個別の細胞培養微小環境のアレイ、このようなアレイを作製する方法、およびその使用

著者らは特許

G01N33/50 - 生物学的材料,例.血液,尿,の化学分析;生物学的特異性を有する配位子結合方法を含む試験;免疫学的試験(酵素または微生物を含む免疫学的なもの以外の測定または試験方法,そのための組成物または試験紙;そのような組成物を形成する方法,微生物学的方法または酵素学的方法における条件応答制御C12Q)

の所有者の特許 JP2016517694:

エコール・ポリテクニーク・フェデラル・ドゥ・ローザンヌ (ウ・ペ・エフ・エル)Ecole Polytechnique Federale De Lausanne (Epfl)

 

本発明は、培養が困難な細胞型の表現型および運命を制御するハイドロゲル配合物を同定する組み合わせ方法に関する。

 

 

本発明は、細胞の表現型および運命、すなわち増殖/自己複製、コロニー形成、分化および/または移動に影響を及ぼす異なる特性、すなわち異なる機械的および/または生化学的特性(すなわち細胞接着、シグナル伝達、分解性)を有する個別体積の細胞培養微小環境のアレイ、このようなアレイを作製する方法、このようなアレイを作製するためのパーツキット、および特に幹細胞などの培養が困難な細胞型の細胞成長挙動に対するハイドロゲル配合物の影響を試験する組み合わせ方法に関する。
発明の背景
とりわけ癌または幹細胞研究の分野において複雑な細胞挙動を解明するためのモデルとして、二次元細胞培養系および天然由来の三次元細胞培養系が長年にわたって知られている。
二次元細胞培養系は、インビボで見られるものに酷似した遺伝子発現パターンおよび細胞表現型を可能にしないという欠点がある。さらに、二次元細胞培養系は、インビボ細胞培養微小環境の特定の重要な生理学的特徴、とりわけ空間的制約、タンパク質分解リモデリング、剛性媒介性のメカノトランスダクション、およびリガンドの適切な表現モードを忠実に再現することを期待できない。
天然由来の三次元細胞培養系は、組成が明確に定義されておらず、バッチ間変動を示すため、体系的にそれらの特性を変化させることができず、それらの重要なマトリックスパラメータを独立して制御することができない。
したがって、本発明の目的は、先行技術の欠点を克服することであり、特に所望の細胞挙動を制御する細胞培養微小環境の迅速な同定を可能にするツールおよび方法を提供することである。
発明の概要
本発明の第1の局面は、カプセル化された細胞の挙動に影響を及ぼす異なる特性を(好ましくは各々が)有する個別体積の細胞培養微小環境のアレイに関する。
本明細書において理解されるように、「細胞培養微小環境にカプセル化された」という用語または類似の表現は、細胞がマトリックスによって完全に取り囲まれ、それによって自然発生的な細胞成長条件を模倣するように細胞が上記マトリックスに埋め込まれることを意味する。
本明細書において理解されるように、「微小環境」または「ある体積の微小環境」という用語は、それぞれ、ハイスループット試験機器、特にマルチウェルプレートに適した体積を意味する。マルチウェルプレートにおいて分析される典型的な体積は、約100nl〜約500μlの範囲、好ましくは約200nl〜約20μlの範囲である。
「個別体積」という用語は、アレイ内の空間的に分離されたスポットまたは領域に関連している。分離されたスポットまたは領域は、互いに接触していてもよく、または例えばプラスチック障壁によって互いに分離されていてもよい。これらの個別体積の各々の中または上に、所望の細胞型の細胞が互いに分離されるように配置され得る。当該細胞は、実験の最初から互いに接触するのではなく、ある期間にわたってそのままであり、それによって細胞培養微小環境の影響下でのみ、隣接する体積から独立して成長する。
特に、個別体積を有し、かつ、細胞増殖/自己複製、コロニー形成、分化および/または移動に影響を及ぼす異なる特性を有する三次元ハイドロゲルのアレイが使用されてもよい。ハイドロゲル前駆体分子を架橋することによって得られる、使用されるハイドロゲルは、好ましくはポリ(エチレングリコール)(PEG)ベースのポリマーなどの親水性ポリマーであり、最も好ましくは細胞適合性架橋反応によって架橋されるマルチアームのPEGベースのポリマーである。
本明細書において理解されるように、「細胞適合性反応によって架橋可能な」(または類似の用語)は、(i)共有結合の形成に基づく反応を含み、当該共有結合の形成は、a)好ましくは活性化トランスグルタミナーゼ因子XIIIaに応じた酵素的に触媒された反応、およびb)非酵素的に触媒された反応および/または無触媒反応、好ましくはマイケル付加反応からなる群から選択され、および/または、(ii)(例えば、特に温度変化もしくは緩衝液のイオン強度の変化によって引き起こされる疎水性相互作用、H結合、ファン・デル・ワールスまたは静電相互作用に基づく)非共有結合の形成に基づく反応も含む。
好ましい実施形態では、PEGベースの前駆体分子は、Ehrbar等(2007年)に詳述されている架橋機構によって生理学的条件下でトロンビン活性化因子XIIIaを用いるか、またはLutolf等(2003年)に詳述されているような架橋機構によって穏やかな化学反応を介して、架橋可能であるように選択される。
ハイドロゲル前駆体分子の架橋は、細胞がハイドロゲルマトリックスによってカプセル化されるように、すなわち細胞が特異な細胞培養微小環境に属しているように、個別体積のアレイの中に研究対象の細胞型が存在する状態でなされる。
細胞培養微小環境からのさまざまな機械的および生化学的因子が、三次元での増殖/自己複製、分化、移動および/またはコロニー形成の観点から細胞の挙動に影響を及ぼす。本発明に係るアレイでは、これらの因子は、体積ごとに異なり得るため、細胞型に対する個々の因子または因子の組み合わせの影響を、多数の、好ましくは数百または数千のユニークな細胞培養微小環境において同時に調査することができる。したがって、細胞培養微小環境における細胞運命に対する個々の因子の役割を体系的に分析することができ、特に幹細胞などの培養が困難な細胞型の挙動を制御するハイドロゲル細胞培養微小環境を迅速に同定することができる。
本発明に係る三次元ハイドロゲルマトリックスの機械的特性は、細胞培養微小環境のポリマー含有量ならびにポリマーゲル前駆体の分子量および/または官能性(架橋に利用可能な部位の数)を変化させることによって変更され得る。したがって、例えばヤング率(E)によって表わされるマトリックスの剛性は、300〜5400Paの間で変動し得る。
さらに、経時的なマトリックスの物理化学的特性は、マトリックス−メタロプロテイナーゼ(matrix-metalloproteinase:MMP)またはプラスミンなどの、細胞分泌プロテアーゼに対して異なる感度(すなわちkcat/K)を有するペプチドのマトリックスに組み込むことによって分解特性をゲルマトリックスに付与することによって変更され得る。プロテアーゼが細胞によって分泌される場合のプロテアーゼに対する感受性および結果として生じるマトリックスの物理化学的特性の変化は、三次元マトリックスにおける効率的な細胞増殖および移動を可能にする。タンパク質分解に対する異なる感受性を有するハイドロゲルマトリックスの機械的特性を一致させるために、マトリックスの前駆体含有量は、マトリックスのポリマー前駆体含有量、ポリマーゲル前駆体の分子量および/または官能性(架橋に利用可能な部位の数)を変化させることによって微調整され得る。PEGベースのハイドロゲルマトリックスでは、プロテアーゼに対する感受性は、例えば、以下により詳細に記載されるように、細胞分泌プロテアーゼに対して異なる感度を有する異なるペプチド配列をマトリックス前駆体分子に組み込むことによって変更され得る。
細胞培養微小環境の生化学的特性は、1つ以上の生物活性分子をマトリックスに添加することによって調節され得る。本明細書におけるこれらの生物活性分子は、例えば
i)細胞外マトリックス由来(extracellular matrix-derived:ECM)因子、
ii)細胞間相互作用因子、および/または
iii)細胞シグナル伝達因子
の群から選択され得る。
使用される細胞外マトリックス由来因子i)は、例えばラミニン、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチンもしくはエラスチンなどのECMタンパク質、ヘパリン硫酸もしくはコンドロイチン硫酸などのプロテオグリカン、ヒアルロン酸などの非プロテオグリカン多糖、または、タンパク質のCNファミリのもの、フィブリン、オステオポンチン、ペリオスチン、SPARCファミリメンバ、テネイシンもしくはトロンボスポンジンなどのマトリックス細胞タンパク質であってもよい。これらのECM因子は、完全長バージョンで使用されるか、または、ペプチドおよびオリゴ糖などのより小さな官能性ビルディングブロックとして使用され得る。
使用される細胞間相互作用タンパク質ii)、主に膜貫通タンパク質は、カドヘリン、セレクチン、またはIgスーパーファミリ(ICAMおよびVCAM)に属する細胞接着分子(CAM)、またはNotchリガンド、Delta−likeおよびJaggedなどの膜貫通細胞シグナル伝達系の成分などの、細胞間接着に関与するタンパク質であってもよい。
使用される細胞シグナル伝達因子iii)は、成長因子または発生モルフォゲンであってもよく、以下のファミリ:アドレノメデュリン(AM)、アンジオポエチン(Ang)、自己分泌型運動因子、骨形成タンパク質(BMP)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、上皮成長因子(EGF)、エリスロポエチン(EPO)、線維芽細胞成長因子(FGF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、成長分化因子−9(GDF9)、肝細胞成長因子(HGF)、肝細胞癌由来成長因子(HDGF)、インスリン様成長因子(IGF)、白血病抑制因子(LIF)、移動刺激因子、ミオスタチン(GDF−8)、神経成長因子(NGF)および他のニューロトロフィン、血小板由来成長因子(PDGF)、トロンボポエチン(TPO)、形質転換成長因子アルファ(TGF−α)、形質転換成長因子ベータ(TGF−β)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、血管内皮成長因子(VEGF)、Wntシグナル伝達経路、胎盤成長因子(PlGF)、またはサイトカインもしくはケモカインの大分類のメンバのものなどである。
細胞外マトリックス由来因子i)および細胞間相互作用因子ii)は、架橋の前または最中にハイドロゲルマトリックスに部位特異的に付着され得る。生物活性分子によるゲル官能基化は、生体分子(例えばアミンまたはチオール基)または架橋酵素(例えばトランスグルタミナーゼ)のためのペプチド基質上の自由な官能基とゲルネットワークとの間の直接共有結合の形成によって、または、キメラ/タグ融合タンパク質上の領域とゲルに付着された補助タンパク質との間の親和性結合によって、実現可能である。タグ融合タンパク質は、Fc−タグ、ビオチン−タグまたはHis−タグを有するものを含み、例えばプロテインA(もしくはプロテインG、プロテインA/G)、ストレプトアビジン(もしくはニュートラアビジン)、またはNTAとの結合を可能にする。
生体分子は、ハイドロゲルネットワークに対して異なるゲル連結手法を必要とし得る。好ましくは、線形のヘテロ二官能性リンカーを用いた非特異的連結によって、より大きなECM由来またはECM模倣タンパク質およびペプチドがハイドロゲルに付着される。このリンカーの一方の官能基は、ポリマー鎖、好ましくはチオールの末端に付着された官能基に反応する。リンカーの他方の官能基は、そのアミン基を介して対象の生体分子に非特異的に連結することができる。後者の官能基は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、スクシンイミジルアルファ−ブタン酸メチル、スクシンイミジルプロピオン酸などのスクシンイミジル活性エステル;アルデヒド;チオール;アクリレート、マレイミドまたはビニルスルホンなどのチオール選択基;ピリジルチオエステルおよびピリジルジスルフィドからなる群から選択される。好ましくは、NHS−PEG−マレイミドリンカーが生体分子に付着される。
細胞シグナル伝達因子iii)は、空間的に分離した領域において可溶性の形態で、架橋されたハイドロゲルマトリックスカプセル化細胞に添加され得て、そのため、自由にマトリックスに拡散して細胞に到達する。代替的に、細胞シグナル伝達因子iii)は、細胞外マトリックス由来因子i)および細胞間相互作用因子ii)について上記したのと同様にマトリックスに連結されてもよい。
本発明の別の局面は、本明細書に記載のアレイを作製する方法に関する。特に、この方法は、
a)1つ以上の異なるハイドロゲル前駆体分子を提供するステップと、
