トレプロスチニルの固体形態

著者らは特許

C07C51/41 - 酸またはその塩をその酸部分において塩に変換することによるカルボン酸塩の製造(石けんの製造C11D)
C07C59/72 - 6員芳香環および他の環を含有するもの

の所有者の特許 JP2016517410:

ユナイテッド セラピューティクス コーポレイション

 

個々のトレプロスチニルの多形形態、およびそれらを含有する医薬組成物、並びにそれらの製造方法および使用方法を提供する。これらの多形形態には、結晶トレプロスチニル一水和物の形態A、結晶トレプロスチニル一水和物の形態B、およびトレプロスチニルの形態Cが含まれる。かかる形態の調製方法や示差走査熱量曲線による特徴づけも提供する。

 

 

関連出願
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている2013年3月14日に出願された米国仮特許出願第61/781,303号の優先権を主張する。
本出願は、一般的に、プロスタサイクリン誘導体の固体形態に関連し、特に、トレプロスチニルの固体形態、並びに、その製造方法および使用方法に関連する。
一実施形態は、1.54184Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:11.6, 16.2,および20.0°2θ±0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられ、かつ残留溶媒を別にして少なくとも90%の純度を有する結晶トレプロスチニル一水和物の形態Aである。別の実施形態では、ディフラクトグラムは、5.2, 21.7および27.7°2θ±0.2°2θのピークを更に含む。更に別の実施形態では、ディフラクトグラムは、実質的に図2に示すとおりである。
更なる実施形態は、1.54184Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:5.9, 12.1,および24.4°2θ±0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられ、かつ残留溶媒を別にして少なくとも90%の純度を有する結晶トレプロスチニル一水和物の形態Bである。別の実施形態では、ディフラクトグラムは、10.7, 20.6および22.3°2θ±0.2°2θのピークを更に含む。更に別の実施形態では、ディフラクトグラムは、実質的に図9に示すとおりである。
更に別の実施形態は、非プロトン性有機溶媒と水の中で無水または湿潤トレプロスチニルを撹拌し、その後、これ以上溶媒が蒸発しなくなるまで、固体を約15℃〜約35℃の温度で空気乾燥することで溶媒を除去することを含む、結晶トレプロスチニル一水和物の形態Aを製造する方法である。
また更に別の実施形態は、プロトン性有機溶媒と水の中で無水または湿潤トレプロスチニルを撹拌し、その後、これ以上溶媒が蒸発しなくなるまで、固体を約15℃〜約35℃の温度で空気乾燥することで溶媒を除去することを含む、結晶トレプロスチニル一水和物の形態Bを製造する方法である。
一実施形態は、トレプロスチニル一水和物の形態Aまたはトレプロスチニル一水和物の形態Bのうち実質的に一方の形態を含む組成物である。
別の実施形態は、医学的状態を治療する方法であって、治療的有効量のトレプロスチニル一水和物の形態Aまたはトレプロスチニル一水和物の形態Bを含む医薬製剤を、それを必要とする対象に投与することを含む、方法である。
一実施形態では,Drug of the Future, 2001, 26(4), 364-374,米国特許第5,153,222号、第5,234,953号、第6,521,212号、第6,756,033号、第6,803,386号、第7,199,157号、第6,054,486号、第7,417,070号、第7,384,978号、第7,879,909号、第8,563,614号、第8,252,839号、第8,536,363号、第8,410,169号、第8,232,316号、第8,609,728号、第8,350,079号、第8,349,892号、第7,999,007号、第8,658,694号、第8,653137号、米国特許出願公開第2005/0165111号、第2009/0036465号、第2008/0200449号、第2010-0076083号、第2012-0216801号、第2008/0280986号、第2009-0124697号、第2013-0261187号に記載の方法のような、トレプロスチニルを使用する当該技術分野で公知の方法を含む、医学的状態の治療において、トレプロスチニル一水和物の形態AまたはBを使用する方法を更に提供する。
図1は、トレプロスチニルの固体形態の画像から得たユニークな結晶XRPDパターンについてのXRPDパターン同士の比較である。
図2は、トレプロスチニル一水和物の形態AのX線粉末回析パターンである。
図3は、トレプロスチニル一水和物の形態Aの示差走査熱量によるサーモグラムである。
図4は、トレプロスチニル一水和物の形態Aの熱重量分析によるサーモグラムである。
図5は、トレプロスチニル一水和物の形態Aの動的蒸気収着/脱着等温線である。
図6は、トレプロスチニル一水和物の形態Aの赤外スペクトルである。
図7は、トレプロスチニル一水和物の形態Aのラマンスペクトルである。
図8は、トレプロスチニル一水和物の形態Aの固体形態13C交差分極マジック角回転核磁気共鳴スペクトルである。
図9は、トレプロスチニル一水和物の形態BのX線粉末回析パターンである。
図10は、トレプロスチニル一水和物の形態Bの示差走査熱量によるサーモグラムである。
図11は、トレプロスチニル一水和物の形態Bの熱重量分析によるサーモグラムである。
図12は、トレプロスチニル一水和物の形態Bの動的蒸気収着/脱着等温線である。
図13は、トレプロスチニル一水和物の形態Bの赤外スペクトルである。
図14は、トレプロスチニル一水和物の形態Bのラマンスペクトルである。
図15は、トレプロスチニル一水和物の形態Bの固体形態13C交差分極マジック角回転核磁気共鳴スペクトルである。
図16は、トレプロスチニルの形態CのX線粉末回析パターンである。
図17は、トレプロスチニルの形態Cの示差走査熱量によるサーモグラムである。
図18は、トレプロスチニル一水和物の形態AのORTEP図である。原子は、50%の確率の異方性熱振動楕円体で表されている。
図19は、トレプロスチニル一水和物の形態Aについて結晶a軸を見下ろしたパッキング図である。
図20は、トレプロスチニル一水和物の形態Aについて結晶b軸を見下ろしたパッキング図である。
図21は、トレプロスチニル一水和物の形態Aについて結晶c軸を見下ろしたパッキング図である。
図22は、トレプロスチニル一水和物の形態Aにおいてb軸を下る水素結合のトンネルである。
図23は、トレプロスチニル一水和物の形態Aにおいてa軸に沿った水素結合である。
図24は、トレプロスチニル一水和物の形態BのORTEP図である。原子は、50%の確率の異方性熱振動楕円体で表されている。
図25は、トレプロスチニル一水和物の形態Bについて結晶a軸を見下ろした図である。
図26は、トレプロスチニル一水和物の形態Bについて結晶b軸を見下ろしたパッキング図である。
図27は、トレプロスチニル一水和物の形態Bについて結晶c軸を見下ろしたパッキング図である。
図28は、トレプロスチニル一水和物の形態Bにおいてb軸を下る水素結合のらせんである。
図29は、トレプロスチニル一水和物の形態Bの分子同士が水素結合によってb軸に沿って繰り返されない水素結合四量体である。
図30は、トレプロスチニル分子によって形成された2つの水素結合モチーフの比較である。水は、明確にする目的で図示しない。閉じた四量体を左側に示し、開いたらせんを右側に示す。
図31は、中間相トレプロスチニルのX線粉末回析パターンである。
図32は、中間相トレプロスチニルのX線粉末回析パターンである。
特記しない限り、「a」または「an」は「1またはそれ以上」を意味する。
プロスタサイクリン誘導体は、血小板凝集阻害、胃液分泌減少、病変の阻害、および気管支拡張といった作用を有する有用な医薬化合物である。
Remodulin(登録商標)、Tyvaso(登録商標)、およびOrenitram(商標)に含まれる活性成分であるトレプロスチニルは、米国特許第4,306,075号に初めて記載された。トレプロスチニルおよび他のプロスタサイクリン誘導体を製造する方法は、例えば、Moriarty, et al in J. Org. Chem. 2004, 69, 1890-1902, Drug of the Future, 2001, 26(4), 364-374、米国特許第6,441,245号、第6,528,688号、第6,700,025号、第6,809,223号、第6,756,117号、第8,461,393号、第8,481,782号、第8,242,305号、第8,497,393号、米国特許出願第2012-0190888および2012-0197041号、PCT国際公報WO2012/009816号に記載されている。
トレプロスチニルの様々な使用および/または様々な形態が、例えば、米国特許第5,153,222号、第5,234,953号、第6,521,212号、第6,756,033号、第6,803,386号、第7,199,157号、第6,054,486号、第7,417,070号、第7,384,978号、第7,879,909号、第8,563,614号、第8,252,839号、第8,536,363号、第8,410,169号、第8,232,316号、第8,609,728号、第8,350,079号、第8,349,892号、第7,999,007号、第8,658,694号、第8,653137号、米国特許出願公開第2005/0165111号、第2009/0036465号、第2008/0200449号、第2010-0076083号、第2012-0216801号、第2008/0280986号、第2009-0124697号、第2013-0261187号、PCT国際公報WO00/57701号;2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/791015号に開示されている。これらの参考文献の教示は、本発明の実施形態をどのように実施するかを示すために、参照により組み込まれている。
総じて、トレプロスチニルは、医薬的な観点から非常に重要である。したがって、例えば保管、輸送、および/または取り扱うのに有益な安定した形態のトレプロスチニルの必要性が存在する。
本発明は、トレプロスチニル一水和物および無水トレプロスチニルの新規形態を含む、トレプロスチニルの新規な形態に関する。
トレプロスチニルは、Remodulin(登録商標)の活性成分であり、NYHA(New York Heart Association)の分類によるII度、III度およびIV度の患者において、皮下または静脈内投与を用いる実施に関連する症状を緩和する肺動脈高血圧症(PAH)の治療用として米国FDAによって認可されている。トレプロスチニルは、Tyvaso(登録商標)吸入液剤およびOrenitram(商標)徐放錠剤の活性成分でもある。
トレプロスチニルの化学名は、以下の構造:

