全血溶血センサ

著者らは特許

G01N27/327 - 生化学的電極

の所有者の特許 JP2016517514:

インストゥルメンテーション ラボラトリー カンパニー

 

【課題】現在の方法はいずれも、無濾過の又は遠心分離していない全血において、溶血を決定するために機能しない。
【解決手段】
本発明は、溶血センサ、溶血センサシステム、及び溶血センサ又は溶血センサシステムを利用して、試料、例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、又は溶血した血液中の溶血をモニタリング又は検出する方法に関する。溶血センサは、全血中の溶血を検出するための方法として、細胞外ヘモグロビンレベル、例えば、全血試料中の細胞外ヘモグロビンに応答する。
【選択図】 図1

 

 

本発明は、溶血センサ、溶血センサシステム、及び溶血センサ又は溶血センサシステムを利用して、試料、例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、又は溶血した血液試料中の溶血をモニタリング又は検出し、試料中の電解質、例えば、カリウムのレベルに対する溶血の関与を評価する方法に関する。
血液の細胞部分及び流体部分を合わせたものを意味する、全血中の分析物の濃度は、赤血球中に見出される分析物の濃度とは、量に顕著な差があることがある。例えば、全血中では、カリウムレベルは通常約4.0mMである一方で、赤血球中のカリウム濃度は通常約150mMである。
患者から全血を収集し処理する過程で、一部の細胞、特に赤血球は、物理的に損傷を受けて、赤血球の破裂を引き起こすことがある。赤血球が破裂する現象は、「溶血」として知られている。全血試料中で溶血が起こると、赤血球の含有物が、血漿又は一部の場合血清と呼ばれる、全血の無細胞部分の含有物と入り混じる。通常は赤血球中に見出され血液の流体部分中には遊離していない全血の構成要素であるヘモグロビン、及び他の細胞内要素、例えば、カリウムが、赤血球の細胞内区画から血液の流体部分、即ち、血漿又は血清中に放出される。
赤血球中のカリウムの濃度は、正常血漿中のカリウムの濃度よりも25〜75倍高いことから、患者の溶血した血液試料の流体部分中のカリウムを測定することにより、人為的な結果、例えば、患者の実際の血漿カリウムレベルの人為的な測定値上昇が誘導される。溶血していない血液の流体部分中のカリウム濃度は、数多くの状態の重要な指標である。溶血した血液中でカリウムの濃度を過大評価することにより、患者が、その患者の溶血していない血液試料中で、実際には低濃度のカリウムを有し得る場合であっても、高カリウム血症(血中カリウムの増加)について処置されることがある。残念ながら、比較的少数の破裂した赤血球のみにより、血中カリウムレベルの人為的な上昇が生じ得る。
血液試料が溶血した場合の血漿カリウムの上昇に加えて、他の分析物、例えば、乳酸デヒドロゲナーゼ、酸性ホスファターゼ、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ、及びアラニンアミノトランスフェラーゼなども、血液の流体部分中よりも赤血球中に高濃度で存在し、これらの分析物は、溶血した血液中で人為的に上昇することがある。
患者の血液試料中の溶血を検出するための現在の方法には、血液試料を遠心分離して血液細胞を取り除き、次いで、光学的方法によって、血漿部分におけるヘモグロビンの存在を決定することが含まれる。ヘモグロビンは、普通溶血していない血液試料の色が淡黄色である場合、ピンク又は赤色を血漿に付与する。現在の方法はいずれも、無濾過の又は遠心分離していない全血において、溶血を決定するために機能しない。
一態様では、本発明は、全血試料中の溶血を検出するための電気化学センサシステムであって、過酸化水素(H)の流出を増大させるための約0.1〜約50μmの範囲の厚さを含む外膜、過酸化水素を発生させるオキシドレダクターゼ酵素を含む別の膜を有する電気化学溶血センサと、全血試料をセンサの外膜と接触させるための外膜に隣接して配置された無試薬フローチャンバとを含む、電気化学センサシステムを提供する。外膜厚さは、過酸化水素の流出を増大させるように適合される。一実施形態では、外膜は、約0.1%〜約100%の範囲の含水率を含むヒドロゲルを含む。一実施形態では、オキシドレダクターゼ酵素は、グルコースオキシダーゼ、又は乳酸オキシダーゼ、又はクレアチニナーゼ及び/若しくはクレアチナーゼ並びにサルコシンオキシダーゼを含む酵素の混合物を含む。
別の態様では、本発明は、全血試料中の溶血を検出するための方法であって、電気化学センサに全血試料を導入することを含む、方法を提供する。電気化学センサは、複数の膜又は層を含む。電気化学センサの複数の膜において、複数の膜の1つは、過酸化水素を発生させることが可能なオキシドレダクターゼ酵素又はオキシドレダクターゼとして働く酵素の混合物を含む中間層を含む。複数の膜の別の1つは、血液試料と接触し、且つ過酸化水素に対して透過性でありその流出を増大させる、外膜を含む。複数の膜のさらに別の1つは、内膜を含む。電気化学溶血センサへの全血試料の導入に続いて、Hb(Fe2+)の存在下で過酸化水素によって発生する電気化学信号を検出し、ここで、溶血していない全血試料と比較して4%〜50%の範囲の検出可能な電流の減少が、全血試料中の溶血の指標である。オキシドレダクターゼ酵素は、グルコースオキシダーゼ、又は乳酸オキシダーゼ、又はクレアチニナーゼ及び/若しくはクレアチナーゼ並びにサルコシンオキシダーゼを含む酵素の混合物を含む。
別の態様では、本発明は、患者の全血試料中の分析物のレベルの上昇が、溶血に関連する人為的な結果であるかどうかを決定するための方法を提供する。本方法は、本明細書に記載された電気化学溶血センサに患者からの全血試料を導入することを含む。溶血センサは、過酸化水素を発生させることが可能なオキシドレダクターゼ酵素を含む。溶血センサはまた、約0.1μm〜約50μmの範囲の厚さを含む外膜を含む。外膜の厚さは、過酸化水素の流出を増大させるように適合される。電気化学センサに全血試料を導入した後、ヘモグロビン(Hb(Fe2+))の存在下で過酸化水素によって発生する電気化学信号を検出する。標準的な溶血していない全血試料と比較して約4%〜約50%の範囲の検出可能な電流の減少が、患者の全血試料中の分析物のレベルの上昇の原因としての溶血の指標である。
本発明の一実施形態による(図2に示した)例示的なセンサカード及び溶血センサを含めたセンサアセンブリ中のセンサバンクを包含する例示的な電気化学センサシステムを示す図である。 本発明の一実施形態による図1に示したセンサアセンブリ中のセンサバンク中に溶血センサを備えた例示的なセンサカードの逆正面を示す図である。 本発明の一実施形態による図2に示した例示的な溶血センサの断面を示す図である。 本発明の一実施形態による図2に示した例示的な溶血センサの別の断面を示す図である。 本発明の一実施形態による図2に示した例示的な溶血センサの複合層の断面を示す図である。 例示的なグルコースオキシダーゼ酵素層を有する溶血センサの別の実施形態を示す図である。 本発明による例示的なグルコースオキシダーゼ酵素層を含む溶血センサにおけるヘモグロビンのペルオキシダーゼ様活性を示すグラフである。図7中、x軸は時間を秒で表し、y軸は電流をアンペアで表す。 本発明の一実施形態によるグルコースオキシダーゼ酵素層を有する例示的な溶血センサの溶解した(lysed)血漿に対する応答を示すグラフである。図8A中、x軸は時間を秒で表し、y軸は電流をアンペアで表す。 図8Aに示した溶血センサの溶解した血漿に対する応答が線形であることを示すグラフである。図8B中、x軸は血漿ヘモグロビン(g/dL)を表し、y軸は電流をナノアンペアで表す。 全血及び溶血した血液試料についての本発明による例示的な溶血センサによって生成された実時間電流プロファイルを示すグラフである。図9A中、x軸は時間を秒で表し、y軸は電流をアンペアで表す。 図9Aに示した例示的な溶血センサの異なる容量百分率の溶解した血液に対する応答を示すグラフである。図9B中、x軸は溶解した血液(%vol/vol)を表し、y軸は電流をナノアンペアで表す。 例示的なグルコースオキシダーゼ酵素層を含む図9A及び9Bの溶血センサによって生成された較正グラフの線形部を示すグラフである。図9C中、x軸は溶解した血液(%vol/vol)を表し、y軸は電流をナノアンペアで表す。 本発明による例示的なグルコースオキシダーゼ酵素層を含む溶血センサ応答に対するpOの予想される影響を示すグラフである。図10中、x軸は酸素分圧(pO)をmmHgで表し、y軸は電流をアンペアで表す。
本発明は、溶血センサ、溶血センサシステム、及び溶血センサ又は溶血センサシステムを利用して、試料、例えば、全血試料、血漿試料、血清試料、又は溶血した血液中の溶血をモニタリング又は検出し、血液試料中の分析物、例えば、カリウムのレベルに対する溶血の関与を評価する方法に関する。
簡潔にいえば、本明細書に記載された溶血センサ及び溶血を検出するための方法は、Hに対する膜透過性を有効利用する。本明細書で使用される膜透過性は、下記でより詳細に説明するが、過酸化水素を膜の内外に容易に通過させる、溶血センサの膜(例えば、溶血センサの外膜)の性質を指す。本明細書で使用される膜透過性は、例えば、溶血センサの外膜の含水率によって調整することができる。高含水率を有する膜は、低含水率を有する膜と比較して、過酸化水素について、高い透過性を有する。本発明による溶血センサの膜含水率は、好ましくは、約30〜100%の範囲である。
本明細書で使用される膜透過性にはまた、選択的膜透過性が含まれる。例えば、溶血センサ中の妨害除去膜は、過酸化水素が膜を容易に通過することを選択的に許容する一方で、他の物質、例えば、妨害物質の透過性に対する障壁として作用する。本明細書で使用される選択的膜透過性にはまた、1つ又は複数の溶血センサ膜(例えば、外膜)が、一部の粒子に膜を自由に通過させる(例えば、過酸化水素)一方で、他の物質、例えば、全血試料に由来するタンパク質分子の通過を遅らせる又は完全に防止する能力が含まれる。
本発明の一実施形態によれば、溶血センサは、全血試料中の細胞外ヘモグロビン(以後、別段の明記がない限り「ヘモグロビン」と称される)のペルオキシダーゼ様活性を有効利用する。基質(例えば、血中グルコース)がガス(例えば、酸素)の存在下でオキシドレダクターゼ酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ)と反応すると、過酸化水素(H)が基質(例えば、血中グルコース)から生成され、HOは、全血試料の流体部分中に存在する細胞外ヘモグロビンによって消去(scavenge)される。
本明細書で使用される「消去される」は、Hが溶血センサ中のヘモグロビンと接触すると、ヘモグロビンによってHがより小さい成分へと分解又は破壊されることを指す。
ヘモグロビンに誘導される過酸化水素のより小さい成分への分解又は破壊は、溶血センサにおける過酸化水素拡散勾配を発生させて、過酸化水素を好ましくは、過酸化水素を発生させる溶血センサの膜、例えば、下記でより詳細に説明する中間酵素膜から、溶血センサ内に導入された血液試料中の細胞外ヘモグロビンと接触している外膜の外表面を通じて及び外膜の外表面へと拡散させる。
溶血センサ中のヘモグロビンの消去作用により、作用電極、例えば、白金電極における酸化に必要なH利用率が、溶血センサ中にヘモグロビンが存在しない場合と比較して減少する。ゆえに、溶血センサ中のヘモグロビンの存在下では、作用電極によって発生する電流が、溶血していない血液試料と比較して少なくなる。
血漿又は血清中の細胞外ヘモグロビン(赤血球の外側の)のみが過酸化水素と反応し、溶血に関する信号を生成することに留意することは重要である。赤血球内部のヘモグロビンは、溶血センサに対して作用を及ぼさない。
本発明の別の実施形態では、本発明による溶血センサは、全血の流体部分中の同じ分析物の濃度よりも高い細胞内濃度を有する、患者の血液試料中の様々な分析物、例えば、カリウム、クレアチニン、又はマグネシウムの濃度の増加が、血液試料中の溶血、即ち、赤血球の完全性の喪失に起因するかどうか、又は血液試料を採取した患者における何らかの生理学的異常に起因するかどうかを評価するのに有用である。下記の表1は、無傷赤血球中で高い細胞内濃度を有する分析物である、カリウムの細胞外濃度に対する溶解した赤血球の作用を例示している。

