幹細胞の再生能向上のための培地組成物及びこれを利用した幹細胞の培養方法

 

本発明は、幹細胞の再生能向上のためのアペリンを含有する培地組成物及びこれを利用した幹細胞の培養方法に関する。本発明によると、幹細胞を細胞特性の変化がなく効果的に増殖及び培養できて活性を増加させることができるので、幹細胞を利用した細胞治療効能を画期的に増進させることができる。

 

 

本発明は、幹細胞の再生能向上のための培地組成物及びこれを利用した幹細胞の培養方法に関し、より詳細には高齢者の幹細胞が若者の幹細胞の水準の再生能を持つように、大きさと活性の変化なしに幹細胞の再生能を効果的に向上させることができる幹細胞の培地組成物及びこれを利用した幹細胞の培養方法に関する。
幹細胞(stem cell)とは、自己複製能力を有すると共に、二つ以上の細胞に分化する能力を有する細胞をいい、万能幹細胞(totipotent stem cell)、分化万能性幹細胞(pluripotent stem cell)、多能性幹細胞(multipotent stem cell)に分類できる。万能幹細胞は、一つの完全な個体に発生していくことができる万能性を有する細胞で、卵子と精子の受精以後8細胞期までの細胞がこのような性質を有し、この細胞を分離して子宮に移植すると一つの完全な個体に発生していくことができる。分化万能性幹細胞は、外胚葉、中胚葉、内胚葉層由来の多様な細胞と組織から発生できる細胞であり、受精4〜5日後現れる胚盤胞(blastocyst)の内側に位置した内部細胞塊(inner cell mass)から由来し、これを胚性幹細胞といい、多様な他の組織細胞に分化するが新しい生命体を形成することはできない。多能性幹細胞は、この細胞が含まれている組織及び器官に特異的な細胞だけに分化できる幹細胞で、胎児期、新生児期及び成体期の各組織及び臓器の成長と発達のみならず成体組織の恒常性維持と組織損傷時再生を誘導する機能に関与しており、組織特異的多能性細胞を総称して成体幹細胞という。
成体幹細胞は、人体の各臓器に既に存在する細胞を採取して、幹細胞を発展させたもので、特定組織だけに分化する特徴がある。しかし、最近では成体幹細胞を利用して、肝細胞等各種の多様な組織に分化させる実験が成功しており注目される。特に、疾病や事故による機能障害や不調和に陥った生体組織及び臓器の再生及び機能回復のために細胞を積極的に活用して実施する治療法である再生医療において、患者本人から幹細胞、血液由来単核細胞或いは骨髄由来単核細胞を収集する工程、試験管培養で細胞増殖及び/または、分化を誘導する工程、及び選択された未分化(幹細胞及び/または、前駆細胞)及び/または、分化細胞を着床によって患者自身の体に導入する工程を含む方法が多く利用されている。このように、既存の古典的な薬品処置や手術的方法を介した疾病治療が、損傷した細胞・組織・臓器を健康体に変える細胞・組織代替治療法に代替されると予測されるため、幹細胞の活用度はより一層高まることになる。
そこで、現在の幹細胞の多様な機能が研究されており、その中でも中間葉幹細胞(mesenchymal stem cells)を利用した細胞治療技術が脚光を浴び始め、人体から分離した中間葉幹細胞を治療に適するように改善するための技術が開発されている(WO2006/019357、大韓民国登録特許第0795708号、大韓民国登録特許第0818214号)。
一方、ヒトの年齢が増加すると、体の臓器の機能や細胞の再生能力が減少するように、インビトロ上で幹細胞を繰り返し培養したり、外部因子の刺激がある場合、細胞の機能及び形が変化することがある。すなわち、インビトロ上で細胞の培養が始まる瞬間、ほとんど感知できないほどであるが細胞が機能を失い始めて老化(senescence)の状態に入る。このような細胞特性のために、遺伝子治療に利用する細胞としては、初期細胞を用いた方が良く、または、長い間培養を進行しても増殖能、分化能、表現型、形態、活性(テロメアの長さ)といった幹細胞の特性に大きな変化がない幹細胞を用いた方が良いため、これに関連した研究が進行中にある(BMC Cell Biology 2006, 7:14, Ageing Research Reviews 5, 2006, 91116)。
そこで、本発明者等は、幹細胞を繰り返し培養しても、細胞の形や活性などの細胞特性に変化がないと共に、細胞の再生能を改善できる培地成分を探索しようと鋭意努力した結果、アペリンを含有する培地組成物で幹細胞を培養する場合、細胞の再生能を向上させる可能性があることを確認して本発明を完成するようになった。
