フェノールをアニリンでカップリングするための電気化学的方法

著者らは特許

C25B3/02 - 酸化による
C25B3/10 - カップリング反応による,例.二量化

の所有者の特許 JP2016517467:

エボニック デグサ ゲーエムベーハーEvonik Degussa GmbH

 

フェノールとアニリンとをカップリングするための電気化学的方法であって、ここで、基材の酸化電位の差が10mV〜450mVの範囲にあり、かつ高い方の酸化電位を有する基材を過剰量で添加する。本方法を用いて、ヒドロキシ−及びアミノ官能基を有するビアリールを電気化学的に製造することができ、かつ金属試薬を使用した多段階の合成を省くことができた。

 

 

本発明は、フェノールとアニリンとをカップリングするための電気化学的方法に関する。
アニリン及びフェノールとの用語は、この出願中では総称として用い、それゆえ置換されたアミノアリール並びに置換されたヒドロキシアリールを包含する。
これまでのところ、保護されていないフェノール−及びアニリン誘導体の直接クロスカップリングは、古典的な有機的手法に限られており、かつ非常に数少ない例のみが知られている。この場合、主に超化学量論量の無機酸化剤、例えばCu(II)(M.Smrcina,M.Lorenc,V.Hanus,P.Kocovsky,Synlett,1991,4,231,M.Smrcina,S.Vyskocil,B.Maca,M.Polasek,T.A.Claxton,A.P.Abbott,P.Kocovsky,J.Org.Chem.1994,59,2156,M.Smrcina,M.Lorenc,V.Hanus,P.Sedmera,P.Kocovsky,J.Org.Chem.1992,57,191,M.Smrcina,J.Polakova,S.Vyskocil,P.Kocovsky,J.Org.Chem.1993,58,4534を参照されたい)又はFe(III)(K,Ding,Q.Xu,Y.Wang,J.Liu,Z.Yu,B.Du,Y.Wu,H.Koshima,T.Matsuura,Chem.Commun.1997,7,693,S.Vyskocil,M.Smrcina,M.Lorenc,P.Kocovsky,V.Hanus,M.Polasek,Chem.Commun.1998,5,585を参照されたい)が利用されていた。
まれに、クロスカップリングは、S.−W.Hon,C.−H.Li,J.−H.Kuo,N.B.Barhate,Y.−H.Liu,Y.Wang,C.−T.Chen,Org.Lett.2001,3,869に記載されているように、バナジウム触媒を使用した、酸化剤としての酸素によって成功する。
他の合成経路は、遷移金属触媒による酸化的クロスカップリングからのアミノ基の保護又はこれらの官能基をビアリール基本骨格中に後で導入することを含む(R.A.Singer,S.L.Buchwald,Tetrahedron Letters,1999,40,1095,K.Koerber,W.Tang,X.Hu,X.Zhang,Tetrahedron Letters,2002,43,7163,E.P.Studentsov,O.V.Piskunova,A.N.Skvortsov,N.K.Skvortsov,Russ.J.Gen.Chem.2009,79,962,D.Saelinger,R.Brueckner,Synlett,2009,1,109を参照されたい)。
フェノール−アニリン−クロスカップリングのための上述の方法の大きな欠点は、乾燥溶媒及び空気遮断の必要性が頻繁にあることである。さらに、大量の、一部には有毒の酸化剤がしばしば使用される。たいていの場合、反応中に毒性の副生成物が生じ、これらは所望の生成物から手間をかけて分離され、かつ高い費用をともなって廃棄されなければならない。ますます不足してくる原料(例えば遷移金属触媒クロスカップリングの場合におけるホウ素及び臭素)及び環境保護との関連性の高まりによって、かかる変換のためのコストは上昇する。なかでも、多段階シーケンスが利用される場合には、様々な溶媒の交換が必要である。
異なる分子の電気化学的カップリングの場合に生じる問題は、一般に反応体が異なる酸化電位EOxを有することである。その結果、低い方の酸化電位を有する分子は、高い方の酸化電位を有する分子より、電子(e-)をアノードに、かつH+イオンを例えば溶媒に放出する傾向が強くなる。酸化電位EOxは、ネルンストの式により計算することができる:

Ox:酸化反応の電極電位(=酸化電位)
0:標準電極電位
n:移動した電子数
[Ox]:酸化体の濃度
[Red]:還元体の濃度
上記の文献中で挙げられる方法を2つの異なる基材に適用すると、低い方の酸化電位を有する分子のラジカルが主に形成し、それからこれらは互いに反応し合う結果となる。つまり、明らかに多数を占める主生成物として、2つの同じ基材から形成されている生成物が得られることになる。
この問題は、同じ分子のカップリングの場合には起きない。
本発明の課題は、アニリンとフェノールとを互いにカップリングすることができ、かつ金属試薬を使用した多段階の合成を省くことができる電気化学的方法を提供することであった。
この課題は、本発明による方法によって解決される。
フェノールをアニリンとカップリングするための電気化学的方法であって、
以下の工程段階:
a')溶媒又は溶媒混合物並びに電導度塩を反応容器中に入れる工程、
b')酸化電位EOx1を有するフェノールを前記反応容器中に添加する工程、
c')酸化電位EOx2を有するアニリンを前記反応容器中に添加する工程、ここで、
Ox2>EOx1かつEOx2−EOx1=ΔEであり、
アニリンをフェノールに対して過剰量で加え、かつ溶媒又は溶媒混合物を、ΔEが10mV〜450mVの範囲にあるように選択し、
d')2つの電極を反応溶液中に入れる工程、
e')電極に電圧をかける工程、
f')フェノールとアニリンとをカップリングする工程
を含む方法。
ここで、工程段階a)〜c)は、任意の順序で行ってよい。
フェノールをアニリンとカップリングするための電気化学的方法であって、
以下の工程段階:
a'')溶媒又は溶媒混合物並びに電導度塩を反応容器中に入れる工程、
b'')酸化電位EOx1を有するアニリンを反応容器中に添加する工程、
c'')酸化電位EOx2を有するフェノールを反応容器中に添加する工程、ここで、
Ox2>EOx1かつEOx2−EOx1=ΔEであり、
フェノールをアニリンに対して過剰量で加え、かつ溶媒又は溶媒混合物を、ΔEが10mV〜450mVの範囲にあるように選択し、
d'')2つの電極を反応溶液中に入れる工程、
e'')電極に電圧をかける工程、
f'')フェノールとアニリンとをカップリングする工程
を含む方法。
ここで、工程段階a)〜c)は、任意の順序で行ってよい。
電気化学的処理によってフェノールをアニリンとカップリングし、かつ相応の生成物を製造するが、その際、有機酸化剤を添加したり、湿気を遮断して作業したり、又は嫌気性での反応操作を遵守する必要はない。C,C−カップリングのこの直接法によって、既存の多段階の古典的な有機合成経路に代わる低コストかつ環境に易しい可能性が開かれる。
一般式(I)〜(V)に従った化合物は、この記載した方法により製造されることができる:
[式中、置換基R1〜R50は、互いに無関係に、水素、ヒドロキシル基、(C1〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C4〜C14)−アリール基、(C4〜C14)−アリール−(C1〜C12)−アルキル基、(C4〜C14)−アリール−O−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアリール基、(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、O−(C4〜C14)−アリール基、O−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン基、S−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、S−(C4〜C14)−アリール基、S−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、S−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、S−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、S−(C3〜C12)−シクロアルキル基、S−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C1〜C12)−アシル基、(C4〜C14)−アロイル基、(C4〜C14)−アロイル−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアロイル基、(C1〜C14)−ジアルキルホスホリル基、(C4〜C14)−ジアリールホスホリル基、(C3〜C12)−アルキルスルホニル基、(C3〜C12)−シクロアルキルスルホニル基、(C4〜C12)−アリールスルホニル基、(C1〜C12)−アルキル−(C4〜C12)−アリールスルホニル基、(C3〜C12)−ヘテロアリールスルホニル基、(C=O)O−(C1〜C12)−アルキル基、(C=O)O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C=O)O−(C4〜C14)−アリール基の群から選択され、ここで、前記のアルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、任意に一置換又は多置換されている]。
アルキル基は、非分枝状又は分枝状の脂肪族基を表す。
アリール基は、好ましくは14個までの炭素原子を有する芳香族(炭化水素)基、例えばフェニル(C65)基、ナフチル(C107)基、アントリル(C149)基、好ましくはフェニル基を表す。
シクロアルキル基は、もっぱら炭素原子のみを環中に有する飽和環式炭化水素基を表す。
ヘテロアルキル基は、N、O、S及び置換されたNから成る群から選択されるヘテロ原子1〜4個、有利には1個又は2個を有していてよい非分枝状又は分枝状の脂肪族基を表す。
ヘテロアリール基は、1〜4個、有利には1個又は2個の炭素原子が、N、O、S及び置換されたNから成る群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられていてよいアリール基を表し、その際、ヘテロアリール基は、より大きな縮合した環構造の一部であってもよい。
ヘテロシクロアルキル基は、N、O、S及び置換されたNから成る群から選択されるヘテロ原子1〜4個、有利には1個又は2個を有していてよい飽和環式炭化水素基を表す。