b)ステップa)に記載のハイドロゲル前駆体分子の異なる組み合わせを組み合わせて、個別体積の基質、好ましくはマルチウェルプレート上または中に供給するステップと、
c)1つ以上の生物活性分子を上記個別体積に添加し、存在しているハイドロゲル前駆体分子またはステップe)で形成されるハイドロゲルのうちの少なくとも1つに上記分子を付着させるか、またはそれらを自由に拡散させるステップと、
d)細胞を上記個別体積の基質上に/中に添加するステップと、
e)上記ハイドロゲル前駆体分子を架橋して、ハイドロゲルマトリックスを形成するステップとを備える。
上記方法のステップa)において、使用されるハイドロゲル前駆体分子は、好ましくは、生体分子を連結することができ、かつ、細胞生存性を損なわない機構によって架橋されることができる化学的または酵素的に反応するPEGベースのポリマー前駆体である。PEGベースの前駆体が、例えば因子XIIIaなどのトランスグルタミナーゼのための(グルタミンおよびリシン含有)ペプチド基質を含む場合、架橋は、この酵素によって行われることができる。最も好ましくは、前駆体分子は、細胞媒介性のハイドロゲル分解、すなわち経時的なマトリックスの構造的および機械的特性の局所変化を可能にするために、異なるタンパク質分解感受性のペプチド配列も含む。
好ましくは、上記方法のステップb)は、多数の異なる細胞培養微小環境を有する三次元細胞含有マトリックスを構築する際に必要なレベルの多様性を実現するため、および、必要な反復も実現するために、自動化されたゲル作製方法および小型のサンプルを使用して行われる。この目的のために、好ましくは市販の液体処理ロボットを使用して、完全に自動化された態様で、スライドガラスなどの基質上に、または好ましくは標準的な1536−ウェルプレートなどのマルチウェルプレートの中に、たった100〜500ナノリットルの体積のステップa)に記載の前駆体分子のユニークな混合物の各々を、好ましくは3倍に、正確に合成する。後者の方式は、選択されたハイドロゲル滴のための理想的な表面積対体積率を示し、さまざまな実験装置に適合可能な標準的な方式に相当するので、好ましい。三次元ハイドロゲルマトリックスが生成されると、当該系は、多面的分析プラットフォームとして機能することができ、複数の読み出し情報を並行して得ることができる。
上記方法のステップc)において、生物活性分子は、上記のように選択される。
ステップe)において、三次元ハイドロゲルマトリックスを形成するためのハイドロゲル前駆体分子の架橋は、少なくとも1つの架橋剤を用いて実現可能である。PEGベースの前駆体分子が使用される場合、トロンビン活性化因子XIIIa、または、(Lutolf等(2003年)に詳述されるような)MMP感受性基質を含有する化学的に反応する二官能性オリゴペプチドが、選択された架橋剤である。しかし、架橋は、(例えばマイケルタイプの付加反応などの酵素的に触媒された反応ではなく、例えば高選択性のいわゆるクリック化学または他の化学薬品によってなど)互いの方に向かって容易に反応する2つの異なる前駆体分子を組み合わせるとすぐに起こる可能性があるとも考えられる。
供給されたハイドロゲル前駆体のアレイは、保管され、後の時点で使用され得る(すなわちスクリーニング実験のために細胞と接触させられ得る)。保管は、好ましくはマルチウェルプレート(例えば96−、384−または1536−ウェルプレート)において行われ、(まだ架橋剤を有していない)溶液中の前駆体、または凍結乾燥された前駆体、すなわち粉末を用いてなされ得る。当該粉末は、未反応であり、未反応のままであり、これは、前駆体の構造成分(例えばPEG)のほとんどどれもが架橋剤と反応したことを意味する。例えば緩衝液を添加すると、凍結乾燥された前駆体は、可溶化され、次いで互いに反応し得る。
本発明のさらに別の局面は、細胞成長挙動に対するハイドロゲル配合物の影響を試験する組み合わせ方法に関する。特に、この組み合わせ方法は、
a)1つ以上の異なるハイドロゲル前駆体分子を提供するステップと、
b)ステップa)に記載のハイドロゲル前駆体分子の異なる組み合わせを組み合わせて、個別体積の基質、好ましくはマルチウェルプレート上に/中に供給するステップと、
c)1つ以上の生物活性分子を上記個別体積の上記基質にさらに添加し、存在しているハイドロゲル前駆体分子またはステップe)で形成されるハイドロゲルのうちの少なくとも1つに上記分子を付着させるか、またはそれらを自由に拡散させるステップと、
d)(所望の細胞型の)細胞を上記個別体積の基質上に/中に添加するステップと、
e)上記ハイドロゲル前駆体分子を架橋して、ハイドロゲルマトリックスを形成するステップと、
f)上記個別体積の上記ハイドロゲルマトリックスにおいて上記細胞を成長させ(てそれらの挙動を変化させ)るステップと、
g)ステップf)の間に経時的に上記細胞をモニタリングするステップと、
h)異なる細胞培養微小環境のために、好ましくは異なる細胞培養微小環境のアレイ全体のために挙動を判断するステップとを備え、挙動は、好ましくは増殖の程度、コロニー形成の程度、分化の程度、移動の程度、またはこれらの組み合わせからなる群から選択され、上記組み合わせ方法はさらに、
i)任意に、生物活性分子、および/または、機械的特性、および/または、好ましくはプロテイナーゼによる個別の細胞培養微小環境の、酵素分解に対する感受性の互いに対する相乗効果および/または拮抗効果を判断するステップと、
j)任意に、特定の細胞挙動を指図する特定のハイドロゲル配合物またはハイドロゲル配合物の範囲を同定するステップと、
k)任意に、さらなる分析、好ましくは表現型分析のために、または連続的な細胞培養もしくは継代のために、少なくとも1つのハイドロゲル細胞培養微小環境から細胞を分離するステップとを備える。
ステップa)において使用される異なるハイドロゲル前駆体分子は、好ましくは、本明細書の他の部分に記載されているように選択される。
上記の組み合わせ方法のステップb)は、好ましくは、本明細書の他の部分に記載されているような自動化された方法を用いて行われる。
上記の組み合わせ方法のステップc)において、参照される生物活性分子は、本明細書の他の部分に記載されているように選択され得る。
ステップe)において、ステップa)で提供されたハイドロゲル前駆体分子の架橋は、本明細書の他の部分に記載されているように実現可能である。
組み合わせ方法のステップf)において、細胞は、好ましくは数日〜数週間にわたって、個別体積のハイドロゲルマトリックスにおいて増殖/自己複製し、コロニーを形成し、分化し、または移動する。
組み合わせ方法のステップg)における細胞挙動のモニタリングは、固定された時間間隔で、例えば一定の日数後に、繰返し行われ得る。モニタリングは、例えば自動化された画像化技術、すなわち従来のまたは共焦点顕微鏡法を用いて行われ、タイムラプス画像化を含み得る。
組み合わせ方法のステップh)における異なる細胞培養微小環境のための増殖/自己複製、コロニー形成、分化および/または移動挙動の判断は、例えば広視野顕微鏡法を用いて、または、緑色蛍光タンパク質(green fluorescent protein:GFP)などの蛍光マーカを発現する細胞もしくは免疫染色細胞によりなされることができ、当該免疫染色細胞は、蛍光抗体を使用し、例えば自己複製もしくは分化によって、または顕微鏡法を用いて多細胞コロニーへの単細胞の発達を三次元で定量化することによって、免疫染色細胞が成長してそれらの挙動を変化させる際の蛍光強度を定量化する。したがって、例えば各々の個別の細胞培養微小環境において成長する細胞の数および動態、レポーター遺伝子発現のレベル、または成長細胞および細胞コロニーの三次元形態の読み出し情報を得ることができる。例えば細胞またはコロニー偏心度、固体性、極性の程度などの他の形態学的測定値を評価および定量化することができる。また、これらの測定値のばらつきも、不均一性の度合いを評価するために定量化されることができる。
組み合わせ方法のステップi)における多様な細胞培養微小環境のアレイ全体の細胞挙動の定量化は、所望の用途において三次元細胞培養のためにさらに使用およびアップスケールされ得る1つ以上のハイドロゲル配合物を生成し得る。
ステップj)において、必要であれば、細胞を採取するために、特定の細胞培養微小環境は消化され得る。細胞の採取は、連続的な細胞培養/継代に有用であり、フローサイトメトリ、遺伝子発現分析、インビボ分析などの下流表現型分析に有用である。
本発明のさらに別の局面は、上記の組み合わせ方法に適した、上記の三次元ハイドロゲルマイクロアレイを作製および任意に使用するためのパーツキットに関する。このようなキットは、
a)1つ以上のハイドロゲル前駆体分子、好ましくは(本明細書の他の部分に記載されているような)1つ以上のマルチアームPEG分子と、
b)(本明細書の他の部分に記載されているような)1つ以上の生物活性分子と、
c)任意に、(本明細書の他の部分に記載されているような)前駆体分子a)のための少なくとも1つの架橋剤と、
d)好ましくは上記の方法に係る上記成分の使用説明書とを別個の構成要素として含む。
パーツキット内の成分a)〜c)の使用説明書d)は、上記成分とともに梱包され、上記の三次元マトリックスを作製する方法、ならびに、細胞増殖および/または分化に対するハイドロゲル細胞培養微小環境の影響を調査する組み合わせ方法に従った説明書を提供する。
要約すると、発明者等は、本発明の過程でさまざまな課題に直面しなければならず、このような障害を適切に克服する最も有望な可能性は、容易に予測可能ではなかった。
1.液体ハイドロゲル前駆体の特性および調製に関連する要件
1.1 ハイスループットルーチンを可能にするために、ハイドロゲル前駆体は、自動液体処理ロボットと適合性があるべきである。再現可能に供給されるためには、ハイドロゲル前駆体は、粘性が高すぎてはならないし、粘り気が高すぎてもいけない。粘性が水の粘性から分子量が10〜40kDaのPEGの10%(w)水溶液の粘性までの範囲である液体が、確実な供給のために使用可能であることが分かった。タンパク質または糖に基づく天然由来のハイドロゲルネットワーク(例えばマトリゲル(登録商標)、コラーゲン、フィブリン、ラミニン、ヒアルロン酸など、すなわち三次元細胞培養のための従来技術の、一般的に使用される大半のゲル)の大半の前駆体は、この要件を満たさないので、確実に供給されることができない。これらの一般的に使用される大半のゲル配合物は、コンセプトを実践するために使用することはできなかった。
上記の粘性範囲は、例えば、タンパク質または糖に基づくのではなく、1〜10%(w/v)の前駆体濃度範囲で形成される親水性ポリマー、最も好ましくは3〜8個のアームを有し、分子量が2000〜5000kDaである分岐ポリ(エチレングリコール)分子、に基づくハイドロゲル骨格を用いて実現可能である。
1.2 ハイドロゲル前駆体は、安定的であるべきであり、室温で自発的にゲル化すべきでなく、または光にさらされることにより自発的に反応すべきでない。天然由来のハイドロゲルネットワーク(例えばマトリゲル(登録商標)、コラーゲン、フィブリン)の大半の前駆体は、室温またはより低い温度でさえ、自発的にゲル化する。また、合成ハイドロゲル(例えば光重合PEGゲル)の多くの前駆体は、感光性であり、そのため自発的にゲルを形成する。これらの一般的に使用される大半のゲル配合物は、コンセプトを実践するのに理想的ではない。
自発的なゲル化を防止するために、酵素反応に基づく架橋反応、好ましくはトランスグルタミナーゼに基づく架橋反応が使用されてもよく、この場合、活性酵素は、マイクロアレイ生成の最後のステップにおいて(すなわち組み合わせ混合の実施後に)添加されてもよく、または架橋酵素の活性に不可欠なカルシウムが奪われた溶液に添加されてもよく、またはプレートをセ氏約10度未満に冷却して酵素架橋反応を劇的に減速させることによって添加されてもよい。
1.3 液体前駆体のゲル化を開始させるための制御可能なトリガ事象があるべきである。具体的には、このゲル化トリガ成分を添加する前の成分の混合は、非反応性であるべきである。これは天然由来のハイドロゲルネットワークには当てはまらず、したがって、これらの配合物は、コンセプトを実践するのに理想的ではない。
上記のトリガ事象は、例えば架橋を引き起こす酵素、好ましくはトランスグルタミナーゼファミリのメンバである酵素の添加、酵素が不活性であるようにカルシウムが奪われた溶液へのカルシウムの添加、またはプレートをセ氏約10度から室温に加熱して酵素架橋反応を引き起こすことによるものであり得る。
1.4 ハイドロゲル状に凝固する前に液体の形態で材料を自由にかつ制御可能に取り扱う必要がある場合には、液体前駆体の活性化の間に規定の期間があるべきである。具体的には、材料は、室温で液体の形態で処理されなければならず、最終的なプレート上への供給に必要な典型的な時間である2〜4分の最小時間の間はゲル化すべきでない。三次元細胞培養のための一般的に使用される大半のゲル配合物では、重合動態は制御不能であり、このような設定された時間は存在しない。したがって、これらの配合物は、コンセプトを実践するのに理想的ではなかった。本発明の文脈では、この問題は、好ましくは、さらに温度感受性の(すなわち温度低下によって不活性化され得る)架橋酵素によってゲル化を引き起こすことによって克服され、供給の成功に対して粘性が高くなりすぎる前に当該時間の長さを調整する強力な手段を提供する。
