ボンディング用途のための被覆ワイヤ

著者らは特許

B23K - ハンダ付またはハンダ離脱;溶接;ハンダ付または溶接によるクラッドまたは被せ金;局部加熱による切断,例.火炎切断:レーザービームによる加工(金属の押出しによる金属被覆製品の製造B21C23/22;鋳造によるライニングまたは被覆の製作B22D19/08;浸漬による鋳造B22D23/04;金属粉末焼結による被合層の製造B22F7/00;倣いまたは制御のための工作機械の装置B23Q;他に分類されない金属への被覆または材料への金属による被覆C23C;バーナーF23D)
B23K20/004 - 圧延機の手段によるもの
B23K20/10 - 振動を利用するもの,例.超音波接合
B23K35/02 - 機械的形状,例.形,を特徴とするもの
B23K35/30 - 主成分が1550°C以下の融点をもつもの
B23K35/32 - 主成分が1550°C以上の融点をもつもの
B23K35/40 - ハンダ付または溶接のための線または棒の製造(単一の技術分野を含む方法は関連するサブクラス参照,例.B05D,B21C)
C23C14/14 - 金属質材料,ほう素またはけい素
C23C18/08 - 金属質材料の析出に特徴のあるもの
C23C28/00 - メイングループC23C2/00からC23C26/00の単一のメイングループに分類されない方法によるかまたはサブクラスC23CおよびC25Dに分類される方法の組合わせによる少なくとも2以上の重ね合わせ被覆層を得るための被覆
C23C30/00 - 金属材料の組成にのみ特徴のある金属質材料による被覆,すなわち被覆方法に特徴のないもの(C23C26/00,C23C28/00が優先)
C25D5/34 - 電気鍍金される金属の表面の前処理
C25D7/06 - 線状体;ストリップ;箔
H01B1/02 - 主として金属または合金からなるもの
H01L - 半導体装置,他に属さない電気的固体装置(測定のための半導体装置の使用G01;抵抗一般H01C;磁石,インダクタ,トランスH01F;コンデンサー一般H01G;電解装置H01G9/00;電池,蓄電池H01M;導波管,導波管の共振器または線路H01P;電線接続器,集電装置H01R;誘導放出装置H01S;電気機械共振器H03H;スピーカー,マイクロフォン,蓄音機ピックアップまたは類似の音響電気機械変換器H04R;電気的光源一般H05B;印刷回路,ハイブリッド回路,電気装置の箱体または構造的細部,電気部品の組立体の製造H05K;特別な応用をする回路への半導体装置の使用は,応用サブクラスを参照)
H01L21 - 半導体装置または固体装置またはそれらの部品の製造または処理に特に適用される方法または装置
H05K - 印刷回路;電気装置の箱体または構造的細部,電気部品の組立体の製造(他に分類されない機械の細部またはその他の装置の類似の細部G12B;薄膜または厚膜回路H01L27/01,H01L27/13;印刷回路への,または印刷回路間の電気接続のための印刷によらない手段H01R;特殊型式の装置の箱体または構造的細部は関連するサブクラス参照;他に規定のある単一の技術,例.加熱,スプレイ,のみを含む方法は関連するクラス参照)
H05K1/09 - 金属パターンのための材料の使用
H05K3/34 - ハンダ付けによるもの

の所有者の特許 JP2016517623:

ヘレウス ドイチェラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー

 

本発明は、表面を有するコアであって、銅および銀からなる群から選択されるコア主成分を含むコアと、少なくとも部分的にコアの表面の上に重なるコーティング層であって、パラジウム、白金、金、ロジウム、ルテニウム、オスミウムおよびイリジウムの群から選択されるコーティング成分を少なくとも10%の量で成分として含むコーティング層と、を含むボンディングワイヤであって、コーティング層が、コアの主成分を少なくとも10%の量で成分として含むことを特徴とするボンディングワイヤに関する。
【選択図】なし

 

 

