活性アレイまたは生物活性アレイにおける保護用重合ナノ粒子外用剤、ならびにその調製方法および用途

著者らは特許

A61K - 医薬用,歯科用又は化粧用製剤(薬物を特定の物理的または投与形態に変化させるのに特に適合した装置または方法A61J3/00;空気の脱臭用品,殺菌または消毒用品,あるいは包帯,被覆用品,吸収性パッド,または手術用品のための物質の使用又は化学的事項A61L;石鹸の組成C11D)
A61K8/02 - 特別な物理的形態に特徴があるもの
A61K8/81 - 炭素−炭素不飽和結合のみが関与する反応によって得られるもの
A61Q17/00 - 防護剤;外部の影響,例.日光,X線もしくは他の有害光線,腐食物質,バクテリア,またはこん虫の針,から防護するため皮膚に直接接触させる製剤
C08F8/42 - 金属原子または金属含有基の導入
C08F220/00 - ただ1つの炭素―炭素二重結合を含有する1個以上の不飽和脂肪族基をもち,そのうちのただ1つの脂肪族基がただ1つのカルボキシル基によって停止されている化合物.その塩,無水物,エステル,アミド,イミドまたはそのニトリルの共重合体

の所有者の特許 JP2016517448:

センター ナショナル デ ラ リシェルシェ サイエンティフィック
ユニバーシテ ニース ソフィア アンティポリス

 

本発明は、レオロジー変性ポリマーに共有的に会合する官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成される化合物に関する。本発明は、官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が、無機酸化物または金属酸化物、特に、1〜1500nmのlの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4またはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)の官能化マイクロ粒子またはナノ粒子であり、レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーが、非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択されることを特徴とする。本発明は、皮膚の保護または除染に使用する。
【選択図】図11

 

 