縮合環構造の一部であってよいヘテロアリール基は、有利には、縮合した5員環又は6員環、例えばベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、ベンゾチオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾイミダゾール、プリン、インダゾール、ベンゾオキサゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、アクリジンが形成されている系を意味する。
上述の置換されたNは、一置換されていてよく、アルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、一置換又は多置換、特に有利には一置換、二置換又は三置換されていてよく、水素、(C1〜C14)−アルキル基、(C1〜C14)−ヘテロアルキル基、(C4〜C14)−アリール基、(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアリール基、(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C14)−アルキル基、CF3基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)基、(C1〜C10)−ハロアルキル基、ヒドロキシル基、(C1〜C14)−アルコキシ基、(C4〜C14)−アリールオキシ基、O−(C1〜C14)−アルキル−(C4〜C14)−アリール基、(C3〜C14)−ヘテロアリールオキシ基、N((C1〜C14)−アルキル)2基、N((C4〜C14)−アリール)2基、N((C1〜C14)−アルキル)((C4〜C14)−アリール)基から成る群から選択される基によって置換されていてよく、ここで、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアルキル、ヘテロアリール基及びヘテロシクロアルキル基は、前述の意味を有する。
1つの実施形態においては、R1、R2、R11、R12、R21、R22、R32、R33、R43、R44は、−H及び/又はP.G.M.Wuts and T.W.Greene,4th edition,Wiley Interscience,2007,p.696−926の“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”に記載されるアミノ官能基の保護基から選択される。
1つの実施形態においては、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R34、R35、R36、R37、R40、R41、R42、R45、R46、R47、R48、R49、R50は、水素、ヒドロキシル基、(C1〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C4〜C14)−アリール基、(C4〜C14)−アリール−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、O−(C4〜C14)−アリール基、O−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C4〜C14)−アリール基、ハロゲン基から成る群から選択され、ここで、上述のアルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、任意に一置換又は多置換されている。
1つの実施形態においては、R1、R2、R11、R12、R21、R22、R32、R33、R43、R44は、−H、(C1〜C12)−アシル基から選択される。
1つの実施形態においては、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R34、R35、R36、R37、R40、R41、R42、R45、R46、R47、R48、R49、R50は、水素、ヒドロキシル基、(C1〜C12)−アルキル基、(C4〜C14)−アリール基、O−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、O−(C4〜C14)−アリール基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル基、S−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C4〜C14)−アリール基、ハロゲン基から成る群から選択され、ここで、上述のアルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、任意に一置換又は多置換されている。
方法は、異なる炭素(とりわけ、ガラス状炭素、ホウ素ドープダイヤモンド、グラファイト、炭素繊維、ナノチューブ)電極、金属酸化物電極及び金属電極で実施してよい。その際、1〜50mA/cm2の範囲の電流密度を印加する。
ビアリールの加工及び回収は非常に簡単であり、かつ反応の終了後に、一般によく用いられる分離法に従って行う。まず初めに電解質溶液を蒸留し、かつ個々の化合物を異なるフラクションとして別々に取得する。更なる精製を、例えば結晶化、蒸留、昇華又はクロマトグラフィーによって行ってよい。
電気分解は、当業者に知られている慣用の電解セル中で実施する。適した電解セルは、当業者に知られている。
本発明の1つの側面は、反応の収率を、2つの基材の酸化電位の差(ΔE)により制御することができる点にある。
本発明による方法を用いて、冒頭で挙げた課題が解決される。
反応操作を効率的なものにするために、2つの反応条件が必要とされる:
− 高い方の酸化電位を有する基材を過剰量で添加しなければならないこと、及び
− 2つの酸化電位の差(ΔE)は、ある一定の範囲になければならないこと。
本発明による方法のために、フェノール及びアニリンの酸化電位の絶対値を知っている必要は必ずしもない。2つの酸化電位の互いの差が知られていれば十分である。
本発明の更なる1つの側面は、2つの酸化電位の差(ΔE)を、使用される溶媒若しくは溶媒混合物により影響を及ぼすことができることである。
例えば、2つの酸化電位の差(ΔE)は、溶媒/溶媒混合物の適した選択によって所望の範囲にずらすことができる。
基本溶媒として1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)から出発した場合、極端に小さいΔEは、例えばアルコールの添加によって高められることができる。それに対して、極端に大きいΔEは、水の添加によって下げられることができる。
進行する反応シーケンスを、以下に図解して示す:

上述の溶媒中でフェノール成分Aの選択的な酸化が可能となり、これは形成されたラジカル種の高い反応性によって成分Bにより求核攻撃されることができる。この場合、2つの基材の第一の酸化電位が、反応を成功させるのに重要であると考えられる。プロトン性添加剤、例えばMeOH又は水を電解質に目的に応じて添加することによって、まさにこれらの酸化電位をずらすことが可能になる。そうして、この反応の収率及び選択率を制御することが可能である。
本発明による方法によって、ヒドロキシル官能基及びアミノ官能基を有するビアリールを初めて電気化学的に製造することができ、かつ金属試薬を使用した多段階の合成を省くことができた。
アニリンが高い方の酸化電位を有する場合、本方法の1つの変形例においては、アニリンをフェノールに対して少なくとも2倍の量で用いる。
アニリンが高い方の酸化電位を有する場合、本方法の1つの変形例においては、フェノール対アニリンの比は1:2〜1:4の範囲にある。
フェノールが高い方の酸化電位を有する場合、本方法の1つの変形例においては、フェノールをアニリンに対して少なくとも2倍の量で用いる。
フェノールが高い方の酸化電位を有する場合、本方法の1つの変形例においては、アニリン対フェノールの比は1:2〜1:4の範囲にある。
本方法の1つの変形例においては、電導度塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、テトラ(C1〜C6−アルキル)アンモニウム塩、1,3−ジ(C1〜C6−アルキル)イミダゾリウム塩又はテトラ(C1〜C6−アルキル)ホスホニウム塩の群から選択される。
本方法の1つの変形例においては、電導度塩の対イオンは、硫酸イオン、硫酸水素イオン、アルキル硫酸イオン、アリール硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、アリールスルホン酸イオン、ハロゲン化物イオン、リン酸イオン、炭酸イオン、アルキルリン酸イオン、アルキル炭酸イオン、硝酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、ヘキサフルオロケイ酸イオン、フッ化物イオン及び過塩素酸イオンの群から選択される。
本方法の1つの変形例においては、電導度塩は、テトラ(C1〜C6−アルキル)アンモニウム塩から選択され、かつ対イオンは、硫酸イオン、アルキル硫酸イオン又はアリール硫酸イオンから選択される。
本方法の1つの変形例においては、反応溶液はフッ素化化合物を含まない。
本方法の1つの変形例においては、反応溶液は遷移金属を含まない。
本方法の1つの変形例においては、反応溶液は有機酸化剤を含まない。
本方法の1つの変形例においては、フェノール及びアニリンは、Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb:
[式中、置換基R1〜R50は、互いに無関係に、水素、ヒドロキシル基、(C1〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C4〜C14)−アリール基、(C4〜C14)−アリール−(C1〜C12)−アルキル基、(C4〜C14)−アリール−O−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアリール基、(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、O−(C4〜C14)−アリール基、O−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン基、S−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、S−(C4〜C14)−アリール基、S−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、S−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、S−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、S−(C3〜C12)−シクロアルキル基、S−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C1〜C12)−アシル基、(C4〜C14)−アロイル基、(C4〜C14)−アロイル−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアロイル基、(C1〜C14)−ジアルキルホスホリル基、(C4〜C14)−ジアリールホスホリル基、(C3〜C12)−アルキルスルホニル基、(C3〜C12)−シクロアルキルスルホニル基、(C4〜C12)−アリールスルホニル基、(C1〜C12)−アルキル−(C4〜C12)−アリールスルホニル基、(C3〜C12)−ヘテロアリールスルホニル基、(C=O)O−(C1〜C12)−アルキル基、(C=O)O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C=O)O−(C4〜C14)−アリール基の群から選択され、ここで、前記のアルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、任意に一置換又は多置換されている]から選択される。
アルキル基は、非分枝状又は分枝状の脂肪族基を表す。
アリール基は、好ましくは14個までの炭素原子を有する芳香族(炭化水素)基、例えばフェニル(C65)基、ナフチル(C107)基、アントリル(C149)基、好ましくはフェニル基を表す。
シクロアルキル基は、もっぱら炭素原子のみを環中に有する飽和環式炭化水素基を表す。
ヘテロアルキル基は、N、O、S及び置換されたNから成る群から選択されるヘテロ原子1〜4個、有利には1個又は2個を有していてよい非分枝状又は分枝状の脂肪族基を表す。
ヘテロアリール基は、1〜4個、有利には1個又は2個の炭素原子が、N、O、S及び置換されたNから成る群から選択されるヘテロ原子によって置き換えられていてよいアリール基を表し、その際、ヘテロアリール基は、より大きな縮合した環構造の一部であってもよい。
ヘテロシクロアルキル基は、N、O、S及び置換されたNから成る群から選択されるヘテロ原子1〜4個、有利には1個又は2個を有していてよい飽和環式炭化水素基を表す。
縮合環構造の一部であってよいヘテロアリール基は、有利には、縮合した5員環又は6員環、例えばベンゾフラン、イソベンゾフラン、インドール、イソインドール、ベンゾチオフェン、ベンゾ[c]チオフェン、ベンゾイミダゾール、プリン、インダゾール、ベンゾオキサゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、アクリジンが形成されている系を意味する。
上述の置換されたNは、一置換されていてよく、アルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、一置換又は多置換、特に有利には一置換、二置換又は三置換されていてよく、水素、(C1〜C14)−アルキル基、(C1〜C14)−ヘテロアルキル基、(C4〜C14)−アリール基、(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアリール基、(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C14)−アルキル基、CF3基、ハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)基、(C1〜C10)−ハロアルキル基、ヒドロキシル基、(C1〜C14)−アルコキシ基、(C4〜C14)−アリールオキシ基、O−(C1〜C14)−アルキル−(C4〜C14)−アリール基、(C3〜C14)−ヘテロアリールオキシ基、N((C1〜C14)−アルキル)2基、N((C4〜C14)−アリール)2基、N((C1〜C14)−アルキル)((C4〜C14)−アリール)基から成る群から選択される基によって置換されていてよく、ここで、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、ヘテロアルキル、ヘテロアリール基及びヘテロシクロアルキル基は、前述の意味を有する。
1つの実施形態においては、R1、R2、R11、R12、R21、R22、R32、R33、R43、R44は、−H及び/又はP.G.M.Wuts and T.W.Greene,4th edition,Wiley Interscience,2007,p.696−926の“Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis”に記載されるアミノ官能基の保護基から選択される。
1つの実施形態においては、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R34、R35、R36、R37、R40、R41、R42、R45、R46、R47、R48、R49、R50は、水素、ヒドロキシル基、(C1〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C4〜C14)−アリール基、(C4〜C14)−アリール−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、O−(C4〜C14)−アリール基、O−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C4〜C14)−アリール基、ハロゲン基から成る群から選択され、ここで、上述のアルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、任意に一置換又は多置換されている。
1つの実施形態においては、R1、R2、R11、R12、R21、R22、R32、R33、R43、R44は、−H及び/又は(C1〜C12)−アシル基から選択される。
1つの実施形態においては、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20、R23、R24、R25、R26、R27、R28、R29、R30、R31、R34、R35、R36、R37、R40、R41、R42、R45、R46、R47、R48、R49、R50は、水素、ヒドロキシル基、(C1〜C12)−アルキル基、(C4〜C14)−アリール基、O−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、O−(C4〜C14)−アリール基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル基、S−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C4〜C14)−アリール基、ハロゲン基から成る群から選択され、ここで、上述のアルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、任意に一置換又は多置換されている。
この場合、以下の組合せ:
アニリン Ia IIa IIIa IVa Va
フェノール Ib IIb IIIb IVb Vb
が可能である、
カップリング反応を実施することができる反応装置を示す図 カップリング反応をより大規模に実施することができる反応装置を示す図 セル構造を概略的に示す図 HFIP溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位の変化を示す図 HFIP溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位の変化を示す図 HFIP溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位の変化を示す図 HFIP溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位の変化を示す図 HFIP溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位の変化を示す図 HFIP溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位の変化を示す図 HFIP溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位の変化を示す図
以下では、本発明を、実施例及び図面に基づき詳細に説明する。

