Mfiアルミノシリケートモレキュラーシーブおよびそれをキシレンの異性化に用いる方法

 

ケイ素源である4官能性性オルトシリケート[例えばSi(OR)(OR)(OR)(OR)、ここで、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、C1〜10アルキルまたはアリールである]から、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブ触媒が調製される。そのような触媒は、p−キシレンを生成するためのC芳香族原料中のキシレンの異性化を含む、炭化水素変換反応に有用である。有利なことに、本発明のMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブ触媒は、従来市販のMFI触媒よりも選択性が高く、その結果、メチル基転移による副生成物(CおよびC芳香族)の形成を抑制しつつ、同時に、高い程度でキシレンの異性化を提供することを見出した。
【選択図】図1

 

 

本開示は、異性化触媒の作製および使用方法、とりわけ4官能性オルトシリケート前駆体を用いて調製するMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブの作製および使用方法、ならびに、それを含有する、キシレンの異性化における触媒システムおよび異性化反応器に関する。
キシレンの異性化は、重要な化学プロセスである。p−キシレンは、ポリエステル製造における中間体であるテレフタル酸の製造に有用である。一般的にp−キシレンは、例えば石油リフォーメートなどの原料から通常蒸留によって分離されるC芳香族の混合物から得られる。そのような混合物中のC芳香族は、エチルベンゼン、p−キシレン、m−キシレン、およびo−キシレンである。
キシレン異性化触媒は、それら触媒がエチルベンゼンを変換する様式に基づき、(1)ナフテンプール触媒、(2)トランスアルキル化触媒、および(3)水素脱エチル化触媒の3タイプに分類できる。強い水素化機能を含有するナフテンプール触媒(例えば白金)および酸機能を含有するナフテンプール触媒(例えばモレキュラーシーブ)は、ナフテン中間体を介して、エチルベンゼン成分をキシレンに変換できる。一般的にトランスアルキル化触媒は、反応物、生成物、および/または関連する中間体の大きさに基づいて、特定の反応を抑制する、形状選択的なモレキュラーシーブを含有する。例えば、細孔は脱アルキル化/再アルキル化機構によるエチル基転移の起生を許すことができるが、嵩高いビフェニルアルカン中間体の形成を必要とするメチル基転移を抑制することができる。最後に、酸性の形状選択的触媒およびエチレン選択性水素化触媒成分を含有する水素脱エチル化触媒は、エチレン中間体を介して、エチルベンゼンをベンゼンとエタンに変換することができる。しかしそのような触媒は、エチルベンゼンを効率的に除去するために、しばしばキシレンの異性化効率を犠牲とする。
対照的に、二床式触媒システムは、より効率よくエチルベンゼン、および混合C芳香族供給中の非芳香族類を変換しつつ、同時に、キシレンを熱平衡まで変換することができる。二床式キシレン異性化触媒は、エチルベンゼン変換触媒成分、およびキシレン異性化成分で構成される。通常エチルベンゼン変換触媒は、エチルベンゼンを選択的に、蒸留によって分離可能な生成物に変換するが、キシレン異性化触媒としての有効性は低い。つまり、エチルベンゼン変換触媒は、平衡分布のキシレン異性体を生成しない。この触媒システムは、従来の一床式のキシレン異性化触媒と比べキシレン損失が低いという利点を有する。しかし、二床式触媒システムから得られるp−キシレン収率を最大にするためには、高いキシレン異性化活性と、ただし触媒選択性の低下を防ぐために、キシレン異性化成分が低いキシレン損失活性を示す必要がある。
MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、商業的に、キシレン異性体およびC芳香族中のキシレンを異性化してp−キシレンを生成する反応を含む、炭化水素変換反応に用いられている。しかし、市販のMFIアルミノシリケートモレキュラーは、通常アルキル基転移副反応、とりわけキシレンのメチル基転移反応も触媒し、p−キシレン生成物の収率を低下させる。例えば、典型的なMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、キシレン−キシレン間のメチル基転移、およびキシレン−エチルベンゼン間のメチル基転移をいくらか引き起こし、結果として、キシレンの、CおよびC生成物への望ましくない変換をもたらす。また、典型的な市販のMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、生成するキシレン混合物が熱力学的平衡を下回るといったように、高程度のキシレン異性化を達成することが難しい。
従って、メチル基転移反応へのキシレン損失を最小限に抑えつつ、p−キシレンの収率を最大限に高めることが可能な、改良されたキシレン異性化触媒が継続して求められる。
本発明は、予期せぬ高いキシレン異性化活性を有しつつ、同時に、業界で標準的な触媒と比較して、より少ないメチル基転移による副生成物(CおよびC芳香族)を生じるMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを提供する。キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流のp−キシレン含有量を富化する、これらのMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブの使用方法もまた提供される。そのような触媒として、例えば、テトラエチルオルトシリケートを例とする4官能性オルトシリケート前駆体から調製することができる、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブが挙げられる。
そこで一態様において、本発明は、キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法を提供する。当該方法は、炭化水素含有供給流に比してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、当該方法における異性化触媒は、例えば式Si(OR)(OR)(OR)(OR)で表される化合物を含むケイ素源を用いて調製されるMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含み、式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、C1〜10アルキルまたはアリールである。
別の態様において、本発明は、キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法を提供し、当該方法は、炭化水素含有供給流に比してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、当該方法における異性化触媒は、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含み、また、pXが富化された流れは、少なくとも23.5重量%のpX/X(下記で規定されるように、pX/Xは、流れ中の総キシレンに対するp−キシレンの比)および1.5重量%未満の正味トルエン副生成物を含有する。
さらに別の態様において、本発明は、キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法を提供し、当該方法は、炭化水素含有供給流に比してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、当該方法における異性化触媒は、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含み、また、pXが富化された流れは、少なくとも23.8重量%のpX/Xおよび0.6重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物を含有する。
別の態様において、本発明は、キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法を提供し、当該方法は、炭化水素含有供給流に比してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、当該方法における異性化触媒は、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含み、また、pXが富化された流れは、少なくとも23.5重量%のpX/Xを含み、pX/Xの、正味トリメチルベンゼン副生成物の重量%と正味トルエン副生成物の重量%の総和に対する比が、4.0を超える。
別の態様において、本発明は、エチルベンゼン(EB)変換触媒を含む第1の床と、例えば式Si(OR)で表される化合物(式中、RはC1〜10アルキルまたはアリールである)を含むケイ素源を用いて調製するMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブなどの、MFIアルミノシリケート触媒である異性化触媒を含む第2の床とを含む、キシレン異性体供給のp−キシレンを富化する触媒システムを提供する。
別の態様において、本発明は、前述の触媒システムを含有する反応域を有するキシレン異性化反応器を提供する。
図1aは、キシレン異性化方法の例示的な一実施形態を説明するフロー図である。図1bは、キシレン異性化方法の別の例示的な実施形態を説明するフロー図である。図1cは、キシレン異性化方法の第3の例示的な実施形態を説明するフロー図である。 TEOSから調製したMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブのSEM画像を示す(1.5重量%のAlを含有し、XRDに基づく結晶性は99%)。 種々のモレキュラーシーブ触媒における、トルエンの正味収率とpX/キシレン%(EB転化率30〜52%のデータ)の関係を示す図である。 種々のモレキュラーシーブ触媒における、トリメチルベンゼンの正味収率とpX/キシレン%の関係を示す図である。 種々のモレキュラーシーブ触媒における、pX正味収率/(トルエン+トリメチルベンゼン)正味収率と、pX/キシレン%の関係を示す図である。