全血中の分析物レベル、例えば、カリウムの増加が、全血試料の溶血に起因するか、又は他の治療を必要とし得る他の不特定の原因に起因するかを、本発明による溶血センサによって決定することができる。したがって、全血試料の溶血は、全血試料中の分析物、例えば、カリウム、クレアチニン、又はマグネシウムの濃度の変更、典型的には、増加と相関する可能性がある。したがって、一態様では、本発明は、全血試料の細胞要素の存在下で細胞外ヘモグロビンの存在を検出し、血液試料、好ましくは、全血試料中の分析物の細胞外レベルの増加を血液試料中の溶血と相関させるための溶血センサ又は溶血センサシステムを対象とする。
一般的に、本明細書に記載された溶血センサは、下記でより詳細に説明する図1に示した例示的な電気化学システム8の部品、例えば、交換部品である。
電気化学センサシステム
図1を参照して、本発明による一実施形態では、電気化学センサシステム8は、一般的に10に示されるセンサアセンブリを採用しており、これは、センサアセンブリ10に導入された試料、例えば、血液試料、例えば、全血試料に対して電気的測定を行うように適合された、図2に示した溶血センサ110を含めた複数の電極を組み込んでいる。複数の電極における他の電極には、グルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、pCO93、pH94、K90、Ca++86、Na78、及びpO70の1つ又は複数が含まれ得る。システム8によって分析される全血試料は、溶血センサ110の、下記でより詳細に論じる外膜51の外表面200に導かれる。本発明の一実施形態では、システム8によって分析される血液試料、例えば、全血は、試料注入口13aを通じて導入される。血液試料は、例えば、シリンジ、チューブ、真空管システム、静脈穿刺、瀉血によって入手されるか、又は定期的に、例えば心臓切開手術の間に患者に接続される体外血流回路から得られる。全血試料は、試料注入口13aを介して若しくは他の自動的手段によって、又は手動で、例えば、シリンジによって、外膜51の外表面200と接触したセンサチャネル56内に導入される。或いは、図2に示したように、全血試料を、別個の試料として導入してもよい。全血試料は、溶血センサ110において全血試料を溶血について分析する前又は間に、遠心分離に全く供されない。
図2を参照して、本発明の一実施形態では、溶血センサ110は、無試薬チャンバ、例えば、センサチャネル56を含む。無試薬チャンバ56は有利であり、その理由は、溶血センサ110が、溶血センサ110において全血を溶血について分析する前又は間に、ヘモグロビンを測定するために全血試料に添加される比色試薬又は他の試薬を必要としないからである。
図1及び図2を引き続き参照して、本発明の一実施形態では、電気化学システム8は、使い捨てカートリッジ37を備える(図1)。カートリッジ37は、センサアセンブリ10に導入された試料、例えば、血液試料、例えば、全血試料に対して電気的測定を行うように適合された、溶血センサ110を含めた(図2に示した)複数のセンサを備えたセンサアセンブリ10を組み込んでいる。複数のセンサにおける他の電極には、グルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、pCO93、pH94、K90、Ca++86、Na78、及びpO70の1つ又は複数が含まれ得る。一実施形態では、カートリッジ37はまた、センサアセンブリ10を備えた電気化学センサカード50を組み込んでいる。
図1を参照して、カートリッジ37は、センサアセンブリ10を備えた、例えば図1〜3に示したセンサカード50(電極又はサポートカードとしても知られている)を含有し、これは、低容量の気密チャンバを提供し、ここで、試料、例えば、全血試料、内部標準溶液、又はモノマー含有溶液が、1つ又は複数の電気化学センサ、例えば、溶血センサ110、pH94、pCO93、pO70、Na78、Ca++86、グルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、及びヘマトクリットセンサに提示される。
図1を引き続き参照して、本発明の一実施形態では、電気化学センサシステム8は、カートリッジ37中に少なくとも3つのパッケージング済み容器14、16、及び17を組み込んでおり、これらはそれぞれ、システム8によって測定されるパラメータの既知の値を有する内部標準溶液を含有する。パッケージング済み容器14、16、及び17はそれぞれ、パッケージング済み容器14、16、17が空になる前に、システム8中のセンサアセンブリのセンサが相当な回数較正されることを可能にするのに十分な分量のその内部標準溶液を含有する。内部標準溶液を含有する容器14、16、及び17の1つ又は複数が空になったら、パッケージング済み容器14、16、及び17を含有するカートリッジを交換する。
図2を参照して、センサチャネル56内に導入された血液試料、例えば、全血試料、又は内部標準溶液容量が、センサチャネル56を通じて出力セクション34へと通過する場合、これは、図2に示したように、多数のセンサ、例えば、溶血センサ110上を通過する。例えば、血液試料及び/又は内部標準溶液は、溶血センサ110、pOセンサ70、Naセンサ78、Ca++センサ86、Kセンサ90、グルコースセンサ91、乳酸センサ92、pCOセンサ93、pHセンサ94、ヘマトクリットセンサ98、100、クレアチニンセンサ116、及びクレアチンセンサ118上を通過させることができる。
図1をなお参照して、カートリッジ37はまた、参照電極を取り囲む溶液のための容器28を備える。容器28は、フローライン30によってセンサアセンブリ10に接続される。システムは、センサアセンブリ10を通過した後に、血液試料、内部標準溶液、及び参照電極用溶液28を受容する、廃液容器32をさらに備える。一実施形態では、センサアセンブリ10は、これらの試料(例えば、血液試料)を、可撓性導管34を介して廃液容器32に移送する。図1をなお参照して、電気化学センサシステム8は、溶血センサ110を備えたセンサアセンブリ10を格納するカートリッジ37を電気化学センサシステム8に挿入すると形成される。挿入すると、センサアセンブリ10は、ヒータブロックアセンブリ39にはまり込む。
センサアセンブリ10は、バンク中に多数のエッジコネクタ36を有していてもよく、これにより、電気インタフェース38の適合するメスコネクタに差し込むことが可能になり、その結果、アセンブリ10上に形成された電極を、アナログボード45を通じてマイクロプロセッサ40に接続することができる。マイクロプロセッサ40は、バルブドライバ43を介してライン42によってマルチポートバルブ18に、またポンプドライバ45を介してライン44によって蠕動ポンプ26のモータに接続される。
図2を参照して、例として、センサアセンブリ10中のセンサカード50は、一実施形態では、構造的に剛性の長方形のカード、例えば、ポリ塩化ビニルからなり、例えば、長方形のアルミニウム(又は他の好適な材料)のカバープレート52が、その表面の一方に接着されている。本発明の一実施形態では、カバープレート52は、カード50の一方の表面に形成された、センサの膜に血液試料を導入するセンサフローチャネル56を封鎖し、また熱サイクルによるセンサの水和のための熱移動媒体として、並びに較正の間及び患者全血試料中の関連パラメータを測定する間、センサアセンブリ10を通じて流れる流体及び電極自体を一定の温度で維持するように作用する。試料フローチャネルは、一実施形態では、試料中に導入される試薬を含まず、即ち、チャンバは無試薬である。これは、プレート52の温度を測定し、好適な加熱又は冷却素子、例えば、ペルチェ効果デバイス及びサーミスタ41(図1)を採用して、プレート52の温度を所望の温度に維持することによって実現することができる。
図3は、本発明の一実施形態による図2に示した例示的な溶血センサ110を示す。図示された溶血センサ110は、本明細書に記載された3つの層を含む複合膜60(層及び膜という用語は、膜を表すのに本明細書で互換的に使用される)を備え、3つの層とは、まず、血液試料と接触している層、即ち、外層51(外膜とも称される)、続いて、中間層53の片側で外層51と接触し、且つ中間層の反対側で内層と接触した、中間層53(酵素層又は酵素膜とも称される)、下記でより詳細に説明する内層55(内膜又は妨害除去層とも称される)であり、内層は、内層の片側で中間層と、且つ内層の他方の側で作用電極57と接触しており、電極57は、金属、例えば、白金製である。
溶血センサは、センサカード50内のチャネルであるセンサチャネル56の床面に配置される(図2)。センサカード50は、低容量の気密フロースルーチャンバを提供し、ここで、患者試料、例えば、全血(例えば、溶血した血液)、血漿、又は血清が、これらに限定されないが、溶血110(細胞外ヘモグロビン)、グルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、pCO93、pH94、K90、Ca++86、Na78、pO70センサを含めた、カード50上の1つ又は複数のセンサに提示される。一実施形態では、溶血センサ110は、参照電極及び対電極を備える。
ここで図3〜6を参照して、溶血センサ110の複合膜60は、化学反応(例えば、酵素反応)によってHを発生させる層53を備える。複合膜60は、2つ、3つ、又はそれ以上の膜(又は層)、例えば、センサチャネル56と接触して配置された外膜(又は外層)51と、オキシドレダクターゼ酵素、例えば、グルコースオキシダーゼを含む酵素膜(又は酵素層)53と、作用電極と接触した妨害除去内膜(又は妨害除去内層、又は内層)55とを含む(図4〜6)。
溶血センサの複合膜の外層又は外膜
図3を参照して、外膜51は、一般的に、試料フローチャンバ56内の患者全血試料と接触して溶血センサ110の表面に配置される。外膜51は、ポリウレタン成分、例えば、これに限定されないが、約45〜100%の含水率を有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンから構成され、これは、Hが外膜51の外表面を通じて溶血センサ110中から血液フローチャンバ56へと拡散することを容易に許容し、そこで、Hは、全血試料と混ざり合う。