本発明は、表面を有するコアであって、銅および銀からなる群から選択されるコア主成分を含むコアと、少なくとも部分的にコアの表面の上に重なるコーティング層であって、パラジウム、白金、金、ロジウム、ルテニウム、オスミウムおよびイリジウムの群から選択されるコーティング成分を少なくとも10%の量で成分として含み、コアの主成分を少なくとも10%の量で成分として含むコーティング層を含むボンディングワイヤに関する。
本発明は、さらに、第1のボンディングパッド、第2のボンディングパッドおよび本発明によるワイヤを含む、電子装置のボンディングのためのシステムであって、ウェッジボンディングを用いて本発明のワイヤをボンディングパッドの少なくとも1つに接続するシステムに関する。
本発明は、さらに、本発明によるワイヤを製造するための方法に関する。
ボンディングワイヤは半導体装置の製造において半導体装置作製時に集積回路とプリント回路基板との電気的な相互接続のために用いられる。さらに、ボンディングワイヤは電力工学用途においてトランジスタ、ダイオードなどをハウジングのパッドまたはピンと電気的に接続するために用いられる。ボンディングワイヤは当初は金から作られたが近時は費用が少なくなる材料、たとえば銅が用いられる。銅ワイヤによって非常に良好な電気および熱伝導率が得られるが、銅ワイヤのウェッジボンディングには難点がある。さらに、銅ワイヤはワイヤの酸化を受けやすい。
ワイヤの幾何形状については、円形断面のボンディングワイヤとほぼ長方形の断面を有するボンディングリボンとが最も普通である。どちらの型のワイヤ幾何形状にも特定の用途に有用な利点がある。したがってどちらの型の幾何形状も一定の市場を占める。たとえば、ボンディングリボンは所定の面積あたりの接触面積が大きくなる。しかし、リボンの曲げに限界があり、リボンとリボンが接合される相手の要素との間で許容される電気的接触を実現するためにボンディングのときリボンの配向に注意しなければならない。ボンディングワイヤの方は曲げに対する柔軟性が高い。しかし、ボンディングはボンディングプロセスにおいてワイヤのハンダ付けまたはより大きな変形のどちらかを含み、どちらもボンディングパッドと、ボンディングパッドに接合される要素の隠れた電気構造とを損傷するかまたは破壊さえする可能性がある。
本発明では、用語ボンディングワイヤはあらゆる形の断面およびあらゆる通常のワイヤ直径を含むが、円形断面と細い直径とを有するボンディングワイヤが好ましい。
いくつかの最近の展開では、銅コアおよび保護コーティング層を有するボンディングワイヤが目的とされた。高い電気伝導率を理由に銅がコア材料として選ばれる。コーティング層についてはパラジウムが可能な選択肢の1つである。これらの被覆ボンディングワイヤは、銅ワイヤの利点と酸化への感度の低さとを組み合わせる。それでも、現にボンディングワイヤ自体およびボンディングプロセスに関してボンディングワイヤ技術の一層の改善が求められている。
それゆえに、改善したボンディングワイヤを提供することが本発明の目的である。
すなわち、良好なプロセス特性を有し、配線のとき特別な要求がなく、したがってコストを節約するボンディングワイヤを提供することが本発明の別の目的である。
優れた電気および熱伝導率を有するボンディングワイヤを提供することも本発明の目的である。
改善した信頼性を示すボンディングワイヤを提供することが本発明のさらに別の目的である。
特にボールボンディング手順の間のフリーエアーボール(FAB:free air ball)の形成の観点で優れた接合性を示すボンディングワイヤを提供することが本発明のさらに別の目的である。
ウェッジボンディングおよび/または第2のボンディングについて良好な接合性を示すボンディングワイヤを提供することが本発明の別の目的である。
腐食および/または酸化に対する抵抗性を改善したボンディングワイヤを提供することが本発明の別の目的である。
標準的なチップおよびボンディング技術とともに用いられる、電子装置のボンディングのためのシステムであって、少なくとも第1のボンディングについて不良率の低下を示すシステムを提供することが別の目的である。
本発明のボンディングワイヤを製造するための方法であって、公知の方法と比較して基本的に製造コストの増加を示さない方法を提供することが別の目的である。
驚くべきことに、本発明のワイヤは上記の目的の少なくとも1つを解決することが見いだされた。さらに、これらのワイヤを製造するためのいくつかの代替プロセスがワイヤを製造する難題の少なくとも1つを克服することが見いだされた。さらに、本発明のワイヤを含むシステムは、本発明によるワイヤと他の電気要素、たとえばプリント回路基板、パッド/ピン等との間の界面において、信頼性を高めることが見いだされた。
カテゴリー形成クレームの主題によって上記目的の少なくとも1つの解決法が提供され、それによってカテゴリー形成独立クレームの従属サブクレームは本発明の好ましい側面を表し、従属サブクレームの主題は同様に上記目的の少なくとも1つの解決策を提供する。
本発明の第1の側面は、
表面を有するコアであって、
銅および銀からなる群から選択されるコア主成分を含むコアと、
少なくとも部分的にコアの表面の上に重なるコーティング層であって、
パラジウム、白金、金、ロジウム、ルテニウム、オスミウムおよびイリジウムの群から選択されるコーティング成分を少なくとも10%の量で成分として含むコーティング層と、
を含むボンディングワイヤであって、
コーティング層がコアの主成分を少なくとも10%の量で成分として含む
ボンディングワイヤである。
より好ましい実施形態は、以下のコア主成分とコーティング成分との組み合わせのうちの1つを有する。