本発明は、レオロジー変性ポリマーに共有的にグラフトされた、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)の官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成されるハイブリッド有機/無機化合物に関する。より具体的には、本発明は、活性アレイまたは生物活性アレイを形成するためにポリマーにグラフトされた、アミン官能化シリカまたは二酸化チタンのマイクロ粒子またはナノ粒子に関する。さらに本発明は、(上記と)これらの粒子を含む保護用外用剤、その合成方法、および保護用外用剤の用途、特に皮膚の保護または除染用の保護用外用剤の用途に関する。
生物学的または化学的有害物質による汚染が多発する場合がある。生物学的有害物質は、一般的に、細菌、ウイルス、または毒素である。化学的有害物質は、一般的に有機リン酸塩の神経毒性化合物、またはびらん剤である。
化学テロリズムおよび生物テロリズムの出現により、ヒトを保護する多くの対抗策(reflection)が始まっている。介入の際、たとえばテロリストの行動の後または兵士による毒素の使用時には、保護服の着用が必須である。またこの種類の服は、農業分野および一部の産業でも使用すべきである。実際に、たとえば有害な殺虫剤を使用すると体内が汚染され、重篤な病変をもたらし、またはさらには使用者が死亡する場合がある。この保護服の大きな問題は、介入チームの任務能力の変化および感覚的な能力(視覚、聴覚、手先の器用さなど)の低下をもたらすことである。さらに、これは適合が不十分であるかまたは破れて、毒性物質に皮膚が曝露し得る場合には、迅速な使用制限を必要とする。
上記のすべての理由により、使用者の能力のすべてまたは一部を回復する新規の保護手段を見出すことが必要である。これらの保護手段を定義する前に、有害物質、ならびにその特性およびその皮膚の浸透様式を同定することが重要である。
毒性化学物質は、その揮発性、その軍事的な用途、または血液毒性、びらん性、窒息性、神経毒性、無能力化、中和作用などの複数の基準にしたがって分類され得る。
現在、主要な化学的脅威を呈するびらん剤および有機リン酸塩化合物に対しての保護に主に関心が集まっている。びらん剤は、基本的に、硫黄または窒素のイペリットにより、またより控えめなものとしては、ルイサイトおよびホスゲンオキシムにより代表される。有機リン酸塩化合物(OPC)として、殺虫剤(OPP)、および有機リン酸塩神経毒(OPN)が挙げられる。OPPは、一般的に、リン原子上にO,O−ジメチルまたはO,O−ジエチル置換基を含むリン酸塩またはホスホロチオエートである。これらは、一般的に間接的なコリンエステラーゼ阻害剤であり、すなわち代謝的変換:P=S結合のS−酸化後に限って活性となる。このことは、曝露と中毒の兆候の発症との間のかなりの潜時があることを意味する。有機リン酸塩殺虫剤は、OPPの高い毒性にも関わらず残留性の高い有機塩素化合物の後任であった。パラチオン(O,O−ジエチルおよびO−p−ニトロフェニルホスホロチオエート)、マラチオン(S−(1,2−ジカルベトキシエチル)およびO,O−ジメチルジ−チオホスフェート)およびパラオクソン(ジエチル p−ニトロフェニルホスフェート)などの第1の化合物は、強力なコリンエステラーゼ阻害剤である。有機リン酸塩殺虫剤は極めて毒性があり、特に農業分野で重篤な中毒を誘導する。世界保健機関(WHO)は、毎年、100万例の重度の殺虫剤中毒が起こっており、およそ220,000人が死亡していると推定している。殺虫剤による中毒のリスクは、地面または空気からの殺虫剤の飛散および取り扱い時の頻繁な接触により高くなる。
合成された第1の有機リン酸塩の神経毒(OPN)はG剤であった。これらは特にGAあるいはタブン剤、GBあるいはサリン剤、およびGDあるいはソマン剤を含む。それらは、フルオロホスホン酸またはホスホロアミド酸の誘導体エステルである。他の有機リン酸塩神経毒(OPN)は、V剤である。
このような物質の過剰濃度への曝露は、極度の気管支分泌、唾液分泌、類液分泌、および腸管分泌を誘導し、ついで、発汗、徐脈、筋収縮、振戦、麻痺、意識喪失、痙攣、呼吸器系機能不全および死亡を誘導し得る。
このように、化学剤の経皮毒性を予防する最良の方法は、皮膚とこれら物質を全く接触させないようにすることである。
上述するように、皮膚の汚染の予防は、カバーオール、マスク、または手袋などの保護物を着用することを本質的に含む。しかしながら、たとえば保護装備の適合が不十分であるか、または不適当である場合、ヒト対象の動作時または保護の欠如により、これらの物質に対する曝露領域は残ったままであり得る。さらに、皮膚汚染の伝搬はまた、脱衣段階の間に起こる可能性がある。
したがって、使用者が十分に許容でき、使用が簡単であり、外部環境に抵抗性があり、天候に妨害されることのないさらなる保護手段を開発する必要がある。
このため、保護用外用剤の使用により、たとえば微生物、化学物質、びらん剤、および有機リン酸塩化合物などの、環境由来の刺激物および侵襲性物質に対する代替的またはさらなる保護を提供することが可能である。
「保護用外用剤」(PT)の用語の下で販売される製品の大部分は、単なる皮膚軟化化粧品および侵襲性化学物質に対するバリア機能を行う可能性のある処方の両方を含む。これらの外用剤は、リスクのある環境で使用することが意図される。保護用外用剤は、工業用または個人での使用などの様々な分野で使用される。したがって、これらは、
ニッケル、コバルト、クロム、パラジウム、および金を含む様々な金属の皮膚接触アレルギーを予防する、
二酸化チタンナノ粒子またはシリコーンエマルジョンに基づきUVAおよびUVBを除去するソーラーフィルターとして使用する、
防虫剤として使用する、
酸、塩基、界面活性剤、および有機溶媒などに対する化学的保護のために使用する
ことができる。
全フッ素置換化合物に基づく保護用外用剤は、身体を保護する良好な手段であり、ある程度の使いやすさを与える。このような外用剤は、特に文書「Zhang J.; Smith E. W.; Surber C.; Galenical principles in skin protection, Curr. Probl. Dermatol. 2007, 34, 11−18;および文書「米国特許第5,607,979号および英国特許第2,314,020号」に記載されている。
しかしながらこのような外用剤は、汚染物質薬剤を分解するものではなく、その保護作用は、化学煙霧への曝露の場合に特に限定される。
化学的汚染物質の中和に適した有機物質または無機物質を組み込むことからなる第2世代の保護用外用剤もまた開発されている。このような外用剤は、特に、文書「Koper O.; Lucas E.; Klabunde K. J.; Development of reactive topical skin protectants against sulfur mustard and nerve agents, J. Appl. Toxicol., 1999, 19, 59−70;」および文書「Saxena A.; Srivastava A.K.; Singh B.; Goyal A.; Removal of sulphur mustard, sarin and simulants on impregnated silica nanoparticles, J. Hazard. Mater., 2012, 211−212, 226−232)」に記載されている。
この保護的な効力は部分的に確立されているが、特にマイクロ粒子および/またはナノ粒子物質の凝集により最適ではない。
したがって、現在、より有効であり、毒性がほとんどないかまたは全く毒性がなく、実施が簡単であり、生物学的および/または化学的有害物質に対して幅広い作用スペクトラムを有する新規の保護用外用剤を開発する必要がある。好ましくは、このような保護用外用剤は、生物学的および/または化学的有害物質を分解するのに適している。そのため、これらの物質は、対象の皮膚に浸透しない。
さらに、このような外用剤は、理想的には、単純、迅速であり、費用のかからない方法での使用に適しているべきであり、均一な処方を有するべきである。
この文脈では、本出願人は、毒性のある化学物質および/または生物物質に対して中和作用を有することが知られているマイクロ粒子またはナノ粒子を、ポリマー、特にレオロジー調節剤にグラフト化することと、外用剤中のマイクロ粒子またはナノ粒子の組み込みおよび均一な分散を促進すること、さらにはマイクロ粒子またはナノ粒子の放出を防止することからなる新規の概念を開発した。
したがって、述べられた問題の解決策は、レオロジー変性ポリマーと共有的に会合した官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成された化合物であって、
官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が、官能化無機酸化物または金属酸化物、特に、1〜1500nmの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4またはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)のマイクロ粒子またはナノ粒子であり、
レオロジー変性ポリマーまたはレオロジー適合ポリマーが、非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択される
ことを特徴とする、化合物に関する。
驚くべくことに、本出願人は、実施例11に例示されるように、本発明に係る化合物が、パラオクソンなどの毒性物質の経膜浸透性を制限する優れた保護用外用剤を得るために適していると証明することに明らかに成功した。また本出願人は、実施例12で取り上げられる生態毒性試験を使用して、本発明に係る化合物が、低い環境毒性を有することの証明にも成功した。
また第2に、本発明は、薬学的および/または美容上許容可能な媒体における本発明に係る化合物を含む保護用外用剤に関する。
また第3に、本発明は、医薬品として使用される本発明に係る化合物または保護用外用剤に関する。
第4に、本発明は、皮膚の刺激またはアレルギーを予防する際に使用する、本発明に係る化合物または保護用外用剤に関する。
第5に、本発明は、皮膚の保護または除染、特に生物学的および/または化学的に危険な薬剤による皮膚の保護または除染のための、本発明に係る化合物または保護局所薬剤の使用に関する。
第6に、本発明は、本発明に係る化合物を合成する方法であって、
触媒とカップリング剤を混合するステップと、
非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択されるレオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマー水溶液に入手した混合物を添加するステップと、
この反応混合物を撹拌するステップと、
反応混合物の水相にあらかじめ分散した、5〜1500nmの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)または酸化銅(CuO)の官能化マイクロ粒子またはナノ粒子を添加するステップと、
透析により反応混合物を精製するステップと、
1つまたは複数のレオロジー変性ポリマーと共有的に会合する1つまたは複数のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成される化合物を回収するステップと
を含む、方法に関する。
第7に、本発明は、本発明に係る化合物を合成する方法に関する。
最後に、本発明は、本発明に係る化合物の使用に適した非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択されるレオロジー変性ポリマーまたはレオロジー適合ポリマーに関する。
上述される様々な化合物は、明らかに様々な方法により合成されてもよく、このうち主なステップは、実施例1〜7に記載される。
本発明は、添付図面を参照して書かれている以下の非限定的な説明を読むことにより、より明確に理解されるものである。
は、テレケリック型およびコーム型の化合物の概略図である。 は、ストーバー法を使用したシリカのマイクロ粒子またはナノ粒子の合成を示す。 は、AMS(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン)によるシリカのマイクロ粒子またはナノ粒子の官能化を例示する。 は、AMSによる市販のナノ粒子の官能化を表す。 は、ASE−HおよびASE−F非会合ポリマーの合成の概略図である。 は、HASE会合ポリマーの合成の概略図である。 は、HASE会合ポリマーに組み入れられることが意図されるマクロマー合成の概略図である。 は、ガラスプレートにあらかじめ沈着させた様々なポリマー上のオリーブ油の接触角の試験を表す。 は、3.3;13.5および45.9モル%のマクロマーを含む様々なHASE−F−RF8ポリマーに対するオリーブ油の接触角の試験を表す。 は、ポリマーのHASE−F−RF8(3.3モル% マクロマー)、(13.5モル% マクロマー)および(45.9モル% マクロマー)のフロー解析を表す。 は、本発明に係るポリマー/シリカ化合物の中性媒体におけるフィルムトポグラフィの画像を表す(1当量)。 は、パラオクソンの経膜浸透性に関する外用剤(HASE−F−RF8 (13.5モル% マクロマー)/SiおよびHASE−F−RF8(13.5モル% マクロマー))の評価を表す。 は、純粋なシリカ(SiO2−14)および官能化シリカ(SiO2−22;−300および−400)のナノ粒子の水懸濁物のオオミジンコ(Daphnia magna)に関するEC50の測定値を示す。 は、純粋なシリカ(SiO2−14)および官能化シリカ(SiO2−22;−300および−400)のナノ粒子の水懸濁物のフェオダクチラム(Phaeodactylym tricornutum)およびクロレラ(Chlorella vulgaris)(SAPS)に関するEC50の測定値を示す。 は、ポリマーHASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)(「HASEポリマー」)および化合物HASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)/Si(0.3当量)(「グラフトポリマー」)の水懸濁物のオオミジンコおよびフェオダクチラムに関するEC50の測定値を示す。 は、新規技術の保護を得るために適した本発明に係る化合物の可能性がある一般構造を示す。 は、1、0.3;0.1;0.05および0.01当量での化合物HASE−F−RF8(3.3%)/Si−22の中性媒体中のフィルムトポグラフィの画像を示す。 は、様々なポリマー/シリカの沈着物に含まれるシリカ当量数にしたがって、水、1分後の水(t1での水)、およびオリーブ油の接触角の値を含むヒストグラムを例示する。 は、本発明に係る有機/無機ポリマーアレイ合成の概略図である。 は、中性媒体におけるHASE−F−RF8/Si/RF8のFT−IR(フーリエ変換赤外分光分析)スペクトラムを表す。 は、HASE−F−FR8(3.3%)(■)、HASE−F−RF8/Si(3.3%)(●)およびHASE−F−RF8(13.5%)/Si/RF8(▲)のpHにしたがったゼータ電位により特徴づけられるシリカナノ粒子の凝集を表す。 は、ガラスプレート上に塗抹した量(mg)によるHASE−F−RF8/Si(●)およびHASE−F−RF8/Si/RF8(■)のオリーブ油とのぬれ性を例示するグラフである。 は、塗抹法を使用した、ガラスプレート上でそれぞれ52mg、および47mgの化合物HASE−F−RF8/Si(図22a)およびHASE−F−RF8/Si/RF8(図22b)の接触角の画像を表す。 は塗抹法を使用したHASE−F−RF8/Si(図23aおよび23b、52mgを沈着)ならびに塗抹法(図23cおよび23d、47mgを沈着)および噴霧(図23eおよび23f、15mgを沈着)を使用したHASE−F−RF8/Si/RF8のSEM(走査型電子顕微鏡)の画像を表す。 は、塗抹法(図24a)および噴霧法(図24b)を用いて15mgをガラスプレート上に沈着させたHASE−F−RF8/Si/RF8の接触角の画像を表す。 は、塗抹法(図25a)および噴霧法(図25b)を使用したHASE−F−RF8/Si/RF8の分散を示す。 は、49mgの化合物HASE−F−RF8/Si/RF4(図26a)および60mgのHASE−F−RF8/Si/RF6(図26b)を塗抹法で沈着させたAFM(原子間力顕微鏡)の画像を表す。
本発明に係る化合物は、レオロジー変性ポリマーと共有的に会合したアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成される化合物であって、
官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が、1〜1500nmの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子であり、
レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーが、非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択される
ことを特徴する化合物である。
本発明によると、ナノ粒子は、3次元が、ナノスケール上にある、すなわち公称直径が100nm未満である、ナノ性の物体として定義される。
好ましくは、本発明に係るナノ粒子は、1〜50nmの直径を有する。より好ましくは公称直径が5nm〜25nmである。
本発明に係るマイクロ粒子は、3次元がマイクロスケール上にある、すなわち公称直径が100nm〜100,000nmである、マイクロ性の物体である。好ましくは、本発明に係るマイクロ粒子は、100nm〜5000nmの公称直径を有する。より好ましくは、マイクロ粒子の公称直径は、100nm〜1500nmである。
マイクロ粒子またはナノ粒子は、様々な方法、特に気相、液相、固体の媒体、複合媒体の化学合成によるか、または蒸発/縮合などの物理化学的な方法により、生成され得る。
本発明の1つの好ましい実施形態によると、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、または酸化銅(CuO)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、ゾルゲル法を使用して複合媒体中で合成され得る。ゾルゲル法の原理は、周囲温度に近い適度な温度で一連の加水分解―縮合反応を用いることに基づくものであり、順次高温で処置され得る酸化物格子を調製する。また可溶性の金属種は、本出願により調節され得る有機成分を含んでもよい。ゾルゲル合成の第1のステップは、アルコキシ基の加水分解の際に起こる、金属アルコキシのヒドロキシル化である:
ステップ1:加水分解:M’−OR’+H2O→M’−OH+R’OH
式中
M’が、アルミニウム、銅、マグネシウム、シリコーン、またはチタンを表し;R’が、1〜5つの炭素原子、好ましくは2〜3つの炭素原子を含むアルキル有機基を表す。
次いで、ヒドロキシル試薬基が生成される。得られた溶液はゾルと呼ばれる。次いで2つの競合機構:酸素橋(オキソレーション)およびヒドロキソ架橋(オレーション)の形成を介した重縮合反応で、ヒドロキシル基を変性させる。これは、水またはアルコールが除去される無機マクロ分子格子の形成に対応する:
ステップ2:縮合:
オキソレーション:M’−OH+R’OH→M’−O−M’+R’OH
式中、M’およびR’が、上述に定義される通りであり、すなわちM’がアルミニウム、銅、マグネシウム、シリコーン、またはチタンを表し、R’が、1〜5つの炭素原子、好ましくは2〜3つの炭素原子を含むアルキル有機基を表す:
オレーション:M’−OH+HO−M’→M’(OH)2M’、
式中、M’が、アルミニウム、銅、マグネシウム、シリコーン、またはチタンを表す。
ゲルは、ファンデルワールス結合の3次元格子の形成に対応する。
本発明に係る使用に適しているマクロ粒子またはナノ粒子は、好ましくは1〜1500nmの平均公称直径を有する。
酸化アルミニウム(Al2O3)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、5〜400nmの平均公称直径を有していることが有利である。好ましくは、この平均公称直径は、10〜200nmである。より好ましくは、平均公称直径は13、20、または50nmである。
酸化銅(CuO)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、20〜100nmの平均公称直径を有することが有利である。好ましくは、この平均公称直径は、30〜80nmである。より好ましくは、この平均公称直径は40〜70nmである。
酸化鉄(Fe3O4またはγ−Fe2O3)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、1〜50nmの平均公称直径を有することが有利である。好ましくは、この平均公称直径は、5〜30nmである。より好ましくはこの平均公称直径は、10〜30nmである。
酸化マグネシウム(MgO)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、20〜100nmの平均公称直径を有することが有利である。好ましくは。この平均公称直径は、40〜70nmである。より好ましくは、この平均公称直径は、50〜60nmである。
シリカ(SiO2)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、5〜500nmの平均公称直径を有することが有利である。好ましくは、この平均公称直径は10〜450nmである。より好ましくは、シリカのマイクロ粒子またはナノ粒子は、14、22、292、または448nmの平均公称直径を有する。
酸化チタン(TiO2)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、1〜300nmの平均公称直径を有することが有利である。好ましくは、この平均公称直径は、5〜150nmである。より好ましくは、この平均公称直径は、10〜25nmである。
酸化亜鉛(ZnO)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、5〜500nmの平均公称直径を有することが有利である。好ましくは、この平均公称直径は、20〜200nmである。より好ましくは、この平均公称直径は、50〜60nmである。本発明によると、マイクロ粒子またはナノ粒子は官能化される。
マイクロ粒子またはナノ粒子は、たとえば、第1級アミンまたは第2級アミン官能基、エポキシ官能基、アルコール官能基、およびチオール官能基により官能化されてもよい。
好ましくは、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)のマイクロ粒子またはナノ粒子は、アミン官能化される。
好ましくは、マイクロ粒子またはナノ粒子は、無機酸化物または金属酸化物、特に酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子である。
マイクロ粒子またはナノ粒子のアミン官能基の一般図を図2bおよび3に例示する。
292nmおよび448nmのアミン官能化シリカマイクロ粒子の合成工程の詳細は実施例1に記載される。実施例2は、14nmのアミン官能化シリカナノ粒子の合成工程を記載する。実施例3は、アミン官能化二酸化チタンのマイクロ粒子またはナノ粒子の合成を記載する。
好ましくは、アミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子のアミン官能基含量は、マイクロ粒子またはナノ粒子の0.1〜10meq/gである。
得られたNH2官能基の数は、マイクロ粒子またはナノ粒子のmeq/gで表され、以下の式:
に従って計算される。
好ましくは、アミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子のアミン官能基含量は、マイクロ粒子またはナノ粒子の0.5〜5meq/gである。より好ましくは、アミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子のアミン官能基含量は、マイクロ粒子またはナノ粒子の約1または2.5meq/gである。
上述するように、本発明に係るマイクロ粒子またはナノ粒子は、ポリマーの酸官能基上で反応するように、アミン官能化される。
本発明に係るアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子は、好ましくは、シリカ(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子である。
本発明に係るレオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーは、化粧品または塗料などの分野でそのレオロジー特性に関して、単独ですでに使用されている。
これらは、たとえばエマルジョン中での重合により合成される炭化水素またはフッ化炭素のポリマーからなる。
それらは、KBrペレット法を使用した赤外線(IR)により、ガラス表面上の沈着乾燥後のゴニオメトリーにより、また核磁気共鳴(NMR)およびレオロジーによって溶液中で特徴が調べられる。また本発明に係るポリマーは、処方または保護用外用剤の安定性に寄与する。
使用に適したポリマーは、2つの異なるクラス:非会合ポリマーおよび会合ポリマーに属する。
本発明に係る使用に適した非会合ポリマーまたは「ASE(アルカリ膨張可能なエマルジョン(Alkali−Swellable Emulsions))」は、ラテックスコーティング、塗料、および接着剤での増粘剤として単独ですでに広く使用される。
それらは、アクリル酸またはメタクリル酸およびC1〜C4アルキルアクリレート、好ましくはエチルアクリレートのモノマーから本質的になる。
それらは、一般的に、酸性の水性媒体(4未満のpH)のエマルジョン中での重合により合成され、ポリマー(または合成ラテックス)の懸濁コロイドの形態で得られる。コポリマーの酸官能基は、塩基媒体中でイオン化され、ポリマーの可溶化および膨張を誘導する(水力学的体積を増大する)。エチルアクリレート基は、ポリマー鎖間の疎水性会合を誘導して、粘度を増大するために、相対的にブロックされる。
さらに、ASE非会合ポリマーは、架橋結合により最適化され得る。架橋結合の現象により、ポリマー格子の密度を物理的に増加させることが可能となり、それによって分子が移動する可能性が低下し、それにより粘度が増加する。
本発明に係る非会合ポリマーは、炭化水素鎖(ASE−H)および/またはフッ化炭素鎖(ASE−F)を含んでもよい。
好ましくは、ASE−H非会合ポリマーは、以下の一般式(I):
であって、式中、
R1およびR2が、水素原子またはメチル基−CH3を表し;
R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが、C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応するか;または
R3が[Q]d2−αであり、式中、
d2が0または1に対応し;
Qが、−C(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し;
αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;ならびに
値aおよびbが、1超である、同一または異なる整数である、
一般式(I)に従う。好ましくは、aは1〜1,000であり、bは1〜20,000である。
この説明を通して、ポリマーは、a、b、および/またはcの値により変動する、所定のモル濃度の異なるモノマーまたはマクロマーの化合物である。明らかに、得られたポリマーにおける様々なモノマーまたはマクロマーの順序は、可変であり、式(I)、(II)、(III)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII)に固定されるものではない。
より好ましくは、炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−H)は、アクリル酸および/またはメタクリル酸およびC1〜C4アルキルアクリレートモノマーを含む。
炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−H)は、
−5〜50モル% アクリル酸および/またはメタクリル酸;
−50〜95モル% C1−C4アルキルアクリレート;
を含むことが有利である。
より好ましくは、ASE−Hポリマーは、以下のモノマー:
− 10〜20モル% メタクリル酸(MA);
− 80〜90モル% エチルアクリレート(EA)
含む。
炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−H)は、メタクリル酸/エチルアクリレートの比率が0.1〜0.5にある際に特に有利な濃化特性を有する。より好ましくは、比率は0.21である。
上述するように、本発明に係るASE非会合ポリマーはまた、フッ化炭素鎖(ASE−F)を含んでもよい。
好ましくは、ASE−F非会合ポリマーは、以下の一般式(II):
であって、式中、
− R1、R2、およびR4が、水素原子またはメチル基−CH3を表し;
− R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが、−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
または
R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
d2が、0または1に対応し;
Qが、−C(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し;および
αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− R3’が、[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが、−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し、Xが、フッ素原子Fであり、pが、1〜12であり;
ならびに値aおよびcが、1超であり、同一または異なる整数であり、値bが、0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが、1〜5,000であり、cが、1〜8,000である、
一般式(II)に従う。
好ましくは、これらのASE−Fポリマーは、
−メタクリル酸(MA)、
−2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)またはトリフルオロエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロブチルエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロヘキシルエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート;および
−C1−C4アルキルアクリレート、好ましくはエチルアクリレート(EA)
のモノマーからなる。
フッ化炭素鎖の導入により、美容上または薬学的に用いるために、で毒素の表面取り込みを低減することが可能である。
好ましくは、フッ化炭素鎖ASEポリマー(ASE−F)は、以下のモノマー:
− 20〜75モル% アクリル酸および/またはメタクリル酸;
− 0〜30モル% C1−C4アルキルアクリレート;および
− 10〜55モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)またはトリフルオロエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロブチルエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロヘキシルエチルアクリレートまたは2−ペルーフルオロオクチルエチルアクリレート
からなる。
より好ましくは、フッ化炭素鎖ASEポリマー(ASE−F)は、メタクリル酸(MA)、エチルアクリレート(EA)および2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)のモノマーを含む。
炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−F)は:
− 50〜60モル% メタクリル酸(MA);
− 5〜15モル% エチルアクリレート(EA);および
− 30〜40モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)
を含むことが有利である。
さらにより好ましくは、フッ化炭素鎖ASEポリマー(ASE−F)は、メタクリル酸(MA)/酢酸エチル(AE)の比率が、7〜0.1である際に特に有利な濃化特性を有する。本発明による使用に適したASE−HおよびASE−Fのポリマーの一般式は、図4に例示される。ASE−HおよびASE−Fのポリマーの合成工程は、実施例4に記載され、図4にまとめられており、ここでの値a、b、およびcは、1超であり、同一または異なる整数である。好ましくは、aは、1〜10,000であり、bは、1〜5,000であり、cは、1〜8,000である。
本発明による使用に適した会合ポリマーは、疎水基が見いだせる親水性高分子構造からなる。これらの疎水基は、しばしば、いわゆる臨界凝集濃度からミセル型の凝集物、クラスターを形成できる短鎖(1〜6つの炭素原子を有する)または長鎖(6超の炭素原子を有する)アルキル結合である。これらの凝集物は疎水性結合体と呼ばれる。
現在まで、本発明による使用に適した3種類の異なる会合ポリマーが販売されており、これらは:
− 疎水性変性エチレン−オキシドウレタン(hydrophobically modified ethylene−oxide urethane)(HEUR);
− セルロース誘導体;および
− 疎水性変性アルカリ−膨張可能エマルジョン(hydrophobically modified alkali−swellable emulsions)(HASE)
からなる。
これら3種類のポリマーは、その分子構築により2つのカテゴリーの会合ポリマー:
1.いわゆるテレケリックポリマー;または
2.コーム型ポリマー
に分類される。
テレケリック化合物およびコーム型化合物の略図は、図1に例示される。テレケリックポリマー(HEUR)は、鎖末端疎水基を含む直鎖のポリマーである。コーム型ポリマー(セルロース誘導体およびHASEポリマー)は、骨格に沿って疎水鎖を含むポリマーである。
HASEポリマーは、概して、メタクリル酸(MA)、エチルアクリレート(EA)、およびある量の疎水基のコポリマーであり、マクロモノマーまたはマクロマーである。
炭化水素の長鎖である疎水基の存在にも関わらず、HASEポリマーは、水性の媒体に可溶であり、これら化合物は特に重要となる。
ASEポリマーでは、HASEポリマーは、概して、低pHでのエマルジョン中の重合により調製され、300,000〜1,800,000g/molのモル質量を有するポリマーを得ることが可能である。
HASEポリマーのレオロジー特性から、粘度が有意にpHに依存することが証明された。2.4〜4.5の範囲のpHでは、ポリマー骨格は、溶媒の質が不良であるために湾曲して高密度コイルを形成する。ポリマー溶液は白濁しており、不溶性のコロイド粒子からなる。pH6では、粘度は突如増大し、pH11まで一定のままであり、ポリマー骨格上のカルボキシル基が溶解し、溶液は透明になる。次いで、ポリマー鎖は、高分子電解質に類似して、カルボン酸塩の相互反発および水力学的体積の増加により、ポリマー骨格の伸長を誘導する。同時に、疎水基の間に多くの分子間および分子内の会合が形成され、水性媒体中に格子の構築を誘導する。
塩基性のpHでは、HASEポリマーは、高分子電解質の特性および非荷電会合ポリマーの特性を併せ持つ。pH11超では、粘度は、電荷保護作用によりゆっくりと減少する。さらなる要因が、ポリマーの動的性質およびHASEポリマーの構造、特に媒体中の塩濃度を変化させ得る。媒体中の塩濃度が増大すると、有意に粘度が減少する。塩を添加することによる負の作用は、界面活性剤を添加することにより代償され得る。界面活性剤の濃度は、媒体の粘度を変化させ得る。非イオン性界面活性剤の濃度の増加により、媒体の粘度が増加するが、陰イオン性界面活性剤は、臨界濃度まで粘度を増加させた後、粘度を低下させる。
また、媒体の粘度は、温度が上昇すると低下し得る。
HASEポリマーを中和するために強塩基(NaOH)を使用すると、4週間の期間の後、その分解を誘導する(pH=9.5)。弱い有機塩(1−アミノ−1−メチルプロパノール)を使用すると、溶液のレオロジーの特性の6週間の安定性を誘導する(pH=9.5)。
また、一価の中和剤も推奨され得る。実際に、1超のカルボン酸官能基の中和能を有する二価または三価の塩基分子を使用する場合では、ポリマーがほどかれて完全に伸長する能力の低下が起こる場合がある。
最後に、有機溶媒を添加することは、水性媒体内の疎水性会合を崩壊させ、疎水基を可溶化することにより、媒体の粘度を低下させ得る。
好ましくは、本発明に係るポリマーは、炭化水素鎖(HASE−H−RHもしくはHASE−F−RH)またはフッ化炭素鎖(HASE−F−RF)を有するマクロマーHASEポリマーである。
本発明に係る炭化水素鎖(HASE−H−RHもしくはHASE−F−RH)またはフッ化炭素鎖(HASE−F−RF)を有するマクロマーHASE会合ポリマーは、以下の一般式(III):
であって、式中:
− R1、R2およびR6が、水素原子またはメチル基を表し;
− R5が[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、QがC(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
または
R5が[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0または1に対応し;
● Qが−C(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
R7が、−[Q’]d3−(OCH2CH2)q−[Q’ ’]d4−(CH2)n(CX2)pXを表し、式中Q’が、−CH2、C(O)、O−C(O)またはNH−C(O)に対応し、nが1〜30であり、qが1〜150であり、d3およびd4が、0および/または1に対応し、Q’ ’が、−O−C(O)または−NH−C(O)に対応し;および:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
ならびに、値aおよびcが、1超であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上である、
一般式(III)に従う。
好ましくは、aは、1〜10,000であり、bは、1〜5,000である。
好ましくは、炭化水素鎖HASE−H−RHポリマーは、メタクリル酸(MA)、C1〜4アルキルアクリレート、および一般式(IV):
であって、式中、
−qが5〜10の数を表し、nが、6〜30の炭素原子である
一般式(IV)を有するエステルであるマクロマーからなる。
より好ましくは、HASE−H−RHポリマーは、メタクリル酸(MA)、エチルアクリレート(EA)および上述した一般式(IV)を有するエステルであるマクロマーのモノマーを含み、それにより以下の一般式(V):
であって、式中:
− qが5〜10の数を表し;
− nが1〜30であり;
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、値b0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
の一般式(V)に従う。
より好ましくは、HASE−H−RHポリマーは、一般式(V)に従い:
− 5〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 5〜60モル% エチルアクリレート(EA);および
− 上述に定義した一般式(IV)を有するエステルである1〜90モル%のマクロマー
を含む。
特に好ましいHASE−H−RHポリマーは、上述の式(IV)に従い:
− qが7と等しく、nが6つの炭素原子に等しく(以後HASE−H−RH4ポリマーを指す);
− qが7と等しく、nが8つの炭素原子に等しく(以後HASE−H−RH6ポリマーを指す);
− qが9と等しく、nが10個の炭素原子に等しく(以後HASE−H−RH8ポリマーを指す)
となる。
あるいは、本発明によると、上述の式(V)のHASE−H−RHポリマーのエチルアクリレート(EA)モノマーは、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)のモノマーにより置換されてもよく、したがって、以下の一般式(VI):
式中:
− qが5〜10の数を表し;
− nが、6〜30の炭素原子であり;
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
一般式(VI)に従うHASE−F−RHポリマーに対応する。
より好ましくは、HASE−F−RHポリマーは、上述の一般式(VI)に従い:
− 30〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 0〜50モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM);および
− 一般式(IV)を有するエステルである1〜90モル%のマクロマー
を含む。
特に好ましいHASE−F−RHポリマーは、上述の式(VI)に従い:
− qが7と等しく、nが6つの炭素原子に等しく(以後HASE−F−RH4ポリマーを指す);
− qが7と等しく、nが8つの炭素原子に等しく(以後HASE−F−RH6ポリマーを指す);
− qが9と等しく、nが10個の炭素原子に等しく(以後HASE−F−RH8ポリマーを指す)
となる。
都合のよいことに、本出願人は、炭化水素結合をマクロマー上のフッ化炭素と置換することが、HASE骨格において可能であることの証明にさらに成功した。
このようにしてフッ化炭素マイクロマーを用いてこの骨格を変性することにより、本発明に係るレオロジー変性ポリマーは、化学物質に対する保護にとって必要な疎水性および疎油性を提供しながらマイクロ粒子またはナノ粒子を分散できる。
また本発明による使用に適したこのようなフッ化炭素鎖 HASEポリマー(HASE−F)の構造は、以下の一般式(VII):
であって、式中:
− R2が水素原子またはメチル基を表し;
− R5が[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、QがC(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
または
R5が[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0もしくは1に対応し;
● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− qが1〜150の数を表し;
− nが、1〜30の整数であり;
− pが、1〜12の整数であり;