第1の態様において、本発明は、キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法を提供する。当該方法は、図1aを参照すると、炭化水素含有供給流に対しp−キシレンが富化された流れ(102)を生じるのに適切な条件下で、炭化水素含有供給流(101または101’)を反応器(100)の反応域で本出願の異性化触媒に接触させる工程を含む。ここで異性化触媒は、ボロアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む。pX富化流(102)は広くベンゼン、トルエン、およびキシレンの異性体[すなわち、エチルベンゼン(EB)、o−キシレン(oX)、m−キシレン(mX)、およびp−キシレン(pX)]を含有し得る。当該方法はバッチ、半連続、または連続運転で実施され得る。
特定の実施形態において、炭化水素含有供給流は、少なくとも80重量%のキシレン異性体、および12重量%未満のpX/Xを含む。「pX/X」という用語は、参照する流れまたは生成物中のキシレンの総量(即ちo−キシレン、m−キシレン、およびp−キシレンの総和)に対する、同流れまたは生成物中のp−キシレン(pX)の重量パーセントを意味する。
炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程に適切な条件として、水素の存在下または実質的に非存在下の、液相、蒸気相、および気(超臨界)相条件が挙げられる。特定の実施形態において、炭化水素含有供給流は、水素の存在下で異性化触媒と接触する。他の特定の実施形態において、炭化水素含有供給流は、水素の非存在下で異性化触媒と接触する。
典型的な蒸気相反応条件として、約260℃(500°F)から約537.8℃(1000°F)の温度が挙げられる。特定の実施形態において、温度は約315.6℃(600°F)から約454.4℃(850°F)である。特定の実施形態において、温度は約371.1℃(700°F)から約426.7℃(800°F)である。
典型的な蒸気相反応圧力は、約0Pa(0psig)から約3447kPa(500psig)であり得る。特定の実施形態において、圧力は約689.5kPa(100psig)から約2068kPa(300psig)であり得る。
典型的な蒸気相反応は、約0から10のH/炭化水素モル比を含んでもよい。特定の実施形態において、H/炭化水素モル比は約0.5から約4である。
典型的な蒸気相反応は、約1から約100の、炭化水素含有供給流の液重量空間速度(liquid weight hourly space velocity:LWHSV)を含んでもよい。特定の実施形態において、LWHSVは約4から約15である。
例えば、一実施形態において、圧力は約0Pa(0psig)から約3447kPa(500psig)、H/炭化水素モル比は約0から約10、および液重量空間速度(LWHSV)は約1から約100である。特定の実施形態において、キシレンの異性化における蒸気相反応条件として、温度約315.6℃(600°F)から約454.4℃(850°F)、圧力約689.5から約2068kPa(約100から約300psig)、H/炭化水素モル比約0.5から約4、およびLWHSV約4から約15が挙げられる。他の典型的なキシレンの異性化における蒸気相条件は、例えば米国特許第4,327,236号にさらに記載される。
キシレンの異性化における典型的な液相条件は、例えば米国特許第4,962,258号に記載される。液相プロセス温度は、約176.7℃(350°F)から約343.3℃(650°F)、または約260℃(500°F)から約343.3℃(650°F)、または約287.8℃(550°F)から約343.3℃(650°F)であり得る。プロセスへの炭化水素供給が液相に留まるよう、高温度領域が選択される。温度の下限は触媒組成物の活性に依存する可能性があり、使用する個々の触媒組成物に依存して変動し得る。液相プロセスで使用される全圧は、液相での反応器への炭化水素供給を維持するのに十分なだけ高い必要があるが、プロセスに有用な全圧の上限はない。特定の実施形態において、全圧は約2758kPa(400psig)から約5516kPa(800psig)の範囲内である。通常、プロセスの重量空間速度(WHSV)は、約1から約60hr−1、または約1から約40hr−1、または約1から約12hr−1の範囲内である。供給中に可溶な範囲で、プロセスに水素を用いてもよい。しかし、特定の実施形態において、プロセス中で水素は用いない。別の実施形態においては、例えばトリクルベッド反応器においては、溶解度を上回る水素が添加されるが、炭化水素の大部分は液相に留まる。
超臨界の温度および圧力条件における、典型的なキシレン異性化条件は、例えば米国特許第5,030,788号に記載される。一般的に超臨界条件は、流れに含まれる成分の混合物の臨界温度および圧力を超える温度および圧力で、異性化触媒を接触させる。通常、キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流の臨界圧力は、約3447kPa(500psig)を上回り、臨界温度は約343.3℃(650°F)を上回る。少量の水素は触媒の失活速度を減少させる可能性があるため、反応器供給流に任意で水素を添加してもよい。水素を添加する場合、熱伝導率の低い蒸気相の形成を避けるため、水素は、反応器圧力および供給物−流出物熱交換器内温度における、異性化流に対する溶解度を下回る程度で添加可能である。
前述のいずれの実施形態においても、式Si(OR)(式中、Rは、C1〜10アルキルまたはアリールである)の化合物、Si(OR)(OR)(OR)(OR)(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、C1〜10アルキルまたはアリールである)の化合物を含むケイ素源を用いてMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを調製することができる。例えば、ケイ素源はテトラ(C1〜10)アルキルオルトシリケート[例えばテトラ(C1〜6アルキル)オルトシリケート]またはテトラアリールオルトシリケートであり得る。適切なケイ素源として、例えばテトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、およびテトラフェニルオルトシリケートが挙げられる。特定の実施形態において、ケイ素源はテトラエチルオルトシリケート[Si(OEt)]を含む。特定の他の実施形態において、ケイ素源はテトラフェニルオルトシリケート[Si(OPh)]を含む。
別段の定めがない限り、「アルキル」という用語は、1から10個の炭素原子を含有する、直鎖または分岐鎖の、飽和炭化水素を意味する。代表的なアルキルの例として、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、およびn−デシルが挙げられる。
アリールという用語は、フェニル(即ち単環式アリール)、または、少なくとも1つのフェニル環を含有する二環式環系、または二環式の芳香族環系内に炭化水素のみを含有する二環式の芳香族環を意味する。二環式アリールは、アズレニル、ナフチル、または、単環式シクロアルキル、単環式シクロアルケニル、もしくは単環式ヘテロシクリルに縮合するフェニルであり得る。二環式アリールは、二環系のフェニル部内に含有される任意の炭素原子、または、ナフチルもしくはアズレニル環内の任意の炭素原子を介して親分子の部分に結合する。二環式アリールの、縮合する単環式シクロアルキルまたは単環式ヘテロシクリル部は、必ずしも置換されている必要は無いが、1つまたは2つのオキソ基および/またはチア基に置換され得る。代表的な二環式アリールの例として、例えばアズレニル、ナフチル、ジヒドロインデン−1−イル、ジヒドロインデン−2−イル、ジヒドロインデン−3−イル、ジヒドロインデン−4−イル、2,3−ジヒドロインドール−4−イル、2,3−ジヒドロインドール−5−イル、2,3−ジヒドロインドール−6−イル、2,3−ジヒドロインドール−7−イル、インデン−1−イル、インデン−2−イル、インデン−3−イル、インデン−4−イル、ジヒドロナフタレン−2−イル、ジヒドロナフタレン−3−イル、ジヒドロナフタレン−4−イル、ジヒドロナフタレン−1−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−1−イル、5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル、ベンゾ[d][1,3]ジオキソール−4−イル、およびベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イルが挙げられる。
MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、アルミニウム源、テンプレート、および前述のケイ素源のうちの1つを、適切な温度で混合して反応混合物を形成することによって、調製することができる。適切な温度として、例えば−20℃から200℃の間が挙げられる。特定の実施形態において、温度は、0℃から40℃の間である。特定の実施形態において、温度は、0℃から10℃の間である。
テンプレートは、当業者によく知られる、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを調製する任意のものでよく、水酸化テトラ(C1〜10アルキル)アンモニウム(例えば水酸化テトラプロピルアンモニウム)などのテトラ(C1〜10アルキル)アンモニウム化合物、またはハロゲン化テトラ(C1〜10アルキル)アンモニウム[例えば臭化テトラ(プロピル)アンモニウム]が例として挙げられる。アルミニウム源も同様に、当業者によく知られる、MFIゼオライトを調製する任意のものでよく、アルミニウムC1〜10アルカノエート、またはアルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムC1〜10アルコキシドが例として挙げられる。