本発明の目的は、高齢者の幹細胞から若者の幹細胞水準の再生能を有するように幹細胞の再生能を向上させるための培地組成物及びこれを利用した幹細胞の培養方法を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、アペリンを含有することを特徴とする幹細胞培養用培地組成物を提供する。
本発明はさらに、アペリンを含有する培地組成物で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞の再生能を向上させる方法を提供する。
本発明の他の特徴及び具現例は、以下の詳細な説明及び添付された特許請求の範囲からより一層明白になる。
40代、50代及び60代由来の脂肪幹細胞を実施例1に提示した培養培地で3継代(passage)まで継代した後、各々の培地から4日目までの顕微鏡像で形態を確認した写真である。 40代、50代及び60代由来の脂肪幹細胞を実施例1に提示した培養培地で3継代まで継代した後、各々の培地から4日目までの細胞の生存力(viability)を示したグラフである。 40代、50代及び60代由来の脂肪幹細胞を実施例1に提示した培養培地で3継代まで継代した後、各々の培地から4日目までの細胞の大きさを示したグラフである。 40代、50代及び60代由来の脂肪幹細胞を実施例1に提示した培養培地で3継代まで継代した後、各々の培地から4日目までのCPDL(cell population doubling level)を示したグラフである。
他の方式で定義されない限り、本明細書において使用されたあらゆる技術的・科学的用語は、本発明が属する当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。通常、本明細書において使用された命名法は、本技術分野において周知であり、しかも汎用されるものである。
本発明で用いる用語「幹細胞」は、自己複製能力を有すると共に、二つ以上の細胞に分化する能力を有する細胞をいう。また、「成体幹細胞」は、発生過程が進んで胚芽の各臓器が形成される工程或いは成体工程に現れる幹細胞を意味する。
本発明で用いられる用語「中間葉幹細胞」とはヒトまたは哺乳類の組織から分離した未分化幹細胞であり、多様な組織から由来してもよい。特に、臍帯由来中間葉幹細胞、臍帯血由来中間葉幹細胞、骨髄由来中間葉幹細胞、脂肪由来中間葉幹細胞、筋肉由来中間葉幹細胞、神経由来中間葉幹細胞、皮膚由来中間葉幹細胞、羊膜由来中間葉幹細胞及び胎盤由来中間葉幹細胞であってもよく、各組織から幹細胞を分離する技術は当業界にすでに公示されている。
本発明で用いられる用語「脂肪組織由来中間葉幹細胞」とは、脂肪組織から分離した未分化成体幹細胞であり、本明細書では略して「脂肪由来成体幹細胞」、「脂肪幹細胞」または「脂肪由来幹細胞」とも称する。これは当業界に公示された通常の方法を介して収得できるが、その分離方法は、例えば次のとおりである。即ち、脂肪吸入術から得られる生理食塩水に浮遊された脂肪含有懸濁液(suspension)を培養した後、フラスコなど培養容器に付着した幹細胞層をトリプシンで処理した後回収したり、スクレーパーで掻いて少量の生理食塩水に浮遊されるものを直接回収したりする方法等を介して脂肪由来中間葉幹細胞を分離することができる。
本発明で、「幹細胞の大きさの(が)変化せず」とは、幹細胞の形態(morphology)や大きさ(size)が培地組成物で培養される前の状態とほとんど類似するようにその形態を維持することを意味する。
本発明で、「培地(culture media)」とは、体外培養条件で幹細胞の成長及び生存を支持できるようにする培養液を意味して、幹細胞の培養に適切な当分野で使われる通常の培地を全部含む。また、細胞の種類によって培地と培養条件を選択することができる。
本発明で、「増殖(proliferation)」とは、細胞数の増加を意味して、成長(growth)と同じ意味として使われる。
本発明で、「再生能(renewal ability)」とは、細胞が自己と同じ複写本を作り出すことができる能力を意味して、再生能が改善される場合、細胞の増殖能が優秀である。
本発明で、「継代培養」とは、細胞を健康な状態で持続的に長期間培養するために周期的に細胞の一部を新しい培養容器に移した後、培養培地を取り替えながら細胞の代を引き継いで培養する方法を意味する。限定された空間を有する培養容器内で細胞の数が増えると、一定時間が過ぎると増殖栄養分が消費されたり汚染物質が積もって細胞が自然に死ぬことになるので、健康な細胞の数を増やすための方法として使われて、通常一度培地(培養容器)を取り替えることまたは細胞群を分けて培養することを1継代(1 passage)という。継代培養の方法は、当業界に公知の方法を制限されることなく使えるが、好ましくは機械的分離または酵素的分離で行われることができる。
