線虫類におけるアッセイのための化合物‐担体システム

 

本発明は、関心対象の化合物を含有し、かつ表面に化学誘引性タグを発現している担体システムの設計を通じて、線虫による関心対象の化合物の吸収を増加させるための方法に関する。

 

 

発明の概要
本発明は、線虫、本質的にしかし非限定的に線虫シノラブディス・エレガンス(C. elegans)による化合物の吸収を増大する方法に関する。特に、本発明は、前記虫による複合体「化合物‐担体システム」の摂取を促進させることを特徴とする、特異的な分子タグを発現するポリマーおよび/または脂質の送達システムの設計に関する。
発明の背景
シノラブディス・エレガンス(Caenorhabditis elegans;C. elegans)は、土壌環境に天然に存在する自由生活性の線虫である。これは、約3日で、胚から4つの幼虫期であるL1からL4を経て、長さ約1 mmおよび直径80 μmの成体に迅速に成長する。成体は、99.5%雌雄同体であり、たまに発育障害により雄個体が生じる。それぞれの自家受精した雌雄同体は、同時に300個の幼虫を産生することができる。成熟した個体は、上皮、筋肉、神経、小腸、有性生殖系を含めた大部分の主な組織を有する一定数の体細胞(成体の雌雄同体で959個、成体の雄性で1031個)を含む。注目すべきことに、シノラブディス・エレガンスのゲノムの全長配列解析により、線虫遺伝子の60〜80%がヒト対応物を有しており、大部分の主な生化学的経路が、ヒトとシノラブディス・エレガンスとの間で保存されていることが明らかになった。特に、線虫における生体異物解毒および酸化的ストレス応答に関与する経路は、哺乳類系のものと極めて類似している(Voorhies 2002; Lindblom and Dodd 2006)。虫ミトコンドリアおよびそれらのヒト対応物の間の構造および生体エネルギー学の高い保存性も報告されている(Tsang and Lemire 2003)。
シノラブディス・エレガンスは、細菌、一般に、大腸菌(Escherichia coli;E. coli)を含有する固体または液体の培地上の実験室条件下で、容易に成長させることができる。その遺伝子的な取り扱いやすさは、変異株の大規模のライブラリの確立を可能にした(大部分の株が、ミネソタ州のCaenorhabditis elegans Genetic Centerから入手可能)。RNA干渉を通じた選別的な遺伝子ノックダウンが、注入、供給または浸漬により容易に行われる。さらには、虫が透明であることは、生きた虫を直接または蛍光マーカーにより観察するための明確な長所である。
全体として、物理的特徴により、シノラブディス・エレガンスは生物学的な研究にとって魅力のある生物となり、この線虫は、1960年代からモデル生物として導入されてきた。特に、神経活性、老化、アポトーシス、胚発生、さらには一部のヒト疾患の根本をなす機序の理解に大いに寄与してきている(Brenner 1974; Kuwabara and O'Neil 2001; Gershon and Gershon 2002; Putcha and Johnson 2004; Sengupta and Samuel 2009)。1990年代には、シノラブディス・エレガンスは、創薬および毒性学と関連してさらに関心を集め、哺乳類の毒性評価のための有望なモデルとして登場した。農薬(Cole, Anderson et al. 2004)、金属(Roh, Lee et al. 2006)、ミトコンドリアかく乱剤(Ishiguro, Yasuda et al. 2001; Braungart, Gerlach et al. 2004)、またはEGFRキナーゼ阻害剤(Dengg and van Meel 2004)を、シノラブディス・エレガンスの生存に対するその効果について評価したとき、虫におけるEC50値は、げっ歯類におけるLD50と強い相関関係があることが確認された。
シノラブディス・エレガンスに対する生体異物の効果を調べるためには、一般に、試験すべき化合物を線虫培養培地に溶解するか、または餌として用いる細菌に注ぐ。しかし、Burnsらの文献では、最近、前記虫における市販の薬物様分子の生体蓄積を測定し、スペクトルライブラリから、容易に蓄積するのは1000を超える分子の10%未満であるということを立証した(Burns, Wallace et al. 2010)。大部分の生体異物に対する線虫の耐性は、溶液摂取を制限する傾向のシノラブディス・エレガンスの摂食行動に照らして説明されうる。土壌に住むことから、虫は、有害物質の潜在的な流入を防ぐいくつかの保護システムを発達させた。線虫は、大部分の分子の余分な経口侵入を遮断する厚いクチクラで取り囲まれている。その上、これは、フィルターフィーダーとして機能し、食物が吸収されるとき、粒子が維持、粉砕され、小腸に進入する一方、液体は排出される(Avery and Shtonda 2003)。したがって、シノラブディス・エレガンスに対する効果について試験した分子の大部分が虫において無応答でありうるのは、単に、それらがほとんど吸収されず、そのため、線虫内に有効濃度で蓄積できないからである。
このような生理学的な障壁を克服するために、通常の実験戦略は、シノラブディス・エレガンスを高濃度の物質とインキュベーションすることに依存する。それにもかかわらず、このようなアプローチには、大きな短所がある。これは、技術的または経済的な理由から利用できないかもしれない大量の化合物を必要とする。さらには、このような濃度を用いることは、シノラブディス・エレガンスの解毒エフェクタまたは非特異的な相互作用の圧倒性により、望ましくない効果を誘導しうる。
物質濃度を増加させず、虫による生体異物の吸収を促進する一つの戦略は、例えば、恒常的な咽頭ポンピングを触発することにより、線虫透過性を高めることである。咽頭ポンピングは、線虫が液体を取り入れた後、それを外部に吐き出す過程である。これは、一連の咽頭神経細胞によりその収縮が制御される、咽頭に位置する筋肉により実行される。ポンピングは、主に食物の存在下で行われるので、恒常的な咽頭ポンピングを誘導することは、分子吸収を促進しうる。これは、ポンピングの調節に欠陥を示す変異または形質転換線虫類の生成により達成されうる(さらなる情報のための参考文献は、特許 WO 00/63425)。
しかし、虫の摂食行動のかく乱をベースとする戦略は、特に、創薬および毒物学との関連で、深刻な欠点を引き起こしうる。通常、薬効または毒性の評価は、部分的には食物吸収における変化を含む行動変化の分析に依存する。したがって、物質を摂取および蓄積する線虫の能力を変更することは、分子作用機序の誤解を招きうる。
Shibamuraらは、親水性の抗酸化物の吸収を促進する、別のアプローチを開発した。彼らは、リポソームにカプセル化した分子が、慣行的な方法で投与される薬物に比べて、さらに効率的にシノラブディス・エレガンスの寿命を延長させることを明らかにした(Shibamura, Ikeda et al. 2009)。
したがって、線虫ベースのアッセイにおいて用いられる、物質の分子構造および物理化学的な特性から独立して、任意の分子の虫による吸収を触発する方法は、報告されていない。
本発明は、高濃度の利用を避け、虫による摂取を強化する、線虫への経口投与用の化合物担体‐システムの設計および利用に関する。
シノラブディス・エレガンスは、生物学において、通常のモデル生物であるので、本発明のための好ましい線虫である。それにもかかわらず、本明細書において示されるシステムはまた、特に、シノラブディス・エレガンスと類縁関係の近いシノラブディス属の構成員を含め、他の線虫種にも用いられる。野生型のみならず、変異または形質転換線虫類も、本明細書において考慮される。
シノラブディス・エレガンスは、生物学的な研究のための有望なモデル生物として何年も前に導入され、老化、アポトーシス、および成長を含めた幅広い生物学的プロセスの基底をなす機序の解釈において、有意な進展を可能にした。しかし、この線虫は、創薬のためのその使用を防ぐいくつかの限界点を有していた。主な短所の一つとしては、大部分の化合物に対するその高い不透過性である。
本明細書において用いられる「アッセイ」との用語は、虫における任意の分子の影響を評価するために設計された任意の過程をいう。例えば、これは、生存、生殖力、成長、運動性、または摂食行動を非限定的に含む表現型の変化の評価に基づく試験、ならびに、酵素活性の変化、遺伝子またはタンパク質の発現および調節の変化、細胞死滅、炎症および酸化ストレスの誘導、呼吸連鎖機能、エネルギー状態、およびDNA修復系における変更を非限定的に含む細胞および分子レベルにおけるかく乱の評価に基づく試験を含む。
本発明の文脈において、用語「化合物」(または関心対象の化合物)、「物質」および「生体異物」は区別なく用いられ、通常は虫により生産されないが、その環境、または天然条件もしくは実験条件の下で見出すことのできる外部分子のことをいう。例えば、化合物は、化学物質、例えば、公知の薬理学的活性を有する有機小分子と関連したものであってもよい。これは、さらには、ペプチドまたは核酸分子、糖または糖類(多糖類を含む)、脂質、有機または無機化合物、天然物質、汚染物質、可溶化したまたは蒸気ガス、薬物(製薬産業におけるヒットおよびリードを含む)、化粧品組成物に用いられる物質、食物、水、飲料、下水処理プラント由来の溶出液、注射可能な組成物に存在する発熱物質、透析水、塗料に存在する物質などのことをいう。