反応混合物の形成に続いて、混合物は、室温(例えば20℃から40℃の間)まで温められ得る。例えば減圧しながら(加熱または非加熱で)など、標準的な方法に従って反応混合物から副生成物(例えば揮発性アルコール)が任意に除去され、濃縮反応混合物を得ることができる。反応混合物または濃縮反応混合物は、固体を含む生成物の混合物を生じるのに適切な時間、例えばオートクレーブ内で、自発の圧力で、100℃から200℃の間の第3の温度(例えば150℃から200℃の間)まで加熱され得る。副生成物(例えば揮発性アルコール)が、第3の温度まで加熱する前に反応混合物から除去されなかった場合、そのような副生成物は、生成物の混合物から固体を単離する前に、例えば減圧しながら(加熱または非加熱で)など、標準的な方法に従って反応混合物から除去され得る。固体は、例えばろ過または遠心分離によって、生成物の混合物から単離され、結果として得られる固体は、か焼して異性化触媒を得ることができる。か焼は通常400℃から600℃の間(例えば480℃から600℃の間、または500℃から600℃の間、または480℃から540℃の間)の温度で行う。
MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、約10nmから10μmの範囲で変動する平均微結晶サイズを有し得る。特定の実施形態において、シーブは約10nmから約1μm、または約10nmから約500nm、または約50nmから約1μm、または約50nmから約500nmの範囲で変動する平均微結晶サイズを有し得、純粋な形で本発明の方法における異性化触媒として用いてもよく、またはさらに担体を含んでもよい。適切な担体として、例えばアルミナ[Sasol Dispersal(登録商標)P3アルミナ、PHFアルミナなど]、およびシリカ、ならびにそれらの混合物が挙げられる。担体は、例えば10〜50重量%がMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブで残部が担体であるなど、1〜99重量%のMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む異性化触媒を生じる量で提供され得る。他の実施形態において、異性化触媒は10〜30重量%のMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブ、および残部の担体を含む。他の実施形態において、異性化触媒は、90重量%未満の担体、または80重量%未満の担体、または70重量%未満の担体、または60重量%未満の担体、または50重量%未満の担体、または40重量%未満の担体、または30重量%未満の担体、または20重量%未満の担体、または10重量%未満の担体、または5重量%未満の担体を含む。
金属または金属化合物である水素化触媒成分を、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブに添加してもよく、当該金属は、周期表の第6族〜第10族から選択される。適切な金属または化合物として、例えばPt、Pd、Ni、Mo、Ru、Rh、Reといった金属またはその化合物、およびそれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態において、水素化触媒成分はMoまたはMo化合物である。SnまたはSなどの、その他の促進剤または改質剤を添加してもよい。例えば、Ptを使用する場合、Snと合金すること、または低濃度で硫化物化したものを使用することが望ましい。
再び図1aを参照すると、反応域(100)から生成したpX富化流(102)は、さらに分離域(120’)で処理され得る。分離域は、少なくともpX富化流からpX生成物(104)の少なくとも一部を回収するpX回収域を含むことができ、また、特定の実施形態においては、pX富化流から副生成物の少なくとも一部を回収する細分化域を含むことができる。典型的な副生成物として、例えばメチル基転移による副生成物、ベンゼン、トルエン、トリメチルベンゼン、メチル(エチル)ベンゼンなどが挙げられ、これら副生成物は、分留などの標準的な方法でpX富化流から単離され得る。特定の実施形態において、pX富化流は処理され、ベンゼン副生成物および/またはトルエン副生成物が回収される。
pX回収域(120)においてpX生成物を単離する方法としては、例えば(a)分別結晶、(b)pXを他のC芳香族からクロマトグラフ的に分離する液相吸着、(c)有機基置換シランと反応させた、ゼオライトMFIまたはZSM−8によるクロマトグラフ分離、(d)特定のシランと反応させた、MFIまたはZSM−8ゼオライトを用いる、p−キシレンおよびエチルベンゼンの吸着分離、(e)C芳香族炭化水素の混合物を10℃〜260℃(50°F〜500°F)に加熱し、続いて吸着/脱着工程を、吸着剤であるモレキュラーシーブまたは合成結晶アルミノシリケートゼオライト(例えばMFI)の存在下で行い、第1の混合物であるp−キシレンおよびエチルベンゼン、ならびに、メタ−キシレン、オルト−キシレン、およびC以上のあらゆる芳香族を含む第2の混合物を回収、結果として得られるp−キシレンおよびエチルベンゼンの混合物を結晶化してp−キシレンを回収することができ、また、母液を蒸留してエチルベンゼンを回収することができる方法、および(f)米国特許第6,573,418号に開示される、疑似移動床吸着式クロマトグラフィーと関連する、パラ選択吸着材(例えば結晶の大きい、非酸性、中間細孔のモレキュラーシーブ)を用いる圧力スイング吸着法が挙げられる。
pX生成物が生成した後に分離域(120’)から生成したpX希薄流(107)(例えば結晶化工程からのリジェクト流、または吸着工程のラフィネート)は、比較的高い割合でEB、oX、およびmXを含有し、炭化水素含有供給流(101’)として使用するため、または炭化水素含有供給流(101)と混合するため、反応域(100)に再循環され得る。
特定の異性化触媒を用いることにより、本発明の方法は、例えばAMSAC−3200などの、業界で標準的なキシレン異性化触媒を用いる類似の方法と比べ、濃度の低減したメチル基転移による副生成物を含有する、pX富化流(102)を提供することができる。例えば、pX富化流は3.5重量%以下の正味C副生成物および/または1.5重量%以下の正味トルエン副生成物を含有し得る。「正味副生成物」という表現は、流出流(例えば「pX富化流」)中の参照する副生成物の重量%から、流入供給流(例えば「炭化水素含有供給流」)中の同じ「副生成物」の重量パーセントを差し引いたものを意味する。例えば、流入する炭化水素含有供給流が1重量%の副生成物(例えばトルエン)を含有し、それに対応するpX富化流が5重量%の同副生成物を含有する場合、pX富化流は、4重量%の正味副生成物(例えば4重量%の正味トルエン)を含有する。「C副生成物」という用語は、参照する流れ中の全ての化学物質、または個々の化学構造中に「n」個の炭素を有する生成物を意味する。例えばトリメチルベンゼンは、9個の炭素をその化学構造中に含有するため、C副生成物である。特定の実施形態において、副生成物は芳香族化合物である。従って、特定の実施形態において、pX富化流は、3.5重量%以下の正味C副生成物、または3.0重量%以下、もしくは2.5重量%以下、もしくは2.0重量%以下の正味C副生成物(例えばC芳香族副生成物)を含有し得る。他の実施形態において、pX富化流は、1.5重量%以下の正味トルエン副生成物、または1.4重量%以下の正味トルエン副生成物、または1.3重量%以下の正味トルエン副生成物、または1.2重量%以下の正味トルエン副生成物、または1.1重量%以下の正味トルエン副生成物、または1.0重量%以下の正味トルエン副生成物、または0.9重量%以下の正味トルエン副生成物、または0.8重量%以下の正味トルエン副生成物を含有し得る。
他の実施形態において、pX富化流は、0.7重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物、または0.6重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物、または0.5重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物を含有する。
本方法は、少なくとも23.5重量%のpX/Xを含有する、pX富化流を提供する。一実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.5重量%のpX/X、および1.5重量%未満の正味トルエン副生成物を含有する。別の実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.5重量%のpX/X、および1.0重量%未満の正味トルエン副生成物を含有する。別の実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.8重量%のpX/X、および1.5重量%未満の正味トルエン副生成物を含有する。別の実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.8重量%のpX/X、および1.0重量%未満の正味トルエン副生成物を含有する。
さらに他の実施形態において、本方法は、少なくとも23.8重量%のpX/X、および0.6重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物を含有する、pX富化流を提供する。さらに他の実施形態において、本方法は、少なくとも23.8重量%のpX/X、および0.5重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物を含有する、pX富化流を提供する。