幹細胞は、培養を繰り返したり、外部から刺激を受けるほど細胞の形態や大きさなどが僅かに変形され、細胞の再生能と活性(telomerase activity)が低くなる問題点、すなわち細胞の老化が進行される問題点がある。細胞の再生能と活性などの特徴は、細胞をどんな培地で培養するかにより差が生じるので、度重なる培養にもかかわらず、形態などの細胞特性に大きな変化がなく再生能や活性度が低くならないようにする培地組成物で幹細胞を培養することが重要である。すなわち、細胞の老化を遅延または改善させたり初期細胞状態を維持させる培地組成物で幹細胞を培養することが重要である。
しかし、従来の培地組成物での幹細胞培養によると、高収率の幹細胞を得るために継代培養を何度も行わなければならなかったため、手間や時間が掛かり過ぎて、特に継代培養に必要な培地成分のうち一部は、非常に高価で経済的にも長所がなかった。また、度重なる継代培養によって細胞の再生能が低くなる問題点があった。本発明は、細胞の形態や活性に変化がなく細胞の再生能を向上させることができる培地組成物を提供することが可能である。
従って、一観点において、本発明は、アペリンを含有することを特徴とする幹細胞培養用培地組成物に関する。
「アペリン(apelin)」とは、1998年Fujino Mグループでラットとウシの牛乳で発見されたもので、特に初乳に多い新規なペプチドでAPLN遺伝子に暗号化される人体内にあるタンパク質であり(Tatemoto K et al., (1998). “Isolation and characterization of a novel endogenous peptide ligand for the human APJ receptor”. Biochem. Biophys. Res. Commun. 251(2): 4716. doi:10.1006/bbrc.1998.9489. PMID9792798)、いくつかの細胞表面に発現するG−タンパク質に結合されているAPJ受容体に対する内在的なリガンドである(Lee DK et al., (2000). “Characterization of apelin, the ligand for the APJ receptor”, J. Neurochem. 74 (1): 3441. doi:10.1046/j.1471-4159.2000.0740034.x. PMID10617103. Szokodi I et al., (2002). “Apelin, the novel endogenous ligand of the orphan receptor APJ, regulates cardiac contractility”. Circ. Res. 91 (5): 43440. doi:10.1161/01.RES.0000033522.37861.69. PMID12215493, Kleinz MJ, Davenport AP (2005). “Emerging roles of apelin in biology and medicine”. Pharmacol. Ther. 107(2): 198211. doi:10.1016/j.pharmthera.2005.04.001. PMID15907343, O'Dowd BF et al., (December 1993). “A human gene that shows identity with the gene encoding the angiotensin receptor is located on chromosome 11”. Gene 136 (12): 35560. doi:10.1016/0378-1119(93)90495-O. PMID8294032, Devic E et al., (October 1996). “Expression of a new G protein-coupled receptor X-msr is associated with an endothelial lineage in Xenopus laevis”. Mech. Dev. 59 (2): 12940. doi:10.1016/0925-4773(96)00585-0. PMID8951791)。アペリンは、幅広く心臓、肝臓、肺、腎臓、脂肪組織、消化管、脳、副腎汗腺、内皮、そしてヒトの血漿など種々の器官で発現されて、この中でも、血管内皮組織で高く発現される。