なぜ大部分の化合物が線虫に吸収されないかを理解するためには、その摂食行動を考慮しなければならない。シノラブディス・エレガンスは、広範囲な食物供給源のうち、有益な細菌と有害な細菌とを区分する能力を持つ土壌細菌摂取虫である(Shtonda and Avery 2006; Abada, Sung et al. 2009)。これは、細菌により分泌される化学物質を検出し、そして、好ましくは、勾配を通じて高品質食物へと導く強力な化学感覚システムを発達させた。このような誘引/忌避信号は、cAMP、ビオチン、アルカリ性イオン、ベンズアルデヒド、ドデシル硫酸ナトリウム、ヘプタノールといった多様な起源のものである(Riddle, Blumenthal et al. 1997)。線虫がその食物供給源の充分近くにくると、咽頭ポンピングを通じて、それを吸収し、咽頭筋肉収縮により、液体が吐き出される一方、細菌粒子が腸に向かって移動する。
したがって、本明細書では、シノラブディス・エレガンスに対して誘引効果を有するとともに、その表面に特定の分子的実体を発現する担体システムの製造について記載する。
したがって、本発明は、関心対象の化合物を捕捉可能な小胞を含む、線虫による関心対象の化合物の吸収を誘導する担体システムであって、前記小胞が、その表面上に前記線虫に対して化学誘引性であるタグ物質を提示する、システムに関する。好ましい態様において、担体システムは、小胞の表面上に化学誘引性のタグ物質を含み、かつ小胞内に捕捉された関心対象の化合物を含む小胞からなる。したがって、この態様において、担体システムは、その表面上にタグ物質を提示する空の小胞からなってはいない。
好ましい態様において、タグ物質は、小胞の表面に共有結合で連結されている。
JP03112924、US20070092558、Kojima(Biomed Microdevices, 2012, 14:1027-1032)は、リポソームについて記載しているものの、ここで、その表面は物質で修飾されているが、関心対象の試験物質を線虫に供給する担体としてのその使用は示唆していない。
線虫により吸収される担体システム
本明細書において用いられる「タグ」(またはタグ物質)との用語は、線虫による担体の吸収を促進する分子的実体のことをいう。好ましくは、タグは、線虫に対して化学誘引性である。
本明細書において意図されるように、「化学誘引性物質」は、走化性を通じて、その最高濃度方向へ線虫の移動を誘導する化学物質である。シノラブディス・エレガンスに対するタグ物質の化学誘引性を決定するために必要である走化性アッセイは、そのようなアッセイと関連した他の文献も引用しているJansenらの文献(EMBO Journal, Vol. 21 No. 5 pp. 986-994, 2002)に記載のように、当技術分野において公知であり、当技術分野において記載されている。したがって、任意の走化性アッセイにより、単独で虫に対し化学誘引性であるものと示された任意の物質が、本発明を実行するためのタグとして用いることができる。
水溶性化合物に対する走化性は、以下の方法で評価することができる。簡単にいうと、4分割ペトリ皿において、向かい合う4分の1区画を一組にし、溶解された推定誘引物質を含む、または誘引物質を含まない緩衝化した寒天で充填する。隣接した4分の1区画を融解寒天薄膜で連結する。栄養の充分な若い成虫の線虫の集団を緩衝液で洗浄し、100〜200匹の虫を、4つの4分の1区画の交差点に置いた。一定時間の後、4つの4分の1区画上における虫の分布を決定する。走化性指数[CI=(A-C)/A+C;式中、Aは、4分の1区画の1および3上の虫の個体数であり、Cは、4分の1区画の2および4上の個体数である]をそれぞれの時点で算出することができる。
本発明の文脈において、「捕捉された化合物」における「捕捉された」との用語は、小胞中にカプセル化された、吸収された、もしくは分散された、または小胞層中に埋め込まれた化合物を指し示すために用いられる。
用語「小胞」および「担体」は、物質を貯蔵する能力を持つ分子または超分子系のことをいう。このような構造には、ミセル、リポソーム、ポリマーソーム、マイクロおよびナノ粒子が非限定的に含まれる。これらは、それぞれグラム陰性菌および細菌由来の無細胞質の細胞外皮からなる細菌ゴーストおよびウイルスベクターを含む。
従来、化合物担体は、生体異物、ペプチド、またはタンパク質およびヌクレオチド配列、特に、DNAおよびsiRNAを非限定的に含む広範囲な分子の経口または皮膚送達のために、化粧品、診断および治療領域において、特に、画像撮影および癌治療において役立つものと立証されている。これらは、特に、制御放出および部位特異的送達により、薬物の生物学的利用能を大いに改善し、不利な影響を減らすことが明らかになっている(Barratt 2003)。
本発明の文脈において、「超分子系」との表現は、非共有または共有結合、またはこれらの両方を通じて、一緒に結合された分子の複合体に関する。このような分子には、脂質、タンパク質、オリゴ糖、および合成または天然高分子が非限定的に含まれ、球状、円柱状、または桿状といった多様な形態で組み立てられる。これらの大きさは、ナノメータからマイクロメータの範囲にわたる。
用語「ミセル」は、閉鎖した単層を形成する両親媒性分子の凝集物からなるコロイド分散液のことをいう。水性溶媒において、その分子の親水性頭部は、周辺の溶媒を向いており、一方、疎水性尾部は、ミセルの中心に隔離されている。
本明細書において用いられる用語「リポソーム」は、その膜が脂質二重層または水性コアを取り囲む一連の脂質二重層からなるマイクロメータ範囲の人工小胞のことをいう。二重層は、リポグリカンまたはリポタンパク質といった脂質部分を有する巨大分子、ならびに、タンパク質、糖タンパク質、ポリマーまたはオリゴ糖を非限定的に含む非脂質系の親油性または両親媒性分子を含有してもよい。リポソームは、イオン化したまたはそうではない、極性またはそうではない、蛍光色素などの光学特性を有する疎水性および親水性化合物、ならびにペプチド配列およびヌクレオチドプラスミドをカプセル化してもよい。
用語「脂質」は、以下のものを含むものと理解される: 全ての種類の天然に存在する脂質、すなわち、脂肪酸、グリセロ脂質、ステロール誘導体、グリセロリン脂質、およびスフィンゴリピドなど。
「ポリマーソーム」または「ポリマーベースのリポソーム」は、その膜が両親媒性ブロック共重合体からなる合成小胞のことをいう。用語「共重合体」は、いくつかの区別できる単量体種から誘導された重合体を指すのに対して、「ホモポリマー」は、1つの単量体種のみからなるポリマーのことをいう。「ブロック共重合体」は、いくつかの異なるホモポリマーからなるポリマーのことをいう。親水性ブロックには、ポリエチレングリコール/ポリエチレンオキシド(PEG/PEO)およびポリ(2-メチルオキサゾリン)が非限定的に含まれ、一方、疎水性ブロックには、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリ乳酸(PLA)およびポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)が非限定的に含まれる。
本発明の文脈において、用語「ナノ粒子」は、化合物を捕捉する能力を持つナノメータ範囲の小胞のことをいう。ナノ粒子は、球状、桿状、管状、または膜状といった区別できる形態を取ってもよい。それらの膜は、タンパク質、特に、ゼラチンおよび/または多糖類、例えば、キトサンまたはセルロース誘導体、シクロデキストリンを非限定的に含む、異なる類型の分子からなってもよい。天然または合成起源の共重合体およびホモポリマーの両方もまた、ナノ粒子膜の構成成分でありうる。さらには、ナノスケールリポソームとして定義されるナノソームも言及しなければならない。リポソームに関して、脂質に加えて、脂質部分を有する非脂質系分子および物質が、ナノソームの二重層中に埋め込まれていてもよい。ナノ粒子は、さらに、金属、特に、鉄、金、銀、もしくは白金、ならびに、ナノダイヤモンドもしくはカーボンナノチューブにおけるような炭素、シリカを含むセラミック、またはリン酸カルシウムナノ複合材料およびデンドリマーにおけるような複合体を非限定的に含む無機分子を組み込んでもよい。
担体の表面にタグをグラフトするために用いられる方法
上記した担体システムが診断および治療への応用において見せる長所を超えて、これらが、その表面に、線虫に対して化学誘引性の物質を提示し、それにより、細菌粒子と一定の類似性を共有するということを強調しなければならない。
後述するようなタグは、線虫または細菌に接近可能になるように担体の表面にグラフトされなければならない。