ならびに値aおよびcが、1超であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aは、1〜10,000であり、bは1〜10,000であり、cは1〜5,000である。、
一般式(VII)に従う。
より好ましくは、HASE−Fポリマーは、以下の一般式(VIII):
であって、式中:
− qが5〜10の数を表し;
− nが、1〜30の整数であり;
− pが、1〜12の整数であり;
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
一般式(VIII)に従う。
さらにより好ましくは、HASE−Fポリマーは、上述の一般式(VIII)であって、式中:
− qが、5、7、または9と等しく;
− nが、2と等しく;
− pが、4、6、または8と等しく;および
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である
一般式(VIII)に従う。
より好ましくは、一般式(VIII)に従うHASE−Fポリマーは、以下のモノマー:
− 5〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 1〜70モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM);および
− 1〜50モル% マクロマーであって、一般式(IX):
− CH2=CH(CH3)−C(O)(OCH2CH2)qOC(O)(CH2)2−(CF2)pF
(IX)
であって、式中:
− qが、5、7、または9と等しく;
− pが、4、6、または8と等しい
一般式(IX)を有するエステルであるマクロマー
を含む。
特に好ましいHASE−Fポリマーは、上述の式(VIII)に従い:
− qが5と等しく、およびpが4つの炭素原子と等しく(以後HASE−F−RF4ポリマーを指す);
− qが7と等しく、およびpが6つの炭素原子と等しく(以後HASE−F−RF6ポリマーを指す);
− qが7と等しく、およびpが6つの炭素原子と等しく(以後HASE−F−RF8ポリマーを指す);
ようになる。
上述のHASEポリマーは、ASEポリマーと同一の方法を使用して合成してもよい。HASE−HおよびHASE−Fのポリマーの合成工程の詳細を実施例5で示す。
本発明に係る化合物の使用に適したレオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーは:
i)以下の一般式(I):
であって、式中:
− R1およびR2が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
− R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
もしくは
R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0もしくは1に対応し;
● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
値aおよびbは、1超であり、同一もしくは異なる整数である;
一般式(I)を有するASE−H非会合ポリマー
または
ii)以下の一般式(II):
であって、式中:
− R1、R2、およびR4が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
− R3が[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
または
R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0もしくは1に対応し;
● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− R3’が、[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し、Xがフッ素原子Fであり、pが1〜12であり;
ならびに値aおよびcは、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上である;
一般式(II)を有するASE−F非会合ポリマー
または
iii)以下の一般式(III):
であって、式中、:
− R1、R2およびR6が、水素原子もしくはメチル基を表し;
− R5が[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
または
R5が[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0もしくは1に対応し;
● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− R7が、−[Q’]d3−(OCH2CH2)q−[Q’ ’]d4−(CH2)n(CX2)pXを表し、式中Q’が、−CH2、C(O)、O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し、nが1〜30であり、qが1〜150であり、d3およびd4が、0および/もしくは1に対応し、Q’ ’が、−O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し;ならびに:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
値aおよびcが、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上である、
一般式(III)に従う炭化水素鎖(HASE−H−RHもしくはHASE−F−RH)もしくはフッ化炭素鎖(HASE−F−RF)を有するマクロマーHASE会合ポリマー
から選択されることが有利である。
特に、レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーは:
− ASE−Hポリマーであって、以下のモノマー:
− 10〜20モル% メタクリル酸(MA);
− 80〜90モル% エチルアクリレート(EA);
を含むASE−Hポリマー
または
− 炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−F)であって、以下のモノマー:
− 50〜60モル% メタクリル酸(MA);
− 5〜15モル% エチルアクリレート(EA);および
− 30〜40モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM);
を含む炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−F)、
− 一般式(V)に従うHASE−H−RHポリマーであって、:
− 5〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 5〜60モル% エチルアクリレート(EA);および
− 1〜90モル% マクロマーであって上述の一般式(IV)を有するエステルであるマクロマー;
を含む、HASE−H−RHポリマー、
− 一般式(VI)に従うHASE−F−RHポリマーであって、:
− 30〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 0〜50モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM);および
− 1〜90モル%のマクロマーであって、一般式(IV)を有するエステルであるマクロマー
を含むHASE−F−RHポリマー
から選択されることが有利である。
さらにより、レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーは、以下のポリマー:
− ASE−H;
− ASE−F;
− HASE−H−RH4;
− HASE−H−RH6;
− HASE−H−RH8;
− HASE−F−RH4;
− HASE−F−RH6;
− HASE−F−RH8;
− HASE−F−RF4;
− HASE−F−RF6;
− HASE−F−RF8
から選択されることが有利である。
さらに、本出願人は、実施例6に記載されるように、HASEポリマーの炭化水素またはフッ素のマクロマーのモル比を増加させることにより、ポリマーの粘度を増加させることが可能であることの実証に成功した。
さらに、好ましくは、HASEポリマー中のマクロマーのモル百分率は、1〜85%である。より好ましくは、モル百分率はマクロマーの3〜50モル%である。
さらにより好ましくは、モル百分率は、マクロマーの13.5モル%である。
レオロジーおよびゴニオメトリーの観点から一連のポリマーを特徴づけることにより、3.3モル%;13.5モル%;および45.9モル%のマクロマーを含むHASE−F−RF8ポリマーが、特に、その粗油性およびその溶液の粘度にとって特に好ましいものであったことを証明することが可能であった。
特に、本発明に係るポリマーは、HASE−F−RF8ポリマー、好ましくは13.5モル%のマクロマーを含むHASE−F−RF8ポリマーであることが有利である。
本発明に係る化合物は、上述される1つまたは複数のレオロジー変性ポリマーと、1つまたは複数の上述したアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子を共有的に会合することにより形成される。
さらに、マイクロ粒子またはナノ粒子に位置する遊離アミン官能基をさらに有する本発明に係る化合物は、この化合物にさらに分子をグラフト化することが可能である。グラフト化に適する追加の分子の非限定的な例として、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタン酸(RF4)、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノナン酸(RF6)および4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロデカン酸(RF8)が挙げられ得る。
これらの分子は、好ましくは、本発明に係るHASE−F−RF8/Si化合物に共有的にグラフト化される。
毒性物質に対して最適な保護作用を得るために、いかなる凝集物も除去することにより、ポリマーマトリックス内のマイクロ粒子またはナノ粒子の均一な分散液を得ることが好ましい。
さらに、粉末の形態のマイクロ粒子またはナノ粒子は、肺に固定することにより(吸引により)または(皮膚の浸透により)血液中に入ることによって、肺の炎症を誘導し得る。また、この種の毒素を回避し、分散を制御するために、本出願人は、ポリマーにマイクロ粒子またはナノ粒子を共有的にグラフト化した。このグラフト化は、いわゆる「接ぎ木(grafting to)」法を使用して実行され得る。
ポリマーとマイクロ粒子またはナノ粒子の共有的な会合は、水相のカルボン酸官能基を有するポリマー上でアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子を反応させることにより実行してもよい(アミド化反応)。ポリマーへのマイクロ粒子またはナノ粒子のグラフト化は、エステル化またはアミド化を介して実施されてもよい。
好ましくは、グラフト化は、アルコールと比較して窒素の求核性がより高いことにより、エステル化よりも収率が高い反応であるアミド化により実施される。
会合ポリマーまたは非会合ポリマーを用いてアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子をグラフト化する例は実施例7に記載される。
上述するように、グラフト化ステップの前に、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)のマイクロ粒子またはナノ粒子を合成し、アミン官能化して、レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーの酸官能基と反応させた。
共有結合は、多くの利点を提供する。第1に、気道を介し、また皮膚を介したヒトまたは動物の体内へのマイクロ粒子またはナノ粒子の浸透を予防し、第2に、マイクロ粒子またはナノ粒子が結合するマトリックス内でのマイクロ粒子またはナノ粒子の分散を制御することが可能となる。これを可能とするために、ポリマーまたはポリマーマトリックスは、官能基が、マイクロ粒子またはナノ粒子と反応するのに適しているが、外用剤においても使用される化合物を含む。
本発明によると、マイクロ粒子またはナノ粒子は、一方でフィルム形成特性を増加させるため、ならびに他方で、毒素を「寄せ付けない」ために疎水性および疎油性を増加させるために、フッ素化モノマーを含むレオロジー変性ポリマーと共有結合する。またこの目的は、様々なポリマーおよびマイクロ粒子またはナノ粒子間の様々な度合いの相互作用により、表面保護に最適なフィルム形成特性を提供することである。
この性質によるマイクロ粒子またはナノ粒子は、皮膚または基板への粒子の浸透前にフィルムと接触することとなる毒素の吸着(たとえばシリカナノ粒子)または光分解による破壊(たとえば二酸化チタンナノ粒子)を可能にする。
本発明によると、ナノ粒子はマイクロ粒子より好ましいことが有利である。実際に、ナノ粒子の選択は、、その吸着効率を増加させるために、マイクロ粒子と比較して比表面積がより大きいことにより導かれる。さらにこれらのナノ物体は透明であるため、保護を眼に見えないままにすることができる。このマイクロ粒子またはナノ粒子のアレイは、コポリマーの中のカルボン酸の存在により、塩基性水性媒体での分散に適しており、したがって、外用剤に容易組み入れることができる。
また本出願人は、本発明に係る化合物中の酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)の当量数、すなわち、ポリマーが担う酸官能基の当量数と比較した酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が担うアミン官能基の当量数を変化させて試験を行った。
したがって、本出願人は、実施例13に記載されるように、1当量数以下のシリカが、例えば分散および疎油性に関する特性を高めた化合物を得るために適していることの証明に成功した。
ポリマー/マイクロ粒子またはナノ粒子の比率は、マイクロ粒子またはナノ粒子が担うアミン官能基の当量数に従って、ポリマーが担う酸官能基の当量数を使用して計算した(ポリマーに含まれる酸官能基1当量数に対し、アミン官能基1当量数が導入された)(この場合、酸官能基の1当量に対し、アミン官能基の0.3当量を導入した)。
好ましくは、本発明に係る化合物中の酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)の当量数は、0.05〜1である。より好ましくは、0.3〜0.8である。さらにより好ましくは、当量数は0.3である。
本発明は、第2に、薬学的および/または美容上許容可能な媒体中に本発明に係る化合物を含む保護用外用剤に関する。
本発明の1つの特定の実施形態により、保護用外用剤は、1つもしくは複数の解毒剤、および/または1つもしくは複数の追加的なポリマーをさらに含む。
解毒剤は、非毒性であり、皮膚科学的に許容可能である。
解毒剤の限定的な例として、過酸化ベンゾイル、過酸化亜鉛、モノペルオキシフタル酸マグネシウム、過ほう酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過マンガン酸カリウム、過酸化カルバミド(過酸化尿素)、過酸化カルシウム、二酸化チタン、およびN−アセチルシステインなどのイオウ含有剤、過プロピオン酸、過酸化マグネシウム、もしくは酸化亜鉛などの中和剤、エチドロン酸およびそのテトラナトリウム塩などの錯化剤、1−ヒドロキシエチレンジアミン(1,1−ジホスホン(diphosponic))酸、プロピオン酸ナトリウム、ヒドロキシ炭酸マグネシウム、硝酸カリウムまたはチオグリコール酸が挙げられ得る。
これらの解毒剤の質量パーセントは、好ましくは、組成物の総重量の0.01〜60%である。
さらに、本発明に係る保護用外用剤はまた、ポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテル、ジメチコンおよびビニルジメチコンコポリマー、ジエチレングリコール、アジピン酸およびグリセリンコポリマー、ポリシリコーン−8およびオレイン酸/リノール酸/リノレン酸ポリグリセリドから選択される1つまたは複数の追加的なポリマーをさらに含んでもよく、この役割は、組成物を、より流動的または使用しやすくすることからなる。ポリペルフルオロメチルイソプロピルエーテルは、特に商標名Fomblin(商標)HCとして販売されている。
ジメチコンおよびビニルジメチコンのポリマーは、特にSilicone Elastomer Blend DC9041(商標)として販売されている。ジエチレングリコール、アジピン酸およびグリセリンコポリマーは、特に、Lexorez100(商標)として販売されている。ポリシリコーン−8は、特に、Silicones Plus Polymer VS80Dry(商標)として販売されている。これらの追加的なポリマーは、たとえば、組成物の総重量の0.05%から10%まで変動する質量パーセントとして導入される。本発明に係る皮膚科学組成物および/または美容組成物は、皮膚軟化薬、軟化剤、保存剤、または香料をさらに含んでもよい。
保護用外用剤は、ゲル、ローション、油中水型もしくは水中油型エマルジョン、分散剤、乳液、クリーム、軟膏、フォーム、スティック、噴霧剤、エアロゾルの形態または局所的使用に適した他のいずれかの形態として存在してもよい。
本発明に係る保護用外用剤は、毒性化学物質との起こりうる接触を予防するために、および接触が予想される場合に、皮膚に塗布するよう意図される。これらは、顔または毒性化学物質に曝露されやすい身体のいずれかの部分に十分に重ねて塗布される。したがって、好ましくは、保護用外用剤は、一方で毒性化学物質の皮膚浸透を遅らせるために、および/または他方で、毒性化学物質が生体の作用部位に達し得る前にこれを中和するために、保護障壁基剤と1つまたは複数の解毒剤とを含む。
1つの特定の実施形態によると、本発明に係る化合物は、Uriage(商標)が販売する特に水を含むBariedermTech(商標)クリーム、ピロリドンポリマーおよび生物模倣型ホスホリルコリンポリマー(Poly−2P(商標))からなるPoly−2p(登録商標)複合体、グリセリンならびにアルコールに導入される。
第3に、本発明は、医薬品として使用される本発明に係る化合物または保護用外用剤に関する。
実際に、皮膚障壁に作用することにより、本発明に係る化合物または保護用外用剤は、ヒトまたは動物の疾患に関して保護特性を有する。そのため、本発明に係る化合物または保護用外用剤は、薬理学的、免疫学的、または代謝的な作用を応用することにより、ヒトまたは動物の生理機能を補正または修正する目的で、ヒトもしくは動物における使用に適しているか、またはヒトもしくは動物への投与に適した物質または組成物として使用され得る。本発明に係る化合物または保護用外用剤は、皮膚の刺激またはアレルギーを予防するために、ヒトの医療、特に皮膚科学での応用を見出すものである。
したがって第4に、本発明は、皮膚の刺激またはアレルギーの予防での使用のための本発明に係る化合物または保護用外用剤に関する。
刺激は、たとえば、危険な任務の遂行またはホームインプルーブメント活動に関連する皮膚の刺激またはアレルギーであり得る。
危険な任務の遂行は、たとえば病院または軍事的な部門での化学的または生物学的有害物質の使用を含む。
ホームインプルーブメント活動は、ペンキ塗り、機械整備、園芸、または家具修理の活動のための化学物質を含む。
第5に、本発明は、皮膚の保護または除染、特に生物学的および/または化学的有害物質による皮膚の保護または除染のための、本発明に係る化合物または保護用外用剤の使用に関する。
実際に、本化合物または保護用外用剤はまた、たとえば化粧品といった非治療応用のために使用してもよく、すなわち、外部の攻撃に対して上皮保護障壁としての応用が見出されている。
そのため、本発明は、殺虫剤(OPP)および有機リン酸塩神経毒(OPN)を含む有機リン酸塩化合物(OPC)ファミリーの毒素に対する、またはイオウもしくは窒素のイペリット、もしくはルイサイトおよびホスフェートオキシムなどののびらん剤に対する皮膚保護のための、本発明に係る化合物または保護用外用剤の美容上の使用にも関する。
本発明はまた、天然または人工起源からのUVAおよび/またはUVB紫外線照射に対する保護のために、本発明に係る化合物または保護用外用剤の美容上の使用に関する。
UVAおよび/またはUVBの紫外線照射に対するこの使用では、好ましくは、本化合物は、アナターゼの形態の二酸化チタン(TiO2)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子を、レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーに会合させる。
最後に、本発明は、さらに本発明に係る化合物を合成する方法に関する。このような合成方法は以下の実施例に記載される。
本発明に係る化合物を調製する好ましい方法は、
触媒とカップリング剤を混合するステップと、
非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択されるレオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーの水溶液に、得られた混合物を添加するステップと、
反応混合物を撹拌するステップと、
反応混合物の水相にあらかじめ分散した、5〜1500nmの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)または酸化銅(CuO)の官能化マイクロ粒子またはナノ粒子を添加するステップと、
透析により反応混合物を精製するステップと、
1つまたは複数ののレオロジー変性ポリマーに共有的に会合する1つまたは複数のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成される化合物を回収するステップと、
を含む。
好ましくは、カップリング剤は、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)であり、触媒は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)である。
最後に、本発明は、レオロジー変性ポリマーとしての、上述の会合ポリマーまたは非会合ポリマーに関する。
本発明に係る化合物は、上述の一般式(I)、(II)または(III)に従う非会合ポリマーまたは会合ポリマーである。
そのため、本発明によると、ポリマーは、一般式(I):
であって、式中:
− R1およびR2が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
− R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−OもしくはC(O)−NH−に対応し;
もしくは
R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0もしくは1に対応し;
● Qが−C(O)−OもしくはC(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
ならびに値aおよびbは、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、好ましくはaが、1〜10,000であり、bが、1〜20,000である;
一般式(I)に従うか、または以下の一般式(II):
であって、式中:
− R1、R2、およびR4が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
− R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
もしくは
R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0もしくは1に対応し;
● Qが−C(O)−OもしくはC(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− R3’が、[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し、Xがフッ素原子Fであり、pが1〜12であり;
ならびに値aおよびcは、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが、1〜5,000であり、cが、1〜8,000である;
の一般式(II)に従うか、または以下の一般式(III):
であって、式中:
− R1、R2およびR6が、水素原子もしくはメチル基を表し;
− R5が[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
もしくは
R5が[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0もしくは1に対応し;
● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− R7が、−[Q’]d3−(OCH2CH2)q−[Q’ ’]d4−(CH2)n(CX2)pXを表し、式中Q’が、−CH2、C(O)、O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し、nが1〜30であり、qが1〜150であり、d3およびd4が、0および/もしくは1に対応し、Q’ ’が、−O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し;および:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
値aおよびcが、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが、1〜5,000である
一般式(III)に従う。
好ましくは、炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−H)は、アクリル酸および/またはメタクリル酸およびC1−C4アルキルアクリレートのモノマーからなる。
炭化水素鎖ASEポリマー(ASE−H)は:
− 5〜50モル% アクリル酸および/またはメタクリル酸;
− 50〜95モル% C1−C4アルキルアクリレート
を含むことが有利である。
より好ましくはASE−Hポリマーは、以下のモノマー:
− 10〜20モル% メタクリル酸(MA);
− 80〜90モル% エチルアクリレート(EA)
を含む。
好ましくは、ASE−F非会合ポリマーは、以下の一般式(II):
であって、式中:
− R1、R2、およびR4が、水素原子またはメチル基−CH3を表し;
− R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0または1に対応し、Qが−C(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し;
または
R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0または1に対応し;
● Qが−C(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− R3’が、[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0または1に対応し、Qが−C(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し、Xがフッ素原子Fであり、pが1〜12であり;
値aおよびcは、1超であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが、1〜5,000であり、cが、1〜8,000である、
一般式(II)に従う。
これらのASE−Fポリマーは、好ましくは:
− メタクリル酸(MA),
− 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)またはトリフルオロエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロブチルエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロヘキシルエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート;および
− C1−C4アルキルアクリレート、好ましくはエチルアクリレート(EA)
のモノマーからなる。
フッ化炭素鎖を導入することにより、美容上または薬学的な使用のために、表面の毒素の取り込みを低減することが可能である。
好ましくは、フッ化炭素鎖ASEポリマー(ASE−F)は、以下のモノマー:
− 20〜75モル% アクリル酸および/またはメタクリル酸;
− 0〜30モル% C1−C4アルキルアクリレート;および
− 10〜55モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)またはトリフルオロエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロブチルエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロヘキシルエチルアクリレートまたは2−ペルフルオロオクチルエチルアクリレート
からなる。
より好ましくは、フッ化炭素鎖ASEポリマー(ASE−F)は、メタクリル酸(MA)、エチルアクリレート(EA)および2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)のモノマーを含む。
フッ化炭素鎖ASEポリマー(ASE−F)は:
− 50〜60モル% メタクリル酸(MA);
− 5〜15モル% エチルアクリレート(EA);および
− 30〜40モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)
を含むことが有利である。
好ましくは、炭化水素鎖HASE−H−RHポリマーは、メタクリル酸(MA)、C1−C4アルキルアクリレートおよび一般式(IV):
であって、式中Qが5〜10の数を表し、nが、6〜30の炭素原子である
一般式(IV)を有するエステルであるマクロマーのモノマー
からなる。
より好ましくは、HASE−H−RHポリマーは、メタクリル酸(MA)、エチルアクリレート(EA)、および上述の一般式(IV)を有するエステルであるマクロマーのモノマーを含み、これにより、一般式(V):
であって、式中:
− qが5〜10の数を表し;
− nが1〜30であり;
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
一般式(V)に従う。
より好ましくは、HASE−H−RHポリマーは、一般式(V)に従い:
− 5〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 5〜60モル% エチルアクリレート(EA);および
− 上述の一般式(IV)を有するエステルである1〜90モル%のマクロマー
を含む。
特に好ましいHASE−H−RHポリマーは、上述の式(V)に従い:
− qが7と等しく、nが6つの炭素原子に等しく(以後HASE−H−RH4ポリマーを指す);
− qが7と等しく、nが8つの炭素原子に等しく(以後HASE−H−RH6ポリマーを指す);
− qが9と等しく、nが10個の炭素原子に等しく(以後HASE−H−RH8を指す)
ようになる。
あるいは、本発明によると、上述の式(V)のHASE−H−RHポリマーのエチルアクリレート(EA)モノマーは、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)のモノマーにより置換されてもよく、したがって、以下の一般式(VI);
であって、式中:
− qが5〜10の数を表し;
− nが、6〜30の炭素原子であり;
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
一般式(VI)に従うHASE−F−RHポリマーに対応する。
より好ましくは、HASE−F−RHポリマーは、上記の一般式(VI)に従い:
− 30〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 0〜50モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM);および
− 一般式(IV)を有するエステルである1〜90モル%のマクロマー
を含む。
特に好ましいHASE−F−RHポリマーは、上記の式(VI)に従い:
− qが7と等しく、nが6つの炭素原子に等しく(以後HASE−F−RH4ポリマーを指す);
− qが7と等しく、nが8つの炭素原子に等しく(以後HASE−F−RH6ポリマーを指す);
− qが9と等しく、nが10個の炭素原子に等しく(以後HASE−F−RH8ポリマーを指す)
ようになる。
都合のよいことに、本出願人はさらに、炭化水素の結合をマクロマー上のフッ化炭素に置換することが、HASE骨格上で可能であることを実証することに成功した。
このようにフッ化炭素マクロマーでこの骨格を変性することにより、本発明に係るレオロジー変性ポリマーは、化学物質に対する保護に必要な疎水性または疎油性を提供しながら、マイクロ粒子またはナノ粒子を分散できる。
また本発明に係る使用に適したこのようなフッ化炭素鎖HASEポリマー(HASE−F)の構造は、以下の一般式(VII):
であって、式中:
− R2が水素原子またはメチル基を表し;
− R5が[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0または1に対応し、QがC(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し;および:
● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
または
R5が[Q]d2−αを表し、式中:
● d2が0または1に対応し;
● Qが−C(O)−Oまたは−C(O)−NH−に対応し;および
● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
− qが1〜150の数を表し;
− nが、1〜30の整数であり;
− pが、1〜12の整数であり;
値aおよびcが、1超であり、同一または異なる整数であり、値bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
一般式(VII)に従う。
より好ましくは、HASE−Fポリマーは、以下の一般式(VIII):
であって、式中:
− qが5〜10の数を表し;
− nが、1〜30の整数であり;
− pが、1〜12の整数であり;
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
一般式(VIII)に従う。
さらにより好ましくは、HASE−Fポリマーは、上記の一般式(VIII)であって式中:
− qが、5、7、または9と等しく;
− nが、2と等しく;
− pが、4、6、または8と等しく;および
− aおよびcが、1以上であり、同一または異なる整数であり、bが0以上であり;好ましくは、aが、1〜10,000であり、bが1〜10,000であり、cが1〜5,000である、
一般式(VIII)に従う。
より好ましくは、一般式(VIII)に従うHASE−Fポリマーは、以下のモノマー:
− 5〜85モル% メタクリル酸(MA);
− 1〜70モル% 2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM);および
−1〜50モル%のマクロマーであって、一般式(IX):
であって、式中:
− qが、5、7、または9と等しく;および
− pが、4、6、または8と等しい、
一般式(IX)を有するエステルであるマクロマー
を含む。
特に好ましいHASE−Fポリマーは、上記の式(VIII)に従い:
− qが5と等しく、およびpは4と等しく(以後HASE−F−RF4ポリマーを指す);
− qが7と等しく、およびpは6と等しく(以後HASE−F−RF6ポリマーを指す);
− qが7と等しく、およびpは6と等しく(以後HASE−F−RF8ポリマーを指す);
となるようになる。
上述のHASEポリマーは、ASEポリマーと同一の方法を使用して合成してもよい。HASE−HおよびHASE−Fのポリマーの合成工程は、実施例5で得られる。
特に、レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーは、以下のポリマー:
− ASE−H;
− ASE−F;
− HASE−H−RH4;
− HASE−H−RH6;
− HASE−H−RH8;
− HASE−F−RH4;
− HASE−F−RH6;
− HASE−F−RH8;
− HASE−F−RF4;
− HASE−F−RF6;または
− HASE−F−RF8
から選択されることが有利である。
さらにより好ましくは、レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーは、以下のポリマー:
− HASE−H−RH4;
− HASE−H−RH6;
− HASE−H−RH8;
− HASE−F−RH4;
− HASE−F−RH6;
− HASE−F−RH8;
− HASE−F−RF4;
− HASE−F−RF6;または
− HASE−F−RF8
から選択される。
実験により、これらのポリマーが:
−皮膚の保護または除染(たとえば、毒性化学物質との接触を予防するために適用可能な保護用外用剤として)での使用 −ヒトの医療、特に皮膚の刺激またはアレルギーの予防のための皮膚科学での使用;
−化粧品、特に、外部の攻撃に対して上皮を保護する障壁としての化粧品での使用
といったこれらの有利な用途を可能にする、疎油性レオロジー特性(粘弾性、流動性、チキソトロピーなど)を示すことを証明することが可能となった。
実施例1:292nmおよび448nmのシリカマイクロ粒子の合成
シリカマイクロ粒子の合成を、ストーバー法にしたがって実行する。ゾルゲル法は、アルコール、水、およびアンモニアの混合物中でTEOS(テトラメチルオルトシリケート)を加水分解し、縮合することからなる。ストーバー法を用いるシリカマイクロ粒子の合成ダイアグラムを図2aに例示する。
水/アンモニア(H2O/NH3)の比率は粒子の寸法を制御する。水は粒子を加水分解し、アンモニアは媒体中の粒子を安定化する。使用するH2O/NH3の比率は、448nmおよび292nmのシリカで、それぞれ3.82および2.57である。第1の反応は、−OEt基を−OH基へ加水分解することからなり、第2の反応で縮合を行い、シリカマイクロ粒子を形成する。
ケイ酸が、加水分解の間に生成され、この濃度がエタノール中のケイ酸の溶解度を超えると、ケイ酸は均一な(核形成)を増加させて、サブマイクロ寸法のシリカ粒子を形成する。この方法は、純粋なシリカ粒子を調製するために使用される。
加水分解ステップの後、化合物は、シラン(たとえば反応性アミン含有シランである3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES))でTEOSを共縮合することにより組み込まれ得る。この粒子の直径は、10nm以下であり得て、最大約1μmの直径の範囲であり得る。これらは、一般的に、均一の寸法ではない。したがって、さらなるろ過および分離が、異なる寸法の画分を単離するために必要とされる。粒子の直径は、反応温度および反応中の水/アンモニアの比率により制御され得る。
使用する手法により、GPTMS(3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン)で官能化した、制御された寸法のシリカを生成することが可能である。
この例では、シリカを、図2bに例示されるように(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン(AMS))を使用して導入されるアミン基で官能化する。
また、たとえば化合物((アミノメチル)トリエトキシシラン、(アミノメチル)トリメトキシシラン)、((5−アミノペンチル)トリエトキシシランまたは(5−アミノペンチル)トリメトキシシラン)を使用する官能化も同様に想定され得る。
実施例2:シリカナノ粒子の官能化
図3に例示されるように、市販の14nmの焼成シリカナノ粒子を、シリカ/アミノシランの比率10:1であり、無水トルエン中、(3−アミノプロピル)トリエトキシシランで官能化した。
アミノシランは−OH基を介して、官能化シリカとの縮合反応により反応する。
この実験では、アミノシランが加水分解しないように無水媒体中で作用させることが重要であり、これにより加水分解したSi−OH基間に縮合を誘導し、異なる寸法のナノ粒子が得られる。
遠心およびエタノールでの洗浄によるトルエンの除去の後、気道を介するいかなる汚染も防止するために、ナノ粒子を水性溶液中に保存する。
実施例3:チタンナノ粒子の合成
チタンナノ粒子を、アナターゼ形態(その光触媒の特性による)の市販のナノ粒子を官能化することにより得た。二酸化チタンナノ粒子は、たとえば、アルコキシシラン(Ti−O−Si結合の形成)を用いるか、またはリン化合物(Ti−O−Si結合の形成)により官能化されてもよい。
ホスホン酸またはホスホン酸塩などのリン化合物は、たとえば、金属酸化物と強い結合を形成することが知られており、アルコキシシランのように縮合する傾向をもたない。チタンナノ粒子を得るために、シリカナノ粒子に関して実施例2で上述したものと同一の官能化法を使用した。
実施例4:ASEポリマーの合成
図4に例示するように、ASEポリマー(ASE−HまたはASE−F)は、たとえば、メタクリル酸(MA)、エチルアクリレート(EA)および/または2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)からなり得る。
これらのポリマーは、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および共溶媒としてアセトンを含むエマルジョン中で重合することにより合成され得る。2つのポリマー:ASE−HおよびASE−Fを合成した。
マイクロ粒子またはナノ粒子をグラフト化する前にポリマーを合成することにより、マイクロ合成物またはナノ合成物に関して求められる応用または特性にしたがってポリマー鎖を変化させることが可能である。
フッ素化モノマーの導入は、重合化の際のエマルジョンの安定性に関して効果を有し、フッ素化モノマーの長さおよび量が増加すると、凝固現象の増加が観察され、これにより変換収率の減少を誘導した。この系を安定化するために、1質量%のアセトンを共溶媒として使用した。この溶媒は、エマルジョン中でフッ素化モノマーを可溶化することが知られている。透析(4000−6000Da)による精製後に、ASE−HおよびASE−Fのポリマーに関して、88%および51%の収率を得た。
以下の表1によると、メタクリル酸(MA)の量は、フッ素化モノマーを添加すると有意に増加することが観察できる。これは、エマルジョン工程の際のTFEMの組み込みが不十分であることによるものであろう。このことは、コポリマーの収率の減少(51%)により確認され得る。

