抗CRTh2抗体及び使用方法

 

本発明は、抗CRTh2抗体及びその使用方法を提供する。
【選択図】図18A

 

 

関連出願とのクロスリファレンス
本出願は、その全内容が本明細書に参照により援用される、2013年3月15日に出願された米国特許仮出願第61/786370号の優先権の利益を主張する。
ASCIIテキストファイルでの配列表の提出
ASCIIテキストファイルでの以下の提出物の内容は、その全内容が本明細書に参照により援用される:配列表のコンピュータ読み取り可能な形式(CRF)(ファイル名:146392017340SEQLIST.TXT、記録日:2014年3月6日、サイズ:115KB)。
本発明は、抗CRTh2抗体及びその使用方法に関する。
Tヘルパー2細胞(CRTh2)上で発現される化学誘引物質受容体相同分子は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)ファミリーの一員である。CRTh2は、プロスタグランジンD2(PGD2)に応答して、好酸球、好塩基球及びTヘルパー2型(Th2)細胞の化学遊走を媒介する。これらの細胞型、特にTh2細胞は、喘息のようなアレルギー性疾患の病態形成に寄与すると考えられている。CRTh2阻害が動物モデルにおける気道反応亢進及び炎症の減弱を導くことが示されている。Lukacsら、Am.J.Phsiol.Lung Cell.Mol.Physiol.295:L767−779、2008。例えば、2重トロンボキサンA2受容体及びCRTh2受容体アンタゴニストであるラマトロバンは、好酸球化学遊走をインビトロ及びインビボで抑制し、日本においてアレルギー性鼻炎の治療のために承認されている。Bosnjak,Bら、Respiratory Research 12:114、2011。4−アミノテトラヒロチノリン(aminotetrahyrochinoline)誘導体又はインドール酢酸誘導体のような多数の他のCRTh2アンタゴニストは、現在、開発中である。Pettipher;Br.J.Pharmacol.153(Suppl1):S191−199、2008;Royerら;Eur.J.Clin.Invest.38:663−671、2008;Stebbinsら;Eur.J.Pharmacol.638:142−149、2010。
本発明は、抗CRTh2抗体及びその使用方法を提供する。
一態様では、ヒトCRTh2に結合し、治療有効量がヒト対象に投与された場合に、CRTh2発現細胞を枯渇させる単離抗体が本明細書で提供される。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、操作された抗体である。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、組換え法によって(例えば、抗体をコードする1つ又は複数の核酸でインビトロで(例えば細胞培養物において)トランスフェクトされた、又は形質転換された宿主細胞によって)産生される。幾つかの実施態様では、宿主細胞は、原核生物細胞(例えば細菌細胞)又は真核生物細胞(例えばCHO細胞、リンパ系細胞)である。
幾つかの実施態様では、抗体は、1つ又は複数の以下の型のCRTh2発現細胞を枯渇させる:Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球又は自然2型(innate type 2、IT2)細胞。幾つかの実施態様では、抗体は、ADCC及び/又はCDC活性を改善するように操作されている。幾つかの実施態様では、抗体は、ADCC活性を改善する、及び/又はCDC活性を低減するように操作されている。幾つかの実施態様では、抗体は、脱フコシル化されている。幾つかの実施態様では、抗体は、アルファ1,6−フコシルトランスフェラーゼ(Fut8)ノックアウトを有する細胞株で産生される。幾つかの実施態様では、抗体は、β1,4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT−III)を過剰発現する細胞株で産生される。幾つかの実施態様では、細胞株は、ゴルジα−マンノシダーゼII(ManII)をさらに過剰発現する。幾つかの実施態様では、抗体は、ADCC及び/又はCDC活性を改善する少なくとも1つのアミノ酸置換をFc領域に含む。幾つかの実施態様では、アミノ酸置換は、S298A/E333A/K334Aである。
幾つかの実施態様では、抗体は、裸抗体である。幾つかの実施態様では、抗体は、キメラである。幾つかの実施態様では、抗体は、ヒト化されている。幾つかの実施態様では、抗体は、ヒトである。幾つかの実施態様では、抗体は、二重特異性抗体である。幾つかの実施態様では、抗体は、IgG1抗体である。
幾つかの実施態様では、抗体は、非ヒト霊長類のCRTh2に結合する。幾つかの実施態様では、抗体は、アカゲザル及び/又はカニクイザルのCRTh2に結合する。
幾つかの実施態様では、抗体は、ヒトCRTh2への以下の抗体のうちの少なくとも1つの結合を競合的に阻害する:19A2、8B1、31A5、3C12、及び本明細書に記載の何れかのヒト化抗体。幾つかの実施態様では、ELISAアッセイを使用して、競合的結合を決定する。幾つかの実施態様では、抗体は、少なくとも1つの以下の抗CRTh2抗体が結合するCRTh2エピトープと同じ又はオーバーラップするヒトCRTh2のエピトープに結合する:19A2、8B1、31A5、3C12、及び本明細書に記載の何れかのヒト化抗体。幾つかの実施態様では、抗体は、以下の抗CRTh2抗体:19A2、8B1、31A5、3C12、及び本明細書に記載の何れかのヒト化抗体のうちの1つからの6つの超可変領域(HVR)を含む。
幾つかの実施態様では、抗体は、CRTh2シグナル伝達をさらにブロックする。幾つかの実施態様では、抗体は、プロスタグランジンD2に応答したCRTh2発現細胞の動員を妨げる。幾つかの実施態様では、抗体は、CRTh2発現細胞におけるCa2フラックスを阻害する。幾つかの実施態様では、抗体は、約100nM以下のKdでヒトCRTh2に結合する。
幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及びXISNGGSTTXYPGTVEG(配列番号5)を含むHVR−H2(式中、XはY又はRであり、XはY又はDである)を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。
別の態様では、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体であって、軽鎖及び重鎖可変領域が、6つの超可変領域(HVR)配列:(i)RASENIYXNLA(配列番号1)を含むHVR−L1(式中、XはS、W又はYである)、(ii)AATQLAX(配列番号2)を含むHVR−L2(式中、XはD、E又はSである)、(iii)QHFWITPWT(配列番号3)を含むHVR−L3、(iv)XYXMS(配列番号4)を含むHVR−H1(式中、XはS又はFであり、XはS、L又はKである)、(v)XISNGGSTTXYPGTVEG(配列番号5)を含むHVR−H2(式中、XはY又はRであり、XはY又はDである)、(vi)HRTNWDFDY(配列番号6)を含むHVR−H3を含む単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。
別の態様では、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体であって、軽鎖可変領域が、配列番号7、8又は9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号10、11又は12のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域をさらに含む。
別の態様では、配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。
幾つかの実施態様では、抗体は、(i)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、(iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、(iv)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(v)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(vi)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
幾つかの実施態様では、抗体は、(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−L2、(iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、(iv)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(v)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(vi)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
別の態様では、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体であって、軽鎖可変領域が、配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。別の態様では、配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。幾つかの実施態様では、抗体は、(i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、(iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、(iv)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(v)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(vi)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
別の態様では、配列番号38−53からなる群から選択されるVL配列を含む、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号54−65からなる群から選択されるVH配列をさらに含む。別の態様では、配列番号54−65からなる群から選択されるVH配列を含む、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。いくつかの実施態様では、配列番号38−48からなる群から選択されるVL配列を含む軽鎖可変領域、及び配列番号54−60からなる群から選択されるVH配列を含む重鎖可変領域を含む、単離抗CRTh2抗体が本明細書で提供される。
幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号40のVL配列及び配列番号57のVH配列を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号39のVL配列及び配列番号55のVH配列を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号41のVL配列及び配列番号57のVH配列を含む。
幾つかの実施態様では、抗体は、モノクローナル抗体である。幾つかの実施態様では、抗体は、ヒト化抗体又はキメラ抗体である。幾つかの実施態様では、抗体のフレームワーク配列の少なくとも一部は、ヒトコンセンサスフレームワーク配列である。幾つかの実施態様では、抗体は、Fab、Fab’−SH、Fv、scFc又は(Fab’)断片から選択される抗体断片である。
別の態様では、本明細書に記載の何れかの抗体をコードする単離核酸が本明細書で提供される。別の態様では、本明細書に記載の核酸を含む宿主細胞が本明細書で提供される。別の態様では、抗体が産生されるように宿主細胞を培養することを含む、抗体を産生する方法が本明細書で提供される。幾つかの実施態様では、方法は、宿主細胞によって産生された抗体を回収することをさらに含む。
別の態様では、本明細書に記載の何れかの抗体及び細胞傷害剤を含むイムノコンジュゲートが本明細書で提供される。幾つかの実施態様では、イムノコンジュゲートは、薬学的組成物にある。イムノコンジュゲートは、本明細書に記載の何れかの方法で用いてよい。
別の態様では、本明細書に記載の何れかの抗CRTh2抗体及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物が本明細書で提供される。
別の態様では、喘息を治療するための方法であって、有効量の抗CRTh2抗体を対象に投与することを含み、抗体が、対象におけるCRTh2発現細胞を枯渇させる方法が本明細書で提供される。
幾つかの実施態様では、抗体は、1つ又は複数の以下の型のCRTh2発現細胞を枯渇させる:Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球又は自然2型(IT2)細胞。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、CRTh2発現細胞を肺組織から枯渇させる。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、CRTh2発現細胞を気管支肺胞洗浄液から枯渇させる。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも50%の少なくとも1つの型のCRTh2発現細胞を肺から枯渇させる。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも80%の少なくとも1つの型のCRTh2発現細胞を肺から枯渇させる。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも90%の少なくとも1つの型のCRTh2発現細胞を肺から枯渇させる。幾つかの実施態様では、対象は、微量顆粒球性喘息(Pauci granulocytic asthma)に罹患している。幾つかの実施態様では、1種又は複数のサイトカインのレベルは、抗CRTh2抗体の投与後に対象において低下する。幾つかの実施態様では、少なくとも1つの以下の細胞型により産生される1種又は複数のサイトカインのレベルは低下する:Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球又は自然2型(IT2)細胞。幾つかの実施態様では、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン又はロイコトリエンの1種又は複数のレベルは、対象において低下する。幾つかの実施態様では、対象は、吸入コルチコステロイド、短時間作用型β2アゴニスト、長時間作用型β2アゴニスト又はそれらの組み合わせにより適切に制御されない喘息に罹患している。幾つかの実施態様では、対象は、ヒトである。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、本明細書に記載の抗体である。
別の態様では、CRTh2発現細胞により媒介される障害を治療するための方法であって、有効量の抗CRTh2抗体を対象に投与することを含み、抗体が、対象におけるCRTh2発現細胞を枯渇させる方法が本明細書で提供される。
幾つかの実施態様では、障害は、喘息、微量顆粒球性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、急性又は慢性気道過敏症、好酸球増多症候群、好酸球性食道炎、チャーグ−ストラウス症候群、特発性肺線維症、サイトカインに関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する悪性腫瘍、慢性特発性じん麻疹、慢性自発性じん麻疹、物理的じん麻疹、寒冷じん麻疹、圧迫じん麻疹、水疱性類天疱瘡、鼻腔ポリポーシス、食物アレルギー及びアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)からなる群から選択される。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、本明細書に記載の抗体である。
別の態様では、対象におけるサイトカインのレベルを低減するための方法であって、有効量の抗CRTh2抗体を対象に投与することを含み、抗体が、対象におけるCRTh2発現細胞を枯渇させる方法が本明細書で提供される。幾つかの実施態様では、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン、及びロイコトリエンの1種又は複数が、対象において低減する。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、本明細書に記載の抗体である。
本明細書に記載の様々な実施態様の特性の1つ、いくつか又はすべてを組み合わせて、本発明の他の実施態様を形成してよいことが理解されよう。本発明のこれら及び他の態様は、当業者に明らかになる。本発明のこれら及び他の実施態様は、以下の詳細な説明によりさらに説明される。
CRTh2がヒト「Th2」生物細胞で発現されることを示す図である。CRTh2発現は、示すように、ヒトPBMC集団又は培養ヒト細胞上で抗ヒトCRTh2 Ab(BM16)を使用してフローサイトメトリーにより評価した。 CRTh2+メモリーCD4+T細胞が、CRTh2−メモリーCD4+T細胞と比較した場合に、95%を超えるメモリーCD4+T細胞Th2サイトカイン(Il−4、IL−5、IL13及びIL−9)を産生することを示す図である。CRTh2+CD45RO+及びCRTh2−CD45RO+メモリーCD4+T細胞を、ヒトPBMCからフローサイトメトリーにより単離し、抗CD3抗体及び抗CD28抗体で48時間37℃で刺激した。上清を回収し、Luminexにより示されるサイトカイン定量に供した。 細胞株で発現されたCRTh2又は初代好塩基球及び好酸球とのマウス又はヒト化抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図3Aは、コントロールAb(20ug/mlにて、着色したヒストグラム)と比較した、293細胞で発現されたヒト、アカゲザル又はカニクイザルのCRTh2、及びCRTh2を発現しない野生型293細胞とのマウス抗CRTh2ハイブリドーマ抗体(クローン19A2、8B1、31A5及び3C12)のフローサイトメトリーによる反応性を示す。使用した1次抗体濃度は、20ug/ml(黒色の線)、2ug/ml(灰色の線)及び0.2ug/ml(薄い灰色の線)であった。 細胞株で発現されたCRTh2又は初代好塩基球及び好酸球とのマウス又はヒト化抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図3Bは、アイソタイプコントロールAb(着色したヒストグラム)と比較した、300.19細胞で発現されたヒト、アカゲザル又はカニクイザルのアミノ末端フラグタグ化CRTh2、及びCRTh2を発現しない野生型300.19細胞とのマウス抗CRTh2抗体(mIgG2aでクローニングした19A2及び8B1)のフローサイトメトリーによる反応性を示す。使用した1次抗体濃度は、1ug/ml(ヒト、カニクイザル;黒色の線)又は5ug/ml(アカゲザル、野生型;黒色の線)及び0.5ug/ml(アカゲザル、野生型;灰色の線)であった。抗フラグAbは、0.7ug/mlで使用した。 細胞株で発現されたCRTh2又は初代好塩基球及び好酸球とのマウス又はヒト化抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図3Cは、ヒトPBMC上の好塩基球及び好酸球に対するマウス抗ヒトCRTh2抗体(19A2、8B1、31A5、3C12)のフローサイトメトリーによる反応性を示す。PBMCは、5ug/ml(黒色の線)、0.5ug/ml(灰色の線)で抗CRTh2抗体と、又は5ug/ml(薄い灰色の線)、0.5ug/ml(着色したヒストグラム)でアイソタイプコントロールAbとインキュベートした後に、蛍光性標識された2次抗マウスIgG、抗CD16、抗HLADR及び抗CD123とインキュベートした。 細胞株で発現されたCRTh2又は初代好塩基球及び好酸球とのマウス又はヒト化抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図3Dは、CRTh2を発現しない野生型293細胞と比較した、293細胞で発現されたアミノ末端gD−タグ化又はフラグタグ化ヒト、アカゲザル又はカニクイザルCRTh2とのヒト化h19A2.v1及び操作したヒト化h19A2.v12抗CRTh2抗体の反応性を示す。使用した1次抗CRTh2 Ab濃度は、10ug/ml(黒色の線)、1ug/ml(灰色の線)及び0.1ug/ml(薄い灰色の線)であった。アイソタイプコントロールAb(2H7、着色したヒストグラム)は、10ug/mlで使用し、抗gD抗体は、2ug/mlで使用し、抗フラグAbは、0.7ug/mlで使用した。 細胞株で発現されたCRTh2又は初代好塩基球及び好酸球とのマウス又はヒト化抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図3Eは、CRTh2を発現しない野生型300.19細胞と比較した、300.19細胞で発現されたアミノ末端gD−タグ化又はフラグタグ化ヒト、アカゲザル又はカニクイザルCRTh2とのヒト化h19A2.v1及び操作したヒト化h19A2.v12抗CRTh2抗体の反応性を示す。使用した1次抗CRTh2 Ab濃度は、10ug/ml(黒色の線)、1ug/ml(灰色の線)及び0.1ug/ml(薄い灰色の線)であった。アイソタイプコントロールAb(2H7、着色したヒストグラム)は、10ug/mlで使用し、抗gD抗体は、2ug/mlで使用し、抗フラグAbは、0.7ug/mlで使用した。 細胞株で発現されたCRTh2又は初代好塩基球及び好酸球とのマウス又はヒト化抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図3Fは、アイソタイプコントロールAb(着色したヒストグラム)と比較した、初代ヒト、カニクイザル及びアカゲザル好塩基球、並びに末梢血からの初代ヒト好酸球に対する10ug/ml(黒色の線)の抗CRTh2抗体h19A2.v1及びh19A2.v12のFACS結合を示す。 293細胞又は300.19細胞の表面で発現されたCRTh2に対する抗CRTh2抗体(mIgG又はhFab)の結合親和性のスキャッチャード解析を示す図である。図4Aは、示すように、293細胞又は300.19細胞上で発現されたヒトCRTh2に対するマウス抗CRTh2全抗体19A2及び8B1の放射性リガンド細胞結合アッセイを示す。抗CRTh2 Abについての解離定数(Kd)をグラフ中に示す。結合/合計は、結合した125I−標識された抗体及び抗体の合計の濃度の比を示し、合計は、125I−標識された抗体及び標識されていない抗体の濃度を示す。 293細胞又は300.19細胞の表面で発現されたCRTh2に対する抗CRTh2抗体(mIgG又はhFab)の結合親和性のスキャッチャード解析を示す図である。図4Bは、293細胞上で発現されたヒト又はカニクイザルCRTh2に対するヒト化h19A2.v12又はh19A2.v60 Fab断片の放射性リガンド細胞結合アッセイを示す。抗CRTh2 Abについての解離定数(Kd)をグラフ中に示す。結合/合計は、結合した125I−標識された抗体及び抗体の合計の濃度の比を示し、合計は、125I−標識された抗体及び標識されていない抗体の濃度を示す。 抗CRTh2抗体8B1及び3C12がPGD2誘導カルシウム動員を妨げることを示す図である。PGD2刺激に応答したインビトロ極性化Th2細胞からのTh2細胞部分集合(CD4+CCR4+CCR6−CXCR3−)のカルシウムフラックスを、抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体の存在下でフローサイトメトリーによりモニタリングした。CRTh2受容体アンタゴニストCAY10471は、ポジティブコントロールとして含める。 ヒトCRTh2 BACトランスジェニックマウスの設計及び特徴づけを示す図である。図6Aは、第11染色体上にヒトCRTh2遺伝子を含有する171kbゲノム領域を示し、これをC57BL/6マウスに導入して、hCRTh2 BACトランスジェニックマウスを作製した。 ヒトCRTh2 BACトランスジェニックマウスの設計及び特徴づけを示す図である。図6Bは、hCRTh2.Bac.Tg系統85における血液好塩基球(CD123+FceRI+)、血液好酸球(CCR3+)、腹腔肥満細胞(FceRI+CD117+)、膝窩リンパ節CD4+CD44hi T細胞(Th2極性化剤であるパパインにより誘導)、及び腸間膜リンパ節自然Tヘルパー2型細胞(マウスIL−17Eプラスミドのハイドロダイナミクス尾静脈注射によりLin−CD117+追加免疫)での、フローサイトメトリーによるヒトCRTh2発現(抗体BM16)を示す。比較のために、ヒト細胞でのヒトCRTh2発現のフローサイトメトリー解析を示す。好塩基球、好酸球及びIT2細胞は、PBMCから染色し、肥満細胞は、ヒト骨髄由来肥満細胞から染色し、Th2細胞(CCR4+CXCR3−)は、ヒトPBMCから単離したCD4+T細胞からTh2極性化条件下で区別した。 抗CRTh2抗体が血液好塩基球及び好酸球をインビボでヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて枯渇させることを示す図である。CRTh2+好塩基球(CD123+FceRI+)及び好酸球(CCR3+)のベースライン数は、抗CRTh2 Ab(示すように、19A2、3C12又は8B1)での処置前の−4日目(図7A)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、200ug/マウスi.v.(図7A)で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体で処置した。血液好塩基球及び好酸球枯渇は、示すように、3日目、6日目又は7日目に評価した。 抗CRTh2抗体が血液好塩基球及び好酸球をインビボでヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて枯渇させることを示す図である。CRTh2+好塩基球(CD123+FceRI+)及び好酸球(CCR3+)のベースライン数は、抗CRTh2 Ab(示すように、19A2、3C12又は8B1)での処置の4時間前(図7B)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、150ug/マウスi.v.(図7B)で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体を使用して処置した。血液好塩基球及び好酸球枯渇は、示すように、3日目、6日目又は7日目に評価した。抗ブタクサアイソタイプコントロール抗体と比較した抗CRTh2によるパーセント枯渇を、図7Bに示す。 抗CRTh2抗体19A2処置が自然免疫細胞を枯渇させ、hCRTh2.Bac.TgマウスにおけるTNP−OVA誘導慢性喘息モデルにおいてTh2気管支肺胞洗浄(BAL)サイトカイン産生を低減させたことを示す図である。図8Aは、フローサイトメトリーにより評価した肺組織中、及びフローサイトメトリーと組み合わせた示差細胞カウントにより評価したBAL中の好塩基球、好酸球及び肥満細胞の数を示す(図8A)。抗ブタクサアイソタイプコントロール抗体と比較した抗CRTh2によるパーセント枯渇を、グラフに示す。図8Bは、BAL中のELISAにより決定したIL−4及びIL−13の濃度を示す。アイソタイプコントロール抗体と比較した抗CRTh2処置によるパーセント低減を、グラフに示す。 抗CRTh2抗体19A2が、SCIDマウスにおいてヒトIL−4産生Th2細胞を、又はヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて自然ヘルパー2型(IT2)細胞を枯渇させることを示す図である。図9A:PBMCからのインビトロ極性化ヒトTh2細胞を、SCIDマウスに移行し、脱フコシル化抗CRTh2 19A2抗体又はアイソタイプコントロール抗体の存在下でrhIL−4と抗IFN−g及び抗IL−12 mAbを注射することにより、インビボで7日間さらに極性化させた。7日後に、IL−4又はIFN−g産生CD4 T細胞のパーセンテージを決定した。この目的のために、脾細胞を収集し、ブレフェルジンA(BFA)を刺激の最後の3時間の間に加えながらPdBu(50ng/mL)及びイオノマイシン(500ng/mL)で4.5時間エクスビボで刺激した。細胞を、抗hCD4で表面染色し、系列細胞を、抗mCD45、抗mTer119及び抗hCD19で染色した。細胞を固定し、抗hIFNg及び抗hIL−4で染色して、サイトカイン陽性細胞を検出した。 抗CRTh2抗体19A2が、SCIDマウスにおいてヒトIL−4産生Th2細胞を、又はヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて自然ヘルパー2型(IT2)細胞を枯渇させることを示す図である。図9B:ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスに、50ugマウスIL−17Eをコードするプラスミドを注射した後に、抗CRTh2又はアイソタイプコントロールAbを注射した。処置後3日目に、腸間膜リンパ節におけるIT2細胞のパーセンテージ及び総数をフローサイトメトリーにより決定した。抗ブタクサアイソタイプコントロール抗体と比較した抗CRTh2によるパーセント枯渇を、グラフに示す。 マウスの抗CRTh2抗体19A2の軽鎖(配列番号49)及び重鎖(配列番号61)可変領域のアミノ酸配列を示す図である。重鎖及び軽鎖のKabat CDR、Chothia CDR及びContact CDR配列を示す。 抗体19A2に由来するヒト化抗CRTh2抗体の軽鎖及び重鎖可変領域のアミノ酸配列アライメントを示す図である。図11Aは、軽鎖可変領域配列アライメントを示す。各抗体の軽鎖Kabat CDR、Chothia CDR及びContact CDR配列を示す(hu19A2.v1(配列番号38)、hu19A2.v12(配列番号39)、hu19A2.v46(配列番号39)、hu19A2.v52(配列番号40)、hu19A2.v58(配列番号42)、hu19A2.v60(配列番号41)、hu19A2.v61(配列番号42)、hu19A2.v62(配列番号41)、hu19A2.v63(配列番号43)、hu19A2.v64(配列番号42)、hu19A2.v65(配列番号43)、hu19A2.v66(配列番号44)、hu19A2.v67(配列番号45)、hu19A2.v68(配列番号44)、hu19A2.v69(配列番号45)、hu19A2.v70(配列番号46)、hu19A2.v71(配列番号47)、hu19A2.v72(配列番号48))。 抗体19A2に由来するヒト化抗CRTh2抗体の軽鎖及び重鎖可変領域のアミノ酸配列アライメントを示す図である。図11Bは、重鎖可変領域配列アライメントを示す。各抗体の重鎖Kabat CDR、Chothia CDR及びContact CDR配列を示す(hu19A2.v1(配列番号54)、hu19A2.v12(配列番号55)、hu19A2.v46(配列番号57)、hu19A2.v52(配列番号57)、hu19A2.v58(配列番号57)、hu19A2.v60(配列番号57)、hu19A2.v61(配列番号55)、hu19A2.v62(配列番号55)、hu19A2.v63(配列番号55)、hu19A2.v64(配列番号60)、hu19A2.v65(配列番号60)、hu19A2.v66(配列番号55)、hu19A2.v67(配列番号55)、hu19A2.v68(配列番号60)、hu19A2.v69(配列番号60)、hu19A2.v70(配列番号54)、hu19A2.v71(配列番号54)、hu19A2.v72(配列番号54))。 マウスの抗CRTh2抗体8B1及び3C12、並びにヒト化抗CRTh2 hu8B1.v1(mu8B1−軽鎖可変領域(配列番号50)、mu8B1−重鎖可変領域(配列番号62);mu3C12−軽鎖可変領域(配列番号51)、mu3C12−重鎖可変領域(配列番号63);hu8B1.v1−軽鎖可変領域(配列番号52)、hu8B1.v1−重鎖可変領域(配列番号64))の軽鎖及び重鎖可変領域のアミノ酸配列アライメントを示す図である。各抗体の軽鎖及び重鎖のKabat CDR、Chothia CDR及びContact CDR配列を示す。 マウスの抗CRTh2抗体31A5のアミノ酸配列を示す図である。抗体31A5の軽鎖及び重鎖のKabat CDR、Chothia CDR及びContact CDR配列を示す(mu31A5−軽鎖可変配列(配列番号53)、mu31A5−重鎖可変配列(配列番号65))。 ヒト化抗CRTh2抗体hu19A2.v1及びhu19A2.v52の軽鎖及び重鎖可変領域のアミノ酸配列アライメントを示す図である。図14Aは、軽鎖可変領域配列アライメントを示す(hu19A2.v1−軽鎖可変領域(配列番号38);hu19A2.v52−軽鎖可変領域(配列番号40))。各抗体の軽鎖Kabat CDR、Chothia CDR及びContact CDR配列を示す。図14Bは、重鎖可変領域配列アライメントを示す(hu19A2.v1−重鎖可変領域(配列番号54);hu19A2.v52−重鎖可変領域(配列番号57))。各抗体の重鎖Kabat CDR、Chothia CDR及びContact CDR配列を示す。 細胞株で発現されたCRTh2、又は初代好塩基球及び好酸球とのヒト化及びヒト化親和性成熟抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図15Aは、コントロールAb(1ug/ml、着色したヒストグラム)と比較した、293細胞で発現されたヒトCRTh2及びCRTh2を発現しない野生型293細胞との1ug/ml(黒色の線)及び0.1ug/ml(灰色の線)の19A2ヒト化(h19A2.v1)及びヒト化親和性成熟(h19A2.v46、h19A2.v52)抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す。 細胞株で発現されたCRTh2、又は初代好塩基球及び好酸球とのヒト化及びヒト化親和性成熟抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図15Bは、コントロールAb(0.55ug/ml、着色したヒストグラム)と比較した、293細胞で発現されたヒト、カニクイザル又はアカゲザルCRTh2及びCRTh2を発現しない野生型293細胞とのヒト化及びヒト化親和性成熟19A2抗CRTh2抗体(h19A2.v1、h19A2.v12、h19A2.v46、h19A2.v52)のフローサイトメトリーによる反応性を示す。使用した1次抗体濃度は、0.55ug/ml(黒色の線)、0.18ug/ml(非常に濃い灰色の線)、0.06ug/ml(濃い灰色の線)、0.02ug/ml(灰色の線)及び0.006ug/ml(薄い灰色の線)であった。 細胞株で発現されたCRTh2、又は初代好塩基球及び好酸球とのヒト化及びヒト化親和性成熟抗CRTh2抗体のフローサイトメトリーによる反応性を示す図である。図15Cは、ヒト、カニクイザル又はアカゲザルPBMC上の好塩基球及び好酸球に対するヒト化親和性成熟抗ヒトCRTh2抗体h19A2.v52のフローサイトメトリーによる反応性を示す。15ug/ml(黒色の線)、5ug/ml(非常に濃い灰色の線)、1.7ug/ml(濃い灰色の線)、0.6ug/ml(灰色の線)若しくは0.2ug/ml(薄い灰色の線)の蛍光性標識された抗CRTh2抗体、又は15ug/mlのアイソタイプコントロールAb(着色したヒストグラム)と、系列特異的抗体との組み合わせでPBMCをインキュベートして、材料及び方法に記載するようにして好塩基球及び好酸球を検出した。 293細胞の表面で発現されたCRTh2に対する抗CRTh2抗体(Fab断片)の結合親和性のスキャッチャード解析を示す図である。図16A−Bは、293細胞上で発現されたヒト又はカニクイザルCRTh2に対するヒト化h19A2.v52 Fab断片の相同競合放射性リガンド細胞結合アッセイを示す。図16C−Dは、293細胞で発現されたヒト又はカニクイザルCRTh2に対するヒト化h19A2.v46 Fab断片の相同競合放射性リガンド細胞結合アッセイを示す。抗CRTh2 Abについての解離定数(K)を、グラフに示す。結合/合計は、各アッセイで使用した、結合した125I−標識された抗体及び125I−標識された抗体の合計の比を示す。 ヒトCRTh2を発現する293細胞における、フォルスコリン誘導cAMPレベルのPGD2媒介性阻害に対する又はフォルスコリン誘導cAMPレベルに対する抗CRTh2抗体の作用を示す図である。図17Aは、抗CRTh2抗体h19A2.v52がヒトCRTh2を発現する293細胞におけるフォルスコリン誘導cAMPレベルのPGD2媒介性阻害に影響しないことを示す。これに対して、ヒト化h8B1抗体は、フォルスコリン誘導cAMPレベルのPGD2媒介性阻害を、用量依存的様式で阻害した。図17Bは、抗CRTh2抗体h8B1及びh19A2.v52がヒトCRTh2を発現する293細胞においてPGD2の非存在下でフォルスコリン誘導cAMPレベルに影響しないことを示す。これに対して、リガンドPGD2は、フォルスコリン誘導cAMPレベルを、用量依存的様式で低減した。 マウスの抗CRTh2抗体19A2(mIgG2a)が、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて、血液、脾臓及び骨髄においてインビボで好塩基球及び好酸球を枯渇させることを示す図である。CRTh2+好塩基球(CD123+FceRI+)及び好酸球(CCR3+)のベースライン数は、示すように、抗CRTh2 Ab 19A2での処置前の−7日目(図18A及び図18B)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、20ug/マウス又は100ug/マウスi.v.で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体で処置した。好塩基球及び好酸球枯渇は、示すように、3日目及び7日目に血液において(図18A及び図18B)フローサイトメトリーにより評価した。記号は、個体マウスからのデータを表す。 マウスの抗CRTh2抗体19A2(mIgG2a)が、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて、血液、脾臓及び骨髄においてインビボで好塩基球及び好酸球を枯渇させることを示す図である。CRTh2+好塩基球(CD123+FceRI+)及び好酸球(CCR3+)のベースライン数は、示すように、抗CRTh2 Ab 19A2での処置前の−7日目(図18A及び図18B)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、20ug/マウス又は100ug/マウスi.v.で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体で処置した。好塩基球及び好酸球枯渇は、示すように、3日目及び7日目に血液において(図18A及び図18B)フローサイトメトリーにより評価した。記号は、個体マウスからのデータを表す。 マウスの抗CRTh2抗体19A2(mIgG2a)が、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて、血液、脾臓及び骨髄においてインビボで好塩基球及び好酸球を枯渇させることを示す図である。CRTh2+好塩基球(CD123+FceRI+)及び好酸球(CCR3+)のベースライン数は、示すように、抗CRTh2 Ab 19A2での処置前の−7日目(図18A及び図18B)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、20ug/マウス又は100ug/マウスi.v.で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体で処置した。好塩基球及び好酸球枯渇は、示すように、7日目に脾臓及び骨髄(BM)において(図18C)フローサイトメトリーにより評価した。記号は、個体マウスからのデータを表す。 ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて、血液、脾臓及び骨髄における、ヒト化抗CRTh2抗体h19A2.v52(hIgG1)の単回投与後の好塩基球又は好酸球の枯渇の用量応答性及び期間を示す。CRTh2+好酸球(CCR3+)のベースライン数は、示すように、h19A2.v52での処置前の−3日目(図19A)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、10ug/マウス又は200ug/マウスi.v.で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体で処置した。好塩基球及び好酸球枯渇は、血液(図19A)において、示すように、2日目、7日目及び14日目にフローサイトメトリーにより評価した。記号は、個体マウスからのデータを表す。 ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて、血液、脾臓及び骨髄における、ヒト化抗CRTh2抗体h19A2.v52(hIgG1)の単回投与後の好塩基球又は好酸球の枯渇の用量応答性及び期間を示す。CRTh2+好酸球(CCR3+)のベースライン数は、示すように、h19A2.v52での処置前の−3日目(図19A)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、10ug/マウス又は200ug/マウスi.v.で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体で処置した。好塩基球及び好酸球枯渇は、脾臓(図19B)において、示すように、2日目、7日目及び14日目にフローサイトメトリーにより評価した。記号は、個体マウスからのデータを表す。 ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて、血液、脾臓及び骨髄における、ヒト化抗CRTh2抗体h19A2.v52(hIgG1)の単回投与後の好塩基球又は好酸球の枯渇の用量応答性及び期間を示す。CRTh2+好酸球(CCR3+)のベースライン数は、示すように、h19A2.v52での処置前の−3日目(図19A)に血液からフローサイトメトリーにより決定した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスは、10ug/マウス又は200ug/マウスi.v.で抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体で処置した。好塩基球及び好酸球枯渇は、骨髄(BM)(図19C)において、示すように、2日目、7日目及び14日目にフローサイトメトリーにより評価した。記号は、個体マウスからのデータを表す。 エフェクター機能を有する枯渇性抗CRTh2 19A2 mIgG2a抗体が、hCRTh2.Bac.TgマウスでのTNP−OVA誘導慢性喘息モデルにおける自然免疫細胞枯渇及びTh2 BALサイトカイン産生の減少において、非枯渇性抗CRTh2 19A2 mIgG2a_DANA Fc変異抗体よりも効果的であることを示す図である。図20Aは、フローサイトメトリーにより評価した肺組織中、及びフローサイトメトリーと組み合わせた示差細胞カウントにより評価したBAL中の好塩基球、好酸球及び肥満細胞の数を示す(図20A)。抗ブタクサアイソタイプコントロール抗体と比較した、抗CRTh2 19A2 mIgG2a抗体及びFc変異19A2 mIgG2a_DANA抗体によるパーセント枯渇を、グラフに示す。図20Bは、ELISAにより決定したBAL中のIL−4の濃度を示す。抗ブタクサアイソタイプコントロール抗体と比較した、抗CRTh2 19A2 mIgG2a抗体及びFc変異19A2 mIgG2a_DANA抗体によるパーセント低減を、グラフに示す。
I.定義
本明細書において、「アクセプターヒトフレームワーク」は、以下で定義するように、ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワーク又は重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列を含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワーク「に由来する」アクセプターヒトフレームワークは、それらの同じアミノ酸配列を含んでいてもよいし、アミノ酸配列変化を含んでいてもよい。幾つかの実施態様では、アミノ酸変化の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、又は2以下である。幾つかの実施態様では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列又はヒトコンセンサスフレームワーク配列と配列が同一である。
「親和性」は、分子(例えば抗体)の単一結合部位とその結合パートナー(例えば抗原)の間の非共有相互作用を合計した力を指す。別途指示がない限り、本明細書で使用する場合、「結合親和性」は、結合ペアのメンバー(例えば抗体と抗原)の間の1:1の相互作用を反映する、固有の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は、一般に、解離定数(Kd)によって表すことができる。親和性は、本明細書に記載のものを含めた、当該技術分野で知られている慣用法によって測定することができる。結合親和性の測定に関する具体的な例示的及び代表的な実施態様を以下に記載する。
「親和性成熟」抗体は、変更を有さない親抗体と比較して、1つ又は複数の超可変領域(HVR)中に1つ又は複数の変更を有し、そうした変更が抗原に対する抗体の親和性の改善をもたらす、抗体を指す。
用語「CRTh2」は、本明細書で使用する場合、別途指示がない限り、霊長類(例えば、ヒト、アカゲザル、カニクイザルCRTh2)及びげっ歯類(例えばマウス及びラット)のような任意の哺乳動物からの任意の天然CRTh2を指す。この用語は、「完全長」のプロセシングされていないCRTh2、及び細胞におけるプロセシングにより得られる任意の形態のCRTh2を包含する。この用語は、CRTh2の天然に存在する変異体、例えばスプライス変異体又は対立遺伝子変異体も包含する。例示的ヒトCRTh2のアミノ酸配列を、配列番号84に示す。例示的アカゲザルCRTh2のアミノ酸配列を、配列番号85に示す。例示的カニクイザルCRTh2のアミノ酸配列を、配列番号86に示す。例えば、L.Cosmiら、Eur.J.Immunol.30(10):2972−9(2000);K.Nagatら、FEBS Lett.459(2):195−9(1999)、及びK.Nagataら、J.Immunol.162(3):1278−86(1999)を参照されたい。
ヒトCRTh2配列(配列番号84)