アペリン遺伝子は、N−末端部分で信号タンパク質である77個のアミノ酸のプレプロタンパク質を暗号化する。アペリンのいくつかの活性的なフラグメント(apelin−36、apelin−19、apelin−17、apelin−16、apelin−13及びapelin−12)は、比較的類似する生物学的活性を共有する(Invited Review Article, Targeting the ACE2 and Apelin Pathways are Novel Therapies for Heart Failure: Opportunities and Challenges)。さらに詳しく記述すると、小胞体(細胞網状質)中でのトランスロケーションと信号タンパク質の切断の後、55個のアミノ酸のプロタンパク質は様々な活性的なフラグメントを生成することができるが、これは42−77(apelin 36)配列に連結される36個のアミノペプチド、61−77(apelin 17)配列に連結される17個のアミノペプチド、65−77(apelin 13)配列に連結される13個のアミノペプチドである。この次のフラグメントは、N−末端グルタミン残基の水準でピログルタミレーション(Pyroglutamylation)(N−末端にあるグルタミンでピログルタミン酸のエステル(ester)を形成する過程)を体験する。しかしヒトの血漿内のこれらのペプチドの濃度に対してはまだ良く知られていない(Mesmin C, Dubois M, Becher F, Fenaille F, Ezan E (2010). “Liquid chromatography/tandem mass spectrometry assay for the absolute quantification of the expected circulating apelin peptides in human plasma”. Rapid Commun Mass Spectrom 24 (19): 287584. doi: 10.1002/rcm.4718. PMID20857448)。アペリンは、2006年AudigierによってGタンパク質結合受容体(G protein-coupled receptors)のファミリーである膜受容体(membrane receptor)またはいくつかのポテンシャルリガンド(potential ligands)と作用するシグナル経路(signal pathway)が明らかになった。受容体発現の部位は、生命体内でアペリンにより作動した他の機能に連結される(wikipedia抜粋)。アペリン受容体の活性は、アペリンペプチドに結合して細胞活性変化を開始する。アペリンは心臓不全のバイオマーカーとして適用される可能性があって、血管収縮及び拡張を含む生物学的効果に直接的に関与するという。最近の研究でもアペリンとアペリン受容体システムが血管発生と関連があるとの報告があって、血管系統の疾病でも密接な関係があるとの報告がある。アペリンと受容体の機能は、ヒトの生理学と病理生理学に重要であり、その例として、アペリンが血管拡張で酸化窒素(nitric oxide)を生産してL−アルギニン/酸化窒素合成酵素(nitric oxide synthase;NOS)/酸化窒素を活性化するとして、これは血管拡張と収縮の役割とも関係があるという。アペリン受容体とアンジオテンシンII受容体は、相当なホモロジーを有するが、血管病理生理学の観点からアペリンシグナリングが潜在的役割をすると考えられる。血管機能(Vascular function)の観点からアペリンシグナリングの機能は、内皮細胞によるアペリン受容体の活性によって発現されるが、血管生成と血管の可塑性を助けて、そして休止状態の内皮細胞に低血圧を誘導する機能をする。2008年Eyiesによって研究された内容でも低酸素状況でアペリンの発現が内皮細胞の分裂と血管形成再生を調節すると記述されている。これは、低酸素症でアペリン遺伝子の上向き調節(upregulation)により誘導されるか内皮細胞でアペリンの細胞分裂活性に関与される。一方、Aktの活性化による血圧降下作用も起きる。また、血管では血圧を調節して新生血管の生成を促してNO生成は増加させて、動脈硬化症と大動脈瘤を誘発するアンジオテンシンIIによって誘発される信号伝達は遮断させて、アンジオテンシンIIの作用を抑制させる。アペリンシグナリングの血管と内皮細胞での機能は、リガンドと受容体遺伝子を無効化させることで、それにより現れる表現型(phenotype)と証明された。アペリン受容体に欠乏があるネズミに実験した結果、血管収縮制に対しアンジオテンシンIIが増加する一方、アペリン欠乏があるネズミでは、網膜の血管発達が減少することを見せた。また、他の器官でも影響を及ぼすが、心臓では初期胚芽形成段階で発現して、血圧と血流調節に関与し、脳では水分と食餌摂取を担当する部位のニューロンで発現して、ホルモンと体液の調節に関与する。