さらなる実施形態において、本方法は、少なくとも23.5重量%のpX/Xを含有し、pX/Xの、正味トリメチルベンゼン副生成物の重量%と正味トルエン副生成物の重量%の総和に対する比が、4.0を超える(例えば4.0から10.0の間)pX富化流を提供する。他の実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.6重量%のpX/X、または、少なくとも23.7重量%のpX/X、または、少なくとも23.8重量%のpX/Xを含有し、pX/Xの、正味トリメチルベンゼン副生成物の重量%と正味トルエン副生成物の重量%の総和に対する比は、4.0を超える(例えば4.0から10.0の間、または4.0から8.0の間)。
他の実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.5重量%のpX/X、または、少なくとも23.6重量%のpX/X、または、少なくとも23.7重量%のpX/X、または、少なくとも23.8重量%のpX/Xを含有し、pX/Xの、正味トリメチルベンゼン副生成物の重量%と正味トルエン副生成物の重量%の総和に対する比は、5.0を超える(例えば5.0から10.0の間、または5.0から8.0の間)。
他の実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.5重量%のpX/X、または、少なくとも23.6重量%のpX/X、または、少なくとも23.7重量%のpX/X、または、少なくとも23.8重量%のpX/Xを含有し、pX/Xの、正味トリメチルベンゼン副生成物の重量%と正味トルエン副生成物の重量%の総和に対する比は、6.0を超える(例えば6.0から10.0の間、または6.0から8.0の間)。
他の実施形態において、pX富化流は、少なくとも23.5重量%のpX/X、少なくとも23.6重量%のpX/X、少なくとも23.7重量%のpX/X、または、少なくとも23.8重量%のpX/X、あるいは、反応温度における本質的な平衡濃度のpX[例えば、371.1℃(700°F)から398.9℃(750°F)の間において、24.1重量%]を含有する。
特定の実施形態において、図1bに示されるように、反応域から生成するpX富化流(102)をさらに細分化域(110)で処理し、少なくとも副生成物の一部(103)をpX富化流から回収することができる。典型的な副生成物および単離方法は、これまでの記載を参照することができる。特定の実施形態において、pX富化流(102)は細分化域(110)で処理され、ベンゼン副生成物および/またはトルエン副生成物が回収される。副生成物の除去後、pX生成物(104)の少なくとも一部を、pX回収域(120)で、pX富化流(102)から回収することができる。pX生成物の生成後に生成するpX希薄流(107)は、炭化水素含有供給流(101’)として使用するため、または炭化水素含有供給流(101)と混合するため、反応域(100)に再循環され得る。
図1cを参照すると、別の実施形態において、pX富化流(102)は、pX生成物(104)の回収前に追加供給流(105)と混合され得る。分岐(105a)で示されるように、追加供給流(105)は細分化域(110)で導入され得、細分化域から混合流(106)が生成する。細分化域(110)に供給される追加供給流(105a)は、例えば精製改質装置のC8+リフォーメート蒸留留分であり得る。この場合、細分化域(110)は、反応域(100)で生成した副生成物(103)および、追加供給流(105)に存在し得るC9+芳香族または他の非C8芳香族を、除去することができる。または、追加供給流の供給源によっては(例えば副生成物の除去が必要ない場合)、分岐(105b)で示されるように、追加供給流(105)は、細分化域(110)の後で導入されて、混合流(106)を生成してもよい。次いで、pX生成物(104)の少なくとも一部を、回収域(120)で混合流(106)から回収してもよい。結果として得られるpX希薄流(107)は、炭化水素含有供給流(101’)として使用するため、または炭化水素含有供給流(101)と混合するため、前述のいずれかの方法によって反応域(100)に再循環され得る。
従って、一実施形態における反応域(100)は、図1cに示されるように、本発明に従って調製したボロアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む、触媒システムまたは二床式触媒システムを備える反応器を含む。反応域(100)は、炭化水素含有供給流(101または101’)中のキシレンを異性化、および一部のエチルベンゼンを変換し、pX富化流(102)を生成しつつ、ベンゼン、トルエン、およびA9+芳香族を含む副生成物をいくらか生成する。生成した副生成物の少なくとも一部は、細分化域(110)で分離され、副生成物流(103)を生成する。副生成物がいくらか除かれたpX富化流は、キシレン異性体およびエチルベンゼンを含む追加供給流(105b)と混合され、pX回収域(120)に供給される混合流(106)を生成する。または、例えば精製改質装置のC8+リフォーメート蒸留留分である追加供給流(105a)は、細分化域(110)に供給され、混合流(106)が細分化域から生成する。次いで、混合流(106)中のpXの少なくとも一部が、pX回収域(120)でpX生成流(104)として除去される。pX回収域(120)は、炭化水素含有供給流(101)として、または炭化水素含有供給流(101’)と混合するために、反応域(100)に再循環されるpX希薄流(107)も生成する。
前述の方法は、二床式触媒構成と併せて実施され得る。従って、本方法は、炭化水素含有供給流のエチルベンゼン(EB)含有量を減少させるのに適切な条件下で、炭化水素含有供給流をEB変換触媒に接触させる工程をさらに含み得る。そのような接触は、例えば炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程の前に起こり得る。特定の実施形態において、炭化水素含有供給流は、単一の反応域でEB変換触媒および異性化触媒と接触する。
適切なエチルベンゼン変換触媒として、例えば、少なくとも約1μmの粒子径を有し、シリカ、アルミナ、シリカ/アルミナまたはその他の適切な担体上に分散するMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブなどの、シリカ上に分散するAI−MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブおよび大粒子径のモレキュラーシーブが挙げられる。一例において、EB変換触媒は、少なくとも約1μmの粒子径を有する、Cab−o−sil(登録商標)HS−5(Cabot Corporation、ビレリカ、マサチューセッツ州、から入手できる高表面ヒュームドシリカ)に担持され、Mo化合物が添加されたAl−MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む。ZSM−型モレキュラーシーブを基とする適切な触媒は、例えばMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブである。また、他の型のモレキュラーシーブ触媒も使用することができる(例えば、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−35、ZSM−38、および他の類似の物質)。
前述の異性化触媒のように、金属または金属化合物である水素化触媒成分をエチルベンゼン変換触媒に添加してもよく、当該金属は、周期表の第6族〜第10族から選択される。特定の実施形態において、水素化触媒成分は、MoまたはMo化合物である。SnまたはSなどの、その他の促進剤または改質剤を添加してもよい。例えば、Ptを使用する場合、Snと合金すること、または低濃度で硫化物化したものを使用することが望ましい。他の実施形態において、異性化触媒およびエチルベンゼン変換触媒のいずれもが、水素化触媒成分を含む。特定の実施形態において、両触媒はともにMoまたはMo化合物を含む。
エチルベンゼン変換触媒は、約1重量%から約100重量%、または約10から約70重量%のモレキュラーシーブを含み得、残部はアルミナもしくはシリカ、またはそれらの混合物などの担体母体材料である。特定の実施形態において、担体材料はシリカである。特定の実施形態において、担体材料はアルミナである。特定の実施形態において、担体はシリカとアルミナの混合物である。エチルベンゼン変換触媒の異性化触媒に対する重量比は、約0.25:1から約6:1とすることができる。
触媒システム
別の態様において、本発明は、前述のあらゆる方法、およびその実施形態に使用するための触媒システムを提供する。とりわけ、本触媒システムは、キシレン異性体供給のp−キシレンを富化する方法に有用である。そのような触媒システムとして、エチルベンゼン(EB)変換触媒を含む第1の床、および、式Si(OR)(OR)(OR)(OR)で表される化合物(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、C1〜10アルキルまたはアリールである)を含むケイ素源を用いて調製されるMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブである、異性化触媒を含む第2の床を含む、二床式構成が挙げられる。
例えば、触媒システムのMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、式Si(OR)(OR)(OR)(OR)で表される化合物(式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、C1〜10アルキルまたはアリールである)を含む、ケイ素源を用いて調製される。例えば、ケイ素源はテトラ(C1〜10)アルキルオルトシリケート[例えばテトラ(C1〜6アルキル)オルトシリケート]またはテトラアリールオルトシリケートであり得る。適切なケイ素源として、例えばテトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、およびテトラフェニルオルトシリケートが挙げられる。特定の実施形態において、ケイ素源はテトラエチルオルトシリケート[Si(OEt)]を含む。特定の実施形態において、ケイ素源はテトラフェニルオルトシリケート[Si(OPh)]を含む。
MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、アルミニウム源、テンプレート、および前述のケイ素源のうちの1つを、適切な温度で混合して反応混合物を形成することによって、調製することができる。適切な温度として、例えば−20℃から200℃の間が挙げられる。特定の実施形態において、温度は、0℃から40℃の間である。特定の実施形態において、温度は、0℃から10℃の間である。
テンプレートは、当業者によく知られる、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを調製する任意のものでよく、例えば水酸化テトラ(アルキル)アンモニウム(例えば水酸化テトラプロピルアンモニウム)などのテトラ(アルキル)アンモニウム化合物、またはハロゲン化テトラ(アルキル)アンモニウム[例えば臭化テトラ(プロピル)アンモニウム]が挙げられる。アルミニウム源も同様に、当業者によく知られる、MFIゼオライトを調製する任意のものでよく、例えばアルミニウムイソプロポキシドなどのアルミニウムアルカノエートが例として挙げられる。
反応混合物の形成に続いて、混合物は、室温(例えば20℃から40℃の間)まで温められ得る。例えば減圧しながら(加熱または非加熱で)など、標準的な方法に従って反応混合物から副生成物(例えば揮発性アルコール)が任意に除去され、濃縮反応混合物を得ることができる。反応混合物または濃縮反応混合物は、固体を含む生成物の混合物を生じるのに適切な時間、例えばオートクレーブ内で、自発の圧力で、100℃から200℃の間の第3の温度(例えば150℃から200℃の間)まで加熱され得る。副生成物(例えば揮発性アルコール)が、第3の温度まで加熱する前に反応混合物から除去されなかった場合、そのような副生成物は、固体を生成物の混合物から単離する前に、例えば減圧しながら(加熱または非加熱で)など、標準的な方法に従って反応混合物から除去され得る。固体は、例えばろ過または遠心分離によって、生成物の混合物から単離され、結果として得られる固体は、か焼して異性化触媒を得ることができる。か焼は通常400℃から600℃の間(例えば480℃から600℃の間、または500℃から600℃の間、または480℃から540℃の間)の温度で行う。
MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブは、約10nmから10μmの範囲で変動する平均微結晶サイズを有し得る。特定の実施形態において、シーブは約10nmから約1μm、または約10nmから約500nm、または約50nmから約1μm、または約50nmから約500nmの範囲で変動する平均微結晶サイズを有し得、純粋な形で本発明の方法における異性化触媒として用いてもよく、またはさらに担体を含んでもよい。適切な担体として、例えばSasol Dispersal(登録商標)P3アルミナ、PHFアルミナなどのアルミナ、およびシリカ、ならびにそれらの混合物が挙げられる。担体は、例えば10〜50重量%がMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブで残部が担体であるなど、1〜99重量%のMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む異性化触媒を生じる量で提供され得る。他の実施形態において、異性化触媒は、10〜30重量%のMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブおよび残部の担体を含む。他の実施形態において、異性化触媒は、90重量%未満の担体、または80重量%未満の担体、または70重量%未満の担体、または60重量%未満の担体、または50重量%未満の担体、または40重量%未満の担体、または30重量%未満の担体、または20重量%未満の担体、または10重量%未満の担体、または5重量%未満の担体を含む。
金属または金属化合物である水素化触媒成分を、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブに添加してもよく、当該金属は、周期表の第6族〜第10族から選択される。適切な金属または化合物として、例えばPt、Pd、Ni、Mo、Ru、Rh、Reといった金属、またはその化合物、およびそれらの組合せが挙げられる。特定の実施形態において、水素化触媒成分は、MoまたはMo化合物である。SnまたはSなどの、その他の促進剤または改質剤を添加してもよい。例えば、Ptを使用する場合、Snと合金すること、または低濃度で硫化物化したものを使用することが望ましい。
適切なエチルベンゼン変換触媒として、例えば、少なくとも約1μmの粒子径を有し、シリカ、アルミナ、シリカ/アルミナ、またはその他の適切な担体上に分散するMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブなどの、シリカ上に分散するAI−MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブおよび大粒子径のモレキュラーシーブが挙げられる。一例において、EB変換触媒は、少なくとも約1μmの粒子径を有する、Cab−o−sil(登録商標)HS−5(Cabot Corporation、ビレリカ、マサチューセッツ州、から入手できる高表面ヒュームドシリカ)に担持され、Mo化合物が添加されたMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む。適切な触媒は、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを基とした。また、他の型のモレキュラーシーブ触媒も使用することができる(例えば、ZSM−11、ZSM−12、ZSM−35、ZSM−38、および他の類似の物質)。
前述のように、水素化触媒成分をエチルベンゼン変換触媒に添加してもよく、前述の異性化触媒のように、水素化触媒成分は金属または金属化合物であり、当該金属は周期表の第6族〜第10族から選択される。特定の実施形態において、水素化触媒成分は、MoまたはMo化合物である。SnまたはSなどの、その他の促進剤または改質剤を添加してもよい。例えば、Ptを使用する場合、Snと合金すること、または低濃度で硫化物化したものを使用することが望ましい。他の実施形態において、異性化触媒およびエチルベンゼン変換触媒のいずれもが、水素化触媒成分を含む。特定の実施形態において、両触媒は、ともにMoまたはMo化合物を含む。
エチルベンゼン変換触媒は、約1重量%から約100重量%、または約10から約70重量%のモレキュラーシーブを含み得、残部はアルミナもしくはシリカ、またはそれらの混合物などの担体母体材料である。特定の実施形態において、担体材料はシリカである。特定の実施形態において、担体材料はアルミナである。エチルベンゼン変換触媒の異性化触媒に対する重量比は、適切には約0.25:1から約6:1である。
特定の実施形態において、EB変換触媒を含む第1の床は、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む第2の床の上位に配置される。
「上位に配置」という表現は、一番目に参照された項目(例えば第1の床)が二番目に参照された項目(例えば第2の床)の表面に直接接触できること、または、1つまたは複数の、介在する物質または構造が、一番目の項目(例えば第1の床)の表面と二番目の項目(例えば第2の床)の表面の間に同様に存在してもよいことを意味する。しかし、1つまたは複数の、介在する物質または構造が存在する場合(例えば、第1の床と第2床を支持および/または分離する仕切り)であっても、一番目の項目と二番目の項目は、互いに流体が連絡する状態を保つ(例えば仕切りは炭化水素含有供給流を第1の床から第2の床へ通過させる)。さらに、一番目の項目(例えば第1の床)は、二番目の項目(例えば第2の床)の表面全体または表面の一部を覆い得る。または、触媒システムは、第1の床の上位に配置される、水素化触媒成分を含むガード床を含む。ガード床は、第1の床と第2の床の間にも配置され得る。エチルベンゼン触媒の水素化触媒成分に対する重量比は、約1:1から約20:1とすることができる。
水素化触媒成分は、モリブデン、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、鉄、オスミウム、イリジウム、タングステン、レニウムなどの水素化金属を含有し得、適切な母体上に配置され得る。適切な母体材料としては、例えばアルミナおよびシリカが挙げられる。アルミナ担持モリブデン触媒が効果的であるが、例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、ニッケル、鉄、オスミウム、イリジウム、タングステン、レニウムなどを含み、アルミナまたはシリカなどの適切な担体上に堆積する、他の水素化触媒成分もまた使用され得る。キシレンの芳香族環の水素化を引き起こす、水素化触媒成分および/または反応条件を避けることが有効である。アルミナ担持モリブデンを使用する場合、モリブデンの濃度は約0.5から約10重量パーセント、または約1から約5重量パーセントとすることができる。