本発明の文脈で使用するのに最も適した酵素は、トランスグルタミナーゼのファミリのメンバ、最も好ましくはトロンビン活性化因子XIIIaである。
2.固体ハイドロゲル特性に関連する要件
2.1 最終的なゲル材料は、非膨張性であり、非収縮性であるべきである。ここでは、膨張または収縮は、(プレートに供給される)前駆体溶液の体積と、ハイドロゲルが配置される培地との平衡に到達した後のハイドロゲルの体積との間の体積の増加または減少として規定される。具体的には、ここで合成直後のゲルの体積(すなわち前駆体溶液の体積に対応する)によって除算された、水と平衡状態にあるゲルの最終体積として規定される膨張率は、80〜130%であるべきである。とりわけ、水中でのハイドロゲルの膨張は、典型的には以下のように測定される。すなわち、ゲルが合成され(典型的には25μLの体積)、密度測定キットを用いて、1mLの脱イオン水中での48時間にわたる膨張の前および後で、ならびに凍結乾燥後に、空気およびエタノール中で計量される。アルキメデスの浮力原理に基づいて、架橋後のゲル体積(Vg,c)および膨張後のゲル体積(Vg,s)が求められる。Vg,sとVg,cとの間の比率が膨張率として規定される。この要件が無ければ、材料特性が不均質になる可能性があり、材料変形が起こる可能性があり、基質からのゲルの分離が起こり得る可能性があり、これらは各々が、このコンセプトを実践することにとって好ましくない。発明者等が知っている限りでは、全てとはいえないにしてもほとんどの合成ハイドロゲル系は、架橋後に大規模に膨張し、そのため、このコンセプトを実践するために理想的に使用することができなかった。発明者等は、非膨張性であり、かつ、非収縮性であるゲルを同定するために、ポリマー前駆体アーキテクチャ(すなわち官能性および分子量)を設計した。具体的には、この非膨張性および非収縮性基準を満たすために、1〜10%(w/v)の前駆体濃度範囲で形成された場合に、分岐親水性ポリマー、最も好ましくは8個のアーム(すなわち8個の官能性)を有し、分子量が各々5000kDaであり、トランスグルタミナーゼ架橋酵素のためのペプチド基質を含有するポリ(エチレングリコール)マクロマ、から形成されるハイドロゲルが、(他のマクロマアーキテクチャおよび架橋反応の大きなライブラリから)発明者等によって同定された。
2.2 最終的なゲル材料は、その生化学的特性(すなわち分解性およびシグナル伝達)から独立して制御可能な生物物理学的特性(すなわち剛性)を有するべきである。具体的には、ポリマー含有量を変化させることによるゲル特性の変更は、分解性を変化させてはならない。三次元細胞培養のための一般的に使用される大半のゲル(例えばマトリゲル(登録商標)、コラーゲン、フィブリン、ラミニン)は、その生化学的特性から独立してゲルの生物物理学的特性を変化させることを許さず、そのため、このコンセプトを実践するために理想的に使用することができなかった。発明者等は、剛性の変化がポリマー含有量の変化に線形に依存するハイドロゲル系を設計することによってこの問題を解決した。ゲル骨格に異なるプロテアーゼ基質を組み込むことによってゲルの分解性を変化させる場合、この線形性は、異なる分解性を有するゲルの生物物理学的特性を正確に一致させることを可能にする。
2.3 最終的なゲル材料は、大域的で非特異的な分解(すなわちゲルピース全体が溶解する)ではなく、ゲル骨格の非常に局所的な分解(すなわちゲル内に孔が作製される)によって分解すべきである。加水分解的に不安定なエステル結合を含むものなどの一般的に使用される多くの合成ハイドロゲル材料(例えばアクリレート基によって形成されるPEGゲル)は、非局所的な機構によって分解する。さらに、三次元細胞培養のための一般的に使用される多くのゲル(例えばマトリゲル(登録商標)またはフィブリン)は、大域的かつ非特異的に溶解し(マトリゲル(登録商標)は、特に制御不能に分解する傾向がある)、そのため、このコンセプトを実践するために理想的に使用することができなかった。
本発明の文脈では、ゲル骨格の非常に局所的な分解は、細胞膜に固定された細胞分泌プロテアーゼ(例えば膜結合性プロテアーゼ)が、細胞表面を越えるのではなく細胞表面に非常に近接したハイドロゲルを切断するように、分岐親水性ポリマーの末端に付着されたプロテアーゼ基質をハイドロゲルネットワークの骨格に配置することによって実現される。好ましくは、このようなゲルは、異なる感度(すなわちkcat/K)のペプチドを細胞分泌MMPに組み込むことにより、マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)によって分解可能にされる。
2.4 最終的なゲル材料は、付着時に生物活性を減少させることなく、生化学因子(例えばタンパク質またはペプチド)を付着させることができるべきである。さらに、生化学因子の付着は、ゲルの生物物理学的特性に影響を及ぼしてはならない。一般的に使用される多くの合成ハイドロゲル材料は、生化学因子の官能性組み込みと適合性がないか、または因子組み込み時に生物物理学的特性を変化させる架橋化学によって形成され、そのため、これらの系は、このコンセプトを実践するために理想的に使用することができなかった。さらに、三次元細胞培養のための一般的に使用される大半のゲル(例えばマトリゲル(登録商標)、コラーゲン、フィブリン、ラミニン)は、生化学因子を特異的に組み込むことができず、そのため、このコンセプトを実践するために理想的に使用することができなかった。発明者等は、最終的なゲルの剛性を20%以上変化させることなく、1mg/mlまでのタンパク質または1mMまでのペプチドを付着させることを可能にする合成ハイドロゲル系を設計した。
これは、好ましくは、架橋の前または最中にハイドロゲルマトリックスに生化学因子を部位特異的に付着させることによって実現される。生物活性分子によるゲル官能基化は、生体分子(例えばアミンまたはチオール基)または架橋酵素(例えばトランスグルタミナーゼ)のためのペプチド基質上の自由な官能基とゲルネットワークとの間の直接共有結合の形成によって、または好ましくは感受性細胞シグナル伝達タンパク質の場合には、キメラ/タグ融合タンパク質上の領域とゲルに付着された補助タンパク質との間の親和性結合によって、実現可能である。タグ融合タンパク質は、Fc−タグ、ビオチン−タグまたはHis−タグを有するものを含み、プロテインA(もしくはプロテインG、プロテインA/G)、ストレプトアビジン(もしくはニュートラアビジン)、またはNTAとの結合を可能にする。生体分子は、ハイドロゲルネットワークに対して異なるゲル連結手法を必要とし得る。好ましくは、線形のヘテロ二官能性リンカーを用いた非特異的な連結によって、より大きなECM由来またはECM模倣タンパク質およびペプチドがヒドロゲルに付着される。このリンカーの一方の官能基は、ポリマー鎖、好ましくはチオールの末端に付着された官能基に反応する。リンカーの他方の官能基は、そのアミン基を介して対象の生体分子に非特異的に連結することができる。後者の官能基は、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、スクシンイミジルアルファ−ブタン酸メチル、スクシンイミジルプロピオン酸などのスクシンイミジル活性エステル;アルデヒド;チオール;アクリレート、マレイミドまたはビニルスルホンなどのチオール選択基;ピリジルチオエステルおよびピリジルジスルフィドからなる群から選択される。好ましくは、NHS−PEG−マレイミドリンカーが生体分子に付着される。
2.5 最終的なゲル材料は、典型的にはプラスチックまたはガラスであるマイクロアレイ基質に付着すべきである。具体的には、この基質は、処理済みまたは未処理の顕微鏡スライドガラス、処理済みまたは未処理の標準的な組織培養ガンマ線照射細胞培養プラスチック実験機器、処理済みまたは未処理のウェルプレート、処理済みまたは未処理の高密度(384、1536ウェル)細胞培養プレートである。この要件がなければ、ゲルが分離する可能性があり、試験サンプルの紛失が生じる可能性がある。一般的に使用される多くの合成ハイドロゲル材料は、このような表面に付着せず、そのため、このコンセプトを実践するために使用することができなかった。
膨張または収縮しないハイドロゲル材料は、上記のように基質に対する好ましい付着性を有することが分かった。具体的には、この非膨張性および非収縮性基準を満たすために、1〜10%(w/v)の前駆体濃度範囲で形成された場合に、分岐親水性ポリマー、最も好ましくは8個のアーム(すなわち8個の官能性)を有し、分子量が各々5000kDaであり、トランスグルタミナーゼ架橋酵素のためのペプチド基質を含有するポリ(エチレングリコール)マクロマ、から形成されるハイドロゲルが、(他のマクロマアーキテクチャおよび架橋反応の大きなライブラリから)発明者等によって同定された。
3.ナノ/マイクロリットルスケールのロボット供給に関連する要件
3.1 ロボット液体処理装置は、大きな液体体積を正確に混合し、空間的にアドレス可能な方式でナノリットル範囲の液滴を供給する能力を有するべきである。市販されている大半の液体処理機は、ナノリットル範囲の精度で供給することができない。また、液体処理装置は、非常に異なっている粘性の液体について精度を維持すべきである。具体的には、粘性が水の粘性から10%PEGの粘性までの範囲である液体について、正確な体積が維持されるべきである。市販の液体処理ロボットは、好ましくは、たった50ナノリットル(最大+/−1%の精度誤差)の体積を正確に供給するために使用される。
3.2 マイクロ、特にナノリットル体積範囲でのゲル蒸発を回避するための手法が開発されるべきであり、これには非常に冗長な最適化作業およびプロトコル開発が必要である。具体的には、ゲル化されたサンプル上での供給と培地添加との間の時間中は、蒸発は回避されるべきである。具体的には、小さな体積の前駆体/ゲル(約100nl〜1μL)の蒸発は、およそ20分間にわたって回避されるべきである。具体的には、混合および供給は、制御された温度および湿度で、具体的には例えば25℃および30%の相対湿度で行われるべきであり、そこから例えば6℃の露点温度が計算され、冷却ブロックのために設定される。具体的には、基質(典型的にはマルチウェルプレート)の温度は、冷却ブロックを用いて制御されるべきである。具体的には、露点を計算するために周囲温度および周囲相対湿度が使用され、冷却ブロックが露点に設定される。具体的には、プレートは、複数の供給ステップが行われている間は露点に維持されるべきである。具体的には、全てのゲル供給ステップが行われた後、蒸発を防止しながら完全なゲル化を可能にするために、プレートは20分間にわたって培養器(37℃、5%CO)に上向きで配置されるべきである。具体的には、ゲル化が完了した後、プレートは、少量の基本培地(1536ウェルプレートの場合、典型的には1μL)で素早く(約1分)充填されるべきである。また、分析の最中は、培地は素早く交換されなければならない。具体的には、培地は、遠心分離によってプレートから遠心分離され得る(約200〜300g)。
3.3 ゲル前駆体液体混合は、正確に規定された、階層的に順序付けられたシーケンスで行われるべきであり、これにはいくらかの冗長な最適化作業およびプロトコル開発が必要である。これは、広範囲にわたる計画および最適化作業を必要とする。具体的には、まず、特異的にプロテアーゼ感受性のポリマー前駆体原液が、さまざまな濃度に希釈されるべきである。次いで、タンパク質およびペプチドなどの生化学因子が当該溶液に添加されるべきであり、その後、細胞と優先的に架橋酵素である架橋誘導剤とが添加されるべきである。このシーケンスを辿ることができなければ、さまざまな物理的および化学的特性間の独立性が失われる可能性があり、当該コンセプトを実践することができない可能性がある。また、シーケンスを誤ると、タンパク質の濃度を誤る可能性があり、細胞密度を誤る可能性があり、または時期尚早なゲル化が起こる可能性がある。
3.4 細胞密度およびゲル内の均一な三次元分布が保証されるべきであり、これにはいくらかの冗長な最適化作業およびプロトコル開発が必要である。具体的には、供給時間および架橋剤の添加に関する遅延が最適化されるべきである。また、小さな最小体積を維持しながら(拡散によって制限される)最適な細胞生存性および蒸発の防止を保証するために、特定の基質フォーマットについてゲル体積が最適化されるべきである。具体的には、ゲル体積は、1536ウェルプレートのウェルでは典型的には1μlであり、その結果、ゲル高さはおよそ500μmになる。