消化器官のいくつかの腸クロム親和性細胞でもアペリン受容体が発現されるが、ヒスタミン分泌を抑制させたり胃酸分泌を抑制し、グルコースによって増加したインスリン分泌を抑制し、血液内グルコースを一定に調節するのに関与する。また、骨芽細胞の表面で発現して骨形成に関与する。従って、アペリン/APJシステムによるアペリンシグナリングは、このシグナリングの調節障害による虚血性疾患や心血管疾患に関する疾患のような血管機能障害、その他の疾病による患者に高い治療効能があると考えられる(Dr Yves AUDIGIER. Institute of Molecular Medecine of Rangueil. Archived topic page last updated on 22 September 2008. http://www.scitopics.com/APμELIN_SIGNALLING.html)。
しかし、アペリンは、幹細胞の増殖と関連しては、その機能や活性が全く知られていない。本発明の具体的な実施例によると、アペリンを含有する培地で中間葉幹細胞を培養させると、3継代以上でも幹細胞の形態などの細胞の特性には変化がなく細胞の活性が維持されて、その増殖能は効率的に増加することが分かった。
本発明で「アペリン(apelin)」は、市販するものを購入して使用できるが、これに制限されず、直接合成したものを使ってもよい。本発明の具体的な実施例では、1〜100nMの濃度でアペリンが培地組成物内に含まれるように、好ましくは20〜50nMの濃度でアペリンが含まれるようにして、アペリンはBachem社のカタログno H−4566(粉末形態)を購入したものを溶解物質(例えば、DMSO(dimethyl sulfoxide)等)に溶解させて使った。
アペリンを含有する本発明の培地組成物で培養される幹細胞は、形態や活性の変化がなく細胞の再生能は改善されるので、細胞の特性の変化なく短期間に多量の幹細胞を収得することが可能である(実施例2参照)。
前記本発明の培地組成物は、アペリン以外に、セレニウム(selenium)、アスコルビン酸、ビタミンE、カテキン、リコペン、βカロチン、コエンザイムQ−10(CoQ−10)、レスベラトール(resveratol)、T−BHQ、オルチプラズ(Oltipraz)、榛の木の抽出物、EPA(eicosapentaenoic acid)及びDHA(docosahexanoic acid)の中で選択された1種以上の抗酸化剤を追加で含有してもよい。アペリンと前記抗酸化剤を含有する培地組成物で培養された幹細胞も形態や活性を変化することなく細胞の増殖能が優れることを確認することができた。この時、前記抗酸化剤は、アペリン20nMに対して1μM〜20μMの量で含まれてもよい。本発明の一実施例では、アペリンとコエンザイムQ−10を含有する培地で培養された幹細胞の細胞増殖能が優れることが分かった(実施例2参照)。
一方、本発明の培地組成物は、アペリンまたはアペリンとセレニウム、アスコルビン酸、ビタミンE、カテキン、リコペン、βカロチン、コエンザイムQ−10(CoQ−10)、レスベラトール、T−BHQ、オルチプラズ、榛の木の抽出物、EPA及びDHAの中で選択された1種以上の抗酸化剤との組み合わせのいずれかを含有し、そして当業界で幹細胞培養に適すると知られている簡単な組成を有する基本培地(basal medium)を共に含有してもよい。一般に培養に利用される基本培地としては、MEM(Minimal Essential Medium)、DMEM(Dulbecco modified Eagle Medium)、RPMI(Roswell Park Memorial Institute Medium)、K−SFM(Keratinocyte Serum Free Medium)があり、この他にも当業界で利用される培地であれば制限なしに用いられる。好ましくは、M199/F12(mixture)(GIBCO)、MEM−alpha培地(GIBCO)、低濃度グルコース含有DMEM培地(Welgene)、MCDB131倍地(Welgene)、IMEM培地(GIBCO)、K−SFM、DMEM/F12培地、PCM培地及びMSC拡張培地(Chemicon)で構成された群から選択されうる。特に、この中でも好ましくはK−SFM培地が用いられる
前記中間葉幹細胞培養物の獲得に用いられる基本培地は、当業界に公示された、中間葉幹細胞の未分化された表現型の増殖を促すが分化は抑制する添加剤で補充され得る。また、培地は等張液中の中性緩衝剤(例えば、リン酸塩及び/または、高濃度重炭酸塩)及び蛋白質栄養分(例えば、血清、例えば、FBS、FCS(fetal calf serum)、ウマ血清、血清代替物、アルブミン、または、必須アミノ酸及び非必須アミノ酸、例えば、グルタミン、L−グルタミン)を含有してもよい。さらに、脂質(脂肪酸、コレステロール、血清のHDLまたはLDL抽出物)及びこの種の多くの保存液培地で発見されるその他の成分(例えば、インスリンまたはトランスフェリン、ヌクレオシドまたはヌクレオチド、ピルビン酸塩、任意のイオン化形態または塩である糖源、例えば、グルコース、セレニウム、グルココルチコイド、例えば、ヒドロコルチゾン及び/または、還元剤、例えばβ−メルカプトエタノール)を含有してもよい。