別の態様において、本発明は、前述の触媒システムを含有する反応域を含む、キシレン異性化反応器を提供する。キシレン異性化反応器は、前述の触媒システムを含有する、固定床流通式、流動床、または膜反応器であり得る。反応器は、例えば、最初にEB変換触媒床、次いでキシレン異性化触媒床、または、最初にキシレン異性化触媒、次いでEB変換触媒といったように、炭化水素含有供給流が、反応域内に逐次的な床として配置された触媒システムを次々と通過するよう、構成され得る。別の実施形態においては、最初にEB変換触媒床、次いで「間に挟まれた」水素化触媒成分床、最後にキシレン異性化触媒床である。または、最初にキシレン異性化触媒床、次いで「間に挟まれた」水素化触媒成分床、最後にEB変換触媒床である。別の実施形態において、反応器は別に独立した逐次的反応器を含み得、その場合、供給流は最初に第1の反応器中のEB変換触媒に接触し、そこから流れ出る流出物は、任意な第2の反応器中の、「間に挟まれた」水素化触媒成分に任意で接触し、結果得られる流出物流は、次いで第3の反応器中のキシレン異性化触媒に接触することとなる。別の実施形態において、キシレン異性化触媒床は、EB変換触媒上位に配置される水素化触媒成分、および、EB変換触媒と異性化触媒の間に、他の「間に挟まれた」水素化触媒成分を含み得る。
特定の実施形態を、特に下記の実施例の中で詳細に記載するが、本開示全体の教示を踏まえて、様々な変更および代替が展開され得ることを、当業者は認識するであろう。従って、開示される個別の構成は、例示として意図されたものに過ぎず、本発明の範囲について限定するものではない。本発明の範囲として、添付の請求項の全ての広がりが与えられるべきであり、そのあらゆる全ての均等物を包含する。別段の規定がない限り、ここで使用する全ての技術的および科学的用語は、本発明が関連する分野における当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。公開、特許出願、および特許を含む、本記載で言及される全ての参考文献は、それらの全てが援用される。また、記載される、材料、方法、および例は例示に過ぎず、限定されることを意図しない。
[実施例1]
MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブの調製
(a)基本調製
シリカゾル、アルミニウム化合物、テトラプロピルアンモニウムテンプレート、および塩基などの前駆体を混合し、125cm(125cc)のParr社製反応容器に投入した。これらの反応容器を密閉した後、炉内で2〜5日間、150〜170℃で加熱した。反応容器内容物の撹拌は、温度制御された炉内部の反応容器の転動回転により達成された。炉は、反応容器を同時に12個まで収容可能であった。生成物の後処理は、標準的なろ過、水洗浄、および乾燥手法を伴った。最終生成物は主として538℃(1000°F)で5時間か焼した。
(b)「従来の」MFIアルミノシリケート
シリカゾル、硫酸アルミニウムまたはアルミン酸ナトリウム、テンプレート(臭化テトラプロピルアンモニウム)、および塩基(NaOH)の水性混合物を用いて、「従来の」MFIアルミノシリケートを作製し、次いで酢酸アンモニウム交換によりナトリウムを除去した。
(c)TEOSからのMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブ
テトラエチルオルトシリケート[TEOS、Si(OEt)]をSi源として用いたMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを、Van Griekenら、Microporous and Mesoporous Materials、39巻(2000)、135〜147頁の基本的な方法に従って調製した。室温で、アルミニウムイソプロポキシド(5.76g)を、1リットルのフラスコ中の300gのTPAOH(水酸化テトラプロピルアンモニウム、40重量%水溶液、TCI America)に添加した。混合物を氷浴で4℃まで冷却、および撹拌して、透明な溶液を得た。TEOS(テトラエチルオルトシリケート、99+%、Sigma Aldrich、176.4g)を、冷却したアルミニウムイソプロポキシド/TPAOH溶液に、滴下漏斗を用いて約1時間かけて滴下した。最後のTEOSを添加したとき溶液の温度は16℃まで上昇していたが、この時間の大半は、溶液は4℃に維持された。容器を氷浴から取り除き、室温で40時間撹拌した。アルコール生成物(約182g、主にTEOSの加水分解から生成したエタノール)を、減圧中[2.933kPa(22”Hg)]、79℃で2.5時間、ロータリーエバポレータを用いて留去した。アルコールの蒸発除去後、おおよそ291g[250mL、約1.16g/cm(約1.16g/cc)]の濃縮溶液が残存し、後にこの濃縮物を、Parr社製反応容器中で、前述のMFI合成に用いた(170℃で2〜5日間加熱)。TEOSから調製したMFIのSEM画像例を図2に示す。この試料は、1.5重量%のAlを含有し、非常に小さいサブミクロンの結晶から成り、その結晶性は99%である。
[実施例2]
触媒活性の比較検討
「市販の」ゼオライトモレキュラーシーブおよび触媒試料を、Tosoh、Zeolyst、TriCat、Qingdao Wish Chemical、およびZibo Xinhong Chemical Trade Co.から入手した(表1参照)。TriCatおよびTosohの「HSZ−820NAA」の試料は、次の従来の手順によりアンモニウム交換を行った。1gの酢酸アンモニウムを10gの脱イオン(DI)水に溶解させて(例えば1000gのDI水中に100gの酢酸アンモニウムなど)酢酸アンモニウム溶液を作製した。次いで、交換するシーブ1gを11gの酢酸アンモニウム溶液に添加した。混合物を85℃まで1時間加熱しながら撹拌し、真空フィルターを用いてろ過、シーブがろ紙上に残った状態で、1gのシーブにつき3gのDI水3アリコートで洗浄した。新たな酢酸アンモニウム溶液11g中でシーブを再度スラリーにし、加熱パッド上で85℃まで1時間加熱しながら撹拌し、前述のように、ろ過およびDI水による洗浄を行った。次いで、それを乾燥させ、空気中、165℃(329°F)で4時間か焼、482.2℃(900°F)まで4時間かけて昇温し、482.2℃(900°F)で4時間か焼した。
担持されていない(即ち「純粋な」シーブ)およびアルミナ上に担持された(20%シーブ、80%アルミナ)市販のMFIアルミノシリケート触媒を、下記の手順に従って試験した。
40gのSasol Disperal(登録商標)P3アルミナ(Sasol Germany GmbH、ハンブルク、ドイツ)を、360gの0.6重量%脱イオン蒸留(DD)水に添加し、アルミナゾルを形成して、15分間均質化した。24gのDD水にシーブ8gを混合した混合物を調製し、3分間均質化した。アルミナゾル320gをビーカーに入れ、シーブ/DD水混合物を添加した後、5分間均質化した。30分間置いた後、シーブ/ゾル混合物をキッチンブレンダーに移し、24mLの濃縮水酸化アンモニウム(28公称重量%アンモニア)を添加した。結果得られたゲルを、4の設定で5分間混合した。混合物を乾燥皿[深さ約50.8mm(2インチ)]に注ぎ、165℃(329°F)で4時間乾燥させ、482.2℃(900°F)まで4時間かけて昇温し、最後に482.2℃(900°F)で4時間か焼した。
下記の触媒が対照として調製された。
1. 20公称重量%のHAMS−1B−3ボロシリケートモレキュラーシーブ(AMS−1Bの水素型)および80重量%のSasol Disperal(登録商標)P3アルミナを含有する「AMSAC−3200P3」
2. 80重量%のアルミナ結合剤を含む、市販の20公称重量%のボロシリケートモレキュラーシーブ「AMSAC−3200」
3. 2重量%のMoを含有し、80重量%のアルミナ結合剤を含む、市販の20公称重量%のボロシリケートモレキュラーシーブ「AMSAC−3202M」
触媒試験
粉末状(50〜200μm)の触媒を、16の並列な固定床流通式反応器で構成されるハイスループット触媒試験装置内の2mmのID管型反応器に投入した。炭化水素供給を導入する前に、炭化水素供給の無いHフロー中で、反応器を少なくとも1時間、反応温度で加熱することにより、触媒を活性化した。次いで、水素ガスとキシレン異性体を混合し、反応器に供給した。反応器流出物の炭化水素を、オンラインガスクロマトグラフで4時間毎に分析した。
キシレン異性体の供給流は、1.03重量%のベンゼン、1.98重量%のトルエン、10.57重量%のEB(エチルベンゼン)、9.75重量%のpX(p−キシレン)、50.22重量%のmX(m−キシレン)、および24.16重量%のoX(o−キシレン)を含有し、キシレン異性体中のpX異性体は11.6%に相当した。
触媒のキシレン異性化活性を検査および順位付けする、第1試験段階を実施した。キシレン異性化活性の判別には、比較的穏やかな条件を採用した[315.6℃(600°F)、キシレン供給WHSV38h−1、1551kPa(225psig)、H/炭化水素モル比1.5、および、担持されないシーブを試験した場合のシーブ含有量に基づいてLWHSVを調節した、20重量%のシーブ触媒に対するLWHSV=38]。これらの穏やかな条件におけるEB転化率は、非常に低かった(<10%)。理論上の平衡までキシレンが異性化したとすると、反応器流出物中に生じるpX/キシレンは約24.1%である。反応器流出物は、稼働中、定期的にサンプリングされ、ガスクロマトグラフィーで分析された。操業50余時間かけて、触媒が穏やかに失活する様が観察された。失活が起きたため、結果的なpX/キシレン%は、最初の操業40〜50時間の平均として算出された。
各々の稼働(1ブロックに16個の反応器)には、参照用触媒AMSAC−3200および/またはAMSAC−3202Mのうちの、少なくとも2つが対照として含まれていた。参照用のAMSACの触媒能は、可動毎に再現可能であった。
試験した60個の触媒のうち、12種の市販のMFI物質およびTEOSから調製したMFI触媒を含む17種は、AMSAC類と同様の有効性(20〜23%のpX/キシレン)でキシレンを異性化することが見出された。残りの触媒は活性がより低く、約12種は基本的に不活性であった。表1は、第1段階の試験で最も活性の高かった触媒の概要を表す。表1において、「S」はシーブが純粋な形で試験されたことを示し、「C」は、前述で調製されたように、シーブがアルミナに担持されていたことを示す。