本発明の一実施形態では、外膜51の厚さは、中間層(例えば、酵素層53、及び内層(例えば、妨害層55)、又は作用電極57からの外膜51を通じたH拡散の速度を制御し、したがって、一実施形態では、溶血センサ110の外膜51の厚さは、高H濃度の領域(例えば、酵素層53、他の内層(例えば、妨害層55)、又は作用電極57から低H濃度(例えば、外膜51)への、外膜51を介したHの正味の移動に基づいて選択される。
従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサでは、これらのセンサにおいて使用される外膜の厚さは、溶血を測定するために不利であり且つ機能せず、その理由は、これらのセンサ中の外膜のHに対する透過性が、本明細書に記載された本発明による溶血センサ110における外膜のHに対する透過性と比較して、低いからである。結果として、従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサの外膜は、膜を介した(即ち、内膜から外膜方向への又は外膜を通じて膜の表面への)H拡散を許容せず、したがって、本明細書に記載された溶血センサにおいて機能しない。従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサでは内膜から外膜へのHの拡散がほとんど又は全くないため、本発明による溶血センサの外膜の透過性を特徴付ける過酸化水素透過性の増加により作用電極における酸化に必要なH利用率が減少する溶血センサ110と比較して、作用電極、例えば、白金電極における酸化に必要なH利用率が減少しない。そのため、全血に由来する細胞外ヘモグロビンの存在下で電流の振幅の十分な減少をもたらす溶血センサ110と比較して、従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサは、全血に由来する細胞外ヘモグロビンが存在するかどうかにかかわらず、電流の振幅の十分な減少をもたらさない。
加えて、従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサでは、これらのセンサにおいて使用される外膜の厚さはまた、溶血センサ110において不利であり且つ機能せず、その理由は、従来の外膜(グルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサ中の)は、溶血センサ110中の外膜と比較して、溶血センサ110において過酸化水素を発生させるのに必要とされる基質(例えば、グルコース)に対する透過性が低いからである。溶血センサ110では、従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサにおける過酸化水素発生と比較して、十分に多くの過酸化水素発生が、溶血センサ110による溶血の検出のために必要である。
さらに、従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサの外膜を有する溶血センサ110は、溶血を測定するために機能せず、その理由は、従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサによって提供される外膜の厚さが、溶血センサ110において使用した場合、恐らくは従来のグルコース91、乳酸92、クレアチン118、クレアチニン116、又はpO70センサの外膜のHに対する低い透過性により、全血試料中の細胞外ヘモグロビンの存在下で電流の振幅の減少に関して誤った結果を発生させるからである。
本発明の一実施形態では、ヘモグロビンセンサ110の外膜51の厚さは、約0.01μm〜約100μm、約0.01μm〜約90μm、約0.1μm〜約80μm、約0.1μm〜約70μm、約0.1μm〜約60μm、約0.1μm〜約50μm、約0.1μm〜約40μm、約0.1μm〜約30μm、約0.1μm〜約20μm、好ましくは、約0.1〜約15μm、より好ましくは、約0.1〜約10μmの範囲である。
本発明の代替的な実施形態では、外膜51は必要でなく、患者の溶血した全血試料中の細胞外ヘモグロビンは、酵素中間層53を透過し、外膜51の非存在下で、溶血センサ110の酵素中間層53中のHと直接相互作用することが企図される。
本発明の一実施形態では、外膜51は、約0.1%〜約100% 約0.5%〜約100%、約1%〜約90%、約5%〜約80%、約10%〜約75%、約20%〜約60%、約30%〜約50%、好ましくは、約40%〜約70%、より好ましくは、約60%〜約70%の範囲の含水率を有するヒドロゲルを含む。0〜5%、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、80〜90%、又は90〜100%の範囲の含水率を有する本発明による外膜51もまた企図される。
本発明による一実施形態では、溶血センサ110の外膜51の、水に浸したときのヒドロゲルの膨張として定義される線膨張は、約0.1%〜約100%、約0.5%〜約100%、約1%〜約100%、約5%〜約100%、約10%〜約100%、約20%〜約100%、約30%〜約100%、約40%〜約100%、約50%〜約100%、約60%〜約100%、約70%〜約100%、約80%〜約100%、約90%〜約100%、又は約100%、好ましくは、約15%〜約65%、より好ましくは、約20%〜約45%の範囲である。
本発明による一実施形態では、外膜層51は、ポリウレタン成分から構成されるヒドロゲルを含む。例えば、外膜の組成は、45〜100%の含水率を有する脂肪族ポリエーテルポリウレタンである。
本発明による溶血センサ110の別の実施形態では、外膜51の粘度は、外膜51の厚さを調節する。膜の厚さは、外膜51を介したH拡散の速度を制御する。例えば、外膜51の粘度は、約0センチポアズ(cps)〜約10,000cps、約0〜約9,000cps、約0〜約8,000cps、0〜約7000cps、約0〜約6000cps、約0〜約5000cps、約0〜約4000cps、約0〜約3,000cps、約0〜約2000cps、約0〜約1000cps、約0〜約900cps、約0〜約800cps、約0〜約700cps、約0〜約600cps、約0〜約500cps、約0〜約400cps、約0〜約300cps、約0〜約200cps、約0〜約100cps、約0〜約90cps、約0〜約80cps、約0〜約70cps、約0〜約60cps、約0〜約50cps、約0〜約40cps、約0〜約30cps、約0〜約20cps、約0〜約10cps、約0〜約1cps、好ましくは、約10cps〜約5000cps、より好ましくは、約10cps〜約2500cpsの範囲である。
図4及び5を参照して、本発明のさらに別の実施形態では、外膜51の透過性は、溶血センサ110における異なる膜層を介した分子のランダムな動きによるHの拡散を許容し、又は溶血センサ110における高濃度の領域、例えば、内膜(例えば、酵素膜53)から外膜51への或いは外膜51から外膜51の表面200への、Hの正味の動きを許容する。例えば、過酸化水素の拡散は、酵素層53若しくは妨害除去層55から又は作用電極57中及びその付近、即ち、そのごく近傍からチャネル56内の全血試料へと起こる。別の実施形態では、外膜51の透過性は、H濃度又は勾配が変化するために飽和されない、即ち、外膜51は、H濃度又は勾配が、酵素層53若しくは妨害除去層55又は作用電極57中及びその付近、即ち、そのごく近傍から外層51の外表面200へと変化する(即ち、増加又は減少する)ためにHで飽和されない。別の実施形態では、外膜51は、全血又は血漿中の異なる構成要素、例えば、これらに限定されないが、電解質、酸素、ヘモグロビン、二酸化炭素、重炭酸塩、メタン、タンパク質の拡散が、内膜(例えば、酵素膜53)から外膜51方向へのHの拡散を妨害しないような材料(例えば、脂肪族ポリエーテルポリウレタン)から構成される。
全血中の溶血をモニタリング又は検出するための溶血センサの電気信号出力は、個々の患者の全血試料、例えば、溶血した全血試料中で起こり得る、酸素分圧(pO)の変動によって影響される。その理由は、このセンサは酸素に対して透過性のヒドロゲル外膜を採用しており、過酸化物形成はpOレベルに依存するからである。酸素分圧は、患者の全血に由来する酸素がどの程度溶血センサ110の酵素中間層53における酵素反応に利用可能であるかを示す。
溶血センサ応答に対するpOの影響を決定するための例示的な研究において、高pOでは、低pOと比較して、同じレベルの基質、即ち、グルコースについて、より高い応答が確保されることが見出された。例えば、図10中、1%の溶解した血液における203mmHgのpO圧力は、1%の溶解した血液における19.8mmHgのpO圧力と比較して、高い酸素利用率を示す。ゆえに、全血中の溶血を検出する溶血センサ110の感度は、患者の全血中のpOの増加とともに増加する。したがって、本発明の一実施形態によれば、全血中の溶血に対する溶血センサの応答は、溶血センサ110の外膜51を通じた酸素の流入を変更することによって変動させることができる。
図10は、溶血センサ110の応答の感度に対する全血pOの影響を例示しているが、一定の酸素分圧では、溶血センサ110の作用電極57において発生する電流は、ヘモグロビンの非存在下で作用電極57において発生する電流と比較して、ヘモグロビンの存在下では常に低いことに留意されたい(図9Aの200mmHgのpOにおける1%の溶解した血液及び全血についての電流出力を比較されたい)。
本発明の別の非限定的な例示的な実施形態では、外膜51は、複合膜60の酵素層53に、テトラヒドロフラン溶媒20.0mL、59%吸水ポリウレタン0.2gの溶液を分注することによって生成される。
別の実施形態では、外膜51が本発明の実施形態に従って包含される場合、1つ又は複数の市販の膜、例えば、AdvanSource Biomaterials(Wilmington、MA)から入手可能なD1、D2、D3、D4、D6、D640、D7、及びHYDROSLIPが使用される。市販の外膜の特性を下記の表2に示す。