本発明は、さらに、担体膜の構成成分にタグを結合する方法に関する。担体の定義によると、小胞膜は、脂質、重合体、タンパク質および/または糖のみならず、多様な分子と反応可能な官能性の化学物質を保有できる別個の両親媒性分子からなってもよい。本発明において、タグは、担体膜の1つまたは複数の構成成分に結合され、または他のアプローチによると、担体膜に挿入される能力を持つ別個の疎水性または両親媒性分子に連結されている。本発明の文脈において、タグは、このような分子に直接付着されるか、または化学物質、ペプチド配列またはモノマー/ポリマーを非限定的に含むスペーサを介して連結されてもよい(Accardo, Morisco et al. 2011)。
好ましい態様において、タグは、担体膜を構成する脂質、特にLPSの脂質部分である脂質A、またはリン脂質/リン脂質誘導体、さらに具体的に、ホスファチジルエタノールアミンおよび/またはホスファチジルコリンの誘導体に連結されている。このような技法は、PEG(Allen 1994)などのポリマー、またはオリゴマルトース(Xu, Jayaseharan et al. 2002)などの多糖類、またはビオチン(Noppl-Simson and Needham 1996)などのその他の化学物質を非限定的に含む広範囲な分子を付着するために、既に成功裏に用いられている。
別の好ましい態様において、タグは、担体膜に直接組み込まれるか、または担体膜に埋め込まれた脂質に結合されている、上記したものを非限定的に含むポリマーに付着されている。例えば、このような戦略は、多糖類を、ポリ(ビニルアミン)から誘導された重合体にグラフトするため(Qiu, Zhang et al. 1998)、または一級アミン基含有分子をPEGおよびPEG誘導体に付着するために用いられた(Torchilin, Levchenko et al. 2001 ; Santos, da Silva et al. 2010)。
さらなる具体的態様において、タグは、ポルフィリンを非限定的に含む、担体膜に組み込まれる疎水性ドメインを含む分子に付着している。ポルフィリンは、それらのα-炭素原子にメチン誘導性架橋を介して連結されている4つの修飾されたピロールサブユニットから作られた複素環大員環である。複合糖質のポルフィリンは、糖質サブユニットをポルフィリンコアに連結することで合成され(Ballardini, Colonna et al. 2003; Ballut, Makky et al. 2009)、続いて、ジミリストイルホスファチジルコリンから構成されるリポソームの膜に成功裏に組み込まれた(Ballut, Makky et al. 2009; Makky, Michel et al. 2011)。そのようなグリコデンドリマーポルフィリンの合成スキームを考慮すると、ペプチド断片、化学物質を非限定的に含む、糖質とは異なるその他の単位がポルフィリンコアに付着されてもよい。
線虫の化学誘引のためのタグおよび担体システムの設計(図1)
本明細書に言及された大部分の担体について、細菌サイズの範囲は、球状の種については、0.5〜5 μm、桿状の細菌では、直径が0.2〜2 μmおよび長さが1〜10 μmの範囲である。直径において、最小の種は、100〜500 nmの範囲であるのに対して、最大の種は、500 μmに至る。さらには、細菌は、タンパク質および多糖類を含む多様な他の分子が埋め込まれているリン脂質二重層からほぼ排他的になる細胞膜で取り囲まれている。
したがって、線虫による化合物の吸収を触発する一つの戦略は、虫をだまして、本物の細菌を摂取すると思わせるように、この分子を細菌状粒子中に捕捉することである。このような仮説は、 Shibamuraらが試験した。彼らは、抗酸化物分子をL-α-ホスファチジルコリンで作られたリポソームにカプセル化し、慣行的に送達された物質に比べて、捕捉された分子が、シノラブディス・エレガンスの寿命に対して効果を増強したことを示した(Shibamura, Ikeda et al. 2009)。しかし、線虫が高品質の餌と低品質の餌を区別できることに留意すべきである。経験により、それは、栄養価の低いものを避け、より良い細菌のみを摂取する能力を得る。したがって、上述の理由で、実験を通じて線虫は最終的にリポソームの摂取を中断することが想定される。
線虫に化合物含有小胞を摂取させ続けるための解決法は、線虫が通常摂取する細菌を模倣した担体システムを用いて、これにより、虫に化合物を摂取させることである。当該担体システムには、上述の小胞が非限定的に含まれ、その表面上にタグを含む。
実験条件において、食物供給源として用いられる好適な細菌は、大腸菌、特に、ウラシル栄養要求体OP50菌株である。化合物が捕捉された担体は、単独でまたは餌細菌供給源に追加されて、線虫の培養培地に加えられる。
担体の選択および設計のための重要なパラメータは、その大きさであるが、これは、咽頭ポンピングの間、小さ過ぎる小胞は、腸には向かわず、液体と一緒に吐き出されるからである(Fang-Yen, Avery et al. 2009)。
好ましい態様において、担体システムは、細菌、具体的には、グラム陰性菌、さらに具体的には、大腸菌の大きさに匹敵する大きさのものである。好ましい態様において、担体システムの大きさは、0.5〜3 μmの範囲である。これは、好ましくはリポソームである。
具体的態様において、担体システムは、主にグリセロリン脂質からなるリポソームである。前記脂質は、単独で、または混合物としてのホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロールおよびカルジオリピンであってもよい。その他の脂質が、さらに、リポソームの主要構成成分として、またはリポソームの付属構成成分として用いられる。
リポソームは、さらに、大腸菌などのグラム陰性菌の外膜の必須構成成分であるリポ多糖類(LPS)を含有してもよい。
本発明は、さらに、培養条件と関係なく、特に、食物供給源と関係なく、線虫による効率的吸収を触発するために、化合物-担体の表面において提示される(組み込み、グラフト(リンカーを通じた表面への連結)または共有結合的連結)タグ分子の設計に関する。
シノラブディス・エレガンスは、広範囲な化学物質、特にクオラムセンシング(QS)機構(Beale, Li et al. 2006)を保有した細菌により放出される外部産物に応答する強力な化学感覚システムを保有する。QSは、オートインデューサーと呼ばれるホルモン様のシグナル伝達分子の分泌および検出を伴う細胞間コミュニケーションのためにグラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方が発達させた戦略である(Antunes and Ferreira 2009)。QSは、協調する挙動を誘導し、病原性、抗生物質産生、運動性、接合といった広範囲なプロセスを媒介する。オートインデューサーには、ほぼ全ての種により提供されるオートインデューサーAI-2、大部分のグラム陰性菌により分泌されるアシル化ホモセリンラクトン(AHSL)および一部のグラム陽性種に対するオリゴペプチドが非限定的に含まれる。大腸菌に関して、主なオートインデューサーはAI-2である。大腸菌は、その他のグラム陰性菌とは異なり、AHSLを提供しないが、それにもかかわらず、AHSLに対する受容体を保有する。
AI-2は、輸送体TqsAを介して大腸菌から運ばれ、次いで、Lsr輸入タンパク質により内在化するフラノシルボレートジエステルである(De Araujo, Balestrino et al. 2010)。
AHSLは、アミド結合を介してラクトン化ホモセリンにライゲーションしている脂肪アシル鎖から構成される極めて多様な分子を包含する。アシル鎖は、飽和していてもそうでなくてもよく、長さは4〜16個の炭素と多様である。アシル鎖の三番目の炭素はさらに、完全に還元された、または完全に酸化されたカルボニルであるか、またはヒドロキシル基を保有するなどの多様な修飾を経てもよい(Fuqua and Greenberg 2002)。
グラム陽性菌QSを媒介するペプチドは、通常5〜60個のアミノ酸の範囲であるそのアミノ酸の個数において多様な、ネイティブおよび翻訳後修飾された線状および環状ペプチドである(Fuqua and Greenberg 2002)。
好ましい態様において、タグは、上記のようなグラム陰性菌により提供されるオートインデューサーの一部または全部を構成する。
特に、担体は、AHSLまたはAI-2の分子または断片に対応する1つまたはいくつかの部分を包含する分子を保有する、すなわち表面に組み込むように修飾される。
別の態様において、担体膜に挿入されたタグは、細菌オートインデューサーと相互作用する能力を持ち、小胞の周囲へのQSシグナル伝達分子の蓄積を促進するペプチドおよび多糖類を非限定的に含む分子を含有する。特に、オートインデューサーは、AHSLまたはAI-2である。
この態様において、オートインデューサーと相互作用する前記分子は、AHSLまたはAI-2に対する1つの細菌受容体の結合ドメインに符合する、またはそれに類似した特性を有するタンパク質の全長タンパク質または断片を含有する。したがって、前記タグ分子は、これらのオートインデューサーと相互作用することのできる、および/またはこれらのオートインデューサーにより認識される一続きの少数のアミノ酸から構成される。このようなペプチドは、分子モデリングを通じて設計され、組み換え分子の結合アッセイで確証されてもよい。
