに、HLA−ABCおよびHLA−DR主要組織適合性(MHC)抗原の発現をFACSによって調べた。HLA(ヒト白血球抗原)は元来、移植片対宿主病を仲介する細胞表面抗原として定義され、これは、HLA−ミスマッチドナーにおける組織移植片拒絶を生じた。骨髄由来のMSCと同様に、これらのタンパク質両方の発現は、IDPSC(図83A〜83B)では観察されなかった。本発明者らはまた、MSC性質決定に一般的に用いられるマーカーセットを分析した:
i)CD44は、80〜250kDa I型(細胞外N末端)膜貫通糖タンパク質であり、そして該ヒアルロナン受容体は、MSC遊走において重要な役割を果たし、そして組織再生の課題のため、MSCの創傷部位への補充に非常に重要であるようである(Zhuら、2006);
ii)幹細胞因子/c−kit(チロシンプロテインキナーゼKit)またはCD117;
iii)CD90またはThy−1は、多様な幹細胞および成熟ニューロンの軸索突起のマーカーとして、使用可能である;
iv)CD29−表面抗原発現は、神経冠様および間葉系免疫表現型を明らかにした(Pruszakら、2009);
v)ネスチンは、多分化能神経幹細胞のマーカーであり、そしてまた、毛包芽幹細胞においても発現される;そして
vi)ビメンチンは、神経幹細胞マーカーであり、これはまた、のちにより特殊化されたネットワークで置き換えられる前に、未成熟細胞において発現される(Langaら、2000)。
すべてのこれらのマーカーは、IDPSC中で均質に陽性であった(図83C〜83H)。
実施例26. LP IDPSCにおける神経上皮幹細胞マーカーの発現
LP IDPSCにおいて、BDNF、NGF、NT−3およびNT−4に関してフローサイトメトリーを行った。上述の同じプロトコルにしたがい、そして用いた一次抗体は:ウサギ抗ヒトBDNF(Preprotech、1:100)、ウサギ抗ヒトNGF(Preprotech、1:100)、ヤギ抗マウスNT−3(Preprotech、1:100)、ヤギ抗マウスNT−4(Preprotech、1:100)であった。p75タンパク質の発現を、Ab3125マウス・モノクローナル抗体(Abcam、英国ケンブリッジ)またはアイソタイプ対照を用いて、FACS分析によって監視した。一次インキュベーション後、スライドを洗浄し、そして適切な抗体、Alexa 488ヤギ抗ウサギ(Sigma、1:600)またはAlexa 488ウサギ抗ヤギ(Sigma、1:600)と、室温で2時間インキュベーションした後、3回洗浄し、そしてFluoromount(Sigma)でカバースリップ処理した。
RT−PCR分析のため、製造者の指示にしたがって、総RNAを、歯髄幹細胞培養からTrizol(Invitrogen)で抽出した。オリゴ(dT)15とともにImProm−IITM逆転写系(Promega)を利用してcDNAを合成し、そして逆転写酵素を伴わない対照反応もまた行った。PCRは、以下のプライマー対を用いて、94℃45秒間、55℃45秒間、および72℃1分間の35周期からなった: BDNF−F(5’−AGA GGC TTGACA TCA TTG GCT G−3’)(配列番号21)、BDNF−R(5’−CAA AGG CAC TTG ACT ACT GAG CAT C−3’)(配列番号22); GDNF−F(5’−CAC CAG ATA AAC AAA TGG CAG TGC−3’)(配列番号23)、GDNF−R(5’−CGA CAG GTC ATC ATC AAA GGC G−3’)(配列番号24); NGF−β−F(5’−ATA CAG GCG GAA CCA CAC TCA G−3’)(配列番号25)、NGF−β−R(5’−GTC CAC AGT AAT GTT GCG GGT C−3’)(配列番号26); NT−3−F(5’−TGG GGG AGA CTT TGA ATG AC−3’)(配列番号27)、NT−3−R(5’−CTG GCA AAC TCC TTT GAT CC−3’)(配列番号28); NT−4/5−F(5’−AGG AGG CAC TGG GTA TCT GA−3’)(配列番号29)、NT−4/5−R(5’−ATC CCT GAG GTC TCT CAG CA−3’)(配列番号30)。それぞれ、ゲノムDNAからの増幅の非存在および混入の非存在に関して、逆転写酵素を含まず、そしてテンプレートを含まない反応を、陰性対照として行った。アンプリコンは、147bp(脳由来神経栄養因子、ヒト−BDNF)、335bp(グリア細胞由来神経栄養因子、ヒト−GDNF)、174bp(神経成長因子、ベータポリペプチド、ヒト−NGF−β)、201bp(ニューロトロフィン3、ヒト−NT−3)、198bp(ニューロトロフィン4/5、ヒト−NT−4/5)を有した。
p75のmRNA発現を特異的プライマー(順方向プライマー:5’−tcgtggagagtctgtgcagt−3’(配列番号31)、逆方向プライマー:5’−tggacaggaagtgtggtcag−3’(配列番号32))を用いたRT−PCRによって分析した。総RNAをRNeasyキット(Qiagen、カリフォルニア州バレンシア)で抽出し、逆転写し、そしてSuperscript増幅系(Life Technologies, Inc.)を用いて、PTC−100プログラム可能サーマルコントローラー(MJ Research, Inc.、マサチューセッツ州ウォータータウン)上で20周期に渡って増幅した。PCR産物を2%アガロースゲル電気泳動によってサイズ分画し、そして2%エチジウムブロミド(Sigma、ミズーリ州セントルイス)で染色した。GAPDをハウスキーピング遺伝子として同時増幅して、p75発現レベルを規準化した。
いかなる理論にも束縛されることは望まないが、成体歯髄幹細胞は、神経冠幹細胞(NCSC)から生じる可能性があり、そしてNCSC特徴を持つこれらの歯髄幹細胞は、成人期まで持続し、環境に応じて、非常に多様な細胞を生成可能である。本発明者らは、初めて、LP IDPSCが、感覚および運動軸索成長を促進することが知られる、高レベルの神経栄養因子、例えばBNDF(脳由来神経栄養因子)、GNDF(グリア細胞株由来神経栄養因子)、NGF−β(神経成長因子)、NT−3(ニューロトロフィン−3)、NT−4/5(ニューロトロフィン−4/5)(図84A〜84Eおよび84G)、ならびにp75(ニューロトロフィン受容体およびNCSCのマーカー)(図84Fおよび84H)を天然に、恒常性に発現することを示した。蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)分析(図84A〜F)は、LP IDPSC集団において、BDNF(100%)、GNDF(99%)、NGF−β(99%)、NT−3(70%)、NT−4/5(80%)およびp75(90%)の比率を示した。
実施例27. LP IDPSCにおける角膜縁幹細胞および角膜上皮マーカーの発現
LP IDPSCはまた、上皮細胞運命に、そして特に目の表面の上皮に重要であるマーカーサブセットを発現することも示された。免疫組織化学分析を用いて、いくつかの角膜縁幹細胞および上皮タンパク質の存在を、未分化LP IDPSCにおいて評価した。以下の抗体を用いた:マウス抗ヒトモノクローナル抗体:抗インテグリンベータ1(インテグリンβ1)(Santa Cruz Biotechnology、米国カリフォルニア州サンタクルーズ)、コネキシン43(Chemicon)、ABCG2(Chemicon)およびビメンチン(NeoMarkers、米国カリフォルニア州フレモント)、ならびに細胞質/核モノクローナル抗体:マウス抗サイトケラチン3/12(K3/12)(RDI、米国ニュージャージー州フランダース)はヒトおよびウサギと反応、ならびにマウス抗ヒト抗p63(Chemicon)。細胞をガラスカバースリップ上、最大70%集密まで増殖させ、PBS(Gibco)中で洗浄し、そして4%パラホルムアルデヒド(Sigma)で一晩固定した。カバースリップを、20mm Tris−HCl pH7.4(Vetec、ブラジル・リオデジャネイロ州ドゥケ・デ・カシアス)、0.15M NaCl(Dinamica Reagent、ブラジル・サンパウロ州サンパウロ)、および0.05%Tween−20(Sigma)を含有するTris緩衝生理食塩水(TBS)中で3回洗浄した。0.1%Triton X−100を用いて、透過処理を15分間行った(Santa Cruz Biotechnology)。細胞を3回洗浄し、そしてPBS pH7.4(Gibco)中、5%ウシ血清アルブミン(Sigma)中で30分間インキュベーションした。一次抗体を、異なる希釈で(コネキシン43、ABCG2、ビメンチン、インテグリンβ1およびK3/12(1:100)、p63(1:200)および抗hIDPSC(1:1000))、各スライド上に1時間添加し、これを室温でインキュベーションした。TBS中で洗浄した後(3回)、細胞を暗所で1時間、二次抗マウス抗体コンジュゲート化イソチオシアン酸フルオレセイン(FITC)と1:500希釈でインキュベーションした。顕微鏡スライドを褪色防止溶液(Vectashieldマウンティング媒体、Vector Laboratories、米国カリフォルニア州ハーキュルス)中、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)中でマウンティングし、そして共焦点顕微鏡を用いて分析した。対照反応を、一次抗体の代わりにPBSとインキュベーションし、その後、洗浄し、そしてそれぞれの二次抗体とインキュベーションした。