アカゲザルCRTh2配列(NCBI参照番号XM_001084746)(配列番号85)

カニクイザルCRTh2配列(配列番号86)

用語「抗CRTh2抗体」及び「CRTh2に結合する抗体」は、抗体が、CRTh2のターゲティングにおいて、診断剤及び/又は治療剤として有用であるように、十分な親和性を有してCRTh2を結合することができる抗体を指す。一実施態様では、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定される無関係の非CRTh2タンパク質への抗CRTh2抗体の結合の程度は、CRTh2に対する抗体の結合の約10%未満である。ある種の実施態様では、CRTh2に結合する抗体は、≦1μM、≦100nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nM(例えば10−8M以下、例えば10−8Mから10−13M、例えば10−9Mから10−13M)の解離定数(Kd)を有する。ある種の実施態様では、抗CRTh2抗体は、様々な種のCRTh2の間で保存されている、CRTh2のエピトープに結合する。
本明細書では、用語「抗体」は、広義で使用され、これらに限定されないが、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)及び抗体断片を含めた様々な抗体構造を、それらが所望の抗原結合活性を示す限り、包含する。
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合するインタクトな抗体の一部を含む、インタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、これらに限定されないが、Fv、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖状抗体;単鎖抗体分子(例えばscFv);及び抗体断片から形成される多重特異性抗体が挙げられる。
基準抗体として「同じエピトープに結合する抗体」は、競合アッセイにおいて、その抗原への基準抗体の結合を50%以上ブロックする抗体を指し、逆に、競合アッセイにおいて、基準抗体は、その抗原への抗体の結合を50%以上ブロックする。例示的な競合アッセイを本明細書で提供する。
用語「キメラ」抗体は、重鎖及び/又は軽鎖の一部は特定の供給源又は種に由来するが、重鎖及び/又は軽鎖の残部は異なる供給源又は種に由来する抗体を指す。
抗体の「クラス」は、抗体の重鎖が有する定常ドメイン又は定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要なクラス、IgA、IgD、IgE、IgG及びIgMがあり、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えばIgG、IgG、IgG、IgG、IgA及びIgAにさらに分けることができる。免疫グロブリンの異なるクラスに相当する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ及びμと呼ばれる。
本明細書で使用する場合、用語「細胞傷害剤」は、細胞機能を阻害若しくは妨害する及び/又は細胞死若しくは細胞破壊を引き起こす物質を指す。細胞傷害剤としては、これらに限定されないが、放射性同位元素(例えば、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位元素);化学療法剤又は化学療法薬(例えば、メトトレキサート、アドリアマイシン、ビンカアルカロイド(ビンクリスチン、ビンブラスチン、エトポシド)、ドキソルビシン、メルファラン、マイトマイシンC、クロラムブシル、ダウノルビシン又は他の挿入剤);成長阻害剤;酵素及びその断片、例えば核酸分解酵素;抗生物質;毒素、例えば、細菌、真菌、植物又は動物起源の小分子毒素又は酵素的に活性な毒素(それらの断片及び/又は変異体を含む);並びに以下に開示する様々な抗腫瘍性又は抗がん性の薬剤が挙げられる。
「エフェクター機能」は、抗体アイソタイプによって異なる、抗体のFc領域に起因し得る生物活性を指す。抗体エフェクター機能の例としては、C1q結合及び補体依存性細胞傷害(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存性細胞介在性細胞傷害(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えばB細胞受容体)の下方制御、並びにB細胞活性化が挙げられる。
本明細書では、用語「Fc領域」は、定常領域の少なくとも一部を含む免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するのに使用される。この用語には、天然配列Fc領域及び変異Fc領域が含まれる。一実施態様では、ヒトIgG重鎖のFc領域は、Cys226又はPro230から重鎖のカルボキシル末端まで延びる。しかし、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在しても、存在しなくてもよい。本明細書で別途断りのない限り、Fc領域又は定常領域のアミノ酸残基の番号付けは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD、1991に記載されているような、EUインデックスとも呼ばれるEU番号付けシステムに従う。
「フレームワーク」又は「FR」は、超可変領域(HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、一般に、4つのFRドメイン、すなわちFR1、FR2、FR3及びFR4から成る。したがって、HVR配列及びFR配列は、一般に、VH(又はVL)中の次の配列、FR1−H1(L1)−FR2−H2(L2)−FR3−H3(L3)−FR4に出現する。
用語「完全長抗体」、「インタクトな抗体」、及び「全抗体」は、本明細書では、互換的に使用されて、天然の抗体構造と実質的に類似している構造を有する、又は本明細書で定義したFc領域を含む重鎖を有する抗体を指す。
用語「宿主細胞」、「宿主細胞株」及び「宿主細胞培養物」は、互換的に使用されて、外来性の核酸が導入された細胞(そうした細胞の後代を含む)を指す。宿主細胞には、「形質転換体」及び「形質転換細胞」が含まれ、これには、初代形質転換細胞、及び継代数とは関係なく、それに由来する後代が含まれる。後代は、核酸の含有量が親細胞と完全に同一でなくてもよく、変異を含んでいてもよい。元の形質転換細胞においてスクリーニング又は選択されたものと同じ機能又は生物活性を有する変異後代は、本明細書に含まれる。
「ヒト抗体」は、ヒト若しくはヒト細胞によって産生される、又はヒト抗体レパートリー若しくは他のヒト抗体をコードする配列を利用する非ヒトの供給源に由来する抗体のものに対応するアミノ酸配列を有する抗体である。ヒト抗体の本定義は、非ヒトの抗原結合残基を含むヒト化抗体を特に除外する。
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVL又はVHのフレームワーク配列の選択において、最も一般的に存在するアミノ酸残基に相当するフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVL又はVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからである。一般に、配列のサブグループは、Kabatら、Sequences of Proteins of Immunological Interest、第5版、NIH Publication 91−3242、Bethesda MD(1991)、1−3巻と同様のサブグループである。一実施態様では、VLについては、サブグループは、上述のKabatらと同様のサブグループカッパIである。一実施態様では、VHについては、サブグループは、上述のKabatらと同様のサブグループIIIである。
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基及びヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。ある種の実施態様では、ヒト化抗体は、少なくとも1つの、及び典型的には2つの可変ドメインのすべてを実質的に含み、すべて又は実質的にすべてのHVR(例えばCDR)は、非ヒト抗体のものに対応し、すべて又は実質的にすべのFRは、ヒト抗体のものに対応する。ヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。抗体、例えば非ヒト抗体の「ヒト化形態」は、ヒト化された抗体を指す。
本明細書で使用する場合、用語「超可変領域」又は「HVR」は、配列が超可変性である、及び/又は構造的に定められたループ(「超可変ループ」)を形成する、各抗体可変ドメイン領域を指す。一般に、天然の4鎖抗体は、6つのHVR、すなわちVH中の3つ(H1、H2、H3)及びVL中の3つ(L1、L2、L3)を含む。HVRは、一般に、超可変ループ由来及び/又は「相補性決定領域」(CDR)由来のアミノ酸残基を含み、後者は、配列変動性が最も高く、及び/又は抗原の認識に関与する。HVR領域は、本明細書で使用する場合、位置24−36(L1について)、46−56(L2について)、89−97(L3について)、26−35B(H1について)、47−65(H2について)、及び93−102(H3について)内にある任意の数の残基を含む。よって、HVRは、以前に記載した位置中の残基を含む:
A)24−34(L1)、50−52(L2)、91−96(L3)、26−32(H1)、53−55(H2)、及び96−101(H3)(Chothia及びLesk, J. Mol. Biol. 196:901-917 (1987))。
B)L1の24−34、L2の50−56、L3の89−97、H1の31−35B、H2の50−65、及びH3の95−102(Kabatら, Sequences of Proteins of Immunological Interest, 第5版Public Health Service, National Institutes of Health, Bethesda, MD (1991))。
C)30−36(L1)、46−55(L2)、89−96(L3)、30−35(H1)、47−58(H2)、93−100a−j(H3)(MacCallumらJ. Mol. Biol. 262:732-745 (1996))。
VH中のCDR1を除いては、CDRは、一般に、超可変ループを形成するアミノ酸残基を含む。CDRは、抗原と接触する残基である、「特異性決定残基」又は「SDR」も含む。SDRは、短縮CDR又はa−CDRと呼ばれるCDR領域内に含まれる。例示的なa−CDR(a−CDR−L1、a−CDR−L2、a−CDR−L3、a−CDR−H1、a−CDR−H2及びa−CDR−H3)は、アミノ酸残基L1の31−34、L2の50−55、L3の89−96、H1の31−35B、H2の50−58及びH3の95−102で生じる(Almagro及びFransson、Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照されたい)。別途指示がない限り、可変ドメインのHVR残基及び他の残基(例えばFR残基)は、本明細書では、上述のKabatらに従って番号付けする。
「イムノコンジュゲート」は、これに限定されないが、細胞傷害剤を含めた、1つ又は複数の異種分子(複数可)にコンジュゲートした抗体である。
「個体」又は「対象」は哺乳動物である。哺乳動物としては、これらに限定されないが、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト及びサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)が挙げられる。ある種の実施態様では、個体又は対象はヒトである。
「単離」抗体は、その天然環境の構成成分から分離された抗体である。幾つかの実施態様では、抗体は、例えば電気泳動(例えば、SDS−PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)又はクロマトグラフィー(例えば、イオン交換又は逆相HPLC)によって測定した時に95%を超える又は99%の純度に精製される。抗体純度の評価方法の総説については、例えば、Flatmanら、J.Chromatogr.B848:79−87(2007)を参照されたい。
「単離」核酸は、その天然環境の構成成分から分離された核酸分子を指す。単離核酸としては、核酸分子を通常含む細胞に含まれる核酸分子が挙げられるが、核酸分子は、染色体外に、又はその天然の染色体上の位置とは異なる染色体上の位置にも存在する。
「抗CRTh2抗体をコードする単離核酸」は、抗体の軽鎖及び重鎖(又はその断片)をコードする1つ又は複数の核酸分子を指す。これには、単一のベクター又は別々のベクター中のそうした核酸分子(複数可)が含まれ、そうした核酸分子(複数可)は、宿主細胞の1か所又は複数の位置に存在する。
本明細書で使用する場合、用語「モノクローナル抗体」は、例えば天然に存在する変異を含む又はモノクローナル抗体調製物の産生の間に生じる、あり得る変異体抗体(そうした変異体は、一般に少量存在している)を除いては、実質的に均一な抗体の集団(すなわち、集団を構成する個々の抗体が同一である及び/又は同じエピトープに結合する)から得られる抗体を指す。様々な決定基(エピトープ)に対する様々な抗体を典型的には含むポリクローナル抗体調製物と対照的に、モノクローナル抗体調製物の各モノクローナル抗体は、抗原の単一決定基に対するものである。したがって、修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られたという抗体の性質を示し、任意の特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきでない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体は、これらに限定されないが、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、及びヒト免疫グロブリン座の全体又は一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法を含めた種々の手法によって作製することができ、モノクローナル抗体を作製するためのそうした方法及び他の例示的方法は、本明細書に記載されている。
「裸抗体」は、異種部分(例えば細胞傷害性部分)又は放射標識にコンジュゲートしていない抗体を指す。裸抗体は、薬学的製剤に存在してもよい。
「天然の抗体」は、多様な構造を有する、天然に存在する免疫グロブリン分子を指す。例えば、天然のIgG抗体は、ジスルフィド結合した2つの同一の軽鎖及び2つの同一の重鎖から構成される、約150,000ダルトンのヘテロ四量体糖タンパク質である。N末端からC末端に、各重鎖は、可変重鎖ドメイン又は重鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VH)、続いて3つの定常ドメイン(CH1、CH2及びCH3)を有する。同様にN末端からC末端に、各軽鎖は、可変軽鎖ドメイン又は軽鎖可変ドメインとも呼ばれる可変領域(VL)、続いて定常軽鎖(CL)ドメインを有する。抗体の軽鎖は、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる2つのタイプのうちの1つに帰属させることができる。
用語「添付文書」は、治療用製品の商業的なパッケージに慣例上含まれ、そうした治療用製品の使用に関する、適応症、用法、投薬量、投与、併用療法、禁忌及び/又は注意についての情報を含む、説明書を指すのに使用される。
基準ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列を整列させ、最大の配列同一性パーセントを得るために必要に応じてギャップを導入した後の、いかなる保存的置換も配列同一性の一部としてみなさない、基準ポリペプチド配列中のアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージと定義される。アミノ酸配列同一性パーセントを決定するためのアライメントは、当該技術分野の範囲内の様々な方法で、例えば、公的に利用可能なコンピュータソフトウェア、例えばBLAST、BLAST−2、ALIGN又はMegalign(DNASTAR)ソフトウェアを使用して、達成することができる。当業者なら、比較する配列の完全長にわたる最大のアライメントを得るために必要とされる任意のアルゴリズムを含めて、配列を整列させるための適切なパラメーターを決定することができる。しかし、本明細書においては、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN−2を使用して得られる。ALIGN−2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.によって作製され、ソースコードは、米国著作権庁、Washington D.C.、20559に使用者用書類と共に提出され、米国著作権登録番号TXU510087の下で登録されている。ALIGN−2プログラムは、Genentech,Inc.、South San Francisco、Californiaから公的に利用可能であり、又はソースコードからコンパイルすることができる。ALIGN−2プログラムは、使用するために、デジタルUNIX V4.0Dを含めたUNIXオペレーティングシステムでコンパイルする必要がある。すべての配列比較パラメーターはALIGN−2プログラムによって設定され、変更しない。
ALIGN−2をアミノ酸配列の比較に用いる場合は、所与のアミノ酸配列Bへの、所与のアミノ酸配列Bとの、又は所与のアミノ酸配列Bに対する所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(あるいはこれは、所与のアミノ酸配列Bへの、所与のアミノ酸配列Bとの、又は所与のアミノ酸配列Bに対する特定のアミノ酸配列同一性%を有する又は含む所与のアミノ酸配列Aと表現することができる)は、以下のように計算される:分数X/Yの100倍、式中、Xは、AとBのプログラムのアライメントにおいて、配列アライメントプログラムALIGN−2によって、同一一致としてスコア化されたアミノ酸残基の数であり、Yは、Bのアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さが、アミノ酸配列Bの長さに等しくない場合は、BへのAのアミノ酸配列同一性%は、AへのBのアミノ酸配列同一性%に等しくないであろうことが理解されよう。特に具体的に明記しない限り、本明細書で使用するすべてのアミノ酸配列同一性%値は、ALIGN−2コンピュータプログラムを使用して、直前の段落に記載されているように得られる。
用語「薬学的製剤」は、その中に含まれる活性成分の生物活性を有効にするような形態であって、製剤を投与することになる対象にとって許容されない毒性を有する追加的な構成成分を含まない調製物を指す。
「薬学的に許容される担体」は、対象に非中毒性である、薬学的製剤中の活性成分以外の成分を指す。薬学的に許容される担体としては、これらに限定はされないが、バッファー、賦形剤、安定化剤又は防腐剤が挙げられる。
本明細書で使用する場合、用語「治療」は、臨床病理の過程において治療される個体又は細胞の自然経過を変化させるように設計された臨床的介入を指す。治療の望ましい作用としては、疾患進行速度の低下、病態の改善又は緩和、及び寛解又は予後の改善が挙げられる。幾つかの実施態様では、治療は、喘息の制御を改善し、喘息の増悪を低減し、肺機能を改善し、及び/又は患者が報告する症状を改善する。障害に付随する1つ又は複数の症状が軽減される又は解消するならば、個体の「治療」は成功している。
本明細書で使用する場合、「と併せて」は、別の治療モダリティーに加えてのある治療モダリティーの投与を指す。よって、「と併せて」は、個体への他の治療モダリティーの投与の前、最中又は後のある治療モダリティーの投与を指す。
本明細書で使用する場合、用語「予防(prevention)」は、個体における疾患の出現又は再発に関する予防(prophylaxis)を提供することを含む。個体は、障害にかかりやすい、障害に感受性である、又は障害を発生する危険性があるが、その障害についてまだ診断されていなくてもよい。幾つかの実施態様では、本明細書に記載の抗CRTh2抗体は、障害の発生を遅延させるために使用される。幾つかの実施態様では、本明細書に記載の抗CRTh2抗体は、喘息の増悪及び/又は肺機能若しくは喘息状態の減退を予防する。
本明細書で使用する場合、障害を発生する「危険性がある」個体は、検出可能な疾患又は疾患の症状を有していてもいなくてもよく、本明細書に記載の治療方法の前に検出可能な疾患又は疾患の症状を示していてもいなくてもよい。「危険性がある」とは、当該技術分野で知られるように、障害の発生に相関する測定可能なパラメーターである、1つ又は複数の危険因子を個体が有することを表示する。これらの1つ又は複数の危険因子を有する個体は、これらの1つ又は複数の危険因子を有さない個体よりも障害を発生する確率が高い。
「有効量」は、治療的又は予防的結果を含んで、所望の又は示される効果を達成するために少なくとも効果的な投薬量及び必要期間についての量を指す。有効量は、1回又は複数回の投与で提供できる。
「治療有効量」は、特定の障害の測定可能な改善をもたらすために必要な少なくとも最小限の濃度である。治療有効量は、本明細書では、患者の病状、年齢、性別及び体重、並びに個体において所望の応答を誘発するための抗体の能力のような因子によって異なってよい。治療有効量は、治療的に有利な作用が抗体の任意の毒性又は有害な作用を凌ぐものでもある。「予防的有効量」は、所望の予防的結果を達成するために効果的な投薬量及び必要期間についての量を指す。典型的に、しかし必須ではないが、予防的用量は疾患の前又は早期段階で対象において用いられるので、予防的有効量は、治療有効量より少ないことがあり得る。
用語「可変領域」又は「可変ドメイン」は、抗体の抗原への結合に関与する、抗体の重鎖又は軽鎖のドメインを指す。天然抗体の重鎖及び軽鎖(それぞれVH及びVL)の可変ドメインは、一般に、各ドメインが、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)及び3つの超可変領域(HVR)を含む、類似した構造を有する(例えば、Kindtら、Kuby Immunology第6版、W.H.Freeman and Co.、p91(2007)を参照されたい)。単一のVH又はVLドメインは、抗原結合特異性を付与するのに十分であり得る。さらに、抗原に結合する抗体由来のVH又はVLドメインを使用して、それぞれ相補的なVL又はVHドメインのライブラリーをスクリーニングし、特定の抗原を結合する抗体を単離することができる。例えば、Portolanoら、J.Immunol.150:880−887(1993);Clarksonら、Nature 352:624−628(1991)を参照されたい。
本明細書で使用する場合、用語「ベクター」は、それに結合した別の核酸を伝搬することができる核酸分子を指す。この用語には、自己複製核酸構造物としてのベクター及びそれが導入されている宿主細胞のゲノムに組み込まれたベクターが含まれる。ある種のベクターは、動作可能に連結された核酸の発現を指令することができる。そうしたベクターを、本明細書では、「発現ベクター」と称する。
「抗体依存性細胞介在性細胞傷害性」又は「ADCC」は、ある種の細胞傷害性細胞(例えばナチュラルキラー(NK)細胞、好中球及びマクロファージ)上に存在するFc受容体(FcR)に結合した分泌Igが、これらの細胞傷害性エフェクター細胞が抗原保有標的細胞に特異的に結合し、その後、標的細胞を細胞毒で殺すことができるようにすることができる形態の細胞傷害性のことをいう。抗体は、細胞傷害性細胞を「武装」させ、この機構により標的細胞を殺すために必要である。ADCCを媒介する主な細胞であるNK細胞はFcγRIIIのみを発現するが、単球は、FcγRI、FcγRII及びFcγRIIIを発現する。造血細胞上でのFc発現は、Ravetch及びKinet、Annu.Rev.Immunol.9:457−92(1991)の464頁の表3にまとめられている。対象の分子のADCC活性を評価するために、米国特許第5500362号又は第5821337号に記載されるようなインビトロADCCアッセイを実施してよい。そうしたアッセイのために有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。あるいは又はさらに、対象の分子のADCC活性は、インビボで、例えばClynesら、PNAS USA 95:652−656(1998)に開示されるような動物モデルにおいて評価してよい。
「補体依存性細胞傷害性」又は「CDC」は、補体の存在下での標的細胞の溶解を指す。古典的な補体経路の活性化は、補体系の第1成分(C1q)の、同族抗原に結合した(適当なサブクラスの)抗体への結合により開始される。補体活性化を評価するために、例えば、Gazzano−Santoroら、J.Immunol.Methods 202:163(1996)に記載されるようなCDCアッセイを実施してよい。
用語「喘息」は、様々な再発する症状、可逆的気流閉塞(例えば気管支拡張剤による)及び根底にある炎症に付随するか又はしないことがある気管支過感受性により特徴づけられる複合障害である。喘息の例としては、アスピリン感受性/増悪喘息、アトピー性喘息、重症喘息、軽症喘息、中度から重症の喘息、コルチコステロイドナイーブ喘息、慢性喘息、コルチコステロイド抵抗性喘息、コルチコステロイド難治性喘息、新しく診断され治療されていない喘息、喫煙による喘息、コルチコステロイドで制御されない喘息、及びJ Allergy Clin Immunol(2010)126(5):926−938に言及される他の喘息が挙げられる。喘息の症状としては、息切れ、咳(痰の産生及び/又は痰の質及び/又は咳の頻度の変化)、喘鳴、胸部絞扼感、気管支収縮及び上記の症状の1つに起因する夜間中途覚醒、あるいはこれらの症状の組み合わせが挙げられる(Juniperら(2000)Am. J. Respir. Crit. Care Med., 162(4), 1330-1334.)。
用語「軽症喘息」は、一般的に、症状又は増悪を週2回未満、夜間の症状を月2回未満経験し、増悪と増悪の間には無症状である患者を指す。軽症間欠性喘息は、以下のものを使用して必要に応じて治療される:吸入気管支拡張剤(短時間作用型吸入ベータ2−アゴニスト);既知のトリガーの回避;年1回のインフルエンザワクチン接種;6−10年ごとの肺炎球菌ワクチン接種、及び幾つかの場合では、同定されたトリガーへの曝露の前に吸入ベータ2−アゴニストであるクロモリン又はネドクロミル。患者の短時間作用型ベータ2−アゴニストに対する必要性が増えるならば(例えば短時間作用型ベータ2−アゴニストを急性の増悪のために1日3−4回より多く使用する、又は症状のために1月に1つより多い缶を用いる)、患者は、治療のステップアップを必要とすることがある。
用語「中度喘息」は、一般的に、患者が週2回より多くの増悪を経験し、増悪が睡眠及び活動に影響し、患者が月2回より多く喘息のために夜間中途覚醒し、患者が短時間作用型吸入ベータ2−アゴニストを毎日又は1日おきに必要とする慢性喘息症状を有し、患者の治療前ベースライン最大呼気流量(PEF)又は1秒間の強制呼気容量(FEV1)が予測の60−80パーセントであり、PEF変動が20−30パーセントである喘息を指す。
用語「重症喘息」は、一般的に、患者がほぼ連続的な症状、頻繁な増悪、喘息による頻繁な夜間中途覚醒、活動の制限、予測の60パーセント未満のPEF又はFEV1ベースライン、及び20−30パーセントのPEF変動を有する喘息を指す。
用語「FEV1」は、強制呼息の最初の1秒に吐き出された空気の容量を指す。これは、気道閉塞の尺度である。FEV1は、他の同様の様式、例えばFEVとして示されることがあり、そうした類似の変動はすべて同じ意味を有すると理解されよう。
用語「コルチコステロイド」は、グルココルチコイド及びミネラロコルチコイドを含む。例えば、コルチコステロイドとしては、これらに限定されないが、フルチカゾン(プロピオン酸フルチカゾン(FP)を含む)、ベクロメタゾン、ブデソニド、シクレソニド、モメタゾン、フルニソリド、ベタメサゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、及びトリアムシノロンが挙げられる。「吸入コルチコステロイド」は、吸入による送達に適するコルチコステロイドを意味する。例示的吸入コルチコステロイドは、フルチカゾン、ジプロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、フランカルボン酸モメタゾン、シクレソニド、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド及び現在入手可能又は将来入手可能になる他の何れかのコルチコステロイドである。吸入でき、長時間作用型ベータ2−アゴニストと混合されるコルチコステロイドとしては、これらに限定されないが、ブデソニド/フォルモテロール及びフルチカゾン/サルメテロールが挙げられる。
用語「サイトカイン」は、細胞間メディエーターとして別の細胞に対して作用するある細胞集団により放出されるタンパク質の包括的な用語である。そうしたサイトカインの例は、リンホカイン、モノカイン;PROLEUKIN(登録商標)rIL−2を含むIL−1、IL−1α、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−11、IL−12、IL−13、IL−15のようなインターロイキン(IL);TNF−α又はTNF−βのような腫瘍壊死因子β、並びにLIF及びkitリガンド(KL)を含む他のポリペプチド因子である。本明細書で使用する場合、用語サイトカインは、天然の供給元から又は組換え細胞培養物からのタンパク質、並びに合成的に産生された小分子並びにそれらの薬学的に許容される誘導体及び塩を含む、天然配列サイトカインの生物学的に活性な等価物を含む。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈がそうでないと明確に示さない限り、複数の言及を含む。例えば、「抗体」への言及は、モル量のような1つから多くの抗体までへの言及であり、当業者に既知のそれらの等価物を含む、などである。
本明細書に記載の本発明の態様及び実施態様は、「含む」、「からなる」及び「本質的にからなる」態様及び実施態様を含むと理解されよう。
II.組成物及び方法
一態様では、CRTh2に結合する抗体が本明細書で提供される。ある種の実施態様では、抗CRTh2は、ヒトCRTh2に結合し、有効量が対象(例えばヒト対象)に投与された場合に、CRTh2発現細胞を枯渇させる。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、非ヒト霊長類のCRTh2(例えば、アカゲザル又はカニクイザルCRTh2)にも結合する。本発明の抗体は、例えば、CRTh2発現細胞により媒介される障害の診断又は治療のために有用である。
例示的抗CRTh2抗体
一態様では、本発明は、CRTh2に結合する単離抗体を提供する。ある種の実施態様では、抗CRTh2抗体は、1つ又は複数の以下の特性を有する:(1)CRTh2(例えばヒトCRTh2)に結合し、有効量が対象に投与された場合に、CRTh2発現細胞(例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球及び/又は自然2型(IT2)細胞)を枯渇させる、(2)ADCCを改善するように操作されている、(3)脱フコシル化されている、又はフコシル化が低減されている、(4)少なくとも1つの以下の抗体のヒトCRTh2への結合を競合的に阻害する:19A2、8B1、31A5、3C12及び本明細書に記載の何れかのヒト化抗体、(5)少なくとも1つの以下の抗CRTh2抗体が結合するCRTh2エピトープと同じ又はオーバーラップするヒトCRTh2のエピトープに結合する:19A2、8B1、31A5、3C12及び本明細書に記載の何れかのヒト化抗体、(6)ヒト及び非ヒト霊長類のCRTh2(例えば、アカゲザル及び/又はカニクイザルCRTh2)に結合する、(7)CRTh2シグナル伝達をブロックする、(8)プロスタグランジンD2に応答したCRTh2発現細胞の動員を妨げる、(9)CRTh2発現細胞におけるCa2フラックスをブロックする、(10)アゴニスト活性を示さない、(11)CRTh2発現細胞(例えば、ヒトCRTh2を発現する293細胞)において、フォルスコリン誘導cAMPレベルを低減しない、及び(12)CRTh2発現細胞(例えば、ヒトCRTh2を発現する293細胞)において、プロスタグランジンD2により誘発されるフォルスコリン誘導cAMPレベルの阻害をブロックする。
別の態様では、本発明は、(a)マウス抗体19A2、8B1、31A5及び3C12、並びに本明細書に記載のヒト化抗体(例えば、hu8B1.v1、hu19A2.v1、v12、v38、v46、v47、v51−v53、v57、v58及びv60−v72)の何れか1つのHVR−L1、HVR−L2及びHVR−L3から選択される、少なくとも1つ、2つ若しくは3つのHVRを含む軽鎖可変領域、並びに/又は(b)マウス抗体19A2、8B1、3C12及び31A5、並びに本明細書に記載のヒト化抗体(例えば、hu8B1.v1、hu19A2.v1、v12、v38、v46、v47、v51−v53、v57、v58及びv60−v72)の何れか1つのHVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、2つ若しくは3つのHVRを含む重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体を提供する。幾つかの実施態様では、HVR−L1、HVR−L2、HVR−L3、HVR−H1、HVR−H2及びHVR−H3は、図10、11A、11B、12、13及び14に示すように、Kabat CDR、Chothia CDR又はContact CDR配列を含む。
別の態様では、本発明は、(i)配列番号22又は23のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−L2、(iii)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3、(iv)配列番号29又は30のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(v)配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(vi)配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つのHVRを含む抗CRTh2抗体を提供する。
別の態様では、本発明は、(i)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2、(iii)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3、(iv)配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(v)配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(vi)配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つのHVRを含む抗CRTh2抗体を提供する。
別の態様では、本発明は、(i)RASENIYXNLA(配列番号1)のアミノ酸配列を含むHVR−L1(式中、XはS、W又はYである)、(ii)AATQLAX(配列番号2)のアミノ酸配列を含むHVR−L2(式中、XはD、E又はSである)、(iii)QHFWITPWT(配列番号3)のアミノ酸配列を含むHVR−L3、(iv)XYXMS(配列番号4)のアミノ酸配列を含むHVR−H1(式中、XはS又はFであり、XはS、L又はKである)、(v)XISNGGSTTXYPGTVEG(配列番号5)のアミノ酸配列を含むHVR−H2(式中、XはY又はRであり、XはY又はDである)、(vi)HRTNWDFDY(配列番号6)のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又は6つのHVRを含む抗CRTh2抗体を提供する。
一態様では、本発明は、(a)配列番号29又は30のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVH HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様では、抗体は、配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。別の実施態様では、抗体は、配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3及び配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。さらなる実施態様では、抗体は、配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。さらなる実施態様では、抗体は、(a)配列番号29又は30のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
別の態様では、本発明は、(a)配列番号22又は23のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVL HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様では、抗体は、(a)配列番号22又は23のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
一態様では、本発明は、(a)配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVH HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様では、抗体は、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。別の実施態様では、抗体は、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3、及び配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。さらなる実施態様では、抗体は、配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。さらなる実施態様では、抗体は、(a)配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
別の態様では、本発明は、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVL HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様では、抗体は、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