一部のQS分子はグラム陰性菌の外膜においてLPSと相互作用することができるので、別の態様において、オートインデューサーに対するリガンドはLPSを含有してもよい(Mashburn-Warren, Howe et al. 2008)。
タグはまた、細菌オートインデューサーとは異なる別の化学誘引性分子であってもよい。これは、塩、一部のアミノ酸、例えば、システイン、リシン、およびヒスチジン、一部のヌクレオチド、例えば、cAMPおよびcGMP、ならびに一部のビタミン、例えば、ビオチンを非限定的に含む水溶性分子、または、多様なアルコール、ケトン、アルデヒド、エステル、エーテル、チアゾル、ピラジン、および芳香族を非限定的に含む揮発性分子であってもよい(Riddle, Blumenthal et al. 1997)。
したがって、上記したような化学誘引物質から誘導される、または、線虫に提示されるときにそのような分子で覆われるようにそのような分子に結合する能力を持つタグを設計することが予想される。
好ましい態様において、線虫用の化学誘引物質としてビオチンが用いられる。
特に、ビオチンは、担体の表面において直接グラフトされてもよい。担体の周辺のビオチン濃度を高めるために、ビオチンおよびビオチン結合分子、さらに具体的には、ビオチン結合タンパク質、特に、アビジンまたはストレプトアビジンが、担体を注ぐ培養培地に加えられる(Noppl-Simson and Needham 1996)。ビオチン結合分子は、少なくとも2つのビオチン結合部位、好ましくは、少なくとも3つのビオチン結合部位を提示し、ビオチンを小胞のすぐ近くで凝集させる。アビジンおよびストレプトアビジンは、高いレベルの親和性および特異性で4つ以下のビオチン分子を同時に結合可能な2種類の四量体タンパク質である。別の態様において、上記したものを非限定的に含むビオチン結合分子が担体の表面において組み込まれ、培養培地に存在するビオチンが、小胞の周辺に蓄積することができる。別の態様において、タグ物質は、アビジンである。
細菌の捕捉のためのリンカーおよび担体システムの設計(図1)
上述したように、担体は、細菌よりも栄養価が低いので、経験上、線虫は、それを拒否し、より良質の細菌を好む可能性がある。
別の戦略によると、担体を細菌と同時に摂取させるように、細菌、具体的にはグラム陰性菌、より具体的には大腸菌に結合することができるリンカーを設計することができる。このような文脈において、担体システムに連結される化学誘引性のタグが、実質的に細菌全体であることを考慮することができる。このような戦略の効果は、Dawlatsxinaらの文献(2013)において立証されている。
このような具体的態様において、担体システムの大きさは、好ましくは、細菌に付着される担体システムの大きさが、虫により摂取されるのに充分小さくなるように適合させられる。このような具体的態様において、好ましい担体システムは、ナノメータの範囲、さらに具体的には、ナノ粒子またはナノソームであってもよい。
グラム陽性菌の細胞膜およびグラム陰性菌の外膜は、脂質に加えて、LPSなどの多糖類、ならびに、構造タンパク質、酵素および輸送体を含むさまざまなタンパク質から構成される。このようなタンパク質は、広範囲なリガンドを許容するだけでなく、多様な分子に結合可能な脂質および多糖類も許容する。例えば、大腸菌などのグラム陰性菌の外膜に露出するLPSは、AHSLファミリー由来のオートインデューサーと相互作用することができる(Mashburn-Warren, Howe et al. 2008)。
したがって、脂質、タンパク質、および多糖類を非限定的に含む細菌膜の構成成分と相互作用可能な、化学物質、タンパク質、糖類、または脂質を非限定的に含む分子を包含するリンカーの、担体表面における発現がさらに記載される。
具体的態様において、前記リンカーは、AHSLから誘導された分子である。前記分子は、タグまたはリンカーの分解生成物であってもよく、したがって、小胞の表面にタグの不均質性(例えば、ネイティブなタグ、または、好ましくは化学誘引的特性が損失していない、酸化、還元、もしくは部分的に分解されたタグ)がありうる。
別のアプローチにおいて、栄養素の吸収を媒介する細菌輸送体、より具体的には、マルトース/マルトデキストリンの輸送システムに注目して、細菌、より具体的には大腸菌などのグラム陰性菌に輸送されるネイティブまたは修飾された栄養素に対応する1つまたは複数の分子単位を含むタグを設計することができる。マルトースは、α(1→4)結合されている2つのグルコース単位から形成された二糖類である。マルトデキストリンは、澱粉およびアミラーゼ、ならびにα(1→4)-グルコシド連結シクロデキストリンを含む、通常は3〜19個の範囲のグルコース単位である多様な個数の単位を有する線状のα(1→4)-連結グルコースポリマーである。バクテリオファージλ受容体であるマルトポリンLamBは、大腸菌などのグラム陰性菌の外膜を通じて、マルトースおよびマルトデキストリンの拡散を促進する。次いで、マルトデキストリンは、内膜を通じて細胞質に輸送される細胞周辺腔において、マルトース結合タンパク質(MBP)と相互作用する(Boos and Shuman 1998; Klebba 2002)。LamBは、ネイティブマルトースおよびマルトデキストリンの輸送を媒介し、また、還元された、酸化された、または置換されたグルコース単位を有する修飾されたマルトデキストリンの輸送も媒介する(Ferenci, Muir et al. 1986)。
具体的態様において、リンカーは、マルトースから誘導された1つまたは複数の環状または線状の多糖類を含む。
具体的には、前記マルトースベースの多糖類は、線状ポリマー、環状ポリマー、分岐状ポリマーおよびこれらの混合物からなる群において選択される、共有結合で連結されたマルトースの繰返し単位のポリマーである。
より具体的には、2000 g/mol以下の分子量を有するマルトデキストリンおよび類似体が好ましいが、これは、グラム陰性菌の外膜に提示されるLPSが、さらに大きなマルトデキストリンのLamBへの結合を妨害することが示されたからである(Ferenci and Lee 1986)。用語「マルトデキストリン類似体」は、グルコースの還元末端における、O-メチル、O-ニトロフェニル、β-グルコシルまたはβ-フルクトシル置換を非限定的に含む、還元された、酸化された、または置換された1つまたはいくつかのグルコースサブユニットを有した修飾されたマルトデキストリンのことをいう。
特に、前記リンカーは、2000 g/mol以下の分子量を有するマルトデキストリンまたはマルトデキストリン類似体である。
本発明は、さらに、細菌(好ましくは、グラム陰性菌)の表面と、特に、細菌の膜構成成分と相互作用可能なリンカーを表面に提示する、(上記したような)任意の担体システムを含む。前記リンカーは、好ましくは、前記細菌のLPSと相互作用することができる。
栄養組成物
本発明は、さらに、上記した担体システムと虫に適した栄養素とを含有する線虫用の栄養組成物に関する。このような栄養素は、当技術分野において公知であり、特にStiernagleの文献(2006)に記載されている。特に、栄養組成物は、ステロールを含有する。
具体的態様において、栄養組成物は、タグ物質がビオチンである担体システムを含み、さらに、ビオチンと少なくとも2つのビオチン結合部位を含むビオチン結合タンパク質とを含有するものである。上記したように、前記ビオチン結合分子は、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのビオチン結合部位を提示し、小胞のすぐ近くでビオチンを凝集させる。アビジンおよびストレプトアビジンは高いレベルの親和性および特異性で4つ以下のビオチン分子に同時に結合することができるので、培養培地に存在することのできるそのようなタンパク質である。
担体システムの使用
本発明の担体システムは、捕捉された関心対象の化合物の線虫による吸収を促進するのに特に有用である。これは、虫における前記関心対象の化合物の代謝を決定するいくつかのアッセイを設計可能にする。
特に、担体を含有する栄養組成物を線虫に提供し、吸収後、線虫において、関心対象の化合物の生理学的特性を評価することにより、関心対象の化合物の生理学的特性を評価することができ、ここで、前記関心対象の化合物は、例えば、本発明の担体システムを収得するためにその表面に化学誘引性のタグを提示する小胞に捕捉されている。
本発明による方法で評価されうる化合物の生理学的特性は、特に、前記化合物の毒性、またはADMEパラメータ(線虫の消化管の内部における化合物の吸収、虫における化合物の分布、前記化合物の代謝および除去薬物動態)を含む。これらは、当技術分野において公知のアッセイにより測定されてもよい。実際には、本発明の焦点は、化合物の特性を評価するためのアッセイではなく、虫による前記化合物の吸収および摂取を可能にする担体を設計することである。