発明の詳細な説明
以下、本発明の実施形態が、実施形態を用いてより詳細に提示される。
分子ビルディングブロックのツールキットからの三次元シグナル伝達細胞培養微小環境のアレイの生成
本発明に係る細胞微小環境の三次元スクリーニングを実現するために、分子ビルディングブロックのライブラリから成る生体材料系を設計することが有用であることが証明され、当該分子ビルディングブロックは、独立して混合され、次いで細胞の存在下で架橋されて、特異的かつ独立して制御可能な特性を有する非常に多様な三次元細胞微小環境を形成することができる可能性がある。本発明は、好ましくは、非常に明確に規定された生化学的および機械的特性を有する生体模倣三次元細胞微小環境として合成ハイドロゲルに基づいて実施されることができることが分かった(LutolfおよびHubbell(2005年))。好ましくは、本発明の文脈では、生理学的条件下でマルチアームのポリ(エチレングリコール)(PEG)ベースのプレポリマーを三次元ハイドロゲルネットワークに架橋するために、凝固酵素活性化トランスグルタミナーゼ因子XIIIa(FXIIIa)が使用される(図1a参照)(Ehrbar等(2007年))。実際、このようなPEGベースのハイドロゲル内にカプセル化された単一マウスESCは、非常に優れた生存性を示し(89.1±7.3%)、これは、ゼラチンでコーティングされたプラスチック上での標準的な培養条件(92.5±3.6%)と大きく異なっておらず(p=0.44)、結果は詳細に図示していない。ゲルカプセル化された単一ESCは、実験の最初から互いに物理的に分離され、ある期間にわたってそのままであり、それによってクローンエンティティとして拡張する。三次元での効率的な成長を可能にするために、分解のためのプロテアーゼ基質部位を含有するゲルを設計することによって、ゲルは、細胞分泌タンパク質分解リモデリングの影響を受けやすくされ得る(Lutolf等(2003年)、PattersonおよびHubbell(2010年))(図1a参照)。さらに、オリゴペプチドまたはタンパク質などの生物活性分子が、架橋中にマトリックスに部位特異的に付着され得る(図1a)。さまざまなハイドロゲルマトリックスを作製するためのこの分子「ツールキット」により、異なる三次元細胞微小環境の非常に大きな組み合わせ空間を調査することが効果的に可能になる。
原理証明として、三次元インビボ微小環境の5つの重要なシグナルタイプが調製され、マトリックスの機械的特性(「MP」と略される)、タンパク質分解に対する感受性(「DG」)、細胞外マトリックス由来タンパク質(「EC」)、細胞間相互作用タンパク質(「CC」)、および可溶性因子(「SF])の特性の各々は、独立して変化させることができた(図1b参照)。ポリマー含有量を変化させることによって、ゲルの剛性(ヤング率Eによって表わされる)は、約300〜5400Paに特定され(Ehrbar等(2011年))(図1b)、これは軟組織の生理学的に関連性のある範囲である(Engler等(2006年))。細胞分泌マトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)に対して異なる感度(すなわちkcat/Km)を有するペプチドを組み込むことによって、ゲルは、MMPによって異なって分解可能であるようにされた(Lutolf等(2003年))。重要なことに、異なるMMP基質ペプチドによって架橋されるゲルの機械的特性を完全に一致させるために、前駆体含有量が調節された。このようにして、この合成ゲル系の重要な機械的および生化学的特性は、独立して制御された。マトリックスの細胞シグナル伝達特性を体系的に調節するために、以前からESC多能性の調整に関与し、かつ、本発明の文脈においてゲルに酵素的に連結される一組のECMおよび組み換え成長因子タンパク質が選択された(図1b参照)。ラミニン、フィブロネクチンおよびコラーゲンIVとのESC相互作用は、以前は、二次元での多能性の喪失に関連付けられていた(Prudhomme等(2004年))。しかし、三次元培養系でのペプチド類似体によるインテグリンホモ二量体のライゲーションは、代わりに自己複製の維持を促進し得ることを示した(Lee等(2010年))。また、増加しつつある一連の研究により、自己複製の媒介物質として細胞間シグナル伝達に関わる膜貫通タンパク質が指摘され、代表的な例としてE−カドヘリン、EpCamおよびJaggedがここでは選択された(Andrews等(2008年)、Gires等(2009年)、Soncin等(2009年))。最後に、ゲルネットワークの拡散特性によってカプセル化された細胞に到達することができるように、可溶性ESC調節因子、白血病抑制因子(LIF)、骨形成タンパク質4(BMP4)および線維芽細胞成長因子4(FGF4)(Prudhomme等(2004年)、Qi等(2004年)、Ying等(2003年))が無血清培地形成に利用された。本実施形態では、5つのカテゴリの各々について4つのレベルの調節が特定され、1024個のユニークな条件の総パラメータ空間に至った(図1c参照)。また、自己分泌効果によるESC運命の重要な調節因子としてますます認識されている細胞密度が、この実験装置において規定され、以下で実証されるように遡及的に画像化され得る。三次元細胞含有マトリックスを構築する際のこのレベルの複雑さおよび必要な反復は、好ましくは、サンプル体積を小型化して、自動化されたゲル作製(図1c参照)および細胞運命分析(図1d参照)方法を適合させることによって、実践される。具体的には、市販の液体処理ロボットを使用して、完全に自動化された態様で、スライドガラス(図示せず)上に、または標準的な1536ウェルプレート(図示せず)の中に、1μlのユニークな条件の各々を3倍に正確に合成した。後者の方式は、選択されたハイドロゲル滴のための理想的な表面積対体積率を示し、さまざまな実験装置に適合可能な標準的な方式に相当するので、選択された。三次元ゲルアレイが生成されると、当該系は、多面的分析プラットフォームとして機能することができ、複数の読み出し情報を並行して得ることができる。
ESC運命は、三次元細胞培養微小環境の組成に非常に依存している
上記の三次元細胞培養微小環境に応答してESC自己複製および分化についての定量的情報を得るために、自動画像化および画像分析とともにOct4−GFPレポーター細胞株が使用された(図1d参照)。転写因子Oct4は、ESC多能性のマーカであると広く考えられている(Niwa等(2000年))。三次元マトリックスに埋め込まれた細胞は、播種の翌日に画像化され、各ウェルについての細胞の実際の初期数が得られた。最も許容される条件では、これらの細胞は、3日以内に球形コロニーを形成し、5日後の固定まで増殖し続けた(図1dの左側のパネルを参照)。共焦点顕微鏡法は、これらの条件で成長するコロニーが、厚みがおよそ500μmの真の三次元空間に存在することを確認した(図1dの中央のパネルを参照)。ハイドロゲルの完全な三次元アーキテクチャの自動画像化を効率的な画像分析パイプラインと組み合わせて、いくつかの形態学的読み出し情報を得た。コロニー面積は、増殖の尺度であると考えられ、GFP強度は、ESC多能性の尺度であると考えられた(図1dの右側のパネルを参照)。
マトリックスエフェクタ(すなわちMP、DG、EC、CCおよびSF)のユニークな組み合わせごとに、コロニー面積およびGFP強度が3回の平均として計算された。各平均値は、平方として表わされ、色を付与され(赤色は、比較的高い値を表わし、青色は、比較的低い値を表わす)、全ての値/平方は、入力条件によってまとめられ、それによってヒートマップ図が生成された(図2a参照)。一般に、可溶性因子調節は、ヒートマップ強度の最強の予測因子であることが分かり、LIF条件は、高い増殖および自己複製を引き起こし、FGF4およびBMP4に対しては逆の効果があり、中間のレジームは、可溶性因子がない条件で現れた。トップテンの自己複製および増殖条件は全て、LIF条件の範囲内であり、大半が機械的特性が低く、かつ、細胞間相互作用タンパク質が欠如している条件内である傾向があった。実際、全ての細胞培養微小環境をコロニー面積対GFP強度としてプロットすると(図2b参照)、LIFを含有する細胞培養微小環境、因子を含有しない細胞培養微小環境(「なし」)、BMP4/FGF4を含有する細胞培養微小環境として同定される3つの集団が出現し、それらの間に重複はほとんどなかった。LIF依存性は、プラットフォームの強い生物学的有効性であることが証明された。なぜなら、LIFは、転写因子であるシグナル伝達兼転写活性化因子(STAT)3のリン酸化によってESC多能性および自己複製を維持するための重要なシグナルであることが知られているからである(Niwa等(1998年))。また、このような説明から面積対GFPの特異な関係が浮かび上がり、これは、自己複製と増殖との間の相関関係が特定の可溶性因子レジームと関係があり、FGF/BMPでは、成長特性にかかわらず自己複製が失われた一方、LIFでは、増殖が自己複製に強く関連付けられたことを示唆している。いかなる外因性の可溶性因子も持たない細胞培養微小環境では、自己複製コロニーが観察された。これは、ESC多能性が急速に失われることになるLIFフリーの二次元培養と好対照であり、三次元でのESCの維持に関わる他の因子の潜在的な役割を指摘している。興味深いことに、全ての亜集団の中で最も自己複製かつ増殖する(すなわち高GFP、高面積)マトリックス特性は、マトリックス剛性が低い条件で見られた(図2cおよび図2d参照)。
系レベル分析は、三次元でのESC運命決定要因の相対的な組み合わせ効果を明らかにする
自己複製および増殖がシグナル伝達細胞培養微小環境に応じていかに変化したかを体系的に定量化するために、細胞培養微小環境の5つの決定要因およびそれらの相互作用の全てを包含する一般化線形モデル(generalized linear model:GLM)が利用された(図3参照)。このアプローチは、当該系におけるばらつきの70%以上を説明することができた。より優勢な効果からわずかな効果を分離することによって、さまざまな因子の相対的重要性を定量化することができ(図3a参照)、三次元でESC運命に影響を及ぼす成分の大域的階層が構築された。可溶性因子は、モデル分散の60%以上を占めていた。マトリックスの分解性および剛性を含む物理的特性は、残りのモデル分散のおよそ半分を占め、連結されたタンパク質および初期細胞密度効果は各々、せいぜい15%を占めていた。
また、これらのカテゴリ内で個々の因子の役割も調査された(図3b参照)。BMP4およびFGF4は、本発明の文脈と同様に無血清培地内の単一の因子として示されると自己複製を損ない、他の微小環境因子は、この影響を著しく克服することはできなかった。分解可能なマトリックスは、自己複製に有利に働くが、必ずしも増殖に有利に働くわけではない。したがって、マトリックスの物理的パラメータは、コロニー成長に影響するだけでなく、幹細胞性も調整し得る。これらのプロセスは、必ずしも並行して作用するとは限らず、相互作用因子によって媒介されてもよい。実際、ECMタンパク質は、コロニーのサイズを大きくする傾向があるが、Oct4の発現を減少させ、これは、ラミニンおよびフィブロネクチンがESCの分化を向上させることが分かった二次元分析における以前の研究結果と一致していた(Prudhomme等(2004年))。驚くべきことに、EpCamなどの細胞間相互作用タンパク質は、当該系において増殖も自己複製も減少させる傾向があったが、選択された3つのタンパク質は全て、以前から二次元研究におけるESC自己複製の維持に関与していた(Andrews等(2008年)、Gires等(2009年)、Soncin等(2009年))。これは、三次元環境内の他の因子によって特定の経路が異なって活性化または無効化され得ることを示唆している。