一態様では、本発明は、(a)配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVH HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様では、抗体は、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。別の実施態様では、抗体は、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3及び配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。さらなる実施態様では、抗体は、配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む。さらなる実施態様では、抗体は、(a)配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む。
別の態様では、本発明は、(a)配列番号7、8又は9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号10、11又は12のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVL HVR配列を含む抗体を提供する。一実施態様では、抗体は、(a)配列番号7、8又は9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号10、11又は12のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
別の態様では、本発明の抗体は、(a)(i)配列番号29又は30のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号35又は36から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVH HVR配列を含むVHドメイン、並びに(b)(i)配列番号22又は23のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVL HVR配列を含むVLドメインを含む。
別の態様では、本発明は、(a)配列番号29又は30のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号22又は23のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(f)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。
別の態様では、本発明の抗体は、(a)(i)配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号37から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVH HVR配列を含むVHドメイン、並びに(b)(i)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVL HVR配列を含むVLドメインを含む。
別の態様では、本発明は、(a)配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(f)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。
別の態様では、本発明の抗体は、(a)(i)配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(ii)配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(iii)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVH HVR配列を含むVHドメイン、並びに(b)(i)配列番号7、8又は9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(ii)配列番号10、11又は12のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される、少なくとも1つ、少なくとも2つ又は3つすべてのVL HVR配列を含むVLドメインを含む。
別の態様では、本発明は、(a)配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号7、8又は9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号10、11、12のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(f)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む抗体を提供する。幾つかの実施態様では、抗体は、(a)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号18のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号7のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(f)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、(a)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(f)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(f)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、(a)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−H2、(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、(d)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(e)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(f)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む。
上記の実施態様のうちの何れかでは、抗CRTh2抗体は、単離抗体である。上記の実施態様のうちの何れかでは、抗CRTh2抗体は、ヒト化されている。一実施態様では、抗CRTh2抗体は、上記の実施態様のうちの何れかと同様のHVR、並びに図10、11、12、13及び14で示すHVR(Kabat CDR、Chothia CDR又はContact CDR配列を含むHVRを含む)を含み、アクセプターヒトフレームワーク、例えばヒト免疫グロブリンフレームワーク又はヒトコンセンサスフレームワークをさらに含む。別の実施態様では、抗CRTh2抗体は、上記の実施態様のうちの何れかと同様のHVRを含み、図11A、12及び14Aで示すFR(例えば、FR1、FR2、FR3又はFR4)配列を含むVLをさらに含む。別の実施態様では、抗CRTh2抗体は、上記の実施態様のうちの何れかと同様のHVR、並びに図10、11、12、13及び14で示すHVR(Kabat CDR、Chothia CDR又はContact CDR配列を含むHVRを含む)を含み、図11B、12及び14Bで示すFR(例えば、FR1、FR2、FR3又はFR)配列を含むVHをさらに含む。
ある種の実施態様では、本明細書に記載の抗CRTh2抗体は、Kabatによって定義されるHVR、例えば、CDR−H1、CDR−H2、CDR−H3、CDR−L1、CDR−L2及びCDR−L3を含む抗CRTh2抗体であって、各CDRが、本明細書でさらに記載するようにKabatによって定義される抗CRTh2抗体を含む。ある種の実施態様では、本明細書に記載の抗CRTh2抗体は、Chothiaにより定義されるHVR、例えば、CDR−H1、CDR−H2、CDR−H3、CDR−L1、CDR−L2及びCDR−L3を含む抗CRTh2抗体であって、各CDRが、本明細書でさらに記載するようにChothiaによって定義される抗CRTh2抗体を含む。ある種の実施態様では、本明細書に記載の抗CRTh2抗体は、Contact CDR配列により定義されるHVR、例えば、CDR−H1、CDR−H2、CDR−H3、CDR−L1、CDR−L2及びCDR−L3を含む抗CRTh2抗体であって、各CDRが、本明細書でさらに記載するようにContact CDR配列によって定義される抗CRTh2抗体を含む。
別の態様では、配列番号38−53からなる群から選択されるアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する軽鎖可変ドメイン(VL)を含む、抗CRTh2抗体が提供される。ある種の実施態様では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を有するVL配列は、基準配列に対して、置換(例えば保存的置換)、挿入又は欠失を含むが、その配列を含む抗CRTh2抗体は、CRTh2に結合する能力を保持する。ある種の実施態様では、配列番号38−53の何れかにおいて、合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸が、置換され、挿入され、及び/又は欠失する。ある種の実施態様では、置換、挿入又は欠失は、HVRの外側の領域(すなわちFR内)で生じる。任意選択的に、抗CRTh2抗体は、配列の翻訳後修飾を含めた、配列番号38−53からなる群から選択されるVL配列を含む。特定の実施態様では、VLは、(a)配列番号7−9からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号10−12からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む。特定の実施態様では、VLは、(a)配列番号22又は23のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号25のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む。特定の実施態様では、VLは、(a)配列番号24のアミノ酸配列を含むHVR−L1、(b)配列番号26のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び(c)配列番号28のアミノ酸配列を含むHVR−L3から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む。
別の態様では、抗CRTh2抗体は、配列番号54−65からなる群から選択されるのアミノ酸配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は100%の配列同一性を有する重鎖可変ドメイン(VH)配列を含む。ある種の実施態様では、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%又は99%の同一性を有するVH配列は、基準配列に対して、置換(例えば保存的置換)、挿入又は欠失を含むが、その配列を含む抗CRTh2抗体は、CRTh2に結合する能力を保持する。ある種の実施態様では、配列番号54−65の何れかにおいて、合計で1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸が、置換され、挿入され、及び/又は欠失する。ある種の実施態様では、置換、挿入又は欠失は、HVRの外側の領域(すなわちFR内)で生じる。任意選択的に、抗CRTh2抗体は、配列の翻訳後修飾を含めた、配列番号54−65の何れかのVH配列を含む。特定の実施態様では、VHは、(a)配列番号13−17からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号18−21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む。特定の実施態様では、VHは、(a)配列番号29又は30のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む。特定の実施態様では、VHは、(a)配列番号31のアミノ酸配列を含むHVR−H1、(b)配列番号34のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び(c)配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR−H3から選択される1つ、2つ又は3つのHVRを含む。
別の態様では、上記の実施態様のうちの何れかと同様のVH、及び上記の実施態様のうちの何れかと同様のVLを含む、抗CRTh2抗体が提供される。幾つかの実施態様では、抗体は、マウス抗体8B1、3C12、31A5及び19A2、並びにヒト化抗体hu19A2(v1、v12、v38、v46、v47、v51−v53、v57、v58及びv60−v72を含む)の何れかのVH配列を含む。幾つかの実施態様では、抗体は、マウス抗体8B1、3C12、31A5及び19A2、並びにヒト化抗体hu19A2(v1、v12、v38、v46、v47、v51−v53、v57、v58及びv60−v72を含む)の何れかのVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号54−60からなる群から選択されるVH配列及び配列番号38−48からなる群から選択されるVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号55のVH配列及び配列番号39のVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号57のVH配列及び配列番号41のVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号61のVH配列及び配列番号49のVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号62のVH配列及び配列番号50のVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号63のVH配列及び配列番号51のVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号64のVH配列及び配列番号52のVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号65のVH配列及び配列番号53のVL配列を含む。一実施態様では、抗体は、配列の翻訳後修飾を含めて、配列番号57のVH配列及び配列番号40のVL配列を含む。
さらなる態様では、本発明は、本明細書で提供する抗CRTh2抗体と同じエピトープに結合する抗体を提供する。例えば、ある種の実施態様では、マウス抗体8B1、3C12、31A5及び19A2、並びにヒト化抗体hu19A2(v1、v12、v38、v46、v47、v51−v53、v57、v58及びv60−v72を含む)と同じエピトープに結合する抗体が提供される。
さらなる態様では、ヒトCRTh2及び少なくとも1つの非ヒト霊長類CRTh2に結合する抗CRTh2抗体が提供される。ある種の実施態様では、抗CRTh2抗体は、ヒトCRTh2及びカニクイザルCRTh2に結合する。ある種の実施態様では、抗CRTh2抗体は、ヒトCRTh2及びアカゲザルCRTh2に結合する。ある種の実施態様では、抗CRTh2抗体は、ヒトCRTh2、アカゲザルCRTh2及びカニクイザルCRTh2に結合する。ある種の実施態様では、抗CRTh2抗体は、100nM未満のKでヒトCRTh2及び少なくとも1つの非ヒト霊長類CRTh2の両方に結合する(例えば、抗CRTh2抗体は、100nM未満のKでヒトCRTh2に結合し、100nM未満のKで少なくとも1つの非ヒト霊長類に結合する)。ある種の実施態様では、抗CRTh2抗体は、75nM、50nM、45nM、40nM、35nM、30nM、25nM、20nM、15nM又は10nM未満のKでヒトCRTh2及び少なくとも1つの非ヒト霊長類CRTh2の両方に結合する。ある種の実施態様では、ヒトCRTh2及び少なくとも1つの非ヒト霊長類CRTh2の両方に結合する抗CRTh2抗体は、枯渇性抗体、例えば本明細書にさらに記載するようにCRTh2発現細胞を枯渇させる抗体である。
本発明のさらなる態様では、上記の実施態様の何れかに記載の抗CRTh2抗体は、キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体を含めた、モノクローナル抗体である。一実施態様では、抗BCRTh2抗体は、抗体断片、例えばFv、Fab、Fab’、scFv、ダイアボディ又はF(ab’)断片である。別の実施態様では、抗体は、完全長抗体、例えば、インタクトなIgG1抗体、又は本明細書で定義する他の抗体クラス若しくはアイソタイプ(例えばIgG2、IgG3、又はIgG)である。幾つかの実施態様では、抗体は、配列番号77−83からなる群から選択される重鎖配列、及び/又は配列番号66−76からなる群から選択される軽鎖配列を含む。
さらなる態様では、上記の実施態様の何れかに記載の抗CRTh2抗体は、以下のセクションに記載されるような特色のうちの何れかを、単独で又は組み合わせて含むことができる。
抗体親和性
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体は、≦1μM、≦150nM、≦100nM、≦50nM、≦10nM、≦1nM、≦0.1nM、≦0.01nM、又は≦0.001nMの解離定数(Kd)を有する(例えば10−8M以下、例えば10−Mから10−13M、例えば、10−9Mから10−13M)。
一実施態様では、Kdは、以下のアッセイに記載されるように、目的のFab型抗体及びその抗原を用いて実施する放射標識抗原結合アッセイ(RIA)によって測定する。抗原に対するFabの溶液結合親和性は、滴定系列の非標識抗原の存在下で、最小濃度の(125I)標識抗原を用いてFabを平衡化し、次いで、抗Fab抗体をコーティングしたプレートを用いて結合した抗原を捕獲することによって測定する(例えば、Chenら、J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照されたい)。アッセイ条件を確立するために、MICROTITER(登録商標)マルチウェルプレート(Thermo Scientific)を50mM炭酸ナトリウム(pH9.6)に入れた5μg/mlの捕獲抗Fab抗体(Cappel Labs)で一晩コーティングし、続いて、PBSに入れた2%(w/v)ウシ血清アルブミンを用いて、2から5時間、室温(約23℃)でブロッキングする。非吸着プレート(Nunc#269620)において、100pM又は26pMの[125I]−抗原を目的のFabの段階希釈物と混合する(例えば、Prestaら、Cancer Res.57:4593−4599(1997)における抗VEGF抗体、Fab−12の評価と一致している)。次いで、目的のFabを一晩インキュベートする。しかしインキュベーションは、確実に平衡状態に達するように、より長期間(例えば約65時間)続けてもよい。その後、この混合物を捕獲プレートに移して、室温で(例えば、1時間)インキュベートする。次いで溶液を除去し、0.1%ポリソルベート20(TWEEN−20(登録商標))のPBS溶液でプレートを8回洗浄する。プレートが乾燥したら、150μl/ウェルの閃光物質(MICROSCINT−20(商標)、Packard)を加え、TOPCOUNT(商標)ガンマカウンター(Packard)でプレートを10分間カウントする。最大結合の20%以下を与える各Fabの濃度を選んで、競合的結合アッセイで使用する。幾つかの実施態様では、Kdは、細胞表面で発現されるCRTh2への抗体の結合について測定してもよい。
別の実施態様によれば、Kdは、〜10反応単位(RU)で固定化された抗原CM5チップを用いるBIACORE(登録商標)−2000又はBIACORE(登録商標)−3000(BIAcore,Inc.、Piscataway、NJ)を25℃で使用して、表面プラズモン共鳴アッセイによって測定する。簡単に述べると、供給業者の指示書に従って、カルボキシメチル化デキストランバイオセンサーチップ(CM5、BIACORE,Inc.)を、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)及びN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)で活性化する。抗原を、10mMの酢酸ナトリウム、pH4.8を用いて、5μg/ml(〜0.2μM)に希釈してから、5μl/分の流速で注入して、約10反応単位(RU)の結合タンパク質を得る。抗原の注入に続いて、1Mエタノールアミンを注入して、未反応基をブロックする。反応速度論的な測定のため、Fabの2倍段階希釈物(0.78nMから500nM)を、0.05%ポリソルベート20(TWEEN−20(商標))界面活性剤を含むPBS(PBST)に、約25μl/分の流速で25℃で注入する。結合速度(kon)及び解離速度(koff)を、単純な1対1ラングミュア結合モデル(BIACORE(登録商標)評価ソフトウェア3.2版)を使用して、結合センサーグラムと解離センサーグラムを同時に適合することによって計算する。平衡解離定数(Kd)を、比koff/konとして計算する。例えば、Chenら、J.Mol.Biol.293:865−881(1999)を参照されたい。上記の表面プラズモン共鳴アッセイによって、会合速度が10−1−1を超える場合は、流動停止を備えた分光光度計(Aviv Instruments)又は撹拌キュベットを備えた8000−シリーズSLM−AMINCO(商標)分光光度計(ThermoSpectronic)などの分光計で測定される、漸増濃度の抗原の存在下において、PBS、pH7.2に入れた20nMの抗抗原抗体(Fab型)の25℃での蛍光放出強度(励起=295nm;発光=340nm、16nm帯域通過)の増大又は低下を測定する蛍光消光技術を使用することによって、会合速度を決定することができる。
抗体断片
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体は抗体断片である。抗体断片としては、これらに限定されないが、Fab、Fab’、Fab’−SH、F(ab’)、Fv及びscFv断片並びに以下に記載する他の断片が挙げられる。特定の抗体断片の総説については、Hudsonら、Nat.Med.9:129−134(2003)を参照されたい。scFv断片の総説については、例えば、Pluckthun、The Pharmacology of Monoclonal Antibodies、113巻、Rosenburg及びMoore編、(Springer−Verlag、New York)、269−315頁(1994)を参照されたい。国際公開第93/16185号;並びに米国特許第5571894号及び第5587458号も参照されたい。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含み、インビボでの半減期が増大したFab及びF(ab’)断片の考察については、米国特許第5869046号を参照されたい。
ダイアボディは、二価又は二重特異性であり得る、2つの抗原結合部位を有する抗体断片である。例えば、欧州特許第404097号;国際公開第1993/01161号;Hudsonら、Nat.Med.9:129−134(2003);及びHollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA90:6444−6448(1993)を参照されたい。トリアボディ及びテトラボディも、Hudsonら、Nat.Med.9:129−134(2003)に記載されている。
シングルドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全体若しくは一部分、又は軽鎖可変ドメインの全体若しくは一部分を含む抗体断片である。ある種の実施態様では、シングルドメイン抗体は、ヒトシングルドメイン抗体(Domantis,Inc.、Waltham、MA;例えば、米国特許第6248516B1号を参照されたい)である。
抗体断片は、これらに限定されないが、本明細書に記載のように、インタクトな抗体のタンパク質消化並びに組換え宿主細胞(例えば大腸菌(E.coli)又はファージ)による産生を含めた様々な手法によって作製することができる。
キメラ抗体及びヒト化抗体
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体はキメラ抗体である。特定のキメラ抗体は、例えば、米国特許第4816567号;及びMorrisonら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:6851−6855(1984))に記載されている。一例を挙げれば、キメラ抗体は、非ヒト可変領域(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ又は非ヒト霊長類、例えばサルに由来する可変領域)及びヒト定常領域を含む。さらなる例を挙げれば、キメラ抗体は、クラス又はサブクラスが親抗体のものから変化した「クラススイッチ」抗体である。キメラ抗体は、その抗原結合性断片を含む。
ある種の実施態様では、キメラ抗体はヒト化抗体である。典型的には、非ヒト抗体は、ヒトに対する免疫原性を低減するためにヒト化されるが、非ヒト親抗体の特異性及び親和性を保持する。一般に、ヒト化抗体は、HVR、例えばCDR(又はその一部)が非ヒト抗体に由来し、FR(又はその一部)がヒト抗体配列に由来する、1つ又は複数の可変ドメインを含む。ヒト化抗体は、任意選択的に、ヒト定常領域の少なくとも一部も含む。幾つかの実施態様では、例えば、抗体特異性又は親和性を回復する又は改善するために、ヒト化抗体の幾つかのFR残基が、非ヒト抗体(例えば、HVR残基が由来する抗体)由来の対応する残基で置換される。
ヒト化抗体及びその作製方法は、例えば、Almagro及びFransson、Front.Biosci.13:1619−1633(2008)に概説されており、さらに、例えば、Riechmannら、Nature 332:323−329(1988);Queenら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA86:10029−10033(1989);米国特許第5821337号、第7527791号、第6982321号及び第7087409号;Kashmiriら、Methods 36:25−34(2005)(SDR(a−CDR)グラフティングを記載);Padlan、Mol.Immunol.28:489−498(1991)(「リサーフェシング」を記載);Dall’Acquaら、Methods 36:43−60(2005)(「FRシャッフリング」を記載);並びにOsbournら、Methods 36:61−68(2005)及びKlimkaら、Br.J.Cancer、83:252−260(2000)(FRシャッフリングに対する「誘導選択」手法を記載)に記載されている。
ヒト化に使用することができるヒトフレームワーク領域としては、これらに限定されないが、「ベストフィット」法を使用して選択されるフレームワーク領域(例えば、Simsら、J.Immunol.151:2296(1993)を参照されたい)、軽鎖又は重鎖可変領域の特定サブグループのヒト抗体のコンセンサス配列に由来するフレームワーク領域(例えば、Carterら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、89:4285(1992);及びPrestaら、J.Immunol.、151:2623(1993)を参照されたい)、ヒト成熟(体細胞変異)フレームワーク領域又はヒト生殖細胞系フレームワーク領域(例えば、Almagro及びFransson、Front.Biosci.13:1619-1633(2008)を参照されたい)、並びにFRライブラリーのスクリーニングから得られるフレームワーク領域(例えば、Bacaら、J.Biol.Chem.272:10678-10684(1997);及びRosokら、J.Biol.Chem.271:22611-22618(1996)を参照されたい)が挙げられる。
ヒト抗体
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体はヒト抗体である。ヒト抗体は、当該技術分野で知られている様々な手法を使用して産生することができる。ヒト抗体は、一般的に、van Dijk及びvan de Winkel、Curr.Opin.Pharmacol.5:368−74(2001)、並びにLonberg、Curr.Opin.Immunol.20:450−459(2008)に記載されている。
ヒト抗体は、抗原負荷に反応してインタクトなヒト抗体又はヒト可変領域を有するインタクトな抗体を産生するように改変されたトランスジェニック動物に免疫原を投与することによって調製することができる。そうした動物は、典型的にはヒト免疫グロブリン座の全体又は一部分を含み、ヒト免疫グロブリン座は、内因性の免疫グロブリン座に置き換わるか、又は染色体外に存在するか、若しくは動物の染色体にランダムに組み込まれる。そうしたトランスジェニックマウスでは、内因性の免疫グロブリン座は、一般に不活化されている。トランスジェニック動物からヒト抗体を得るための方法の総説については、Lonberg、Nat.Biotech.23:1117−1125(2005)を参照されたい。例えば、XENOMOUSE(商標)技術を記載する米国特許第6075181号及び第6150584号;HUMAB(登録商標)技術を記載する米国特許第5770429号;K−M MOUSE(登録商標)技術を記載する米国特許第7041870号、並びにVELOCIMOUSE(登録商標)技術を記載する米国特許出願公開第2007/0061900号も参照されたい。そうした動物によって生成されたインタクトな抗体由来のヒト可変領域は、例えば、異なるヒト定常領域と組み合わせることによって、さらに改変することができる。
ヒト抗体は、ハイブリドーマに基づく方法によって作製することもできる。ヒトモノクローナル抗体を産生するためのヒト骨髄腫及びマウス−ヒトヘテロ骨髄腫細胞株が記載されている(例えば、Kozbor J.Immunol.、133:3001(1984);Brodeurら、Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications、51-63頁(Marcel Dekker,Inc.、New York、1987);及びBoernerら、J.Immunol.、147:86(1991)を参照されたい)。ヒトB細胞ハイブリドーマ技術を介して生成されたヒト抗体も、Liら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、103:3557−3562(2006)に記載されている。さらなる方法としては、例えば、米国特許第7189826号(ハイブリドーマ細胞株からのモノクローナルヒトIgM抗体の産生を記載する)及びNi、Xiandai Mianyixue、26(4):265−268(2006)(ヒト−ヒトハイブリドーマを記載する)に記載されるものが挙げられる。ヒトハイブリドーマ技術(トリオーマ技術)も、Vollmers及びBrandlein、Histology and Histopathology、20(3):927−937(2005)、並びにVollmers及びBrandlein、Methods and Findings in Experimental and Clinical Pharmacology、27(3):185−91(2005)に記載されている。
ヒト抗体は、ヒト由来ファージディスプレイライブラリーから選択されたFvクローン可変ドメイン配列を単離することによって生成することもできる。次いで、そうした可変ドメイン配列を、所望のヒト定常ドメインと組み合わせることができる。ヒト抗体を抗体ライブラリーから選択する技法を以下に記載する。
ライブラリー由来抗体
本発明の抗体は、所望の活性(1又は複数)を有する抗体について、コンビナトリアルライブラリーをスクリーニングすることによって単離することができる。例えば、ファージディスプレイライブラリーを生成するための、及び所望の結合特性を有する抗体についてそうしたライブラリーをスクリーニングするための種々の方法が、当該技術分野で知られている。そうした方法は、例えば、Hoogenboomら、Methods in Molecular Biology 178:1−37(O’Brienら編、Human Press、Totowa、NJ、2001)に概説されており、さらに、例えば、McCaffertyら、Nature 348:552−554;Clacksonら、Nature 352:624−628(1991);Marksら、J.Mol.Biol.222:581−597(1992);Marks及びBradbury、Methods in Molecular Biology 248:161−175(Lo編、Human Press、Totowa、NJ、2003);Sidhuら、J.Mol.Biol.338(2):299−310(2004);Leeら、J.Mol.Biol.340(5):1073−1093(2004);Fellouse、Proc.Natl.Acad.Sci.USA101(34):12467−12472(2004);及びLeeら、J.Immunol.Methods 284(1−2):119−132(2004)に記載されている。
ある種のファージディスプレイ法では、Winterら、Ann.Rev.Immunol.12:433−455(1994)に記載されているように、VH及びVL遺伝子のレパートリーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により別々にクローニングし、ファージライブラリーにおいてランダムに組換え、次いでこれを、抗原結合ファージについてスクリーニングすることができる。ファージは、典型的には、単鎖Fv(scFv)断片又はFab断片の何れかとして、抗体断片を提示する。免疫化された供給源由来のライブラリーは、ハイブリドーマを構築する必要無しで、免疫原に対する高親和性抗体を提供する。あるいは、Griffithsら、EMBO J、12:725−734(1993)によって記載されているように、ナイーブレパートリーを(例えばヒトから)クローニングし、いかなる免疫化もせずに、幅広い非自己及び自己抗原に対して抗体の単一供給源を提供することができる。最後に、Hoogenboom及びWinter、J.Mol.Biol.、227:381−388(1992)によって記載されているように、再配列していないV−遺伝子セグメントを幹細胞からクローニングし、高度可変CDR3領域をコードし且つインビトロで再配列を達成するためのランダム配列を含むPCRプライマーを使用して、ナイーブライブラリーも合成的に作製することもできる。ヒト抗体ファージライブラリーを記載する特許公報としては、例えば、米国特許第5750373号、並びに米国特許公開第2005/0079574号、第2005/0119455号、第2005/0266000号、第2007/0117126号、第2007/0160598号、第2007/0237764号、第2007/0292936号及び第2009/0002360号が挙げられる。
ヒト抗体ライブラリーから単離された抗体又は抗体断片は、本明細書で、ヒト抗体又はヒト抗体断片とみなす。
多重特異性抗体
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体は、多重特異性抗体、例えば二重特異性抗体である。多重特異性抗体は、少なくとも2つの異なる部位に対する結合特異性を有するモノクローナル抗体である。ある種の実施態様では、結合特異性の1つはCRTh2に対してであり、他は、任意の他の抗原に対してである。ある種の実施態様では、二重特異性抗体は、CRTh2の2つの異なるエピトープに結合することができる。二重特異性抗体は、CRTh2を発現する細胞に細胞傷害剤を局在させるのに使用することもできる。二重特異性抗体は、完全長抗体又は抗体断片として調製することができる。
多重特異性抗体を作製するための技法としては、これらに限定されないが、異なる特異性を有する2つの免疫グロブリン重鎖−軽鎖ペアの組換え共発現(Milstein及びCuello、Nature 305:537(1983)、国際公開第93/08829号、及びTrauneckerら、EMBO J.10:3655(1991)を参照されたい)、並びに「knob−in−hole」エンジニアリング(例えば、米国特許第5731168号を参照されたい)が挙げられる。多重特異性抗体は、抗体のFc−ヘテロ二量体分子を作製するための静電ステアリング作用を操作すること(国際公開第2009/089004A1号)、2つ以上の抗体又は断片を架橋結合すること(例えば、米国特許第4676980号、及びBrennanら、Science、229:81(1985)を参照されたい)、ロイシンジッパーを使用して二重特異性抗体を産生すること(例えば、Kostelnyら、J.Immunol.、148(5):1547-1553(1992)を参照されたい)、「ダイアボディ」技術を使用して二重特異性抗体断片を作製すること(例えば、Hollingerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、90:6444-6448(1993)を参照されたい)、及び単鎖Fv(sFv)ダイマーを使用すること(例えば、Gruberら、J.Immunol.、152:5368(1994)を参照されたい)、及び例えば、TuttらJ.Immunol.147:60(1991)に記載されているような三重特異性抗体を調製することによって、作製することもできる。
「オクトパス抗体」を含めて、3つ以上の機能的抗原結合部位を有する操作された抗体も本明細書に含まれる(例えば、米国特許出願公開第2006/0025576A1号を参照されたい)。
本明細書の抗体又は断片には、CRTh2及び別の異なる抗原に結合する抗原結合部位を含む「二重作用FAb」又は「DAF」も含まれる(例えば米国特許出願公開第2008/0069820を参照されたい)。
抗体変異体
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体のアミノ酸配列変異体が企図される。例えば、抗体の結合親和性及び/又は他の生物学的な特性を改善することが望ましい場合もある。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適切な修飾を導入すること、又はペプチド合成によって調製することができる。そうした修飾としては、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、及び/又はその残基への挿入、及び/又はその残基の置換が挙げられる。最終的なコンストラクトが所望の特性、例えば、抗原結合を有することを条件として、最終的なコンストラクトを得るために、欠失、挿入及び置換を任意に組み合わせることができる。
置換、挿入及び欠失変異体
ある種の実施態様では、1つ又は複数のアミノ酸置換を有する抗体変異体が提供される。置換突然変異誘発の目的の部位は、HVR及びFRを含む。保存的置換を、表1において「保存的置換」の項目の下に示す。より実質的な変化を、表1おいて「例示的置換」の項目の下に提供し、アミノ酸側鎖クラスに関連して以下にさらに記載するように提供する。アミノ酸置換は、目的の抗体に導入することができ、その産物は、所望の活性、例えば、抗原結合の保持/改善、免疫原性の低下又はADCC又はCDCの改善についてスクリーニングされる。
表1