シノラブディス・エレガンスは、既に化合物の毒性評価に用いられている(参考文献は、特に、Sudama et al, Metabolomics. 2013 Feb;9(1):189-201)。このように評価された毒性は、急性または慢性の毒性でありうる(このようなアッセイは、Wuらの文献、Chemosphere. 2012 Jun;87(11):1281-7に記載されている)。
ADMEパラメータと関連して、駆虫薬であるアルベンダゾールに対するシノラブディス・エレガンスの生体異物反応を特徴付けたLaingらの研究(Biochem J. 2010 Dec 15;432(3):505-14)に注目されたい。
このようなアッセイは、担体システムに捕捉されている生体異物化合物に対するシノラブディス・エレガンスの遺伝子応答の分析に基づいてもよい。
担体システムが、小胞にカプセル化された蛍光マーカーをさらに含む場合、吸収された関心対象の化合物を定量化することができる。このような定量は、一緒に吸収された蛍光マーカーの蛍光強度を測定して評価される。
本発明は、さらに、遺伝子における変異/多型の影響を評価/決定するための方法に関する。
前記方法は、変異/多型が存在する線虫に、関心対象の化合物を含有する本発明による担体システムを供給する段階、ならびに前記関心対象の化合物の取り込みおよび分解を、前記変異/多型が存在しない線虫に供給された前記関心対象の化合物の取り込みおよび分解と比較する段階を含む。
このような観点において、前記遺伝子が前記関心対象の化合物(医薬であってもよい)の標的であるタンパク質をコードする場合、または前記遺伝子がチトクロームなどの生体異物形質転換(または代謝)のエフェクタである場合に好ましい。
前記方法の遂行時、多型/変異の効果を調査しようとするために、ヒト遺伝子の線虫オルソログを同定しうる。特に、ヒトオルソログの線虫オルソログを同定するために、Wormbase(www.wormbase.org)およびBlastプログラム(好ましくは、blastpプログラム)などのデータベースを用いることが好ましい。これは、当技術分野において公知である。
前記変異/多型は、シノラブディス・エレガンスゲノムを取り扱うために当技術分野において公知の方法、例えば、Barrettら(Nat Genet. 2004 Nov;36(11):1231-7)、Robertおよびbessereauの文献(EMBO J. 2007 Jan 10;26(1):170-83)、Frakjaer-Jensenらの文献(Nat Genet. 2008 Nov;40(11):1375-83)、またはBazopoulouおよびTavernarakisの文献(Genetica. 2009 Sep;137(1):39-46))に記載された方法によって、線虫オルソログに導入されてもよい。
上記した方法を用いて、一部の医薬の代謝/同化を強化することができる多型を明らかにする、または逆に、当該多型が存在する場合に医薬がその生物学的活性を発揮しないようにする多型を明らかにすることができる。
虫により吸収されたカプセル化した生体異物の濃度を定量化するために用いられる方法
シノラブディス・エレガンスなどの代替的なインビボモデルにおいて、生体異物の毒性評価および測定の一つの主な論題は、その毒性と直接比例する虫により吸収される化合物量の定量である。カプセル化した化合物の量が、全て線虫の臓器に到達するものではない。実際、化合物の一部の量が、シノラブディス・エレガンス培養培地への拡散により消失し、または虫の消化管などにおいて分解および/または除去される。
本明細書に記載されたアッセイにおいて、蛍光マーカーなどの光学特性を有する分子が、関心対象の生体異物/化合物と共に担体の内部に一緒にカプセル化されてもよい。虫は、透明であるので、一緒に吸収された蛍光マーカーの蛍光強度を測定することにより、吸収された生体異物の量を測定することができる。蛍光マーカーは、好ましくは、虫に対する毒性が不在であることにより選択されるだろう。
別の態様において、このような技法を用いて、吸収された担体の濃度、そして蛍光マーカーの蛍光強度により生体異物の濃度を正規化することにより、異なるアッセイを標準化することができる。次いで、毒性測定は、吸収される生体異物の量で報告することができる。
担体の表面においてグラフトされるように設計されたさまざまなタグの略図。 虫を最もうまく誘引するセリンラクトンの一つであるスクシンイミジルN-(8-カルボキシ-3-オキソオクタノイル)-L-ホモセリンラクトン[5]。 DSPE-PEG-NH2の上にグラフトされたN-(8-カルボキシ-3-オキソオクタノイル)-L-ホモセリンラクトン(クロロヒドレートの形態=-NH3+、Cl-)。
材料
Northern Lipids Inc (Vancouver, BC, Canada)から水素添加大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、1,2-ジステアロイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[PEG (2000)]結合体(DSPE-PEG)、およびDSPE-PEG(2000)アミン(DSPE-PEG-NH2)を入手した。Sigma (St Louis, MO)からコレステロールを入手した。
リポソーム内に負荷される薬物は、2010年にBurnsらによって発表された、シノラブディス・エレガンス内での生物蓄積を試験された1000種の化合物のリストのなかから選択することができる。上記のように、関心対象の他の化合物を用いることもできる。
本発明の効率を評価するために、2セットの化合物が試験されうる:
−虫の環境に存在するものの50%を超える濃度までシノラブディス・エレガンス内に容易に蓄積されることが知られたもの、および
−虫の防御を回避できず、該動物に全く浸透しないもの。
培地中の虫が嗅ぎ付ける誘引物質(N-アシルホモセリンラクトン(AHL))の選択は、2006年に発表されたBealeらの研究[5]に基づいて行われた(図2)。これらは既述のように合成された[Chhabra, 1993; Chhabra, 2003]。それらはその後、DSPE-PEG-NH2にグラフトされた。
1. リポソームの調製
リポソームは、それぞれ65:30:5のモル比の、HSPC、コレステロール、およびDSPE-PEG-NH2から構成された。
正確に秤量した量の脂質(325 μmol HSPC、150 μmolコレステロール、および25 μmol DSPE-PEG)ならびに薬物(100 μmol)を丸底フラスコ中でクロロホルム:メタノール(体積比9:1)に溶解した。
混合した後に、溶媒を減圧および一定回転(Rotovapor R-200, Buchi, Flawil, Switzerland)の下で蒸発させて、脂質薄膜を形成させた。脂質膜をその後、62℃で2時間、50 mM HEPES/150 mM NaCl緩衝液pH 6.5 (5 mL)により水和して、100 mMの総脂質濃度で大型多重層小胞(MLV)を形成させた。
得られたMLVをその後、漸減していく細孔径(0.8、0.4、0.2、および0.1 μm)のポリカーボネート膜(Nucleopore, Whatman, NJ)に通して反復押出し(Lipex押出機, Northern Lipids)によりサイズ分類し、直径がおよそ100 nmの小型単層リポソームを調製した[Hope, 1985]。
押出しは62℃で10 mLサイズの熱バレル押出機にて行った。押出し後、リポソームを、その後の実験で用いるまで、4℃で貯蔵した。
シノラブディス・エレガンスの腸への化学物質の経口送達の成功について管理するために、リポソームに蛍光色素を負荷した。Shibamura Aら[2009]の実験に基づき、ウラニン50 mgを含有するリポソーム25 mlにより、3時間での蛍光色素の吸収量は、従来の方法により色素が投与された虫と比べて100倍高くなる。加えて、蛍光色素リポソームの取り込みから、虫によって蓄積される薬物の量の較正が可能になる。
2. タグ付リポソームの調製
タグ付リポソームの調製のために、AHL誘導体をリポソームのPEG鎖の遠位末端にカップリングさせた。このリガンドのカップリングを可能にするため、リポソーム製剤における一部(2 mol%)のDSPE-PEGをDSPE-PEG-NH2官能脂質に置き換えた。カップリング反応に用いたリポソーム分散液の総脂質濃度は、100 mMであった。AHLをpH 6.5の50 mM HEPES緩衝液に、2.7 μmol/mLの濃度(0.1 mL)で溶解し、PEG鎖の遠位末端にNH2官能基を有するリポソーム(4 mL)と、pH 6.5および1:30 (AHL)のモル比で室温(25℃)にて12時間反応させた。カップリング反応の略図を図3に示す。
3. リポソームへのAHLカップリングのHPLC判定
リポソーム表面へのAHLの付着は、HPLCを用いて非カップリングAHL画分を判定することによって間接的に確認された。