の2-((1R,2R,3aS,9aS)-2-ヒドロキシ-1-((S)-3-ヒドロキシオクチル)-2,3,3a,4,9,9a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンタ[b]ナフタレン-5-イルオキシ)酢酸である。
トレプロスチニルの無水形態は、従前から、例えばJ.Org.Chem.2004,69,1890-1902に記載されている。無水形態は、室温で安定でない。安定性試験によると、無水トレプロスチニルは25℃で安定ではなく、静置によりダイマーが形成されてしまうことが示されている。より高温だと、より多くのダイマーが形成できる。しかし、5℃だと、ダイマーの形成はほとんど無視できる程度になる。従って、無水トレプロスチニルは保管および輸送の際には冷蔵しなくてはならない。これまで、無水トレプロスチニルは低温(2℃〜8℃)を維持するように冷蔵するかアイスパックと一緒に輸送しなければならなかった。
トレプロスチニルの一水和物は、米国特許第8,350,079号に従前に記載されており、その内容はその全体が参考として援用される。トレプロスチニルの一水和物は、従前から記載されているものの、本明細書に開示するトレプロスチニル一水和物および無水トレプロスチニルの多形形態の記載はなかった。
トレプロスチニルの固体形態
概して、上述するように、本開示は、形態A、B及びCのトレプロスチニルの固体結晶形態を提供する。形態Aは、驚くべきことに、先行技術の化合物より容易に濾過でき、単離することが容易であることが見出された。形態Cは、減圧かつ42℃未満の温度下で、形態Aまたは形態Bを乾燥すると形成できる。
結晶トレプロスチニル一水和物の形態Aは、1.54059Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:11.6, 16.2,および20.0°2θ±0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。前記ディフラクトグラムは、5.2, 21.7および27.7°2θ±0.2°2θのピークを更に含む。形態Aは、表1に記載の1つまたは複数のピークによって特徴づけられることもある。形態Aは、実質的に図2に示すとおりである完全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられることもある。
いくつかの実施形態では、形態Aは、約78.3℃でのマイナーな吸熱および約126.3℃でのメジャーな吸熱を含む示差走査熱量(DSC)曲線により特徴づけられる。形態Aは、実質的に図3に示すとおりである完全なDSC曲線によっても特徴づけられる。
一実施形態では、形態Aは、他のいかなる形態の結晶トレプロスチニルも実質的に含まず製造される。別の実施形態では、形態Aは、残留溶媒を別にして少なくとも90%、95%、98%、99%、または99.9%の純度を有する。純度は、NMR積分など、当技術分野で公知の方法によって決定できる。純度は、NMR積分など、当技術分野で公知の方法によって決定できる。また、XRPDにおいて結晶トレプロスチニルの他の形態に対応するピークの欠如または低減によっても決定できる。一実施形態では、結晶トレプロスチニル一水和物の形態Aは、実質的に純粋に形態である。一実施形態では、形態Aは、1g〜50kgの量において、上記に開示した1つまたは複数の純度で得られる。一実施形態では、形態Aは、工業的規模のトレプロスチニル生産に十分であると当業者が理解する量において、上記に開示した1つまたは複数の純度で得られる。
結晶トレプロスチニル一水和物の形態Bは、1.54184Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:5.9, 12.1,および24.4°2θ± 0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。ディフラクトグラムは、10.7, 20.6および22.3°2θ±0.2°2θのピークを更に含む。形態Bは、表3に記載の1つまたは複数のピークによって特徴づけられることもある。形態Bは、実質的に図9に示すとおりである完全X線粉末ディフラクトグラムによっても特徴づけられることもある。
いくつかの実施形態では、形態Bは、約78.3℃でのマイナーな吸熱および約126.3℃でのメジャーな吸熱を含む示差走査熱量(DSC)曲線により特徴づけられる。形態Bは、実質的に図10に示すとおりである完全なDSC曲線によっても特徴づけられる。
一実施形態では、形態Bは、他のいかなる形態の結晶トレプロスチニルも実質的に含まず製造される。別の実施形態では、形態Bは、残留溶媒を別にして少なくとも90%、95%、98%、99%、または99.9%の純度を有する。純度は、NMR積分など、当技術分野で公知の方法によって決定できる。また、XRPDにおいて結晶トレプロスチニルの他の形態に対応するピークの欠如または低減によっても決定できる。一実施形態では、結晶トレプロスチニル一水和物の形態Bは、実質的に純粋な形態にある。一実施形態では、形態Bは、1g〜50kgの量において、上記に開示された1つまたは複数の純度で得られる。一実施形態では、形態Bは、工業的規模のトレプロスチニル生産に十分であると当業者が理解する量において、上記に開示した1つまたは複数の純度で得られる。
無水トレプロスチニルの形態Cは、1.54059Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:6.55°2θ±0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。形態Cは、表1に記載の1つまたは複数のピークによって特徴づけられることもある。形態Cは、実質的に図16に示すとおりである完全X線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられることもある。
いくつかの実施形態では、形態Cは、約78.3℃でのマイナーな吸熱および約126.3℃でのメジャーな吸熱を含む示差走査熱量(DSC)曲線により特徴づけられる。形態Cは、実質的に図17に示すとおりである完全なDSC曲線によっても特徴づけられる。
一実施形態では、形態Cは、他のいかなる形態の結晶トレプロスチニルも実質的に含まず製造される。別の実施形態では、形態Cは、残留溶媒を別にして少なくとも90%、95%、98%、99%、または99.9%の純度を有する。純度は、NMR積分など、当技術分野で公知の方法によって決定できる。また、XRPDにおいて結晶トレプロスチニルの他の形態に対応するピークの欠如または低減によっても決定できる。一実施形態では、無水トレプロスチニルの形態Cは、実質的に純粋な形態にある。無水トレプロスチニルの形態Cは、対応XRPDに見られるように、多形トレプロスチニルとは異なる。一実施形態では、形態Cは、1g〜50kgの量において、上記に開示された1つまたは複数の純度で得られる。一実施形態では、形態Cは、工業的規模のトレプロスチニル生産に十分であると当業者が理解する量において、上記に開示した1つまたは複数の純度で得られる。
中間相トレプロスチニルは、1.54184Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、5.0および40°2θ±0.2°2θの間の実質的なピークの欠落を含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられる。中間相トレプロスチニルは、図31〜32のいずれか1つのX線粉末ディフラクトグラムに実質的に示すとおりであるX線粉末ディフラクトグラムにおける複数のピークによって特徴づけられることもある。中間相トレプロスチニルは、実質的に図31〜32のいずれか1つのX線粉末ディフラクトグラムに実質的に示すとおりであるX線粉末ディフラクトグラムの一部によって特徴づけられることもある。
一実施形態では、中間相トレプロスチニルは、他のいかなる形態の結晶トレプロスチニルも実質的に含まず製造される。別の実施形態では、中間相トレプロスチニルは、残留溶媒を別にして少なくとも90%、95%、98%、99%、または99.9%の純度を有する。純度は、NMR積分など、当技術分野で公知の方法によって決定できる。また、XRPDにおいて結晶トレプロスチニルの他の形態に対応するピークの欠如または低減によっても決定できる。一実施形態では、中間相トレプロスチニルは、実質的に純粋な形態にある。中間相トレプロスチニルは、対応XRPDに見られるように、多形トレプロスチニルとは異なる。一実施形態では、中間相トレプロスチニルは、1g〜50kgの量において、上記に開示された1つまたは複数の純度で得られる。一実施形態では、中間相トレプロスチニルは、工業的規模のトレプロスチニル生産に十分であると当業者が理解する量において、上記に開示した1つまたは複数の純度で得られる。
図31の中間相トレプロスチニルは、以下の手順(1)〜(9)で上から下の順に形成される:(1)0.40のアセトンを含む水分活性スラリー(2日);(2)のDCMスラリー(60〜30℃);(3)0.80のイソプロパノールを含む水分活性スラリー(7日);(4)1-プロパノール/水1:1v/vのスラリー(周囲温度);(5)形態B+A+中間相(50℃、7日);(6)アセトニトリルスラリー(周囲温度);(7)形態A(50℃、15時間);(8)メタノール/酢酸エチルの蒸発;(9)メチルエチルケトンからトルエンクラッシュ沈殿。また、中間相トレプロスチニルは、図32に示す以下の方法により形成することができる:97%RH、12日;中間相+弱い形態B(上)、ストレス前;中間相(下)。
トレプロスチニルの固体形態の組成物および使用別の実施形態は、トレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態Bまたは無水トレプロスチニルの形態C、および医薬的に許容される担体または賦形剤を含む医薬製剤である。
本明細書で形容詞として使用する場合、「医薬(pharmaceutical)」という用語は、実質的にレシピエントの哺乳類に無害であることを意味する。「医薬製剤」は、担体、希釈剤、賦形剤、および活性成分が製剤の中の他の成分と適合し、そのレシピエントに無害でなければならないことを意味する。
トレプロスチニル一水和物の形態A、または形態B、または形態Cは、投与の前に製剤化できる。製剤の選択は、有効量の決定に関与する要素を考慮して主治医によって決定しなければならない。
かかる製剤における活性成分の総量は、製剤重量に対し0.1%〜99.9%である。トレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態B、または無水トレプロスチニルの形態Cは、1つまたは複数の活性成分と一緒に、または単独の活性成分として製剤化できる。