LP IDPSCにおいて、角膜縁幹細胞マーカーの発現分析に用いたプライマーは、以下の通りであり、遺伝子センスプライマー、アンチセンスプライマーおよびアニーリング温度を明記する:ABCG2(379bp)AGTTCCATGGCACTGGCCATATCAGGTAGGCAATTGTGAGG(配列番号33).55℃;コネキシン43(154bp)CCTTCTTGCTGATCCAGTGGTAC(配列番号34)ACCAAGGACACCACCAGCAT(配列番号35)55℃;K3(145bp)GGCAGAGATCGAGGGTGTC(配列番号36)GTCATCCTTCGCCTGCTGTAG(配列番号37)58℃;K12(150bp)ACATGAAGAAGAACCACGAGGATGTCTGCTCAGCGATGGTTTCA(配列番号38)58℃;β−アクチン(208bp)GGCCACGGCTGCTTC(配列番号39);GTTGGCGTACAGGTCTTTGC(配列番号40)55℃。ヒト角膜縁および角膜上皮の試料は、インフォームドコンセントの後、サンパウロの連邦大学眼科学科の患者によって供与され、そして本研究において対照として用いられた。これらのヒト角膜縁、角膜上皮、およびLP IDPSC由来の総mRNAは、製造者のプロトコルにしたがって、TRIZOL試薬(Invitrogen)を用いて抽出された。SuperScript第一鎖合成系およびオリゴdT20プライマー(どちらもInvitrogen)を用いて、総mRNAをcDNAに逆転写した。反応あたり約2μlのmRNAを用いた。試薬の最終濃度は、1xPCR緩衝液、0.2mM dNTP混合物、各0.2μmのプライマー(上記);1.5mmのMgCl、および2単位の白金Taq DNAポリメラーゼ(Invitrogen)であり、最終濃度は50μlであった。MiniCycler(MJ Research、米国カリフォルニア州サンディエゴ)を用いて、PCRを行った。以下の条件下でPCRを行った:1周期の94℃5分間、その後、35周期の94℃1分間、アニーリング温度の1分間、および72℃1分間。PCR産物を2%アガロースゲル電気泳動によってサイズ分画し、そして2%エチジウムブロミド(Sigma、米国ミズーリ州セントルイス)を用いて染色した。ヒトβ−アクチン遺伝子を対照として用いた。
ヒト特異的抗体、例えばp63、インテグリンβ−1(CD29)、ビメンチン、コネキシン43およびABCG2は、LP IDPSCで陽性免疫染色を示し、一方、抗K3/12抗体は、いくつかの細胞における弱い陽性免疫染色しか示さなかった(図85A〜85G)。免疫蛍光タンパク質を用いて、以前分析したいくつかの遺伝子発現もまた、RT−PCRによって評価した。未分化LP IDPSCは、ABCG2、コネキシン43およびK12の発現を示し、一方、K3の発現は見られなかった(図85I)。予期されるように、ABCG2、コネキシン43およびK12は、対照として用いられるヒト角膜縁組織で発現されたが、K3のmRNAは検出不能であった(図85I、レーン3)。ヒト角膜対照試料には、コネキシン43、K12およびK3 mRNAが存在した(図85I、レーン2)。予測可能であるように、ABCG2の発現は、ヒト対照角膜では検出されなかった(図85I、レーン2)。
実施例28. LP IDPSCにおける胚性幹細胞マーカーの発現
一次抗体Oct3/4およびNanog(Chemicon、米国カリフォルニア州テメキュラ)を1:40で希釈した。適切なFITC二次抗体を1:100希釈で、室温で40分間添加した。顕微鏡スライドを、4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI;Vector Laboratories、米国カリフォルニア州バーリンゲーム)を含みまたは含まず、Vectashieldマウンティング媒体(Invitrogen)中でマウンティングした。冷却CCDカメラ(PCO、VC44)で獲得し、そしてISISソフトウェア(MetaSystem、米国マサチューセッツ州ベルモント)でプロセシングしたデジタル画像を用いて、視覚化を達成した。総RNAをTrizol試薬(Invitrogen)で精製し、そしてTurbo DNA不含キット(Ambion、米国テキサス州オースティン)で処理して、ゲノムDNA混入を取り除いた。ヒトES細胞を対照として用いた。製造者の指示にしたがって、ReverTra Ace−αおよびdT20プライマーでの逆転写反応に、1マイクログラムの総RNAを用いた。PCRをExTaqで行った。RT−PCRプライマー配列は以下の通りである:(5’から3’) Oct3/4(End−S) GAC AGG GGG AGG GGA GGA GCT AGG、(配列番号41);(End−AS) CTT CCC TCC AAC CAG TTG CCC CAA AC(配列番号 42); SOX2(End−S) GGG AAA TGG GAG GGG TGC AAA AGA GG(配列番号43)、(End−AS) TTG CGT GAG TGT GGA TGG GAT TGG TG(配列番号44); Nanog(S) CAG CCC CGA TTC TTC CAC CAG TCC C(配列番号45)、(AS) CGG AAG ATT CCC AGT CGG GTT CAC C(配列番号46); GAPDH(S) GCA CCG TCA AGG CTG AGA AC(配列番号47)、(AS) TGG TGA AGA CGC CAG TGG A(配列番号48)。
I型コラーゲン
プライマー:5’−AATGAAGGGACACAGAGGTTTC−3’(配列番号49)および
5’−CCAGTAGCACCATCATTTCCAC−3’(配列番号50)
産物サイズ:198bp
アニーリング温度:61℃
定量的PCRを用いて、ヒト上皮幹細胞(hESC)に対する発現パーセントを決定した。
LP IDPSCは、Oct3/4、Nanog、SOX2、およびp53とOct3/4およびNanogの核局在化を伴う発現を示した(図86A〜86C1)。定量的PCRは、Oct3/4が、Oct3/4、Nanog、およびSOX2の間で、最高相対的レベルの発現を有することを示した。LP IDPSCにおけるOct3/4の相対発現は、非関連ドナーの間で多様であった(図80A〜80D)。さらに、2つの関連しないドナー由来のLP IDPSCにおけるp53陽性細胞の比率もまた定量化した(図89A〜89B)。p53陽性細胞はまた、CD44に関して陽性であり、これは上述のMSCのマーカーであり(図10C)、そして同様の量でLP IDPSCで見られた(図89C〜89D)。
実施例29. RT−PCRによるLP IDPSCにおけるバイオマーカーの分析
製造者の指示にしたがって、RNeasyミニキット(Qiagen、ドイツ・デュッセルドルフ)で、乳歯(DL−1およびDL−4)から、そして第三大臼歯(DL−2)から単離したLP IDPSCの細胞試料から、総RNAを調製した。QIAGEN OneStep RT−PCRキット(Qiagen)を用いることによって、〜800ngの総RNAに対して、相補的DNA合成を実行し、そして以下に示す遺伝子特異的プライマーを用いて、生じたcDNA産物を増幅した。
I型コラーゲン
プライマー:5’−AATGAAGGGACACAGAGGTTTC−3’および
5’−CCAGTAGCACCATCATTTCCAC−3’
産物サイズ:198bp
アニーリング温度:61℃
フィブロネクチンIIIA
プライマー:5’−GGTCAGTCCTACAAGATTGGTG−3’(配列番号51)および
5’−CTTCTCCCAGGCAAGTACAATC−3’(配列番号52)
産物サイズ:223bp
アニーリング温度:61℃
テネシン−C
プライマー:5’−AGAAGAGGTGTCCTGCTGACTG−3’(配列番号53)および
5’−TCATGTCACTGCAGTCATAGCC−3’(配列番号54)
産物サイズ:285bp
アニーリング温度:61℃
ビメンチン
プライマー:5’−AATCCAAGTTTGCTGACCTCTC−3’(配列番号55)および
5’−TGTAGGTGGCAATCTCAATGTC−3’(配列番号56)
産物サイズ:327bp
アニーリング温度:61℃
Primer3ソフトウェアv.0.4.0を用いることによって、プライマーを設計した。産物を1.5%アガロースゲル上で電気泳動し、エチジウムブロミドで染色し、そしてソフトウェアKodak 1D v.3.6.5K2(Kodak)を用いて、トランスルミノメーターGel Logic 100画像化系(Kodak、コネティカット州ニューヘブン)で視覚化した。ソフトウェアAdobe Photochop CS2で、バンドの比較密度測定を得た。
図87Aおよび87Bは、アガロースゲルの画像および分析した4つの遺伝子に関するバンドの対応する光学密度のグラフを示す。研究したLP IDPSCはすべて、ビメンチン、テネシン−C、I型コラーゲン、およびフィブロネクチン遺伝子を発現した。LP IDPSCの3つの集団は、ビメンチン、テネシン、およびフィブロネクチン遺伝子の類似の発現を示した。密度測定分析は、DL−2細胞におけるI型コラーゲンに関して、総RNAが、他のhIDPSCにおいて観察されてきているものより有意により少ないことを示した(p<0.05)。
細胞を一次抗体とインキュベーションして、ビメンチン、I型コラーゲン、フィブロネクチン、およびテネシン−Cを検出した。すべての抗体をPBSA中の5%ウシ血清アルブミン溶液中で希釈した。最適抗体濃度は、DL−1、DL−2、およびDL−4細胞を用いた実験に対して、以前決定された。ビメンチンは、1:250に希釈されたNeomarkers(LabVision社、カリフォルニア州フレモント)のマウス・モノクローナル抗体によって、検出された。I型コラーゲンは、1:25に希釈されたChemiconのマウス・モノクローナル抗体(Chemicon、オーストラリア・ビクトリア)によって検出された。フィブロネクチンは、1:50に希釈されたCalbiochemのマウス・モノクローナル抗体(Calbiochem、カリフォルニア州サンディエゴ)によって検出された。テネシン−Cは、1:100に希釈されたNeomarkersのマウス・モノクローナル抗体によって検出された。二次抗体は、室温の、PBSA中に希釈された(1:500)、フルオレセインにコンジュゲート化されたマウス由来抗免疫グロブリンGであった。すべてのインキュベーションは室温で60分間行い、そして一次抗体の省略は、陰性対照として働いた。蛍光顕微鏡(LSM 410 Zeiss;ドイツ・バーデン−ビュルテンブルグ州オーバーコッヘン)上で、観察および写真記録を行った。各反応に関して、少なくとも100の細胞を観察した。
試験したすべての抗体に対する陽性反応が、分析したLP IDPSCとは独立に、観察された。LP IDPSC集団は、細胞骨格タンパク質、ビメンチンを、間葉系細胞から発現した。ビメンチンは、中心体から細胞の末梢ドメインに到達するために分岐した波打つ束のフィラメントとして現れた(図88A)。I型コラーゲンは、細胞質全体に広がり、核周辺領域周囲でより高濃度であるドットとして現れた(図88B)。フィブロネクチン(図88C)ならびにテネシン(図88D)は、細胞質全体に均質に分布する小さい点として現れた。I型コラーゲンは、他のhIDPSCにおけるよりも、DL−2第三大臼歯系譜においてより明らかでなく、一方、乳歯から単離されるDL−4は、フィブロネクチンおよびテネシン抗体に対するより顕著でない反応を示した。表7は、DL−1、DL−2、およびDL−4細胞における4つのバイオマーカーの発現分析を要約する。
表7.hIDPSCにおけるバイオマーカーの免疫蛍光染色