Millenium 2010 Chromatograph Managerで作動するWaters 996フォトダイオード・アレイシステムに接続されたWaters 625 LCシステムで分析カラム(HiChrom Kromasil KR100-5 C8; 250 mm×4.6 mm)を用いて、分析的逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)を行った。画分を0.7 mL min-1の流速で20分間にわたり水中のアセトニトリル(70〜100%, v/v)の直線勾配により溶出させ、210 nmでモニタリングした。Gilsonシステムを用いC8逆相分取カラム(HiChrom Kromasil KR100-5 C8; 250 mm×8.0 mm)で半分取HPLCを行った。画分を、2.0 mL min-1の流速で、アイソクラチック系により溶出させ、分析HPLCデータから判定した。
4. リポソーム製剤中の薬物捕捉の推定
リポソーム製剤中の全薬物および遊離薬物「x」は、HPLC分析を用いて判定された。
具体的な態様において、薬物「x」はコンブレタスタチンA4でありうる。コンブレタスタチンは、酸化的代謝の下でキニーネ誘導体を産生することが公知である。キノンは、求核試薬を結合し、ラジカル種を生成することにより酸化的ストレスを増強する[Folkes et al, 2007]。
この分子の毒性は、以下、第8項で詳述される一連の「ストレス」および「抗ストレス」酵素活性アッセイで測定され、特徴付けられる。全薬物をエタノール抽出後に判定した。リポソーム分散液のアリコート(50 μL)をエタノールで2 mLに希釈し、リポソーム封入されたコンブレタスタチンA4を放出させた。C18カラム(Nova-Pak 3.9×150 mm カラム、Waters)および移動相としてメタノール:水(50:50)を用いたHPLCを用い、この清澄なエタノール抽出液中の全コンブレタスタチンA4を判定した。0.8 mL/分の流速および295 nmでのUV検出を用いた。Centricon遠心分離フィルター装置(Centricon 10, MWCO 10 kd, Millipore, Bedford, MA)を用いて、リポソーム封入部分から遊離コンブレタスタチンA4を分離した。リポソーム分散液のアリコート(100 μL)を水和用緩衝液(50 mM HEPES/150 mM NaCl-buffer pH 6.5)で1 mLに希釈し、このサンプルを遠心分離フィルター装置に移し入れた。このサンプルを固定角の遠心分離機中で15分間10 000 rpmで遠心分離した。ろ液中の遊離コンブレタスタチンA4を次に、HPLCを用いて判定した。全薬物および遊離薬物の計算のために希釈係数を考慮した。全薬物から遊離薬物を差し引くことで、リポソームが捕捉した薬物の量が得られた。薬物の概算を三つ組で行い、その値を平均±SEMとして報告した。この方法は別の薬物で適応させることができる。
5. 可視化およびサイズ測定
大型MLVは、押出しプロセスの前に、光学顕微鏡(Olympus, CKX41, Tokyo, Japan)を用いて可視化した。最終のリポソームを逆染色法により電子顕微鏡の下で可視化した。希釈したリポソームサンプルを、フォルムバールコーティングおよび炭素コーティング銅グリッド上に吸着させ、2%酢酸ウラニル(pH 7.0)で染色し、JEM1200EX電子顕微鏡(JEOL, Tokyo, Japan)により倍率50 000倍で観察した。リポソームのサイズおよびサイズ分布プロファイルを、Malvern Zetasizer (Nano ZS, Malvern Instruments, Worcestershire, UK)を用いて動的光散乱法によりモニタリングした。
6. インビトロ漏出研究
コンブレタスタチンA4のリポソーム封入安定性を、37℃で維持された700体積の逆浸透水に対してサンプルを48時間透析することにより、インビトロでモニタリングした。
0.5 mLのリポソーム分散液のアリコートを、予め浸漬されたPierce透析カセット(Slide-A-Lyzer, MWCO 10 kd, Millipore)に入れ、これを次に、37℃に予め平衡化された放出培地350 mLを含有するビーカー中に入れた。透析カセットを100 rpmで回転させた。放出培地の量は、分析方法の感度およびシンク条件の熟慮に基づいて選択された。異なる時点で、0.5 mLのサンプルを放出培地から採取し、等量の新鮮な放出培地と置き換えた。HPLC分析法を用い、放出された薬物コンブレタスタチンA4についてサンプルを分析した。
リポソーム製剤の全薬物濃度から、各時点で放出された割合を計算した。結果を平均 ± SEM (n = 3)として報告する。
7. シノラブディス・エレガンスでの小分子の高速大量処理スクリーニング
虫培養(Culture worms)は、確立されたプロトコル[Lewis and Fleming, 1995; Stiernagle, 1999]にしたがって行われた。HTS実験はBurnsら[2010 and 2006]にしたがって行われた。NA22大腸菌にて45時間25℃で同期化されたふ化個体から成長させた後期第4幼虫期の虫を、蓄積アッセイに用いた。虫を回収し、少なくとも2回洗浄し、1 μlあたり虫およそ10匹の終濃度を得るために充分なM9緩衝液1に再懸濁した。この虫懸濁液500マイクロリットルをPall AcropPrep 96ウェルフィルタープレート(0.45 μmのGHP膜, 1 mlのウェル容量)の各ウェルに加えた。
40 μM (0.4% DMSO, v/v)の化学物質の終濃度を得るために、リポソームを各ウェルに加えた。虫を、通気しながら6時間20℃にて小分子溶液中でインキュベートし、その後にインキュベーション用緩衝液を減圧によってウェルから排出した(インキュベーションが6時間よりも長い場合にはフィルター膜が弱められる)。
虫を次に、M9緩衝液500 μlで3回洗浄した。洗浄後、虫をM9緩衝液50 μlに再懸濁し、新しい96ウェル固体底プレートに移し入れ、-20℃で凍結貯蔵した。その後、2×溶解用緩衝液(100 mM KCl, 20 mM Tris, pH 8.3, 0.4% SDS, 120 μg ml-1のプロテイナーゼK) 50 μlを各ウェルに加え、撹拌しながら1時間60℃でプレートをインキュベートすることによって、サンプルを溶解させた。溶解後、プレートを後のHPLC処理のために-80℃で凍結貯蔵した(Burnsら[2010]の全HPLC法に関する補足的方法を参照のこと)。
8. シノラブディス・エレガンスでの小分子の処理後HTS2
シノラブディス・エレガンスは、ヒト薬物のスクリーニング、薬物標的の特定および検証、薬物の作用機序、ヒット医薬およびリード医薬ならびに生態毒性および環境毒性のための生体異物のADMEパラメータ (吸着、分布、代謝および排泄/排出)および毒性パラメータのスクリーニング、化粧品学、アポトーシス、炎症、酸化的ストレス、呼吸、細胞エネルギーなどの主要な細胞シグナル伝達経路の研究、化学物質および細菌毒素による水(血液透析、飲用水、非経口投与用)の汚染の管理など、広範囲の用途に向けた多目的のインビボ・プラットフォームである[Jones et al, 2005; Artal-Sanz, 2006]。
全てのこれらの用途のなかで、最も困難な課題にはADME-Toxパラメータがある。というのは、製薬業界は、臨床段階の後の段階になって明らかにされる有害なリード薬物の毒性に依然として直面しているからである。
シノラブディス・エレガンスは、本発明と併せて用いられる場合にのみ、このスクリーニングを達成するのに非常に効率的なツールでありうる。
上記の異なる分野の用途には、薬物で処理されたシノラブディス・エレガンスの分析のための大パネルの実験技術が必要とされる。
利用可能な技術のなかで、最も一般的なのは、生化学的アッセイ(酵素学、プロテオミクス、メタボロミクス、トランスクリプトミクス、miRNAなど)、細胞画像化、変異誘発、遺伝子ノックアウトなどである。
8.1. 毒性スクリーニング
表1は、虫において測定されうる毒性エンドポイントを要約している。これらのエンドポイントは、製薬業界または化粧品学のいずれか、例えばそれぞれそのリード治療用化合物およびリード化粧用化合物に関係する。
毒性スクリーニングは、第7項において記載されているように-80℃で貯蔵されている凍結された虫に対して容易に達成することができる。例えば、呼吸鎖複合体活性を、Kramerら[2005]によって既述されているプロトコルに基づき病院の生化学検査室の器具にて自動的に測定することができる。
加えて、SOD [McCord and Fridovich, 1969]、GPX [Paglia and Valentine, 1967]、GRed、酸化型および還元型グルタチオン[Beutler and Mitchell, 1968]、G6PDH [Krien et al, 1992]といった、抗ストレス酵素および代謝産物を同じサンプルにおいて測定することもできる。
過剰の反応性ラジカル酸素種、1つまたはいくつかの主な細胞代謝経路の改変、ストレスおよび抗ストレス酵素活性の間の不均衡の修正を、数百の虫に対して迅速かつ正確に測定することができる。