また、培地は細胞が互いに癒着したり、容器壁に癒着したり、大きすぎる束を形成することを防止する目的で、好ましくは抗凝集剤(anti-clumping agent)、例えばCat#0010057AE(Invitrogen製)等を含む。
その中でも、下記の1以上の追加の添加剤を用いることが好ましい:
・幹細胞因子(SCF、Steel因子)、c−kitをニ量化する他のリガンドまたは抗体、及び同じ信号伝達経路の他の活性剤
・他のチロシンキナーゼ関連レセプター、例えば血小板−誘導された成長因子(Platelet-Derived Growth Factor、PDGF)、マクロファージコロニー−刺激因子、Flt−3リガンド及び血管内皮成長因子(Vascular Endothelial Growth Factor、VEGF)のレセプターのためのリガンド
・環状AMP濃度を高める因子、例えばフォルスコリン
・gp130を誘導する因子、例えばLIFまたはオンコスタチン−M
・造血母成長因子、例えばトロンボポイエチン(TPO)
・変形性成長因子、例えばTGFβ1
・ニュロトロフィン、例えばCNTF
・抗生剤、例えばゲンタマイシン(gentamicin)、ペニシリン、ストレプトマイシン。
本発明の培地組成物は、前記基本培地以外に、NAC(N-acetyl-L-cysteine)、インスリンまたはインスリン様因子、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、bFGF(basic fibroblast growth factor)、ヘパラン硫酸(heparan sulfate)、2−メルカプトエタノール(2-mercaptoethanol)及びEGF(epidermal growth factor)で構成された群から選択される1種類以上の成分をさらに含有してもよい。
具体的に、インスリンを代替する成分として、インスリン様因子を含有してもよいが、これはブドウ糖の代謝と蛋白質の代謝を向上させて、細胞成長を促す役割を果たす。特に、組換えIGF−1(Insulin-like growth factor-1)を用いることが好ましい。インスリン様因子の好ましい含有量は、10〜50ng/mLであり、この成分が10ng/mL未満の場合にはアポトーシス(Apoptosis)を招いて、50ng/mLを超える場合には細胞毒性及び費用増加の問題点がある。
線維芽細胞増殖因子(bFGF)を含有できるが、これはインビボ状態で多様な形態の細胞増殖を引き起こせるが、好ましくは組換え蛋白質を用いる。線維芽細胞増殖因子の好ましい含有量は1〜100ng/mLである。
本発明で用いられる培地は、FBS(fetal bovin serum)、カルシウム及びEGFで構成された群から選択される成分をさらに含有してもよい。上皮細胞成長因子(EGF)は、好ましくは組換え蛋白質を用いる。上皮細胞成長因子の好ましい含有量は、10〜50ng/mLであり、この含有量が10ng/mL未満なら特別な効果がなく、50ng/mLを超えると細胞に毒性を持たせる。
本発明においては、好ましくは成体幹細胞の脂肪組織、または、毛嚢・羊膜等上皮組織から得られる成体幹細胞を利用することができる。最も好ましくは、脂肪組織由来成体幹細胞を使う。中間葉幹細胞(MSCs)が使用でき、最も好ましくは、脂肪組織由来中間葉幹細胞(Adipose tissue-derived mesenchymal stem cell、AdMSCs)であってもよい。
前記脂肪または上皮組織は、哺乳類由来であることが好ましく、その中でもヒト由来であることがさらに好ましい。本発明の一実施例においては、ヒト脂肪組織由来中間葉幹細胞(Human adipose tissue-derived mesenchymal stem cell、ADMSCs)を使った。
本発明の幹細胞培地組成物で幹細胞を培養する場合、幹細胞の特性には変化がなく増殖能が向上した幹細胞を収得することが可能である。
従って、他の観点において、本発明は、アペリンを含有する培地組成物で幹細胞を培養する工程を含む幹細胞の再生能を向上させる方法に関する。