+++:強い発現;++:中程度の発現;+:弱い発現
実施例30. SOX2発現細胞が濃縮された未分化IDPSC集団
IDPSCは、若い生物から単離される神経冠幹細胞である。したがって、本発明者らは、低酸素環境を考慮して、in vitroで、そして機械的DPトランスファー後に、複数回の継代のこれらの細胞におけるSOX2の発現を検証した。15サイクルのDPトランスファー後に得た未分化EP IDPSCは、継代2のSOX2タンパク質のロバストな発現を示し(図90a、A〜A1)、一方、in vitro培養後、SOX2発現は次第に減少した。継代5で、SOX2発現は、いくつかのEP IDPSCでしか観察されなかった(図90a、B〜B1)。
驚くべきことに、転写因子(TF)の細胞内局在は、TF機能状態のマーカーであることが見出された。したがって、継代2では、SOX2の細胞内局在は核であり、一方、継代5では、核周辺空間で主に観察可能である。これによって、細胞質へのSOX2トラフィッキング(図90a、A1、B1)が示唆される。45周期のDPトランスファー後に得られた未分化LP IDPSCは、継代2(図90b、A)および継代5(図90b、B)でSOX2タンパク質のロバストな発現を示す。継代2および5で、SOX2の免疫染色のわずかな減少が検出され、そしてSOX2の細胞内局在は、核であった(図90b、A、B)。これらの結果は、低酸素培養条件後、EP IDPSCよりもLP IDPSCにおいてSOX2タンパク質発現に機能的利点があることを確認する。
実施例31. 神経前駆細胞−IDPSCより得られた神経芽細胞
IDPSCは、遊走神経冠幹細胞であり、ニューロスフェアに凝集可能である。発生中、SOX2は、神経になる運命の細胞によってのみ、再獲得されることが知られる。SOX2不含のままである神経冠幹細胞は、他の細胞タイプに分化し、ニューロンには決してならない。
いくつかの側面にしたがって、DPの長期間の機械的トランスファーが、IDPSCがSOX2を発現し、そしてニューロンに分化する能力にどのように影響を及ぼすか検証した。IDPSCの神経分化を本明細書記載のプロトコルにしたがって誘導した。まず、SOX1タンパク質発現が、最終段階にまだ拘束されていない有糸分裂活性前駆細胞と相関し、そしてまたβ−チューブリン・クラスIIIが初期ニューロンで排他的に発現される微小管要素であることを検証する。このマーカーをBrdU標識と組み合わせて、DPトランスファーサイクル数、および神経分化に強く拘束された細胞を含むIDPSC集団の濃縮の間の相関の証拠として用いた。
図91a、A〜A4は、核におけるSOX1の発現を立証し、一方、β−チューブリンは、ニューロスフェアに組織されたIDPSCのLP由来の神経前駆体における細胞質局在を示す。より具体的には、図91aは、ニューロン由来のhIDPSCの後期集団(LP)中、Sox1およびβ−チューブリンタンパク質の発現を示す。以下もまた、図91aで示される:A.DAPI染色されたニューロンの核(白い矢印);A1.ニューロンの核(白い矢印)で観察されたSOX1に関する陽性免疫染色;A2.β−チューブリンに関する陽性免疫染色;A3.A〜A2の合併画像;およびA4.A3の挿入図の高倍率は、ニューロンの核におけるDAPIおよびSOX1の重ね合わせ(白い矢印)を示す。図91b〜eは、歯髄機械的トランスファーおよび神経分化誘導の15、30および45サイクル後に、神経前駆体およびニューロンのhIDPSCのLPの濃縮を示す。図91b−Aにおいて、SOX1陰性細胞、核がDAPI(青色)でしか染色されない核の割合を示す;SOX1陽性細胞は緑色を提示する。図91d−Bにおいて、核がDAPI(青色)でしか染色されないβ−チューブリン陰性細胞の割合;β−チューブリン陽性細胞を赤色で示す。
IDPSCのニューロンに向かう分化後に得た初期神経芽細胞の増殖潜在能力もまた確認した。図92aは、抗BrdU抗体で正に免疫染色されたIDPSC神経芽細胞の核、およびβ−チューブリン・クラスIIIと正に反応するニューロン体を示す。図92b〜cは、サイクル数を増やしていくDP機械的トランスファー後、わずかに分化した神経芽細胞が分化IDPSC集団で明らかに濃縮されていることを示す。
驚くべきことに、わずかに分化した神経芽細胞の移行増幅IDPSC集団を得た。これは、BrdU、Sox1およびβ−チューブリンの同時発現によって確証され、これは以前には、成体幹細胞に関しても、または胚性幹細胞に関しても立証されてこなかった。
さらにより驚くべきことは、IDPSCから進行した継代(5〜10)で得られた、すでにSOX2の発現を欠いている神経前駆細胞(図90a、B、B1)が、ニューロスフェア形成中にSOX2を再発現し始めた(図93a)という知見であった。これらの細胞の神経細胞への分化の効率は、しかし、継代1〜3のIDPSCより低い。SOX2の再発現は、DPから得られたIDPSCにおいてより効率的であり、これは、多数(≧30)の機械的トランスファーサイクルを経ていた(図93b、c)。
これらの知見は、初期および後期胚性段階で単離可能なIDPSCおよび神経冠幹細胞の間の同一性に関する強い証拠を提供する。さらに、神経拘束の効率は、DP機械的トランスファー後に増加し、IDPSCを単離し、そしてその自己再生および分化潜在能力を維持するためには、低い酸素大気が重要であることに関する本発明者らの以前の観察を支持した(Lizierら、2012)。したがって、LP IDPSCは、神経拘束に関してEP IDPSCより利点を有し、これは、神経変性疾患における将来の幹細胞使用のための重要な結論である。
実施例31. 新規方法の単純性および利点。
図94aは、Cimadamoreら、2011からの図解の要約であり、これは、ヒトES細胞からのSOX2細胞の単離法を示唆した。このプロトコルは、上皮間葉系遷移を誘導するため、SOX2+細胞の単離およびその遊走能の誘導から始まる。この時点で、IDPSCと対照的に細胞はSOX2発現を欠き、これは、これらの細胞がニューロンに分化する間に再発現される。このプロトコルは、ニューロン分化中のSOX2発現の制御機構を研究する多大な学術的興味を提示し、洗練されている。このプロトコルが、細胞療法のための神経細胞を単離するために用いられる可能性は、より低い。
図94bは、示唆される方法の単純性を明らかに示し、同時に神経変性疾患の治療のためのIDPSC組成物有用性を強調する、本開示の側面の限定されない態様を示す。
いくつかの側面にしたがって、ユニークなバイオマーカーがhIDPSC由来神経芽細胞および初期ニューロンを鑑別する。膜貫通タンパク質のスーパーファミリーの腫瘍壊死因子受容体(TNFR)メンバーであるP75NTR(またはCD271)の発現は、本文書の別の箇所に記載される。CD271のリガンドはニューロトロフィンであり、これらは、神経成長因子(NGF)、脳由来成長因子(BDNF)、ニューロトロフィン3(NT3)、およびニューロトロフィン4/5(NT4/5)である。未分化IDPSCにおけるこれらの発現もまた、本文書の別の箇所に示され、そして記載される。最近の研究は、CD271がまた、これらのニューロトロフィンのプロ型の受容体として働く証拠を提供した(Rogers ML, Beare A, Zola H, Rush RA. CD271(p75ニューロトロフィン受容体) J Biol Regul Homeost Agents. 2008 Jan−Mar;22(1):1−6)。
やはり本明細書に開示する驚くべき最近の知見は、CD271マーカーがまた、ニューロスフェア(胚性神経前駆体の3次元クラスター)およびロゼット(初期神経管を暗示する神経上皮構造−3D神経島)を形成する、hIDPSC由来神経芽細胞においても発現されることである。予期せぬことに、ロゼット内の細胞はまた、元来、神経毛細管に由来する周皮細胞のマーカーと見なされる、CD146も発現した。一方、生物学および病理学におけるこの分子の多機能性の役割は、最近認識されたばかりであった。CD146は、発生、シグナル伝達、細胞遊走、間葉系幹細胞分化、血管形成および免疫反応に能動的に関与することが示されてきている。さらにより最近、神経系の発生および維持におけるCD146の関与が立証された。さらに、CD146神経系ノックアウトマウスは、野生型に比較した際、より軽い体重およびより少ない食物摂取を示した(Tuら、2013)。
図95は、ニューロスフェアおよびロゼットを形成するIDPSC由来神経芽細胞における神経マーカーの同時発現を示す。より具体的には、以下を図95に示す:A)神経分化に向かって誘導されるIDPSC由来神経芽細胞内のRAR−アルファ発現(緑色);B)およびC)それぞれ、ニューロスフェアおよび分化したニューロンにおける、CD271(P75)の発現;D)ベータ−3−チューブリナ発現;E)NeuN抗体、ニューロスフェアにおける核局在;F)、G)、およびH)ダイニン−Lisl−Ndel複合体発現;I)およびJ)それぞれ、ミエリンP2およびO4発現;K)シナプトフィジン発現、L)CD146発現;およびM)対照。スケールバー=10μm、DAPI(青色)で染色された核。
hIDPSC由来神経芽細胞SOX1、SOX2、ベータ−3−チューブリン、および初期ニューロンの免疫表現型:CD271+、ベータ−3−チューブリン+、NeuN+、ダイニン+、Lis1+、NDEL+、ミエリンP2+、O4+、GFAP+、シナプトフィジン+およびCD146+。驚くべきことに、神経冠起源の出生後細胞のLP IDPSC培養が、ユニークな特性によって性質決定されることが発見された。これらのユニークな特性は、通常、胎児脳由来、あるいはin vitroの神経分化に誘導されるESまたはiPS細胞由来の神経前駆体に典型である。
実施例32. IDPSC由来神経芽細胞のさらなる分化および成熟
IDPSC由来神経芽細胞は、in vitro神経成熟にしたがって、神経の重要なマーカーを発現し始める:
1. ニューロンの遊走およびシグナル伝達、アウトグロースおよび維持ならびに軸索内輸送に関与、例えばダイニン、Lis1、Ndel1;
2. ミエリン鞘の生成に関与:ミエリンP2、O4;
3. 神経特定および分化に関与:RAR−アルファ
4. 神経伝達因子放出の制御に関与:シナプシンIa/b
ダイニンはマイナス端定方向モータータンパク質であり、細胞において、ATPに含有される化学エネルギーを運動の機械エネルギーに変換する。逆行性軸索内輸送を通じて、ダイニンは、細胞体に向かってニューロンの軸索に沿って、細胞内小器官、小胞、およびおそらく微小管断片を運ぶ。
Lis1、血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼIBサブユニットアルファは、ヒトにおいて、PAFAH1B1遺伝子にコードされる酵素である。Lis1は、ヒト・ニューロン遊走欠陥、脳回欠損において突然変異する遺伝子のタンパク質産物であり、細胞においてダイニンに結合し、そしてダイニン運動機能を制御する。
NDEL−1、核分布タンパク質nudE様1は、ヒトにおいて、細胞骨格組織化、細胞シグナル伝達およびニューロン遊走、アウトグロースおよび維持を含めて、神経系発生に役割を果たすタンパク質である。
Sasaki S, Shionoya A, Ishida M, Gambello MJ, Yingling J, Wynshaw−Boris A, Hirotsune S. 発生中および成体の神経系におけるLIS1/NUDEL/細胞質ダイニン重鎖複合体。 Neuron. 2000 Dec;28(3):681−96.
Sakakibara A, Ando R, Sapir T, Tanaka T. 神経形態形成における、微小管動力学。 Open Biol. 2013 Jul 17;3(7):130061. doi: 10.1098/rsob.130061.
ミエリンP2タンパク質およびミエリン塩基性タンパク質は、ともに、末梢神経系ミエリンタンパク質の主要な部分を構成する。これらは、ミエリン鞘の生成に親密に関与する。これらはまた、いくつかの神経学的疾患にも関与し、これには、中枢および末梢神経系両方の自己免疫疾患が含まれる。
O4、モノクローナル抗オリゴデンドロサイト・マーカーO4は、オリゴデンドロサイトマーカーO4を認識する。オリゴデンドロサイトは、迅速な神経伝達を支持する軸索のミエリン鞘を形成する、中枢神経系(CNS)のミエリン化細胞である。
レチノイン酸受容体−アルファ(RAR−アルファ)は、すべてのトランスレチノイン酸に高いアフィニティを有し、そして甲状腺ホルモン受容体、ビタミンD3受容体およびエクジソン受容体として同じクラスの核転写因子に属する。
シナプシンIa/bは、シナプシンIaおよびシナプシンIbと称される、2つの選択的スプライシングアイソフォームとして存在し、神経末端における主要リンタンパク質の1つと性質決定され、そして神経伝達物質放出の制御に関与すると考えられる。
表8は、多様な一次抗体のタイプ、起源、希釈および購入元を提示する。
表8.