より好ましい実施形態において、コア主成分およびコーティング成分はそれぞれ少なくとも20%の量で、もっとも好ましくはそれぞれ少なくとも25%の量で存在する。
本発明によるそのようなワイヤは、製造コストおよび有効性の観点で最適化したコーティング層を有する。コーティング層が純粋なコーティング成分からなるのではなく顕著な割合のコア主成分を有する場合、驚くべきことに耐食性またはその他の特性が関連して低下しないことが判明した。
特に他の定義が示されない場合、本明細書において成分の含有率または割合はすべてモル%での割合として示す。特に、パーセントで示した割合はモル%と理解され、ppm(パーツパーミリオン:parts per million)で示した割合はモルppmと理解される。
本発明の場合、コーティング層の組成を定める方法としてオージェ深さプロファイリング(Auger Depth Profiling)を選ぶ。この方法ではワイヤのそれぞれの表面におけるオージェ(Auger)分析を用いて元素の組成を測定する。コーティング層の表面に対するさまざまな深さにおけるコーティング層の組成をスパッタ深さプロファイリングによって測定する。イオンビームを用いてコーティング層を定められた速度でスパッタしながら同時にオージェ分析を用いて組成を追う。
コーティング層内のコア主成分および/またはコーティング成分の量は、特に他の定義が示されない場合はコーティング層の全体積にわたる平均と理解される。
すべての実際の層状構造系におけるように、コーティング層とワイヤコアとの界面領域が通常存在する。そのような界面領域は、ワイヤ製造方法およびその他のパラメータに依存して多かれ少なかれ狭くすることができる。以下、分りやすくするために、コーティング層および/またはワイヤコアの境界は通常、深さプロファイリング測定における成分信号の所定の百分率低下として定義される。
本発明の状況における用語「重なる」は、第2の要素たとえばコーティング層に対する第1の要素たとえば銅コアの相対位置を記載するために用いる。第1の要素と第2の要素との間にさらに別の要素たとえば中間層を配置することも可能である。好ましくは、第2の要素は第1の要素の上に少なくとも部分的に、たとえば第1の要素の全表面に対して少なくとも30%、50%、70%または少なくとも90%重なる。もっとも好ましくは、第2の要素は第1の要素の上に完全に重なる。一般的に好ましくは、コーティング層はボンディングワイヤの最外層である。他の実施形態において、さらに別の層がコーティング層に重なってもよい。
ワイヤは、特にマイクロエレクトロニクスにおけるボンディングのためのボンディングワイヤである。好ましくは、一体化した物体である。
成分は、この成分の割合が参照される材料のすべての別の成分より多い場合に「主成分」である。好ましくは、主成分は材料の全重量の少なくとも50%を含む。
ワイヤのコアは好ましくは銅または銀をそれぞれ少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の量で含む。他の実施形態において、銅および銀は同時に存在してよく、これら2元素の一方がコア主成分となる。本発明のもっとも好ましい実施形態において、ワイヤコアは純銅からなり、銅以外の他の成分の和は0.1%未満である。
本発明の代りの有利な実施形態において、コア主成分は銅であり、少量の、特に5%未満のパラジウムを成分として含んでよい。より好ましくはコア内のパラジウムの量は0.5%から2%の間、もっとも好ましくは1.1%から1.8%の間である。そのような場合、銅およびパラジウム以外の他の成分の和は好ましくは0.1%未満である。
コーティング層の厚さが0.5μm未満である実施形態が一般に好ましい。コーティング層が十分に薄い場合、ボンディングプロセスにおけるコーティング層から生じ得る影響が減る。本発明の状況における用語「厚さ」は、ワイヤコアの長軸に対して垂直な方向における、少なくとも部分的にワイヤコアの表面の上に重なる層のサイズを定義するために用いられる。
本発明は、特に、細いボンディングワイヤに関する。観測される影響は、たとえばそのようなワイヤの酸化への感度を理由として、特に細いワイヤに有利である。本出願の場合、用語「細いワイヤ」は、8μmから80μmの範囲の直径を有するワイヤと定義する。もっとも好ましくは、本発明による細いボンディングワイヤは12μmから50μmの範囲の太さを有する。
そのような細いワイヤの断面図は必ずというわけではないがほとんどが基本的に円形である。本出願の状況における用語「断面図」はワイヤを通る切断であって、ワイヤの長軸方向に垂直な切断の面の図を指す。断面図はワイヤの長軸方向のいずれの位置においても見ることができる。断面においてワイヤを通る「最長路」は、断面図の面内でワイヤの断面を通って引くことができるもっとも長いコードである。断面においてワイヤを通る「最短路」は、上記で定めた断面図の面内で最長路に垂直なもっとも長いコードである。ワイヤの断面が完全な円形であれば最長路と最短路とは区別することができず、同じ値を共有する。用語「直径」はあらゆる面およびあらゆる方向についてのすべての幾何学的直径の算術平均であり、ここですべての面はワイヤの長軸方向に垂直である。
本発明の好ましい実施形態において、コーティング層の外側域がワイヤ直径の0.1%の深さからワイヤの直径の0.25%の深さまで延在し、コア主成分の量およびコーティング成分の量が外側域に存在する。ある量のコア主成分がコーティング層の外側の部分に存在する場合、フリーエアーボールの形成が特に良好であることを実験が示した。さらに好ましくは、外側域は直径の0.05%の深さで始まる。
一般的に好ましくは、コーティング層の厚さは少なくともある範囲内でワイヤ直径とほぼ比例する。少なくとも細いワイヤの場合、コーティング層の全厚は好ましくはワイヤ直径の約0.3%から0.6%の間である。
特定の実施形態において、大量のコア主成分がコーティング層の外側表面にも延在してよいが、他の実施形態はコーティング層のもっとも外側の部分が炭素または酸素のようなさらに別の物質を主に含有する場合を提供してもよい。
さらに別の実施形態において、コーティング層の最外表面は、数層の単原子層の金または白金のような貴金属あるいは場合によっては貴金属の混合物で被覆されてもよい。本発明の特に好ましい実施形態において、コーティング層は1nmから100nmの間の厚さの上層で被覆される。好ましくは上層の厚さは1nmから50nmの間、もっとも好ましくは1nmから25nmの間である。そのような上層は好ましくは貴金属または1以上の貴金属等の合金からなる。好ましい貴金属は金、銀およびそれらの合金の群から選ばれる。
好ましい展開において、外側域におけるコア主成分の量は30%から70%の間、より好ましくは40%から60%の間である。外側域の残りが5%未満の量の添加物または汚染物を除いてコーティング成分からなるとさらに有利である。
さらに別の展開において、外側域内においてコーティング成分の量はワイヤの内部に向かって減少する。特に好ましくは、外側域の半径方向内側の境界におけるコーティング成分の量と外側域の半径方向外側の境界におけるコーティング成分の量との差は30%以下である。ワイヤの内部に向かうコーティング成分のそのような減少勾配はフリーエアーボールの品質を高くするようである。
本発明の可能な実施形態の場合に、ワイヤの主成分はワイヤの外側から始まってワイヤの直径の0.25%の深さまでに少なくとも2回変化する。