上述の表1では、MAは、カルボン酸のプロトンの共鳴に関連し、EAは、エチルエステルのメチレンプロトンに割り当てられた共鳴に関連し、TFEMは、トリフルオロエチレンエステルのメチレンプロトンの共鳴に関連する。MAの共鳴の強度は、それぞれの事例で1000に標準化されており、この強度は、共鳴により提供される名目上のプロトン数により標準化される。
実施例5:HASEポリマーの合成
図5に例示されるように、HASEポリマーを、ASEポリマーと同一の方法を使用して合成する。これらは、メタクリル酸(MA)、エチルアクリレート(EA)および/または2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート(TFEM)からなり、かつ炭化水素またはフッ素化マクロマーからなる。
図5によると、HASE−X−RXnは、合成ポリマーの基準名である。
エチルアクリレートモノマーを使用する場合、Xは文字Hに対応する。フッ素化モノマーを使用する場合、Xは文字F(HASE−F−RXn)に対応する。
RXnは、鎖の種類、炭化水素(HASE−X−RHn)またはフッ化炭素(HASE−X−RFn)により変動し、nは、マクロマーの炭素数により変動する。
マクロマー(MHnまたはMFn)は、市販の製品ではないため、これらを、図6に例示されるように、炭化水素またはフッ化炭素のカルボン酸化合物を用いてポリエチレングリコールモノメチルメタクリレートのエステル化反応により合成した。
この反応を、カップリング剤である、N,N’−ジメチルピリジン(DMAP)の存在下でN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(dicyclohexylcarbodimide)(DCC)を使用して触媒した。
合成した化合物を異なる収率で得て、赤外線照射またはNMRにより特徴を調べた。この合成した化合物を以下の表2に列挙する。図6でmと注釈されているPEGモノマーの数は、4.39−4.21ppm(多重線)および3.76−3.64ppm(多重線)の化学シフトに1H−NMRシグナルを積分することにより決定される。最初のポリエチレングリコールモノメチルメタクリレートは市販の多分散系であり、クロマトグラフィーカラムにより異なるモノマーを分離することが可能であった。ポリマー合成で使用するモノマーの収率を表2に示す。