電気分解パラメーター:n(成分1)=5mmol、n(成分1)=15mmol、電導度塩:MTBS、c(MTBS)=0.09M、V(溶媒)=33mL、溶媒:HFIP。
電極材料:ガラス状炭素、j=2.8mA/cm2、T=50℃、Q=2F*n(成分1)。
電気分解は定電流条件下で行う。
a:n(成分1)に対する単離収率;
b:GCにより測定。AB:クロスカップリング生成物、BB:ホモカップリング生成物。
一般的作業手順
サイクリックボルタンメトリー(CV)
μAutolab type IIIのポテンシオスタットが組み込まれたVA−スタンド Metrohm 663 VAを使用した(Metrohm AG、ヘリザウ在、スイス国)。WE:ガラス状炭素電極、直径2mm;AE:ガラス状炭素棒;RE:飽和LiCl/EtOH中でのAg/AgCl。溶媒:HFIP+0〜25%(v/v)MeOH。酸化基準:j=0.1mA/cm2、v=50mV/s、T=20℃。測定中に混合。c(アニリン誘導体)=151mM、電導度塩:[Et3NMe][O3SOMe](MTES),c(MTES)=0.09M。
クロマトグラフィー
“フラッシュクロマトグラフィー”による分取液体クロマトグラフィー分離を、1.6barの最大圧によりMacherey−Nagel GmbH & Co社製(デューレン在)のシリカゲル 60M(0.040〜0.063mm)を用いて実施した。圧力をかけない分離は、Merck KGaA社製(ダルムシュタット在)のシリカゲル Geduran Si60(0.063〜0.200mm)を用いて実施した。溶離剤として使用した溶媒(酢酸エチルエステル(テクニカルグレード),シクロヘキサン(テクニカルグレード))は、前もって回転蒸発器で蒸留精製した。
薄膜クロマトグラフィー(TLC)のために、Merck KGaA社製(ダルムシュタット在)のPLC−既製プレート シリカゲル 60 F254を使用した。Rf値は、使用した展開剤混合物の関数として示す。TLCプレートの染色のために、セリウム−リンモリブデン酸溶液を液浸試薬として使用した。セリウム−リンモリブデン酸試薬:リンモリブデン酸5.6g、硫酸セリウム(IV)四水和物2.2g及び濃硫酸13.3g(水200mLについて)。
ガスクロマトグラフィー(GC/GCMS)
生成物混合物及び純物質のガスクロマトグラフ試験(GC)を、島津社製(日本国)のガスクロマトグラフGC−2010を用いて行った。Agilent Technologies社製(アメリカ合衆国)の石英毛管カラムHP−5(長さ:30m;内径:0.25mm;共有結合した固定相の膜厚:0.25μm;キャリアガス:水素;インジェクター温度:250℃;検出器温度:310℃;プログラム:“hard”法:1分間で50℃の開始温度、加熱速度:15℃/分、8分間で290℃の最終温度)で測定する。生成物混合物及び純物質のガスクロマトグラフマススペクトル(GCMS)は、島津社製(日本国)の質量検出器GCMS−QP2010と組み合わせたガスクロマトグラフGC−2010を用いて記録した。Agilent Technologies社製(アメリカ合衆国)の石英毛管カラムHP−1(長さ:30m;内径:0.25mm;共有結合した固定相の膜厚:0.25μm;キャリアガス:水素;インジェクター温度:250℃;検出器温度:310℃;プログラム:“hard”法:1分間で50℃の開始温度、加熱速度:15℃/分、8分間で290℃の最終温度;GCMS:イオン源の温度:200℃)で測定する。
融点
融点を、HW5社製(マインツ在)の融点測定装置SG2000を使って測定し、かつ校正は行っていない。
元素分析
元素分析を、ヨハネスグーテンベルク大学マインツの有機化学研究所の分析部において、Foss−Heraeus社製(Hanau在)のVario EL Cubeを用いて調製した。
質量分析法
すべてのエレクトロスプレーイオン化測定(ESI+)を、Waters Micromasses社製(ミルフォード在、マサチューセッツ州)のQTof Ultima 3を用いて実施した。EIマススペクトル並びに高解像度EIスペクトルを、Thermo Finnigan社製(ブレーメン在)のMAT 95 XL型扇形磁場装置である装置を用いて測定した。
NMR分光法
NMR分光試験を、Brucker,Anakytische Messtechnik社製(カールスルーエ在)のAC 300又はAV II 400型の多核磁気共鳴分光計を用いて実施した。溶媒としてCDCl3を使用した。1H−及び13C−スペクトルは、Cambridge Isotopes Laboratories社製(アメリカ合衆国)のNMR Solvent Data Chartに従った非重水素化溶媒の残留物含量に合わせて校正した。1H−及び13C−シグナルの帰属は、部分的にH,H−COSY、H,H−NOESY、H,C−HSQC及びH,C−HMBCスペクトルを用いて行った。化学シフトは、δ値(ppm単位)として示す。NMR−シグナルの多重度に関しては、以下の略称を使用した:s(シングレット)、bs(ブロードシングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、q(カルテット)、m(マルチプレット)、dd(ダブレットのダブレット)、dt(トリプレットのダブレット)、tq(カルテットのトリプレット)。すべてのカップリング定数Jを、対象に含まれる結合の数によりヘルツ(単位)で示した。シグナル帰属の際に示した番号は、模式図に示した番号付けに相当し、これはIUPAC命名法に一致している必要はない。
AAV1:電気化学的クロスカップリングの作業手順
そのつど過少量の成分2〜4mmolを、カップリングされるべき第二の成分6〜12mmolと所定の量で1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)及びMeOH中に溶解し、かつ分割されていないビーカーセル中でガラス状炭素電極と反応させる。電気分解は、定電流条件下で行う。反応を撹拌し、そして湯浴を用いて50℃に加温する。電気分解の終了後、セルの中身をHFIPと一緒に50mLの丸底フラスコに移し、そして溶媒を減圧下で回転蒸発器により50℃、200〜70mbarにて除去する。反応しなかった反応物量は、短行程蒸留又は球管蒸留によって保持する(100℃、10-3mbar)
電極材料
アノード:ガラス状炭素
カソード:ガラス状炭素
電気分解条件:
温度[T]:50℃
電流値[I]:25mA
電流密度[j]:2.8mA/cm2
電荷量[Q]:2F(過小量の成分につき)
端子電圧[Umax]:3〜5V
概略的なセル構造
図3には、セルの構造を概略的に再現している。ここで、このセルは、以下の構成要素を有する:
1‘‘:電極用のステンレス鋼ホルダー
2‘‘:テフロンストッパー
3‘‘:還流冷却器接続用に取り付けられた排出口を有するビーカーセル
4‘‘:ステンレス鋼クランプ
5‘‘:ガラス状炭素電極
6‘‘:磁気撹拌子
N−アセチル−2−アミノ−2’−ヒドロキシ−4,5−ジメトキシ−3’−(ジメチルエチル)−5’−メチルビフェニル