この点について、ワイヤの「主成分」は、ある深さにおける小さな区域内のもっとも高い元素成分と理解される。ワイヤはその中心軸の周りに回転対称に構成されると仮定される。そのような理想的なワイヤにおいて、ある深さにおける小さな区域はワイヤ軸を同心状に囲む無限小の厚さの円筒壁として理解することができる。すると、この区域の深さはワイヤ直径と円筒直径との差の半分である。
主成分の変化は、3つまたはそれより多くの成分の間で起こってよく、たとえば炭素で始まり、次にまずパラジウムに変り、それから2回目に主成分として銅に変る。たとえばコーティング層を製造するために多層構造のコーティング層を選べば2回を超える変化もあってよい。
好ましい実施形態において、主成分の変化の回数は、炭素をワイヤの成分として数えなければ少なくとも2である。炭素をワイヤの成分として数えれば、主成分の変化の好ましい最小回数は少なくとも3である。
一般に、コーティング層の外側表面域が炭素を主成分として含有すると有利である。炭素は元素炭素としてまたは有機物質として存在してよい。一般に、そのような外側表面域はわずか数層の単原子層の、特に5nm未満の厚さを有する。
特に好ましい実施形態はワイヤ表面においてワイヤの長手方向に測定したコーティング層の平均結晶粒径が50nmから1000nmの間であることを示す。より好ましくは、結晶粒径は200nmから800nmの間、もっとも好ましくは300nmから700nmの間である。
結晶粒径の決定のために、ワイヤ試料を調製し、電子顕微鏡法、特にEBSD(=Electron Backscatter Diffraction:電子後方散乱回折)を用いて測定および評価した。結晶粒界の定義のために、5°の許容誤差角度を設定した。エッチング等のような特段の調製ステップなしでボンディングワイヤの自然表面においてEBSD測定を行う。所定の方向で測定したそれぞれの結晶粒径は、その特定の方向における結晶粒の最大直径である。
有利な実施形態の場合に、ワイヤ表面においてワイヤの長手方向に測定したコーティング層の平均結晶粒径aと、ワイヤ表面においてワイヤの周方向に測定したコーティング層の平均結晶粒径bとの比a/bは、0.1から10の間である。より好ましくはこの比は0.3から3の間であり、もっとも好ましくはこの比は0.5から2の間である。この比が1に近いほど、コーティング層の結晶粒は等方性が高い。コーティング層の等方性結晶構造はFABの品質を高める助けとなる。
本発明のさらに別の側面は、本発明によるワイヤを製造するための方法であって、
a.主成分として銅または銀を有するワイヤのコア前駆体を準備するステップと、
b.コア前駆体の上に第1の補助層を積層するステップであって、第1の層は、コア主成分およびコーティング成分の群の一方を主成分として含むステップと、
c.第1の補助層の上に第2の補助層を積層するステップであって、第2の層は、コア主成分およびコーティング成分の群のそれぞれ他方を主成分として含むステップと、
d.少なくとも第1の層および第2の層にエネルギーを導入するステップであって、エネルギーの導入によって第1および第2の層の材料が少なくとも部分的に混じり合うステップと、
を含む方法である。
本発明の意味における補助層とは、最終的なワイヤが提供される前に少なくとも部分的に組成変化または構造変化を行う任意の層である。変化した補助層は、本発明の意味において最終的にコーティング層の一部となる。
本発明のステップdによればこの観点で層同士の少なくとも部分的な混合が提供される。
第1および第2の補助層へのエネルギーの付与はどのような公知の方法、たとえばコーティング層への機械加工、いずれか適当な手段等による熱の導入によって行ってもよい。
補助層を積層する方法についてはさまざまな選択肢が好ましい。
第1の選択肢として、ステップbまたはステップcは、コア前駆体を補助層材料からなる箔で機械的に被覆することによって行う。そのような箔は、コア主成分またはコーティング成分からなってもよい。あるいは、箔はコア主成分とコーティング成分との合金からなってもよく、異なる箔が異なる合金組成を有してもよい。得られるコーティング層の求めに応じて箔材料のどのような選択も行うことができる。
そのような箔は通常、ワイヤのコアが前駆体状態であり、たとえば50mmの範囲の顕著な直径を有する段階において貼る。たとえば80nmの範囲のコーティング層の全厚を有する20μmの最終ワイヤ直径を目標とすると、これは200μmの範囲の箔の初期全厚を意味するだろう。典型的にはパラジウムまたは銅の箔は約20μmの厚さまで入手可能である。そのような箔は本発明による他のコーティング成分およびコア主成分のためにも入手可能である。典型的にこれは、コア前駆体への2から10個の間の補助層の箔の積み重ねを可能にするだろう。
コア前駆体を箔で被覆した後に、好ましくは前駆体を押し出す。1回以上の押し出しステップの後、ワイヤの最終直径を達成するまで当分野において公知の延伸ステップを数回前駆体に施してよい。目的とするワイヤ太さに応じて1回以上の中間アニール処理ステップを設けてもよい。
あるいは、ステップbまたはステップcは、電気メッキによって行うことができる。電気メッキは通常、中間太さのワイヤコア前駆体に行う。これは、細いボンディングワイヤへの直接電気メッキは通常、時間およびコストがかかるという事実によるものである。したがって、より太い中間体ワイヤを相応に厚い補助層で覆い、その後の数回の延伸ステップによって最終ワイヤを実現する方が好ましい。
あるいは、ステップbまたはステップcは、蒸着によって行う。蒸着は物理蒸着(PVD:physical vapor deposition)または化学蒸着(CVD:chemical vapor deposition)を含んでよいが、単純さの理由でPVDの方が好ましい。原則として、蒸着は特定の需要およびコストに応じて最終ワイヤ太さまたは中間太さに対して行うことができる。
本発明のさらに別の側面は、本発明によるワイヤを製造するための代替方法であって、
a.銅または銀をコア主成分として有するワイヤのコア前駆体を準備するステップと、
b.コア前駆体の上に材料を積層して層を形成させるステップと、
を含む方法であって、積層された材料は、少なくとも10%のコア主成分および少なくとも10%のコーティング成分を含む方法である。
特に、コーティング層またはコーティング層の前駆体は、そのような方法によって完全に積層することができる。
そのような方法を代替する特定の実施形態において、ステップbは、
−コア前駆体を層材料からなる箔で機械的に被覆すること、
−材料を電気メッキすること、または
−材料の蒸着
の群の1つによって行う。
これらの方法のいずれもいくつかの補助層を設けることなくコーティング層またはその前駆体を積層するのに適している。
層による被覆の代替法として、求めに応じてコア主成分とコーティング成分との合金、たとえば銅−パラジウム合金からなる、上記の箔を用いることができる。
電気メッキの代替法として、コーティング成分のカチオンたとえばPdカチオン、ならびにコア主成分のカチオンたとえばCuカチオンを提供する物質の混合物を電気メッキ浴とともに用いてもよく、プロセスパラメータの相応の調節によって定められた合金たとえばCu−Pd合金の電気メッキ積層が提供される。パラメータの調節は、必要に応じた層組成の定められた変化を提供することさえできる。
蒸着の代替法として、ワイヤコアまたはコア前駆体の上にコーティング成分とコア主成分との合金を直接積層することも可能である。電気メッキの方法と同様に、必要なら層の深さに依存する(depended)層組成の変化を調整することができる。
もっとも好ましい実施形態の場合、ステップbは、ワイヤコア前駆体に液体の膜を積層することによって行われ、液体はコーティング成分前駆体を含有し、積層された膜は、コーティング成分前駆体をコーティング成分の金属相に分解するために加熱される。