次いで、HASEポリマーをASEポリマーと同一の合成方法にしたがってエマルジョン中で合成した。したがって、これらのポリマーを、界面活性剤としてドデシル硫酸ナトリウム(SDS)および共溶媒としてアセトンを含むエマルジョン中での重合により合成する。2つのポリマー:HASE−HおよびHASE−Fを合成した。重合媒体の組成物は表3で得られる。マクロマーは、0.5質量%で導入した。

重合の終わりに、52〜81%の範囲の収率で得られたポリマーを、透析により精製し(4000−6000Da)、IR、1H−NMRおよび19Fにより特徴を調べる。合成したポリマーおよび1H−NMRにより計算したモル組成を、以下の表4に列挙する。

上記の表4では、MAは、カルボン酸のプロトンの共鳴に関連し、EAは、エチルエステルのメチレンプロトンに割り当てられた共鳴に関連し、TFEMは、トリフルオロエチレンエステルのメチレンプロトンの共鳴に関連し、MHnは、2つのエステルの4つのαプロトンを除くエトキシル化単位のプロトンの共鳴に関連する。MAの共鳴の強度はそれぞれの場合、1000で標準化され、この強度は、共鳴により提供される名目上のプロトン数にしたがって標準化される。
また、上記の表4から、マクロマーMH4が、他よりも高い度合いでポリマーに組み込まれていることが示唆される。
異なるファミリーのポリマー、HASE−H−RHn、HASE−F−RHnおよびHASE−F−RFnを比較することにより、マクロマーを形成する炭化水素鎖またはフッ化炭素鎖の長さが増加すると、ポリマーへのマクロマーの組み込み比率が減少することを観察することが可能である。
MA、EA、およびTFEMのモノマーに関しては、この種類のマクロマーによる組み込み比率および鎖の長さの直線変化は観察されない。DSC解析により、ポリマーのガラス遷移温度およびSEC解析によるポリマーの質量(SEC analysis the mass)、およびこの多分散度指数を決定することが可能であった。2つのHASEポリマーを、SECにより特徴を調べ、この結果を、重合の収率と共に以下の表5に示す。