MFI触媒について、ゼオライトモレキュラーシーブ中のAl含有量が多いほど、異性化活性が高まるという、一般的な傾向がみられた。この傾向は、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブなどの酸性ゼオライトに触媒される反応において、しばしば当てはまる。Al含有量が多いほど、EB変換が高まるという傾向もみられた。
[実施例3]
市販条件試験
実施例2の結果に基づき、市販のPX反応器の温度としてより典型的である、より高温[343.3〜410℃(650〜770°F)]で、約30の異性化触媒について試験を行い、より高いEB転化率(20〜70%)における異性化活性および選択性を決定した。選択性については、例えばメチル基転移反応などの、メチル基転移工程を通したキシレン損失反応の程度を測定した。
キシレン供給WHSV10h−1、1551kPa(225psig)、およびH/炭化水素モル比1.5で、異なる5つの温度[343.3℃(650°F)、360℃(680°F)、376.7℃(710°F)、393.3℃(740°F)、410℃(770°F)]におけるデータを集めた。主として、各温度で3つの反応器流出物試料を採取し、ガスクロマトグラフィーで分析した。3つの試料の分析結果の平均を算出した。
5つの各試験温度において、エチルベンゼンの変換を観察した。基本的に、市販および従来作製されたMFIシーブが最も高いEB変換活性を示し、参照用のAMSACが最も低い活性を示し、TEOSから調製されたMFIシーブがその中間であることが観察された。対照的に、キシレン異性化活性は、ほぼ正反対であった。市販および従来作製されたMFIシーブは、他の大部分の触媒と比較し、著しく低い異性化活性を示した。最も高活性の触媒(AMSAC類およびTEOSから作製されたMFIシーブ)は、キシレンを、熱力学的平衡(pX24.1%)に近いpX約23.9〜24.0%まで異性化した。
EB転化率とキシレン異性化活性の関係の観点から見ると、市販および従来調製されたMFIアルミノシリケート触媒は、キシレン異性化活性が、広範囲のEB転化率にわたって、TEOSから調製されたMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む他の触媒群よりも大きく劣っていた。
触媒の選択性は、メチル基転移反応を通して生成した、望ましくない生成物の相対量を比較することにより試験した。トルエンは、キシレンの不均化、およびキシレン(XYL)からEBへのメチル基転移の2つのメチル基転移反応を通して生成する。他のメチル基転移生成物として、トリメチルベンゼン(TMB)およびメチルエチルベンゼン(MEB)が挙げられる。水素化触媒成分を含有する触媒においては、MEBの二次的な脱アルキル化によってもトルエン(TOL)が形成し得る。
XYL+EB=MEB+TOL
MEB+H→TOL+C
XYL+EB+H→2TOL+C(正味反応)
触媒群について、反応器流出物中のトルエンの量(GC面積%)を、様々なEB転化率にわたって検査した。AMSAC類およびTEOSから調製されたMFIアルミノシリケート触媒は、よく似ており、少量のトルエンを生じたのに対し、市販および従来調製されたMFIアルミノシリケート触媒は、実質的により多くのトルエンを生じた。図3は、キシレン異性化活性の関数としての、正味トルエン収率(供給中のトルエンは差し引かれている)のグラフである。先と同様に、AMSAC類およびTEOSから調製されたMFIアルミノシリケート触媒は、他のMFIアルミノシリケート触媒と比べて少量のトルエンを生じた。
他の副生成物であるトリメチルベンゼンおよびメチルエチルベンゼンに関し、市販および従来調製されたMFIアルミノシリケート触媒の大部分は、AMSAC類およびTEOSから調製されたMFIアルミノシリケート触媒よりも、それら副生成物をより多量に生じた。
要約すると、第1試験段階の、より高い温度条件において、TEOSから調製されたMFIシーブは、参照用触媒であるAMSAC−3200の性能と酷似した、高いキシレン異性化活性(23.9〜24.0%のpX/キシレン)を示した。触媒はまた、(トルエン、トリメチルベンゼン、およびメチルエチルベンゼンへの)メチル基転移反応により生じるキシレン損失が、広範囲のEB転化率(20〜70%)にわたって少なく、やはり参照用触媒であるAMSAC−3200と類似した性能であった。
しかし、対照的に、市販および従来調製されたMFI触媒の性能は悪く、それらの条件下で比較的低い異性化活性(pX/キシレン23.9%未満)、および望ましくないキシレンのメチル基転移(キシレン損失)反応に対し、より高い活性を示した。特に、TEOSから作製されたMFIアルミノシリケート触媒は、アルミナによる活性化を必要とせず、実際、純粋なシーブの形でのみ試験を行った。
[実施例4]
副生成物の定量
前述のように、TEOSをケイ素源として用いてMFIゼオライトを調製した。Al含有量は、ICPで1.4〜1.5重量%となるように決定した。SEMの示した平均微結晶サイズは1μm未満の規模であり、約50nmから約500nmに分布していた。小型の固定床流通式反応器を用いて、1.03重量%のベンゼン、1.98%のトルエン、10.57%のエチルベンゼン、9.75%のp−キシレン、50.22%のm−キシレン、および24.16%のo−キシレン(総キシレンに対し11.6%のp−キシレン)からなる市販の「キシレン異性体」芳香族を供給し、MFI触媒にキシレンの異性化試験を行った。
粉末状(50〜200μm)の触媒を、2mmのID管型反応器に投入した。水素ガスおよびキシレン異性体を混合し、1551kPa(225psig)、キシレン異性体供給速度10LWHSV(供給グラム/触媒グラム・時間)で、モル比1.5(H/炭化水素)で反応器に供給した。反応器の温度は、343.3または360℃(650または680°F)のいずれかであった。反応器流出物の炭化水素を、オンラインガスクロマトグラフで4時間毎に分析した。触媒試験の結果をまとめて表2に示す。