一般に、そのようなコーティング成分前駆体は、コーティング成分を金属イオンとして含有する適当な有機化合物であってよい。1つの特定の例はコーティング成分の有機塩、たとえば酢酸塩であろう。
他の表面へのパラジウムの直接積層のための方法が知られている。たとえば、国際公開第98/38351号の文書(出願人、ザ・ホイタカー・コーポレーション(The Whitaker Corporation)、出願日、1998年2月24日)は、金属表面にパラジウムを積層させる方法を記載している。なお、金属パラジウムの積層のために電流を用いていない。この国際公開第98/38351号の文書およびそこに記載されている積層方法の詳細を参照によって本明細書に組み込む。
本発明の特定の実施形態において、この方法を用いて銅ワイヤの上にコーティング層を設け、コーティング層はパラジウムならびに銅を含む。驚くべきことに、液体が銅化合物をまったく含有しなくても最終コーティング層はほとんどその深さ全体にわたって顕著な量の銅を含むことが判明した。この驚くべき効果を説明するための1つの試みは、通常は銅コアの表面に存在する酸化銅が積層された液膜中への銅または銅化合物の溶解を可能にすることがあるということである。本発明によれば、この積層方法は上記に挙げた以外のコーティング成分とコア主成分との組み合わせにも適用される。
最終コーティング層の厚さの調整のために、積層された膜の厚さを変化させてもよい。これは、コーティング成分前駆体の濃度の調節によって達成することができる。さらに別の手段として液体の粘度を調節してもよい。
1つの可能な方法は液体の粘度を変化させる添加剤を用いることである。そのような添加剤は、たとえばグリセリンまたは高い粘度を有するいかなる適当な物質であってもよい。
あるいは、もしくはさらに、求められる粘度を有するように溶媒を選ぶことができる。たとえば、室温で2.0mPa・s(ミリパスカル−秒)を超える粘度を有する極性溶媒としてイソプロピルアルコールを選ぶことができるだろう。さらに、求めに応じて溶媒の選択を添加剤の使用と組み合わせてもよい。
あるいは、もしくはさらに、制御された低温、特に10℃未満において溶媒の積層を行って高いおよび/または定められた粘度を提供してもよい。
好ましくは、20℃で0.4mPa・sを超える動粘度を有するように液体を選び、および/または調節する。より好ましくは、粘度は1.0mPa・sより高く、もっとも好ましくは2.0mPa・sより高い。
国際公開第98/38351号に特定の溶媒の例がメタノールまたはDMSOとして示されている。ボンディングワイヤのコーティングを目的とすると、たとえばDMSOのような硫黄を含有する溶媒は、硫黄がボンディングおよびその関連構造に影響を及ぼし得るので、一般に好ましくない。液体に含有される元素がコア主成分(銅または銀)、コーティング成分(たとえばパラジウム等)、貴金属、C、H、OおよびNの群に限定されると好ましい。他の元素は、1%の汚染レベル未満、好ましくは0.1%未満で含有されるべきである。
好ましい実施形態において、積層された膜の加熱は、150℃より高い、特に150℃から350℃の間の温度で行う。これは、パラジウムの迅速かつ効果的な積層を提供する。さらに好ましくは、加熱は200℃より高温、特に200℃から300℃の間で行われる。好ましくは、加熱を始めるとき膜は依然として液体状態である。
好ましくは、積層および/または加熱は動くワイヤに対して動的に行う。
本発明の一般に好ましい実施形態において、膜の積層はワイヤの最終延伸ステップ後に行う。積層された材料はこれによって確実にその元の結晶粒構造、特に等方性の高い結晶粒を保つことができる。そのような結晶粒構造は、良好なフリーエアーボール形成を助けることができる。
一般に、本発明のワイヤは、好ましくは少なくとも370℃の温度を用いるアニール処理ステップにおいて処理することができる。さらに好ましくは、アニール処理ステップの温度は少なくとも430℃であり、アニール処理温度が高いほど高いワイヤの伸長率の値を提供することができる。
アニール処理の別のパラメータについて、特に、細いワイヤはアニール処理温度に長時間曝す必要はない。ほとんどの場合、アニール処理は所定の長さを有し定められた温度プロファイルを有するアニール処理炉を通してワイヤを所定の速度で引くことによって実行される。アニール処理温度への細いワイヤの曝露時間は、典型的には0.1秒から10秒の範囲である。
なお、上述のアニール処理ステップはワイヤの製造の仕方に応じてコーティング層の積層の前または後に行ってよい。場合によっては高いアニール処理温度によってコーティング層に影響を及ぼすことを避ける方が好ましい。そのような場合、層の積層を最終製造ステップとして実施する上述の方法が好ましい。
本発明のさらに別の側面は、第1のボンディングパッド、第2のボンディングパッドおよび本発明によるワイヤを含み、ボールボンディングを用いてワイヤを少なくとも1つのボンディングパッドに接続する、電子装置のボンディングのためのシステムである。ワイヤがボールボンディングにとって特に有利な特性を有するという事実のために、システムにおける本発明のワイヤのこの組み合わせは好ましい。
本発明のさらに別の側面は、電気装置を接続するための方法であって、
a.本発明によるワイヤを準備するステップと、
b.ボールボンディングまたはウェッジボンディングを用いてワイヤを装置の第1のボンディングパッドに接合するステップと、
c.ウェッジボンディングを用いてワイヤを装置の第2のボンディングパッドに接合するステップと、
を含む方法であって、ステップbおよびcはフォーミングガスを使用せずに行われる方法である。
本発明によるワイヤは、酸化の影響に対して優れた特性を示す。これは、コーティング層による銅コアの完全なカプセル化が存在する場合に特に成立する。得られる特性は、フォーミングガスを使用しないプロセス処理を可能にし、したがってコストを大きく節約し、危険予防策を大幅に省くことにつながる。
フォーミングガスは当分野において窒素のような不活性ガスと水素との混合物として知られ、水素成分が酸化されたワイヤ材料の還元反応を提供することがある。本発明の意味において、フォーミングガスの省略は水素のような反応性化合物が使用されないことを意味する。それでも、窒素のような不活性ガスの使用が依然として有利なことがある。
図に本発明の主題を例示する。しかし、これらの図はどのような形であれ本発明または請求項の範囲を限定するものではない。
ワイヤ1を示す。 ワイヤ1の断面図を示す。この断面図において、断面図の中央に銅コア2がある。銅コア2はコーティング層3に覆われている。銅ワイヤ2の端に銅コアの表面15がある。ワイヤ1の中心23を通る直線L上で、銅コア2の直径は、直線Lと表面15との交点間の端から端までの距離として示される。ワイヤ1の直径は、中心23を通る直線Lとワイヤ1の外側の端との交点間の端から端までの距離である。その他、コーティング層3の厚さを示している。 本発明によるワイヤを製造するためのプロセスを示す。 2つの要素11およびワイヤ1を含む電気装置10を示す。ワイヤ1は2つの要素11を電気的に接続する。点線は、要素11を要素11の周りの包装装置の外部配線と接続する別の接続または回路を意味する。要素11は、ボンドパッド、集積回路、LEDまたは類似物を含んでよい。 ワイヤコーティング装置のスケッチを示す。第1のリール30からワイヤ1を巻き戻し、積層装置31および炉32を通して動的に引き、最後に第2のリール33に巻き付ける。積層装置31は、液体35を含む貯め34を含み、貯め34に繋がるディスペンサ36を用いてこの液体をワイヤ1に分注する。ディスペンサ36は動くワイヤ1と接触するブラシまたは類似物を含んでよい。 下記「実施例」に示す本発明のワイヤのオージェ深さプロファイルを示す。