統計学的に重要な因子間の相乗効果または拮抗効果は、ネットワーク相互作用マップ(図3c参照)によって、重要な対相互作用を示すクラスタ化されたヒートマップ(図3d〜図3g)として示された。可溶性因子を伴うものなどのいくつかの相互作用は、自己複製にも増殖にも関与する一方、他の相互作用は、自己複製に特異的であった(図3c参照)。例えば、全てのECMタンパク質を有するEpCamの存在は、コロニー成長を減少させる(図3e)一方、細胞密度が低いゲル中のコラーゲンの存在は、コロニー成長を向上させた(図3f)。したがって、インテグリン係合によって細胞接着錯体を活性化する役割を有するECMタンパク質(Lee等(2010年))は、マトリックスの純粋に物理的な成分を調節することに関与している。全体的に、相互作用スキームは、可溶性因子を中心としており、三次元環境でさえESC運命を調整する可溶性因子の重要な役割を強調する。
補完的な分析は、ESC運命に対する剛性の影響を明らかにする
この大規模スクリーニングによって同定された三次元でのESC調整の重要な局面をより詳細に調査するために、プラットフォームが、フローサイトメトリおよび定量的RT−PCRを含む補完的な下流細胞分析と適合された(図4参照)。三次元ESC挙動の動態にも光を当てるために、より対象をしぼった実験において(図4a参照)、タイムラプスモードで(図4b参照)、新規の読み取りが行われた。例えば、用量依存性研究を行うことによってLIFの効力が同時に調査され、剛性範囲を広くしてあらゆるゲル(図示せず)の剛性を遡及的に測定することによって機械的特性の効果が評価され、幅広い範囲の事前設定細胞密度が調査された(図4a参照)。
最初の2日間は、全ての条件において増殖が維持され、その後は、3つのパラメータの全てに対して強く依存した(図4c参照)。とりわけ、二次元標準よりも3桁小さい濃度でさえ、LIFは三次元でその増殖的役割を維持した。増殖は、マトリックス剛性が低いことに直接関係していることが確認された一方、中間の剛性は、自己複製およびコロニー形成効率にとって最適であることが分かった(図4d参照)。この研究結果は、三次元立体応力が、腫瘍スフェロイドなどの多細胞集合体において巨視的レベルでも細胞レベルでも細胞成長を制御できることを示唆するデータに沿ったものである(Helmlinger等(1997年))。より最近の研究は、インビトロ基質の弾性が幹細胞運命を左右し得ることを示している(Engler等(2006年)、Gilbert等(2010年))。本発明の文脈において得られたこの結果は、三次元でESCの維持を調整する同様の基本的な役割を機械的特性が果たし得て、初期胚盤胞において測定される特性の範囲内の最適な特性が最も適切であり得ることを示唆している(Khalilian等(2010年)、Murayama等(2006年))。
単細胞フローサイトメトリおよび遺伝子発現データによりコロニーレベルでこれらの研究結果を裏付けるために、細胞の完全性を維持しながら、各ウェル内のハイドロゲルマトリックスをプロテアーゼ溶液で消化した。フローサイトメトリによる細胞総数は、画像化によって総コロニー面積の尺度に最も密接に関連付けられた(図示せず)。細胞密度の役割を良好に規定するために、総コロニー面積は初期細胞密度によって正規化された。初期細胞密度が高くなるとコロニーが大きくなるが、これは、フローサイトメトリによって数えられた実際の細胞数には反映されず(図4e参照)、より大きなコロニー内の細胞は死んでしまっている可能性があることを示唆している。画像ベースのデータと同様に、各々の条件は個々に視覚化されることができ、ヒートマップ図(図4f参照)は、LIFおよびMPの段階的な双方向の影響に向かう明らかな傾向を示し、大域解析によって補強された観察は、細胞増殖に影響を及ぼすこれら2つの因子の役割が同程度であり、細胞密度の役割が減少していることを示す。
ゲルから細胞を解離するさらなる利点は、免疫細胞化学を容易に実施できることである。例えば、SSEA1の染色において、Oct4などの転写因子に対する多能性の補完的マーカとして一般的に使用される表面マーカは、Oct4が高い場合でさえ幅広い範囲のSSEA1の発現を示した(図4g参照)。SSEA1の発現は、一般に、より柔らかいマトリックスではより高いレベルに達し、LIFが高くMPが高い場合には、SSEA1が高く/Oct4が低い亜集団が出現し、これは、機械的特性およびLIF濃度の変化の結果、いくつかの細胞が初期のコミットメントステップを受けたことを示唆しており、多能性の細胞内および細胞外マーカのわずかな変化に反映される。
ゲルから収集された細胞が本質的にいかなる補完的な下流分析にも使用できることを実証するために、選択されたサンプルに対する定量的RT−PCRが行われた。このような分析は、多能性に関連付けられるいくつかの遺伝子(Rex1)の発現が著しく下方制御され、他の遺伝子(Nanog)が、物理化学的環境の変化の結果、大きく変化しないままであるのに対して、三次元マトリックス剛性の変化により、初期神経外胚葉分化に関連付けられる遺伝子であるMap2が著しく上方制御されることを示した(図4h参照)。まとめると、タイムラプス画像化、フローサイトメトリおよびPCRを含むこれらの多面的読み取りを行うことができることは、本発明に係るマイクロアレイ三次元細胞培養微小環境における細胞系を考察するための広い道を切り開く。
体系的な細胞培養微小環境因子分析は、神経上皮分化の痕跡を付ける一組の因子を明らかにする
本発明の別の実施形態を実証するために、上記の類似の方法を使用して、初期の神経発生、特にESC由来神経上皮分化を調節する因子を調査した。
重要なことに、増殖および分化(後者は、Sox1の発現を報告するGFP強度によって評価される)の読み出し情報の定量化を越えて、内腔を囲む湾曲した上皮細胞層からなる組織として規定される(Gin(2010年))神経上皮嚢胞の形態学的特徴を再現し得る条件が求められ、当該特徴は、それらの球形かつネオ極性特徴を含む。
幅広い範囲のパラメータ空間(5つのカテゴリ×カテゴリ当たり4つの因子)を維持するが、必要な実験条件の数を最適化するために、2回の4カテゴリ調節に焦点を当てるように完全な因子実験設計が変更された。第1のアレイでは、MP、DG、ECおよびSFは、(CCタンパク質を持たない)完全な因子設計において評価され、第2のアレイでは、MP、DG、ECおよびCCは、全ての条件において可溶性因子FGF4により同様に評価された。
結果の定量化は、上記のGLMベースのモデリング手法を用いて行われた。LIFの効果によって支配される可溶性因子は、コロニー面積について観察されるばらつきの74%以上に寄与し、機械的特性およびMMP感度からの寄与はわずかであり(5%)、他の因子からの効果はほとんど無視できるほどのものであった(データは図示せず)。対照的に、GFP強度のばらつきは、はるかに広範囲の因子に起因していた。依然として可溶性因子が最大の割合(32%)に寄与していたが、細胞間相互作用タンパク質が分散の16%を占め、物理的特性(機械的特性およびMMP感度)が各々9%を占めていた(図5a参照)。
どの因子が分化の正のまたは負の調節因子としての役割を有するかを判断するために、Sox1−GFP強度への個々の因子の寄与がさらに分析された。FGF4は、GFPに対して最強のプラスの効果を有する可溶性因子であり、LIFおよびBMP4は両方とも、神経上皮運命の強い負の調節因子であった(図5b参照)。いかなる可溶性因子も無いことにより、Sox1−GFP発現に対するマイナスの効果はわずかであり、これは、試験された条件の範囲内で基準条件が細胞運命に対して概して中立の効果を生み出すことを示した。機械的特性では、中間〜柔らかい弾性範囲が最も高いSox1−GFP発現を促進した。実際、分化に対するわずかなマイナスの効果は、柔らかいマトリックスで生じ、より顕著なマイナスの効果は、より堅い条件で生じる(図5b参照)。
非分解性のマトリックスは、MMP感受性マトリックスよりもGFP+コロニーの形成に対して著しく許容的であった(図5b参照)。なお、合成マトリックスのいずれにおいても経時的なマトリックスの機械的特性全体の変化がないことが5日間にわたって観察され、これは、見られる効果が、機械的特性の全体変化から独立しており、そのため局所的な細胞およびコロニー規模で認識されることを示唆している(データは図示せず)。
マトリゲルなどのECMを多く含む天然マトリックスに基づいて予想される分化プロファイルの予想される変化とは対照的に、この合成系におけるSox1−GFP発現に対するECMタンパク質の効果は、個々に示された場合には著しくなかった。最後に、細胞間相互作用タンパク質は、分化の強い負の調節因子であることが分かった。特に、Notch経路を活性化するリガンドであるJaggedは、GFP発現の最強の負の調節因子であると考えられ(図5b参照)、これは、所望の細胞運命に存在する因子の添加が、必ずしも未分化の細胞を当該系統の方に導くための正しい手がかりとして機能せず、実際には逆の挙動を促進し得ることを示唆している。
因子間の相互作用は、GFPモデルの分散全体の8%に寄与することが分かり、全ての考えられるカテゴリ相互作用の数学的モデルに基づいて、5対相互作用が統計学的に重要であると判断された(図5c参照)。可溶性因子(SF)は、生物物理学的カテゴリ(MPおよびDG)および生化学的カテゴリ(EC)の3つの他のカテゴリと相互作用した(図5f、図5g、図5h参照)。これらのSF相互作用効果は、3つのカテゴリ全体にわたって体系的であると思われる。例えば、FGF4は、全ての他の因子に対して相加効果を及ぼし、これは単に非線形効果として解釈されることができ、当該非線形効果は、線形モデルでは主要な効果としてとらえられることはないが、その非線形性は、このような相互作用分析によってとらえられることができる。同様に、非分解性条件もこのような非線形効果を示すが、Ecad条件は、高分解性条件の存在下でプラスの影響を及ぼした(図5d参照)。同様に、ECadは、より堅い条件のうちの1つにおいてより顕著なプラスの効果を及ぼす(図5e参照)。
スクリーニングされた条件は、神経上皮形態および極性への機械論的洞察のための基礎を提供する
ここに記載されているものなどのハイスループットスクリーニングは、より対象をしぼった研究のための仮説生成ツールの働きをし得る。例えば、因子相互作用分析によって同定されるFGF4の推定非線形効果は、細胞密度媒介性であることが分かった。細胞密度が比較的高ければ(300万個の細胞/ml)、培地へのFGF4の添加はほとんど効果がないのに対して、細胞密度が低ければ(100万個の細胞/ml)、FGF4が無いことにより増殖およびGFP強度が失われ(図6a参照)、これは、神経分化の自己分泌調節因子としてのこの成長因子の役割を強調する。
このようなスクリーニングから設定された画像の分析は、増殖の尺度としての平均コロニー面積および分化の尺度としてのSox1−GFP発現を越えて、さらなるメトリクスも出力し、形態学的メトリクスは、観察された表現型を入力された細胞培養微小環境に関連付けることに特に関連している。クラスタリングアプローチを利用して多次元出力を組み合わせて連結形態、増殖および分化のクラスタ(図示せず)にすることによって、細胞挙動の全体像をより把握できる表現型痕跡を構築することができる。したがって、非分解性条件では、特徴的な平滑で円形のコロニーがほぼ例外なく生成されると判断することができたのに対して、分解性マトリックスでは、コロニーは高いGFP発現を維持するが、より偏心した星形の形状が存在した(図6b参照)。ブロードバンドMMP阻害剤を用いたさらなる実験(図示せず)において、この現象が実際にプロテアーゼ媒介性であることが確認された。したがって、形態学的特徴を含むように対象のメトリクスを広げることによって、特定の形態形成経路と関係がある可能性がある異なる形態を引き起こす特定の微小環境条件を同定することができた。