実施例33. LP IDPSC Gバンドの核型分析
DMEM/F12培地(Invitrogen)中で培養したIDPSCの集密以下のLPの核型決定を継代3および10で行った。採取前に、0.1μg/mlの最終濃度のデメコルシン(Sigma)を1時間添加した。細胞を採取し、PBS中で洗浄し、そして0.5mlの培地中に再懸濁し、そして0.075M KCl(Sigma)と10mlの体積に混合した。室温で20分間インキュベーションした後、細胞を400gで5分間遠心分離し、そしてペレットを5mlの3倍(3:1)の冷メタノール/酢酸(Sigma)中で固定した。スライドあたり、細胞懸濁物3滴を固定した。染色体計数のため、スライドをギムザで15分間染色し、そして;細胞株あたり>200細胞を分析し、そしてヒト細胞遺伝学命名に関する国際システムにしたがって、Zeiss II顕微鏡(Zeiss、ドイツ・イエナ)上で報告した。
IDPSCの核型を初期(P3)および後期(P10)継代で分析した。核型は、安定性を示し、そして構造または数の改変は観察されなかった。
図96は、初期および後期継代のin vitro培養LP IDPSCの雄性核型の代表的な図を示す。
実施例34. IDPSCの使用を用いた、ラットの頤神経の再生
一般体性求心性(感覚)神経である頤神経の再生の評価を行った。この神経は、顎および下唇の前方局面ならびに下顎前歯および小臼歯の頬側歯肉への感覚を提供する。これは、下歯槽神経の後幹の枝であり、該神経はこれ自体、三叉神経(CNV)下顎分枝の枝である。
36匹の雄Wistarラットを本実験に用い、そしてラットは圧迫によって右側頤神経の傷害を受ける。各ラットの左側神経を陽性対照として用いた。次いで、右側頤神経を2つの研究群に分けた:圧迫を伴い、そして治療なしの対照群(n=18)ならびに圧迫による傷害を受け、そしてIDPSCの治療を受ける実験群(n=18)(2x10細胞)。動物を異なる研究時点:病変の1、3、7、14、21および42日後に安楽死させ、そして透過型電子顕微鏡分析のため、頤神経および三叉神経節を除去した。ミエリン線維の外周およびミエリン層の厚さの測定のため、神経線維の画像を得た。治療14日後、神経は、損なわれていない神経と類似の形態学的側面を示した。頤神経再生のためのIDPSCの使用は、治療2週後、単回適用で有効であった。
実施例35. 奇形腫形成
奇形腫形成は、任意の多能性細胞、例えば胚性または人工多能性幹細胞(ESおよびiPS細胞)の多能性を決定する際に必須のツールである。細胞の奇形腫形成能の評価のための一定のプロトコルが確立され、そして次いで、研究に用いられた。いくつかの近年公開された本発明者の方法は、定義される数の未分化IDPSCおよびMatrigelの免疫不全マウス内への皮下同時移植に基づく。方法は、マウスおよびヒトの多能性細胞の10細胞を用いた際に、非常に再現性であり、そして効率的であることが示された。症例の100%で、本発明者らは、多数の動物において、そして長期追跡調査(最長6ヶ月)で、奇形腫形成を観察した。この方法は、他の成体/間葉系幹細胞(MSC)、例えば乳歯の歯髄、臍帯および脂肪組織およびその他に由来するものなどの生物安全性分析のためのものである。
やはり評価するのは、奇形腫アッセイ感度および定量性のための次の判断基準であった:
A. 最終的な細胞数および単細胞懸濁物産生;多能性細胞マーカー発現および核型に関する研究細胞の免疫表現型決定;Matrigelを伴う研究細胞の同時移植;奇形腫発展の単純な監視を可能にする皮下(s.c.)細胞移植;細胞をNOD/SCIDマウス内に移植した。
B. 腫瘍の発展を4ヶ月(およそ16週間)監視した。多能性細胞に関して、奇形腫の組織学的基準は、三胚葉層すべてに由来する組織の発展であった。この分析は病理学者によって行われた。
C. IDPSCに関して、細胞注入部位における正常組織完全性に関する任意のタイプまたは任意の変化を考慮した。
実験系(単数または複数):
A. 初期(n=10)および後期継代(n=10)での、3つの異なるLP IDPSC培養
B. ヒト初代線維芽細胞(陰性対照)
IDPSCは、多能性マーカーを発現する多様な数の幹細胞(細胞の1〜25%)を含む集団によって構成される(Kerkisら、2006;Lizierら、2012)。これらの細胞をNOD/SCIDマウス(n=20)に移植し、そして腫瘍の発展を4ヶ月から監視した(およそ16週)。細胞注入部位における正常組織完全性に関する任意のタイプの変化を考慮した。
このプロトコルを、IDPSCの集団に、特に用いる細胞数に関して適応させ、これは、IDPSCの20%が多能性マーカーを発現することに基づいて計算された。ESおよびiPS細胞を用いた、本発明者らの先の研究において、本発明者らは10細胞を用い、一方、IDPSCおよび対照細胞催奇性を試験するため、5x10細胞を用いた。
4ヶ月後、巨視的に腫瘍が観察されない場合であっても、マウスを屠殺し、そして脳、肺、腎臓、脾臓、肝臓などの多様な臓器から凍結切片を得て、そして病理学者によって分析させた。
結論:研究した臓器すべてにIDPSCのDNAの存在が見られたが、腫瘍形成または巨視的形態変化はまったく観察されなかった。
実施例36. LP hIDPSCSのパラクリン効果:IDPSCの抗炎症、免疫調節および抗微生物特性
MSCは、パラクリン機構を通じて補助し、そして抗炎症および免疫調節機構を通じて再生環境を調節する。病原性が異なるMtbおよびウシ結核菌にi.t.感染させたC57Bl/6マウスの肺細胞によるサイトカイン産生に対するIDPSC i.p.接種の効果を観察した。BIOPLEX試験データを図97に提供する。IDPSC接種によって、感染肺細胞によるサイトカイン産生が減少した。炎症促進性(TNF−a、IL−1b、MIP−2、IL−17)および抗炎症性(IL−10)サイトカインの強い減少が、非常に悪性のMtb株に感染した肺で観察された。IFN−gおよびKC産生の減少はより顕著でなかった。IL−4産生の誘導は、IDPSCを接種されたマウスにおいてのみ観察された。
腫瘍壊死因子(TNF、カケキシン、またはカケクチン、および以前には、腫瘍壊死因子アルファまたはTNFαとして知られた)は、全身炎症に関与するアディポカインである。TNFの主な役割は、免疫細胞の制御におけるものである。TNFは、内因性発熱物質であり、発熱、アポトーシス細胞死、悪液質、炎症を誘導することが可能であり、そして腫瘍原性およびウイルス複製を阻害することが可能であり、そしてIL1およびIL6産生細胞を通じて敗血症に反応する。TNF産生の調節不全は、アルツハイマー病を含む、多様なヒト疾患に関連づけられてきている。
インターフェロン・ガンマ(IFNγ)は、II型インターフェロン・クラスの唯一のメンバーである二量体化可溶性サイトカインであり、ウイルスおよび細胞内細菌感染に対する自然免疫および獲得免疫のため、ならびに腫瘍制御のため、非常に重要な免疫インターフェロン、サイトカインとして知られる。IFNγは、マクロファージの重要な活性化因子である。異常なIFNγ発現は、いくつかの自己炎症性および自己免疫疾患と関連する。免疫系におけるIFNγの重要性は、部分的に、ウイルス複製を直接阻害する能力、そして最も重要なことに、その免疫刺激性および免疫調節性効果から生じる。
インターロイキン17は、インターフェロン・ガンマ同様、多様な組織において、ケモカイン産生を増加させ、単球および好中球を炎症部位に補充することによって、遅延型反応における強力な仲介因子として作用するサイトカインである。ファミリーとしてのインターロイキン17は、細胞外病原体による免疫系の侵入に反応して、そして病原体の細胞マトリックスの破壊を誘導する、炎症促進性サイトカインとして機能する。
インターロイキン−1ベータ(IL−1β)はまた、カタボリンとしても知られ、炎症性反応の重要な仲介因子であるサイトカインタンパク質であり、そして細胞増殖、分化、およびアポトーシスを含む、多様な細胞活性に関与する。IL−17の最も顕著な役割は、炎症促進性反応を誘導し、そして仲介する際の関与である。IL−17は、一般的に、アレルギー反応に関連する。
インターロイキン−10(IL−10)はまた、ヒト・サイトカイン合成阻害因子(CSIF)としても知られる、抗炎症性サイトカインである。IL−10は、免疫制御および炎症における多面的な効果を持つサイトカインである。
ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド2(CXCL2)はまた、マクロファージ炎症性タンパク質2(MIP−2)とも呼ばれ、神経栄養炎症性反応を仲介する主要な役割を果たし、そして敗血症の発展における仲介因子である。KCおよびマクロファージ炎症性タンパク質−2(MIP−2)は、外科的傷害後、皮膚における別個の時間的発現パターンを示すCXCケモカインである。KCおよびMip2は、好中球化学誘因遺伝子である。どちらのケモカインも広範囲の急性および慢性炎症性設定で発現されることが知られ、そして後に続く炎症性反応の性質および度合いの非常に重要な決定要因であると考えられる。
実施例37. 第三大臼歯(智歯)から単離されたIDPSC
図104は、摘出された第三大臼歯、智歯を示す。CD105は、MSCの主なマーカーである。MSCの分布を検証し、そして歯髄におけるそのニッチを同定するために、該マーカーを用いた。本発明者らは、このマーカーを発現するMSCが、血管周囲の多数のニッチ、血管または神経のネットワーク中の血管叢および神経叢に位置することを立証する(図98)。血管叢および神経叢は、非常に似た構造であるが、この定義は、より小さいネットワーク(血管叢)と大きいもの(神経叢)を区別するために含まれた。本発明者らが観察するように、CD105+細胞は、血管周囲ニッチ(図98B、C、F、黒い矢印)、血管叢(図98B、C、G、オレンジの矢印)、および神経叢(図98H、星)に位置する。
MSCおよびそのニッチの同定に非常に重要な別のマーカーは、CD73であり、これは2つの抗体で構成される:MSC上の異なるエピトープを認識する、SH−3およびSH−4。本発明者らは、両方の抗体を用いて、そしてこれらの間の認識可能な相違を観察した。SH3は、歯髄組織全体および血管周囲位置に分布する陽性染色を示した(図99A)。本発明者らは、内皮細胞層に位置する血管中のSH3陽性細胞(図99B、C)、ならびに周皮細胞の位置に存在するいくつかのSH3+細胞に注目した。解剖学的に同じ部位に位置するCD105+細胞(図98H)と比較した際、驚くべきことに、SH3+細胞は、別個のニューロン様(図99D)形態を示す細胞における神経叢に見られた。抗体発現に関しては、SH4は、SH3(図99A〜D)および対照(図98A)と比較した際、非常にかすかなマーク(図99E、F)を示した。
さらに、本発明者らは、神経細胞の接着分子であり、そして胚形成中、神経冠細胞の重要な分子と見なされる、N−カドヘリンの発現を試験した。第三大臼歯の歯髄において、N−カドヘリンの発現は、主に、血管周囲ニッチにおいて視覚化されたが、より小さい径の血管周囲であった(図100A〜C)。さらに、染色はすべての血管周囲では観察されなかった(図100A)。さらに、図100Cは、周皮細胞の解剖学的部位におけるN−カドヘリンの位置を示す。
ABCG2は、内部および外部細胞膜に渡って、多様な分子を輸送する、細胞膜タンパク質と関連する。ABCG2はまた、幹細胞マーカーと見なされ、そして胎盤で豊富に発現される。本発明者らは、SH−3に関して観察されるもの(図99)と同様に、このマーカーの強力な発現(図100D、E)を示す、歯髄結合組織に分布する細胞を観察した。本発明者らはまた、血管周囲領域および血管叢でその発現が観察される転写因子である、Nanogの発現を検証した(図100F)が、細胞質および核局在を示さなかった。
2つの主なマーカーをマークする比較分析によって、MSC陽性細胞およびCD105++CD73/SH3は、歯髄組織ニッチの位置においても、形態においても両方が異なることが示された。歯髄組織、神経叢に見られる場合、CD105+細胞は、CTMに典型的な線維芽細胞の形態を示す(図101)。結合組織に見られるCD73/SH3+細胞は、丸く、そしてCD105+に比較した際より小さい(図101B)。CD105+および+CD73/SH3抗体両方に関するマークアップが血管周囲ニッチにおいて観察されたが、明らかに、CD105+細胞は、周皮細胞の解剖学的部位で見られ、CD73/SH3+細胞は内皮細胞で見られる(図101C、D)。陽性転換細胞では、N−カドヘリンは、主に、周皮細胞の解剖学的部位に位置する(図101E)が、内皮細胞ニッチには位置しない(図101C、D)。CD73/SH3+およびCD105+の間の主要な相違が、神経叢で観察され、ここで、CD73/SH3+細胞は、ニューロン形態を複製する(facsimile)(図102A、B)。
このデータは、IDPSCと類似の分子シグニチャーを持つ単離幹細胞の可能性を立証し、ならびに神経叢に位置する幹細胞の神経拘束を確認する。
実施例38. IDPSCの催奇潜在性の評価
IDPSCの催奇潜在性を評価するため、1x10細胞を15匹の免疫抑制マウスの背中に皮下注射した。40日後、細胞塊および/または奇形腫の形成が巨視的に観察された(図104)。
実施例39. LP法によるhIDPSCの産業的スケールアップのためのバッチ放出プロセス
図105は、多数回の患者投薬のための臨床的に適切な量を得るため、LP法によるhIDPSCの産業的スケールアップのためのバッチ放出プロセスのための例示的フローチャートを示す。いくつかの側面にしたがって、乳歯由来の歯髄を、細胞培養フラスコ上にプレーティングする。歯髄(DP)由来の細胞を、各採取サイクル(H)で、継代1(P1)〜継代3(P3)まで、酵素解離試薬によって継代する。各採取(h1〜H35)で、DPを非酵素的方法によってトランスファーする。
P3で、各採取サイクルにおいて、1〜10の歯髄由来の細胞をプールし、そしてP4で凍結プロセスを経る。その後、細胞を融解し、そして50%の細胞をp%で単一バッチとして放出する。その後、細胞を凍結し、そしてこれは、療法的投与の準備ができており、好ましくは直接神経生成を誘導し、限定されるわけではないが、クモ膜下腔内(IT)または脊髄内注射(産物1−IT)による。
静脈内(IV)/全身性または局部/局所投与のため、多数の細胞を得るために、さらに50%の細胞をP4で融解し、そして継代15まで増殖させ、そしてP15で単一バッチとして放出してもよい。次いで、細胞をプールし、そして静脈内投与のために凍結する(産物2−IV)。
表9は、上記に、および図105に示すバッチ放出プロセスに関して行った分析の多様な方法を提示する。
表9