酵素層53の上に直接積層され、それと接触している外膜51は、酵素層53に包埋された酵素49、例えば、グルコースオキシダーゼ及び酵素49が包埋されている安定化マトリックスが、チャネル56内の試料に由来する分解タンパク質又は化合物に曝されるのを防止することによって、酵素層53を保存する働きをすることもできる。同様に、外膜51は、酵素層53からの酵素49の拡散を防止することができる。外膜51は、上記で論じたように、試料から酵素層53への、基質(例えば、グルコース、乳酸、クレアチン、及びクレアチニン)及び酸素の拡散の速度を制御する働きをすることもできる。図3及び4をなお参照して、一実施形態では、溶血センサ110の外膜51は、一般的に、酵素層53からのHの拡散を制御又は調節する働きをする。外膜51は、溶血センサ110の他の成分をチャネル56内の試料の構成要素との直接的な接触から保護することもできる。一実施形態では、外膜51は、1つ又は複数のポリウレタン系化合物を含むポリマー膜である。膜の親水性又は疎水性は、ポリマー化合物の種の混合によって決定される。例えば、膜の親水性を増加させると、Hがより急速に膜を通じて拡散する能力を助長又は促進することができる。外膜51の最適な組成は、Hの拡散速度の最適なバランスが典型的な条件下で存在する濃度である。
図4を参照して、外膜51は、溶血した試料(例えば、全血)が、一般的に酵素層から拡散するHと接触するための手段を提供する。例示的な実施形態では、溶血した試料が外層51の外表面200に置かれると、溶血した試料から放出されたヘモグロビン含有物が、酵素層53から外層51へと拡散するHを消去する。
一実施形態では、酵素層53の上に直接積層され、それと接触している外膜51は、酵素層53に包埋された酵素49及び酵素49が包埋されている安定化マトリックスが、チャネル56内の患者血液試料中に存在する分解タンパク質又は化合物に曝されるのを防止することによって、酵素層53を保存する働きをすることもできる。同様に、外膜51は、酵素層53からの酵素49の拡散を防止することができる。外膜51は、試料から酵素層53への、基質(例えば、グルコース、乳酸、クレアチン、及びクレアチニン)及び酸素の拡散の速度を制御する働きもする。
一実施形態では、外膜が存在しない場合、下記でより詳細に論じる酵素層51は、試料がセンサチャネル56に沿って溶血センサ110上を流れるときに、試料と接触する。作用電極57における過酸化水素の酸化によって発生する電気信号は、作用電極57中の白金線によって運ばれ、図1に示した電気インタフェース38及び接点36と電気的に連通している導体61に伝達される。
溶血センサの中間層又は中間膜(酵素層)
図4をなお参照して、溶血センサ110の酵素層53は、酵素層53のマトリックス中に安定化されている少なくとも1つの酵素49を備える。酵素49は、特定の基質が関わる酵素反応に必要とされる。一実施形態では、酵素49には、酵素活性を有する少なくとも1つのタンパク質が含まれる。他の実施形態では、酵素49には、例えば、いくつかの酵素、タンパク質、及び安定剤の混合物が含まれる。
本発明の例示的な実施形態では、タンパク質酵素49は、溶血センサ110の酵素層53に包埋されている、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、又は酵素の混合物(例えば、クレアチニナーゼ及び/又はクレアチナーゼ並びにサルコシンオキシダーゼ)である。溶血センサ110は、H発生器であり、即ち、溶血センサ110は、酵素層53中の酵素49が酵素基質と接触すると、Hを発生させる。例示的な実施形態では、溶血センサ110は、酵素層53中にグルタルアルデヒド及びグルコースオキシダーゼを備える。一実施形態では、溶血センサ110は、グルコースオキシダーゼ1グラム当たりグルタルアルデヒド0.10gを備える。別の例示的な実施形態では、溶血センサ110は、酵素層53中にグルタルアルデヒド、ウシ血清アルブミン、及び酵素安定剤、例えば、ポリエチレンイミンなど、及び乳酸オキシダーゼを少なくとも備える。一実施形態では、溶血センサ110は、例えば、45重量%の乳酸オキシダーゼ、45重量%のウシ血清アルブミン、5重量%のポリエチレンイミン(酵素安定剤)、及び5重量%のグルタルアルデヒドを備える。乳酸オキシダーゼ及びウシ血清アルブミンの重量分率は変動してもよい。酵素層中のポリエチレンイミンの重量パーセントは変動してもよく、グルタルアルデヒドの重量パーセントは変動してもよい。他の酵素安定剤には、これらに限定されないが、ポリイオン化合物、例えば、ポリプロピレンイミン、ポリ(N-ビニルイミダゾール)、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリリジン、プロタミン、及びそれらの誘導体が含まれる。
本発明のさらに別の実施形態では、溶血センサ110の酵素層53は、グルコースオキシダーゼ又は乳酸オキシダーゼのみの溶血センサ110を使用したHの特異的生成の代わりに、酵素層53のマトリックスに包埋された、いくつかの酵素、タンパク質、及び安定剤の混合物を備える。
酵素混合物は、溶血センサ110において使用されてHを発生させ、これは、溶血した全血に由来するヘモグロビンによって消去される。本発明の例示的な実施形態では、溶血センサ110は、例えば、5重量%のクレアチニナーゼ、55重量%のクレアチナーゼ、30重量%のサルコシンオキシダーゼ、5重量%のポリ(N-ビニルイミダゾール)(酵素安定剤)、及び5重量%のグルタルアルデヒドの混合物を備える。
溶血センサ110中のクレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、及びサルコシンオキシダーゼの重量分率、並びに溶血センサ110中のクレアチナーゼ及びサルコシンオキシダーゼの重量分率は変動してもよい。溶血センサ110中のポリ(N-ビニルイミダゾール)の重量パーセントは変動してもよく、例えば、1%〜20%であり、クレアチニン及びクレアチン電極中のグルタルアルデヒドの重量パーセントもまた変動してもよく、例えば、1%〜10%である。ポリ(N-ビニルイミダゾール)以外のポリイオン安定剤を、酵素混合物を安定化するために使用することもできる。ポリイオン化合物の例には、これらに限定されないが、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン、ポリアリルアミン、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリリジン、プロタミン、及びそれらの誘導体が含まれる。
