インゲンマメ抽出物によるアミラーゼ阻害効果を高める方法

著者らは特許

C07K14/415 - 植物から
C12N9/24 - グリコシル化合物に作用するもの(3.2)

の所有者の特許 JP2016517413:

サニー デライト ビバレッジズ カンパニー

 

マメ抽出物のα−アミラーゼ物質を精製するための改良された方法を開示する。当該方法により精製された物質は、他の方法で精製された物質よりもはるかに高いアミラーゼ阻害を示す。当該方法では、(a)マメ抽出物のα−アミラーゼ物質を、溶液pHが約3.0〜約3.5の水溶液に懸濁させ、(b)保存料を前記溶液に加え、(c)前記溶液を約175°F〜約195°Fまで約10〜約120秒間加熱し、(d)前記溶液を約65〜約85°Fの温度まで冷却し、静的非撹拌条件の下、約3〜約24時間でマメ抽出物粒子が前記溶液から沈殿するように定義された範囲の温度で前記溶液を放置しておき、(e)前記粒子を上清から分離する。
【選択図】 なし

 

 

アミラーゼは、ヒトの食事における炭水化物の主供給源、すなわちデンプンの分解に関与している酵素である。デンプンの消化は、唾液に存在するα−アミラーゼがデンプンのグリコシド結合を加水分解する口の中で始まる。完全に咀嚼された食物が胃に達する時までに、デンプンの平均鎖長は数千から8グルコース単位未満に減少する。胃内の酸性度は、唾液α−アミラーゼを不活性化する。デンプンのさらなる消化が、唾液α−アミラーゼと似た膵α−アミラーゼにより小腸でも続く。
デンプンの消化を阻害することにより炭水化物の吸収を減らすことは、例えば、減量や糖尿病の分野においてとても有望な戦略である。デンプンは、ほとんど利点なしにカロリーを提供する比較的不必要な栄養素であるため、食事療法の観点から、デンプンの分解を標的にすることは重要である。
アミラーゼ阻害剤は、植物アルブミンおよびマメ科植物を含め、様々な供給源に由来する。現在、アミラーゼ阻害剤の供給源として、マメからの抽出物が最も多く使用されている。
現在のアミラーゼ阻害剤の精製方法は、マメを濃縮および乾燥させる工程を含み、熱処理および/または溶媒の使用を含む。例えば、米国特許第6,340,699号明細書(Cestaroら、2002年1月22日発行)を参照。しかしながら、熱処理および/または溶媒の使用には、いくつかの欠点がある。例えば、高温では、マメ由来のアミラーゼ阻害剤の特定の熱感受性成分が分解する可能性がある。結果として、アミラーゼ阻害剤は、安定性および有効性がどちらも低下する。また、そのような精製工程で溶媒を使用することに関連した、環境上および健康上の懸念がある可能性がある。例えば、溶媒を用いてマメからアミラーゼ阻害剤を抽出することにより、有毒な溶媒が抽出物に残留混入する可能性がある。さらに、精製工程に要する大量の溶媒を廃棄することにより、環境上の懸念が生じる可能性がある。
そのようなアミラーゼ阻害剤の精製方法の例は、以下の通りである。
米国特許第6,340,699号明細書(Cestaroら、Hunza di Maria Carmela Marazzita S.A.S.に譲渡、2002年1月22日発行)には、アミラーゼ阻害タンパク質とリン脂質(ホスファチジルコリンなど)とを含むリポタンパク質複合体が記載されている。これらの複合体は、高コレステロール血症の治療に有効であると言われている。
米国特許出願第2006/0147565号明細書(Skopら、Pharmachem Laboratories,Inc.に譲渡、2006年7月6日公開)には、真空圧下で超臨界二酸化炭素処理を用いてホワイトビーンズからアミラーゼ阻害剤を抽出および精製することが記載されている。精製アミラーゼ阻害剤を用いて減量を誘導する方法についても教示されている。
米国特許出願第2009/0042779号明細書(Bolliniら、2009年2月12日公開)には、フィトヘマグルチニンを元来含まないように育てられたマメをアミラーゼ阻害剤の抽出のために使用すること、およびその抽出物とファセオラミンとを併用することが明示されている。記載された高純度ファセオラミン抽出物は、ヒトおよび動物による消費に対して安全で適していると言われている。
米国特許出願第2009/0169657号明細書(Berlandaら、2009年7月2日公開)には、1,000〜1,600USP/mgの活性を有するα−アミラーゼ阻害剤の含有量と、8,000〜30,000HAU/gのフィトヘマグルチニンの含有量とを増加させた抽出物を製造するために、適度に濃縮されたインゲンマメ抽出水溶液に対してヒドロ−エタノール性混合物を使用することが記載されている。この抽出物は、比較的低用量で食事療法用に処方することができると言われている。
口内において、α−アミラーゼは、ヒトの食事における炭水化物の主供給源であるデンプンの酵素消化処理を開始する。インゲンマメ(Phaseolus vulgaris、シロインゲンマメ)類由来のタンパク質性アミラーゼ阻害剤が、長い間知られている。アミラーゼの阻害によりデンプンの消化を抑制して炭水化物の吸収を減らすことは、体重増加または糖尿病の管理に役立つ可能性がある。この目的を達成するため、栄養補助食品にアミラーゼ阻害剤を取り入れることを可能にするための、マメからアミラーゼ阻害剤を抽出する方法が開発されてきた。アミラーゼ阻害剤をマメから抽出および精製する現在の方法は、不純物および/または完全ではない活性を有するアミラーゼ阻害剤を生じさせる過酷な加熱および溶媒処理を含む工程の点で、全てが満足のいくものという訳ではない。上記の米国特許出願第2006/0147565号明細書には、加熱および溶媒を用いた従来の方法によるアミラーゼ阻害剤よりも有効であると主張する、シロインゲンマメ由来のアミラーゼ阻害剤を精製する方法が記載されている。驚くべきことに、特許出願‘565号に記載された方法で処理されたアミラーゼ阻害剤抽出物粉末を、追加の処理工程によりさらに改善可能であることが分かった。結果として得られたものは、活性が著しく増加した(10倍ほども)アミラーゼ阻害タンパク質を含む、透明で安定した無味の水性混合物である。