アミノ酸は、共通の側鎖特性によってグループ化することができる。
a.疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile、
b.中性の親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln、
c.酸性:Asp、Glu、
d.塩基性:His、Lys、Arg、
e.鎖の配向に影響を与える残基:Gly、Pro、
f.芳香族:Trp、Tyr、Phe 非保存的置換は、これらのクラスのうちの1つのメンバーを別のクラスと交換することを必要とするであろう。
置換変異体の1タイプは、親抗体(例えば、ヒト化抗体又はヒト抗体)の1つ又は複数の超可変領域残基を置換することを含む。一般に、さらなる研究のために選択された得られた変異体(複数可)は、親抗体と比較して、特定の生物学的な特性(例えば親和性の増大、免疫原性の低減)における改変(例えば改善)を有する、及び/又は実質的に保持された、親抗体の特定の生物学的な特性を有する。例示的置換変異体は親和性成熟抗体であり、これは、例えば、ファージディスプレイに基づく親和性成熟技法、例えば本明細書に記載のものを使用して、簡便に生成することができる。簡単に述べると、1つ又は複数のHVR残基を変異させ、変異体抗体をファージ上に提示し、特定の生物活性(例えば結合親和性)についてスクリーニングする。
変更(例えば置換)は、例えば抗体親和性を改善するために、HVRにおいて行うことができる。そうした変更は、HVRの「ホットスポット」、すなわち、体細胞成熟過程の間に高頻度で変異を受けるコドンによってコードされる残基(例えば、Chowdhury、Methods Mol.Biol.207:179-196(2008)を参照されたい)、及び/又はSDR(a−CDR)において行うことができ、得られた変異体VH又はVLは、結合親和性について試験される。2次ライブラリーを構築し、それから再選択することによる親和性成熟は、例えば、Hoogenboomら、Methods in Molecular Biology 178:1−37(O’Brienら編、Human Press、Totowa、NJ、(2001))に記載されている。親和性成熟の幾つかの実施態様では、種々の方法(例えば、エラープローンPCR、鎖シャフリング又はオリゴヌクレオチド指定突然変異)のうちの何れかによって、成熟のために選ばれた可変遺伝子中に多様性を導入する。次いで2次ライブラリーを作出する。次いで、このライブラリーをスクリーニングして、所望の親和性を有する任意の抗体変異体を同定する。多様性を導入するための別の方法は、幾つかのHVR残基(例えば、一度に4−6残基)をランダム化する、HVR指向性手法を含む。抗原結合に関与するHVR残基は、例えばアラニンスキャニング変異誘発又はモデル化を使用して、具体的に特定することができる。特にCDR−H3及びCDR−L3が標的にされることが多い。
ある種の実施態様では、置換、挿入又は欠失は、そうした変更が、抗体が抗原に結合する能力を実質的に低減しない限り、1つ又は複数のHVR内に生じてもよい。例えば、結合親和性を実質的に低減しない保存的変更(例えば、本明細書で提供する保存的置換)は、HVR内で行うことができる。そうした変更は、HVRの「ホットスポット」又はSDRの外側であってもよい。上記の変異体VH及びVL配列のある種の実施態様では、各HVRは、不変であるか、又は1つ、2つ若しくは3つ以下のアミノ酸置換を含むかの何れかである。
突然変異誘発の標的にされ得る抗体の残基又は領域を同定するのに有用な方法は、Cunningham及びWells(1989)Science、244:1081−1085によって記載されているように、「アラニンスキャニング変異誘発」と呼ばれる。この方法では、標的残基の残基又は集団(例えば、arg、asp、his、lys及びgluなどの荷電残基)を同定し、中性の又は負に荷電したアミノ酸(例えば、アラニン又はポリアラニン)で置き換えて、抗原との抗体の相互作用が影響を受けるかどうかを決定する。さらなる置換を、最初の置換に機能的感受性を示すアミノ酸の位置に導入することができる。あるいは、又はさらに、抗体と抗原の間の接触点を同定するための抗原抗体複合体の結晶構造。そうした接触残基及び隣接残基は、置換の候補として標的にされてもよいし、排除されてもよい。変異体をスクリーニングして、それらが所望の特性を含むかどうかを決定することができる。
アミノ酸配列挿入は、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長さに及ぶアミノ末端及び/又はカルボキシル末端融合、並びに単一又は複数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例としては、N末端メチオニル残基を有する抗体が挙げられる。抗体分子の他の挿入変異体としては、抗体の血清半減期を増大させる(例えばADEPTについての)酵素又はポリペプチドに対する抗体のN末端又はC末端への融合が挙げられる。
グリコシル化変異体
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増大又は低減するように変化させる。抗体に対するグリコシル化部位の付加又は欠失は、1つ又は複数のグリコシル化部位が作出される又は除去されるようにアミノ酸配列を変化させることによって、簡便に達成することができる。
抗体がFc領域を含む場合は、それに結合する炭水化物を変化させることができる。哺乳動物細胞によって産生される天然抗体は、一般に、Fc領域のCH2ドメインのAsn297へのN結合によって結合した、分枝した二分岐オリゴ糖を典型的には含む。例えば、Wrightら、TIBTECH15:26−32(1997)を参照されたい。オリゴ糖は、様々な炭水化物、例えば、マンノース、N−アセチルグルコサミン(GlcNAc)、ガラクトース及びシアル酸、並びに二分岐のオリゴ糖構造の「幹」のGlcNAcに結合したフコースを含み得る。幾つかの実施態様では、特定の改善した特性を有する抗体変異体を作出するために、本発明の抗体のオリゴ糖を修飾することができる。
一実施態様では、Fc領域に結合した炭水化物構造のフコースが低減している、又はフコースを欠くFc領域を含む抗体変異体であって、ADCC機能を改善し得る抗体変異体が提供される。具体的に、野生型CHO細胞で産生される同じ抗体上のフコースの量と比べてフコースが低減している抗体が本明細書で企図される。つまり、これらは、天然CHO細胞(例えば、天然FUT8遺伝子を含むCHO細胞のような、天然グリコシル化パターンを産生するCHO細胞)により産生されるならばそれらが有していたであろうよりも少ない量のフコースを有することにより特徴づけられる。ある種の実施態様では、抗体は、抗体上のN−結合グリカンの約50%、40%、30%、20%、10%又は5%未満がフコースを含むものである。例えば、そうした抗体のフコースの量は、1%から80%、1%から65%、5%から65%又は20%から40%であり得る。ある種の実施態様では、抗体は、抗体上のN−結合グリカンが何れもフコースを含まないもの、すなわち抗体がフコースを完全に含まない、又はフコースを有さない、又は脱フコシル化されているものである。フコースの量は、例えば国際公開第2008/077546号に記載されているように、MALDI−TOF質量分析法によって測定されるような、Asn297に結合したすべての糖構造体(例えば複合、ハイブリッド及び高マンノース構造体)の合計に対して、Asn297における糖鎖内のフコースの平均量を計算することによって決定する。Asn297は、Fc領域の約297位(Fc領域残基のEu番号付け)に位置するアスパラギン残基を指すが、抗体の軽微な配列バリエーションが原因で、Asn297は、297位の約±3アミノ酸上流又は下流、すなわち294位と300位の間に位置する可能性もある。そうしたフコシル化変異体は、改善したADCC機能を有し得る。例えば、米国特許出願公開第2003/0157108号(Presta,L.);米国特許出願公開第2004/0093621号(協和発酵工業株式会社)を参照されたい。「脱フコシル化」又は「フコース欠損」抗体変異体に関する刊行物の例としては、米国特許出願公開第2003/0157108号;国際公開第2000/61739号;国際公開第2001/29246号;米国特許出願公開第2003/0115614号;米国特許出願公開第2002/0164328号;米国特許出願公開第2004/0093621号;米国特許出願公開第2004/0132140号;米国特許出願公開第2004/0110704号;米国特許出願公開第2004/0110282号;米国特許出願公開第2004/0109865号;国際公開第2003/085119号;国際公開第2003/084570号;国際公開第2005/035586号;国際公開第2005/035778号;国際公開第2005/053742号;国際公開第2002/031140号;Okazakiら、J.Mol.Biol.336:1239−1249(2004);Yamane−Ohnukiら、Biotech.Bioeng.87:614(2004)が挙げられる。脱フコシル化抗体を産生することができる細胞株の例としては、タンパク質のフコシル化を欠いたLec13CHO細胞(Ripkaら Arch. Biochem. Biophys. 249:533-545(1986);米国特許出願公開第2003/0157108A1号、Presta,L;及び国際公開第2004/056312A1号、Adamsら、特に実施例11)、並びにノックアウト細胞株、例えば、α−1,6−フコシルトランスフェラーゼ遺伝子、FUT8のノックアウトCHO細胞(例えば、Yamane-Ohnukiら、Biotech.Bioeng.87:614(2004);Kanda,Y.ら、Biotechnol.Bioeng.、94(4):680-688(2006);及び国際公開第2003/085107号を参照されたい)が挙げられる。
抗体変異体は、二分されたオリゴ糖をさらに備えており、例えば、抗体のFc領域に結合した二分岐のオリゴ糖がGlcNAcによって二分されている。そうした抗体変異体は、フコシル化が低減されている、及び/又はADCC機能が改善されている可能性がある。そうした抗体変異体の例は、例えば、国際公開第2003/011878号(Jean−Mairetら);米国特許第6602684号(Umanaら);米国特許出願公開第2005/0123546(Umanaら)及びFerraraら、Biotechnology and Bioengineering、93(5):851−861(2006)に記載されている。Fc領域に結合したオリゴ糖中に少なくとも1つのガラクトース残基を有する抗体変異体も提供される。そうした抗体変異体は、CDC機能が改善されている可能性がある。そうした抗体変異体は、例えば、国際公開第1997/30087号(Patelら);国際公開第1998/58964号(Raju,S.);及び国際公開第1999/22764号(Raju,S.)に記載されている。
ある種の実施態様では、本明細書に記載のFc領域を含む抗体変異体は、FcγRIIIに結合できる。ある種の実施態様では、本明細書に記載のFc領域を含む抗体変異体は、ヒトエフェクター細胞の存在下でADCC活性を有する、又はヒト野生型IgG1Fc領域を含む抗体とそうでなければ同じ抗体と比較して、ヒトエフェクター細胞の存在下でADCC活性が増加している。
Fc領域変異体
ある種の実施態様では、1つ又は複数のアミノ酸修飾を、本明細書で提供する抗体のFc領域に導入することができ、それによって、Fc領域変異体を生成することができる。Fc領域変異体は、1つ又は複数のアミノ酸の位置に、アミノ酸修飾(例えば置換)を含むヒトFc領域配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3又はIgG4のFc領域)を含むことができる。
ある種の実施態様では、本発明は、インビボでの抗体半減期が重要であるけれども、特定のエフェクター機能(補体及びADCCなど)は不要又は有害である適用にとって望ましい候補とする、すべてではないが、いくらかのエフェクター機能を有する抗体変異体を企図する。インビトロ及び/又はインビボ細胞傷害性アッセイを行って、CDC及び/又はADCC活性の低減/喪失を確認することができる。例えば、Fc受容体(FcR)結合アッセイを行って、抗体がFcγR結合を欠く(したがって、ADCC活性を欠く可能性がある)が、FcRn結合能力を保持するということを確実にすることができる。ADCCを媒介するための主要な細胞であるNK細胞は、Fc(RIIIのみを発現するが、一方、単球はFc(RI、Fc(RII及びFc(RIIIを発現する。造血細胞でのFcRの発現は、Ravetch及びKinet、Annu.Rev.Immunol.9:457−492(1991)の464頁の表3に概説されている。目的の分子のADCC活性を評価するためのインビトロアッセイの非限定例は、米国特許第5500362号(例えばHellstrom,I.ら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA83:7059-7063(1986)を参照されたい)及びHellstrom,Iら、Proc.Nat’l Acad.Sci.USA82:1499-1502(1985);第5821337号(Bruggemann,M.ら、J.Exp.Med.166:1351-1361(1987)を参照されたい)に記載されている。あるいは、非放射性アッセイ法を用いることもできる(例えば、ACTI(商標)フローサイトメトリー用の非放射性細胞傷害性アッセイ(CellTechnology,Inc.Mountain View、CA);及びCytoTox96(登録商標)非放射性細胞傷害性アッセイ(Promega、Madison、WI)を参照されたい)。そうしたアッセイに有用なエフェクター細胞としては、末梢血単核細胞(PBMC)及びナチュラルキラー(NK)細胞が挙げられる。あるいは、又はさらに、目的の分子のADCC活性は、インビボで、例えば、ClynesらProc.Nat’l Acad.Sci.USA95:652−656(1998)に開示されているものなどの動物モデルで評価することができる。C1q結合アッセイを行って、抗体がC1qに結合することができず、それ故にCDC活性を欠くことを確認することもできる。例えば、国際公開第2006/029879号及び国際公開第2005/100402号のC1q及びC3c結合ELISAを参照されたい。補体活性化を評価するために、CDCアッセイを行うことができる(例えば、Gazzano-Santoroら、J.Immunol.Methods 202:163(1996);Cragg,M.S.ら、Blood 101:1045-1052(2003);並びにCragg,M.S.及びM.J.Glennie、Blood 103:2738-2743(2004)を参照されたい)。当該技術分野で知られている方法を使用して、FcRn結合及びインビボクリアランス/半減期の測定も行うことができる(例えば、Petkova,S.B.ら、Int’l.Immunol.18(12):1759-1769(2006)を参照されたい)。
エフェクター機能が低減した抗体としては、Fc領域残基238、265、269、270、297、327及び329の1つ又は複数の置換を有する抗体(米国特許第6737056)が挙げられる。そうしたFc突然変異体としては、残基265及び297からアラニンへの置換を有する、いわゆる「DANA」Fc突然変異体(米国特許第7332581号)を含めて、アミノ酸の位置265、269、270、297及び327の2つ以上の置換を有するFc突然変異体が挙げられる。
FcRへの結合が改善又は減弱された特定の抗体変異体が記載されている(例えば、米国特許第6737056号;国際公開第2004/056312号、及びShieldsら, J. Biol. Chem. 9(2): 6591-6604 (2001)を参照されたい)。
ある種の実施態様では、抗体変異体は、ADCCを改善する1つ又は複数のアミノ酸置換、例えば、Fc領域の位置298、333及び/又は334(残基のEU番号付け)での置換を有するFc領域を含む。例示的な実施態様では、抗CRTh2抗体は、Fc領域中に以下のアミノ酸置換を含む:S298A、E333A及びK334A。
幾つかの実施態様では、例えば、米国特許第6194551号、国際公開第99/51642号、及びIdusogieら、J.Immunol.164:4178−4184(2000)に記載されているように、変化した(すなわち、改善又は減弱した)C1q結合及び/又は補体依存性細胞傷害(CDC)をもたらす変更が、Fc領域中で行われる。
半減期が延び、母性IgGを胎児へ移行させるのに関与する(Guyerら, J. Immunol. 117:587 (1976)、及びKimら, J. Immunol. 24:249 (1994))新生児Fc受容体(FcRn)への結合が改善された抗体が、米国特許出願公開第2005/0014934A1号(Hintonら)に記載されている。それらの抗体は、FcRnへのFc領域の結合を改善する1つ又は複数の置換を有する、Fc領域を含む。そうしたFc変異体としては、Fc領域の残基238、256、265、272、286、303、305、307、311、312、317、340、356、360、362、376、378、380、382、413、424又は434の1つ又は複数での置換、例えば、Fc領域の残基434での置換(米国特許第7371826号)を有する変異体が挙げられる。
Fc領域変異体の他の例に関する、Duncan&Winter、Nature 322:738−40(1988);米国特許第5648260号;米国特許第5624821号;及び国際公開第94/29351号も参照されたい。
システイン操作抗体変異体
ある種の実施態様では、抗体の1つ又は複数の残基がシステイン残基で置換されているシステイン操作抗体、例えば「チオMAb」を作出することが望ましい場合もある。特定の実施態様では、置換残基は、抗体のアクセス可能な部位に存在する。そのような残基をシステインで置換することにより、反応性のチオール基は、それによって、抗体のアクセス可能な部位に配置され、本明細書でさらに記載するように、薬物部分又はリンカー−薬物部分などの他の部分に抗体をコンジュゲートして、イムノコンジュゲートを作出するのに使用することができる。ある種の実施態様では、以下の残基の任意の1つ又は複数をシステインで置換することができる:軽鎖のV205(カバット番号付け)、重鎖のA118(EU番号付け)、及び重鎖Fc領域のS400(EU番号付け)。システイン操作抗体は、例えば、米国特許第7521541号に記載されているように生成することができる。
抗体誘導体
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗体は、当該技術分野で知られており且つ容易に利用可能な付加的な非タンパク質性部分を含むように、さらに改変することができる。抗体の誘導体化に適した部分としては、これに限定されないが、水溶性ポリマーが挙げられる。水溶性ポリマーの非限定例としては、これらに限定されないが、ポリエチレングリコール(PEG)、エチレングリコール/プロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ−1,3−ジオキソラン、ポリ−1,3,6−トリオキサン、エチレン/無水マレイン酸共重合体、ポリアミノ酸(ホモポリマー又はランダム共重合体の何れか)、及びデキストラン又はポリ(n−ビニルピロリドン)ポリエチレングリコール、プロプロピレングリコールホモポリマー、プロリプロピレンオキシド/エチレンオキシド共重合体、ポリオキシエチル化ポリオール(例えばグリセロール)、ポリビニルアルコール、並びにそれらの混合物が挙げられる。ポリエチレングリコールプロピオンアルデヒドは、水中でのその安定性のため、製造における利点を有し得る。ポリマーは、いかなる分子量のものでもよく、分枝でも非分枝でもよい。抗体に結合したポリマーの数は変動する可能性があり、1ポリマーより多くが結合する場合は、それらは、同じ分子でも異なる分子でもよい。一般に、誘導体化に使用されるポリマーの数及び/又はタイプは、これらに限定されないが、改善される抗体の特定の特性又は機能、抗体誘導体が定められた条件下などで療法に使用されるかどうかなどを含めた考慮に基づいて決定することができる。
別の実施態様では、照射曝露によって選択的に加熱することができる抗体及び非タンパク質性部分のコンジュゲートが提供される。一実施態様では、非タンパク質性部分は、カーボンナノチューブ(Kamら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102: 11600-11605(2005))である。照射はいかなる波長でもよく、これに限定はされないが、通常の細胞を害さないが、抗体−非タンパク質性部分の近位細胞が死滅する温度に非タンパク質性部分を加熱する波長が挙げられる。
組換え法及び組成物
抗体は、例えば、米国特許第4816567号に記載されているような組換え法及び組成物を使用して産生することができる。一実施態様では、本明細書に記載の抗CRTh2抗体をコードする単離核酸が提供される。そうした核酸は、抗体のVLを含むアミノ酸配列及び/又は抗体のVHを含むアミノ酸配列(例えば、抗体の軽鎖及び/又は重鎖)をコードし得る。さらなる実施態様では、そうした核酸を含む1つ又は複数のベクター(例えば発現ベクター)が提供される。さらなる実施態様では、そうした核酸を含む宿主細胞が提供される。そうした実施態様の1つでは、宿主細胞は、以下のものを含む(例えば、以下のもので形質転換されている):(1)抗体のVLを含むアミノ酸配列及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含むベクター、又は(2)抗体のVLを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第1のベクター、及び抗体のVHを含むアミノ酸配列をコードする核酸を含む第2のベクター。一実施態様では、宿主細胞は、真核性であり、例えば、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞又はリンパ系細胞(例えば、Y0、NS0、Sp20細胞)である。一実施態様では、抗CRTh2抗体を作製する方法が提供され、この方法は、上記の抗体をコードする核酸を含む宿主細胞を、抗体の発現に適した条件下で培養すること、及び任意選択的に、宿主細胞(又は宿主細胞の培養培地)から抗体を回収することを含む。
抗CRTh2抗体を組換え産生するために、例えば上記のように、抗体をコードする核酸を単離し、さらなるクローニング及び/又は宿主細胞での発現のために、1つ又は複数のベクターに挿入する。そうした核酸は、従来の手順を使用して(例えば、抗体の重鎖及び軽鎖をコードする遺伝子に特異的に結合することができるオリゴヌクレオチドプローブを使用して)、容易に単離し、配列決定することができる。
抗体をコードするベクターのクローニング又は発現に適切な宿主細胞としては、本明細書に記載の原核生物細胞又は真核生物細胞が挙げられる。例えば、抗体は、特に、グリコシル化及びFcエフェクター機能が必要でない場合は、細菌で産生することができる。抗体断片及びポリペプチドの細菌での発現については、例えば、米国特許第5648237号、第5789199号及び第5840523号を参照されたい(大腸菌での抗体断片の発現を記載する、Charlton、Methods in Molecular Biology、248巻(B.K.C.Lo編、Humana Press、Totowa、NJ、2003)245−254頁も参照されたい)。発現させた後に、抗体を、可溶性画分の細菌細胞のペーストから単離することができ、さらに精製することができる。
原核生物に加えて、糸状菌又は酵母などの真核微生物が、抗体をコードするベクターにとってクローニング又は発現の適切な宿主であり、これには、グリコシル化経路が「ヒト化され」、その結果、部分的に又は完全なヒトグリコシル化パターンを有する抗体を産生する真菌及び酵母株が含まれる。Gerngross、Nat.Biotech.22:1409−1414(2004)、及びLiら、Nat.Biotech.24:210−215(2006)を参照されたい。
グリコシル化抗体の発現に適切な宿主細胞は、多細胞生物体(無脊椎動物及び脊椎動物)にも由来する。無脊椎動物細胞の例としては、植物細胞及び昆虫細胞が挙げられる。昆虫細胞と併せて使用することができる、特にヨトウガ(Spodoptera frugiperda)細胞のトランスフェクションのために使用することができる、多数のバキュロウイルス株が同定されている。
植物細胞培養物も宿主として利用することができる。例えば、米国特許第5959177号、第6040498号、第6420548号、第7125978号及び第6417429号(トランスジェニック植物で抗体を産生するためのPLANTIBODIES(商標)技術を記載する)を参照されたい。
脊椎動物細胞も宿主として使用することができる。例えば、懸濁液中で増殖するように適合されている哺乳動物細胞株は、有用であり得る。有用な哺乳動物宿主細胞株の他の例は、SV40(COS−7)によって形質転換されたサル腎臓CV1株、ヒト胎児性腎臓株(例えば、Grahamら、J.Gen Virol.36:59(1977)に記載されているような293又は293細胞)、ベビーハムスター腎臓細胞(BHK)、マウスセルトリ細胞(例えば、Mather、Biol.Reprod.23:243−251(1980)に記載されているようなTM4細胞)、サル腎臓細胞(CV1)、アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO−76)、ヒト子宮頚癌細胞(HELA)、イヌ腎臓細胞(MDCK)、バッファローラット肝細胞(BRL 3A)、ヒト肺細胞(W138)、ヒト肝細胞(Hep G2)、マウス乳房腫瘍(MMT060562)、例えば、Matherら、Annals N.Y.Acad.Sci.383:44−68(1982)に記載されているようなTRI細胞、MRC5細胞、及びFS4細胞である。他の有用な哺乳動物宿主細胞株としては、DHFRCHO細胞(Urlaubら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA77:4216(1980))を含めたチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞、及びY0、NS0及びSp2/0などの骨髄腫細胞株が挙げられる。抗体産生に適した特定の哺乳動物宿主細胞株の総説として、例えば、Yazaki及びWu、Methods in Molecular Biology、248巻(B.K.C.Lo編、Humana Press、Totowa、NJ)、255−268頁(2003)を参照されたい。
アッセイ
本明細書で提供する抗CRTh2抗体は、当該技術分野で知られている様々なアッセイによって、その物理的/化学的特性及び/若しくは生物活性を同定することができ、それらについてスクリーニングすることができ、又はそれらについて特徴を明らかにすることができる。
結合アッセイ及び他のアッセイ
一態様では、例えばELISA、ウェスタンブロットなどの既知の方法によって、本発明の抗体をその抗原結合活性について試験する。
別の態様では、競合アッセイを使用して、CRTh2への結合についてマウス抗体8B1、3C12、31A5及び19A2、並びにヒト化抗体hu19A2(v1、v12、v38、v46、v47、v51−v53、v57、v58及びv60−v72を含む)と競合する抗体を同定することができる。ある種の実施態様では、そうした競合抗体は、マウス抗体8B1、3C12、31A5及び19A2、並びにヒト化抗体hu19A2(v1、v12、v38、v46、v47、v51−v53、v57、v58及びv60−v72を含む)が結合するのと同じエピトープ(例えば、直鎖状又は立体構造エピトープ)に結合する。抗体が結合するエピトープをマッピングするための詳細な例示的方法は、Morris(1996)「Epitope Mapping Protocols」、Methods in Molecular Biology 66巻(Humana Press、Totowa、NJ)に提供されている。
例示的競合アッセイでは、固定化されているCRTh2又は細胞表面でCRTh2を発現する細胞を、CRTh2(例えば、ヒト又は非ヒト霊長類)に結合する第1の標識された抗体と、CRTh2への結合について第1の抗体と競合するその能力について試験される第2の標識されていない抗体とを含む溶液中でインキュベートする。第2の抗体は、ハイブリドーマ上清中に存在してもよい。コントロールとして、固定化されたCRTh2又はCRTh2を発現する細胞を、第1の標識抗体を含むが、第2の非標識抗体を含まない溶液中でインキュベートする。第1の抗体がCRTh2に結合可能な条件下でインキュベーションした後、過剰な未結合抗体を除去し、固定化されたCRTh2又はCRTh2を発現する細胞に結合した標識の量を測定する。固定化されたCRTh2又はCRTh2を発現する細胞に結合した標識の量が、コントロール試料と比較して試験試料中で実質的に低減する場合は、CRTh2への結合について、第2の抗体が第1の抗体と競合していることを示す。Harlow及びLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual第14章(Cold Spring Harbor Laboratory、Cold Spring Harbor、NY)を参照されたい。
活性アッセイ