一実施形態では、グルコースオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、酵素の混合物(例えば、クレアチニナーゼ及び/又はクレアチナーゼ並びにサルコシンオキシダーゼ)を含む溶血センサの酵素層53は、酵素、安定剤、例えば、ポリエチレンイミン又はポリ(N-ビニルイミダゾール)、及び他のタンパク質、例えば、ウシ血清アルブミンの架橋マトリックスからなる。酵素、安定剤、及び他のタンパク質分子の架橋は、例えば、グルタルアルデヒド及びジアルデヒドを用いて達成される。他の架橋試薬、例えば、1,4−ジイソシアナトブタン、ジイソシアナト(diisocyanato)、1,2,7,8−ジエポキシオクタン及び1,2,9,10−ジエポキシデカン、両方のジエポキシドを使用することもできる。酵素マトリックスにおける酵素分子の架橋並びにポリイオン安定剤及び不活性タンパク質の使用により、酵素電極の貯蔵寿命及び使用寿命を顕著に延長することができる。
内層又は内膜(妨害除去膜)
図3及び4を参照して、溶血センサ110はまた、白金導線を有する作用電極57と緊密に接触した復元可能なポリマー膜である、妨害除去内膜又は層55を備える。妨害除去内膜55は、電解重合性モノマーが溶血センサ110上のポリマー内膜へと重合することによって形成される。好適な電解重合性モノマーには、ベンゾチオフェン、フェニレンジアミン(例えば、m-フェニレンジアミン(PDA)、及び例えば、フェノール)が含まれる。妨害除去内膜55は、作用電極57中の線を、溶血センサ110が適切に働くのを妨害する試料中の化合物、具体的には被酸化性化合物から絶縁又は保護する。一実施形態では、妨害除去膜は、Hのみに対して透過性であり、より大きい分子が作用電極57において酸化を起こすのを阻止し、それによって、電流応答がHのみから生じることを確実にする。
他の金属、例えば、金、炭素、銀、銅、パラジウム、及びイリジウムを、作用電極57において白金の代わりに使用することができる。
本発明による一実施形態では、妨害除去内膜55を含むポリマー膜は、電解重合性モノマーの存在下で導電線(例えば、白金線)を含む作用電極57に電位を印加することによって形成される。モノマーは、電位の存在下で、作用電極57上で重合して、図3及び4に示した作用電極57上の電気的に絶縁性の妨害除去ポリマー内膜55を形成する。溶血センサ110の酵素層53中の酵素の特定の基質に対する活性により発生する過酸化水素は、妨害除去内膜55の細孔を通過し、作用電極57と接触して、作用電極57における電気信号の発生を引き起こす。妨害除去内膜55における、より小さいサイズの細孔により、過酸化水素よりも大きい試料中に見出される化合物、例えば、アセトアミノフェン、アスコルビン酸、尿酸、システイン、及びHよりも大きい他の電気活性化合物(一般的に、妨害物質と称される)が偽信号を生成し、溶血センサの精度を低減させることを制限する。
上記の溶血センサ110は、市販の電気化学センサシステム、例えば、GEM4000(Instrumentation Laboratory Company、Bedford、MA)における使用に適合させることができる。一例として、溶血センサを以下のように調製した;酵素グルコースオキシダーゼ(GOx)溶液を、50mMリン酸緩衝液、pH7.2中で、0.1〜50mg/mlの範囲のGOx濃度で調製した。GOxを、グルタルアルデヒド溶液(0.06〜6%)と架橋させた。架橋酵素溶液を白金電極表面にドロップキャストし、30分間風乾した。同様に、テトラヒドロフラン(THF)中の外膜ヒドロゲルD2(AdvanSource Biomaterials、Wilmington、MA)(1%)を酵素層にドロップキャストし、30分間風乾した。乾燥の後、修飾白金電極を、GEM4000臨床分析装置(Instrumentation Laboratory Company、Bedford、MA)における使用のため、室温で90分間GEM4000 Cal B緩衝溶液(Instrumentation Laboratory Company、Bedford、MA)、pH7.4溶液中で水和した。
別の態様では、本発明は、全血の溶血を検出又はモニタリングするための方法を対象とする。本方法の一実施形態では、酵素層53中の少なくとも1つのオキシドレダクターゼ酵素と、過酸化水素に対して高度に透過性である外膜51とを有する本発明による溶血センサ110に全血試料を導入し、続いて、Hb(Fe2+)の存在下で過酸化水素によって発生する電気化学信号を検出する。作用電極57における全血ベースラインから4%〜50%の範囲の検出可能な電流の減少が、全血試料中の溶血の存在の指標である。
上記で論じたように、全血中の溶血により、全血試料の流体(例えば、血漿)の非細胞部分への細胞内分析物(例えば、カリウム、マグネシウム、又はクレアチニンなど)の増加が生じ、その理由は、これらの分析物(カリウム、マグネシウム、又はクレアチニン)は、破裂した又は異常に透過性の赤血球の細胞内含有物から放出されるからである。試料の収集及び処理の間の赤血球の崩壊によって生じる溶血は、臨床現場における溶血の一般的な原因である。例えば、全血中の溶血は、カリウムの分析の場合に特に問題となり、その理由は、赤血球内部のKレベルは、血漿中のカリウム濃度と比較して、約20倍上昇するからである(K-赤血球中105mmol/L対血漿中4.0mmol/L)。
例えば、溶血していない全血試料と比較して約1%の溶血は、全血Kを約0.5mmol/L誤って上昇させ、これは、溶血の非存在下で臨床的に意義があると考えるのに十分である。そのため、一態様では、本発明は、患者の全血試料中の分析物、例えば、カリウムの上昇の起源が、全血試料の人工的溶血によって導入された人為的な結果に起因するか、又は患者における生理学的異常に起因するかを評価するための方法を対象とする。
本発明の別の態様は、本発明の溶血センサ110を利用して、溶血を起こしている全血試料中の少なくとも1つの成分のレベルを検出又はモニタリングする方法に関連する。全血中の溶血を検出するためにモニタリングすることができる、全血中の少なくとも1つのそのような成分は、ヘモグロビンである。しかしながら、本発明の方法を利用して、全血中の他の血液成分、例えば、電解質、ミネラル、ガスなどを、ヘモグロビンと併せて検出又はモニタリングすることもでき、又はヘモグロビンとは独立に検出又はモニタリングすることもできる。ある特定の態様では、少なくとも1つの血液成分は、ヘモグロビンであり、これは、ヘム基によりペルオキシダーゼ様の化学的挙動を示す。したがって、一態様では、本発明の方法は、過酸化物又は全血中の血液成分のペルオキシダーゼ様活性を活用して、溶血を検出又はモニタリングする。