電気分解は、ガラス状炭素電極を有する分割されていないビーカーセル中でAAV1に従って実施する。このために、2−(ジメチルエチル)−4−メチルフェノール0.62g(3.79mmol、1.0当量)及びN−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド2.22g(11.36mmol、3.0当量)をHFIP25mL中に溶解し、MTBS0.77gを添加し、かつ電解質を電気分解セルに移す。溶媒並びに反応しなかった反応物量を、電気分解後に減圧下で除去し、粗生成物を“フラッシュクロマトグラフィー”としてシリカゲル60を用いて4:1(CH:EE)の展開剤中で精製し、かつ生成物を無色の固体として得る。
収率:447mg(33%、1.3mmol)
GC(方法“ハード”、HP−5):tR=16.14分
f(CH:EE=4:1)=0.17
p=182℃(DCMから再結晶化)

2’−アミノ−4’−ブロモ−2−ヒドロキシ−3,5’−ジメトキシ−5−メチルビフェニル

電気分解は、ガラス状炭素電極を有する分割されていないビーカーセル中でAAV1に従って実施する。このために、4−ブロモ−3−メトキシアニリン0.43g(2.15mmol、1.0当量)及び4−メチルグアイアコール0.89g(6.45mmol、3.0当量)をHFIP25mL中に溶解し、MTBS0.77gを添加し、かつ電解質を電気分解セルに移す。溶媒並びに反応しなかった反応物量を、電気分解後に減圧下で除去し、粗生成物を“フラッシュクロマトグラフィー”としてシリカゲル60を用いて9:1(CH:EE)の展開剤中で精製し、かつ生成物を赤油として得る。
収率:70mg(10%、0.2mmol)
GC(方法“ハード”、HP−5):tR=16.82分
f(CH:EE=4:1)=0.26

N−アセチル−2−アミノ−2’−ヒドロキシ−5’−メチル−2’,4,5−トリメトキシビフェニル

電気分解は、ガラス状炭素電極を有する分割されていないビーカーセル中でAAV1に従って実施する。このために、4−メチルグアイアコール0.52g(3.79mmol、1.0当量)及びN−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド2.22g(11.37mmol、3.0当量)をHFIP25mL中に溶解し、MTBS0.77gを添加し、かつ電解質を電気分解セルに移す。溶媒並びに反応しなかった反応物量を、電気分解後に減圧下で除去し、粗生成物を“フラッシュクロマトグラフィー”としてシリカゲル60を用いて2:3(CH:EE)+1%のAcOHの展開剤中で精製し、かつ生成物を粘性の淡黄色油として得る。
収率:173mg(14%、0.52mmol)
GC(方法“ハード”、HP−5):tR=16.11分
f(CH:EE=4:1)=0.26

N−アセチル−2−アミノ−3’−メチル−4’−(メチルエチル)−4,5’−ジメトキシジフェニルエーテル

電気分解は、ガラス状炭素電極を有する分割されていないビーカーセル中でAAV1に従って実施する。このために、3−メチル−4−(メチルエチル)フェノール0.75g(5.00mmol、1.0当量)及びN−(3,4−ジメトキシフェニル)アセトアミド2.93g(15.00mmol、3.0当量)をHFIP33mL中に溶解し、MTBS1.02gを添加し、かつ電解質を電気分解セルに移す。溶媒並びに反応しなかった反応物量を、電気分解後に減圧下で除去し、粗生成物を“フラッシュクロマトグラフィー”としてシリカゲル60を用いて3:2(CH:EE)の展開剤中で精製し、かつ生成物を無色の固体として得る。
収率:313mg(18%、0.91mmol)
GC(方法“ハード”、HP−5):tR=16.38分
f(CH:EE=3:2)=0.26
p=112℃(CHから再結晶化)