炭化水素およびフッ化炭素のポリマー間のモル質量の差異は、フッ素化鎖の導入により、重合工程の際に媒体の不安定化が誘導され、より短いポリマー鎖を作製するという事実により説明できる。
実施例6:ポリマーを最適化するための好ましいポリマーの選択および上記ポリマーの変性
a.好ましいポリマーの選択
合成した様々なポリマーに様々な解析(レオロジー、動的光散乱など)およびゴニオメトリー解析を行った。
ゴニオメトリー解析を実行するために、ポリマー溶液をモデル表面に塗抹した。それぞれのポリマー2.5mgをガラスプレートの約2〜3cm2の上に沈着させ、水を屋外で蒸発させた。オリーブ油の油滴を表面に沈着させ、各ポリマーの親油性/疎油性の特性を決定することを可能とした。
3μlの試験液体の液滴3滴を沈着させて、平均値を計算した。この解析の結果を図7に示し、ガラスプレートにあらかじめ沈着させたポリマー上でのオリーブ油の接触角を例示する。
オリーブ油は、この液体が試験に使用する毒性物質と類似する表面張力(20℃でγ=32mN/m)を有するため選択された。水は、ポリマーが水に可溶であるため、フィルムが可溶化し、得られる接触角が有意ではないため使用されなかった。
図7に例示されるように、HASE−H−RH6を除き、モノマーまたはフッ化炭素鎖を挿入すると、接触角の値が増加する。このことは、特に、それぞれ66°対25°の接触角を有するHASE−F−RF8ポリマーおよびその炭化水素対応物で観察された。またこの値は、フッ化炭素鎖の長さに依存し、鎖C4F8およびC6F13と比較して鎖C8F17を導入すると、10〜15°の増加が認められうる。また、ガラス単独と比較して、非常に少量のポリマーにより、オリーブ油接触角を増加させることが可能である。したがって、このように、HASE−F−RF8ポリマーが、他のポリマーと比較して、最も良好な接触角(θ=66°)を有すると推測することができる。
実行した異なる解析の観点から、レオロジーおよびゴニオメトリーの試験で分類することにより、初期の状態で最も粘性のあるポリマーが、最も良好なオリーブ油接触角を有するもの、すなわちHASE−F−RF8ポリマーであることが証明された。保護用外用剤として使用するために、後者の特徴は、毒素が外用剤の表面に接着しない、またはわずかにしか接着しないことから非常に重要である。そのため、HASE−F−RF8ポリマーを、その後の実験に好ましいポリマーとして選択した。またHASE−H−RH8ポリマーを、特定の解析を行うため、およびHASE−F−RF8のフッ化炭素対応物との比較のため、試験した。
b.好ましいポリマーの変性
3.3モル%の含量のマクロマーを伴うHASE−F−RF8ポリマーは、利点のある表面(沈着)およびレオロジー特性を有することが証明されたことから、MF8マクロマーの量を増加させて媒体中のフッ素化鎖の量を増やした。これに関して、2つのさらなるポリマー:13.5モル%のマクロマーおよび45.9モル%のマクロマーを含むポリマーを合成した。合成工程は、エマルジョン中での重合であり、導入したモノマーの量は以下の表6で得られる。

1H−NMRにより得られるポリマーを形成するモノマーのモル組成は、以下の表7で得られる。

これらポリマーHASE−F−RF8(13.5モル% マクロマー)およびHASE−F−RF8(45.9モル% マクロマー)に関して行ったゴニオメトリー解析は図8に例示され、マクロマー含量の増加が、沈着した2.5mgのポリマーの接触角を変化させるものではないことを証明する。他方で、マクロマー含量を3.3から13.5モル%に増加させると、ポリマー(3.3%)、(13.5%)および(45.9%)の流動曲線を表す図9に例示されるように、速度勾配範囲にわたって粘度を増加させる。
しかしながら、45.9モル%のマクロマー含量を有するコポリマーの性質は、マクロマーの量がそれ以上レオロジー特性を高めない閾値が存在することを証明するものである。
実施例7:ポリマーとシリカマイクロ粒子またはナノ粒子のグラフト化
ポリマー/ナノ粒子のグラフト化を、穏やかな条件下のアミド化反応を使用して実行した。
使用するEDC/NHS比率(モル)は[1:0.07]であった。ポリマー/マイクロ粒子またはナノ粒子の比率は、マイクロ粒子またはナノ粒子が担うアミン官能基の当量数にしたがってポリマーが担う酸官能基当量数を使用して計算した(ポリマーに含まれる酸官能基が1当量数の場合、アミン官能基1当量数を導入した)。反応の終わりに、反応媒体を透析により精製し、3300rpmで遠心した。この試験で生成したカップリングを、以下の表8にまとめる。

グラフト化に使用したポリマーは、ASE−H、ASE−F、HASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)およびHASE−F−RF8(3.3モル% マクロマー)である。
ASE−HおよびASE−Fのポリマーを使用して、モデルを構築し、HASEポリマーとこれらを比較した。
ポリマー HASE−F−RF8(3.3モル% マクロマー)は、優れたレオロジーおよび疎油性の特性を有することから選択され、この炭素対応物を使用することにより、水性媒体中または基板上で、炭化水素またはフッ化炭素に従うナノ粒子の分散特性を比較することが可能である。グラフト化化合物は:ASE−H/Si−22(1当量)と注釈され、ASE−Hは使用するポリマーを表し、Si−22はナノ粒子の種類のおよび寸法を表し、ならびに(1当量)は酸官能基の数に関連するアミン官能基の数を表す。
実施例8:ポリマー/シリカ(1当量)化合物の解析
基板上での沈着後のマイクロ粒子またはナノ粒子の分散の解析により、分散の均一性または均一性の欠如にしたがって、特定の化合物またはナノ粒子を区別することが可能である。このため、ガラスプレート上で中性媒体に100μlの上清を沈着させることにより、化合物のフィルムを調製し、次いで、水を大気圧の乾燥器中で蒸発させた。図10に示されるトポグラフィー画像に基づき、ASE−HおよびASE−F化合物のシリカの寸法と比較して、寸法が減少すると、凝集の度合いが減少する。
ASE−Fポリマーを伴う化合物の沈着は、凝集がほとんどないことを示し、ナノ粒子または粒子は、多くの凝集領域を呈するASE−Hポリマーを伴う化合物とは異なり均一に分散する。
化合物ASE−F/Si−22は、ナノ粒子が最も良好な分散を有する沈着を有する化合物である。
上述に記載される結果の観点から、
媒体中のポリマーの量は、障壁保護を可能にするためには高ければ有利であるはずで、ポリマーがほとんどグラフト化されない448nmのシリカでは少なく、
ナノ粒子から満足のいく保護の効能を得るために、ナノ粒子はポリマー中に均一に分散されるべきであるため、
最も好ましいマイクロ粒子またはナノ粒子はまたは22nmのシリカナノ粒子が明らかとなる。ここでは、22nmのシリカが最良と観察された。
さらに、その寸法および表面の官能化により、22nmナノ粒子のcm2あたりの量は、448nmおよび292nmの粒子よりも大きいと想定される。このことにより、たとえば、活性物質による毒性物質の取り込みを大きくすることが可能である。
実施例9:ポリマー/ナノ粒子化合物のクリームおよびゲル型の化粧品処方への導入
a.クリーム処方
本化合物を、Uriage(商標)により販売されるBariedermTech(商標)クリームへ導入した。
生成物を濃縮し、次いでpH=9のコールドクリームに10質量%で導入した。選択したpHは、皮膚のpH(pH▲〜▼5)と比較して相対的に高く、ベーシッククリームにより皮膚に害(皮膚損傷のリスク)を与えないことが重要であるが、選択した化合物は、pH=9前後で最も良好な特性を有する。これらのクリーム中に処方される試験化合物は、HASE−F−RF8(3.3モル% マクロマー)/Si(0.3当量);HASE−F−RF8(13.5モル% マクロマー)/Si(0.3当量);HASE−F−RF8(3.3モル% マクロマー)/TiO2(0.3当量)であった。
b.ゲル処方
親水性ゲルおよび疎水性ゲルの2種類のゲルを合成した。
ゲル処方を以下の表9に記載する。

Fomblin(商標)は、2つの役割を有するペルフルオロポリエーテル(全フッ素置換油)である。この第1の役割は、媒体の疎水性および疎油性の増大であり、第2の役割は、ゲルを液化することである。ポリマー含量が高いゲルは、弾性的外観を示し、正確に塗布するには適さないことから、この第2の特性は、非常に有益である。上記の表9で得られる処方は、皮膚に良好に塗布でき、7.30〜7.50のpHを有する粘性ゲルを得るために適している。
実施例10:純粋な生成物の有効性試験
この実験の目的は、エチル O−エチル−O−(ニトロ−4−フェニル)ホスホネート(パラオクソンまたはPOX)などの有機リン酸塩化合物に関して、半透膜上の浸透動力学による本発明に係る保護用外用剤の保護能を決定することである。
合成膜での試験
使用する合成膜は、Silicone Products(Nuneaton, UK)により販売される厚さ400±100μmのシリコーン(ポリジメチルシロキサン)膜である。
この膜を、約10cm2のディスク型に切断し、浸透試験を、ガラス製フランツ型静的拡散セル(ガラス製造元:Laboratoire VERRE LABO−MULA, Corbas, France)により製造されるセル)で行った。受容媒体は、「ハンクス平衡塩類溶液(Hank’s Balance Salt Solution)」(HBSS)で充填した。