P3およびP15で、選択した品質管理試験を行った。認証分析を行い、そしてこれを以下の表10に提供する。認証分析は、クモ膜下腔内投与に関する本開示の1つの側面にしたがったhIDPSC産物に関するものである。この特定の分析のためのバッチ番号は#001H1−30/P1−5/Fであった。
表10.

多様な関連する方法もまた、本開示の一部として意図される。方法には、限定されるわけではないが、以下が含まれる:
歯髄単離。試料採取直前の歯の調製に関して、異なる方法がある。ヒト歯髄から単離される幹細胞は、神経冠によって産生される間葉系細胞に由来する。ヒト歯髄から幹細胞を単離するため、歯が健康であり、そして歯髄および口腔の間にいかなる連絡もないことが必要である。
細胞培養。分化誘導に用いる培養系のタイプに応じて、生じた集団の性質は、推測的に決定可能である。使用のための共通の培養系は、細胞外マトリックス(ECM)を含む培養マトリックスを含む。1つの態様にしたがって、ECMは、限定されることなく、フィブロネクチン、ラミニンおよびゼラチンから選択される。培養系にはさらに、抗細菌剤を補充することも可能である。抗細菌剤は、限定されることなく、ペニシリンおよびストレプトマイシン、好ましくはゲンタマイシン(微量での、ペニシリンアレルギー性集団への移植のリスクを減少させるため)から選択されることも可能である。
培養系にさらに、また、持続放出成長因子を用いて、均質な未分化状態に細胞を維持する、Sternらによって、米国特許第8,481,308号において記載されるような、成長因子を補ってもよい。
徹底的に発展され、そして用いられる別の代替培養系は、ノックアウト血清置換物(KOSR)および成長因子、例えばFGF2を補充したノックアウト(KO)培地が含まれる、血清不含系である。ノックアウト血清置換物(KOSR)(Gibco)は、化学的に定義された血清不含培地補充物であり、増殖する幹細胞のためのKO−DMEMに基づく培養系中の動物に基づく血清の置換物として用いられ、ウシ胎児血清(FBS)での補充を置換することも可能である。別の場合による培養は、神経細胞の増殖のために特に配合される基本培地であるNeurobasalTM培地を含み、そしてFBS、またはB27、またはN2血清置換およびレチノイン酸(RA)を補充される。
未分化または分化細胞株は、保存法、例えば凍結保存によって保存される。
いくつかの側面にしたがって、意図される開示は、未分化hIDPSCを提供し、ここで、細胞は、Oct3/4、NanogおよびSOX2を含むヒト多能性幹細胞のマーカーと免疫反応性であり、そして前記細胞は、神経細胞に分化する条件下で、分化することも可能である。好ましくは、細胞は、RT−PCRによって立証されるように、転写因子SOX1;SOX2およびチューブリンを発現する。前記細胞は、in vitroの長期培養中、安定した二倍体核型を維持する。SoxおよびOct3/4転写因子は、ES細胞同一性を特定する転写制御ヒエラルキーの中心的となると考えられる。hIDPSCは、LPまでの細胞培養全体のIDPSCのおよそ約20%で、Oct4(Insert ref 2006;およびLieserら 2012)を発現することが以前示されてきている。したがって、OCTファミリーおよびSOXファミリーマーカーの両方の共存は、hIDPSCの高い幹細胞性および多能性を示す。しかし、SOXおよびベータ−チューブリンマーカーの濃縮は、神経運命への強いアフィニティを示す。
やはり本明細書に開示するのは、LP採取法を用いた、未分化hIDPSCの調製であり、ここで、LPにおける、SOX1、SOX2、BrdU、ベータ−3−チューブリン分子マーカーの濃縮は、これらのLPがin vitroで増殖し、そして神経前駆細胞、神経細胞および/またはグリア細胞および神経節細胞に分化する(in vivoまたはex vivo)能力を示す。好ましくは、未分化hIDPSC細胞は、分化条件またはin vivo微小環境に供された際、神経前駆細胞、神経細胞および/またはグリア細胞に分化する潜在能力を有する。
治療法。本開示の側面の同種異系の性質は、hIDPSCが通常、非HLAタイピングであるため、免疫毒性の懸念を実質的に緩和する。患者への移植のためにhIDPSCの組成物を提供する工程を含む方法が意図される。こうしたhIDPSCは、開示にしたがって、未分化hIDPSCを含むLT培養系に由来し、その後、選択された体細胞へのSCの定方向分化を補助する培養系において、未分化SCをインキュベーションし、好ましくは強い神経内皮拘束を維持する。
1つの態様において、体細胞の選択される集団は、本質的に神経前駆細胞からなる。別の態様にしたがって、体細胞の選択される集団は、本質的にドーパミン作動性神経細胞からなる。体細胞の特に望ましいタイプ、例えば神経前駆細胞またはドーパミン作動性神経細胞へのSCの定方向分化を支持する培養系は、当該技術分野に周知である。
神経前駆細胞、神経細胞およびグリア細胞に分化可能な未分化細胞株があり、そして好ましくは本発明の方法によって産生される。長期間培養可能であり、そして多量の前駆細胞を生じさせうる、分化し、拘束された前駆細胞株を提供する。成熟ニューロンおよび/またはグリア細胞に分化可能な、分化し、拘束された前駆細胞株を提供する。成熟神経細胞およびグリア細胞を生じさせることが可能な拘束された神経前駆細胞もまた提供する。レシピエント脳において移植片を確立可能であり、神経系の組織生成に関与し、そしてin vivoでニューロン系譜、星状細胞系譜およびオリゴデンドロサイト系譜を構成する、分化し、拘束された前駆細胞株を提供する。
やはり提供するのは、全身性、クモ膜下腔内、鼻内または局所の細胞移植を通じて、細胞療法および遺伝子療法のための薬学的組成物中で使用可能な、未分化hIDPSC、hIDPSC由来神経前駆細胞−神経芽細胞、神経細胞およびグリア細胞である。開示する/予期される療法的神経保護作用は、防御抗炎症および/または神経成長因子の放出、ならびに/あるいは神経生成の発現および/または修復、ならびに/あるいは機能的転帰、例えば運動および/または認知転帰の改善を通じて、活性化されることも可能である。
こうした神経保護法は、直接補充し、置換し、そして/または損傷を受けたまたは機能不全の神経細胞(すなわちニューロン/グリア/オリゴデンドロサイト)を補充することによって、そして/または存在する神経細胞の増殖および/または生存を増進することによって、そして/または神経変性状態において、こうした細胞の損失を遅延させるかまたは逆転させることによって、CNSおよび/またはPNS疾患の治療を提供する。
本明細書にやはり開示するのは、中枢神経系(CNS)および末梢神経系(PNS)の疾患、状態および傷害の予防および治療のためのhIDPSCを含む組成物および方法である。開示するhIDPSC移植によって治療可能な疾患および状態の限定されないさらなる実施例は、神経変性障害および神経疾患、例えば神経変性障害(例えばアルツハイマー病、パーキンソン病、パーキンソン障害、ハンチントン病(ハンチントン舞踏病)、ルー・ゲーリック病、多発性硬化症、ピック病、パーキンソン認知症症候群)、進行性皮質下神経膠症、進行性核上性麻痺、視床変性症候群、遺伝性失語症、筋萎縮性側索症候群、シャイ・ドレーガー症候群、およびレビー小体病;血管状態(例えば梗塞、出血、心臓障害);混合血管およびアルツハイマー病;細菌性髄膜炎;クロイツフェルツ・ヤコブ病;およびクッシング病である。
やはり本明細書に意図されるのは、急性脳傷害と称される神経変性障害の治療である。これらには、限定されるわけではないが:脳卒中、頭部外傷、および窒息が含まれる。脳卒中は、脳血管疾患を指し、そしてまた、脳血管事象としてもまた称される可能性があり、そして急性血栓塞栓性脳卒中が含まれる。脳卒中には、限局性虚血および全虚血の両方が含まれる。他の事象は、頭部外傷、脊髄外傷、または全身無酸素、低酸素、低血糖、低血圧からの傷害、ならびに塞栓(embole)、過灌流(hyperfusion)、および低酸素からの処置中に見られる類似の傷害である。
hIDPSC細胞は、典型的には、単位投薬量注射可能型、例えば溶液、懸濁物、またはエマルジョンで配合される。細胞/培地の水性懸濁物の投薬型/薬学的配合物は、典型的には、約0.1〜0.2に等張性であるように、懸濁物のイオン強度を、そして約pH6.8〜7.5の生理学的pHに調節することを伴うであろう。前記配合物はまた、典型的には、液体潤滑剤も含有するであろう。
細胞および/または馴化培地の注入に適した薬学的配合物は、典型的には、無菌水溶液および分散物である。注射可能配合物のキャリアーは、例えば、水、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水、または他の適切なビヒクル、およびその適切な混合物を含有する溶媒または分散媒体であることも可能である。技術を持つ薬学専門家は、本発明の方法において投与されるべき組成物中の細胞、ならびに場合によるキャリアーおよび添加剤を決定することも可能である。典型的には、hIDPSC細胞に対する任意の添加剤/賦形剤または活性化合物は、リン酸緩衝生理食塩水中、0.001〜50重量%の量で存在する。
医学業および薬学業における当業者に周知の投薬量および技術によって、前記組成物を投与することも可能である。医師によって、不要な実験を伴わずに、本開示、本明細書に引用する文書、および当該技術分野における知識から、ヒト/哺乳動物のための用量を決定することも可能である。
専門家/医師は、被験体が、例えば脳卒中に罹患しているか、またはそのリスクがある、ならびに本発明に記載するように、hIDPSCの全身、クモ膜下腔内、または局所の投与のため、脳卒中に罹患している、適切な状態を決定することが可能であろう。
側面はまた、hIDPSC投与が、神経変性障害のための療法的化学薬品または生物活性または/および薬学的化合物剤と組み合わされる併合療法の療法的使用にも関する。
意図される組成物および方法を用いて、上述のような神経変性疾患と診断された患者における医学的状態を緩和し、そして/または軽減し、そして/または改善することも可能である。さらなる態様において、驚くべきことにC271およびP57を発現する、ユニークなバイオマーカ−・フィンガープリントを持つhIDPSC神経前駆体神経芽細胞の使用法が意図される。培養中で増殖するこれらの細胞は、将来の神経変性医学および薬剤発見のために非常に興味深い。
さらに、本明細書に最初に開示するのは、hIDPSCのユニークなパラクリン特性、例えば(i)免疫調節特性、(ii)抗炎症性特性、そしてさらに(iii)抗微生物特性である。こうした特性は、IDPSCの使用の新規分野を開く。例えば、多重臨床適用の治療が意図される:(i)免疫抑制性疾患、例えば移植片対宿主病;AIDS;癌化学療法副作用に対する免疫保護として;(ii)例えば関節炎、またはIBD−炎症性腸疾患に対する抗炎症療法としてのhIDPSCの使用;ならびに/あるいは(iii)敗血症および耐性院内感染等の感染性疾患。
本明細書に開示するのは、単一療法として、あるいは組み合わせてまたは相乗的に、他の治療様式と、または/そして防御療法として(例えば、院内感染またはAIDSの高いリスクにある患者において)、使用可能な治療法である。
本明細書において、本開示の多様な態様に示すように、適切な修飾を行って、にもかかわらず意図する開示の範囲内に留まるであろうことが予期される。本発明は、したがって、以下の請求項にしたがってのみ、解釈されるものとする。
参考文献