2’−アミノ−3’−クロロ−2,4−ジヒドロキシ−5,5’−ジメチル−3−メトキシビフェニル

電気分解は、ガラス状炭素電極を有する分割されていないビーカーセル中でAAV1に従って実施する。このために、2−クロロ−3−ヒドロキシ−4−メチルアニリン0.60g(3.79mmol、1.0当量)及び4−メチルグアイアコール1.57g(11.36mmol、3.0当量)をHFIP25mL中に溶解し、MTBS0.77gを添加し、かつ電解質を電気分解セルに移す。溶媒並びに反応しなかった反応物量を、電気分解後に減圧下で除去し、粗生成物を“フラッシュクロマトグラフィー”としてシリカゲル60を用いて4:1(CH:EE)の展開剤中で精製し、かつ生成物を暗褐色の固体として得る。
収率:221mg(20%、0.76mmol)
GC(方法“ハード”、HP−5):tR=15.64分
f(CH:EE=4:1)=0.23

図1は、上記のカップリング反応を実施することができる反応装置を示す。装置は、ニッケルアノード(1)及びシリコン若しくは他のキャリア材料上のホウ素ドープダイヤモンド(BBD)より成るアノード又は当業者に公知の他の電極材料(5)を含む。装置は、冷却ジャケット(3)を用いて冷却することができる。ここで、矢印は、冷却水の流出方向を指し示す。反応チャンバーは、テフロンストッパー(2)で閉じられている。反応混合物は、磁気撹拌子(7)によって混合される。アノード側では、装置は、ねじクランプ(4)及びシール(6)によって閉じられる。
図2は、上記のカップリング反応をより大規模に実施することができる反応装置を示す。装置は2つのガラスフランジ(5’)を含み、このフランジを介して、ホウ素ドープダイヤモンド(BBD)でコーティングされたキャリア材料より成る電極(3’)又は当業者に公知の他の電極材料は、ねじクランプ(2’)及びシールによって押し付けられる。反応チャンバーには、ガラススリーブ(1’)を介して還流冷却器が備わっていてよい。反応混合物は、磁気撹拌子(4’)を用いて混合される。
図4〜10は、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)溶媒に添加したメタノール(MeOH)の割合に依存した酸化電位(V)の変化をそれぞれ示す。記号における数字は、−NH2基若しくは−NH−CO−CH3基に対するベンゼン環上の置換基の位置を示す:2=オルト位、3=メタ位、4=パラ位。
図から明らかになることは、酸化電位がメタノールの添加によって変化し得ることである。
1 ニッケルアノード、 2 テフロンストッパー、 3 冷却ジャケット 、 4 ねじクランプ、 5 電極材料、 6 シール、 7 磁気撹拌子、 1' ガラススリーブ、 2’ ねじクランプ、 3’ 電極、 4’ 磁気撹拌子、 5’ ガラスフランジ、 1‘‘ 電極用のステンレス鋼ホルダー、 2‘‘ テフロンストッパー、 3‘‘ 還流冷却器接続用に取り付けられた排出口を有するビーカーセル、 4‘‘ ステンレス鋼クランプ、 5‘‘ ガラス状炭素電極、 6‘‘ 磁気撹拌子



  1. フェノールをアニリンとカップリングするための電気化学的方法であって、
    以下の工程段階:
    a')溶媒又は溶媒混合物並びに電導度塩を反応容器中に入れる工程、
    b')酸化電位EOx1を有するフェノールを前記反応容器中に添加する工程、
    c')酸化電位EOx2を有するアニリンを前記反応容器中に添加する工程、ここで、
    Ox2>EOx1かつEOx2−EOx1=ΔEであり、
    前記アニリンをフェノールに対して過剰量で加え、かつ前記溶媒又は溶媒混合物は、ΔEが10mV〜450mVの範囲にあるように選択し、
    d')2つの電極を反応溶液中に入れる工程、
    e')前記電極に電圧をかける工程、
    f')前記フェノールとアニリンとをカップリングする工程
    を含む方法。

  2. 前記アニリンを前記フェノールに対して少なくとも2倍の量で用いる、請求項1記載の方法。

  3. 前記フェノール対前記アニリンの比が1:2〜1:4の範囲にある、請求項1又は2記載の方法。

  4. フェノールをアニリンとカップリングするための電気化学的方法であって、
    以下の工程段階:
    a'')溶媒又は溶媒混合物並びに電導度塩を反応容器中に入れる工程、
    b'')酸化電位EOx1を有するアニリンを前記反応容器中に添加する工程、
    c'')酸化電位EOx2を有するフェノールを前記反応容器中に添加する工程、ここで、
    Ox2>EOx1かつEOx2−EOx1=ΔEであり、
    前記フェノールを前記アニリンに対して過剰量で加え、かつ前記溶媒又は溶媒混合物は、ΔEが10mV〜450mVの範囲にあるように選択し、
    d'')2つの電極を反応溶液中に入れる工程、
    e'')前記電極に電圧をかける工程、
    f'')前記フェノールとアニリンとをカップリングする工程
    を含む方法。

  5. 前記フェノールを前記アニリンに対して少なくとも2倍の量で用いる、請求項4記載の方法。

  6. 前記アニリン対前記フェノールの比が、1:2〜1:4の範囲にある、請求項4又は5記載の方法。

  7. 前記溶媒又は溶媒混合物を、ΔEが20mV〜400mVの範囲にあるように選択する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。