本発明の一実施例では、本発明に係る培地で脂肪由来中間葉幹細胞を培養した。脂肪由来中間葉幹細胞は、下記のような方法で取得できる。まず、脂肪吸入術(Liposuction)等によって腹部から得られたヒト脂肪組織を分離してPBSで洗浄した後、組織を細かく切ってから、コラーゲン分解酵素を添加したDMEM培地を用いて分解した後、PBSで洗浄して1000rpmで5分間遠心分離する。上澄み液は除去して、底に残ったペレットはPBSで洗浄した後、1000rpmで5分間遠心分離する。100メッシュを用いて浮遊物を除去した後、PBSで再び洗浄した。DMEM(10%FBS.2mM NAC、0.2mMアスコルビン酸)培地で培養して、一夜過ぎた後、培養容器底に付着しなかった細胞はPBSで洗浄して、NAC、アスコルビン酸、カルシウム、rEGF、インスリン及びヒドロコルチゾンを含有したK−SFM培地を2日毎に交換しながら培養して、中間葉幹細胞を分離して継代培養して、中間葉幹細胞を得ることができる。しかしこの他にも当業界に公示された方法で中間葉幹細胞を得ることができる。
以下、本発明を実施例を挙げて詳述する。これらの実施例は単に本発明をより具体的に説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらの実施例に制限されないことは当業者にとって自明である
実施例1.ヒト脂肪組織由来中間葉幹細胞分離
脂肪吸引術により40代(n=1)、50代(n=1)及び60代(n=1)の腹部皮下で脂肪組織を各々分離した後、PBSで洗浄した。洗浄された脂肪組織を細かく切った後、コラゲナーゼタイプ1(1mg/mL)を添加したDMEM培地を利用して37℃で2時間組織を分解させた。コラゲナーゼ処理された組織をPBSで洗浄した後、1000rpmで5分間遠心分離して、上澄み液を除去して、ペレットをPBSで洗浄した後、1000rpmで5分間遠心分離した。100μmメッシュにフィルタリングして浮遊物を除去した後、PBSで洗浄して、10%FBS、2mM NAC、0.2mMアスコルビン酸が添加されたDMEM培地で培養した。
一夜過ぎた後、付着しなかった細胞はPBSで洗浄して、5%FBS、2mM NAC、0.2mMアスコルビン酸、0.09mMカルシウム、5ng/mL rEGF、5μg/mLインスリン、10ng bFGF及び74ng/mLヒドロコルチゾン及び1ng/mLのセレニウムを含有したK−SFMを2日毎に取り替えながら継代培養して、3継代まで培養して脂肪由来中間葉幹細胞を得た。
実施例2.幹細胞の再生能に影響を及ぼす培地成分の探索
実施例1で3継代まで培養して得た年齢別1人ずつ、計3人の脂肪由来中間葉幹細胞を下記の各培地に播種して4日かけて培養した。4日間の培養の間、細胞の形態を観察した。また、細胞の大きさ、生存率及びCDPLを測定して平均値を表示した。
培地1:dRK培地
*dRK培地は、「K−SFM(Keratinocyte-SFM)培地+2mM NAC+0.2mMアスコルビン酸+0.09mMカルシウム+5μg/mLインスリン+74ng/mLヒドロコルチゾン+抗酸化剤(セレニウム)」である。
培地2:M9培地(対照群)
*M9培地は、dRK培地で抗酸化剤(セレニウム)を除外させた培地である。
培地3:M9倍地+0.07%DMSO(対照群)
培地4:dRK培地+3factors
*3factorsは、20nMアペリン+5μM CoQ10+20μM T−BHQ
培地5:M9培地+3factors
培地6:M9培地+20nMアペリン
培地7:M9培地+50nMアペリン
培地8:M9培地+20nMアペリン+5μM CoQ10
培地9:M9培地+20nMアペリン+20μM T−BHQ
培地10:M9培地+20nMアペリン+1μMレスベラトール培地11:M9培地+20nMアペリン+5μg/mL榛の木の抽出物
培地12:M9培地+20nMアペリン+10μMオルチプラズ
前記実施例1から分離した脂肪組織由来中間葉幹細胞を各培地で培養しながら各培養日数別に脂肪組織由来中間葉幹細胞を分離して、細胞の生存率、細胞の大きさ、CPDLを測定して、テロメラーゼ活性は、3継代状態で測定した。培地11の榛の木の抽出物は、次のような方法で製造したものを使った。榛の木の樹皮(中国産)を洗浄した後、80%に希釈した酒精で沈殿して60℃で1次抽出した。1次抽出液をろ過した後、濃縮タンクに移送して60℃で真空濃縮して酒精は完全に回収した。1次濃縮液(固形分25%)は回収して、タンク内壁に付着して未回収精油成分は、アルコールを少量添加して60℃で20〜40分間加熱、溶出して再回収した。再回収した溶出液は1次濃縮液と混合した(1)。1次抽出した榛の木の樹皮に回収した80%酒精を利用して沈殿させて、60℃で10〜16時間2次抽出した。2次抽出液をろ過後濃縮タンクで真空濃縮してアルコールを完全に回収した。2次濃縮液(固形分25%)は回収して、タンク内壁に付着して未回収精油成分は酒精(95%)を濃縮タンクに少量添加して60℃で加熱、溶出して再回収した。再回収した溶出液は、2次濃縮液と混合した(2)。(1)と(2)混合濃縮液(固形分含有量25%)を共に混合して、賦形剤(デキストリン)20%(榛の木の樹皮抽出物固形分対比20%)混合して噴霧乾燥後含湿されない条件下でできるだけ早く包装する方法で製造した。