  1. 神経変性疾患、脱ミエリン化疾患、または両方を治療する方法であって、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団、IDPSC由来の神経幹細胞、または両方を含む組成物を、神経変性疾患および/または脱ミエリン化疾患を治療するために十分な量で、投与する工程を含む、前記方法。

  2. 脱ミエリン化疾患が、多発性硬化症:特発性炎症性脱ミエリン化疾患;ビタミンB12不全;橋中央ミエリン溶解;脊髄ろう;横断性脊髄炎;デビック病;進行性多巣性白質脳症;視神経炎;白質ジストロフィーからなる群より選択される中枢神経系の脱ミエリン化疾患、または:ギランバレー症候群、慢性炎症性脱ミエリン化ポリニューロパシー;抗MAG末梢ニューロパシー;シャルコー−マリー・トゥース病;および銅欠乏からなる群より選択される末梢神経系の脱ミエリン化疾患である、請求項1の方法。

  3. 神経変性疾患が:アルツハイマー病、パーキンソン病、プリオン病、クロイツフェルト・ヤコブ病、ハンチントン病、前頭側頭型認知症(ピック病)および筋萎縮性側索硬化症(ALSまたはルー・ゲーリック病)からなる群より選択される、請求項1の方法。

  4. 神経変性疾患が、ミエリンを攻撃する自己免疫疾患である、請求項1の方法。

  5. 網膜神経節細胞(RGC)死、視神経変性、または両方を阻害する方法であって、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団、IDPSC由来の神経幹細胞、または両方を含む組成物を、RGC死、視神経変性、または両方を阻害するのに十分な量で投与する工程を含む、前記方法。

  6. 腎不全を治療する方法であって、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団を含む組成物を、腎機能を増加させるか、または腎臓損傷を減少させるのに十分な量で投与する工程を含む、前記方法。

  7. 組成物を、kg体重あたり、およそ0.01−1x10細胞の用量で腎内投与を通じて局所投与する、請求項6の方法。

  8. IDPSCを投与する工程を1〜3週間の間隔で、腎機能が回復するまで、続いて反復する、ここで、IDPSCの投与間隔を1〜6ヶ月に増加させる、請求項6の方法。

  9. 禿頭を治療するかまたは白髪を治療する方法であって、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団を含む組成物を、毛髪増殖を増加させ、そして/または被験体の全体の白髪の割合を減少させるのに十分な量で投与する工程を含む、前記方法。