  8. 前記反応溶液が有機酸化剤を含まない、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。

  9. 前記フェノール及び前記アニリンを、Ia、Ib、IIa、IIb、IIIa、IIIb、IVa、IVb、Va、Vb:
    [式中、置換基R1〜R50は、互いに無関係に、水素、ヒドロキシル基、(C1〜C12)−アルキル基、(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C4〜C14)−アリール基、(C4〜C14)−アリール−(C1〜C12)−アルキル基、(C4〜C14)−アリール−O−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアリール基、(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル基、(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、O−(C4〜C14)−アリール基、O−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、O−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル基、O−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、O−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、ハロゲン基、S−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、S−(C4〜C14)−アリール基、S−(C4〜C14)−アリール−(C1〜C14)−アルキル基、S−(C3〜C14)−ヘテロアリール基、S−(C3〜C14)−ヘテロアリール−(C1〜C14)−アルキル基、S−(C3〜C12)−シクロアルキル基、S−(C3〜C12)−シクロアルキル−(C1〜C12)−アルキル基、S−(C3〜C12)−ヘテロシクロアルキル基、(C1〜C12)−アシル基、(C4〜C14)−アロイル基、(C4〜C14)−アロイル−(C1〜C14)−アルキル基、(C3〜C14)−ヘテロアロイル基、(C1〜C14)−ジアルキルホスホリル基、(C4〜C14)−ジアリールホスホリル基、(C3〜C12)−アルキルスルホニル基、(C3〜C12)−シクロアルキルスルホニル基、(C4〜C12)−アリールスルホニル基、(C1〜C12)−アルキル−(C4〜C12)−アリールスルホニル基、(C3〜C12)−ヘテロアリールスルホニル基、(C=O)O−(C1〜C12)−アルキル基、(C=O)O−(C1〜C12)−ヘテロアルキル基、(C=O)O−(C4〜C14)−アリール基の群から選択され、ここで、前記のアルキル基、ヘテロアルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基は、任意に一置換又は多置換されている]から選択し、この場合、以下の組合せ:
    アニリン Ia IIa IIIa IVa Va
    フェノール Ib IIb IIIb IVb Vb
    が可能である、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。

 

 

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本発明は、ラジカル結合生成物を製造する方法に関する。本発明の方法はスルホン酸のナトリウム塩(R−SO−Na)を得る工程を含む。アルキル金属塩は、次いで電解セルの一部である陽極液で使用される。電解セルはアルカリイオン伝導性膜(NaSICON膜など)を含む。セルが作動中、スルホン酸のアルキル金属塩は脱スルホキシル化が行われ、ラジカルが形成される。そのようなラジカルは、次いでラジカル同士で結合し、それにより炭化水素などのラジカル結合生成物が生成する。生成した炭化水素は出発原料によって、例えば、飽和、不飽和、分岐または非分岐となる。
【選択図】図1
溶融カーボネート燃料電池(MCFC)を使用して、燃焼供給源からのCOを捕捉するためのシステムおよび方法が提供される。燃料電池は、低下されたアノード燃料利用を有するように作動される。任意に、アノード排出物の少なくとも一部分は、燃焼供給源の燃料として使用するためにリサイクルされる。任意に、アノード排出物の第2の部分は、アノードインプット流の一部分として使用するためにリサイクルされる。これによって、燃焼供給源排出物からCOを分離するために必要とされる燃料電池の面積の量の減少、および/または燃料電池を作動させる方法の変更が可能となる。
本発明は、カルボン酸(バイオマスから誘導されるカルボン酸を含む)を炭化水素に変換する方法に関する。製造された炭化水素は、少なくとも2つの酸素を含む物質(または他の物質)である。1つの例において、電解はカルボン酸のアルカリ塩をジオールに変換し、それは溶媒に使用したり、脱水してゴム重合体物質を製造するために使用できるジエンを形成できる。このプロセスは、バイオマスから誘導されるカルボン酸などの再生可能原料から高付加価値の化学物質の特注合成が可能である。
【選択図】図1
本発明は、酸化電位の異なるフェノールとナフトールとを選択的にカップリングさせるための電気化学的方法に関する。さらに本発明は、例えば前記電気化学的カップリングにより製造可能な化合物に関する。
様々な態様において、製油所配置において溶融炭酸塩形燃料電池を作動するためのシステムおよび方法が提供される。溶融炭酸塩形燃料電池は、様々な燃焼反応のために、炭素をベースとする燃料を使用する代わりに水素を提供することを含め、様々な精製プロセスに水素を提供するために使用することができる。さらなる態様において、精製プロセスによって発生するCO含有流は、溶融炭酸塩形燃料電池へのインプット流として使用することもできる。
様々な態様において、増加した電力密度で溶融カーボネート燃料電池アセンブリを作動させるためのシステムおよび方法が提供される。これは、部分的に、集積化された方法で燃料電池積層内で有効量の吸熱反応を実行することによって達成することができる。これによって、燃料電池アセンブリ内で所望の温度差をなお維持しながら、増加した電力密度を可能とすることができる。
様々な態様において、熱エネルギーの損失のための損失を低下させるか、または最小化するために、溶融カーボネート燃料電池を作動させるためのシステムおよび方法が提供される。溶融カーボネート燃料電池は、燃料電池において発熱性反応によって発生する熱と、燃料電池およびいずれかの任意の集積化された吸熱性反応段階において吸熱性反応によって消費される熱との所望の比率をベースとして作動させることができる。
様々な態様において、鉄および/または鉄鋼製造のためのプロセスとともに溶融炭酸塩形燃料電池を作動するためのシステムおよび方法が提供される。このシステムおよび方法は、効率の増加、製造される生成物のトンあたりの炭素排出の減少、または集積化されたシステムの一部分として炭素排出の単純化された捕捉などのプロセス改善を提供することができる。燃料供給資源における適応性、ならびにプロセスに動力を与えるために必要とされる様々な化学、熱および電気アウトプットを提供しながら、別々のプロセスの数および全体的な製造システムの複雑さを減少させることができる。
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