本発明の医薬製剤は、公知かつ容易に入手可能な成分を使用して、当該技術分野で公知の手順により調製される。例えば、トレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態Bまたは形態Cは、単独、または他の活性成分との組み合わせのいずれかで、一般的な賦形剤、希釈剤、または担体と一緒に製剤化され、錠剤、カプセル剤、懸濁剤、液剤、注射剤、エアゾール、粉末剤などに形成される。
非経口投与用の本発明の医薬製剤は、滅菌水性または非水性の液剤、分散剤、懸濁剤、またはエマルジョン、ならびに使用直前に滅菌液剤または懸濁剤に溶解される滅菌粉末剤を含む。適切な滅菌水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒またはベヒクルの例として、水、生理的食塩水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリ(エチレングリコール)など)、並びにそれらの適切な混合物、植物油(例えば、オリーブオイル)、並びにオレイン酸エチルのような注射用有機エステルが挙げられる。例えばレシチンのようなコーティング物質の使用により、分散剤および懸濁剤の場合には適切な粒子サイズの維持により、そして界面活性剤の使用により、適切な流動性が維持される。
また、非経口製剤は、保存剤、加湿剤、乳化剤、および分散化剤のような助剤を含んでもよい。抗菌剤および抗真菌剤、例えばパラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノールなどを含ませることにより、確実に微生物の作用が防止される。また、糖類、塩化ナトリウムなどのような等張剤を含有することが望ましいこともある。注射用製剤は、例えば細菌保定濾過器を通した濾過により、または製造時もしくは投与直前(例えば、二重室注射器パッケージ)のいずれかにおいて、混合物の成分を混合させる前に行う前滅菌処理によって滅菌される。
経口投与用の固形剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉末剤、および顆粒剤が挙げられる。そのような固形剤形では、トレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態B、または無水トレプロスチニルの形態Cは、少なくとも1種の不活性な医薬担体、例えばクエン酸ナトリウム、またはリン酸二カルシウム、および/または(a)充填剤または増量剤、例えばデンプン、ラクトースやグルコースといった糖類、マンニトール、ならびにケイ酸、(b)結合剤、例えばカルボキシメチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリ(ビニルピロリドン)、スクロースならびにアラビアゴム、(c)湿潤剤、例えばグリセロール、(d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ケイ酸塩ならびに炭酸ナトリウム、(e)保湿剤、例えばグリセロール;(f)溶解抑制剤、例えばパラフィン、(g)吸収促進剤、例えば4級アンモニウム化合物、(h)加湿剤、例えばセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセリン、(i)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、並びに、(j)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリ(エチレングリコール)、ラウリル硫酸ナトリウム、およびその混合物と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤の場合には、剤形はさらに緩衝剤を含んでいてもよい。
また、類似の型の固形製剤で、賦形剤、例えばラクトースおよび高分子量(ポリ)エチレングリコール)などを使用して軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセル中に充填してもよい。固形剤形、例えば錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤を、コーティング剤またはシェル(shell)、例えば医薬製剤分野で公知の腸溶コーティング剤または他のコーティング剤を用いて調製してもよい。コーティング剤は、乳白剤(opacifying agent)または、消化管の特定の部分で活性成分を放出する薬剤、例えば胃において活性成分を放出するための酸可溶性コーティング剤、または腸管において活性成分を放出するための塩基可溶性コーティング剤を含んでもよい。また、カプセル製剤の丸剤の一部より成るマイクロカプセルを用いて、活性成分を徐放性コーティング剤の中にマイクロカプセル化してもよい。固形剤形、例えば錠剤、糖衣剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の形態のトレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態B、または無水トレプロスチニルの形態Cの使用が好ましいこともある。
別の実施形態は、治療的有効量のトレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態B、または無水トレプロスチニルの形態Cを含む上記医薬製剤、例えば固体製剤を、それを必要とする対象、例えばヒトに投与することを含む、医学的状態を治療する方法である。治療対象の医学的状態には、肺高血圧症(原発性および二次性肺高血圧症、ならびに肺動脈高血圧症を含む)、鬱血性心不全、末梢血管疾患、喘息、重篤な間欠性跛行、免疫抑制、増殖性疾患、癌、例えば肺癌、肝臓癌、脳癌、膵臓癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、結腸癌、および頭頸部癌、虚血性傷害、ニューロパシー足部潰瘍、および肺線維症、腎臓機能、および間質性肺疾患が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、医薬製剤は、トレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態B、または無水トレプロスチニルの形態Cに加え、1つまたは複数の活性成分を含んでもよい。
トレプロスチニル一水和物の形態Aまたは形態B、または無水トレプロスチニルの形態Cは、トレプロスチニを保管、輸送、および/または取り扱うために使用し得る。
製造方法
トレプロスチニルの形態Aおよび形態Bは、水性有機溶媒からスラリー化または沈殿させることによって製造することができる。例えば、有機溶媒に加えて、該有機溶媒より多いまたは当量(約50%v/v)の水を使用してもよい。一実施形態では、水性有機溶媒の含水率は、約50%〜約60または70または80%(v/v)である。当業者は、攪拌の一部または全部においてスラリーに水を含ませてもよく、沈殿では、トレプロスチニルの溶解度を減少させ、そして沈殿を生じさせるために、ある時点で水を添加または増やしてもよいことを理解するであろう。
一実施形態は、有機溶媒と水の中で無水または湿潤トレプロスチニルを撹拌し、その後、これ以上溶媒が蒸発しなくなるまで、固体を約15℃〜約35℃の温度で空気乾燥することで溶媒を除去することを含む、結晶トレプロスチニル一水和物の形態Aを製造する方法である。一実施形態では、有機溶媒は、非プロトン性および/または非極性有機溶媒である。非極性および/または非プロトン性有機溶媒の例としては、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、1,4−ジオキサン、クロロホルム、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、およびそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、有機溶媒はアセトンまたは1,4−ジオキサンである。一実施形態では、攪拌は、1,4−ジオキサン/H2Oにおけるスラリーまたはアセトンw/H2Oからの沈殿の形態にある。一実施形態では、有機溶媒は、エタノールではない。一実施形態では、空気乾燥温度は、約15℃〜約25℃、またはその間の任意の温度または範囲である。
一実施形態は、有機溶媒と水の中で無水または湿潤トレプロスチニルを撹拌し、その後、これ以上溶媒が蒸発しなくなるまで、固体を約15℃〜約35℃の温度で空気乾燥することで溶媒を除去することを含む、結晶トレプロスチニル一水和物の形態Bを製造する方法である。一実施形態では、有機溶媒は、プロトン性溶媒である。プロトン性有機溶媒の例としては、蟻酸、n−ブタノール、イソプロパノール、ニトロメタン、メタノール、酢酸が挙げられるがこれらに限定されない。一実施形態では、有機溶媒はメタノールである。一実施形態では、攪拌は、メタノールw/H2Oからの沈殿の形態にある。一実施形態では、有機溶媒は、エタノールではない。一実施形態では、空気乾燥温度は、約15℃〜約25℃、またはその間の任意の温度または範囲である。
一実施形態は、トレプロスチニル一水和物の形態Aおよび/または形態Bを、42℃未満の温度で、低湿度及び/又は真空に曝すことによって無水トレプロスチニルの形態Cを製造する方法である。温度は42℃未満でなければならず、大気圧下で一水和物の水分が蒸発するのに十分でなくてはならないことが理解される。
本発明は、下記実施例を参照し説明される。これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものとはみなされないが、例証的様式でのみ利用されるべきである。
材料
材料は、別に言及しない限りは、受け取ったまま使用し、且つ溶媒は、HPLC等級又はACS等級のいずれかであった。トレプロスチニル出発材料は、冷蔵で受け取り、冷蔵条件下で貯蔵した。固形物は一般に、使用前に、周囲温度まで温めた。製造された試料は一般に、周囲温度で貯蔵した。
形態Aの一水和物の調製
トレプロスチニル(500mg:1.3mmol)及び1,4-ジオキサン/水1:1v/v(3.0mL)を、ガラスバイアルに充填した。この混合物を攪拌し、均一なスラリーを作製した。スラリーは、ホイール上に置き、周囲温度で回転させた。およそ3日後、スラリーを、実験室ドラフト内で濾紙に移し、固形物を分離し、得られたペーストを、薄くのばして乾燥しやすくした。乾燥を、秤量紙上で継続し、この試料を薄くのばし、固形物が乾燥したら、これを穏やかに破壊し粉砕した。乾燥したように見える固形物を、穏やかに粉砕し、且つ透明なガラスバイアルに移した。バイアルを、有孔アルミ箔で覆い、実験室ドラフト内におよそ20時間放置し、固形物を完全に乾燥させた。乾燥時の減量は、およそ0.9%であった。白色固形物は、複屈折の葉片状及び針状からなった。回収した固形物は、373mgであった。実験収率は、およそ71%であり、固形物中、水分は4.62%を占める。