  10. 組成物を、皮下、局所で、またはシャワー法によって、投与して、毛包幹細胞ニッチを回復させる、請求項9の方法。

  11. 組成物が細胞シートを生じる、請求項9の方法。

  12. 細胞シートが移植され、そして移植前に予め除去された毛髪皮膚によって覆われている、請求項11の方法。

  13. 他の毛髪回復または白髪減少幹細胞因子または薬剤と組み合わせて組成物を投与する工程をさらに含む、請求項9の方法。

  14. 皮膚創傷および/または皮膚美容的特徴を治療するための皮膚治療法であって、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団を含む組成物を、皮膚創傷治癒を増加させそして/または皮膚美容的特徴を改善するのに十分な量で投与する工程を含む、前記治療法。

  15. 皮膚創傷が、糖尿病、虚血およびコラーゲン疾患または火傷傷害から生じる難治性皮膚潰瘍である、請求項14の皮膚治療法。

  16. 組成物を、皮膚の硬さを増加させ、しわを減少させ、皮膚加齢プロセスを遅延させ、新規血管形成を増加させ、免疫学的反応を誘導せずにコラーゲン再生を増加させるのに十分な量で投与する、請求項14の皮膚治療法。

  17. 脊髄傷害を治療する方法であって、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団、IDPSC由来の神経幹細胞、または両方を含む組成物を、脊髄傷害を治療するのに十分な量で投与する工程を含む、前記方法。

  18. 心臓疾患を治療する方法であって、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団、IDPSC由来の幹細胞、または両方を含む組成物を、心臓疾患を治療するのに十分な量で投与する工程を含む、前記方法。

  19. 精子形成を増加させる方法であって、、その必要がある被験体に、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の未分化集団を含む組成物を被験体における精子形成を誘導するのに十分な量で投与する工程を含む、前記方法。

  20. 心臓疾患が心筋梗塞である、請求項19の方法。

  21. 治療が、心筋細胞アポトーシスを阻害し、そして/または組成物を動脈注射を通じて投与する、請求項19の方法。

  22. IDPSCの少なくとも50%が、p75神経上皮マーカー、p53腫瘍抑制因子マーカー、または両方を発現する、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  23. 組成物が、IDPSCおよび/またはIDPSC由来の幹細胞を、少なくとも1x10 IDPSC、少なくとも1x10 IDPSC、少なくとも1x10 IDPSC、少なくとも1x10 IDPSC、または少なくとも1x1010 IDPSCで含む、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  24. IDPSCの少なくとも75%が、p75神経上皮マーカーまたはp53腫瘍抑制因子マーカーを発現する、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  25. IDPSCの50%未満が、CD13マーカー、CD31マーカー、または両方を発現する、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  26. IDPSCの50%未満が、CD34、CD43、およびCD45マーカーに関して陰性である、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  27. IDPSCの少なくとも50%が、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、ニューロトロフィン−4(NT4)、およびニューロトロフィン−5(NT5)より選択される神経栄養因子を生じる、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  28. IDPSCの少なくとも75%が、BDNF、GNDF、ベータ−NGF、NT3、NT4、およびNT5より選択される神経栄養因子を生じる、請求項27の方法。

  29. IDPSCの少なくとも75%がネスチンを発現する、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  30. IDPSCの少なくとも95%がネスチンを発現する、請求項29の方法。

  31. IDPSCの20%未満がOct3/4を発現する、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  32. IDPSCが、以下の多機能分子プロファイル:
    (a)IDPSCの少なくとも80%が、ネスチン、p75、ATP結合カセットサブファミリーGメンバー2(ABCG2)、p63、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、NT4、およびNT5より選択されるマーカーを発現する、神経上皮幹細胞プロファイルIDPSC;
    (b)IDPSCの20%未満がSTRO−1およびCD146より選択されるマーカーを発現する、周皮細胞プロファイルIDPSC;
    (c)集団の少なくとも80%が、CD105、CD73、CD90、CD29、CD44、CD117、ビメンチン、フィブロネクチン、アルカリホスファターゼ(ALP)、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、テネシン−C、マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)、MMP−2、MMP−9、シンデカン1(SDC1)、SDC2、SDC3、SDC4、p53、および1型コラーゲンより選択されるマーカーを発現する、間葉系幹細胞プロファイルIDPSC;
    (d)IDPSCの2%〜30%が、Oct3/4、SOX2、Nanog、TRA1−60、TRA1−81、およびSSEA4より選択される少なくとも1つのマーカーを発現する、多能性幹細胞プロファイルIDPSC;ならびに
    (e)IDPSCがHLA−ABCおよびHLA−DR主要組織適合性(MHC)抗原に関して陰性である、間葉系幹細胞プロファイルIDPSC;
    によって特徴付けられる、単離されたヒト出生後IDPSCの表現型的に均質な多系譜集団を含む、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  33. IDPSCの集団が、単離されたヒト出生後IDPSCの表現型的に均質な多系譜集団を含み、ヒト出生後IDPSCの前記集団が、低酸素条件下で少なくとも10採取サイクルに関して培養されたDPのアウトグロース(outgrowth)として得られる、請求項1〜21のいずれか一項の方法。

  34. 低酸素条件が:
    (i)約0.5%〜1%の間の最大値、または約0.5%〜15%酸素(O)の間の最大値;
    (ii)約0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%または2%または5%の酸素(O);
    (iii)約0.1〜2%酸素(O)の間;あるいは
    5〜7%COを伴う、(i)、(ii)または(iii)のいずれか
    を含むかまたはこれらと同等である培養条件下で細胞を培養する工程を含む、請求項33の方法。

  35. ヒト出生後IDPSCの前記集団の採取工程が、酵素処理を伴わず、DPを保持し、そしてIDPSCの低酸素誘導性多系譜志向を可能にする、機械的トランスファーによって起こる、請求項33の方法。

  36. ヒト出生後IDPSC集団が、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ビトロネクチン、ポリリジン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、エンタクチン、またはその組み合わせを含む、細胞外マトリックス(ECM)基質とともに培養される、請求項33の方法。

  37. ECM基質がMatrigelである、請求項36の方法。

  38. ヒト出生後IDPSC集団が、少なくとも20採取サイクル、少なくとも30採取サイクル、少なくとも40採取サイクル、少なくとも50採取サイクル、または少なくとも60採取サイクルで培養されるDPからのアウトグロースとして単離される、請求項33の方法。

  39. IDPSCの単離集団を産生する方法であって:
    (a)歯からDPを摘出し;
    (b)DPを無菌容器中に入れ、そして抗生物質を含む無菌溶液でDPを洗浄し;
    (c)場合によって、抗生物質を含む無菌溶液を取り除き、そしてDPを基本培地中で細かく刻み;
    (d)DPを、培地を含有する別の容器内に、機械的にトランスファーするか、または容器内の培地を交換し;
    (e)IDPSCのアウトグロースおよび接着が観察されるまでDPを培養し;そして
    (f)DP内の多数ニッチからIDPSCのアウトグロースおよび接着を可能にするように、少なくとも5回、工程(d)および(e)を反復する
    工程を含む、前記方法。

  40. DP培養を少なくとも3日間進める、請求項39の方法。

  41. DP培養を少なくとも5日間、少なくとも10日間または少なくとも15日間進める、請求項40の方法。

  42. 歯が、乳歯、永久歯、および第三大臼歯より選択される、請求項39の方法。

  43. 工程(d)および(e)が、少なくとも10回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回、少なくとも50回、または少なくとも60回反復される、請求項39の方法。

  44. DP内の多数のニッチの完全性が、DP外植片の機械的トランスファーによって保持される、請求項39の方法。

  45. DP外植片を培地を含む別の容器内に機械的にトランスファーする前に、DPを凍結保存し、そして融解する、請求項39の方法。

  46. (g)IDPSCを継代培養に継代する
    工程をさらに含む、請求項39の方法。

  47. IDPSCを継代中にプロテアーゼで処理しない、請求項46の方法。

  48. IDPSCを継代中にプロテアーゼで処理する、請求項46の方法。

  49. IDPSCの継代培養への継代を最大5回反復する、請求項46の方法。

  50. IDPSCの継代培養への継代を最大4回、3回、2回、または1回反復する、請求項49の方法。

  51. DPを約3日間培養すると、少なくとも1x10 IDPSCの単離集団を生じる、請求項39の方法。

  52. DPを約3日間培養すると、少なくとも2x10 IDPSC、少なくとも3x10 IDPSC、少なくとも4x10 IDPSC、少なくとも5x10 IDPSC、少なくとも6x10 IDPSC、少なくとも7x10 IDPSC、または少なくとも8x10 IDPSCの単離集団を生じる、請求項51の方法。

  53. 培地がDMEM/F12培地またはMEM−アルファ培地である、請求項39の方法。

  54. 培地に、約5%〜約20%のウシ胎児血清、約1%の非必須アミノ酸、約1%のL−グルタミンまたはL−グルタミン置換物、および約1%の抗生物質が補充されている、請求項53の方法。

  55. 神経幹細胞および/または分化した神経細胞をin vitroで生じさせる方法であって:
    歯髄(DP)の少なくとも10サイクルの機械的トランスファーによって維持されたDP外植片培養から、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)を単離し;
    細胞の集密に到達することなくIDPSCを培養し、ここで、これらの細胞を培地中で1週間、追加培養し、
    酵素的消化を用いて、これらの細胞を採取し、そして
    レチノイン酸の存在下で、さらなる拡大のため、ペトリ皿上に植え付ける
    工程を含む、前記方法。