8.2. LC-MSによる化学物質代謝産物の分析
代謝産物を虫溶解物からHPLC精製し、Savant DNA120 SpeedVacを用いて乾燥させた(酸はHPLC溶媒に加えられなかった)。
LC-MSのための精製代謝産物のクロマトグラフィー分離は、ナノ-AQUITY超高性能液体クロマトグラフィー(UPLC)システム(Waters Corp.)を用いて行われた(Burnsら(2010)の全方法に関する補足的方法を参照のこと)。
Micromass四重極-飛行時間型Premiere機器(Waters Corp.)を用いて質量分析を行った。使用したデータ収集ソフトウェアは、MassLynx NT, 第4.0版であった。質量スペクトルは、それぞれ、3,000 Vおよび20 Vに設定されたキャピラリ電圧およびサンプルコーン電圧でナノ-ESIを用い正イオンモードにて取得された。MS取得速度は、0.1秒の走査間遅延を用い、1.0秒に設定された。98%のアルゴンガスを衝突ガスとして利用し、衝突エネルギーを100〜1,000 m/zの質量範囲に対して13〜46 Vまで変化させた。LC-MS-MSに対して選択されたイオンは、オリジナルのLC-MS操作の手分析後に特定され、対応する包含リストが、標的データ依存性の取得実験に対して作出された。
8.3. ADME毒性スクリーニング用のさまざまなシノラブディス・エレガンス株
シノラブディス・エレガンスのいくつかの野生型(WT)株が利用可能であり(詳細にはhttps://www.cbs.umn.edu/cgc/strains (College of Biological Sciences, University of Minnesotaを参照のこと)、最も一般的にはN2株である。
さまざまなWT株において特定の化学物質の蓄積によって誘導される同じ生化学的変化を測定することにより、特定の毒性機構に関連している的確なバイオマーカーを検証することが可能である。
時間に沿って毒性の進展を追跡することにより、虫の寿命に及ぼすそのような変化の影響を予測することが可能である。
多数のシノラブディス・エレガンス変異株も存在し、例えばCaenorhabditis Genetics Center of Minneapolis, USAにて利用可能である。
細胞代謝経路の1つまたはいくつかの分子アクターのノックアウト株は、哺乳動物において薬物毒性を予測するのに非常に有用である。
実際、解毒機構は哺乳動物およびシノラブディス・エレガンスにおいて非常に似通っている[Lindblom and Dodd, 2006]。
特に酸化的ストレスに関連して、シノラブディス・エレガンスのミトコンドリアの構造および機能は、ヒトにおいて観察されるものに非常に近い[Murfitt et al, 1976]。
生体異物の代謝に関与する主な酵素が見出されている: チトクロームP450 (78遺伝子)、短鎖デヒドロゲナーゼ - SDR (68遺伝子)、またはUDP-グルクロノシル-トランスフェラーゼグリコシル - UGT (63遺伝子)、フラビン-モノオキシダーゼ - FMO (5遺伝子)、グルタチオンSトランスフェラーゼ - GST (48遺伝子)、スルホトランスフェラーゼ、メチルトランスフェラーゼ、アセチルトランスフェラーゼなど。
また、生体異物の輸送に関与する担体ATP結合カセット(60遺伝子)の存在に留意することも興味深い。
加えて、線虫の腸細胞および排泄系を形成する細胞は、ヒトにおいて見出される肝臓および腎臓に相当する機能を担う。
いくつかの比較研究から、線虫において潜在的毒性について試験された物質の分類が確立されており、げっ歯類においてなされた測定結果との相関が示されている[Cole et al, 2004; Dengg and van Meel, 2004; Williams et al, 2000]。これらの研究は、シノラブディス・エレガンスが、薬物の毒性を評価するためのモデル生物として正当であると立証するものである。
WT株および変異株において同じ化学物質によって誘導された変化を比較することにより、変化した細胞代謝経路のなかで、いくつかの分子アクター間の機能的相互作用を特定および定量化することが可能である。
20〜25℃の通常の増殖条件において生殖力のない、温度感受性変異株TJ1060の使用により、虫の短時間の授精周期に固有の問題を克服すること、およびプレートウェル中の個体の数を制限することが可能になる。これは、反復投与での慢性毒性の研究に対する大きな利点である。
CL2166などの株は、グルタチオントランスフェラーゼGST-4プロモーターの制御下でGFPに連結されたいくつかの遺伝子を発現する。この酵素は、生体異物の刺激後に発現され、その代謝に関与する。
TJ375株において、GFP発現はHSP 16-2プロモーターによって制御される。HSPは敗血症、化学的ストレスおよび毒性ストレスに感受性があり、細胞ストレスマーカーと見なすことができる。
参考文献