形態Aの単結晶分析
結晶を、1,4-ジオキサン/水(〜1:2.5v/v)中で、高温(〜80℃)でのトレプロスチニルのスラリーを介して、一晩かけて調製した。この試料から結晶をパラトン-N油中に単離し、単結晶X-線に供した。
無色針状のC23H36O6 [C23H34O5, H2O]で、寸法およそ0.20×0.08×0.06mmを有するものが、ランダム方向でファイバー上にマウントされた。予備実験及びデータ収集を、共焦点光学システムを装備したRigaku Rapid II回折計上で、Cu-Kα放射線(λ=1.54184Å)により行った。精密化は、SHELX97(Sheldrick, G. M. Acta Cryst., 2008, A64, 112)を用いて行った。
データ収集のための格子定数及び方位行列は、3°<θ<66°の範囲で、10698反射の設定角度を使用し、最小二乗法精密化から得られた。CrystalClearから精密化されたモザイク性は、1.25°であり、これは結晶品質不良を示している。CrystalClear:「領域検出データの収集及び処理に関する統合プログラム(An Integrated Program for the Collection and Processing of Area Detector Data)」、理学社、1997-2002。空間群は、プログラムXPREPにより決定された。Bruker AXS社(マジソン、WI、米国)、2002年のSHELXTL v. 6.12.中のBruker, XPREP。下記条件の系統的表示:hkl h+k=2n、及び後続の最小二乗法精密化、空間群は、C2(no. 5)と決定した。
データは、温度150±1Kで、最大°2θ値133.14まで収集した。
フレームは、CrystalClearにより積分した。合計10698反射を収集し、そのうちの3963は、独特であった。ローレンツ補正及び偏光補正を、データに適用した。線吸収係数は、Cu-Kα放射線について0.686mm-1である。CrystalClearを使用する実験的吸収補正を適用した。透過係数は、0.858〜0.960の範囲であった。二次励起補正を適用した[1]。最小二乗法で精密化された最終係数は、0.00320であった(絶対単位)。等価反射の強度は、平均化した。平均化に関する一致因子は、強度を基に5.42%であった。
この構造を、Patterson重原子法を用いて解明し、これにより1個のO原子の位置が明らかになった。残りの原子は、続く差フーリエ合成で位置決定した。酸素原子に存在する水素原子は、個別に精密化した。他の水素原子は全て、精密化に含まれたが、それらが結合された原子上に乗る(ride-on)ことは制限された。この構造は、下記関数を最小化することにより、完全行列最小二乗法で、精密化を進めた:

重みwは、
1/[σ2(Fo2)+(0.0478P)2 +(1.5389P)]
として定義され、ここで、P=(Fo2 +2Fc2)/3 である。
分散因子は、「結晶学国際データ集(International Tables for Crystallography)」から得た。結晶学国際データ集(ITC)、C巻、Kluwer Academic Publishers:ドルトレヒト、オランダ、1992年、表4.2.6.8及び6.1.1.4。精密化に使用した3963反射のうち、Fo2 >2σ (Fo2)の反射のみを、フィット残差Rの計算に使用した。合計2595の反射を、この計算に使用した。精密化の最終サイクルは、284種の可変パラメータを含み、下記の重みなし及び重み付き一致因子により収束された(最大パラメータシフトは、その推定標準偏差の<0.01倍であった):

単位重量の観察値(observation of unit weight)の標準偏差(当てはまりの良さ、goodness of fit)は、1.153であった。最終差フーリエにおける最高ピークは、高さ0.25e/Å3を有した。最小負ピークは、高さ-0.26e/Å3を有した。絶対構造の決定に関するFlack因子は、0.3に精密化された(4)。Flack, H. D. Acta Cryst. 1983, A39, 876。
ORTEP図は、PLATONソフトウェアパッケージ内のORTEP IIIプログラム(Johnson, C. K. ORTEPIII, Report ORNL-6895, Oak Ridge National Laboratory, TN, 米国、1996年、Windows V1.05用OPTEP-3、Farrugia, L.J., J. Appl. Cryst. 1997, 30, 565)を使用し調製した。Spek, A. L. PLATON. Molecular Graphics Program. ユトレヒト大学、ユトレヒト、オランダ、2008年。Spek, A. L, J.Appl.Cryst. 2003, 36, 7.。原子は、50%確率の非等方性温度楕円により表した。パッキング図は、CAMERONモデリングソフトウェアを用いて調製した。Watkin, D. J.;Prout, C .K.;Pearce, L. J. CAMERON, Chemical Crystallography Laboratory、オックスフォード大学、オックスフォード、1996年。キラル中心の評価は、PLATONソフトウェアパッケージにより行った。絶対配置は、分子キラリティ則の詳細を用いて評価した。例えば、Cahn, R.S.;Ingold, C;Prelog, V. Angew. Chem. Intern. Ed. Eng., 1966, 5, 385、及びPrelog, V. G. Helmchen. Angew. Chem. Intern. Ed. Eng., 1982, 21, 567を参照されたい。追加の図は、Mercury 3.0視覚化パッケージにより作成した。Macrae, C. F. Edgington, P. R. McCabe, P. Pidcock, E. Shields, G. P. Taylor, R. Towler M.、及びvan de Streek, J.;J. Appl. Cryst., 2006, 39, 453-457。水素結合は、破線で表されている。
単斜晶系格子パラメータ及び計算された容積は、以下である:a=30.213(5)Å、b=4.4372(6)Å、c=22.079(4)Å、α=90.00°、β=129.545(9)°、γ=90.00°、V=2282.4(6)Å3。トレプロスチニル一水和物の形態Aの結晶構造の非対称単位の式量は、Z=4で、408.54g mol-1であり、これは算出密度1.189g cm-3を生じる。この空間群は、C2であると決定した。空間群及び単位格子のパラメータは、XRPD指数付けから形態Aと先に決定されたものと一致している。
フィット残差Rの0.056(5.6%)により示されるように、得られた構造の品質は高い。0.02〜0.06の範囲のR値は、最も信頼できる決定された構造について言及される。Glusker, Jenny Pickworth;Trueblood, Kenneth N. 「結晶構造解析:プライマー(Crystal Structure Analysis : A Primer)」、第2版;Oxford University Press社:ニューヨーク、1985年;87頁。
トレプロスチニル一水和物の形態AのORTEP図は、図18に示している。単結晶構造の非対称単位において認められる分子は、本明細書において提供される提唱された分子構造と一致している。図19から図23に示された非対称単位は、1個の水分子毎に、1個のトレプロスチニル分子を含み、これは、形態Aは一水和物であることを示している。
トレプロスチニルの単結晶構造を決定して分子構造を確認したところ、観察された絶対配置は、提唱された絶対配置と一致している。トレプロスチニルの構造は、形態Aと称される、一水和された結晶型であると決定された。この結晶構造は、1個のトレプロスチニル分子と1個の水分子を、非対称単位に含む。
形態Bの一水和物の調製
トレプロスチニル(1019mg;2.6mmol)及びメタノール(3.5mL)を、ガラスバイアルに投入した。この混合物を攪拌し且つ音波処理し、透明な溶液を作製した。この溶液を、清潔なガラスバイアルへ濾過し、水(3.5mL)と一緒にしたところ、固形スラリーを生じた。このバイアルに蓋をし、周囲温度で放置した。およそ3日後、得られた粘稠なペーストを、実験室ドラフト内で濾紙に移し、固形物を分離し、薄くのばして乾燥しやすくした。乾燥を秤量紙上で継続し、試料を薄くのばし、固形物が乾燥したら、穏やかに破壊及び粉砕した。湿潤に見える固形物を、穏やかに粉砕し、清潔なガラスバイアルへ移した。このバイアルを、実験室ドラフト内でおよそ44時間放置し、乾燥を助けるために、固形物を定期的に破壊及び粉砕しながら、固形物を完全に乾燥させた。乾燥は、バイアル上に有孔アルミ箔カバーをつけて及びつけずに行った。乾燥時の減量は、およそ32.4%であった。白色固形物は、樹状のロゼットクラスター(dendritic-rosette clusters)の複屈折針からなった。固形物の回収は、956mgであった。実験収率は、およそ82%であり、固形物中、水分は12.24%を占める。スラリー化及び乾燥時に、固形物は、硬い大きな塊を形成した。
形態Aに関する単結晶決定と同様の方法で形態Bを決定した。
フレームは、CrystalClearにより積分した。合計21922反射を収集し、そのうちの7134は、独特であった。ローレンツ補正及び偏光補正を、このデータに適用した。線吸収係数は、Cu-Kα放射線について、0.683mm-1である。CrystalClearを使用する実験的吸収補正を適用した。透過係数は、0.837〜0.986の範囲であった。二次消衰補正を適用した[1]。最小二乗法で精密化された最終係数は、0.000370(絶対単位)であった。等価反射の強度は、平均化した。平均化に関する一致因子は、強度を基に5.76%であった。
この構造を、Patterson重原子法を用いて解明し、これにより1個のO原子の位置が明らかになった。残りの原子は、続く差フーリエ合成で位置決定した。水素原子の一部は、個別に精密化され、水素原子の大半はこの精密化に含まれたが、それらが結合された原子上に乗ることは制限された。この構造は、下記関数を最小化することにより、完全行列最小二乗法で、精密化を進めた:

重みwは、
1/[σ2(Fo2)+(0.0589P)2 +(3.3421P)]
として定義され、ここで、P=(Fo2 +2Fc2)/3 である。
分散因子は、「結晶学国際データ集」から得た。精密化に使用した7134反射のうち、Fo2 >2σ(Fo2)の反射のみを、フィット残差Rの計算に使用した。合計3905反射を、この計算に使用した。精密化の最終サイクルは、551種の可変パラメータを含み、下記の重みなし及び重み付き一致因子により収束された(最大パラメータシフトは、その推定標準偏差の<0.01倍であった):

単位重量の知見の標準偏差(良好なフィット)は、1.063であった。最終差フーリエにおける最高ピークは、高さ0.28e/Å3を有した。最小負ピークは、高さ-0.22e/Å3を有した。絶対構造の決定に関するFlack因子は、0.0に精密化された(4)。
単斜晶系格子パラメータ及び計算された容積は、以下である:a=29.8234(8)Å、b=4.63510(10)Å、c=36.126(3)Å、α=90.00°、β=113.334(8)°、γ=90.00°、V=4585.5(4)Å3。トレプロスチニル一水和物の形態Bの結晶構造の非対称単位の式量は、Z=8で、407.53g mol-1であり、これは算出密度1.181g cm-3を生じる。この空間群は、C2であると決定した。空間群及び単位格子のパラメータは、XRPD指数付けから先に得られたものと一致している。
フィット残差Rの0.068(6.8%)により示されるように、得られた構造の品質は中等度である。0.02〜0.06の範囲のR値は、最も信頼できる決定された構造について言及される。Glusker, Jenny Pickworth;Trueblood, Kenneth N.、「結晶構造解析:プライマー」、第2版;Oxford University Press社:ニューヨーク、1985年;87頁。この構造の全体の品質は、標準範囲に入らないが、このデータは、トレプロスチニル分子の分子立体配座及び非対称単位の内容を決定するのに十分であった。
分子構造を確認するために、トレプロスチニルの単結晶構造を決定し、且つ観察された絶対配置は、提唱された分子構造の絶対配置と一致している。トレプロスチニルの構造は、形態Bと称される、一水和された結晶型であると決定された。この結晶構造は、2個のトレプロスチニル分子及び2個の水分子を、非対称単位に含む。絶対構造は、この結晶構造から決定し、最も可能性があるのは、C11(C21)、C12(C22)、C14(C24)、C113(C213)、及びC116(C216)で、各々、R、R、S、S及びSの立体配置である。実験パターンでの全てのピークは、計算されたXRPDパターンで表され、このことはこのバルク物質はおそらく単相であることを示している。


形態C無水物の調製
トレプロスチニル一水和物の形態B(521mg)を、ガラスバイアルに投入した。このバイアルを、フィルターで覆い、且つ周囲温度で、真空に、およそ20時間曝露し、固形物を乾燥させた。乾燥時の減量は、およそ15.7%であった。得られた固形物は、白色であり、水分含量は0.0%であった。固形物の回収は、439mgであった。