当該技術分野で知られ、本明細書に記載(例えば、実施例1)のアッセイを使用して、抗CRTh2抗体の生物活性を同定して試験できる。幾つかの実施態様では、CRTh2発現細胞(例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球及び/又は自然2型(IT2)細胞)の枯渇について抗CRTh2抗体を試験するためのアッセイが提供される。生物活性についての例示的試験は、例えば、好塩基球及び好酸球のような免疫細胞上でヒトCRTh2を発現するトランスジェニックマウスを準備することと、抗CRTh2抗体をトランスジェニックマウスに投与することと、マウスの血液若しくは組織中のヒトCRTh2陽性細胞のレベル(例えば、数又はパーセンテージ)、又はマウスの血液若しくは組織中のCRTh2を発現することが知られている細胞型のレベル(例えば、数又はパーセンテージ)を測定することとを含むことができる。別の例示的試験は、例えば、ヒトCRTh2を発現するマウスを準備することと、既知の方法を使用してTNP−OVAでマウスを感作/負荷した後に、抗CRTh2抗体を投与することとを含むことができる。TNP−OVA負荷マウス肺組織、血液、BAL及びBALFを、CRTh2陽性細胞の存在又はCRTh2を発現することが知られている細胞型の存在について評価してよい。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体によるTh2サイトカイン産生細胞の枯渇を検出するためのアッセイが提供される。例えば、インビトロ極性化ヒトTh2細胞をSCIDマウスに腹腔内注射でき、抗CRTh2抗体をマウスに投与する。サイトカイン産生細胞のレベルは、PMA及びイオノマイシンを用いるエクスビボ刺激の後に評価できる。幾つかの実施態様では、抗CRTh2抗体は、これらのアッセイの何れかにおいて、CRTh2発現細胞の少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%及び100%の何れかを枯渇させることができる。
CRTh2シグナル伝達のブロッキングについて抗CRTh2抗体を試験するためのアッセイも提供される。CRTh2シグナル伝達を評価するための例示的方法は、CRTh2陽性細胞を準備することと、細胞を抗CRTh2抗体とインキュベートした後に、PGD2のようなリガンドで(フォルスコリンの存在又は非存在下で)刺激することと、最後に、当該技術分野で既知の任意の方法によって細胞内cAMP又はCa2+含有量の変化を測定することとを含むことができる。
TNP−OVA、パパイン又はプロスタグランジンD2に応答したCRTh2発現細胞の動員の防止について抗CRTh2抗体を試験するためのアッセイも提供される。PGD2に応答したCRTh2発現細胞の動員についての例示的試験は、免疫細胞(例えば、好塩基球及び好酸球)上でヒトCRTh2を発現するトランスジェニックマウスの気道に、抗CRTh2抗体の存在又は非存在下でPGD2を投与することと、肺組織及び気管支肺胞洗浄液へのCRTh2陽性細胞のその後の流入を評価することとを含むことができる。評価は、切除組織をCRTh2について染色すること、及びフローサイトメトリーによって細胞流入を決定すること、又は当該技術分野で既知の任意の他の方法を含む幾つかの方法で達成できる。
CRTh2発現細胞におけるCa2+フラックスのブロッキングについて抗CRTh2抗体を試験するためのアッセイも提供される。例示的試験は、PGD2のようなリガンドに応答したCa2+フラックスについてフローサイトメトリーを使用して細胞をモニタリングすることと、indo−1/AM色素及び抗CRTh2モノクローナル抗体とその後インキュベートすることとを含むことができる。
イムノコンジュゲート
本発明は、1種又は複数の細胞傷害剤、例えば、化学療法剤又は化学療法薬、成長阻害剤、毒素(例えば、細菌、真菌、植物若しくは動物起源のタンパク質毒素、酵素的に活性な毒素、又はそれらの断片)又は放射性同位体にコンジュゲートした、本明細書における抗CRTh2抗体を含むイムノコンジュゲートも提供する。
一実施態様では、イムノコンジュゲートは、これらに限定されないが、マイタンシノイド(米国特許第5208020号、第5416064号及び欧州特許第0425235B1号を参照されたい);モノメチルオーリスタチン薬物部分DE及びDF(MMAE及びMMAF)のようなオーリスタチン(米国特許第5635483号及び第5780588号及び第7498298号を参照されたい);ドラスタチン;カリケアマイシン又はその誘導体(米国特許第5712374号、第5714586号、第5739116号、第5767285号、第5770701号、第5770710号、第5773001号及び第5877296号;Hinmanら, Cancer Res. 53:3336-3342 (1993)、並びにLodeら, Cancer Res. 58:2925-2928 (1998)を参照されたい);ダウノマイシン又はドキソルビシンのようなアントラサイクリン(Kratzら, Current Med. Chem. 13:477-523 (2006); Jeffreyら, Bioorganic & Med. Chem. Letters 16:358-362 (2006); Torgovら, Bioconj. Chem. 16:717-721 (2005); Nagyら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 97:829-834 (2000); Dubowchikら, Bioorg. & Med. Chem. Letters 12:1529-1532 (2002); Kingら, J. Med. Chem. 45:4336-4343 (2002)及び米国特許第6630579号を参照されたい);メトトレキサート;ビンデシン;ドセタキセル、パクリタキセル、ラロタキセル、テセタキセル及びオルタタキセルのようなタキサン;トリコテセン;並びにCC1065を含む1種又は複数の薬物に抗体がコンジュゲートされた、抗体−薬物コンジュゲート(ADC)である。
別の実施態様では、イムノコンジュゲートは、これらに限定されないが、ジフテリアA鎖、ジフテリア毒素の非結合活性断片、外毒素A鎖(緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)由来)、リシンA鎖、アブリンA鎖、モデシンA鎖、α−サルシン、シナアブラギリ(Aleurites fordii)タンパク質、ジアンチンタンパク質、ヨウシュヤマゴボウ(Phytolaca americana)タンパク質(PAPI、PAPII及びPAP−S)、ニガウリ(momordica charantia)阻害剤、クルシン、クロチン、サボンソウ(sapaonaria officinalis)阻害剤、ゲロニン、ミトゲリン(mitogellin)、レストリクトシン、フェノマイシン、エノマイシン及びトリコテセンを含む、酵素的に活性な毒素又はその断片にコンジュゲートされた本明細書に記載の抗体を含む。
別の実施態様では、イムノコンジュゲートは、放射性原子にコンジュゲートされて放射性コンジュゲートを形成した、本明細書に記載の抗体を含む。種々の放射性同位体が、放射性コンジュゲートを産生するのに利用可能である。例としては、At211、I131、I125、Y90、Re186、Re188、Sm153、Bi212、P32、Pb212及びLuの放射性同位体が挙げられる。検出に放射性コンジュゲートが使用される場合、放射性コンジュゲートは、シンチグラフィー研究用に放射性原子、例えばtc99m若しくはI123を含むことができ、又は核磁気共鳴(NMR)画像化(磁気共鳴画像化、mriとしても知られる)用にスピン標識、例えば再びヨウ素−123、ヨウ素−131、インジウム−111、フッ素−19、炭素−13、窒素−15、酸素−17、ガドリニウム、マンガン若しくは鉄を含むことができる。
抗体及び細胞傷害剤のコンジュゲートは、種々の二官能性タンパク質カップリング剤、例えばプロピオン酸N−スクシンイミジル−3−(2−ピリジルジチオ)(SPDP)、スクシンイミジル−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボキシレート(SMCC)、イミノチオラン(IT)、イミドエステルの二官能性誘導体(アジプイミド酸ジメチルHCl)、活性エステル(スベリン酸ジスクシンイミジルなど)、アルデヒド(グルタルアルデヒドなど)、ビス−アジド化合物(ビス(p−アジドベンゾイル)ヘキサンジアミンなど)、ビス−ジアゾニウム誘導体(ビス−(p−ジアゾニウムベンゾイル)−エチレンジアミンなど)、ジイソシアネート(トルエン2,6−ジイソシアネートなど)、及びビス−活性フッ素化合物(1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼンなど)を使用して作製できる。例えば、リシン免疫毒素は、Vitettaら、Science238:1098(1987)に記載されるようにして調製できる。炭素−14−標識された1−イソチオシアナトベンジル−3−メチルジエチレントリアミン五酢酸(MX−DTPA)は、放射性ヌクレオチドの、抗体へのコンジュゲーションについての例示的キレート剤である。国際公開第94/11026号を参照されたい。リンカーは、細胞において細胞傷害性薬物の放出を促進する「切断可能なリンカー」でもよい。例えば、酸不安定性リンカー、ペプチダーゼ感受性リンカー、感光性リンカー、ジメチルリンカー又はジスルフィド含有リンカー(Chariら, Cancer Res. 52:127-131 (1992);米国特許第5208020号)を使用できる。
本明細書でのイムノコンジュゲート又はADCは、これらに限定されないが、市販である(例えばPierce Biotechnology,Inc.、Rockford、IL.、U.S.Aから)BMPS、EMCS、GMBS、HBVS、LC−SMCC、MBS、MPBH、SBAP、SIA、SIAB、SMCC、SMPB、SMPH、スルホ−EMCS、スルホ−GMBS、スルホ−KMUS、スルホ−MBS、スルホ−SIAB、スルホ−SMCC及びスルホ−SMPB、並びにSVSB(スクシンイミジル−(4−ビニルスルホン)ベンゾエート)を含む架橋剤を使用して調製されるそうしたコンジュゲートを特に意図するが、これらに限定されない。
診断及び検出のための方法及び組成物
ある種の実施態様では、本明細書で提供する抗CRTh2抗体のうちの何れかは、生体試料におけるCRTh2の存在を検出するのに有用である。本明細書で使用する場合、用語「検出」は、定量的又は定性的検出を包含する。ある種の実施態様では、生体試料は、細胞又は組織、例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球又は自然2型(IT2)細胞を含む。
一実施態様では、診断又は検出の方法で使用するための抗CRTh2抗体が提供される。さらなる態様では、生体試料におけるCRTh2の存在を検出する方法が提供される。ある種の実施態様では、方法は、抗CRTh2抗体がCRTh2に結合可能な条件下で、本明細書に記載のように、抗CRTh2抗体に生体試料を接触させること、及び抗CRTh2抗体及びCRTh2の間で複合体が形成されているかどうかを検出することを含む。そうした方法は、インビトロの方法でもよいし、インビボの方法でもよい。一実施態様では、例えば、CRTh2が患者を選択するためのバイオマーカーである場合、抗CRTh2抗体は、抗CRTh2抗体を用いる療法に好適な対象を選択するのに使用される。
本発明の抗体を使用して診断することができる例示的障害としては、喘息、微量顆粒球性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、急性又は慢性気道過敏症、好酸球増多症候群、好酸球性食道炎、チャーグ−ストラウス症候群、特発性肺線維症、サイトカインに関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する炎症又は悪性腫瘍、慢性特発性じん麻疹、慢性自発性じん麻疹、寒冷じん麻疹及び圧迫じん麻疹を含む物理的じん麻疹、水疱性類天疱瘡、鼻腔ポリポーシス、食物アレルギー、及び嚢胞性線維症随伴性又は非随伴性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)が挙げられる。
ある種の実施態様では、標識抗CRTh2抗体が提供される。標識には、これらに限定されないが、(蛍光、発色団、高電子密度、化学発光、及び放射性標識などの)直接的に検出される標識又は部分、並びに例えば、酵素反応又は分子の相互作用を介して間接的に検出される、酵素又はリガンドなどの部分が挙げられる。例示的標識としては、これらに限定されないが、放射性同位体の32P、14C、125I、H及び131I、希土類キレート又はフルオレセインなどのフルオロフォア及びその誘導体、ローダミン及びその誘導体、ダンシル、ウンベリフェロン、ルシフェラーゼ、例えばホタルルシフェラーゼ及び細菌ルシフェラーゼ(米国特許第4737456号)、ルシフェリン、2,3−ジヒドロフタラジンジオン類、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、グルコアミラーゼ、リゾチーム、糖類オキシダーゼ、例えばグルコースオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、複素環式オキシダーゼ、例えばウリカーゼ及びキサンチンオキシダーゼ、色素前駆体を酸化するために過酸化水素を用いる酵素、例えばHRP、ラクトペルオキシダーゼ又はミクロペルオキシダーゼとの結合、ビオチン/アビジン、スピン標識、バクテリオファージ標識、安定なフリーラジカルなどが挙げられる。
薬学的製剤
本明細書に記載の抗CRTh2抗体の薬学的製剤は、所望の純度を有するそうした抗体を1つ又は複数の任意選択的な薬学的に許容される担体(Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版, Osol, A.編(1980))と混合することによって、凍結乾燥製剤又は水性液剤の形で調製される。薬学的に許容される担体は、一般に、用いる投薬量及び濃度においてレシピエントに対して非中毒性であり、これらに限定されないが、リン酸、クエン酸及び他の有機酸などのバッファー;アスコルビン酸及びメチオニンを含めた抗酸化剤;防腐剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル若しくはベンジルアルコール;メチル若しくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;及びm−クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン若しくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース若しくはデキストリンを含めた、単糖類、二糖類及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート剤;ショ糖、マンニトール、トレハロース又はソルビトールなどの糖;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば亜鉛−タンパク質錯体);並びに/又はポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性の界面活性剤が挙げられる。本明細書において例示的な薬学的に許容される担体としては、可溶性の中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)などの間質薬物分散剤、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)などのヒト可溶性PH−20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質をさらに含む。特定の例示的sHASEGP及び使用方法は、rHuPH20を含めて、米国特許公開第2005/0260186号及び第2006/0104968号に記載されている。一態様では、sHASEGPは、コンドロイチナーゼなどの1つ又は複数の追加的なグルコサミノグリカナーゼと組み合わせる。
例示的な凍結乾燥抗体製剤は、米国特許第6267958号に記載されている。水性抗体製剤には、米国特許第6171586号及び国際公開第2006/044908号に記載されているものが含まれ、後者の製剤は、ヒスチジン−酢酸バッファーを含む。
本明細書の製剤は、治療される特定の適応症に必要である場合、1種より多い活性成分、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的な活性を有するものを含むこともできる。例えば、これらに限定されないが、以下のものをさらに提供することが望ましい:IL4阻害剤(例えば、AER−001、IL4/IL13trap又は抗IL4抗体)、IL5阻害剤(例えば、メポリズマブ、CAS No.196078−29−2;レシリズマブ又は別の抗IL5抗体)、IL9阻害剤(例えば、MEDI−528又は別の抗IL9抗体)、IL13阻害剤(例えば、IMA−026、IMA−638(アンルキンズマブとも呼ばれる、INN No.910649−32−0;QAX−576;IL4/IL13 trap)、トラロキヌマブ(CAT−354とも呼ばれる、CAS No.1044515−88−9);AER−001、ABT−308(ヒト化13C5.5抗体とも呼ばれる)又は別の抗IL13抗体)、抗IL17抗体、抗IL25抗体、抗IL33抗体、抗TSLP抗体、抗OX40L抗体、抗OX40抗体、IL−4−受容体アルファ−阻害剤(例えば、AMG−317、AIR−645又は別の抗IL4Ra抗体)、抗IL5Ra抗体、抗17RA抗体、あるいは抗CCR4抗体。そうした活性成分は、意図する目的のために効果的な量で組み合わせて適切に存在する。
活性成分は、コロイド薬物配送システム(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロスフェア、マイクロエマルション、ナノ粒子及びナノカプセル)又はマクロエマルションにおいて、例えばコアセルベーション技法又は界面重合によって調製されるマイクロカプセル、例えば、それぞれヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン−マイクロカプセル及びポリ−(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルに封入することができる。そうした技法は、Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版、Osol,A編(1980)に開示されている。
持続性放出調製物を調製することができる。持続性放出調製物の適切な例としては、マトリックスが成形品の形、例えばフィルム又はマイクロカプセルである、抗体を含む固形疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられる。
インビボ投与に使用される製剤は、一般に無菌である。無菌状態は、例えば、滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成することができる。
治療方法及び組成物
本明細書で提供する抗CRTh2抗体のうちの何れかを、治療方法において使用することができる。
一態様では、医薬として使用するための抗CRTh2抗体が提供される。さらなる態様では、CRTh2により媒介される障害の治療において使用するための抗CRTh2抗体が提供される。ある種の実施態様では、治療方法において使用するための抗CRTh2抗体が提供される。ある種の実施態様では、本発明は、有効量の抗CRTh2抗体を個体に投与することを含むCRTh2により媒介される障害を有する個体の治療の方法において使用するための抗CRTh2抗体を提供する。そうした実施態様の1つでは、方法は、例えば以下に記載するような、有効量の少なくとも1つの追加的な治療剤を個体に投与することをさらに含む。幾つかの実施態様では、障害は、喘息、微量顆粒球性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、急性又は慢性気道過敏症、好酸球増多症候群、好酸球性食道炎、チャーグ−ストラウス症候群、特発性肺線維症、サイトカインに関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する炎症又は悪性腫瘍、慢性特発性じん麻疹、慢性自発性じん麻疹、寒冷じん麻疹及び圧迫じん麻疹を含む物理的じん麻疹、水疱性類天疱瘡、鼻腔ポリポーシス、食物アレルギー、及び嚢胞性線維症随伴性又は非随伴性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)からなる群から選択される。さらなる実施態様では、本発明は、個体におけるCRTh2発現細胞(例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球及び/又は自然2型(IT2)細胞)の枯渇、又は個体における1種若しくは複数のサイトカイン、酵素若しくは他の炎症メディエーター(例えば、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン、トリプターゼ及び/又はロイコトリエン)のレベルの低減において使用するための抗CRTh2抗体を提供する。幾つかの実施態様では、少なくとも1つの以下の細胞型により産生される1種又は複数のサイトカインが低減される:Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球、又は自然2型(IT2)細胞。ある種の実施態様では、本発明は、有効量の抗CRTh2抗体を個体に投与して、CRTh2発現細胞を枯渇させる、及び/又は1種若しくは複数のサイトカインを低減することを含む個体におけるCRTh2発現細胞(例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球及び/又は自然2型(IT2)細胞)の枯渇、及び/又は個体における1種若しくは複数のサイトカイン、酵素若しくは他の炎症メディエーター(例えば、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン、トリプターゼ及び/又はロイコトリエン)のレベルの低減の方法において使用するための抗CRTh2抗体を提供する。上記実施態様の何れかに記載の「個体」は、好ましくはヒトである。
さらなる態様では、本発明は、医薬の製造又は調製における抗CRTh2抗体の使用を提供する。一実施態様では、医薬は、CRTh2により媒介される障害を治療するためのものである。さらなる実施態様では、医薬は、CRTh2により媒介される障害を有する個体に有効量の医薬を投与することを含む、その障害を治療する方法において使用するためのものである。そうした実施態様の1つでは、方法は、例えば以下に記載するような、有効量の少なくとも1つの追加的な治療剤を個体に投与することをさらに含む。幾つかの実施態様では、障害は、喘息、微量顆粒球性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、急性又は慢性気道過敏症、好酸球増多症候群、好酸球性食道炎、チャーグ−ストラウス症候群、特発性肺線維症、サイトカインに関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する炎症又は悪性腫瘍、慢性特発性じん麻疹、慢性自発性じん麻疹、寒冷じん麻疹及び圧迫じん麻疹を含む物理的じん麻疹、水疱性類天疱瘡、鼻腔ポリポーシス、食物アレルギー、及び嚢胞性線維症随伴性又は非随伴性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)からなる群から選択される。さらなる実施態様では、医薬は、個体におけるCRTh2発現細胞(例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球及び/又は自然2型(IT2)細胞)の枯渇、及び/又は個体における1種若しくは複数のサイトカイン、酵素若しくは他の炎症メディエーター(例えば、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン、トリプターゼ及び/又はロイコトリエン)の低減のためである。さらなる実施態様では、医薬は、有効量の医薬を個体に投与して、CRTh2発現細胞を枯渇させる、及び/又は1種若しくは複数のサイトカインを低減することを含む、個体におけるCRTh2発現細胞(例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球及び/又は自然2型(IT2)細胞)の枯渇、及び/又は個体における1種若しくは複数のサイトカイン、酵素若しくは他の炎症メディエーター(例えば、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン、トリプターゼ及び/又はロイコトリエン)のレベルの低減の方法で使用するためである。上記実施態様の何れかに記載の「個体」はヒトでもよい。
さらなる態様では、本発明は、CRTh2により媒介される障害の治療方法を提供する。一実施態様では、方法は、そうした障害を有する個体に、有効量の抗CRTh2抗体を投与することを含む。そうした実施態様の1つでは、方法は、以下に記載するような、有効量の少なくとも1つの追加的な治療剤を個体に投与することをさらに含む。幾つかの実施態様では、障害は、喘息、微量顆粒球性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、急性又は慢性気道過敏症、好酸球増多症候群、好酸球性食道炎、チャーグ−ストラウス症候群、特発性肺線維症、サイトカインに関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する炎症又は悪性腫瘍、慢性特発性じん麻疹、慢性自発性じん麻疹、寒冷じん麻疹及び圧迫じん麻疹を含む物理的じん麻疹、水疱性類天疱瘡、鼻腔ポリポーシス、食物アレルギー、及び嚢胞性線維症随伴性又は非随伴性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)からなる群から選択される。上記実施態様の何れかに記載の「個体」はヒトでもよい。
さらなる態様では、本発明は、個体におけるCRTh2発現細胞(例えば、Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球及び/又は自然2型(IT2)細胞)の枯渇、及び/又は個体における1種若しくは複数のサイトカイン、酵素若しくは他の炎症メディエーター(例えば、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン、トリプターゼ及び/又はロイコトリエン)のレベルの低減の方法を提供する。一実施態様では、方法は、有効量の抗CRTh2抗体を個体に投与して、CRTh2発現細胞を低減する、及び/又は1種若しくは複数のサイトカインを低減することを含む。一実施態様では、「個体」はヒトである。幾つかの実施態様では、個体は、喘息、微量顆粒球性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、急性又は慢性気道過敏症、好酸球増多症候群、好酸球性食道炎、チャーグ−ストラウス症候群、特発性肺線維症、サイトカインに関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する炎症又は悪性腫瘍、慢性特発性じん麻疹、慢性自発性じん麻疹、寒冷じん麻疹及び圧迫じん麻疹を含む物理的じん麻疹、水疱性類天疱瘡、鼻腔ポリポーシス、食物アレルギー、及び嚢胞性線維症随伴性又は非随伴性のアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)からなる群から選択される障害を有する。
ある種の実施態様では、本明細書に記載の方法を使用して、喘息に罹患している個体であって、米国特許出願第2012/0156194号で定義されるように好酸球性炎症陽性(EIP)である個体を治療できる。ある種の実施態様では、本明細書に記載の方法を使用して、喘息に罹患している個体であって、米国特許出願第2012/0156194号で定義されるように好酸球性炎症陰性(EIN)である個体を治療できる。DF Choyら、J Immunol.186(3):1861−9(2011);Arronら(2013)Adv Pharmacol 66:1−49、及びG.Jiaら、J Allergy Clin Immunol.130(3):647−654(2012)も参照されたい。
ある種の実施態様では、喘息に罹患している患者は、高レベルの血清又は血漿総ペリオスチンを示す。ある種の実施態様では、EIP患者は、血清又は血漿ペリオスチンレベルについて試験され、血清又は血漿ペリオスチンレベルが、患者集団の中央又は平均血清又は血漿ペリオスチンレベル以上である(高ペリオスチンとも呼ばれる)患者を指す。ある種の実施態様では、例えば、本明細書に記載のようにELISA又はサンドイッチイムノアッセイを使用して血清又は血漿ペリオスチンについて試験された患者は、20ng/ml以上(好酸球陽性)の総ペリオスチンレベルを有することがある。ある種の実施態様によると、EIPである患者における総ペリオスチンレベルは、血清又は血漿において、21ng/ml以上、22ng/ml以上、23ng/ml以上、24ng/ml以上、25ng/ml以上、26ng/ml以上、27ng/ml以上、28ng/ml以上、29ng/ml以上、30ng/ml以上、31ng/ml以上、32ng/ml以上、33ng/ml以上、34ng/ml以上、35ng/ml以上、36ng/ml以上、37ng/ml以上、38ng/ml以上、39ng/ml以上、40ng/ml以上、41ng/ml以上、42ng/ml以上、43ng/ml以上、44ng/ml以上、45ng/ml以上、46ng/ml以上、47ng/ml以上、48ng/ml以上、49ng/ml以上、50ng/ml以上、51ng/ml以上、52ng/ml以上、53ng/ml以上、54ng/ml以上、55ng/ml以上、56ng/ml以上、57ng/ml以上、58ng/ml以上、59ng/ml以上、60ng/ml以上、61ng/ml以上、62ng/ml以上、63ng/ml以上、64ng/ml以上、65ng/ml以上、66ng/ml以上、67ng/ml以上、68ng/ml以上、69ng/ml以上及び70ng/ml以上からなる群から選択できる。
ある種の実施態様では、喘息に罹患している患者は、低レベルの血清又は血漿総ペリオスチンを示す。ある種の実施態様では、EIN患者は、血清又は血漿ペリオスチンレベルについて試験され、血清又は血漿ペリオスチンレベルが20ng/ml未満の患者を指す。