一態様では、電気化学システム8(図1)は、溶血センサ110の電気出力の変化を測定することによって、全血中の溶血を検出又はモニタリングするように構成される。この態様では、電気化学センサシステム8の溶血センサ110は、溶血センサ110においてヘモグロビン(ペルオキシダーゼ)が過酸化水素と反応するときにヘモグロビンによって誘導される溶血センサ110中の電流の上下変動を測定することによって、試料(例えば、全血)中の溶血を検出する。溶血センサ110におけるヘモグロビン及び過酸化水素間の相互作用の結果として、過酸化水素は、ヒドロキシル基又は水及び酸素に分解される。結果として、溶血センサ110の作用電極57(例えば、白金電極)における酸化に利用可能な過酸化水素が、溶血センサ110中のヘモグロビンの非存在下での過酸化水素の利用率と比較して少なくなる。溶血センサ110の作用電極57における過酸化水素の酸化は、溶血センサ110中の電流を発生させる。血漿又は血清中の細胞外ヘモグロビン(赤血球の外側の)のみが過酸化水素と反応し、溶血に関する信号を生成することに留意することは重要である。細胞内ヘモグロビンは、溶血センサに対して作用を及ぼさない。
電気化学システム8中の溶血センサ110によって溶血をモニタリング又は検出する方法において、本発明の溶血センサ110は、試料及び酸化剤の存在下で過酸化水素を生成する、1つ又は複数のオキシドレダクターゼ酵素を含む。
グルコースオキシダーゼを有する溶血センサ
図2及び6を参照して、酵素層53中にグルコースオキシダーゼを有する溶血センサ110は、酵素層53における酵素反応によって生成される過酸化水素を消去することによって働く。酵素、グルコースオキシダーゼは、酸化剤、酸素の存在下でグルコースを特異的に酸化し、ヘモグロビンによって消去される化合物である過酸化水素を生成する。溶血センサ110において、過酸化水素によって発生する電気化学信号は、Hb(Fe2+)の存在下で低下する。
クレアチニナーゼ及び/又はクレアチナーゼ並びにサルコシンオキシダーゼを有する溶血センサ
図2を参照して、酵素層中にクレアチニナーゼ及び/又はクレアチナーゼをサルコシンオキシダーゼとともに有する溶血センサは、そのそれぞれの酵素層における酵素反応によって生成される過酸化水素を検出することによって働く。クレアチニナーゼを有する実施形態では、溶血センサ110中の酵素層53は、3つの酵素:クレアチニナーゼ、クレアチナーゼ、及びサルコシンオキシダーゼの混合物を備える。この酵素混合物は、クレアチニン及びクレアチンを特異的に酸化し、サルコシンオキシダーゼの存在下で、過酸化水素を生成する。過酸化水素は、ヘモグロビンによって消去される。溶血センサ110において、過酸化水素によって発生する電気化学信号は、Hb(Fe2+)の存在下で低下する。
クレアチナーゼを有する実施形態では、溶血センサ110中の酵素層53は、2つの酵素:クレアチナーゼ及びサルコシンオキシダーゼの混合物を備える。この酵素混合物は、クレアチンのみを特異的に酸化し、過酸化水素を生成する。過酸化水素は、ヘモグロビンによって消去される。溶血センサ110において、過酸化水素によって発生する電気化学信号は、Hb(Fe2+)の存在下で低下する。
乳酸オキシダーゼを有する溶血センサ
図2を参照して、酵素層53中に乳酸オキシダーゼを有する溶血センサは、酵素層53における乳酸に対する乳酸オキシダーゼの酵素反応によって生成される過酸化水素を消去することによって働く。酵素層53中に存在する乳酸オキシダーゼは、乳酸を酸化して過酸化水素を生成し、これは、ヘモグロビンによって消去される。溶血センサ110において、電気化学信号は、Hb(Fe2+)の存在下で過酸化水素によって発生する。
ヘモグロビンによるH消去
図7は、ヘモグロビンによるH消去の原理を対象とした研究の結果を示す。簡潔にいえば、白金作用電極、金対電極、及びAg/AgCl、1M KCl参照電極からなる3電極電気化学セルを、緩衝溶液(pH7.4)に浸漬した。作用電極を、+500mV(対Ag/AgCl、1M KCl)で分極させ、その電流応答を撹拌条件下で連続的にモニタリングした。180秒付近で、H(最終濃度 − 90μM)を細胞に注入し、これは、電流応答の上昇を生じさせ、次いで、即座に安定化した(注:180秒時点で観察されたスパイクは、溶液注入による人為的な結果であった)。この電流応答は、白金電極におけるHの直接酸化から生じた。
図7を引き続き参照して、320秒時点でヘモグロビン(最終濃度 − 7.35μM)を上記の溶液に添加すると、初期バックグラウンド電流への急速な減少に続く緩やかな減少が観察された。これは、溶液に添加されたヘモグロビンが、溶液中の過酸化水素の分解を原因とすると思われる電流の即座の減衰を引き起こしたことを実証する。溶液中のHの濃度が減少するにつれ、白金電極における対応する電流応答もまた減少する。550秒時点のH(最終濃度 − 81μM)の2回目の添加は、電流スパイクに続く電流プロファイルの同様の減衰を示す。そのような挙動は、溶液中のヘモグロビン及びHの相互作用が、白金電極における電気化学的酸化を使用して検出可能であることを証明する。
溶血した血漿に対するGOx/D2(1%)応答
図8A及びBは、溶血した血漿に対するGOx/D2(1%)応答を対象とした研究の結果を示す。この研究では、溶血センサを以下のように構築した。簡潔にいえば、酵素GOx溶液を、50mMリン酸緩衝液、pH7.2中で調製した。GOxの濃度は、0.1〜50mg/mlの範囲とすることができる。グルタルアルデヒド溶液(0.06〜6%)を上記の酵素溶液に添加し、30分間架橋させた。架橋酵素溶液を白金電極表面にドロップキャストし、30分間風乾した。同様に、THF中の外膜ヒドロゲルD2(AdvanSource Biomaterials)(1%)を酵素層にドロップキャストし、30分間風乾した。乾燥の後、修飾白金電極を、室温で90分間GEM4000 Cal B緩衝溶液(Instrumentation Laboratory Company、Bedford、MA)、pH7.4溶液中で水和した。
図8A及びBを参照して、溶血した分析物試料は以下のように調製した。ドナーからの5mLの血液試料4つをプールし、3mLのアリコート6つをプラスチックチューブ中で調製した。第1のアリコートを遠心分離し、血漿を分離した。他の5つのアリコートにおける溶血は、全血を21−G針に通らせて、実際の臨床状況の収集プロセスを綿密に模倣することによって引き起こした。各往復操作(back and forth draws)が、1回のシリンジ操作(syringe draw)を構成する。試料を針に通過させる回数を、後続のアリコートごとに増加させて、溶血量の増加を生じさせた。溶血の後、5つのアリコートを全て遠心分離し、血漿を分離した。血漿(1.2mL)のグルコース濃度は、500mg/dLに調整した。
図8A及びBを引き続き参照して、測定は、図7について記載したように、3電極セル設定において行った。ここでは、GOx酵素及びヒドロゲル膜で修飾された白金電極は、作用電極として作用した。Cal B緩衝溶液2400μLを含有する細胞を連続的に撹拌し、血漿試料の個々のアリコート(600μL)を120秒時点で注入した。図8Aは、各アリコートについての対応する実時間電流応答を示す。各注入の直後に、血漿アリコートのヘモグロビン及びK値を取得し、それらを下記の表3に示す。