実験方法
概算溶解度
溶解度は、秤量した試料を被験溶媒のアリコートにより処理する、溶媒添加法により推定した。混合物を、添加の間に穏やかにボルテックス及び/又は音波処理し、溶解を促進した。被験物質の完全な溶解は、目視により決定した。溶解度は、完全な溶解をもたらすために使用した総溶媒を基に推定した。実際の溶解度は、非常に多い溶媒アリコートの使用が原因で、又は遅い溶解速度のために、算出された値よりも大きいことがある。溶解が実験期間中に起こらない場合は、溶解度は、「未満」として表される。
蒸発
溶媒を、ガラスバイアル中の秤量した固形物に添加した。試料を頻繁に加熱し、攪拌し及び/又は音波処理し、溶解を促進した。得られた溶液を、清潔なバイアルへ濾過し、これを蓋をせずに放置するか(速蒸発)、又は緩い蓋をとりつけ(遅蒸発)、周囲温度又は特定の攪拌プレートの設定温度で、実験室ドラフト内で溶媒を蒸発させた。溶液はまた、回転蒸発させた。特定しない限り、試料は、乾固させた。
スラリー
混合物を、溶解しない固形物が残留するように、ガラスバイアル中に作製した。試料を、特に指定しない限りは攪拌プレート上で特定の設定温度で、又は周囲温度で回転ホイール上で、攪拌した。特定の時点で、試料を、PLM試験のため及び/又はXRPD分析用の固形物回収のために取り出した。固形物を、全般的に真空濾過又は濾紙へのペースト移動により回収し、特に指定しない限りは、固形物を実験室ドラフト内で乾燥させた。
特定の水分活性でのスラリー化[7,8,9,10]を、アセトン、エタノール、イソプロパノール、及びメタノールを用いて行った。これらのスラリーは、水性溶媒混合物を用いて、及び/又は固形物への水の添加、引き続きの特定された溶媒の添加により、調製した。これらのスラリーは、特定の時点でXRPDのために試料採取し、1.0mmガラスキャピラリーにピペッティングし、且つ遠心分離により固形物を濃縮した。初回試料採取前に、固形物及び/又は水性溶媒混合物を、スラリーの一部に添加し、スラリーのコンシステンシーを維持した。水分活性0.8のアセトンスラリーは、キャピラリーへ直接試料採取することができないので、固形物を上清のデカントにより分離し、固形物を、キャピラリーへの充填前に、実験室ドラフト内で濾紙上で部分的に乾燥した。
遅い冷却
遅い冷却実験のために、溶液を、特定の攪拌プレート設定温度で調製し、清潔なガラスバイアルへ濾過した。断熱し、試料を周囲温度までゆっくり冷やした。沈殿が不充分な場合は、試料を冷蔵条件下に配置した。固形物を、スラリーについて記載されたものと同じ方式で、分離した。
粉砕冷却
粉砕冷却実験のために、溶液を、周囲温度又は特定の攪拌プレート設定温度で調製し、清潔なガラスバイアルへ濾過した。この溶液を、ドライアイスとイソプロパノールの冷却浴により、急速に冷却し、少なくとも数分で浴を取り外した。沈殿が不充分な場合は、試料を冷蔵条件下に配置した。固形物を、スラリーについて記載されたものと同じ方式で、分離した。
粉砕沈殿
粉砕沈殿実験のために、溶液を、容積のわかった貧溶媒の入ったガラスバイアルへ濾過するか、又は貧溶媒のアリコートを、濾過した溶液に添加した。沈殿が不充分な場合は、試料を、周囲温度又は他の特定の条件に放置した。固形物を、スラリーについて記載されたものと同じ方式で、分離した。
蒸気拡散
蒸気拡散実験のために、濾過した溶液を含むガラスバイアルを、底に貧溶媒が入ったより大きいバイアル内に配置することにより、様々な蒸気に曝露した。
摩砕
摩砕は、固形物およそ100mgを使用し、Retsch MM200ミキサーミル内で、瑪瑙ジャー中、瑪瑙ボールにより行った。固形物は、1回の細砕につき2分間、30Hzで6回細砕し、各細砕後に瑪瑙から固形物をこすり取った。
融解/クエンチ
固形物を、ホットプレート、Thomas-Hooverキャピラリー融点測定装置又はWagner & Munz Heizbankシステム(Kofler型WME)を使用し、加熱した。加熱は、全ての固形物が融解したように見えるまで継続した。この融解物の急速固化(クエンチ)が、冷却した金属性ヒートシンク又は周囲温度の実験ベンチへと、移動することにより、達成された。
ホットプレート実験は、ガラスバイアル中で行った。加熱設定は、130〜140℃であった。固形物を、バイアル壁からこすり取り、このバイアルを、固形物の完全な液化を助長するために、ゆっくり回転させた。バイアル表面が熱との接触を喪失した時、融解物の固化が急激に生じた。
キャピラリー実験のために、1.0mmガラスキャピラリーを、わずかに大きいガラスキャピラリーの内側に配置した。クエンチ時に、物質は、キャピラリー壁の周りに広がり、結果的に固形物パッキングは、最早XRPDに十分な濃厚さではなかった。温度は、NIST-トレーサブル温度計により測定した。
Kofler実験を、全固形物が約141℃を通過するように、ホットベンチを超えて試料を動かしながら、ガラススライド上で行った。ホットベンチは、USP融点基準を用い、キャリブレーションした。
凍結乾燥
固形物は、1,4-ジオキサン又は1,4-ジオキサン/水混合液中に溶解した。得られた溶液を濾過し、次にフリーザーによりゆっくり、又はドライアイスとイソプロパノールの冷浴により急速に、凍結した。凍結した試料を、FTSsystems Flexi-Dry凍結乾燥装置を用い、真空下、およそ-50℃に配置した。
環境ストレス
固形物を、ガラスバイアル内において、様々な乾燥及び相対湿度(RH)環境下で、特定の時間、ストレスをかけ、全般的にストレス時の重量変化をモニタリングした。乾燥は、周囲実験、P2O5実験、真空実験(周囲温度及び高温)、及び対流式オーブン実験により行い、それに関して表に列記した唯一の乾燥条件は、オーブン温度である。周囲実験は、実験室ドラフト内に露出された試料を放置することにより、実行した。飽和塩溶液を含む密封したチャンバーの内側に、又は0%RHのためにP2O5粉を含む個別のチャンバーへ、試料を配置することにより、特定のRH値を達成した。ASTM標準手法を基に、塩溶液を選択し、調製した。真空実験のためには、バイアルを、ナイロンフィルターにより覆い、可能性のある固形物の喪失を防いだ。高温実験のためには、温度を、NIST-トレーサブル温度計により測定した。他のストレス実験に関しては、バイアルを、有孔アルミ箔で覆うか又は覆わずに放置した。固形物は、XRPD分析前には、密封したバイアル内で、周囲温度で貯蔵した。
偏光顕微鏡(PLM)
全般的に、PLMは、Leica MZ12.5立体顕微鏡を用いて行った。試料は、0.8-10×の範囲の様々な対物を用い、直交偏光器(crossed polarizers)及び一次(first order)赤色補正器を伴う又は伴わずに、インサイチュで又はガラススライド上で観察した(一般に、鉱油又はパラトン-N油で被覆した)。結晶化度は、複屈折及び消衰の観察により示される。
ロット01C10010に関して、PLMは、SPOT Insight(商標)カラーデジタルカメラを装備した、Leica DM LP顕微鏡を用いて行った。試料を、ガラススライド上に配置し、カバーガラスを試料の上に置き、鉱油液滴を、毛細管現象により試料を覆うように添加した。試料を、直交偏光器及び一次赤色補正器により、10、20及び40×対物を用いて観察した。画像を、SPOTソフトウェア(v. 4.5.9)を使用し捕獲した。粒子サイズの参照として、ミクロンバーを、各画像に挿入した。
X-線粉末回折(XRPD)
Inel XRG-3000回折装置
XRPDパターンは、Inel XRG-3000 回折計により収集した。Cu-Kα放射線の入射ビームは、高精度焦点チューブ及び放物線に傾斜された(parabolically graded)多層鏡を用いて作製した。分析前に、ケイ素標本(NIST SRM 640d)を分析し、Si 111ピークの観察された位置がNIST-認定位置と一致することを検証した。試料の標本を、薄壁ガラスキャピラリーに充填し、ビーム-ストップを使用し、大気からのバックグラウンドを最小化した。回折パターンを、120°2θ範囲で、Windif v. 6.6ソフトウェアを使用する透過幾何学及び弯曲位置検知型Equinox検出器において収集した。各パターンに関するデータ獲得パラメータは、別表 Cにおいて画像の上側に示し;データは、2.5〜40°2θで表した。
PANalytical X'Pert PRO回折
高解像度XRPDパターンを、Optixロング高精度焦点線源を使用し作製される入射ビームCu放射線を用い、PANalytical X'Pert PRO MPD回折計により収集した。放物線に傾斜された多層鏡を使用し、標本を通り検出器上にCu-Kα放射線を集束した。分析前に、ケイ素標本(NIST SRM 640d)を分析し、Si 111ピークの観察された位置がNIST-認定位置と一致することを検証した。試料の標本を、厚さ3-μmフィルム間に挟み、透過幾何学において分析した。ビーム-ストップ、ショート散乱線除去イクステンション及び散乱線除去ナイフエッジを使用し、大気から発生したバックグラウンドを最小化した。入射ビーム及び回折ビームのためのSollerスリットを使用し、軸発散からの広がりを最小化した。回折パターンを、標本から240mmに位置した走査位置検知型検出器(X'Celerator)、及びData Collectorソフトウェアv. 2.2bを使用し、収集した。各パターンに関するデータ獲得パラメータは、鏡の前の発散スリット(DS)、及び入射-ビーム散乱線除去スリット(SS)を含む別表Cにおいて画像の上側に示し;データは、2.5〜40°2θで表した。
XRPDパターンは、ロング高精度焦点線源及びニッケルフィルターを使用し作製される入射ビームCu-Kα放射線を用い、PANalytical X'Pert PRO MPD回折計により収集した。この回折計は、対称Bragg-Brentano幾何学を用いて構成された。分析前に、ケイ素標本(NIST SRM 640d)を分析し、Si 111ピークの観察された位置がNIST-認定位置と一致することを検証した。試料の標本を、ケイ素ゼロ-バックグラウンド基板上に中心がある、薄い円形層として調製した。散乱線除去スリット(SS)を使用し、大気から発生したバックグラウンドを最小化した。入射ビーム及び回折ビームのためのSollerスリットを使用し、軸発散からの広がりを最小化した。回折パターンを、試料から240mmに位置した走査位置検知型検出器(X'Celerator)、及びData Collectorソフトウェアv. 2.2bを使用し、収集した。各パターンに関するデータ獲得パラメータは、以下である:
形態A:Panalytical X-Pert Pro MPD PW3040 Pro X-線チューブ:Cu(1.54059 A)、電圧:45kV、電流:40mA、走査範囲:1.00−39.99°2θ、ステップサイズ:0.017°2θ、収集時間:719秒、走査速度:3.3°/分、スリットDS:112°、SS:ヌル、周回時間:1.0秒、モード:透過型。
形態B:Panalytical X-Pert Pro MPD PW3040 Pro X-線チューブ:Cu(1.54059 A)、電圧:45kV、電流:40mA、走査範囲:1.00−39.99°2θ、ステップサイズ:0.017°2θ、収集時間:3883秒、走査速度:0.6°/分、スリットDS:1/2°、SS:ヌル、周回時間:1.0秒、モード:透過型。
形態C:X-線チューブ:Cu(1.54059 A)、電圧:45kV、電流:40mA、走査範囲:1.00−39.99°2θ、ステップサイズ:0.017°2θ、収集時間:719秒、走査速度:3.3°/分、スリットDS:1/2°、SS:ヌル、周回時間:1.0秒、モード:透過型。
示差走査熱量計(DSC)
DSCは、TA Instruments 2920及びQ2000示差走査熱量計を用いて行った。温度キャリブレーションは、NIST-トレーサブルインジウム金属を用いて行った。試料を、アルミニウム製DSC容器上に配置し、蓋をかぶせ、重量を正確に記録した。試料容器として構成された秤量したアルミニウム製容器は、セルの参照側に配置した。記録された吸熱温度は、特に指定しない限りは、最大転移(transition maxima)である。各サーモグラムに関するデータ獲得パラメータ及び容器の立体配置は、図の項の画像に図示している。サーモグラム上の方法コードは、開始温度及び終了温度、並びに加熱速度についての略号であり;例えば、-50-250-10は、「-50℃から250℃までを、10℃/分で」を意味する。下記表は、容器の立体配置について各画像において使用した略号をまとめている。