処置:
本発明に係る保護用外用剤を5mg/cm2の比率で塗布し、可撓性シリコーンのスパチュラを使用して広げた。
次いでこの膜を、受容区画の上に沈着させる。Teflon(商標)シールを、膜の上に載せて、セルを供与区画で封入し、1.13cm2の膜露出表面積を残した。セルを封入して、水浴中に並べたセルホルダーに入れて、膜および受容媒体の間での妥当な接触を可能にするためにねじを追加した。最後に、膜およびゲルを、20分間、温度を安定化すさせる。膜の表面での温度32°C±1°Cを得るために、水浴を38℃に設定した。
毒素を、液滴の形態で膜の中心に沈着させる。沈着したパラオクソン(POX)の量は、5mg/cm2、すなわち4.9μlである。
400μlの試料を、POXに関して、1時間30分ごとの試料採取ループで採取する。試料を採取した後、受容媒体の量を一定にするために、同量のHBSSを添加する。すべての試料を、−20℃のフリーザーで保存する。
受容媒体中のPOXの量のアッセイ
使用する方法は、毒素の酵素アッセイである。
このアッセイ方法は、パラオクソン(POX)の存在下での酵素のアッセイに適した間接法である。試料中のパラオクソンの濃度は、明確に定義した濃度範囲に基づき決定され、各試料に既知の量で添加した酵素(ブチリルコリンエステラーゼ)の阻害の度合いに比例する。
この結果は、図11に示され、パラオクソンの経膜浸透性に関する生成物の評価を特徴とするものである。%Q0は、パラオクソンの吸収された用量のパーセンテージを表す。
パラオクソンの経膜浸透は、膜がポリマーHASE−F−RF8(13.5モル% マクロマー)で前処理されている場合に遅くなり、わずかに低下するが、化合物HASE−F−RF8(13.5モル% マクロマー)/Siで前処理した場合には有意に低下することが認められる。
互いに異なる生成物を比較するために、t=6hで2超の独立した試料の分散を比較するノンパラメトリッククラスカル・ワリス統計検定、次いで、1つの試料を別の試料と比較するためにDunn検定を行うことにより、化合物の保護的作用に関する結論を引き出すことが可能となった。ポリマーは、有意な保護作用を有さないが、ポリマー/シリカ化合物は、膜に関して有意に保護作用を有する。
これは、経膜POX浸透に関して合成されたフッ化炭素ポリマー/マイクロ粒子またはナノ粒子の保護作用を強調するものである。
実施例11:本発明に係る化合物の生態毒性
この目的は、官能化シリカナノ粒子(448、292、および22nm、この試験では、それぞれ、;400、300、および22nmと注釈される)または純粋なナノ粒子(14nm)および、グラフト化化合物HASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)/Si(0.3当量)の生態毒性学的影響を決定することである。
4種の試験生物:クロレラ(SAPS)およびフェオダクチラム(淡水および海水)、オオミジンコ(水生生態系)および亜麻(Linum usitatissimum)の種子(陸上生態系)を、それらの感受性、それらの生態系の代表的な性質、栄養性レベル(食物連鎖においてその生物が占める位置)から選択した。
これらの試験をインビトロの条件下で行い、化学物質と接触してインキュベーション後の試験生物の変化を試験し、生物と接触した後の化学物質の結果を決定した。この結果を、図12、13、および14に概略的に表す。
図12は、水懸濁物のオオミジンコのに対するEC50測定値を表す。
図13は、純粋な(SiO2−14)および官能化SiO2−22;−300および−400)シリカナノ粒子の水懸濁物のフェオダクチラムおよびクロレラ(SAPS)に対するEC50測定値を表す。
図14は、ポリマーHASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)(HASEポリマー)および化合物HASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)/Si(0.3当量)(本発明に係るグラフト化合物)の水懸濁物のオオミジンコに対するEC50値の測定値を表す。
オオミジンコ、フェオダクチラム、およびクロレラ(SAPS)を用いたこれらの異なる毒素試験により、本化合物の寸法が増加するとナノ粒子の毒性が減少することが証明された。これらの試験はまた、アミン―シラン化合物による14nmシリカ粒子の官能化(22nmシリカ)が、毒性の低減を誘導することを証明している。
同様に、ポリマー単独および本発明に係るグラフト化合物は、22nmのナノ粒子よりも低い毒性を示した。
亜麻を用いた第4の試験は、試験下の化合物の毒性の有無を推測するために適切な、対照(参照毒素:K2Cr2O7)に対する発芽寸法(測定方法)を比較することによる種子発芽試験である。行った試験は、ポリマー単独(HASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)(HASEポリマー))および本発明に係るグラフト化合物(HASE−H−RH8 (1.3モル% マクロマー)/Si(0.3当量))の間で毒性の差異を示さなかった。
しかしながら、これらの2つの化合物(ポリマー単独およびグラフト化合物)と、対照との間に明らかな差異が観察された。グラフト化合物と22nmシリカナノ粒子の比較により、本発明に係るグラフト化合物は、毒性が有意に低いことが証明された。これらの実験で、グラフト化合物を異なる濃度(0.01mg/L、0.1mg/L、1mg/L、10mg/Lおよび100mg/L)で種子に添加することにより、化合物が毒性である濃度を決定することが可能である。
上述する生態毒性実験の観点から、ポリマー HASE−H−RH8(1.3モル% マクロマー)は試験化合物のうち最も毒性が低いと思われる。
さらに、このポリマーでナノ粒子をグラフト化することは、22nmの官能化ナノ粒子および14nmの非官能化ナノ粒子と比較して、さらに毒性を低下させるために役立つ。
これらの結果は、本発明に係る化合物が、試験下の他の生成物と比較して低い毒性を有することを証明するものである。
実施例12:本発明に係る化合物の例
図15は、新規技術の保護を得るために適した本発明に係る化合物の概略図を表す。図15の図では、
基R1が、たとえば、水素原子または1〜4つの炭素原子を有するアルキル基に対応し;
基R2が、CnX2n+1に対応し、式中Xが水素またはフッ素原子を表し、nが1〜9であり;
基R3が、炭化水素またはフッ化水素鎖CnX2n+1であって、式中Xが水素およびフッ素原子を表し、nが4〜8であり;
pが5〜10であり;
a、a’、a’ ’、a’ ’ ’b、b’、b’ ’、c、c’およびc’ ’は、同一または異なる1超の整数であり;
球または環が、1〜1500nmの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4もしくはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)および酸化亜鉛(ZnO)のマイクロ粒子またはナノ粒子を表す。
実施例13:媒体中のマイクロ粒子またはナノ粒子の分散試験および本発明に係る化合物の最適化
ナノ粒子の分散は、媒体に存在するカルボン酸官能基の量により原則的に得られることから、本出願人は、シリカ当量数の減少について調べた。ナノ粒子の分散を制御するために、グラフト化ナノ粒子の量を減少させ、遊離カルボン酸官能基の数を増加させる。シリカ当量数を減少させる試験は、0.8;0.3;0.1;0.05および0.01のシリカ当量(ポリマーが担う酸官能基の数に対するシリカが担うアミン官能基の当量数)で22nmのシリカにカップリングさせたポリマーHASE−F−RF8(3.3モル% マクロマー)で行い、EDCの量を、酸官能基のグラフト化の度合いを限定する観点から、しかしイオン相互反応により塩基性媒体中のナノ粒子の分散に適した溶液中の遊離カルボン酸官能基が得られるようにシリカ当量数に対して半減させた。使用したEDC/NHS比率は、[1:0.07]である。
次いで、本出願人は、シリカが最も良好に分散される当量数を決定して、ぬれ特性が異なるか否かを観察した。このため原子間力顕微鏡(AFM)およびゴニオメトリーの試験を実行した。
a.1;0.3;0.1;0.05および0.01当量の化合物HASE−F−RF8(3.3%)Si−22の中性媒体中のフィルムのトポグラフィー:
図16に例示するトポグラフィーの画像に基づき、他の4つの沈着物とは異なり、1当量の沈着物は、高い度合いの凝集物を含むことが観察される。0.1および0.05当量の処方を沈着させる場合、その中のナノ粒子の分布は低い、0.3および0.01当量の処方を沈着させると、低い凝集に加えて、妥当なナノ粒子の分散が観察される。これらの処方は、ナノ粒子の分散にとって最も良好な同等物であることが明らかとなる。
b.ゴニオメトリーの特徴
図17に例示されるように、これら5つの沈着物もまた、ゴニオメトリーにより特徴を調べた(水(親水性/疎水性に関して)およびオリーブ油(親油性/疎油性に関して、および化学物質VXと同様の表面張力を有する)を用いる)。
図17に基づき、シリカ当量数が1から0.05当量に減少すると、水との接触角が、30°増加して約70°となり、次いで0.01当量では60°に減少すると推測することができる。
しかしながら、これらの値は一定ではなく、ヒストグラムによって示されるように、0.01および0.05当量では、1分後、接触角が約30°(1当量の接触角の値)まで減少し、これは水性媒体中のポリマーの可溶化により説明される。他方では、0.3当量の化合物では、角度の値(約50°)は、1分後でも一定のままである。オリーブ油による分析により、当量数を減少させても、接触角の値に影響を与えないことを証明することが可能であり、したがってこの値は、すべての沈着物で約25°である。オリーブ油との接触角は、1分後一定のままである。
AFMにより得られるトポグラフィーの画像とゴニオメトリーにより得られる接触角の値を比較することにより、0.3当量のナノ粒子当量数でのカップリングが、分散および疎油性に関して良好な結果であることを証明した。
実施例14:本発明に係る化合物の例
本出願人はこの実施例で、生物学的または化学的有害物質に関する皮膚の保護または除染に使用するための保護用外用剤中の、シリカナノ粒子(HASE−F−RF8/Si)をグラフト化した生成物HASE−F−RF8(13.5%)の効能を最適化しようと試みた。
多くの試験で、過去に、全フッ素置換化合物を使用して、たとえばヘキサデカン(γ=27.3mN/m)またはオリーブ油(γ=32mN/m)などの低い表面張力(γ)を有する液体と90°〜140°の接触角を有し、表面を構造化する疎油性の高い表面が作製された。化合物HASE−F−RF8/Siはまた、溶液中および表面上に沈着させた後に、シリカナノ粒子の妥当な分散を示したことから、本化合物は、この分散および保護の効能を増大させるために重要であろう。
HASE−F−RF8/Siはナノ粒子上に位置する遊離アミン官能基を有することから、もう一度分子をグラフト化することが可能である。このため、沈着物の疎油性を増加させるために、4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタン酸(RF4)、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノナン酸(RF6)および4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロデカン酸(RF8)を、水性媒体中、カップリング剤の存在下で化合物HASE−F−RF8−Siと共有結合させた。図18に例示するように、シリカナノ粒子が担う遊離アミン官能基は、フッ素化化合物RF4、RF6およびRF8のカルボン酸官能基と反応して、化合物HASE−F−RF8/Si/RFnであって、式中n=4、6、および8である化合物を得た。
水に懸濁した、この新規のハイブリッド有機/無機化合物HASE−F−RF8/Si/RF8を、動的光散乱(DLS)により特徴を調べた。塗抹または噴霧による沈着時の化合物HASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RFnのぬれ性も決定し、表面状態を、操作型電子顕微鏡(SEM)および原子間力顕微鏡(AFM)により解析した。
a.化合物HASE−F−RF8/Si上でのフッ素化化合物のグラフト化
EDC/NHS(モル)の[1:2]混合物を、4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,11−ヘプタデカフルオロデカン酸(RF8)または4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,9−トリデカフルオロノナン酸(RF6)または4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタン酸(RF4)の水溶液(pH4〜5)に添加した。反応媒体を28℃で2時間撹拌した。次いで、化合物HASE−F−RF8/Si(1モル)のpH=8.5の溶液を添加し、反応を28℃で5日間続け、化合物HASE−F−RF8/Si/RFnであって、式中n=4、6、および8である化合物を得た。得られた化合物を透析(4000−6000Da)により精製し、解析した。
b.HASE−F−RF8/Si/RFnの解析
ナノ粒子が担う遊離のアミン官能基と、n=4、6、および8である化合物RFnのカルボン酸官能基との反応により、化合物HASE−F−RF8/Si/RFnを得ることが可能である。化合物RFnは、EDCおよびNHCを含む水で既に活性化され、化合物HASE−F−RF8/Siのカルボン酸基とアミン官能基のあいだで分子内反応が可能である。グラフト化により、アミド官能基(−CO−NH−)の作製が誘導される。図19は、化合物HASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RFnの赤外スペクトルを表す。これらの化合物の官能基は同一であることから、これらのグラフ間に差異はない。中性媒体では、カルボン酸官能基は部分的にイオン化し、カルボニルバンドは、1708cm−1から1570cm−1にシフトするが、アミドのカルボニルバンドは1637cm−1のままであり、エステルバンドは1741cm−1である。
さらに、フッ素化化合物のC−Fバンド、エステルのC−Oバンド、およびSi−O−Siバンドは、それぞれ1285cm−1、1245cm−1および1107cm−1である。赤外解析は、遊離のカルボン酸官能基の存在が、水中の化合物の膨張および溶液中のナノ粒子の分散に必要であることを示した。
化合物HASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RF8に関して、フッ素および炭素の量を元素分析により推定した。
このHASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RF8の元素分析の結果は以下の表12に含まれる。

フッ素のパーセンテージの値は、HASE−F−RF8/Si(F:9.20%)とは異なり、HASE−F−RF8/Si/RF8(F:12.84%)では増加する。これは、化合物RF8のカルボン酸基と化合物HASE−F−RF8/Siのアミン官能基のあいだのグラフト化を証明する。
c.化合物の沈着
化合物HASE−F−RF8/Siおよびn=4、6、および8であるHASE−F−RF8/Si/RFnを、塗抹および噴霧によって5cm2のガラスプレートに沈着させた。スパチュラを用いてプレート上に化合物を広げることにより塗抹法を実施した。噴霧コーティングは、直径0.3/0.5mmのノズルを有する圧縮空気スプレーガンを用いて、試料から10cm離れて実施した。2%、10.7%および7.5%の溶液を、化合物HASE−F−RF8/Si/RF4、HASE−F−RF8/Si/RF6およびHASE−F−RF8/Si/RF8にそれぞれ使用した。
d.溶液中のナノ粒子の分散解析
水中のナノ粒子の分散は、懸濁物のpHに依存する。最も良好な安定化が得られる懸濁物のpHを決定するために、化合物HASE−F−RF8、HASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RF8のゼータ電位を、pH3から9の範囲で測定した。これらの測定値は図20に含まれる。pH約4のHASE−F−RF8/Siでは、ゼータ電位は、ゼータ電位が−30mVに達するHASE−F−RF8/Si/RF8とは異なり、アンモニウムに対するアンモニウム基のプロトン化により約−20mVである。
この差異は、化合物HASE−F−RF8/Si/RF8のアミン基の減少を強調し、シリカナノ粒子上の化合物RF8のグラフト化を正当化するものである。pHが増加すると、ゼータ電位の有意な低下が測定され、これはコポリマーが担うカルボン酸基のイオン化に対応する。同時に、アンモニウム基が中和され始め、最終的に約−70mVのゼータ電位に達する。HASE−F−RF8/Si/RF8およびHASE−F−RF8/Siの両方に関して、pH=7で最大の安定化が得られる。HASE−F−RF8/Si/RF8のpH=7での安定性試験を、21時間行った。使用する溶液の濃度は、2質量%である。
この結果は:
媒体が4時間安定であり、媒体の沈降が、4時間目から観察され;
21時間後、化合物を撹拌すると、再度分散され;
4時間後に再びもう一度沈降が観察される;
こと証明するものである。
e.化合物HASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RFnのオリーブ油ぬれ性試験
化合物HASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RFnを、量を0から60mgまで変化させてpH7付近でガラスプレートに塗抹することにより沈着させる。。さらに、15mgのHASE−F−RF8/Si/RF8を、噴霧法を使用して沈着させ、塗抹で得られた表面と比較する。
HASE−F−RF8/Si/RF4およびHASE−F−RF8/Si/RF6の場合、それぞれ1mgおよび1.5mgを、噴霧により沈着させた。ハイブリッド有機/無機化合物の表面の疎油性を、4.9μlのオリーブ油(γL=32mN/m)の油滴の静的接触角を測定することにより推定した。HASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RF8の場合、化合物の量(mg)による接触角の変数は、図21で得られる。スメア法を使用して、両方の化合物において90°の接触角で沈着した5mgの化合物から疎油性コーティングを迅速に得た。ガラスプレートに沈着した量が増加する場合、HASE−F−RF8/Siの接触角は一定のままであるが、標準偏差が増加する。この偏差は、ガラス基板上のフィルムの破れおよびフィルムの非接着性により説明することができる。次いで、油をガラスプレート上およびASE−F−RF8/Siコーティング上に広げる。HASE−F−RF8/Si/RF8では、沈着した量に従って接触角が連続して増加し、高い疎油性表面では120°の接触角が得られる。HASE−F−RF8/Si上でのフッ化炭素のグラフト化は、接触角を40°増加させ、図22aおよび図22bに例示されるように疎油性コーティング(HASE−F−RF8/Si)から高い疎油性コーティング(HASE−F−RF8/Si/RF8)へと切り替えることが可能である。さらに、化合物HASE−F−RF8/Siの接着が高められる。
超疎油性表面を得るためには、疎油性化合物と表面のマイクロおよびナノ―構造化を組み合わせることが必要である。おそらく、フッ化炭素化合物RF8をグラフト化すると、表面の構造化は変化する。
図23a〜23fは、塗抹法および噴霧法を使用したHASE−F−RF8/SiおよびHASE−F−RF8/Si/RF8の化合物の走査電子顕微鏡(SEM)解析を示す。
図23および23bは、塗抹法による52mgのHASE−F−RF8/Siの沈着物に対応する。
図23cおよび23dは、塗抹法による47mgのHASE−F−RF8/Si/RF8の沈着物に対応する。
図23eおよび23fは、噴霧法によるHASE−F−RF8/Si/RF8の沈着物に対応する。
塗抹法では、HASE−F−RF8/Siは、表面構造化を有しておらず、ナノ粒子をコーティングの表面で観察できる。他方で、化合物HASE−F−RF8/Si/RF8は、針形状の組織体およびナノ粒子の存在によりマイクロおよびナノ構造化を呈するが、フッ化炭素鎖により提供された疎油性も示す。これらすべての結果は、化合物HASE−F−RF8/Si/RF8の噴霧コーティングと同一である。
図24および24から導き出すと、噴霧沈着法は、表面の形態および接触角に影響を与えず、これらはいずれの方法を使用しても同一である(塗抹法ではθ=106°±5(図24a)および噴霧法ではθ=111°±4(図24b))。
化合物の針型の構造化はまた、両方法に関して、図25aおよび25bに例示されるように、原子間力顕微鏡(AFM)により証明された。
化合物HASE−F−RF8/Si/RF6では、塗抹した化合物の量の関数としての接触角の測定値は、化合物HASE−F−RF8/Si/RF8に関して認められる高い変動を示さない。塗抹法により沈着させた2mg〜60mgの化合物では、測定した接触角は、それぞれ、80.6°±3.1〜88.6°±1.1である。化合物の沈着は均一ではない。これは、原子間力顕微鏡(AFM)により得た画像により確認され、この沈着の中で、穴が示され、さらなる特定の構造化は観察されないことにより、接触角の低い変動を示す(図26aおよび26bを参照)。噴霧法では、得られた接触角は、84.6°±1.9(2mgの沈着)であり、塗抹法で得られた値と類似する。
化合物HASE−F−RF8/Si/RF4では、塗抹した化合物の量の関数としての接触角の測定値は、化合物HASE−F−RF8/Si/RF8に関して認められる高い変動を示さないが、とりわけ角度の値は、HASE−F−RF8/Si/RF6およびHASE−F−RF8/Si/RF8よりも低い。塗抹法により沈着させた1.2mg〜49mgの化合物では、測定された接触角は、それぞれ80.6°±1.8〜76.6°±4.3である。この場合、接触角は、沈着量が増加すると減少する。沈着量を増加させると沈着物に割れ目が生じることから、基板との接着は最適ではないことが観察された。これは、接触角のこのような減少および標準偏差の増加を説明するものである。標準偏差の増加の理由となるのが、角度の値が沈着した量にかかわらず約80°のままである点である。化合物HASE−F−RF8/Si/RF6では、原子間力顕微鏡(AFM)の沈着解析(図26aおよび26b)は、いかなる特定の構造化も示さない。
図26は、49mgの化合物HASE−F−RF8/Si/RF4の塗抹した沈着物のAFM画像を表す。図26bは、60mgの化合物HASE−F−RF8/Si/RF6の塗抹した沈着物のAFM画像を表す。噴霧を用いた際の接着角は、88.1°±2.6(1mg沈着)であり、塗抹法で得られた値よりわずかに高い。