EIP状態は、患者の状態を表し、その状態を決定するために使用したアッセイの種類に依存しないことが理解されよう。よって、ELISAアッセイ及び米国特許出願第2012/0156194号に示されるELECSYS(登録商標)ペリオスチンアッセイのような他のペリオスチンアッセイを含む他の好酸球性炎症診断アッセイを使用又は開発して、好酸球性炎症状態について試験し、総ペリオスチンレベルを測定するために用いることができる。それらの全内容が本明細書に参照により援用されるJiaら、2012、J.Allergy Clin.Immunol.130:647−654、及び米国特許出願第2012/0156194号も参照されたい。
用語「総ペリオスチン」は、本明細書で使用する場合、ペリオスチンの少なくともアイソフォーム1、2、3及び4を指す。ヒトペリオスチンアイソフォーム1、2、3及び4は、NCBIデータベースに従って、それぞれ以下のアミノ酸配列を含むことが当該技術分野で既知であり:NP_006466(配列番号87)、NP_001129406(配列番号88)、NP_001129407(配列番号89)、及びNP_001129408(配列番号90)、アイソフォーム5は、部分的に配列決定されている。アイソフォーム5は、配列番号91のアミノ酸配列を含む。一実施態様では、ペリオスチンのアイソフォームは、ヒトペリオスチンである。さらなる実施態様では、用語総ペリオスチンは、アイソフォーム1−4に加えてヒトペリオスチンのアイソフォーム5を含む。別の実施態様では、総ペリオスチンは、血清総ペリオスチン又は血漿総ペリオスチン(すなわち、それぞれ、全血から得られた血清試料又は全血から得られた血漿試料から(全血は、患者から得られた)の総ペリオスチン)である。
幾つかの実施態様では、個体に投与された抗CRTh2抗体は、個体においてCRTh2発現細胞を枯渇させる。幾つかの実施態様では、抗体は、肺組織から、及び/又は気管支肺胞洗浄液からCRTh2発現細胞を枯渇させる。幾つかの実施態様では、個体において少なくとも1種のCRTh2発現細胞(肺からなど)は、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は100%の何れか枯渇される。幾つかの実施態様では、個体において少なくとも1種のサイトカインTh2産生細胞(肺からなど)は、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも約50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は100%の何れか枯渇される。本明細書で使用する場合、「ベースライン」は、個体への本明細書に記載の抗CRTh2抗体の投与前のレベルを指す。抗体の投与前後のCRTh2発現細胞のレベルは、当該技術分野で知られ、本明細書に記載の方法を使用して試験できる。
さらなる態様では、本発明は、例えば、上記の何れかの治療方法において使用するための、本明細書で提供する抗CRTh2抗体のうちの何れかを含む薬学的製剤を提供する。一実施態様では、薬学的製剤は、本明細書で提供する抗CRTh2抗体のうちの何れか、及び薬学的に許容される担体を含む。別の実施態様では、薬学的製剤は、本明細書で提供する抗CRTh2抗体のうちの何れか、及び例えば以下に記載するような少なくとも1つの追加的な治療剤を含む。
本発明の抗体は、療法において単独又は他の薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば本発明の抗体は、少なくとも1つの追加的な治療剤と共投与することができる。ある種の実施態様では、追加的な治療剤は、吸入コルチコステロイド、短時間作用型β2アゴニスト、長時間作用型β2アゴニスト、長時間作用型ムスカリンアゴニスト、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、肥満細胞阻害剤(例えばクロモリンなど)、CRTh2小分子阻害剤、又はそれらの組み合わせである。
上記のそうした併用療法は、併用投与(2つ以上の治療剤が同じ又は別々の製剤に含まれる)、及び分離投与(本発明の抗体の投与が、追加的な治療剤及び/又はアジュバントの投与より前に、その投与と同時に、及び/又はその投与に続いて生じ得る)を包含する。
本発明の抗体(及び任意の追加的な治療剤)は、任意の適切な手段によって投与することができ、その手段には、非経口、肺内及び鼻腔内が含まれ、並びに局所治療が望まれる場合、病変内の投与が含まれる。非経口注入としては、筋肉内、静脈内、動脈内、腹腔内又は皮下投与が挙げられる。投与が短期であるか長期であるかどうかにある程度応じて、任意の適切な経路、例えば静脈内又は皮下注射などの注射によって投薬することができる。これらに限定されないが、様々な時間点にわたる単回又は複数回投与、ボーラス投与及びパルス注入を含めた様々な投薬計画が、本明細書で企図される。
本発明の抗体は、医学行動規範と一致した様式で、製剤化され、用量決定され、投与されることになる。これに関連して考慮する要因としては、治療される特定の障害、治療される特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤送達部位、投与方法、投与計画、及び医師に知られている他の要因が挙げられる。抗体は、必要ではないが、任意選択的に、問題になっている障害を予防又は治療するのに現在使用されている1つ又は複数の薬剤と製剤化される。そうした他の薬剤の有効量は、製剤中に存在する抗体の量、障害又は治療のタイプ、及び上で論じた他の要因によって決まる。これらは、一般に、本明細書に記載されるのと同じ投薬量及び投与経路で、又は本明細書に記載の投薬量の約1から99%で、又は経験的/臨床的に適切であると決定された任意の投薬量及び任意の経路で使用される。
疾患の予防又は治療のために、(単独又は1つ又は複数の他の追加的な治療剤と組み合わせて使用する場合の)本発明の抗体の適切な投薬量は、治療される疾患のタイプ、抗体のタイプ、疾患の重症度及び経過、抗体が予防又は治療目的で投与されるか、以前の療法、患者の病歴及び抗体に対する応答、並びに主治医の裁量によって決まる。抗体は、単回、又は一連の治療に適切に患者に投与される。疾患のタイプ及び重症度に応じて、約1μg/kgから15mg/kg(例えば0.1mg/kg−10mg/kg)の抗体が、例えば、1回又は複数回の分離投与によるか、連続的注入によるかに関わらず、患者に投与するための最初の候補投薬量であり得る。1つの典型的な1日投薬量は、上述の要因に応じて、約1μg/kgから100mg/kg以上の範囲に及び得る。数日以上にわたる反復投与については、状態に応じて、治療は、一般に、疾患症状の所望の抑制が起こるまで持続されることになる。抗体の1つの例示的投薬量は、約0.05mg/kgから約10mg/kgの範囲であろう。したがって、約0.5mg/kg、2.0mg/kg、4.0mg/kg又は10mg/kg(又はそれらの任意の組み合わせ)の1つ又は複数の用量が、患者に投与される得る。そうした用量は、断続的に、例えば毎週又は3週毎に投与することができる(例えばその結果、患者は、約2から約20、又は例えば約6用量の抗体が与えられる)。最初の高負荷用量に続いて、1つ又は複数の低用量を投与することができる。しかし、他の薬物投与法も有用であり得る。この療法の進捗は、従来の技法及びアッセイによって容易にモニタリングされる。
上記の製剤又は治療方法の何れかが、抗CRTh2抗体の代わりに又は抗CRTh2抗体に加えて本発明のイムノコンジュゲートを使用して実施され得ることが理解されよう。
製造品及びキット
本発明の別の態様では、上記の障害の治療、予防及び/又は診断に有用な抗CRTh2抗体の1つ又は複数のを含む製造品又はキットが提供される。製造品又はキットは、容器、及び容器上の若しくは容器に付随するラベル又は添付文書をさらに含み得る。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、注射器、IV溶液バッグなどが挙げられる。容器は、ガラス又はプラスチックなどの種々の材料から形成され得る。容器は、単独で、又は別の組成物と組み合わせて、状態を治療、予防及び/若しくは診断するのに有効な組成物を収容し、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は皮下注射針によって穿刺可能なストッパーを有する静脈内溶液バッグ又はバイアルでもよい)。組成物中の少なくとも1つの活性剤は、本発明の抗体である。ラベル又は添付文書は、組成物が、選択された状態を治療するのに使用されることを示す。さらに、製造品又はキットは、(a)本発明の抗体を含む組成物が中に含まれる第1の容器、及び(b)さらなる細胞傷害性剤又は治療剤を含む組成物が中に含まれる第2の容器を含むことができる。本発明の本実施態様における製造品又はキットは、組成物が特定の状態を治療するのに使用ができることを示す添付文書をさらに含むことができる。あるいは、又はさらに、製造品又はキットは、薬学的に許容されるバッファー、例えば静菌性の注射用水(BWFI)、リン酸緩衝食塩水、リンゲル液及びデキストロース溶液を含む第2(又は第3)の容器をさらに含むことができる。他のバッファー、希釈剤、濾過器、針及び注射器を含めた、商業的及び使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含んでいてもよい。
上記の製造品又はキットの何れかが、抗CRTh2抗体の代わりに又は抗CRTh2抗体に加えて本発明のイムノコンジュゲートを含み得ることが理解されよう。
以下は、本発明の方法及び組成物の実施例である。上記の概説を考えると、様々な他の実施態様が実施され得ることが理解されよう。
実施例1.マウスの抗ヒトCRTh2抗体の生成
材料及び方法
クローニング及び細胞株
アカゲザル及びカニクイザルCRTh2 cDNAは、RT−PCRによって、アカゲザル及びカニクイザルの血液から抽出したトータルRNAから得て、アミノ末端フラグタグであるgDタグを含有する、又はタグを有さない哺乳動物発現ベクターpRK5ベクターにクローニングした。Origeneからのヒト完全長cDNA(Gene Bank NM_004778)を、アミノ末端フラグタグであるgDタグを含有する、又はタグを有さないベクターpRK5にクローニングした。配列確認の際に、CRTh2クローンは、位置204にGene Bank NM_004778により示されるバリンではなくアラニンを含有した(例えば、Gene Bank基準配列に対してV204A置換を有する配列番号84)。
CRTh2含有プラスミドを、293細胞に、Fugene 6(Roche)を使用してトランスフェクトし、タグ化又は非タグ化CRTh2の表面発現を、モノクローナル抗フラグ抗体(クローンM2、Sigma)、抗gD Ab(クローン952、Genentech)又はヒトCRTh2に対するラット抗CRTh2抗体BM16(BD Pharmingen)を含む特異的抗CRTh2 Abを使用して確認した。CRTh2含有プラスミドも、エレクトロポレーションによりマウスプレB細胞株である300.19細胞に導入し、表面CRTh2発現を、フラグタグ発現によって確認した。300.19細胞の表面上のCRTh2発現も、ヒトCRTh2に対するクローンBM16(BD Pharmingen)を含む抗CRTh2モノクローナル抗体によって決定した。
抗ヒトCRTh2抗体の生成
抗ヒトCRTh2抗体を生成するために、2つの方法:DNA免疫化及び細胞免疫化のうちの一方でBalb/cマウス(Charles River)を免疫化した。DNA免疫化のために、50ugのpRK5ベクタープラスマウスFlt3−L中のヒトCRTh2 DNA及びアジュバントとしてのGM−CSFのハイドロダイナミクス尾静脈注射により毎週、Balb/cマウスを免疫化した。細胞免疫化のために、PBSで希釈したヒトCRTh2で安定にトランスフェクトされた500万の300.19細胞で週2回、i.p.注射により、Balb/cマウス(Charles River、Hollister、CA)を腹腔内免疫化した。マウスは10回の用量を受けた後に、2000万の細胞のi.v.での融合前追加免疫とともに、融合の3日前に4000万の細胞をi.p.で受けた。
ハイブリドーマを、標準的な方法によって生成した。脾細胞を、X63−Ag8.653マウス骨髄腫細胞(アメリカンタイプカルチャーコレクション、Rockville、MD)と、電気融合(BTX、Hawthorne、NY)によって融合し、10%胎児ウシ血清(FBS)、4.5g/Lグルコース、25mM HEPES、0.15mg/mlオキサロ酢酸、100μg/mlピルビン酸、0.2U/mlインスリン、2mM L−グルタミン、100U/mlペニシリン、100μg/mlストレプトマイシン(ペニシリン−ストレプトマイシン、Invitrogen、Carlsbad、CA)、NCTC−109(Lonza)、NEAA(Invitrogen)を補ったダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Lonza、Basel、Switzerland)中で一晩37℃、7%CO2でインキュベートした後に、5.7μMアザセリン及び100μMヒポキサンチン(HA、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)を補った、記載したのと同様の培地中で96ウェルプレートに播種した。細胞を10日間培養した後に、ELISA及びFACS解析を行った。FACSによってマウスIgGの発現を示し、強い特異的結合を示すウェルからの細胞を増殖させ、限界希釈によりサブクローニングした。2回目のサブクローニングの後に最高のFACS結合を示す最終クローンを、バイオリアクター(Integra Biosciences、Chur、Switzerland)での大規模産生のために増殖させた。上清を、次いで、以前に記載されたようにして(Hongoら, Hybridoma 19:303, 2000)プロテインAアフィニティークロマトグラフィーにより精製した。ハイブリドーマからの精製抗体を、 293細胞又は300.19細胞で発現されるヒトCRTh2に結合する能力について、フローサイトメトリーによってスクリーニングした。ヒト末梢血からの好塩基球及び好酸球に対して、結合反応性も試験した。クローン19A2、8B1、31A5及び3C12の軽鎖及び重鎖を、pRK5ベクターにサブクローニングした。すべての重鎖は、マウスIgG2a Fc領域を含むようにクローニングした。抗CRTh2抗体を、標準的な手順を使用してCHO細胞において産生した。脱フコシル化19A2及び8B1抗体は、FUT8−/−CHO細胞株から産生した。
フローサイトメトリー
ヒト全血を健常ドナーから得て、ELバッファー(Qiagen)を使用する赤血球細胞溶解の後に、染色手順のために末梢血単核細胞(PBMC)を使用した。血液細胞を、様々な濃度のA467−コンジュゲート抗CRTh2抗体又は抗CRTh2抗体と2次抗マウスIgG−PE抗体(Jackson ImmunoResearch Laboratory)とインキュベートした。白血球集団を染色するために使用した抗体は、以下であった:FITC−抗ヒトCD15、CD16、PerCP−抗ヒトHLADR及びCD4、APC−抗ヒトCD123、CXCR3、CD14、BDCA1、ビオチン−抗ヒトCCR6、並びにPE−抗ヒトCCR4。使用したAbはBD Pharmingenから購入した。制御性T細胞でのCRTh2発現を決定するために、CD4+CD25+ T細胞をMACS単離(Miltenyi Biotec)によりヒトPBMCから濃縮し、抗CRTh2(抗体BM16)で表面染色した後に、抗FoxP3(BD Bioscience)で細胞内染色した。ヒト肥満細胞でのCRTh2発現を評価するために、200ng/mL rhIL−6、100ng/mL rhSCF(PeproTech)及び30ng/mL rhIL−3(R&D system)を含むStemPro−34 SFM完全培地(Gibco)中で新鮮ヒト骨髄CD34+細胞(AllCells)を3−4週間培養することにより肥満細胞を生成した。肥満細胞を、抗CD117、抗CD123及び抗FceRI(BD Bioscience)で染色した。ヒトCRTh2.Bac.TgマウスにおけるTh2細胞上のヒトCRTh2発現を決定するために、50ul PBS中の50ugパパインをマウスの右後足蹠に注射し、膝窩リンパ節細胞を3日後に回収し、抗mCD4−PerCP、抗mCD44−FITC及びBM16−A647で染色した。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおける自然Tヘルパー(IT)2型細胞でのヒトCRTh2発現を調べるために、pRK5ベクター中の50ugのマウスIL−17Eをハイドロダイナミクスにより尾静脈に注射した。3日後に、腸間膜リンパ節細胞を回収し、抗mCD117−PE、BM16−A647、ヨウ化プロピジウム及び系列マーカー(FITC標識された:CD3、CD4、CD8、B220、FceRI、CD11c、Gr1、NK1.1、F4/80、DX5並びにPerCP−標識された:CCR3)で染色した。FITC−抗ヒトCD15、CD16、PerCP−抗ヒトHLADR及びCD4、APC−抗ヒトCD123、CXCR3、CD14、BDCA1、ビオチン−抗ヒトCCR6、並びにPE−抗ヒトCCR4は、BD Pharmingenから購入した。カニクイザル及びアカゲザルの血液を健常サルから得て、ELバッファー(Qiagen)を使用する赤血球細胞溶解の後に、染色手順のために末梢血単核細胞(PBMC)を使用した。血液細胞を、様々な濃度のA467−コンジュゲート抗CRTh2抗体とインキュベートした。白血球集団を染色するために使用した抗体は、以下であった:FITC−抗ヒトCD123(BD Pharmingen)、PE−抗ヒトCD125(BD Pharmingen)及びPerCP−eFluor710抗ヒトFceRI(eBioscience)。試料は、CellQuest Proソフトウェア(BD Biociences)を使用するFACSCaliburフローサイトメーターで獲得し、Flowjo(Tree Star,Inc)を使用してデータ解析を実施した。
CRTh2+メモリーCD4+T細胞単離及びサイトカイン産生の定量
手を付けていないメモリーCD4+T細胞を、アトピー性のドナーからのヒトPBMCからMACS単離(Miltenyi Biotec)により単離した後に、CD45RO−FITC、CD4−PerCP(BD Pharmingen)及びBM16−PE(Miltenyi Biotec)抗体を37℃で20分間使用して染色した。CRTh2+CD45RO+CD4+及びCRTh2−CD45RO+CD4+メモリーT細胞を、FacsAria選別機(BD)で選別した。CRTh2+及びCRTh2−メモリーCD4+T細胞の純度は、98%を超えていた。同数の選別細胞を、10ug/mLのプレート結合型抗hCD3 mAb及び1ug/mLの可溶型抗hCD28で48時間、37℃で刺激した。上清を回収し、ヒトBio−Plex(Bio−Rad)抗体−固定化ビーズ、及び製造業者の手順に従ってLuminex100装置(Luminex)を使用するプレート読み取りを使用して、IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17A、TNFα、IFNγ及びGM−CSFについて解析した。
放射性リガンド細胞結合アッセイ(スキャッチャード解析)
組換えCRTh2受容体を発現する細胞に結合する抗CRTH2抗体についての平衡解離定数(K)を、放射性リガンド細胞結合アッセイを使用して決定した。Iodogen法を使用して抗CRTh2抗体をヨウ素化し、放射性標識された抗体は、Fab抗体について19−22μCI/μg及びIgG抗体について10−14μCI/μgの比活性範囲を有していた。CRTh2受容体を発現する細胞を2時間室温で、漸増濃度の標識されていない抗CRTh2抗体と混合した固定濃度のヨウ素化抗CRTh2抗体とインキュベートし、ゼロ添加のバッファーのみの試料を含めた。2時間のインキュベーションの後に、競合反応をMilliporeマルチスクリーンフィルタープレートに移し、結合バッファーで4回洗浄して、結合したヨウ素化された抗体から遊離抗体を分離した。Wallac Wizard 1470ガンマカウンターでフィルターをカウントした。結合データは、抗CRTh2抗体の結合親和性を決定するのにMunson及びRodbard(Munson及びRodbard, Anal. Biochem, 1980; 107: 220-239)の適合アルゴリズムを使用するNewLigandソフトウェア(Genentech)を使用して評価した。
エピトープマッピング
精製マウス抗CRTh2モノクローナル抗体19A2及びラット抗CRTh2モノクローナル抗体BM16を、EZ−Linkスルホ−NHS−ビオチンキット(Pierce/Thermo−Fisher、Rockford、IL)を使用してビオチン化する。活性は、ヒトCRTh2又はアカゲザルCRTh2で安定にトランスフェクトされた293細胞でFACS滴定により確認する。1000万細胞/mlの濃度で、1%FBSを含むPBSに懸濁された50ulのトランスフェクトされた293細胞を96ウェルU字底型プレート(BD Falcon、Franklin Lakes、NJ)に加えた後に、20ug/mlの濃度の50μlの標識されていない抗体を加え、プレートを30分間4℃でインキュベートする。以前のFACS滴定実験により決定される、2ug/ml(19A2及びBM16)の濃度でビオチン化抗体をプレートに加え、プレートを30分間4℃でインキュベートする。細胞を遠心分離によりペレットにした後に1%FBSを含む200μlのPBSを加えて、細胞を2回洗浄する。次いで、フィコエリスリンコンジュゲートストレプトアビジン(Zymed/Life Technologies、Grand Island、NY)と30分間4℃で細胞をインキュベートする。細胞を洗浄し、1%ホルマリンを含むPBSで固定し、FACSCaliburフローサイトメーター(BD Biosciences、San Jose、CA)でのフローサイトメトリーによって解析した。
ヒトT細胞極性化
手を付けていないナイーブCD4+T細胞を、健常ドナーからのPBMCからMACS分離(Miltenyi Biotec)により単離した。10%FBS、2mM L−グルタミン、50uM 2−ME、1mMピルビン酸ナトリウム、100U/mLペニシリン、100ug/mLストレプトマイシン及び1mM非必須アミノ酸を補った完全DMEM培地中、10ug/mLのプレート結合型抗CD3 mAb及び1ug/mLの可溶型抗CD28 mAb(BD Biociences)の存在下で細胞を培養した。ヒトTh部分集合極性化条件は、以下の通りであった:Th1:10ng/mL rhIL12及び2ug/mL抗hIL−4;Th2:20ng/mL rhIL−4(R&D system)、2ug/mL抗hIL−12及び5ug/mL抗hIFNγ(BD Biosciences)。2回の極性化を実施し、各回は、活性化段階と、その後の休止段階とからなり、2回目の再刺激は、1ug/mLのプレート結合型抗CD3 mAb及び1ug/ml可溶型抗CD28 mAbの存在下で実施した。
カルシウム動員アッセイ
インビトロ極性化Th2細胞を、5μM indo−1/AM及び0.2% pluronic F127(Molecular Probe)と37℃で30分間インキュベートし、洗浄し、その後、抗CCR6、抗CCR4、抗CD4及び抗CXCR3 mAbで37℃で15分間染色した。洗浄後に、細胞を、1uMの抗CRTh2 mAb又はアイソタイプコントロール抗体と37℃で30分間インキュベートし、次いで、100nM PGD2(Sigma)で刺激した。カルシウム放出を、フローサイトメトリーによってモニタリングした。
CRTh2機能的cAMPブロッキングアッセイ
PGD−CRThシグナル伝達における抗CRTh抗体のブロッキング活性を、フォルスコリン及びPGD(Sigma;St.Louis、MO)の存在下での抗CRThと組換え細胞株cAMP Hunter(商標)CHO−K CRTh Gi(DiscoveRx;Fremont、CA)とのインキュベーションの後に細胞性cAMPレベルを測定することによって解析した。簡単に述べると、384ウェル組織培養プレート(Corning Cat# 3707;Corning、NY)中で、10,000細胞/ウェルで細胞を一晩培養した。培養培地を除去した後に、10μLの試験抗体(PBSで系列希釈)を各ウェルに加え、30分間37℃でインキュベートした。次いで、それぞれ12.5μM及び4nMの最終濃度に達するように、各ウェルにフォルスコリン及びPGDを加えた。37℃でさらに30分間のインキュベーションの後に、化学発光リーダーとしてEnvison(Perkin Elmer;Waltham、MA)を使用して、製造業者の手順に従ってHitHunter(登録商標)cAMP XS+キット(DiscoveRx)を使用するcAMP解析に、プレートを供した。データを、次いで、Prism(GraphPad Software;La Jolla、CA)を使用して解析してプロットした。
ヒトCRTh2 BACトランスジェニックマウスの生成
BACベクター骨格(RPCIヒトBACライブラリー11;クローンID RP11−68H20)中にヒトCRTh2遺伝子を含む171Kbの断片を、Invitrogenから購入した。28Kbのより短いバージョンを、リコンビニアリングにより得た。171Kb又は28KbのBACコンストラクトを、C57BL/6マウスから収集した受精卵母細胞にマイクロインジェクションした。ヒトCRTh2導入遺伝子の存在は、マウス尾部DNAからのRT−PCRにより決定した。同定した9匹の創始体のうち、7匹が、フローサイトメトリーにより試験して、免疫細胞型上で同様のヒトCRTh2発現パターンを生じさせた。これらの系統のうち、系統85は、ヒトPBMCからの初代ヒト好塩基球及び好酸球上でのヒトCRTh2レベルと比較して、フローサイトメトリーにより、マウス好塩基球及び好酸球上で同様のヒトCRTh2発現量を示した。
ヒトCRTh2 BACトランスジェニックマウスにおける抗CRTh2抗体での血液好塩基球及び好酸球枯渇の測定
6−8週齢のヒトCRTh2 BAC tgマウスに、0日目に、マウス若しくはヒト化抗ヒトCRTh2抗体又はアイソタイプコントロール抗体(mIgG1:ant−gp120抗体;mIgG2a:抗ブタクサ抗体;hIgG1:抗gD抗体)を、示す用量で静脈内注射した。目出血を3、6又は7日後に行って、示すように、フローサイトメトリーにより好塩基球及び好酸球の数を解析した。あるいは、マウスのグループを2、3、7又は14日目に屠殺し、血液、脾臓及び骨髄を収集し、フローサイトメトリーによる好酸球及び好塩基球の計数のために処理した。赤血球細胞を、ELバッファー(Qiagen)を使用して溶解した。白血球細胞、脾細胞又は骨髄細胞は、抗CD123−FITC、抗FcεRI−PE及び抗CCR3−PerCPで染色して、好塩基球及び好酸球を検出した。細胞の絶対数を、CaliBRITE FITCビーズ(BD Biosciences)を使用して、フローサイトメトリーにより決定した。
ヒトCRTh2 BACトランスジェニックマウスにおけるTNP−OVA誘導肺炎症
ヒトCRTh2 BAC tgマウスを、100ulの滅菌PBS中の2mg水酸化アルミニウム中の50ugのTNP−OVA(Biosearch Technologies)の腹腔内注射により0日目に感作した。感作後の35日目に開始して、PBS中のエアゾール化1%TNP−OVAを30分間、ネブライザーにより、7日間連続でマウスに負荷した。38−41日目に、100uLの生理食塩水中の200ugの抗ヒトCRTh2抗体クローン19A2 mIgG2a(脱フコシル化又はwt)、Fc突然変異体Ab 19A2 mIgG2a_DANA、又は抗ブタクサコントロール抗体(mIgG2a)を使用して、マウスを1日1回腹腔内処置した。すべてのマウスは、42日目に安楽死させた。20mlのPBSをマウスの右心室に潅流して、肺から末梢血を一掃し、肺全体をフローサイトメトリーのために除去した。血液は、フローサイトメトリーによる評価のために、心穿刺により回収した。BALは、細胞カウント及びサイトカイン解析のために回収した。BAL液IL−4及びIL−13サイトカイン濃度は、製造業者の手順に従うELISA(R&D)により決定した。エフェクター機能欠損バージョンの19A2抗体である19A2_DANAは、2残基(D265A、N297A)を突然変異させることにより作出し、これは、Fcγ受容体結合が排除されていた。
抗ヒトCRTh2 AbがTh2細胞を枯渇させる可能性について評価するためのヒトSCIDモデル
−7日目に、315ng/mLの血清IgEレベルを有するアトピー性ドナーから、白血球フェレーシス及びFicoll密度勾配遠心分離(GE Healthcare)によって、ヒトPBMCを単離した。マウスに後で移行するために、同じドナーからのPBMCの分割量を凍結した。ナイーブCD4+T細胞単離キットII(Miltenyi Biotec 130−094−131)を使用する非CD4+T細胞及びメモリーT細胞の枯渇により、PBMCから手を付けていないナイーブCD4+Tヘルパー細胞をさらに単離した。精製ナイーブCD4+T細胞を、Th2に偏った条件下:5ug/mLの抗ヒトIFNg(BD 554698)、2ug/mLの抗IL12(BD 554659)、及び20ng/mLの組換えヒトIL−4(R&D System 204−IL)で、10ug/mLのプレート結合型抗CD3(BD 555329)及び1ug/mLの可溶型抗CD28(BD 555725)で3日間刺激した。Th2条件下で刺激したCD4+T細胞を、SCIDベージュマウスへの移行実験のために使用した。
0日目に、セシウム137源からSCIDベージュマウス(Charles River)に致死量以下の3.5Gyを照射した。100ulのPBS中のヒトT細胞を、以下の混合物:6×10の極性化T細胞(上記のとおり)及び同じドナーからの4×10の予め凍結した生存ヒトPBMCにおいて、腹腔内注射によりマウスに移行した。100ulのPBS中の100ugの抗ヒトIFNg及び100ugの抗ヒトIL−12抗体を、0日目及び3日目にマウスに腹腔内注射した。100ngの組換えヒトIL−4を、1、2及び3日目にマウスに腹腔内注射した。細胞移行前の0日目及び3日目に、100uLのPBS中の200ugの抗ヒトCRTh2抗体(クローン19A2、脱フコシル化)又は抗ブタクサアイソタイプコントロール抗体でマウスを処置した。すべてのマウスを7日目に安楽死させ、脾臓を収集した。FACSによる細胞内サイトカインレベルの評価のために、PdBu(50ng/mL)及びイオノマイシン(500ng/mL)で37℃で4.5時間、エクスビボで脾細胞を刺激した。抗hCD4で細胞を表面染色し、同じチャネルにて抗mCD45、抗mTer119及び抗hCD19で染色して、これらの系列陽性細胞を排除した。抗hIFNg及び抗hIL−4を使用して細胞を固定して染色した。