熱重量分析(TGA)
TG分析は、TA Instruments Q5000 IR熱重量分析装置を用いて行った。温度のキャリブレーションは、ニッケル及びアルメルを用いて行った。各試料を、アルミニウム製容器に配置した。試料を、気密に封止し、蓋を貫通させ、その後TG炉へ挿入した。炉を窒素下で加熱した。各サーモグラムに関するデータ獲得パラメータを、図の項の画像に図示している。サーモグラム上の方法コードは、開始温度及び終了温度、並びに加熱速度についての略号であり;例えば、00-350-10は、「現在の温度から350℃までを、10℃/分で」を意味し、すなわち、温度は、分析の開始前には平衡化されなかった。
熱重量赤外(TG-IR)分光法
熱重量赤外(TG-IR)分析は、Ever-Glo中/遠赤外(IR)線源、臭化カリウム(KBr)ビームスプリッター、及び水銀カドミウムテルル(MCT-A)検出器を装備した、Magna-IR 560(登録商標)フーリエ変換赤外(IR)分光計(Thermo Nicolet社)にインターフェース接続された、TA Instruments熱重量(TG)分析装置モデル2050上で行った。IR波長の検定は、ポリスチレンを用いて行い、且つTGキャリブレーション標準は、ニッケル及びアルメル(商標)であった。試料を、白金製試料容器に配置し、この容器を、TG炉に挿入した。TG装置で最初に開始し、直ちにFT-IR装置に続けた。TG装置を、掃流及び平衡化のために、各々、ヘリウム90及び10cc/分下で操作した。炉は、ヘリウム下で、20℃/分の速度で、最終温度97℃まで、加熱した。IRスペクトルを、およそ13分間、およそ16秒毎に収集した。各IRスペクトルは、スペクトル解像度4cm-1で収集した、16の重ね合わせスキャン(co-added scans)を表している。揮発物は、高解像度Nicolet蒸気相スペクトルライブラリー(v. 1990-1994)の検索から同定した。
ホットステージ顕微鏡
ホットステージ顕微鏡は、SPOT Insight(商標)カラーデジタルカメラが装備された、Leica DM LP顕微鏡に搭載されたLinkamホットステージ(FTIR 600)を用いて行った。温度キャリブレーションは、USP融点基準を用いて行った。試料を、カバーガラス上に配置し、第二のカバーガラスを、この試料の上面に配置した。ステージが加熱された時、各試料を、直交偏光器及び一次赤色補正器と共に、20×対物を用い、目視により観察した。画像は、SPOTソフトウェア(v. 4.5.9)を用いて捕獲した。
カールフィッシャー滴定(KF)
水分決定のための電量KF分析を、Mettler Toledo DL39 KF滴定装置を用いて行った。ブランク滴定は、分析前に行った。試料は、乾燥窒素大気下で調製し、ここでは試料11〜78mgを、予め乾燥したバイアル中のおよそ1mL乾燥ハイドラナール-クーロマットAD中に溶解した。全溶液を、隔壁を通してKF電量計に加え、10秒間混合した。次に試料を、発生電極により滴定し、これは電気化学的酸化によりヨウ素を生成する:2I- → I2 + 2e-。2回の反復は、確実な再現性を得た。
フーリエ変換赤外(IR)分光法
IRスペクトルを、Ever-Glo中/遠赤外(IR)線源、臭化カリウム(KBr)ビームスプリッター、及び重水素硫酸トリグリ心(DTGS)検出器を装備した、Nexus 670(登録商標)IR分光計(Thermo Nicolet)上で獲得した。波長の検定は、NIST SRM 1921b(ポリスチレン)を用いて行った。データ獲得のために、ゲルマニウム(Ge)結晶による、減衰全反射(ATR)アクセサリー(Thunderdome(商標)、Thermo Spectra-Tech社)を使用した。各スペクトルは、スペクトル解像度4cm-1で収集した、256の重ね合わせスキャンを表している。バックグラウンドデータセットは、クリーンなGe結晶により獲得した。対数1/R(R=反射率)スペクトルを、これらの2つのデータセットの互いに対する比をとることにより、得た。
フーリエ変換ラマン(Raman)分光法
ラマンスペクトルを、インジウムガリウムヒ素(InGaAs)検出器を装備した、Nexus 670 IR分光計(Thermo Nicolet)にインターフェース接続したRamanモジュール上で獲得した。波長の検定は、硫黄及びシクロヘキサンを用いて行った。各試料は、試料を、ガラスチューブ、キャピラリー又はペレットへ配置し、且つ金-コーティングしたホルダー内に位置決めすることにより、分析用に調製した。Nd:YVO4レーザー力およそ1W(励起波長1064nm)を使用し、試料を照射した。各スペクトルに関するデータ獲得パラメータは、別表Cの画像上に表示した。
溶液プロトン核磁気共鳴(1H-NMR)
1H-NMRスペクトルを、Varian UNITYINOVA-400分光計により獲得した。試料を、TMS含有DMSO-d6中におよそ3〜13mgの試料を溶解することにより、調製した。データ獲得パラメータは、別表Cのスペクトルの最初のプロットに示している。
固相炭素核磁気共鳴(13C-NMR)
13C-NMR固相NMRスペクトルを、Varian UNITYINOVA-400分光計により獲得した。試料を、4mm PENCIL型ジルコニアローターにパッキングし、且つマジック角12kHzで回転することにより、試料を調製した。データ獲得パラメータは、別表Cのスペクトルの最初のプロットに示している。
動的蒸気収着(DVS)
DVSデータは、VTI SGA-100蒸気収着分析装置上で収集した。NaCl及びPVPを、キャリブレーション標準として使用した。試料は、分析前には乾燥しなかった。収着及び脱着のデータは、窒素掃流下、5%から95% RHまで(又は形態Bについて、55%から95% RHまで)の範囲にわたり、10%RHずつ増加しながら収集した。分析に使用した平衡基準は、5分間に、0.0100%未満の重量変化であり、最大平衡時間は3時間であった。データは、試料の初期水分含量について補正しなかった。
XRPD指数付け
トレプロスチニルの形態A及び形態BのXRPDパターンは、X'Pert High Score Plus[12]を用い、指数付けした。可能とされたピーク位置間の一致は、赤色バーで印つけし、且つ観察されたピークは、一貫した単位格子決定を示した。空間群は、割り当てられた消衰シンボル、単位格子パラメータと一致し、及び誘導された量は、図面下に一覧としている。指数付け及び構造精密化は、「Procedures for SSCI Non-cGMP Activities」に従いコンピュータにより解析した。
前述のものは特定の好ましい実施態様について言及されているが、本発明はそれに限定されないことは理解されるであろう。様々な改変を開示された実施態様に行うことができること、及びそのような改変は本発明の範囲内であると意図されることは、当業者は考えるであろう。本明細書に引用された刊行物、特許出願及び特許は全て、それらの全体が、引用により本明細書中に組み込まれている。