本発明は、マメ抽出物のα−アミラーゼ物質を精製する方法であって、
(a)前記α−アミラーゼ物質を、pHが約3.0〜約3.5の水溶液に懸濁させる工程と、
(b)保存料を前記溶液に加える工程と、
(c)前記溶液を約175°F〜約195°Fまで10〜約120秒間加熱する工程と、
(d)前記溶液を約65〜約85°Fの温度まで冷却し、静的非撹拌条件の下、約3〜約24時間でマメ抽出物粒子が前記溶液から沈殿するように定義された範囲内の温度で前記溶液を放置しておく工程と、
(e)前記粒子を上清から分離する(上清のデカントによるなど)工程と
を有する方法に関する。
本明細書に記載の全ての割合および比率は、特別の定めのない限り、「重量による」ものである。本明細書で説明される全ての特許文献およびその他の文献は、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書の基本発明は、シロインゲンマメ(Phaseolus vulgaris)由来のα−アミラーゼ阻害剤を精製するための既知の方法を改良する方法であり、以下の性質を有する産物を提供する方法である。
(1)市販のマメ抽出物よりも最高で10倍有効であるα−アミラーゼ阻害剤。
(2)水溶液中に維持すると安定しているα−アミラーゼ阻害剤。
(3)濁り、沈殿、または豆臭さがない透明の溶液を提供するα−アミラーゼ阻害剤。
(4)体重管理の目的で、水、透明飲料、茶などに容易に取り入れることができるα−アミラーゼ阻害剤。
米国特許出願第2006/0147565号明細書に記載の方法により製造されたマメ抽出物からのα−アミラーゼ阻害剤の清澄溶液を製造しようとする中で、驚くべきことに、清澄化処理により、マメ抽出溶液が清澄化されただけでなく、アミラーゼ阻害効果も出発物質の10倍に増加したことが分かった。さらに、タンパク質の阻害は、可溶化した状態でより安定していることが認められた。
これを達成するために、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2006/0147565号明細書に記載の方法における市販のマメ抽出物粉末を、カルボン酸またはカルボン酸塩(クエン酸、リンゴ酸、および/若しくは酒石酸、またはクエン酸塩、リンゴ酸塩、若しくは酒石酸など)を含む水溶液に懸濁させて、溶液pHを約3.0〜約3.5、例えば、約3.3〜約3.5などに注意深く調整した。安息香酸塩、ソルベート、ヘキサメタリン酸ソーダ(SHMP)、または二炭酸ジメチル(DMDC)などの保存料を加え、混合物を、約175°F〜約195°F、例えば、約180±2°Fまで、約10〜約120秒間、例えば、約10〜約60秒間(好ましくは、約10〜約20秒間)加熱した。その後、この溶液を約65〜約85°F、例えば、約75〜約85°Fの温度に冷却して保ち、マメ抽出物粒子が沈殿する時間を取った。抽出が起こるには、静的非撹拌条件下で、約3時間〜約24時間、例えば、約12〜約24時間の抽出時間が必要である。その後、上清をマメ抽出物粒子から(デカントなどにより)分離する。アミラーゼ阻害タンパク質は、液相に存在する。前記タンパク質は、逆浸透または穏やかな乾燥により濃縮することができるが、前記タンパク質は、これらの処理の間、溶液中に維持されなければならない。
上記の方法は、少なくとも以下のように変更することができる。
(1)溶液のさらなる清澄化を逆浸透または膜濾過の形で行うことができる。
(2)最終抽出溶液のpHは、使用される特定の担体と同様に、約3.0〜約3.5に調整することができる。
(3)前記方法は、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)のその他の種、例えば、インゲンマメ(kidney beans)、クランベリービーンズ、ブラックタートルビーンズ、フラジョレ、ホワイトビーンズ、およびイエロービーンズ、またはその他の一般に改良された品種からの抽出物を用いて行うことができる。
本明細書で引用した全ての文献、特許、および特許出願は、別段の記載がない限り、参照により本願に組み込まれる。
1グラムのシロインゲンマメ抽出物を、0.040重量%のヘキサメタリン酸ナトリウム、0.015重量%のクエン酸、0.009重量%のソルビン酸カリウム、0.009重量%の安息香酸ナトリウム、および水を含む470グラムの混合物に加える。混合物を、180°Fまで15秒間加熱した後、85°Fまで24時間冷却する。5ccのアリコート試料を、α−アミラーゼ阻害試験用に取り除く。
対をなす2つのコントロール試料もまた、α−アミラーゼ阻害試験用に調製および採取する。1グラムのシロインゲンマメ抽出物を470グラムの水に加え、それを180°Fまで15秒間加熱し、85°Fまで24時間保持することにより、1つ目のコントロール試料を調製する。2つ目のコントロールは、残りの試料に存在する水および成分(塩)の全てからなる。
アミラーゼ試験の結果から、試験試料は、コントロール試料よりもはるかに高い、約10倍優れたアミラーゼ阻害を示すことがわかった。