IT2細胞枯渇についてのモデル
ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおける自然Tヘルパー(IT)2型細胞の数を増やすために、50μg/マウスのpRK5ベクター中のIL−17Eを、1.6mlリンゲル液中で、ハイドロダイナミクスにより尾静脈に注射した。3日後に、腸間膜リンパ節細胞を収集し、抗mCD117−PE、BM16−A647での染色によるフローサイトメトリーにより、系列陽性及び死細胞(lin:CD3、CD4、CD8、B220、FceRI、CD11c、Gr1、NK1.1、F4/80、DX5及びCCR3)を排除して、IT2細胞のパーセンテージ及び数を決定した。
結果
CRTh2は、喘息に付随する細胞上で発現される
ヒトPBMCからの細胞又は培養ヒト細胞上でのCRTh2発現を、抗ヒトCRTh2抗体(クローンBM16)を使用してフローサイトメトリーによって評価した(図1)。CRTh2は、最近報告されたように(Mjosberg, Nat. Imm. 12(11):1055-62 (2011))、ヒト血液好塩基球、好酸球、極性化Th2細胞、骨髄由来肥満細胞及び自然Tヘルパー2型(IT2)細胞上で選択的に発現される。CRTh2は、極性化Th1細胞、好中球、樹状細胞、単球及び制御性T細胞上で発現されない。CRTh2発現は、B細胞、NK細胞、NK T細胞及び血小板上で検出されない(データは示さず)。
CRTh2細胞は、Th2サイトカイン産生に付随する
Th2サイトカイン産生に付随するT細胞部分集合上でCRTh2が発現されることを評価するために、CRTh2+及びCRTh2−メモリーCD4 T細胞をFACS選別し、抗CD3及び抗CD28抗体で刺激して、Th2サイトカイン産生を評価した。CRTh2+メモリーCD4 T細胞は、CRTh2−メモリーCD4 T細胞集団と比較した場合に、95%を超えるメモリーT細胞Th2サイトカインを産生した(図2)。試験した追加的なドナーは、同様の結果を示した。
抗ヒトCRTh2抗体の生成及びインビトロ特徴づけ
抗ヒトCRTh2抗体を、ヒトCRTh2を過剰発現する300.19細胞でアジュバントを使用せずに免疫化したBalb/cマウスから生成した。
上記のように生成した抗CRTh2抗体は、ヒトCRTh2を過剰発現する293細胞又は300.19細胞に用量依存的様式で結合したが、293又は300.19野生型細胞には結合しなかった(図3A及び3B)。抗ヒトCRTh2 Abも、293又は300.19細胞において過剰発現されたカニクイザル又はアカゲザルCRTh2との交差反応性について試験した。Abはいずれも、293細胞で発現されたカニクイザルCRTh2に対してわずかな交差反応性を示したクローン19A2以外はカニクイザル又はアカゲザルCRTh2との反応性を示さなかった。抗ヒトCRTh2抗体は、ヒト全血からの初代ヒト好塩基球及び好酸球とも用量依存的様式で反応した。293細胞又は300.19細胞の表面で過剰発現されたヒトCRTh2と結合する能力、及びヒト末梢血単核細胞(PBMC)からの初代好塩基球及び好酸球との相対的反応性に基づいて、候補抗ヒトCRTh2抗体を選択した(図3)。上記の免疫化から生成された追加的な抗体はすべてヒトCRTh2に結合したが、アカゲザル又はカニクイザルCRTh2と交差反応しなかった(データは示さず)。ヒト化クローンh19A2.v1及びクローンh19A2.v12も、293細胞又は300.19細胞で発現されたCRTh2、並びに初代血液好塩基球及び好酸球上のCRTh2との反応性について試験した。19A2と同様に、ヒト化h19A2.v1は、293細胞(図3D)、300.19細胞(図3E)で発現されたヒトCRTh2並びに初代血液好塩基球及び好酸球上のCRTh2(図3F)と反応し、293又は300.19細胞で過剰発現されたカニクイザルCRTh2とわずかな交差反応性を有した。ヒト化h19A2.v1は、過剰発現する293又は300.19細胞株上のアカゲザルCRTh2、及び初代アカゲザル血液好塩基球と反応しなかった。対照的に、ヒト化及び操作抗体h19A2.v12は、293細胞(図3D)又は300.19細胞(図3E)で発現されたヒト、カニクイザル及びアカゲザルCRTh2、並びに初代血液好塩基球(図3F)上のヒト、カニクイザル及びアカゲザルCRTh2と用量依存的様式で反応した。さらに、抗体h19A2.v12は、初代ヒト血液好酸球上のCRTh2も検出した。
相同の競合を使用する放射性標識されたリガンド解析を実施して、293細胞及び300.19細胞の表面で発現されたヒトCRTh2に対する抗CRTh2抗体の解離定数(Kd)を評価した。ヒトCRTh2を発現する293細胞に対するマウス抗ヒトCRTh2クローン19A2及び8B1(IgG全体)についてのK値は、それぞれ2nM及び2.6nMであった。300.19細胞に対する抗体19A2のK値は、10.2nMであった(図4A)。ヒト化抗体h19A2.v12及びh19A2.v60のK値の直接的測定値を得るために、これらの抗体のFab断片を生成し、放射性リガンド細胞結合アッセイに供した(図4B)。ヒトCRTh2を発現する293細胞に対するh19A2.v12及びh19A2.v60(IgGのFab断片)についてのK値は、それぞれ51nM及び56nMであった。カニクイザルCRTh2を発現する293細胞に対するh19A2.v12及びh19A2.v60(IgGのFab断片)についてのK値は、それぞれ152nM及び39nMであった。これらの測定値に基づいて、ヒト対カニクイザルCRTh2についての相対的結合親和性は、h19A2.12について3倍以内であり、h19A2.v60について能力がほぼ等しいと見られた(図4B)。
ヒト化抗体h19A2.v52及びh19A2.v46のK値の直接的測定値を得るために、これらの抗体のFab断片を生成し、放射性リガンド細胞結合アッセイに供した(図15)。ヒトCRTh2を発現する293細胞に対するh19A2.v52及びh19A2.v46(IgGのFab断片)についてのK値は、それぞれ13.7nM及び6.4nMであった。カニクイザルCRTh2を発現する293細胞に対するh19A2.v52及びh19A2.v46(IgGのFab断片)についてのK値は、それぞれ21.3nM及び8.6nMであった。
抗CRTh2抗体のブロッキング機能を評価するために、抗CRTh2又はアイソタイプコントロール抗体の存在下で、リガンドプロスタグランジン(PGD2)へのインビトロ極性化Th2細胞のカルシウム動員を調べた。PGD2へのカルシウムフラックスは、8B1及び3C12との細胞のプレインキュベーションにより完全に妨げられたが、31A5は部分的作用を示した。抗CRTh2 19A2抗体とのインキュベーションは、CA2+フラックスに顕著に影響せず(図5)、19A2が、CRTh2の機能をブロックできる8B1及び3C12とは対照的に、CRTh2に対する非ブロッキング抗体であることを示す。
ヒトCRTh2のトランスジェニックマウスモデルの生成
抗CRTh2抗体のインビボ枯渇能力の特徴を明らかにするために、BACベクター上のヒトCRTh2遺伝子をC57BL/6受精卵母細胞に導入することによって、トランスジェニックマウスモデル(ヒトCRTh2.Bac.Tgマウス)を生成した(図6A)。血液好塩基球及び好酸球上のヒトCRTh2発現が7つの創始体で確認されたが、hCRTh2.Bac.tg系統におけるマウスTh2細胞上のhCRTh2発現は検出できなかった。3つの代表的な創始系統を、より詳細な解析に供した(データは示さず)。ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスの創始系統85は、初代ヒト血液好塩基球及び好酸球並びに骨髄由来ヒト肥満細胞と比較した場合に、それぞれマウス血液好塩基球及び好酸球並びに腹腔肥満細胞上のヒトCRTh2の同様の発現量を示した(図6B)。よって、創始85 hCRTh2.Bac.Tgマウスを、その後のすべてのインビボ枯渇研究において使用した。さらに、創始系統85は、PBMCからのヒトIT2細胞上での発現と比較した場合に発現量がより低いように見られたが、マウス自然Tヘルパー(IT)2型細胞上でヒトCRTh2を発現した(図6B)。
抗CRTh2抗体は、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて血液好塩基球及び好酸球を枯渇させた
抗CRTh2抗体がCRTh2+好塩基球及び好酸球をインビボで枯渇させることができるかどうかを試験するために、19A2又は3C12抗体の何れかを1回、示すようにCRTh2.Bac.Tgマウスに投与した(図7A)。単回用量の19A2又は3C12は、処置後3日目に、フローサイトメトリーによって決定される、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおける末梢血中の好塩基球及び好酸球を完全に枯渇させた(図7A)。好塩基球及び好酸球の顕著な枯渇は、処置後7日目でまだ観察された。8B1及び19A2抗体も、処置後6日目に評価して、単回用量の抗体の後に血液からの好塩基球及び好酸球を枯渇させた(図7B)。
抗CRTh2抗体は、ヒトCRTh2.Bac.TgマウスにおけるTNP−OVA誘導慢性喘息モデルにおいて肺中の好酸球及び好塩基球を枯渇させる
抗CRTh2抗体が組織中のCRTh2+細胞を枯渇させることができるかどうかを評価するために、抗CRTh2抗体処置の効果をTNP−OVA誘導慢性喘息モデルにおいて調べた。i.p.200ug/マウスの治療レジメンでの4回の抗体19A2の投与は、肺好酸球及び好塩基球を完全に枯渇させ、肺肥満細胞も80%枯渇させた(図8)。さらに、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の好酸球は、100%枯渇された。さらに、気管支肺胞洗浄液(BALF)中のTh2サイトカインIL−4及びIL−13は、それぞれ100%及び48%低減した(図8B)。
抗CRTh2抗体は、SCIDマウスにおけるTh2サイトカイン産生細胞を枯渇させる
ヒトCRTh2発現はヒトCRTh2.TgマウスにおけるTh2細胞(CD4+CD44hi)上で検出されないので、Th2細胞枯渇は、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて評価できなかった。抗CRTh2抗体がTh2サイトカイン産生細胞をインビボで枯渇させることができるかどうかを評価するために、インビトロ極性化ヒトTh2細胞をSCIDマウスに移行し、抗CRTh2又はアイソタイプコントロールAbで週2回処置し、IL−4産生細胞を、投与開始後7日目のPMA及びイオノマイシンでのエクスビボ刺激の後に評価した。細胞内IL−4染色は、92%のIL−4産生細胞が19A2抗CRTh2抗体処置で枯渇されたが、IFNg産生細胞は低減しなかったことを示した(図9A)。
抗CRTh2は、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて自然2型細胞を枯渇させる
自然2型(IT2)細胞(自然リンパ性2型細胞又はILC2細胞とも称する)を枯渇させる抗CRTh2抗体の能力を評価するために、hCRTh2.Bac.TgマウスへのIL−17E含有プラスミドの注射により、IT2細胞数を増加させた。単回用量の抗hCRTh2又はアイソタイプコントロール抗体でマウスをi.v.処置し、腸間膜リンパ節において、フローサイトメトリーによって、処置後3日目にIT2細胞のパーセンテージ及び数を検出した。抗hCRTh2処置は、hCRTh2.Bac.Tgマウスにおける腸間膜リンパ節IT2細胞のパーセンテージ及び数を50%を超えて顕著に低減した。
実施例2.抗体ヒト化及び親和性成熟
哺乳動物細胞におけるビオチン化CRTh2の発現
ヒト、カニクイザル及びアカゲザルCRTh2 cDNA並びにQ16E又はR19H変異を有するヒトCRTh2を、哺乳動物発現ベクターpRK5に、リンカー及びAviタグ配列(GSGGLNDIFEAQKIEWH)をコードする配列に対して3’端にインフレームで融合してクローニングした。大腸菌(Escherichia coli)からのBirAビオチンリガーゼ遺伝子も哺乳動物発現ベクターpRK5にクローニングした。それぞれの種からのCRTh2をコードするプラスミドを、9:1の比でBirA発現プラスミドと混合し、10%胎児ウシ血清を含有し、10μMビオチンを補ったダルベッコ改変イーグル培地中でLipofectamine2000試薬(Invitrogen)を使用して293T細胞にコトランスフェクトした。細胞をトランスフェクション後24時間で収集し、ビオチン化CRTh2を含有する細胞膜画分を精製した。
細胞膜画分の精製
トランスフェクトされた細胞(2.5×10)を、プロテアーゼ阻害剤カクテルミックス(Roche)を含むPBS(150mM NaCl、10mMリン酸ナトリウム、pH7.4)中で2回洗浄し、細胞ペレットを−80℃で凍結した。細胞を解凍し、4mlの溶解バッファー(プロテアーゼ阻害剤ミックスを含む1mM EDTA、50mM HEPESバッファー、pH7.4)に再懸濁し、ぴったり密着する乳棒を使用して8回の動作でDounceホモジナイザーにおいて溶解した。最初の溶解の後に、500mMスクロースを含む4mlの溶解バッファーを加え、ぴったり密着する乳棒を使用して8回の動作でさらにホモジナイズした。10分間770×gの遠心分離によって細胞破片を除去し、17,000×gの遠心分離によって上清中の膜物質をペレットにした。ペレットにした膜を、Dounceホモジナイザーにおいて緩く密着する乳棒を使用して8回の動作で250mMスクロースを含む6mlの溶解バッファーに再懸濁した。770×gで10分間の遠心分離により大きい破片を除去した。半透明のSW40遠心管中の1.12Mスクロースを含む4mlの溶解バッファーに上清を注意して載せ、SW40Tiローター(Beckman)中で25,000rpmで1時間4℃で回転させた。高濃度及び低濃度スクロース画分の間の接触面の物質をピペットで回収し、スクロースを含まない等容量の溶解バッファーと混合し、16,000×g、4℃で10分間の遠心分離によってペレットにした。ペレットにした細胞膜を、1mlの溶解バッファーに再懸濁し、−80℃で貯蔵した。すべてのホモジナイゼーションステップは、氷上で実施した。
昆虫細胞からのCRTh2の発現及び精製
タンパク質発現:ホモサピエンス(Homo sapiens)及びカニクイザル(Macaca fascicularis)のCRTh2のAla3−Asp330をコードするDNAを、C末端Aviタグ及びHis8タグを含む改変pAcGP67バキュロウイルス移行ベクター(BD Biosciences)にクローニングした。組換えバキュロウイルスは、ESF921培地(Expression Systems)中、BaculoGold発現系(BD Biosciences)を使用して、pAcGP67コンストラクト及び直線化バキュロウイルスDNAでSf9細胞をコトランスフェクトすることによって生成した。ウイルスは、3回の増幅によって得た。タグ化していない大腸菌BirA(Met1−Lys321)を発現する組換えバキュロウイルスを、同様にして得た。40mLの両方のウイルス(CRTh2及びBirA)を使用して、2×10細胞/mLの密度の10LのTni.PRO細胞に同時感染させた。細胞を48時間27℃でさらに増殖させ、遠心分離によって培地から除去した。
タンパク質精製:収集した細胞ペレットをマイクロフルイダイザーに3回通すことにより、Complete EDTAフリープロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche)を含む50mM Tris pH8、200mM NaCl(TBS)に再懸濁して溶解した。溶解物を清澄化した後に、45Ti超遠心ローター(Beckman)中で2時間4℃で40Kの遠心分離によって、膜を収集した。30グラムの膜ペレットをTBS(10g/L)に再懸濁し、1%(wt/vol)のラウリルマルトースネオペンチルグリコール(LMNG、Affymetrix)を使用して2時間4℃で可溶化した。清澄化の後に、試料をNi−NTA樹脂(Qiagen)に一括結合させ、15mMイミダゾールを含む0.12%(wt/vol)ジギトニン(EMD Biosciences)を含むTBSで洗浄した。300mMイミダゾールを含む同じバッファーでタンパク質を溶出し、イミダゾールを含まないTBS−ジギトニン(0.12%)バッファー中で、100MWKOスピン濃縮器を4℃(Vivaspin、GE Healthcare)で使用して、5回濃縮及び希釈した。ビオチン化CRTh2タンパク質濃度は、タンパク質標準物質との比較によって見積もった。試料を分割し、液体窒素中で瞬間凍結した。
可溶化CRTh2を使用するELISA
ニュートラアビジン(Pierce)で一晩4℃で96ウェルMaxisorp ELISAプレート(10mM炭酸塩バッファー、pH9.6中で2μg/ml、ウェルあたり100μl)を被覆し、0.5%ウシ血清アルブミンを含むPBS(ブロッキングバッファー)でブロックした。CRTh2を含む細胞膜又はコントロール膜タンパク質又は精製CRTh2をブロッキングバッファーで希釈し、1%ドデシルマルトシド(DDM)中に15分間氷上で溶解し、16,000×g、4℃で30分間の遠心分離によって、不溶性物質を除去した。可溶化CRTh2又はコントロール膜タンパク質を、0.2%DDMを含むブロッキングバッファーで希釈し、ニュートラアビジン被覆プレートに加えた。タンパク質を10分間インキュベートし、プレートを0.05%DDMを含むPBSで洗浄した。0.2%DDMを含むブロッキングバッファーで抗体を系列希釈し、捕捉抗原と1時間4℃でインキュベートした。プレートを上記のように洗浄し、0.2%DDMを含むブロッキングバッファーで希釈したペルオキシダーゼにコンジュゲートした抗ヒト又は抗マウスIgGをプレートに加えた。30分間4℃でのインキュベーションの後に、プレートを上記のように洗浄し、TMB基質をプレートに加えた。等容量の1Mリン酸でペルオキシダーゼ反応を停止し、吸光度を450nmで読み取った。使用したCRTh2タンパク質の量は、組換えヒト、カニクイザル及びアカゲザルCRTh2に結合する抗CRTh2 Mabを使用するELISAにより決定される、ウェルの飽和を達成するために十分であった。
抗体ヒト化
Mab 19A2のCDR配列(図10)を、オリゴヌクレオチド指向性部位突然変異誘発により、コンセンサスカッパ1(コンセンサスK1)及びコンセンサスVH3(コンセンサスH3)フレームワークにグラフト化した(Dennis, M.S. (2010). CDR repair: A novel approach to antibody humanization. In Current Trends in Monoclonal Antibody Development and Manufacturing, S.J. Shire, W. Gombotz, K. Bechtold-Peters及びJ. Andya編(Springer, New York), pp. 9-28)。親のマウスの19A2抗体に存在する軽鎖(カバット番号付け系)の位置71及び重鎖の位置49のフレームワーク残基も、ヒト化抗体hu19A2.v1のフレームワーク位置に組み込んだ(図11A及び11B)。Mab 8B1のCDR配列(図12)を、オリゴヌクレオチド指向性部位突然変異誘発により、コンセンサスK1及びコンセンサスVH1(コンセンサスH1)フレームワークにグラフト化した。親のマウスの8B1抗体に存在する軽鎖の位置46、66、69及び71並びに重鎖の位置37、67、69、71及び91のフレームワーク残基も、ヒト化抗体hu8B1.v1のフレームワーク位置に組み込んだ(図12)。すべての抗体をpRK5ベクターにクローニングした。ヒト化抗体を293T細胞においてヒトIgG1と同様に発現させ、プロテインA−sepharoseでアフィニティークロマトグラフィーによって精製した。Mabの結合は、ヒト、カニクイザル及びアカゲザルCRTh2を使用してELISAにより決定した。
親和性成熟
バクテリオファージM13のp3タンパク質に融合したFab断片を提示するファージディスプレイベクターに、hu19A2.v1の重鎖及び軽鎖可変領域をクローニングした。軽鎖又は重鎖の3つのCDRすべてが除去され、停止コドンをコードする配列で置き換えられた、2セットの「停止」鋳型ベクターを準備した。オリゴヌクレオチド指向性部位突然変異誘発により、無作為重鎖又は軽鎖CDRを有するライブラリーを作出した。各オリゴヌクレオチドがNNK(N=A、T、C又はG、K=T又はG)として無作為化された1コドンを有するオリゴヌクレオチドを各CDRについて合成した。軽鎖のKabat位置27−34、50−56及び89−97を24オリゴヌクレオチドのセットで無作為化し、Kabat位置26−35、49−58及び95−100aを28オリゴヌクレオチドのセットで無作為化した。無作為化ライブラリーを大腸菌XL1−Blue細胞(Agilent technologies)にエレクトロポレーションし、細胞あたり10粒子形成単位の感染多重度で突然変異体ヘルパーファージKO7+(Lamboyら, ChemBioChem 9: 2846-2852 (2008))に感染させ、回復させ、50μg/mlカルベニシリン及び100μg/mlカナマイシンを含む2YTブロスで37℃で一晩増殖させた。細胞を遠心分離によって除去し、上清中のFabを提示するファージを濃縮し、PEG沈殿(ref)によって精製した。ファージを4回の選択に供した。各回では、0.2%DDMを含むブロッキングバッファー中のファージを、野生型配列又はQ16E若しくはR19H変異を有し、ニュートラアビジン被覆ELISAプレートに結合したDDM可溶化ヒトCRTh2と1時間4℃でインキュベートした。0.05%DDMを含むPBSでプレートを洗浄し、100μlの0.1N HClで10分間ファージを溶出した。ファージを回収し、1/8容量の1M Trisベースを加えることによりpHを中性にした。ファージは、大腸菌XL1−Blueに感染させるために使用し、上記のようにして増やした。4回目からのファージを使用して、大腸菌XL1−Blueに感染させ、50μg/mlカルベニシリンを含むLBに播種して、単離クローンを得た。クローンは、色素デオキシ鎖ターミネーター法によって配列決定し、各位置での変異を表にした。好ましい変異をヒト化hu19A2.v1ヒトIgG1クローンに導入し、IgGをヒト293T細胞で発現させ、アフィニティークロマトグラフィーによって精製した。ヒト、アカゲザル及びカニクイザルCRTh2へのIgGの結合を、ELISAによって試験した。軽鎖変異S31W及び重鎖変異Y58Dを含むhu19A2.v12に基づいて、第2世代のライブラリーを作出した。この第2世代のライブラリーは、Sf9細胞で発現された精製ヒト及びカニクイザルCRTh2抗原、及びDDMの代わりに0.12%ジギトニンを選択において使用した以外は上記と同様にして選択した。さらに、重鎖の位置31を、その位置に、組み合わせでトリプトファン及びシステイン以外のすべてのアミノ酸をコードする縮重コドンNHK及びVNKを有する2つのオリゴヌクレオチドで無作為化した。軽鎖の位置31のトリプトファンは、ヒト化19A2.v58、19A2.v60及び19A2.v52においてチロシンに変えた。19A2.v46は、位置31にチロシンでなくトリプトファンを含む以外は、19A2.52と同一の配列である。位置56のアスパラギン酸は、19A2.v60及び他のクローンにおいてグルタミン酸に変化させ、異性化部位を除去した。
マウス及びヒト化抗ヒトCRTh2抗体の生成及びインビトロ特徴づけ
293細胞で発現されたヒトCRTh2との反応性について、ヒト化クローンh19A2.v1、h19A2.v46及びh19A2.v52を試験した。19A2と同様に、ヒト化抗CRTh2抗体は、293細胞で発現されたヒトCRTh2と用量依存的様式で反応した(図15A)。さらに、ヒト化親和性成熟クローンh19A2.v12、h19A2.v46及びh19A2.v52も、293細胞で発現されたカニクイザル及びアカゲザルCRTh2と用量依存的反応性を示したが、ヒト化抗体h19A2.v1は、293細胞で発現されたカニクイザル及びアカゲザルCRTh2と反応性を示さなかった(図15B)。さらに、ヒト化及び親和性成熟抗体h19A2.v52は、全血からのヒト、カニクイザル及びアカゲザル好塩基球及び好酸球と用量依存的様式で反応した(図15C)。
相同の競合を使用する放射性標識されたリガンド解析を実施して、293細胞の表面で発現されたヒト及びカニクイザルCRTh2に対する抗CRTh2抗体の解離定数(KD)を評価した。ヒト化抗体h19A2.v52及びh19A2.v46のKD値の直接的測定値を得るために、これらの抗体のFab断片を生成した(図16)。ヒトCRTh2を発現する293細胞に対するヒト化抗CRTh2クローン19A2.v52及び19A2.v46(IgGのFab断片)についてのKD値は、それぞれ13.7nM及び6.4nMであった。カニクイザルCRTh2を発現する293細胞に対する19A2.v52及び19A2.v46(IgGのFab断片)についてのKD値は、それぞれ21.3nM及び8.6nMであった。これらの測定値に基づいて、ヒト対カニクイザルCRTh2についての相対的結合親和性は、h19A2.52について2倍以内であり(図16A及びB)、h19A2.v46について能力がほぼ等しいと見られた(図16C及びD)。
ヒト化及び親和性成熟抗CRTh2抗体のブロッキング機能を評価するために、ヒトCRTh2を発現する293細胞におけるフォルスコリン誘導cAMPレベルのPGD2媒介阻害に対する抗CRTh2抗体の効果を試験した。フォルスコリンとPGD2とで刺激したhCRTh2発現293細胞を8B1抗体で処理すると、cAMPレベルが用量依存的様式で増加した(図17A)。よって、8B1抗体は、フォルスコリン誘導cAMPレベルのPGD2媒介減少を用量依存的様式でブロックしたが、このことは、PGD2に応答したTh2細胞中のカルシウムフラックスを阻害するその能力と同様に、8B1がPGD2機能ブロッキング能力を有することを示した。これに対して、h19A2.v52は、フォルスコリン誘導cAMPヒトCRTh2 293細胞アッセイにおいてPGD2ブロッキング能力を示さなかった。抗CRTh2抗体がPGD2の非存在下でフォルスコリン誘導cAMPレベルに対して直接的な効果を有するかどうかも試験した。図17Bに示すように、様々な濃度の抗CRTh2抗体は、ヒトCRTh2 293細胞におけるフォルスコリン誘導cAMPレベルに対して効果を示さず、このことは、これらの抗体がこのアッセイにおいてアゴニスト活性を示さないことを示した。これに対して、PGD2は、フォルスコリン誘導cAMPレベルを低減した。
抗CRTh2抗体19A2が血液、脾臓及び骨髄においてインビボでCRTh2+好塩基球及び好酸球を枯渇させることができるかどうかを試験するために、単回用量の19A2抗体を、示すように、CRTh2.Bac.Tgマウスに投与した(図18A及びB)。単回用量の20ug/マウス又は100ug/マウスの19A2は、フローサイトメトリーによって決定される、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて末梢血及び脾臓中の好塩基球及び好酸球を3日目に、並びに血液、脾臓及び骨髄中の好酸球を処置後7日目に完全に枯渇させた(図18A、B及びC)。好塩基球の顕著な枯渇も脾臓において処置後7日目に両方の用量レベルで観察されたが、骨髄における好塩基球枯渇は、100ug/マウス用量を使用してより明白であった。血液中の好塩基球の枯渇は、処置後7日目に変動的であった。
ヒト化及び親和性成熟抗CRTh2抗体h19A2.v52が血液、脾臓及び骨髄においてインビボでCRTh2+好塩基球及び好酸球を枯渇させることができるかどうかを試験するために、単回用量の0.5mg/kg又は10mg/kgの19A2.v52 hIgG1抗体をヒトCRTh2.Bac.Tgマウスに投与した(図19A)。単回用量の0.5mg/kg又は10mg/kgのh19A2.v52は、フローサイトメトリーによって決定される、ヒトCRTh2.Bac.Tgマウスにおいて末梢血、脾臓又は骨髄中の好酸球を2日目に完全に枯渇させた。7日目及び14日目に、好酸球は、10mg/kg用量で、脾臓(図19B)及び骨髄(図19C)において、並びに血液(図19A)において大量に、枯渇されたままであった。これに対して、0.5mg/kg用量では、好酸球は、血液、脾臓及び骨髄において、7日目に部分的に、及び14日目に完全にベースラインに戻った。さらに、好塩基球の顕著な枯渇が、両方の用量レベルで脾臓において2日目に、及び10mg/kg用量で7日目に観察されたが、骨髄における好塩基球枯渇は、両方の用量で2日目及び7日目にあまり明白でなかった。好塩基球のレベルは、0.5mg/kg用量で脾臓において7日目に、及び両方の用量で脾臓及び骨髄において14日目にベースラインに戻った。
抗CRTh2抗体のエフェクター機能が組織内のCRTh2+細胞の効率的な枯渇のために必要であるかどうかを評価するために、自然免疫細胞枯渇、及びhCRTh2.Bac.TgマウスでのTNP−OVA誘導慢性喘息モデルにおけるTh2 BALサイトカイン産生の低減に対するFc突然変異体抗CRTh2 19A2_DANA抗体の効果を抗CRTh2 19A2と比較した。i.p.200ug/マウスの治療レジメンでの4回の抗体19A2の投与は、肺好酸球、好塩基球及び肥満細胞をそれぞれ96%、86%及び72%枯渇させた(図20A)。これに対して、19A2_DANA処置は、肺においてそれぞれ26%、34%及び31%、好酸球、好塩基球及び肥満細胞を部分的にだけ低減した(図20A)。さらに、気管支肺胞洗浄(BAL)液中の好酸球は、19A2処置で99%枯渇されたが、19A2_DANA処置で16%だけ枯渇された。さらに、BAL液中のTh2サイトカインIL−4は、19A処置の後に100%低減したが、19A2_DANA処置は、BAL IL−4の20%の低減だけを導いた(図20B)。
表2.ヒト化19A2変異体のKabat CDR配列