試験方法
すべての試験および測定はT=20℃および50%相対湿度において行った。試験に用いたワイヤは、本発明によるコーティングを有する純銅コア(4n−銅)による細いワイヤである。試験ワイヤの直径は20μm(=0.8ミル(ミリインチ))である。
層厚
コーティング層の厚さ、中間層の厚さおよびコアの直径の決定のためにワイヤの最大長さに対して垂直にワイヤを切断した。柔らかな材料のスミアリングを避けるために切断面を注意深く研削および研磨した。ワイヤの断面全体を示すように倍率を選んだ走査電子顕微鏡(SEM:scanning electron microscope)によって画像を記録した。
この手順を少なくとも15回繰り返した。すべての値は、これら少なくとも15回の測定の算術平均として示す。
結晶粒径
ワイヤ表面の微細組織に関するいくつかの測定を、特に電子後方散乱回折測定法(EBSD)を用いて行った。使用した分析ツールはFE−SEM日立S−4300Eであった。測定およびデータ評価に用いたソフトウェアパッケージはTSLと呼ばれ、米国のEdax Inc.(www.edax.com)から市販されている。これらの測定を用いて、ワイヤのコーティング層の結晶粒径および分布ならびに結晶配向を決定した。本明細書において結晶粒の測定および評価をEBSD測定によって行うとき結晶粒界の決定のために5°の許容誤差角度を設定することを理解するべきである。EBSD測定は、処理を施していないコーティング層の表面に対して直接行った。
ボール−ウェッジボンディング − パラメータ定義
金でメッキした基板へのワイヤのボンディングを20℃において行い、金表面にボンディングを適用した。装置のボンドパッドは、>0.3μmの金で被覆した1μm厚のAl−1%Si−0.5%Cuであった。ワイヤと基板との間で45°の角度を有する第1のボールボンドを形成した後、ワイヤをその第2の端で基板にウェッジした。ワイヤの2つの端の間のボンドの距離は5から20mmの範囲であった。この距離はワイヤと基板との間の45°の角度を確保するように選んだ。ウェッジボンディングの間、60〜120kHzの範囲の周波数の超音波音をボンドツールに40から500ミリ秒間照射した。
使用したボールボンダー装置は銅キット(S/W8−88−4−43A−1)付きK&S iConnであった。使用した試験装置はK&S QFP 2×2試験装置であった。
オージェ深さプロファイリング
図6の深さプロファイルは、一定のスパッタ電流密度においてターゲット表面をスパッタしながら、それぞれの化学種(例えばCu、Pd、C)のオージェ信号を追跡することによって測定する。
スパッタパラメータは以下の通りである。
スパッタイオン: キセノン
スパッタ角度: 90°
スパッタエネルギー: 3.3keV
スパッタ面積: 2mm×2mm
深さプロファイルは、既知の標準試料との比較によって較正する。試料と標準品とのスパッタ速度の最終的な差異を相応に補正した。これによってスパッタ速度が得られ、図6のプロファイルにおいて8.0nm/分であった。スパッタ時間を測定し、スパッタ電流密度を一定に保ち、プロファイルの時間スケールをスパッタ速度との乗算によって簡単に深さスケールに変換する。
本発明を実施例によってさらに例示する。これらの実施例は、例示によって本発明を明らかにするものであり、どのような形であれ本発明または請求項の範囲を限定するものではない。
以下の特定の実施例は、本発明の意味においてコア主成分としての銅とコーティング成分としてのパラジウムとのシステムを参照する。他の実施形態においてこれらの成分を本発明によるそれぞれ他の好ましい成分によって置き換えることができることが一般に理解される。特に、これはコア主成分では銅に代わって銀であり、コーティング成分ではパラジウムに代わってPt、Au、Rh、Ru、OsおよびIrの群の1つ以上であってよい。
少なくとも99.99%純度の銅材料(「4N−銅」)のある量を坩堝内で融解する。次に、融解物から直径5mmのワイヤコア前駆体をキャストする。
最初に、押出しプレスを用いてワイヤコア前駆体を直径1mm未満の別のコア前駆体を得るまで押し出す。次にこのワイヤコア前駆体をいくつかの延伸ステップにおいて延伸して20μmの直径を有するワイヤコア2を形成する。ワイヤコア2の断面は基本的に円形である。ワイヤ直径は、断面の形、コーティング層の厚さ等の揺らぎのために厳密に正確な値とはみなされないことを理解するべきである。本出願においてワイヤがたとえば20μmの直径を有すると定義される場合、直径は19.5から20.5μmの範囲であると理解する。
このワイヤコアを第1のリール30に巻き付ける。第1のリール30は図5に示す装置の一部である。次にワイヤ1を第1のリール31から巻き戻し、第2のリール33に巻き付ける。第2のリール33を回すことによってまたは別の輸送ドライブ(図示せず)によってワイヤを直接引くことができる。
ワイヤはリール31、33の間のスパンに沿った途中でまず積層装置31を通る。貯め34が液体35を含み、ディスペンサ36を用いてこの液体をワイヤ1に塗布する。液体35はイソプロピルアルコールを溶媒として含む。飽和レベルに近い酢酸パラジウム(CH3COO)Pdを溶媒に溶解する。液体35の動粘度を約2.5mPa・sの値に調節する。
動くワイヤ1への液体の分注後に、液体はワイヤコアの表面に均一な厚さの膜を形成する。この被覆ワイヤコアは次に250℃に加熱されている炉32に入る。ワイヤが高温に約5秒間曝露されるように炉の長さおよびワイヤの輸送速度を調節する。この熱への曝露によって膜は乾燥し、パラジウム含有物質は金属パラジウムに還元される。金属パラジウムがワイヤコア1上に積層し、コーティング層3の形成に加わる。コーティング層の別の成分は、銅および炭素または炭素化合物であり、後者は典型的にコーティング層の外側表面域に集まる。
ワイヤ1を第1のリール30から提供する代りに、ワイヤの延伸装置内に、好ましくは最後の延伸ダイの下に積層装置31および炉32を直接設けてもよい。本発明の意味において、コーティングステップのためにそのような直接的な構成を選んでも中間リール30からワイヤを提供しても差がないことを理解するべきである。
本実施例においては、上記のコーティング手順より前のアニール処理ステップにおいてワイヤをアニールする。このアニール処理は、伸長率、硬度、結晶構造等のようなパラメータをさらに調節するために公知の方法で行う。このアニール処理は、定められた長さおよび温度のアニール炉に定められた速度でワイヤを通すことによって動的に行う。炉から出た後に、非被覆ワイヤを第1のリール30に巻き取る。ほとんどの用途で、たとえばワイヤの伸長率の値の調節のためのそのようなアニール処理ステップにおける温度はコーティング層積層のために必要な温度よりはるかに高い(典型的には370℃より高い)と理解される。したがって、コーティングを最後のステップとして行っても、通常はワイヤコアの微細構造に大して影響を及ぼさない。
本発明の他の実施形態において、単一の加熱ステップ内で層積層とワイヤコアアニーリングとを組み合わせてもよい。そのような構成において、特別な炉の装置によって調節することができる定められた加熱プロファイルを用いてもよい。
得られた本実施形態のワイヤは、対称性の非常に高い結晶粒および狭い結晶粒径分布を有する表面を示した。このデータは、EBSD測定によって集めた。