神経嚢胞形成の特質のうちの1つは、内腔の発生である。共焦点三次元再現は、コロニーが実際にゲルの厚み全体にわたってよく分布していることを明らかに示し、特定の平面バイアスがないことを実証した(図6b参照)。非分解性ゲルにおいて三次元構成で非常に近接して成長するコロニーは、融解しなかったが、互いの間に薄いハイドロゲル境界を維持し(図6b参照)、これは、このようなマトリックスでの成長が、マトリックスに対する外向きの力によって実現され、いかなるリモデリングプロセスによっても実現されたわけではないことを示唆している。最も重要なことに、非分解性マトリックスおよびFGF4によって特徴付けられる選択された条件において、一定の頂底極性(図6c参照)および考えられる退行の始まりが観察された。さらなる実験は、単一のECM因子が存在する条件では、低頻度の嚢胞極性のみが証明されるが、3つ全てのECM成分(ラミニン、コラーゲンIVおよびフィブロネクチン)が全てマトリックスに組み込まれると、強固かつ頻繁な極性が構築されることを明らかにした(図6d参照)。
このハイスループットアプローチでは、三次元細胞培養微小環境のアレイにおけるESCの反応は、神経上皮分化の調節への新たな洞察をもたらした。ESC自己複製研究と同様に、可溶性因子が、特に増殖の判断に中心的な役割を果たし、分化の促進または阻害に明らかな効果があった。マトリックス効果、とりわけマトリックスMMP感度が、細胞運命の特定に同様に重要な役割を果たした。実際、球形の神経上皮コロニーは、非分解性マトリックスでのみ観察され、分解性マトリックスでは、分化の程度およびコロニー形態は、著しく変更された。さらに、細胞間相互作用に関与するタンパク質は、神経上皮分化を損なったが、ECMタンパク質は、組み合わせた態様でのみ示される頂底極性の構築に重要な役割を果たした。したがって、ここで採用されたものなどのハイスループットプラットフォームは、発生経路に対する細胞培養微小環境の影響を理解するためのツールであると考えられるだけでなく、より複雑な機構の解明につながり得る素晴らしい仮説生成プロセスであるとも考えられる。
アレイプラットフォームは、複数の分析および細胞型に適している
本発明のさらなる実施形態は、移動および形態学的分析を実施できることを含む。さらに、このような分析は、(上記のような)単細胞を発端として、またはインビトロで形成された細胞集合体(例えば胚様体)もしくは生きている組織から直接分離された細胞集合体を発端として、行われることができる。一例として、間葉系幹細胞が、300個の細胞のサイズに凝集され、組み合わせ細胞培養微小環境に組み込まれ、16時間後に(培地中に可溶性因子としてPDGFが存在する状態で)それらの移動が評価された。マトリックス連結ECM模倣ペプチド(フィブロネクチン由来RGDモチーフ)もマトリックスMMP感度も、クラスタから外向きの細胞の移動反応を調節した(図7a参照)。例えば膵臓、子宮内膜、腸または乳房を含むさまざまな上皮細胞クラスタが、スクリーニングプラットフォームに組み込まれ、幹細胞マーカ、極性または他の形態学的特徴について評価されることができた(図7b参照)。
実験の詳細
ハイドロゲル前駆体の合成
別のところに記載されているように、PEGビニルスルホン(PEG−VS)が生成され、特徴付けられた(LutolfおよびHubbell(2003年))。第2のステップにおいて、PEG−VSは、マイケルタイプの付加によって因子XIIIa−ペプチド基質で官能基化された。グルタミン含有ペプチド(NQEQVSPL-ERCG-NH2)、および、さまざまなMMP感受性配列を有するさまざまなタイプのリシン含有ペプチド:AcFKGG-GPQGIWGQ-ERCG-NH2(ペプチドW)、AcFKGG-GDQGIAGF-ERCG-NH2(ペプチドA)、AcFKGG-PQGIAGQ-ERCG-NH2(ペプチドG)、AcFKGG-VPMSMRGG-ERCG-NH2(ペプチドV)が使用された。その結果、1つのグルタミン−PEG前駆体(Q−PEG)、および4つの異なるリシン−PEG前駆体:W−PEG、A−PEG、V−PEG、G−PEGが得られた。これらの前駆体の官能基化および特徴付けは、別のところに記載されているように行われた(Ehrbar等(2007年))。簡単に言えば、0.3Mのトリエタノールアミン(pH8.0)におけるVS基に対して1.2倍モル過剰のPEG−VSに、37℃で2時間にわたってペプチドが添加され、その後、4℃で4日間にわたって超純水に対する透析が行われた(Snake Skin、MWCO 10k、PIERCE)。透析後、無塩生成物(Q−PEG、W−PEG、A−PEG、V−PEG、G−PEG)は凍結乾燥され、白色粉末が得られた。
ハイドロゲルの調製
凍結乾燥された粉末から因子XIII(フィブロガミンP、CSL Behring社)が水で戻され、200U/mlの濃度にされた。1mLの因子XIIIaが、37℃で30分間にわたって100μLのトロンビン(20U/mL、スイスのSigma-Aldrich社)で活性化された。活性化因子XIIIaのアリコートは、さらなる使用のために−80℃で保管された。最終乾燥質量含有率が1.5〜4%であるハイドロゲルを提供するための前駆体溶液が、塩化カルシウムを50mM含有するトリス緩衝液(TBS、50mM、pH7.6)におけるQ−PEGおよび4つのリシン−PEGの各々の化学量論的にバランスのとれた([Lys]/[Gln]=1)溶液によって調製された。架橋反応は、10U/mLのトロンビン活性化因子XIIIaおよび激しい混合によって開始された。円盤状のマトリックスを得るために、液体反応混合物(50μL)が、スペーサ(厚みが約1mm)によって切り離された(SigmaCote(Sigma社)での処理によって得られる)滅菌した疎水性顕微鏡スライドガラスの間にはさみこまれ、バインダクリップでクランプされた。次いで、マトリックスは、37℃で30分間にわたって培養された。
MMP媒介性の分解の特徴付け
3.5%w/v PEGの3つの50μLゲルディスクが、4つのペプチド配列の各々について作製され、pH7.5の50mmトリス、100mM NaCl、10mM CaCl緩衝液中で12時間にわたって膨張した。次いで、当該ディスクは、計量され、同一の緩衝液に溶解した40mM MMP−1溶液に入れられた。最初の12時間は2時間間隔でゲル質量が記録され、次いでt=18、24、48および72時間であった。分解を完了させるまでの時間は、(Gペプチドについては)直接または線形回帰によって求められ、一定の分解性が提供されるように反転された。
機械的特性の特徴付け
ゲルディスク(各々のMMP感度についてn=3)は、緩衝液中で12時間にわたって膨張し、次いで、微小歪み振動せん断流動測定が行われた。厚みが1〜1.4mmの膨張したハイドロゲルディスクが、Bohlin CV 120レオメータ(Bohlin Instruments社)の2枚のプレートの間にはさみこまれ、滑りを回避するために圧縮はそれらの元の厚みの85%〜75%の範囲までであった。次いで、一定歪み(5%)モードで測定が行われた。0.1〜1Hzの周波数範囲にわたってせん断応力が記録され、当該周波数範囲にわたる平均貯蔵弾性率G′が得られた。貯蔵弾性率(G′)は、4つのMMP感度の各々についてハイドロゲルの%PEG w/vに応じてプロットされた。G′対%PEGデータ点に対して線形補間が行われた。0Pa、600Pa、1200Paおよび1800Paに対応する%PEGが、各々の分解性について求められた。
細胞間相互作用タンパク質によるマトリックスの改質
細胞間相互作用タンパク質をハイドロゲルネットワークに結合するために、Fc−タグ/プロテインA共役手法が使用された。プロテインAが因子XIIIa触媒架橋を受けやすいようにするために、ヘテロ二官能性PEGリンカーであるNHS−PEG−マレイミドを用いてQ含有ペプチドがプロテインAに連結された。プロテインAの改質は、二段階の反応、すなわち10倍モル過剰のNHS−PEG−マレイミドの反応によるマレイミド基を用いた官能基化と、その後のシステイン側鎖によるQ−ペプチド付着、において実現された。その結果、Q−プロテインA官能基化は、SDS−PAGEによって定性的に評価された。因子XIIIa媒介性の架橋反応が起こり得るか否かを検出するために、因子XIIIa、リシン含有プローブのための蛍光逆反応基質であるLys−Tamraが選択された。因子XIIIaの存在下でプロテインAとLys−Tamraとを混合すると、プロテインAに対応する蛍光信号がSDS−PAGEおよびゲル内蛍光走査で検出され、生体共役の成功が実証された。因子XIIIaベースのハイドロゲルへの細胞間相互作用タンパク質の共有結合連結を実現するために、室温で30分間にわたって、Fc−タグE−カドヘリン、EpCAMおよびJagged(R&D Systems社)が1.66モル過剰比のQ−プロテインAと予混合された。プロテインAが5つのFc結合部位を有しているという事実を考慮して、Fc−タンパク質に対して各Fc結合部位の3倍の分子過剰の余裕があり、これは、モルフォゲンの最適な固定化を確実にするはずである。完全に官能性のタンパク性構造を有する得られた溶液は、等分され、さらなる使用まで−20℃で保管された。
因子XIIIa媒介性の架橋に対するECMタンパク質の感受性の判断
大きなサイズのECMタンパク質は、因子XIIIaのための天然の基質であり得て、さらなる共役なしにハイドロゲルネットワークに連結するであろうという仮説に基づいて、溶液中の以下の対象のECMタンパク質:ラミニン、コラーゲンI(BD Biosciences社)、フィブロネクチン(R&D Systems社)が使用された。蛍光結合分析が行われ、因子XIIIaの存在下でタンパク質が蛍光性因子XIIIa−基質(Q−ペプチド−Alexa647またはLys−Tamra)の各々と混合された。反応は、SDS−PAGEおよびゲル内蛍光走査によって定性的に分析され、実際にタンパク質が因子XIIIaベースの架橋を受けやすいことが実証された。全てのECMタンパク質は、4℃で等分され、−20℃で保管された。
細胞培養
全てのESC自己複製実験において、Oct4−GFPマウスES細胞(mESC)(Zandstra研究室によって提供されるR1株)が、15%血清(Hyclone社)および106U/ml LIF(Millipore社)を含有する培地において、ゼラチンでコーティングされた皿上で規定通りに培養された。実験の12時間前に、培地は無血清ノックアウト培地(KO)に変更された。
全ての神経上皮分化実験において、Sox1−GFPマウスES細胞(Tanaka研究室によって提供される46C細胞株)が、15%血清(Hyclone社)および10U/ml LIF(Millipore社)を含有する培地において規定通りに培養された。実験の前に、細胞は、トリプシン処理され、いかなる誘導の指示も持たない神経分化培地に再懸濁された。N2/B27配合物は、別のところで報告されている通りであった(Ying(2003年))。
全ての間葉系幹細胞移動実験において、ヒト胎盤からの一次多能性間葉系幹細胞(Ehrbar研究室によって提供される、継代8で使用される細胞)が、15%血清(Invitrogen社)を含有する培地において規定通りに培養された。各々250個の細胞の細胞集合体を生成するために、Aggrewellプレート(STEMCELL Technologies SARL社)が使用され、次いで採取されて、ゲルカプセル化実験で使用された。分析の際に移動を刺激するために、50ng/mlのPDGF(Peprotech社)が基本培地に添加された。