表3.抗体mu8B1、hu8B1.v1、mu3C12及びmu31A5のKabat CDR配列
マウス抗体可変配列
mu19A2−軽鎖可変領域(配列番号49)

mu19A2−重鎖可変領域(配列番号61)
mu8B1−軽鎖可変領域(配列番号50)
mu8B1−重鎖可変領域(配列番号62)
mu3C12−軽鎖可変領域(配列番号51)
mu3C12−重鎖可変領域(配列番号63)
mu31A5−軽鎖可変配列(配列番号53)
mu31A5−重鎖可変配列(配列番号65)
ヒト化8B1可変領域配列
hu8B1.v1−軽鎖可変領域(配列番号52)

hu8B1.v1−重鎖可変領域(配列番号64)
ヒト化19A2可変領域配列
hu19A2.v1−軽鎖可変領域(配列番号38)

hu19A2.v12−軽鎖可変領域(配列番号39)
hu19A2.v38−軽鎖可変領域(配列番号39)
hu19A2.v46−軽鎖可変領域(配列番号39)
hu19A2.v47−軽鎖可変領域(配列番号39)
hu19A2.v51−軽鎖可変領域(配列番号39)
hu19A2.v52−軽鎖可変領域(配列番号40)
hu19A2.v53−軽鎖可変領域(配列番号40)
hu19A2.v57−軽鎖可変領域(配列番号41)
hu19A2.v58−軽鎖可変領域(配列番号42)
hu19A2.v60−軽鎖可変領域(配列番号41)
hu19A2.v61−軽鎖可変領域(配列番号42)
hu19A2.v62−軽鎖可変領域(配列番号41)
hu19A2.v63−軽鎖可変領域(配列番号43)
hu19A2.v64−軽鎖可変領域(配列番号42)
hu19A2.v65−軽鎖可変領域(配列番号43)
hu19A2.v66−軽鎖可変領域(配列番号44)
hu19A2.v67−軽鎖可変領域(配列番号45)
hu19A2.v68−軽鎖可変領域(配列番号44)
hu19A2.v69−軽鎖可変領域(配列番号45)
hu19A2.v70−軽鎖可変領域(配列番号46)
hu19A2.v71−軽鎖可変領域(配列番号47)
hu19A2.v72−軽鎖可変領域(配列番号48)
hu19A2.v1−重鎖可変領域(配列番号54)
hu19A2.v12−重鎖可変領域(配列番号55)
hu19A2.v38−重鎖可変領域(配列番号56)
hu19A2.v46−重鎖可変領域(配列番号57)
hu19A2.v47−重鎖可変領域(配列番号58)
hu19A2.v51−重鎖可変領域(配列番号59)
hu19A2.v52−重鎖可変領域(配列番号57)
hu19A2.v53−重鎖可変領域(配列番号59)
hu19A2.v57−重鎖可変領域(配列番号59)
hu19A2.v58−重鎖可変領域(配列番号57)
hu19A2.v60−重鎖可変領域(配列番号57)
hu19A2.v61−重鎖可変領域(配列番号55)
hu19A2.v62−重鎖可変領域(配列番号55)
hu19A2.v63−重鎖可変領域(配列番号55)
hu19A2.v64−重鎖可変領域(配列番号60)
hu19A2.v65−重鎖可変領域(配列番号60)
hu19A2.v66−重鎖可変領域(配列番号55)
hu19A2.v67−重鎖可変領域(配列番号55)
hu19A2.v68(配列番号60)
hu19A2.v69(配列番号60)
hu19A2.v70−重鎖可変領域(配列番号54)
hu19A2.v71−重鎖可変領域(配列番号54)
hu19A2.v72−重鎖可変領域(配列番号54)
ヒト化19A2完全長配列
hu19A2.v1−軽鎖(配列番号66)

hu19A2.v12−軽鎖(配列番号67)
hu19A2.v38−軽鎖(配列番号67)
hu19A2.v46−軽鎖(配列番号67)
hu19A2.v47−軽鎖(配列番号67)
hu19A2.v51−軽鎖(配列番号67)
hu19A2.v52−軽鎖(配列番号68)
hu19A2.v53−軽鎖(配列番号68)
hu19A2.v57−軽鎖(配列番号69)
hu19A2.v58−軽鎖(配列番号70)
hu19A2.v60−軽鎖(配列番号69)
hu19A2.v61−軽鎖(配列番号70)
hu19A2.v62−軽鎖(配列番号69)
hu19A2.v63−軽鎖(配列番号71)
hu19A2.v64−軽鎖(配列番号70)
hu19A2.v65−軽鎖(配列番号71)
hu19A2.v66−軽鎖(配列番号72)
hu19A2.v67−軽鎖(配列番号73)
hu19A2.v68−軽鎖(配列番号72)
hu19A2.v69−軽鎖(配列番号73)
hu19A2.v70−軽鎖(配列番号74)
hu19A2.v71−軽鎖(配列番号75)
hu19A2.v72−軽鎖(配列番号76)
hu19A2.v1−重鎖(配列番号77)
hu19A2.v12−重鎖(配列番号78)
hu19A2.v38−重鎖(配列番号79)
hu19A2.v46−重鎖(配列番号80)
hu19A2.v47−重鎖(配列番号81)
hu19A2.v51−重鎖(配列番号82)
hu19A2.v52−重鎖(配列番号80)
hu19A2.v53−重鎖(配列番号82)
hu19A2.v57−重鎖(配列番号82)
hu19A2.v58−重鎖(配列番号80)
hu19A2.v60−重鎖(配列番号80)
hu19A2.v61−重鎖(配列番号78)
hu19A2.v62−重鎖(配列番号78)
hu19A2.v63−重鎖(配列番号78)
hu19A2.v64−重鎖(配列番号83)
hu19A2.v65−重鎖(配列番号83)
hu19A2.v66−重鎖(配列番号78)
hu19A2.v67−重鎖(配列番号78)
hu19A2.v68−重鎖(配列番号83)
hu19A2.v69−重鎖(配列番号83)
hu19A2.v70−重鎖(配列番号77)
hu19A2.v71−重鎖(配列番号77)
hu19A2.v72−重鎖(配列番号77)
ペリオスチン配列
ヒトペリオスチンアイソフォーム1 NP_006466(配列番号87)

ヒトペリオスチンアイソフォーム2 NP_001129406(配列番号88)
ヒトペリオスチンアイソフォーム3 NP_001129407(配列番号89)
ヒトペリオスチンアイソフォーム4 NP_001129408(配列番号90)
ヒトペリオスチンアイソフォーム5(配列番号91)
理解を明瞭にする目的で、前述の発明を、例示及び例としてある程度詳細に記載したが、説明及び例は、本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきでない。本明細書で引用されるすべての特許及び科学文献の開示は、その全内容が本明細書に参照により明確に援用される。



  1. ヒトCRTh2に結合し、治療有効量がヒト対象に投与された場合に、CRTh2発現細胞を枯渇させる単離抗体。

  2. 以下の型のCRTh2発現細胞:Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球又は自然2型(IT2)細胞のうち1つ又は複数を枯渇させる、請求項1に記載の抗体。

  3. ADCC及び/又はCDC活性を改善するように操作されている、請求項1又は2に記載の抗体。

  4. ADCC活性を改善する、及び/又はCDC活性を低減するように操作されている、請求項1又は2に記載の抗体。

  5. 脱フコシル化されている、請求項1から4の何れか一項に記載の抗体。

  6. アルファ1,6−フコシルトランスフェラーゼ(Fut8)ノックアウトを有する細胞株で産生される、請求項5に記載の抗体。

  7. β1,4−N−アセチルグルコサミニルトランスフェラーゼIII(GnT−III)を過剰発現する細胞株で産生される、請求項5に記載の抗体。

  8. 細胞株が、ゴルジα−マンノシダーゼII(ManII)をさらに過剰発現する、請求項7に記載の抗体。

  9. ADCC及び/又はCDC活性を改善する少なくとも1つのアミノ酸置換をFc領域に含む、請求項3に記載の抗体。

  10. アミノ酸置換が、S298A/E333A/K334Aである、請求項9に記載の抗体。

  11. 裸抗体である、請求項1から10の何れか一項に記載の抗体。

  12. キメラである、請求項1から11の何れか一項に記載の抗体。

  13. ヒト化されている、請求項1から11の何れか一項に記載の抗体。

  14. ヒトである、請求項1から11の何れか一項に記載の抗体。

  15. 二重特異性抗体である、請求項1から14の何れか一項に記載の抗体。

  16. IgG1抗体である、請求項1から14の何れか一項に記載の抗体。

  17. 以下の抗体:19A2、8B1、31A5及び3C12のうちの少なくとも1つのヒトCRTh2への結合を競合的に阻害する、請求項1から16の何れか一項に記載の抗体。

  18. ELISAアッセイを使用して、競合結合を決定する、請求項17に記載の抗体。

  19. 以下の抗CRTh2抗体:19A2、8B1、31A5及び3C12のうちの少なくとも1つが結合するCRTh2エピトープと同じ又はオーバーラップするヒトCRTh2のエピトープに結合する、請求項1から18の何れか一項に記載の抗体。

  20. 以下の抗CRTh2抗体:19A2、8B1、31A5及び3C12のうちの1つからの6つの超可変領域(HVR)を含む、請求項1から19の何れか一項に記載の抗体。

  21. 非ヒト霊長類のCRTh2に結合する、請求項1から16の何れか一項に記載の抗体。

  22. アカゲザル及び/又はカニクイザルCRTh2に結合する、請求項21に記載の抗体。

  23. CRTh2シグナル伝達をさらにブロックする、請求項1から22の何れか一項に記載の抗体。

  24. プロスタグランジンD2に応答したCRTh2発現細胞の動員を妨げる、請求項1から22の何れか一項に記載の抗体。

  25. CRTh2発現細胞におけるCa2フラックスをブロックする、請求項1から22の何れか一項に記載の抗体。

  26. 約100nM以下のKd値でヒトCRTh2に結合する、請求項1から25の何れか一項に記載の抗体。

  27. 配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及びXISNGGSTTXYPGTVEG(配列番号5)を含むHVR−H2(式中、XはY又はRであり、XはY又はDである)を含む、請求項1に記載の抗体。

  28. 配列番号35又は36のアミノ酸配列を含むHVR−H3、配列番号27のアミノ酸配列を含むHVR−L3、及び配列番号32又は33のアミノ酸配列を含むHVR−H2を含む、請求項1に記載の抗体。

  29. 軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体であって、軽鎖及び重鎖可変領域が、6つの超可変領域(HVR)配列:
    (i)RASENIYXNLA(配列番号1)を含むHVR−L1(式中、XはS、W又はYである)、
    (ii)AATQLAX(配列番号2)を含むHVR−L2(式中、XはD、E又はSである)、
    (iii)QHFWITPWT(配列番号3)を含むHVR−L3、
    (iv)XYXMS(配列番号4)を含むHVR−H1(式中、XはS又はFであり、XはS、L又はKである)、
    (v)XISNGGSTTXYPGTVEG(配列番号5)を含むHVR−H2(式中、XはY又はRであり、XはY又はDである)、及び
    (vi)HRTNWDFDY(配列番号6)を含むHVR−H3
    を含む抗体。

  30. 軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体であって、軽鎖可変領域が、配列番号7、8又は9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、配列番号10、11又は12のアミノ酸配列を含むHVR−L2、及び配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3を含む単離抗CRTh2抗体。

  31. 配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域をさらに含む、請求項29に記載の抗体。

  32. 配列番号13、14、15、16又は17のアミノ酸配列を含むHVR−H1、配列番号18、19、20又は21のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3を含む重鎖可変領域を含む、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体。

  33. (i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、
    (ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、
    (iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、
    (iv)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H1、
    (v)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び
    (vi)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3
    を含む、請求項29から32の何れか一項に記載の抗体。

  34. (i)配列番号8のアミノ酸配列を含むHVR−L1、
    (ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むHVR−L2、
    (iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、
    (iv)配列番号13のアミノ酸配列を含むHVR−H1、
    (v)配列番号19のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び
    (vi)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3
    を含む、請求項29から32の何れか一項に記載の抗体。

  35. (i)配列番号9のアミノ酸配列を含むHVR−L1、
    (ii)配列番号11のアミノ酸配列を含むHVR−L2、
    (iii)配列番号3のアミノ酸配列を含むHVR−L3、
    (iv)配列番号15のアミノ酸配列を含むHVR−H1、
    (v)配列番号20のアミノ酸配列を含むHVR−H2、及び
    (vi)配列番号6のアミノ酸配列を含むHVR−H3
    を含む、請求項29から32の何れか一項に記載の抗体。

  36. 配列番号38−53からなる群から選択されるVL配列を含む、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体。

  37. 配列番号54−65からなる群から選択されるVH配列をさらに含む、請求項36に記載の抗体。

  38. 配列番号54−65からなる群から選択されるVH配列を含む、軽鎖及び重鎖可変領域を含む単離抗CRTh2抗体。

  39. 配列番号40のVL配列及び配列番号57のVH配列を含む、請求項36から38の何れか一項に記載の抗体。

  40. 配列番号39のVL配列及び配列番号55のVH配列を含む、請求項36から38の何れか一項に記載の抗体。

  41. 配列番号41のVL配列及び配列番号57のVL配列を含む、請求項36から38の何れか一項に記載の抗体。

  42. モノクローナル抗体である、請求項29から41の何れか一項に記載の抗体。

  43. ヒト化抗体又はキメラ抗体である、請求項29から41の何れか一項に記載の抗体。

  44. フレームワーク配列の少なくとも一部が、ヒトコンセンサスフレームワーク配列である、請求項29から41の何れか一項に記載の抗体。

  45. Fab、Fab’−SH、Fv、scFc又は(Fab’)断片から選択される抗体断片である、請求項29から44の何れか一項に記載の抗体。

  46. 請求項1から44の何れか一項に記載の抗体の抗原結合断片。

  47. 請求項1から45の何れか一項に記載の抗体及び請求項46に記載の抗原結合断片をコードする単離核酸。

  48. 請求項47に記載の核酸を含む宿主細胞。

  49. 抗体が産生されるように請求項48に記載の宿主細胞を培養することを含む、抗体を産生する方法。

  50. 宿主細胞によって産生された抗体を回収することをさらに含む、請求項49に記載の方法。

  51. 請求項1から45の何れか一項に記載の抗体又は請求項46に記載の抗原結合断片及び細胞傷害剤を含むイムノコンジュゲート。

  52. 請求項1から45の何れか一項に記載の抗体又は請求項46に記載の抗原結合断片及び薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。

  53. 喘息を治療するための方法であって、抗CRTh2抗体の有効量を対象に投与することを含み、抗体が、対象におけるCRTh2発現細胞を枯渇させる方法。

  54. 抗体が、以下の型のCRTh2発現細胞:Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球又は自然2型(IT2)細胞のうちの1つ又は複数を枯渇させる、請求項53に記載の方法。

  55. 抗CRTh2抗体が、CRTh2発現細胞を肺組織から枯渇させる、請求項53又は54に記載の方法。

  56. 抗CRTh2抗体が、CRTh2発現細胞を気管支肺胞洗浄液から枯渇させる、請求項53から55の何れか一項に記載の方法。

  57. 抗CRTh2抗体が、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも50%の少なくとも1つの型のCRTh2発現細胞を肺から枯渇させる、請求項53から55の何れか一項に記載の方法。

  58. 抗CRTh2抗体が、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも80%の少なくとも1つの型のCRTh2発現細胞を肺から枯渇させる、請求項57に記載の方法。

  59. 抗CRTh2抗体が、抗体の投与前のベースラインと比較して、少なくとも90%の少なくとも1つの型のCRTh2発現細胞を肺から枯渇させる、請求項57に記載の方法。

  60. 対象が、微量顆粒球性喘息に罹患している、請求項53から59の何れか一項に記載の方法。

  61. 1種又は複数のサイトカインのレベルが、抗CRTh2抗体の投与後に対象において低下する、請求項53から60の何れか一項に記載の方法。

  62. 以下の細胞型:Th2細胞、肥満細胞、好酸球、好塩基球又は自然2型(IT2)細胞のうちの少なくとも1つにより産生される1種又は複数のサイトカインのレベルが低下する、請求項61に記載の方法。

  63. IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン又はロイコトリエンのうちの1種又は複数のレベルが、対象において低下する、請求項61に記載の方法。

  64. 対象が、吸入コルチコステロイド、短時間作用型β2アゴニスト、長時間作用型β2アゴニスト又はそれらの組み合わせにより適切に制御されない喘息に罹患している、請求項53から59の何れか一項に記載の方法。

  65. 対象が、ヒトである、請求項53から64の何れか一項に記載の方法。

  66. 抗CRTh2抗体が、請求項1から45の何れか一項に記載の抗体又は請求項46に記載の抗原結合断片である、請求項53から65の何れか一項に記載の方法。

  67. CRTh2発現細胞により媒介される障害を治療するための方法であって、抗CRTh2抗体の有効量を対象に投与することを含み、抗体が、対象におけるCRTh2発現細胞を枯渇させる方法。

  68. 障害が、喘息、微量顆粒球性喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、急性又は慢性気道過敏症、好酸球増多症候群、好酸球性食道炎、チャーグ−ストラウス症候群、特発性肺線維症、サイトカインに関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する炎症、CRTh2発現細胞に関連する悪性腫瘍、慢性特発性じん麻疹、慢性自発性じん麻疹、物理的じん麻疹、寒冷じん麻疹、圧迫じん麻疹、水疱性類天疱瘡、鼻腔ポリポーシス、食物アレルギー及びアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)からなる群から選択される、請求項67に記載の方法。

  69. 抗CRTh2抗体が、請求項1から45の何れか一項に記載の抗体又は請求項46に記載の抗原結合断片である、請求項67又は68に記載の方法。

  70. 対象におけるサイトカインのレベルを低減するための方法であって、抗CRTh2抗体の有効量を対象に投与することを含み、抗体が、対象におけるCRTh2発現細胞を枯渇させる方法。

  71. IL−4、IL−5、IL−9、IL−13、IL−17、ヒスタミン、及びロイコトリエンの1種又は複数のレベルが、対象において低下する、請求項70に記載の方法。

  72. 抗CRTh2抗体が、請求項1から45の何れか一項に記載の抗体又は請求項46に記載の抗原結合断片である、請求項70又は71に記載の方法。

 

 

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【選択図】なし
本発明の開示は、一般に、抗原の非存在下で、グルコピラノシル脂質A(GLA)でがんを処置するための組成物および方法に関する。
本明細書に提供されるのは、癌を治療又は予防する方法であって、有効量のtorキナーゼ阻害剤及び有効量のn-フェニルアミノ)ピリミジン-4-イルアミノ)フェニル)アクリルアミドを、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【選択図】図3
本明細書に提供されるのは、癌を治療又は予防する方法であって、有効量のtorキナーゼ阻害剤及び有効量のimid免疫調節薬を、癌を有する患者に投与することを含む、方法である。
【選択図】図1
本発明は、抗がん抗体を使用するがん療法の分野に関する。抗がん有効性および改善された有害副作用プロファイルを示す、グリコシル化特徴が改善された、特に、フコシル化が低減された抗EGFR抗体の医学的使用が提供される。CH2ドメイン中にグリコシル化部位を含む抗EGFR抗体であって、該グリコシル化部位に結合したグリカンの50%またはそれ未満がフコースを担持し(フコース低減化抗EGFR抗体)、該フコース低減化抗EGFR抗体が、ヒト患者におけるEGFR陽性新生物疾患を処置するために、抗体依存性細胞性細胞傷害反応を誘導することができる、抗EGFR抗体。
本発明は、TLR9アゴニストを用いたヒトCSF−1Rに対する抗体の併用療法に関する。
【選択図】図1
SDC2、SDC2を含む組成物、SDC2をコードするベクター、および細胞によるSDC2の発現を調節する化合物は、免疫調節を達成するための哺乳動物(例えば、ヒト)の細胞の処理のために、または他の特定の治療介入のために使用される。細胞は、当該細胞をSDC2と混合するか、SDC2を結合する抗体またはその断片で当該細胞を処理するか、または当該細胞によるSDC2の発現または活性を調節することにより処理される。細胞または組織は、それらの免疫調節特性または他の治療特性に基づく治療用途のために処理された細胞から誘導される。
本発明は、(i)CD3と、(ii)癌細胞上の表面標的抗原と、に特異的に結合する二重特異的結合分子に関する。ここで、結合分子は、(a)CD3に特異的に結合する抗体と、(b)癌細胞上の表面標的抗原に結合するFyn−SH3由来ポリペプチドと、を含み、前記Fyn−SH3由来ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列からなる。ただし、(i)配列番号1のアミノ酸位置10〜19内の少なくとも1つのアミノ酸は、置換、欠失、または付加されていること、かつ(ii)配列番号1のアミノ酸位置29〜36内の少なくとも1つのアミノ酸は、置換、欠失、または付加されていること、を条件とし、前記ポリペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列に対して少なくとも85%の配列同一性を有し、同一性の決定では、配列番号1のアミノ酸位置12〜17および31〜34が除外されること、を条件とする。
CXCケモカイン受容体1(CXCR1)及びCXCケモカイン受容体2(CXCR2)に特異的に結合する1つ以上の分子を含む組成物、ならびに治療有効量のそのような組成物を対象に投与することにより、対象における病的骨損失の症状を治療し、改善するための方法が提供される。
本発明は、第VIII因子ポリペプチド、例えば、FVIII−Fcの製剤、及びその使用方法を提供する。FVIIIポリペプチドは、組換えFVIIIタンパク質、短時間作用型FVIIIタンパク質、または長時間作用型FVIIIタンパク質であり得る。FVIIIポリペプチドを含む薬学的製剤は、血友病の個々の予防、毎週の予防、発症時(オンデマンド)治療、または周術期管理のために使用され得る。薬学的組成物であって、(a)FVIIIポリペプチドと、(b)スクロース、トレハロース、ラフィノース、アルギニン、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上の安定化剤と、(c)塩化ナトリウム(NaCl)と、(d)L−ヒスチジンと、(e)塩化カルシウムと、(f)ポリソルベート20またはポリソルベート80と、を含む、前記薬学的組成物。
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