上の表1は、本発明のワイヤと従来のワイヤとの結晶粒径の比較を示す。従来のワイヤの場合、コアに純パラジウムを電気メッキし、その後数回の延伸ステップを施した。
長手方向において本発明のワイヤの平均結晶粒径は300nmであり、周方向に対する長手方向の平均結晶粒径の比については0.94の値を得た。
さらに、上記のようにSEMによる層厚の決定のためにワイヤの試料を切断した。種々の位置において測定した層厚の平均を92.6nmと計算した。
図6に、試料ワイヤのオージェプロファイルを示す。定められた区域内のワイヤ表面からイオンビームによって材料を均一にスパッタした。スパッタ時間に応じて異なる元素からのいくつかのオージェ信号(図示:炭素C、銅CuおよびパラジウムPd)を追った。既知のTa2O5試料を用いてスパッタ速度を較正し、分あたり約8nmのスパッタ速度を得た。コーティング層とコアとの界面をPd信号の最大値からの50%低下として定義した。これによって、SEMによって測定した平均層厚と良好に相関する約84nmのコーティング層の推定厚さを得た。
ワイヤは20μmの直径を有し、コーティング層は92.6nmの厚さを有するので、コーティング層は直径の0%の深さからワイヤ直径の0.48%の深さまで延在する。
図6からの深さプロファイルは、層の半径方向外側表面で始まり、炭素が外側領域における主成分であることを示す。最初の数層の単原子層の範囲内で、炭素信号は急激に低下するがパラジウムおよび銅信号は増加する。なお、最も外側の表面においてパラジウム信号はほとんどないが、信号はスパッタリングを開始すると直ちに増加する。
次に、パラジウム信号すなわち濃度は、約3nmの深さで炭素信号を超え、表面の主成分の最初の変化を印す。
銅の信号は約8nmの深さで局所極大に達する。パラジウムおよび銅の信号は、10nmから60nmの深さ範囲にわたってほとんど一定の値を示し、対応してパラジウムは55%から60%の間のレベルにあり、銅は40%から45%のレベルにある。この領域においては他の元素は有意な量で存在しない。
次に、パラジウム信号が下がり始め、銅が約65nmの深さで主成分となり、コーティング層内の主成分の第2の変化を印す。
本発明について理解されるコーティング層の平均厚さは、SEMによって測定した平均厚さである。
コーティング層組成および層内の単一成分の分布の定義のために上記のオージェ深さプロファイリングを用いる。
コーティング層の外側域は、0.1%ワイヤ直径(=20nm)から0.25%ワイヤ直径(=約50nm)に延在すると定義される。この域内で銅は30%を超える量で存在することが明らかである。さらに、外側域内で深さの増加とともにパラジウムがより低い値に低下し始める。それでも、この域内でパラジウム濃度は数パーセントしか低下しない。
なお、SEMによって測定した平均層厚さとの良好な相関から確認されるように、オージェプロファイルの所定の深さスケールは十分に正確である。
ボールボンディングおよびウェッジボンディング(第2のボンディング)のための上記の試験手順においてワイヤ試料を試験した。通常の試験手順として引張試験およびボール剪断試験を行った。結果は、本発明による試料ワイヤが対称性の非常に高いフリーエアーボールを良好な再現性で成長させることを示した。さらに、第2のボンドは第2のボンディング窓の観点でいかなる不利も示さなかった。