  1. レオロジー変性ポリマーと共有的に会合する官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成される化合物であって、
    前記官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が、官能化無機酸化物または金属酸化物、特に、1〜1500nmの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4またはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)の官能化マイクロ粒子またはナノ粒子であり、
    前記レオロジー変性ポリマーまたはレオロジー適合ポリマーが、非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択される
    ことを特徴とする、化合物。

  2. 前記マイクロ粒子またはナノ粒子が、無機酸化物または金属酸化物、特に酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化銅(CuO)、酸化鉄(Fe3O4またはγ−Fe2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)または酸化亜鉛(ZnO)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子である、
    ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物。

  3. 前記アミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が、シリカ(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子であることを特徴とする、請求項2に記載の化合物。

  4. 前記アミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が、マイクロ粒子またはナノ粒子の0.1〜10meq/gのアミン官能基含量を有することを特徴とする、請求項1、2、または3のいずれかに記載の化合物。

  5. 前記シリカ(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子が、平均公称直径が、それぞれ5〜500nmおよび1〜300nmであるナノ粒子である、請求項3または4のいずれかに記載の化合物。

  6. 前記レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーが、以下の一般式(I):
    であって、式中:
    − R1およびR2が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
    − R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
    もしくは
    R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
    ● d2が0もしくは1に対応し;
    ● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
    ● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
    ならびに値aおよびbは、1超であり、同一もしくは異なる整数である;
    一般式(I)を有するASE−H非会合ポリマー
    または
    以下の一般式(II):
    であって、式中:
    − R1、R2、およびR4が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
    − R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
    もしくは
    R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
    ● d2が0もしくは1に対応し;
    ● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
    ● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
    − R3’が、[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し、Xがフッ素原子Fであり、pが1〜12であり;
    ならびに値aおよびcが、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上である;
    一般式(II)を有するASE−F非会合ポリマー
    または
    以下の一般式(III):
    であって、式中:
    − R1、R2およびR6が、水素原子もしくはメチル基を表し;
    − R5が[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および:
    ● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
    ● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
    もしくは
    R5が[Q]d2−αを表し、式中:
    ● d2が0もしくは1に対応し;
    ● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
    ● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
    − R7が、−[Q’]d3−(OCH2CH2)q−[Q’ ’]d4−(CH2)n(CX2)pXを表し、式中Q’が、−CH2、C(O)、O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し、nが1〜30であり、qが1〜150であり、d3およびd4が、0および/もしくは1に対応し、Q’ ’が、−O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し;および:
    ● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
    ● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
    ならびに値aおよびcが、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上である、
    一般式(III)に従う炭化水素鎖(HASE−H−RHもしくはHASE−F−RH)またはフッ化炭素鎖(HASE−F−RF)を有するマクロマーHASE会合ポリマー
    から選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物。

  7. 前記レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーが:
    − ASE−H;
    − ASE−F;
    − HASE−H−RH4;
    − HASE−H−RH6;
    − HASE−H−RH8;
    − HASE−F−RH4;
    − HASE−F−RH6;
    − HASE−F−RH8;
    − HASE−F−RF4;
    − HASE−F−RF6;または
    − HASE−F−RF8.
    から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の化合物。

  8. 前記レオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマーが、マクロモノマーまたはマクロマーの分子百分率が、前記ポリマーの3〜50%である会合ポリマーである、請求項6に記載の化合物。

  9. 薬学的および/または美容上許容可能な媒体の中に請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を含む保護用外用剤。

  10. 1つもしくは複数の解毒剤および/または1つもしくは複数の追加的なポリマーをさらに含む、請求項9に記載の外用剤。

  11. 医薬品として使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物または請求項9もしくは10のいずれかに記載の保護用外用剤。

  12. 皮膚の刺激またはアレルギーを予防する際に使用する、請求項11に記載の化合物または保護用外用剤。

  13. 生物学的または化学的有害物質のための皮膚の保護または除染に使用する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物または請求項9もしくは10のいずれかに記載の保護用外用剤。

  14. 有機リン酸塩化合物(OPC)ファミリーの毒素薬剤またはびらん剤から皮膚を保護する、請求項13に記載の化合物。

  15. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化合物を合成する方法であって、
    触媒とカップリング剤を混合するステップと、
    非会合ポリマーまたは会合ポリマーから選択されるレオロジー変性ポリマーまたは適合ポリマー水溶液に前記の得られた混合物を添加するステップと、
    前記反応混合物を撹拌するステップと、
    前記反応混合物の水相にあらかじめ分散した、5〜1500nmの公称直径を有する、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)、シリカ(SiO2)、二酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)または酸化銅(CuO)の官能化マイクロ粒子またはナノ粒子を添加するステップと、
    透析により前記反応混合物を精製するステップと、
    1つまたは複数のレオロジー変性ポリマーに共有的に会合する1つまたは複数のアミン官能化マイクロ粒子またはナノ粒子により形成される前記化合物を回収するステップと
    を含む、方法。

  16. 前記カップリング剤が、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド・塩酸塩(EDC)であり、前記触媒が、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)である、請求項15に記載の方法。

  17. 以下の一般式(I):
    であって、式中:
    − R1およびR2が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
    − R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
    もしくは
    R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
    ● d2が0もしくは1に対応し;
    ● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
    ● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
    ならびに値aおよびbは、1超であり、同一もしくは異なる整数である;
    一般式(I)に従う化合物
    または
    以下の一般式(II):
    であって、式中:
    − R1、R2、およびR4が、水素原子もしくはメチル基−CH3を表し;
    − R3が、[Q]d1−(CH2)n−Hを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;
    もしくは
    R3が、[Q]d2−αを表し、式中:
    ● d2が0もしくは1に対応し;
    ● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
    ● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
    − R3’が、[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し、Xがフッ素原子Fであり、pが1〜12であり;
    ならびに値aおよびcは、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上である;
    式(II)に従う化合物
    または
    以下の一般式(III):
    であって、式中:
    − R1、R2およびR6が、水素原子もしくはメチル基を表し;
    − R5が[Q]d1−(CH2)n−(CX2)pXを表し、式中nが1〜30であり、d1が0もしくは1に対応し、Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および:
    ● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
    ● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
    もしくは
    R5が[Q]d2−αを表し、式中:
    ● d2が0もしくは1に対応し;
    ● Qが−C(O)−Oもしくは−C(O)−NH−に対応し;および
    ● αが、−C(CH3)3;−CH(CH3)2;−C(CH3)2−CH2−C(CH3)3;−CN;−CH2CH2−N+(CH3)2(CH2CO2−);−CH2CH2−NH−C(CH3)3;−CH2CH2−N(CH3)2;ピロリジノン;カプロラクタムに対応し;
    − R7が、−[Q’]d3−(OCH2CH2)q−[Q’ ’]d4−(CH2)n(CX2)pXを表し、式中Q’が、−CH2、C(O)、O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し、nが1〜30であり、qが1〜150であり、d3およびd4が、0および/もしくは1に対応し、Q’ ’が、−O−C(O)もしくは−NH−C(O)に対応し;および:
    ● Xが水素原子である場合、pが0に等しく;
    ● Xがフッ素原子である場合、pが1〜12であり;
    ならびに値aおよびcが、1超であり、同一もしくは異なる整数であり、値bが0以上である、
    一般式(III)に従う化合物
    から選択されるポリマー。

 

 

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類似の特許
高吸水性樹脂 // JP2016516877
本発明は初期吸水性に優れ時間経過後にも加圧時水分がにじみ出ない高吸水性樹脂に関するものであって、高吸水性樹脂の遠心分離保水能(CRC)、加圧吸水能(AUP)、溶液透過度(SFC)、およびゲル強度などを所定の範囲で同時に最適化することによって、最終おむつでの物性向上が可能であり、これによって超薄型技術が適用されたおむつを製造することができる。
【選択図】なし
【課題】タッチパネルに対する敏感度および白濁現象に対する信頼性に優れたタッチパネル用粘着剤組成物、粘着フィルムおよびタッチパネルとする。
【解決手段】親水性官能基含有モノマーを含み、100kHz〜2MHz領域の周波数で誘電率が3.5以下であるタッチパネル用粘着剤組成物および前記タッチパネル用粘着剤組成物の硬化物を含む粘着剤層を含む粘着フィルムを提供する。また、一面に導電層が形成された伝導性プラスチックフィルムと、前記導電層に付着され、前記タッチパネル用粘着剤組成物の硬化物を含む粘着剤層を含むタッチパネルを提供する。
【選択図】図1
本発明は、銅製の管形反応器か、または銅金属表面を含む管形反応器のいずれかによって低温で重合を進行させることによる、高められた転化率、高い分子量、および低い多分散性での、モノマーの制御された単一電子移動リビングラジカル重合(SET−LRP)のための方法を提供する。
本発明は、数平均分子量(M)が少なくとも200,000g/molであり、分散度(D)が1.3未満である、ポリ(アクリロニトリル)ホモ−又はコポリマーに関する。
【選択図】なし
櫛形ポリマーは、流動速度を向上させ、かつ/又は無機バインダー組成物の粘度を低減するために使用され、ここでその櫛形ポリマーは、酸性基を含む主鎖と、その主鎖に付随する側鎖を有し、そして全ての側鎖の数平均分子量が120〜1000g/molであり、かつ酸性基の側鎖に対するモル比が0.5〜2の範囲である。
本発明は、基油とモノマー組成物からのラジカル重合により得られるコポリマーとを含むギヤーオイル配合物に関する。本発明はさらに、車両の燃料消費量を減少させるためのギヤーオイルとしてのギヤーオイル配合物の使用に関する。
本発明は、粒子状超吸収性ポリマーの表面に塗布される中和アルミニウム塩溶液を含むポリマーを含む粒子状超吸収性ポリマー組成物であって;該中和アルミニウム塩の水溶液は約5.5〜約8のpH値を有し;該粒子状超吸収性ポリマー組成物は300〜400μmの平均粒度分布、及び約20×10−8cm〜約200×10−8cmの初期自由膨潤ゲルベッド透過率(FSGBP)を有し;かつ、該粒子状超吸収性ポリマー組成物に処理試験を行った後に該粒子状超吸収性ポリマー組成物は約0.60〜約0.99の透過率安定指数を有し、また標準ふるい分級で規定される粒径が600μm以上の粒子を該粒子状超吸収性ポリマー組成物の約15wt%未満で有する、前記粒子状超吸収性ポリマー組成物に関する。
【選択図】なし
本発明は、直鎖、分枝状又は架橋されたポリマーであって、100mol%当たり、a)75%以上かつ99.95%以下のモル比の、N,N−ジアルキルアクリルアミド由来のモノマー単位と、b)0.05%以上かつ1%以下のモル比の、式(I):CH=C(R)−C(=O)−O−[(CH−CH(R)−O]−R (I)のモノマー由来のモノマー単位と、c)任意に、0%より大きくかつ24%以下のモル比の、遊離型、部分的に塩化された若しくは完全に塩化された強酸官能基を含むモノマー由来のモノマー単位、又は式(II):CH=C(R)−C(=O)−Y−(CH−N(R)(R) (II)のモノマー由来のモノマー単位と、d)任意に、0%より大きくかつ1%以下のモル比のジエチレン又はポリエチレン架橋モノマーとを含む、直鎖、分枝状又は架橋されたポリマーに関する。また、本発明は、上記ポリマーを使用して、疎水性材料から作られている表面を処理する方法、水性、水性/有機(hydro-organic)又は有機溶液中に含まれる化学種と上記疎水性表面との間の相互作用を改変させるための作用物質としての上記ポリマーの使用に関する。
【選択図】なし
本発明は、耐衝撃性に加工された成形材料、特に高めた温度で改善された光学特性を有する、耐衝撃性のPMMA、これから得られた成形品並びにこの成形材料及び成形品の使用に関する。
放射線不透過性ポリマー組成物及びその組成物を製造するための方法が提供される。これらの放射線不透過性ポリマー組成物は、架橋したポリマーネットワークを含んでいるポリマー組成物を含有し、そのネットワークは、単官能基モノマーから誘導された第1の繰り返し単位及び2個より多い重合性基を有している架橋剤モノマー又はオリゴマーから誘導された第2の繰り返し単位を含んでいる。放射線不透過性ポリマー組成物から形成されたデバイスもまた提供される。
【選択図】図1
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