溶血応答較正グラフ、図8Bは、溶血なしの血漿応答(即ち、0回のシリンジ操作、上記の表3を参照)から溶血した試料(1〜5)の電流応答を引くことによって構築した。この目的のために、注入の30秒後の電流応答を使用して、溶血した試料と溶血していない試料との差を算出した。図8A及びBは、上記のセンサが血漿中の細胞外ヘモグロビンに即座に応答し、且つ応答がヘモグロビン濃度に対して線形であることを明確に実証する。
溶血した血液に対するGOx/D2(1%)応答
その結果を図9A、9B、及び9Cに示した研究の実験計画は、試験された試料が血漿試料ではなく全血及び溶血した血液であったことを除いて、図8に反映された研究について上記したものと同じであった。ここでは、部分的に溶血した血液を、完全に溶血した血液のアリコートからの%(v/v)溶液として調製した。例えば、溶解した血液10μLを全血990μLに添加することによって、1%の溶解した血液(LB)を調製した。全試料中のグルコースレベルは、前述のように、500mg/dLの一定値に調整した。
図9Aは、全血及び溶血した血液試料についての実時間電流プロファイルを示す一方、9Bは、算出された較正グラフに対応する。図9Cは、較正グラフの線形部を示す。これらの結果は、本発明による溶血センサが、1%の溶解した血液又はさらに低い濃度の溶解した血液に対して感受性であり応答することを示す。マトリックスが全血であり、溶血センサが細胞外ヘモグロビンのみに応答することに留意することは重要である。そのような急速(30秒以内)で感受性の応答は、この溶血センサの目的の1つが、臨床分析装置において誤って上昇したK値があればフラグを立てることであるために、必要である。
1%の溶解した血液の検出に対する酸素分圧(pO)の作用
図10を参照して、酸素分圧(pO)が溶血センサ応答に及ぼす影響を理解するためにpO研究を実施した。この技術は、患者全血中の溶血を測定することに焦点を合わせているため、試料pOは、患者の病歴に応じて大きく変動し得る。他方で、溶血センサは、主に、グルコースオキシダーゼの存在下でグルコース及び酸素からHを生成することによって作動する。酸素分圧は、酸素がどの程度この反応に利用可能であるかを示す。高pOでは、低pOと比較して、同じレベルのグルコースについて、より高い応答が確保される。
図10は、溶血センサ応答に対するpOの予想される影響をグラフで示す。溶血センサ応答に対するpOの影響の理由は、センサは酸素に対して透過性のヒドロゲル外膜を採用しており、過酸化物形成はpOレベルに依存するからである。溶血センサは、このガスに対する膜透過性により、患者血液試料中のpO変動の影響を受けやすい。この研究によって実証されるように、本発明による溶血センサは、pOによる線形の負バイアスを有する。例えば、200〜20mmHgのpOは、1%の溶解した血液について線形の負バイアスを有し、ゆえに、そのような挙動を説明するための補正が必要とされる。補正は、pO変動を説明する応答アルゴリズムによって行われる。