  1. 表面(15)を有するコア(2)であって、
    銅および銀からなる群から選択されるコア主成分を含むコア(2)と、
    少なくとも部分的に前記コア(2)の前記表面(15)の上に重なるコーティング層(3)であって、
    パラジウム、白金、金、ロジウム、ルテニウム、オスミウムおよびイリジウムの群から選択されるコーティング成分を少なくとも10%の量で成分として含むコーティング層(3)と、
    を含むボンディングワイヤであって、
    前記コーティング層(3)が、前記コアの前記主成分を少なくとも10%の量で成分として含むことを特徴とするボンディングワイヤ。

  2. 前記コーティング層(3)の外側域はワイヤ直径の0.1%の深さから前記ワイヤの前記直径の0.25%の深さまで延在し、前記コア主成分の量および前記コーティング成分の量が前記外側域に存在する、請求項1に記載のワイヤ。

  3. 前記外側域において前記コア主成分の量が30%から70%の間である、請求項2に記載のワイヤ。

  4. 前記外側域内で前記コーティング成分の量が前記ワイヤの内部に向かって減少する、請求項2または3に記載のワイヤ。

  5. 前記外側域の半径方向内側の境界における前記コーティング成分の量と前記外側域の半径方向外側の境界における前記コーティング成分の量との差が30%以下である、請求項4に記載のワイヤ。

  6. 前記ワイヤの主成分が前記ワイヤの外側から始まって前記ワイヤの直径の0.25%の深さまでに少なくとも2回変化する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のワイヤ。

  7. 前記コーティング層(3)の外側表面域は主成分として炭素を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のワイヤ。

  8. 前記ワイヤの表面において前記ワイヤの長手方向に測定した前記コーティング層(3)の平均結晶粒径が50nmから1000nmの間であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のワイヤ。

  9. 前記ワイヤの表面において前記ワイヤの長手方向に測定した前記コーティング層(3)の平均結晶粒径aと、前記ワイヤの表面において前記ワイヤの周方向に測定した前記コーティング層(3)の平均結晶粒径bとの比a/bが、0.1から10の間であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のワイヤ。

  10. a.主成分として銅または銀を有する前記ワイヤのコア前駆体を準備するステップと、
    b.前記コア前駆体の上に第1の補助層を積層するステップであって、前記第1の層は、前記コア主成分および前記コーティング成分の群の一方を主成分として含むステップと、
    c.前記第1の補助層の上に第2の補助層を積層するステップであって、前記第2の層は、前記コア主成分および前記コーティング成分の群のそれぞれ他方を主成分として含むステップと、
    d.少なくとも前記第1の層および前記第2の層にエネルギーを導入するステップであって、前記エネルギーの導入によって前記第1および第2の層の材料が互いに少なくとも部分的に混じり合うステップと、
    を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載のワイヤを製造するための方法。

  11. ステップbまたはステップcは、前記コア前駆体を前記補助層の材料からなる箔で機械的に被覆することによって行われる、請求項10に記載の方法。

  12. ステップbまたはステップcは、電気メッキによって行われる、請求項10に記載の方法。

  13. ステップbまたはステップcは、蒸着によって行われる、請求項10に記載の方法。

  14. a.コア主成分として銅または銀を有する前記ワイヤのコア前駆体を準備するステップと、
    b.前記コア前駆体の上に材料を積層して層を形成させるステップであって、前記積層された材料は、少なくとも10%の前記コア主成分および少なくとも10%の前記コーティング成分を含むステップと、
    を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載のワイヤを製造するための方法。

  15. ステップbは、
    前記コア前駆体を前記層の材料からなる箔で機械的に被覆すること、
    前記材料を電気メッキすること、または
    前記材料の蒸着
    の群の1つによって行われる、請求項14に記載の方法。

  16. ステップbは、ワイヤコア前駆体に液体の膜を積層することによって行われ、前記液体はコーティング成分前駆体を含有し、前記積層された膜は、前記コーティング成分前駆体を金属相に分解するために加熱される、請求項14に記載の方法。

  17. 前記液体は20℃において0.4mPa・sより大きな動粘度を有する、請求項16に記載の方法。

  18. 前記積層された膜の前記加熱は150℃より高い温度で行われる、請求項17に記載の方法。

  19. 膜の積層は、前記ワイヤの最終延伸ステップの後で行われる、請求項14〜18のいずれか一項に記載の方法。

  20. 第1のボンディングパッド(11)、第2のボンディングパッド(11)および請求項1〜9のいずれか一項に記載のワイヤ(1)を含む電子装置のボンディングのためのシステムであって、前記ワイヤ(1)はボールボンディングを用いて前記ボンディングパッド(11)の少なくとも一つに接続されるシステム。

  21. 電気装置を接続するための方法であって、
    a.請求項1〜9のいずれか一項に記載のワイヤ(1)を準備するステップと、
    b.ボールボンディングまたはウェッジボンディングを用いて前記ワイヤ(1)を前記装置の第1のボンディングパッドに接合するステップと、
    c.ウェッジボンディングを用いて前記ワイヤを前記装置の第2のボンディングパッドに接合するステップと、
    を含み、ステップbおよびcは、フォーミングガスを使用せずに行われる、方法。

 

 

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