  1. 1.54059Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:11.6, 16.2,および20.0°2θ±0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられ、かつ残留溶媒を別にして少なくとも90%の純度を有する結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  2. 前記ディフラクトグラムは、5.2, 21.7および27.7°2θ±0.2°2θのピークを更に含む、請求項1に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  3. 前記ディフラクトグラムは、実質的に図2に示すとおりである、請求項1に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  4. 約78.3℃でのマイナーな吸熱および約126.3℃でのメジャーな吸熱を含む示差走査熱量(DSC)曲線を有する、請求項1に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  5. 前記DSC曲線は、実質的に図3に示すとおりである、請求項4に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  6. 残留溶媒を別にして少なくとも95%の純度を有する、請求項1に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  7. 他のいかなる形態の結晶トレプロスチニルも実質的に含まない、請求項1に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  8. 実質的に純粋な形態にある、請求項1に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態A。

  9. 非プロトン性有機溶媒と水の中で無水または湿潤トレプロスチニルを撹拌し、その後、これ以上溶媒が蒸発しなくなるまで、固体を約15℃〜約35℃の温度で空気乾燥することで溶媒を除去することを含む、請求項1に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態Aを製造する方法。

  10. 前記有機溶媒は、アセトンまたは1,4−ジオキサンである、請求項9に記載の方法。

  11. 1.54059Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:5.9, 12.1,および24.4°2θ±0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられ、かつ残留溶媒を別にして少なくとも90%の純度を有する結晶トレプロスチニル一水和物の形態B。

  12. 前記ディフラクトグラムは、10.7, 20.6および22.3°2θ± 0.2°2θのピークを更に含む、請求項11に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態B。

  13. 前記ディフラクトグラムは、実質的に図9に示すとおりである、請求項11に記載の結晶トレプロスチニルの形態I。

  14. 約74.8℃でのマイナーな吸熱および約125.2℃でのメジャーな吸熱を含む示差走査熱量(DSC)曲線により特徴づけられる、請求項11に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態B。

  15. 前記DSC曲線は、実質的に図10に示すとおりである、請求項14に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態B。

  16. 残留溶媒を別にして少なくとも95%の純度を有する、請求項11に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態B。

  17. 他のいかなる形態の結晶トレプロスチニルも実質的に含まない、請求項11に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態B。

  18. 実質的に純粋な形態にある、請求項11に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態B。

  19. 非プロトン性有機溶媒と水の中で無水または湿潤トレプロスチニルを撹拌し、その後、これ以上溶媒が蒸発しなくなるまで、固体を約15℃〜約35℃の温度で空気乾燥することで溶媒を除去することを含む、請求項11に記載の結晶トレプロスチニル一水和物の形態Bを製造する方法。

  20. 前記有機溶媒は、メタノールである、請求項19に記載の方法。

  21. トレプロスチニル一水和物の形態Aまたはトレプロスチニル一水和物の形態Bのうち実質的に一方の形態を含む組成物。

  22. 実質的にトレプロスチニル一水和物の形態Aを含む、請求項21に記載の組成物。

  23. 実質的にトレプロスチニル一水和物の形態Bを含む、請求項21に記載の組成物。

  24. 治療的有効量のトレプロスチニル一水和物の形態Aまたはトレプロスチニル一水和物の形態B、および医薬的に許容される担体、を含む医薬製剤。

  25. 医学的状態を治療する方法であって、該方法は、治療的有効量のトレプロスチニル一水和物の形態Aまたはトレプロスチニル一水和物の形態Bを含む医薬製剤を、それを必要とする対象に投与することを含み、該医学的状態は、肺高血圧症、鬱血性心不全、末梢血管疾患、重篤な間欠性跛行、免疫抑制、増殖性疾患、喘息、肺癌、肝臓癌、脳癌、膵臓癌、腎臓癌、前立腺癌、乳癌、結腸癌、頭頸部癌、虚血性傷害、ニューロパシー足部潰瘍、肺線維症、間質性肺疾患、および腎機能障害または腎不全の原因となる疾患または状態からなる群より選択される、方法。

  26. 前記医学的状態は、肺高血圧症である、請求項25に記載の方法。

  27. 前記医薬製剤は、治療的有効量のトレプロスチニル一水和物の形態Aを含む、請求項25に記載の方法。

  28. 1.54059Åの波長のCu-Κα放射線を用いる回折計による決定において、以下のピーク:6.55°2θ±0.2°2θを含むX線粉末ディフラクトグラムによって特徴づけられ、かつ残留溶媒を別にして少なくとも90%の純度を有するトレプロスチニルの形態C。

  29. 前記ディフラクトグラムは、実質的に図16に示すとおりである、請求項28に記載のトレプロスチニルの形態C。

 

 

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類似の特許
本発明は、式:



の化合物、あるいはその立体異性体または医薬的に許容し得る塩を提供する。これらの化合物は、医薬として使用し得るGPR120 Gタンパク質共役受容体モジュレーターである。
新規なトレプロスチニル塩、およびトレプロスチニル塩の作製方法も提供する。
本発明は、式Iの構造を有する三環式化合物、その薬学的に許容される塩、異性体、溶媒和物、および前駆体からなる群から選択される化合物、ならびにその使用に関する。本化合物は、GPR40を有効に制御し、したがって、GPR40と関連した疾患、例えば、糖尿病および多くの他の疾患の予防または処置に有効に使用され得る。
【選択図】なし
【課題】 GPR40機能を調節する薬剤、特にGPR40作動薬(アゴニスト)として糖尿病、高血糖、耐糖能異常、空腹時血糖異常等の治療剤又は予防剤を提供する。
【解決手段】 下記一般式[Ia]で表されるスピロ環化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。


【選択図】なし
【課題】糖尿病、糖尿病合併症、糖尿病性細小血管合併症、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、高血糖症、脂質異常症、アテローム性硬化症、心不全、心筋症、心筋虚血症、脳虚血症、脳卒中、肺高血圧症、高乳酸血症、ミトコンドリア病、ミトコンドリア脳筋症又は癌の予防または治療剤、即ち、PDHK阻害剤等を提供すること。
【解決手段】下記一般式[I]で表される化合物又はその医薬上許容される塩、或いはその溶媒和物。



(式中、各記号は明細書に記載の通りである。)
【選択図】なし
トレプロスチニルおよびその誘導体の調製のための向上した方法を記載する。先行技術とは対照的に、この方法は、これらの化合物を作るための重要な中間体の容易に規模を変更できる酵素的分割を利用する。先行する方法を超える記載される方法の別の重要な向上は5−アリルオキシ−ベンズアルデヒド前駆体の位置選択的クライゼン転位であり、それは2位のブロモ置換基により促進される。
【選択図】 なし
本発明は、構造式がIで表される化合物の結晶型aおよびその製造方法と用途を公開する。前記結晶型aの粉末x線回折(xrpd)スペクトルにおいて以下の2θ角:2.9±0.2o、13.6±0.2o、17.3±0.2oおよび18.6±0.2oに特徴ピークがある。
本発明は、新規1,3−ジフェニルプロパン誘導体、それを含む医薬組成物および特にヒトおよび動物の健康の分野におけるその治療的使用に関する。本発明の化合物は内因性PPARアゴニスト特性を有する。それゆえに、それらはメタボリック症候群、例えば多様な形態の脂肪性肝炎、2型糖尿病、多様な神経変性障害、例えばアルツハイマー病、パーキンソン病および多発性硬化症と関連する代謝および/または炎症性疾患および特に末梢および中枢疾患の処置に特に関係する。
【課題】フォトリソグラフィー分野におけるフォトレジスト用樹脂の改質剤やドライエッチング耐性向上剤、農医薬中間体、その他各種工業製品用などとして有用な新規なビシクロヘキサン誘導体化合物の提供。
【解決手段】式(VI)で示されるビシクロヘキサン誘導体化合物。


(Yは各々独立にC1〜10のアルキル基、ハロゲン、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基又は水酸基;mは0〜11;m’は0〜10の整数、R1〜R4は各々独立にH又はC1〜3のアルキル基)
【選択図】なし
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