乳房上皮細胞を用いた実験は、成長培地において規定通りに培養され、別のところに記載されているように分化されたMCF10A細胞株を用いて行われた(Debnath(2003年))。別のところに記載されているように、標準的な技術および試薬を用いて、一次上皮細胞集合体が分離および分化された(Jin(2013年)、Schatz(2000年)、Li(2012年)、それぞれ膵臓、子宮内膜、腸)。
生存性分析
二次元条件における細胞挙動と三次元条件における細胞挙動とを比較するために、生存性分析が行われた。野生型mESCが、トリプシン処理され、100万個の細胞/mlで、ゼラチンでコーティングされた組織培養皿上に接種される(二次元)か、または600Pa非分解性(A)ハイドロゲルディスクにカプセル化された(三次元)。37℃、5%COでの培養が、+LIF無血清条件において4時間にわたって行われ、その後、製造者の指示に従って生/死細胞生存性分析による染色が行われた。従来の蛍光画像化(二次元)または共焦点蛍光画像化(三次元)が行われ、その後、3つの独立したサンプル上で生細胞(緑色)対死滅細胞(赤色)の割合の手動集計が行われた。
ロボット混合および供給
このアプローチの組み合わせ的複雑さを実現するために、ナノピペッタヘッドを有するハミルトンマイクロラボスタープラス自動液体処理ロボットが使用された。全ての自動化されたステップは、マイクロラボベクトルソフトウェアバージョン4.1.1(スイスのHAMILTON Bonaduz社)でプログラムされた。グルタミン−PEG前駆体(Q−PEG)を4つの異なるリシン−PEG前駆体:W−PEG、A−PEG、V−PEG、G−PEGと混合することによって、4つのペプチドに対応する予混合された化学量論的にバランスのとれたPEG溶液の原液が調製された。これら4つの原液の各々は、一致したターゲット剛性を実現するために必要な、レオロジにより決定される4つの対応する濃度に希釈された。希釈およびプロセスの全ての後続のステップは、ロボットで行われ、諸般の事情を考え合わせて、流体処理パラメータは、材料分類ごとに最適化され、質量測定によって確認された(データは図示せず)。重要なことに、タンパク質、細胞および因子XIIIa(各成分について総体積の10%)を後に添加することを考慮に入れて、総最終体積のうちの30%は空のままにされた(予備体積)。これらの16個の組み合わせは、384ウェルプレートの256個のウェルに等分された。ECおよびCCタンパク質は、氷の上で解凍され、500nMの濃度に希釈され、冷却された384ウェルプレートのウェルに入れられた。このステップの最後にMP、DG、ECおよびCCの256個のユニークな組み合わせ(4×4×4×4)を得るために、(ブランクコントロールを含む)4つのECタンパク質が256個のゲル前駆体充填ウェルに供給され、その後、直交する態様で4つのCCタンパク質が供給された。3つの可溶性因子:FGF4、10ng/mlのBMP4(R&D Systems社)および106U/mlのLIF(Millipore社)とブランクコントロールとを含有する培地により、96ウェルプレートが調製された。細胞は、トリプシン処理され、1×106個の細胞/mlの濃度で無血清培地に再懸濁され、氷の上に置かれた。同時に、因子XIIIaの凍結アリコートが解凍され、これも氷の上に置かれた。次いで、シーケンシャルな態様で、細胞は混合ゲル前駆体の8つのウェルに供給され、その後すぐに、因子XIIIaの供給およびロボット混合が行われた。因子XIIIaの添加後すぐであってゲル化の開始前に(約2〜3分)、8チャネルナノピペッタを使用して、各ウェルから12.5μlを吸引し、1μlを1536ウェルプレートの12個のウェルに供給した。このプロセスは、1536ウェルプレートの半分を充填するために、1536プレート当たり合計8回繰返された(12×8チャネル×8回×12滴/(チャネル.時間)=768滴)。蒸発を防止するために、プロセス全体を通して、1536ウェルプレートは4℃に冷却された。ゲル供給ラウンドの最後に、96ウェルプレートにおける4つの異なる培地が、1536実験プレートに供給された。培地供給ステップもシーケンシャルに行われ、全てのゲルがおよそ30分間で架橋されるように同期された。トリプシン処理から培地供給の完了までのプロセス全体は2時間かかり、実験全体で4回行われた(1536個のウェルの4×4ハーフプレート=3072個のウェル)。
神経上皮分化実験では、第1のアレイにおいて、細胞間相互作用タンパク質以外の全ての他の組み合わせにより可溶性因子調節が行われた。第2のアレイにおいて、FGF4条件に限定される可溶性因子以外の全ての他の条件に対して、全ての細胞間相互作用タンパク質が試験された。この可溶性因子レジームは、特に自己分泌フィードバック機構が低減される細胞密度が低い状況において神経上皮分化に最も有利であることが報告されているので、選択された。この研究では、自己分泌機構から独立して外因性因子の役割を同定するために、培地交換を毎日行いながら、200個の細胞/μlの比較的まばらな初期細胞密度を課した。
機械的特性のインサイチュ測定
機械的特性に焦点を当てた実験において、384個のウェル(図示せず)の各々において押し込みによって剛性を測定するための技術が開発された。圧縮試験機(TA.XTPlus Texture Analyze、Stable Micro Systems社)は、特注の1.5mm径インデントチップを備えていた。0〜70%歪みの間で力が記録された。式:E=2ad/F(1−v)(式中、aはインデンタチップシリンダの半径(0.75mm)であり、dは押し込み深さ(単位はmm)であり、Fは記録された力(単位はN)であり、vはポアソン比であり0.5にされる)を用いて、20〜30%歪みの間で曲線の傾きからヤング率が計算された(Elow)。
ゲル解離、フローサイトメトリおよび遺伝子発現分析
384ウェルプレート内のゲルは、30分間にわたってPBSで洗浄され、次いで、30分を3サイクルで、TrypLE Express(Invitrogen社)細胞解離溶液により37℃で培養された。各サイクルの後に、細胞は回収され、丸底の96ウェルプレートに移され、4℃に保たれた。プロセスの最後に、ウェルは血清含有培地で洗浄された。抗体染色が行われる場合には、製造者の指示に従ってSSEA−1−AlexaFluor647(EBiosciences社)が使用された。細胞は、Accuri C6フローサイトメータ(BD Biosciences社)を用いて分析された。PCRでは、上記のTrypleE Expressを用いて細胞解離が行われ、製造者の指示に従ってTripure分離試薬(Roche社)を用いてRNAが分離され、iScript Select cDNA合成キット(BioRad社)を用いてcDNAが合成され、iQ SYBR Green Supermix(BioRad社)を用いてApplied Biosystems7500マシン上でRT−PCRが行われた。
画像化
全ての画像化は、BD経路435自動画像化システム(BD Biosciences社)上で行われた。GFPチャネルにおいて、D1における生細胞を有するプレート上で画像化が行われた。プレートは、D5において、4%パラホルムアルデヒドで固定され、DAPIで染色され、その後、GFPおよびDAPIチャネルにおいて画像化が行われた。単一の視野内にウェル全体を取り込むことができるように4倍対物レンズ(Olympus Uplan FLN N.A. 0.13)が使用された。この低い解像度でさえ、D1における単細胞を見分けることができた。あらゆるxy位置において、すなわちウェルごとに、800μmのzスタック高さにわたって6つの画像が取り込まれた。各ウェルについて、各チャネルにおけるこれら6つの画像は、折り畳まれて単一の加算画像にされた。4時間未満で、実験全体の三次元情報内容が得られた。
画像分析
ESC自己複製研究からの全ての画像は、CellProfiler v.9777(Broad Institute社)において開発されたアルゴリズムを用いて処理された。D1の分析では、GFPチャネルにおける各ウェルについての折り畳まれた画像のスタックが入力された。画像は、閾値化およびセグメント化された。ここでは、ウェル当たりの細胞数が唯一の対象の読み出し情報であった。全てのセグメンテーションは、目視検査によって確認された。D5の分析では、GFPおよびDAPIチャネルにおける各ウェルについての折り畳まれた画像のスタックが入力された。DAPI画像は、閾値化およびセグメント化された。DAPIにおける同定されたコロニー面積が、GFP画像のためのマスクとして使用された。各コロニーについて、面積(単位は画素)、平均(コロニー画素全体にわたる)DAPI強度および平均GFP強度が記録された。
神経上皮分化研究からの全ての画像は、CellProfiler v.11710(Broad Institute社)において開発されたアルゴリズムを用いて処理された。簡単に言えば、GFPおよびDAPIチャネルにおける各ウェルについての折り畳まれた画像のスタックが入力された。DAPI画像は、Otsu適応型セグメンテーションアルゴリズムを用いて閾値化およびセグメント化された。コロニーは、8画素を上回る面積をカバーするものとして同定された(すなわち、より小さなコロニーは、さらなる分析から切り捨てられた)。DAPIにおける同定されたコロニー面積が、GFP画像のためのマスクとして使用された。各コロニーについて、このセグメンテーションプロセスから形状メトリクスが得られ、元の未処理の画像からこれらのコロニーのためのDAPIおよびGFPコロニー強度メトリクスが得られた。全てのセグメンテーションは、目視検査によって確認された。
データ処理
データを処理して視覚的に調査するために、Matlab R2010b(Mathworks社)が使用された。各ウェルについて(3072個のデータ点)および各々のユニークな条件について(1024個のデータ点)単一コロニーデータを平均化することによって、D1およびD5におけるコロニーの数、ならびに、D5におけるコロニーの数、D5における平均コロニー面積(単位は画素)、D5における平均GFPおよびDAPI強度(任意の蛍光単位)が計算された。GFP強度は、DAPI強度に正規化され、面積は、画素からmmに変換された。さらに、データは、平均値を中心として、入力条件によって再編成され、図2に示されるヒートマップが得られた。
統計的分析
個々の条件からのデータは、R V2.11に入力された。コロニー面積および正規化されたGFP強度では、全ての考えられる相互作用項を考慮に入れるGLM(一般化線形モデル)モデルが特定された。赤池基準に基づいて最適なモデルを得るために、ステップAIC手順が行われた。コロニー面積変化の意義を試験するために、SAS v9.0ソフトウェア(SAS Institute社)のGLM手順が使用された。LS平均値±標準誤差の、対照群との差が、意義を試験された。同一の手順を使用して、GFP強度のばらつきを説明した。使用されたモデルは、判断されたMP、DG、CC、ECおよびSFの効果ならびに相互作用が著しいものであると考えた。全てのパラメータ試験で、残余の正規性および分散の均一性が、QQおよびターキー・アンスコムプロットにおいてそれぞれ調査された。残余の正規性を向上させるために、ログ変換が利用された。ノードサイズが、正規化された面積と正規化されたGFP強度との積に線形に比例するネットワーク相互作用マップが、Cytoscape(USCD)において構築され、相互作用マトリックスおよびクラスタリングがMeV v.4.4(TM4 Microarray Suite)において行われた。