狭い温度範囲[343.3℃(650°F)または360℃(680°F)]および近いエチルベンゼン転化率(32〜38%)において触媒を比較した。第4列のデータは、特定のMFIに触媒されたキシレン異性化の程度を示し、ここでp−キシレン異性体の割合は、熱力学的に最大で約24.1%である。TEOSから調製されたMFI触媒は、市販のMFI触媒よりも著しく低い収率で、望ましくないメチル基転移生成物[トルエン、トリメチルベンゼン(TMB)、およびメチルエチルベンゼン(MEB)]を生成したことが、結果から示される(図4および図5に示される通り)。事実ならば、これらの望ましくない生成物の収率は、概して市販のMFIアルミノシリケート触媒のそれの約2分の1であった。また、TEOSから調製されたMFI触媒は、キシレン異性化活性が高く、流出物のキシレン中に少なくとも23.9%のp−キシレン異性体を生じた。



  1. キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法であって、
    前記炭化水素含有供給流に比してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、前記炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、
    前記異性化触媒が、式
    Si(OR)(OR)(OR)(OR
    (式中、R、R、R、Rはそれぞれ独立に、C1〜10アルキルまたはアリールである)
    で表される化合物を含むケイ素源を用いて調製されるMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む、方法。

  2. 前記pXが富化された流れから副生成物を回収する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。

  3. 前記副生成物が、1.5重量%以下の正味トルエン副生成物を含有する、請求項2に記載の方法。

  4. 前記副生成物が、3.5重量%以下の正味C副生成物を含有する、請求項2または3のいずれか一項に記載の方法。

  5. 前記pXが富化された流れが、0.7重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物を含有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。

  6. 前記pXが富化された流れが、1.0重量%未満の正味トルエンを含有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。

  7. 前記pXが富化された流れが、0.5重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物を含有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。

  8. キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法であって、
    前記炭化水素含有供給流に比してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、前記炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、
    前記異性化触媒がMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含み、
    前記pXが富化された流れが、少なくとも23.5重量%のpX/X、および1.5重量%未満の正味トルエン副生成物を含有する、方法。

  9. キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法であって、
    前記炭化水素含有供給流に対してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、前記炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、
    前記異性化触媒がMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含み、
    前記pXが富化された流れが、少なくとも23.8重量%のpX/X、および0.6重量%未満の正味トリメチルベンゼン副生成物を含有する、方法。

  10. キシレン異性体を含む炭化水素含有供給流中のp−キシレン(pX)の割合を高める方法であって、
    前記炭化水素含有供給流に比してp−キシレンが富化された流れを生じるのに適切な条件下で、前記炭化水素含有供給流を異性化触媒に接触させる工程を含み、
    前記異性化触媒がMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含み、
    前記pXが富化された流れが、少なくとも23.5重量%のpX/Xを含有し、pX/Xの、正味トリメチルベンゼン副生成物の重量%と正味トルエン副生成物の重量%の総和に対する比が、4.0を超える、方法。

  11. 前記炭化水素含有供給流が、少なくとも80重量%のキシレン異性体および12重量%未満のpX/Xを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。

  12. 前記炭化水素含有供給流が、水素の存在下で前記異性化触媒と接触する、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。

  13. 前記pXが富化された流れからpX生成物を回収してpX希薄流を形成する工程をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。

  14. 前記pX希薄流が、前記炭化水素含有供給流として使用するために再循環される、請求項13に記載の方法。

  15. 前記pXが富化された流れにキシレン異性体を含む追加供給流を混合して、混合流を形成する工程をさらに含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。

  16. 前記混合流からpX生成物を回収して、炭化水素含有供給流として使用するためのpX希薄流を形成する工程をさらに含む、請求項15に記載の方法。

  17. 前記混合流から副生成物を回収する工程をさらに含む、請求項15から16のいずれか一項に記載の方法。

  18. 前記炭化水素含有供給流のEB含有量を減少させるのに適切な条件下で、前記炭化水素含有供給流をエチルベンゼン(EB)変換触媒に接触させる工程をさらに含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。

  19. 前記炭化水素含有供給流が、前記異性化触媒に接触する前に、前記EB変換触媒に接触する、請求項18に記載の方法。

  20. 前記炭化水素含有供給流が、単一の反応域内で、前記EB変換触媒および前記異性化触媒に接触する、請求項18に記載の方法。

  21. 前記EB変換触媒が、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。

  22. 前記異性化触媒および/または前記EB変換触媒が、さらに担体を含む、請求項1から21のいずれか一項に記載の方法。

  23. 前記担体が、アルミナ、シリカ、およびそれらの混合物を含む、請求項22に記載の方法。

  24. 前記異性化触媒が、1〜99重量%のアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む、請求項23に記載の方法。

  25. キシレン異性体供給中のp−キシレンを富化するための触媒システムであって、
    エチルベンゼン(EB)変換触媒を含む第1の床と、

    Si(OR)(OR)(OR)(OR
    (式中R、R、R、Rはそれぞれ独立に、C1〜10アルキルまたはアリールである)
    で表される化合物を含むケイ素源を用いて調製されるMFIアルミノシリケート触媒である異性化触媒を含む第2の床とを含む、触媒システム。

  26. 前記EB変換触媒が、MFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む、請求項25に記載の触媒システム。

  27. 前記異性化触媒が、
    アルミニウム源およびテンプレートをケイ素源に混合して、反応混合物を形成する工程と、
    副生成物を前記反応混合物から除去して、濃縮反応混合物を生じる工程と、
    固体を含む生成物の混合物を生じるのに適切な温度および時間で、前記濃縮反応混合物をオートクレーブ内で自発の圧力で加熱する工程と、
    前記固体を前記生成物の混合物から単離する工程と、
    前記固体をか焼して前記異性化触媒を生じる工程と
    から調製される、請求項25または26に記載の触媒システム。

  28. 前記アルミニウム源が、アルミニウムC1〜10アルカノエートまたはアルミニウムC1〜10アルコキシドを含む、請求項27に記載の触媒システム。

  29. 前記テンプレートが、水酸化テトラプロピルアンモニウムまたは臭化テトラプロピルアンモニウムを含む、請求項27または28に記載の触媒システム。

  30. 前記ケイ素源が、テトラ(アルキル)オルトシリケートを含有する、請求項27から29のいずれか一項に記載の触媒システム。

  31. 前記か焼する工程が、480℃から600℃の間の温度で行なわれる、請求項27から30のいずれか一項に記載の触媒システム。

  32. 前記異性化触媒が、さらに担体を含む、請求項25から31のいずれか一項に記載の触媒システム。

  33. 前記担体が、アルミナ、シリカ、またはそれらの混合物を含む、請求項32に記載の触媒システム。

  34. 前記異性化触媒が、1〜99重量%のMFIアルミノシリケートモレキュラーシーブを含む、請求項33に記載の触媒システム。

  35. 前記第1の床が、前記第2の床の上位に配置される、請求項25から34のいずれか一項に記載の触媒システム。

  36. 水素化触媒成分およびアルミナを含むガード床が、前記第1の床の上位に配置される、請求項35に記載の触媒システム。

  37. 水素化触媒成分およびアルミナを含むガード床が、前記第1の床と前記第2の床の間に配置される、請求項35に記載の触媒システム。

  38. 請求項25から37のいずれか一項に記載の触媒システムを含有する反応域を含む、キシレン異性化反応器。

  39. 前記異性化触媒が、さらに水素化触媒成分を含む、請求項1から24のいずれか一項に記載の方法。

  40. さらに水素化触媒成分を含む、請求項25から37のいずれか一項に記載の触媒システム。

 

 

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式(II):


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