  1. 全血試料中の溶血を検出するための電気化学センサシステムであって、
    過酸化水素の流出を増大させるための0.1〜50μmの範囲の厚さを含む外膜、過酸化水素を発生させるオキシドレダクターゼ酵素を含む膜を有する電気化学センサと、
    前記全血を前記センサと接触させるための無試薬チャンバと
    を含む、電気化学センサシステム。

  2. 前記オキシドレダクターゼ酵素が、グルコースオキシダーゼを含む、請求項1に記載の電気化学センサシステム。

  3. 前記オキシドレダクターゼ酵素が、乳酸オキシダーゼを含む、請求項1に記載の電気化学センサシステム。

  4. 前記オキシドレダクターゼ酵素が、酵素の混合物を含み、前記混合物が、クレアチニナーゼ及び/又はクレアチナーゼ並びにサルコシンオキシダーゼを少なくとも含む、請求項1に記載の電気化学センサシステム。

  5. 前記酵素の混合物が、前記クレアチニナーゼ及び前記サルコシンオキシダーゼを含む、請求項4に記載の電気化学センサシステム。

  6. 前記酵素の混合物が、前記クレアチナーゼ及び前記サルコシンオキシダーゼを含む、請求項4に記載の電気化学センサシステム。

  7. 全血試料中の溶血を検出するための方法であって、
    (i)オキシドレダクターゼ酵素と、過酸化水素に対して透過性の外膜とを含む電気化学センサに前記全血試料を導入し、続いて、
    (ii)Hb(Fe2+)の存在下で過酸化水素によって発生する電気化学信号を検出することを含み、ここで、標準的な溶血していない全血試料と比較して4%〜50%の範囲の検出可能な電流の減少が、前記全血試料中の溶血の指標である、方法。

  8. 前記オキシドレダクターゼ酵素が、グルコースオキシダーゼを含む、請求項7に記載の方法。

  9. 前記オキシドレダクターゼ酵素が、乳酸オキシダーゼを含む、請求項7に記載の方法。

  10. 前記オキシドレダクターゼ酵素が、酵素の混合物を含み、前記混合物が、クレアチニナーゼ及び/又はクレアチナーゼ並びにサルコシンオキシダーゼを少なくとも含む、請求項7に記載の方法。

  11. 前記外膜が、0.1〜50μmの範囲の厚さを含む、請求項7に記載の方法。

 

 

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【選択図】図1
バイオセンサ // JP2016512895
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【選択図】図2
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