  1. カプセル化された細胞の挙動、特に増殖、コロニー形成、分化、移動、またはこれらの組み合わせに影響を及ぼす異なる特性を有する個別体積の細胞培養微小環境を有するアレイ。

  2. 前記個別体積の細胞培養微小環境は、ハイドロゲルで構成される、請求項1に記載のアレイ。

  3. 前記個別体積の細胞培養微小環境のうちの少なくとも2つは、プロテイナーゼ、好ましくはマトリックスメタロプロテイナーゼによって異なって分解可能である、請求項1または2のいずれか1項に記載のアレイ。

  4. 前記個別体積の細胞培養微小環境のうちの少なくとも2つは、
    i)異なる細胞外マトリックス由来因子を含み、前記細胞外マトリックス由来因子は、好ましくはペプチド、タンパク質、多糖、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、最も好ましくはラミニン、コラーゲン、エラスチン、フィブロネクチン、エラスチン、プロテオグリカン、非プロテオグリカン多糖、マトリックス細胞タンパク質、SPARCタイプのマトリックス細胞タンパク質(酸性であり、かつ、システインを多く含む分泌タンパク質)、テネイシン、トロンボスポンジン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、および/または、
    ii)異なる細胞間相互作用因子を含み、前記細胞間相互作用因子は、好ましくはペプチド、タンパク質、多糖、およびこれらの組み合わせからなる群から選択され、最も好ましくはカドヘリン、セレクチン、細胞接着分子(CAM)、特にICAMおよびVCAM、膜貫通細胞シグナル伝達系の成分、またはこれらの組み合わせであり、および/または、
    iii)異なる細胞シグナル伝達因子を含み、前記細胞シグナル伝達因子は、好ましくは成長因子または発生モルフォゲンの群から選択され、最も好ましくはアドレノメデュリン(AM)、アンジオポエチン(Ang)、自己分泌型運動因子、骨形成タンパク質(BMP)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、上皮成長因子(EGF)、エリスロポエチン(EPO)、線維芽細胞成長因子(FGF)、グリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、成長分化因子−9(GDF9)、肝細胞成長因子(HGF)、肝細胞癌由来成長因子(HDGF)、インスリン様成長因子(IGF)、白血病抑制因子(LIF)、移動刺激因子、ミオスタチン(GDF−8)、ニューロトロフィン、特に神経成長因子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、トロンボポエチン(TPO)、形質転換成長因子アルファ(TGF−α)、形質転換成長因子ベータ(TGF−β)、腫瘍壊死因子アルファ(TNF−α)、血管内皮成長因子(VEGF)、胎盤成長因子(PlGF)、サイトカイン、ケモカイン、およびこれらの組み合わせの群から選択され、および/または、
    iv)異なる剛性を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のアレイ。

  5. 前記細胞培養微小環境は、細胞適合性反応によって架橋可能な前駆体分子から構築され、細胞適合性反応による架橋は、
    共有結合の形成に基づき、前記共有結合の形成は、
    好ましくは活性化トランスグルタミナーゼ因子XIIIaに応じた酵素的に触媒された反応、および
    非酵素的に触媒された反応および/または無触媒反応、好ましくはマイケル付加反応からなる群から選択され、および/または、細胞適合性反応による架橋は、
    非共有結合の形成に基づく、請求項1から4のいずれか1項に記載のアレイ。

  6. 前記細胞培養微小環境は、線形または分岐親水性ポリマー、最も好ましくは分岐ポリ(エチレングリコール)分子から構築される、請求項1から5のいずれか1項に記載のアレイ。

  7. 請求項1から6に記載のアレイを作製する方法であって、
    a)1つ以上の異なるハイドロゲル前駆体分子を提供するステップと、
    b)ステップa)に記載のハイドロゲル前駆体分子の異なる組み合わせを組み合わせて、個別体積の基質、好ましくはマルチウェルプレート上に供給するステップと、
    c)1つ以上の生物活性分子を前記個別体積の前記基質に添加し、存在している前記ハイドロゲル前駆体分子またはステップe)で形成されるハイドロゲルのうちの少なくとも1つに前記分子を付着させるか、またはそれらを自由に拡散させるステップと、
    d)細胞を前記個別体積の前記基質上に/中に添加するステップと、
    e)前記ハイドロゲル前駆体分子を架橋して、ハイドロゲルマトリックスを形成するステップとを備える、方法。

  8. ステップc)において、細胞外マトリックス由来因子、細胞間相互作用因子および細胞シグナル伝達因子の群から選択される1つ以上の生物活性分子が添加される、請求項7に記載の方法。

  9. 細胞成長挙動に対するハイドロゲル配合物の影響を試験する組み合わせ方法であって、
    a)1つ以上の異なるハイドロゲル前駆体分子を提供するステップと、
    b)ステップa)に記載のハイドロゲル前駆体分子の異なる組み合わせを組み合わせて、個別体積の基質、好ましくはマルチウェルプレート上に/中に供給するステップと、
    c)1つ以上の生物活性分子を前記個別体積の前記基質にさらに添加し、存在している前記ハイドロゲル前駆体分子またはステップe)で形成されるハイドロゲルのうちの少なくとも1つに前記分子を付着させるか、またはそれらを自由に拡散させるステップと、
    d)細胞を前記個別体積の前記基質上に/中に添加するステップと、
    e)前記ハイドロゲル前駆体分子を架橋して、ハイドロゲルマトリックスを形成するステップと、
    f)前記個別体積の前記ハイドロゲルマトリックスにおいて前記細胞を成長させるステップと、
    g)ステップf)の間に経時的に前記細胞をモニタリングするステップと、
    h)異なる細胞培養微小環境のために前記挙動を判断するステップとを備え、前記挙動は、好ましくは増殖の程度、コロニー形成の程度、分化の程度、移動の程度、またはこれらの組み合わせからなる群から選択され、前記組み合わせ方法はさらに、
    i)任意に、前記生物活性分子、および/または、機械的特性、および/または、好ましくはプロテイナーゼによる前記個別の細胞培養微小環境の、酵素分解に対する感受性の互いに対する相乗効果および/または拮抗効果を判断するステップと、
    j)任意に、特定の細胞挙動を指図する特定のハイドロゲル配合物またはハイドロゲル配合物の範囲を同定するステップと、
    k)任意に、さらなる分析、好ましくは表現型分析のために、または連続的な細胞培養もしくは継代のために、少なくとも1つのハイドロゲル細胞培養微小環境から細胞を分離するステップとを備える、組み合わせ方法。

  10. ステップc)の1つ以上の生物活性分子は、細胞外マトリックス由来因子、細胞間相互作用因子および細胞シグナル伝達因子の群から選択される、請求項9に記載の組み合わせ方法。

  11. 特に請求項1から6のいずれか1項に記載の個別体積のハイドロゲルを有するアレイを作製するためのパーツキットであって、
    a)1つ以上のハイドロゲル前駆体分子と、
    b)1つ以上の生物活性分子と、
    c)任意に、前記前駆体分子a)のための少なくとも1つの架橋剤と、
    d)好ましくは請求項7から10のいずれか1項に記載の方法に係る前記成分の使用説明書とを構成要素として含む、パーツキット。

  12. 成分b)の前記分子は、細胞外マトリックス由来因子、細胞間相互作用因子および/または細胞シグナル伝達因子の群から選択され、および/または
    成分c)として、因子XIIIaが含まれる、請求項11に記載のパーツキット。

  13. 成分a)の前記ハイドロゲル前駆体分子は、マルチアームポリ(エチレングリコール)分子を含むか、またはマルチアームポリ(エチレングリコール)分子から成る、請求項11または12のいずれか1項に記載のパーツキット。

  14. 好ましくは成分c)として含まれる酵素によって架橋可能な少なくとも2つのハイドロゲル前駆体分子が、成分a)として提供され、好ましくは、前記少なくとも2つのハイドロゲル前駆体分子のうちの一方は、グルタミン含有ペプチド基質によって官能基化され、他方は、架橋酵素のためのリシン含有ペプチド基質によって官能基化され、トランスグルタミナーゼ因子XIIIaが成分c)として含まれる、請求項11から13のいずれか1項に記載のパーツキット。

  15. 少なくとも成分a)のハイドロゲル前駆体分子は、実質的に未反応の形態で、好ましくは乾燥した形態で、マルチウェルプレートのウェルに事前供給して提供される、請求項11から14のいずれか1項に記載のパーツキット。

 

 

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