  1. マメ抽出物のα−アミラーゼ物質を精製する方法であって、
    (a)溶液pHが約3.0〜約3.5の水溶液に前記物質を懸濁させる工程と、
    (b)前記溶液に保存料を加える工程と、
    (c)前記溶液を約175°F〜約195°Fまで約10〜約120秒間加熱する工程と、
    (d)前記溶液を約65〜約85°Fの温度まで冷却し、静的非撹拌条件の下、約3〜約24時間でマメ抽出物粒子が前記溶液から沈殿するように定義された範囲内の温度で前記溶液を放置しておく工程と、
    (e)前記粒子を上清から分離する工程と
    を有する方法。

  2. 請求項1記載の方法において、工程(a)で、カルボン酸またはカルボン酸塩を用いて前記溶液pHを調整する方法。

  3. 請求項1記載の方法において、工程(b)で、前記保存料は、安息香酸塩、ソルベート、SHMP、DMDC、およびこれらの混合物から選択される方法。

  4. 請求項1記載の方法において、工程(c)の前記加熱する工程は、約10〜約20秒間行われる方法。

  5. 請求項1記載の方法において、工程(d)で、前記溶液は、前記α−アミラーゼ物質を溶液中に維持しながら、逆浸透または穏やかな乾燥により濃縮される方法。

  6. 請求項1記載の方法において、工程(a)で使用される前記マメ抽出物のα−アミラーゼ物質は、真空圧下で行われる超臨界二酸化炭素処理によって得られる方法。

  7. 請求項1記載の方法において、工程(e)で、前記粒子は、前記上清をデカントすることによって分離される方法。

  8. 請求項2記載の方法において、前記カルボン酸は、クエン酸またはクエン酸塩である方法。

  9. 請求項3記載の方法において、前記保存料は、安息香酸ナトリウムである方法。

  10. 請求項1記載の方法により調製された精製マメ抽出物のα−アミラーゼ物質。

 

 

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