  1. 関心対象の化合物を含有できる小胞を含む、線虫による関心対象の化合物の取り込みを誘導する担体システムであって、該小胞が、その表面上に該線虫に対して化学誘引性であるタグ物質を提示する、担体システム。

  2. タグ物質が前記小胞の表面に共有結合で連結されている、請求項1記載の担体システム。

  3. タグ物質が、細菌オートインデューサー、特にAI-2またはアシル化ホモセリンラクトンからなる群より選択される、請求項1記載のシステム。

  4. タグ物質が、細菌オートインデューサーに対する受容体、特にAI-2またはアシル化ホモセリンラクトンに対する受容体からなる群より選択される、請求項1記載のシステム。

  5. タグ物質が、アミノ酸、ヌクレオチドおよびビタミンからなる群より選択される、請求項1記載のシステム。

  6. タグ物質が、リンカー物質によって担体システムに連結された細菌全体である、請求項1記載のシステム。

  7. リンカー物質がマルトースベースの多糖類を含み、該マルトースベースの多糖類が、線状ポリマー、環状ポリマー、分岐状ポリマーおよびこれらの混合物からなる群において選択される共有結合で連結されたマルトースの繰返し単位のポリマーである、請求項6記載のシステム。

  8. リンカー物質が、2000 g/mol以下の分子量を有するマルトデキストリンまたはマルトデキストリン類似体である、請求項7記載のシステム。

  9. 前記小胞にカプセル化された蛍光マーカーをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項記載のシステム。

  10. 請求項1〜9のいずれか一項記載の担体システムを含む、線虫用の栄養組成物。

  11. タグ物質がビオチンである、およびビオチンと少なくとも2つのビオチン結合部位を含むビオチン結合タンパク質とをさらに含む、請求項10記載の栄養組成物。

  12. 線虫による関心対象の化合物の取り込みを促進させるための請求項1〜9のいずれか一項記載の担体システムの使用。

  13. 請求項1〜9のいずれか一項記載の担体システムを得るなどのために関心対象の化合物を小胞中に捕捉する段階、前記担体を含む栄養組成物を線虫に供給する段階、および取り込み後に線虫における関心対象の化合物の生理学的特性を評価する段階を含む、関心対象の化合物の生理学的特性を評価するための方法。

  14. 担体システムが、前記小胞にカプセル化された蛍光マーカーをさらに含む、請求項13記載の方法であって、一緒に吸収された蛍光マーカーの蛍光強度を測定し、それによって吸収された関心対象の化合物の定量化を可能にする、方法。

  15. 変異/多型が存在する線虫に、関心対象の化合物を含有する請求項1〜9のいずれか一項記載の担体システムを供給する段階、ならびに前記関心対象の化合物の取り込みおよび分解を、前記変異/多型が存在しない線虫に供給された前記関心対象の化合物の取り込みおよび分解と比較する段階を含む、遺伝子における変異/多型の影響を評価/決定するための方法。

 

 

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