  56. 集密が、25cmの培地中、2x10 IDPSCに等しい、請求項55の方法。

  57. DP外植片培養が、少なくとも15サイクル、少なくとも20サイクル、少なくとも25サイクル、または少なくとも30サイクルのDPの機械的トランスファーによって維持される、請求項56の方法。

  58. サイクルが、DPの機械的トランスファー前の、約2日間、約3日間、約4日間、または約5日間の外植片培養である、請求項55の方法。

  59. 集密前の未分化LP IDPSCの前記培養が、この段階で、ニューロスフェアまたは一次スフェアまたはスフェア様構造形成を回避する、請求項55の方法。

  60. 集密前が、IDPSCの基本培地中に維持される、25cm中、2x10 IDPSCに等しい、請求項59の方法。

  61. IDPSC基本培地の前記置換が、いかなる他の成長因子も含まず、2%のB27を補充した神経基本培地(NB+B27)への置換である、請求項60の方法。

  62. IDPSCの前記インキュベーションが、酵素消化または細胞再植え付けを伴わず、1週間の間、NB+B27中でインキュベーションすることである、請求項61の方法。

  63. NB+B27培地の前記交換が、各3〜4日間である、請求項62の方法。

  64. 請求項55記載の方法によって生じる、単離された神経幹細胞。

  65. 前記の1週間後、0.25%トリプシン/EDTAでの2〜3分間の処理後に、細胞を採取し、NB+B27で中和する、請求項62の方法。

  66. 800g、5分間の遠心分離後、細胞ペレットを得て、そして上清を廃棄する、請求項62の方法。

  67. IDPSCペレットをNB+B27中で穏やかに脱凝集し、そして拡大のため、各々、平方9.6cm2を有する6枚のペトリ皿上に植え付ける、請求項66の方法。

  68. 前記レチノイン酸を、0.1μMを超えない最終濃度で24時間で添加しなければならず、そして48時間後、神経分化細胞を産生するニューロスフェアを得ることが可能である、請求項67の方法。

  69. IDPSCの前記分化が、同じ培養プレート中、同時に、ニューロンおよびグリア細胞に分化するものである、請求項1の方法。

  70. 請求項1にしたがった方法によって生じる、脱ミエリン化疾患を治療し、そして治癒させることが可能な、IDPSC。

  71. 網膜幹細胞および/または分化した網膜細胞をin vivoで生成する方法であって:
    歯髄(DP)の少なくとも10サイクルの機械的トランスファーによって、維持されたDP外植片培養から、未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)を単離し;
    半集密に到達するまで、IDPSCを培養し;
    酵素的消化を用いて、これらの細胞を採取し;そして
    さらなる拡大のため、ペトリ皿上に植え付ける
    工程を含む、前記方法。

  72. 分化した網膜細胞が、桿体細胞、錐体細胞、および/または神経節細胞である、請求項71の方法。

  73. 増加した多系譜潜在力を所持するLP IDPSCを含む組成物であって、前記IDPSCをロバストな神経上皮マーカーの発現を可能にする条件下で培養し、前記発現が、前記LP IDPSCの多機能再生潜在力を生じる、前記組成物。

  74. DPの長期培養後、遠位ニッチにアクセスさせることを通じて、IDPSCを誘導することによって、そして/または採取したIDPSCを低継代数で培養して、核型突然変異を防止し、そしてそれによって腫瘍原性のリスクを防止する低酸素非酵素的採取条件下で、特に、神経外胚葉系譜へのIDPSCの潜在力を増加させ、そして腫瘍原性潜在力を減少させる方法。

  75. 未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の単離集団を含む組成物であって、IDPSCの少なくとも50%がp75神経上皮マーカーを発現する、前記組成物。

  76. IDPSCの少なくとも75%がp75神経上皮マーカーを発現する、請求項75の組成物。

  77. IDPSCの少なくとも50%がp53腫瘍抑制因子マーカーを発現する、IDPSCの単離集団を含む組成物。

  78. IDPSCの少なくとも75%がp53腫瘍抑制因子マーカーを発現する、請求項3の組成物。

  79. IDPSCの50%未満がCD13マーカーを発現する、請求項75〜78のいずれか一項の組成物。

  80. IDPSCの50%未満がCD31マーカーを発現する、請求項75〜78のいずれか一項の組成物。

  81. IDPSCの50%未満が、CD13およびCD31より選択されるマーカーを発現し、そしてIDPSCがCD34、CD43、およびCD45マーカーに関して陰性であるる、請求項75〜78のいずれか一項の組成物。

  82. IDPSCの少なくとも50%が、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT3)、ニューロトロフィン−4(NT4)、およびニューロトロフィン−5(NT5)より選択される神経栄養因子を産生する、請求項75〜78のいずれか一項の組成物。

  83. IDPSCの少なくとも75%が、BDNF、GNDF、ベータ−NGF、NT3、NT4、およびNT5より選択される神経栄養因子を産生する、請求項82の組成物。

  84. IDPSCの少なくとも75%がネスチンを発現する、請求項75〜78のいずれか一項の組成物。

  85. IDPSCの少なくとも95%がネスチンを発現する、請求項84の組成物。

  86. IDPSCの20%未満がOct3/4を発現する、請求項75〜78のいずれか一項の組成物。

  87. (a)IDPSCの少なくとも80%が、ネスチン、p75、ATP結合カセットサブファミリーGメンバー2(ABCG2)、p63、脳由来神経栄養因子(BDNF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GNDF)、神経成長因子−ベータ(ベータ−NGF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、NT4、およびNT5より選択されるマーカーを発現する、神経上皮幹細胞プロファイルIDPSC;
    (b)IDPSCの20%未満がSTRO−1およびCD146より選択されるマーカーを発現する、周皮細胞プロファイルIDPSC;
    (c)集団の少なくとも80%が、CD105、CD73、CD90、CD29、CD44、CD117、ビメンチン、フィブロネクチン、アルカリホスファターゼ(ALP)、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、テネシン−C、マトリックスメタロプロテイナーゼ−1(MMP−1)、MMP−2、MMP−9、シンデカン1(SDC1)、SDC2、SDC3、SDC4、p53、および1型コラーゲンより選択されるマーカーを発現する、間葉系幹細胞プロファイルIDPSC;
    (d)IDPSCの2%〜30%が、Oct3/4、SOX2、Nanog、TRA1−60、TRA1−81、およびSSEA4より選択される少なくとも1つのマーカーを発現する、多能性幹細胞プロファイルIDPSC;ならびに
    (e)IDPSCがHLA−ABCおよびHLA−DR主要組織適合性(MHC)抗原に関して陰性である、間葉系幹細胞プロファイルIDPSC;
    の多機能分子プロファイルによって特徴付けられる、単離されたヒト出生後IDPSCの表現型的に均質な多系譜集団を含む、組成物。

  88. ヒト出生後IDPSCの集団が、低酸素条件下で少なくとも10採取サイクルに渡って培養されたDPのアウトグロースとして得られる、単離されたヒト出生後IDPSCの表現型的に均質な多系譜集団を含む組成物。

  89. 低酸素条件が:
    (i)約0.5%〜1%の間の最大値、または約0.5%〜15%酸素(O)の間の最大値;
    (ii)約0.05%、0.1%、0.2%、0.3%、0.4%、0.5%、0.6%、0.7%、0.8%、0.9%、1%または2%または5%の酸素(O);
    (iii)約0.1%〜2%酸素(O)の間;あるいは
    5〜7%COを伴う、(i)、(ii)または(iii)のいずれか
    を含むかまたはこれらと同等である培養条件下で細胞を培養する工程を含む、請求項88の組成物。
    請求項89
    ヒト出生後IDPSCの集団の採取工程が、DPを保持し、そしてIDPSCの低酸素誘導性多系譜志向を可能にする、酵素処理を伴わない機械的トランスファーによって起こる、請求項88の組成物。

  90. ヒト出生後IDPSC集団が、フィブロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ビトロネクチン、ポリリジン、ヘパラン硫酸プロテオグリカン、エンタクチン、またはその組み合わせを含む、細胞外マトリックス(ECM)基質とともに培養される、請求項88の組成物。

  91. ECM基質がMatrigelである、請求項90の組成物。

  92. ヒト出生後IDPSC集団が、少なくとも20採取サイクル、少なくとも30採取サイクル、少なくとも40採取サイクル、少なくとも50採取サイクル、または少なくとも60採取サイクルに渡って培養されるDPからのアウトグロースとして単離される、請求項88〜91のいずれか一項の組成物。

  93. IDPSCが歯由来の歯髄(DP)から単離される、請求項75〜92のいずれか一項の組成物。

  94. 歯が、乳歯、永久歯、および第三大臼歯より選択される、請求項93の組成物。

  95. SOX−1およびSOX−2を同時発現し、そして神経冠幹細胞である、ヒト未成熟歯髄幹細胞(hIDPSC)を含む細胞培養組成物。

  96. 長期(LT)細胞培養から得られ、そして転写因子の濃縮が、LP培養に向かって増加し、それによって、神経分化への高い潜在能力を保持し、そして正常核型を有する、請求項95の細胞培養組成物。

  97. ヒト未成熟歯髄幹細胞(hIDPSC)の均質な集団を得るための方法であって:
    少なくとも25サイクルの長期(LT)機械的/非酵素的採取サイクルを通じて、均質な集団を得て;
    採取された細胞を培養して細胞培養を形成し、そして
    細胞培養からプラスチック接着細胞を継代し、ここでプラスチック接着細胞は、(i)自己再生し、(ii)内胚葉、中胚葉、または外胚葉系譜の細胞に分化し、(iii)マーカー、Sox−1、Sox−2および3−ベータ−チューブリンを発現する
    工程を含む、前記方法。

  98. 最終段階にまだ拘束されていない、Sox−1、Sox−2およびベータ−3−チューブリンなどのマーカーを含む(同時発現する)、有糸分裂的に活性である均質な神経前駆組成物。

  99. 分化前未成熟歯髄幹細胞(IDPSC)の実質的に均質な集団を得るための方法であって:
    非接着性懸濁条件でIDPSCを培養し、その後、プラスチックプレートに接着させて神経ロゼットを形成することによって、IDPCS由来ニューロスフェアを得る、ここで、ロゼット内の細胞は、IDPSCよりわずかにより分化した、Sox−1、Sox−2およびBrdUおよびベータ−3−チューブリンに関して陽性である神経芽細胞の細胞集団を移行(transit)増幅させることによって提示され、神経芽細胞は、外部in vitroまたはin vivo誘導性微小環境に際して、神経前駆体、星状細胞、オリゴデンドロサイト、および神経節細胞を含む、中枢神経系および末梢神経系のニューロン系譜に最終的に分化することが可能である
    工程を含む、前記方法。

  100. 請求項116の方法によって得られる分化前IDPSC、およびCNS疾患を治療する細胞療法に適した薬学的に許容されうるキャリアーを含む、薬学的組成物。

  101. 癌を治療するための、請求項100の薬学的組成物の使用。

  102. 癌が神経芽細胞腫および網膜芽細胞腫より選択される、請求項101の使用。

  103. IDPSCの実質的に均質なLPが、Sox−1;Sox−2;およびベータ−3−チューブリンを含む群より選択される、少なくとも2つのマーカーを同時発現する、請求項99の方法。

 

 

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