(1)幹細胞の形態
幹細胞の形態は、位相差顕微鏡下で観察後撮影した(図1参照)。観察結果、細胞の形態においては大差はなかった。すなわち、アペリンまたは本発明で使われたCoQ10等の抗酸化剤が細胞の形態に大きい影響を与えないことが分かった。
(2)幹細胞の生存力

実験結果、添加される成分による幹細胞の生存力には大差はなかった。すなわち、アペリンまたは本発明で使われたCoQ10等の抗酸化剤が細胞の大きさに大きい影響を与えないことが分かった(図2参照)。LunaTM自動細胞カウンター(LunaTM automated cell counter)を利用して幹細胞の生存率を測定した(n=3)。
(3)幹細胞の大きさ

実施例1から分離した脂肪組織由来中間葉幹細胞を各培地で播種した後、培養日別にトリプシンを処理した後、脂肪組織由来中間葉幹細胞を分離した後、LunaTM自動細胞カウンターを利用して幹細胞の粒度(μm)を測定した(n=3)。測定結果、添加される成分による細胞の大きさには大差はなかった(図3参照)。すなわち、アペリンまたは本発明で使われたCoQ10等の抗酸化剤が細胞の大きさに大きい影響を与えないことが分かった。
(4)幹細胞の細胞成長率(CPDL)

幹細胞の細胞成長率である細胞集団ダブリングレベル(Cell population doubling level)(CPDL)は次の計算法で計算した。
CPDL=Log(Nfinal−Ninitial)/Log2(Nfinal:最終的に得た細胞数;Ninitial:初めて播種した細胞数)
実験結果、アペリンを添加した培地で幹細胞を培養した場合、アペリンとその他の抗酸化剤を共に添加した培地で幹細胞を培養した場合、細胞のCPDL値が増加したこと、すなわち再生能が改善されることを確認することができた(図4参照)。アペリンとその他抗酸化剤が共に添加された場合と関連して、CoQ10またはオルチプラズをアペリンと共に使った場合、CPDL値が高かった。また、同種系列が除去されたdRK培地、M9培地混合された3factor(3factor=アペリン+coQ10+T−BHQ)群がdRK培地やM9単独群よりはCPDL値が高かったが、他の二つの混合群に比べると良くなかった。かえってdRK培地に入っている抗酸化剤が3factorの効果を減少させるとの結果を得た。
(5)幹細胞のテロメラーゼ活性測定

実施例1の方法で分離した40代、50代及び60代由来脂肪幹細胞を前記表4に示された培地で3継代まで継代した後、幹細胞のテロメラーゼ活性を確認した。テロメラーゼの活性は、Telo TAGGG Telomerase PCR ELISA kit(Roche)を利用して測定した。確認結果、アペリンを20nMの濃度で添加した培地で培養した幹細胞のテロメラーゼ活性が最も高いことを確認することができた。
本発明によると、幹細胞を繰り返し培養しても細胞の活性や大きさなどの細胞の特性には変化がなく細胞の再生能は向上させることができるので、短期間に多量の幹細胞を収得できて、幹細胞を利用した細胞治療効能を画期的に増進させることができる。
以上、本発明の内容の特定の部分を詳述したが、当業者にとって、このような具体的な記述は単なる好適な実施態様に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないという点は明らかである。よって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されると言える。



  1. アペリンを1〜100nMの濃度で含有することを特徴とする幹細胞の再生能を向上させるための培地組成物。

  2. 前記培地組成物は、セレニウム、アスコルビン酸、ビタミンE、カテキン、リコペン、βカロチン、コエンザイムQ−10(CoQ−10)、レスベラトール、T−BHQ、オルチプラズ、榛の木の抽出物、EPA及びDHAで構成された群で選択される1種類以上を追加で含有することを特徴とする請求項1に記載の幹細胞の再生能を向上させるための培地組成物。

  3. 前記追加される成分は、コエンザイムQ−10(CoQ−10)またはオルチプラズであることを特徴とする請求項2に記載の幹細胞の再生能を向上させるための培地組成物。

  4. 培地組成物は、NAC、インスリンまたはインスリン様因子、ヒドロコルチゾン、デキサメタゾン、bFGF、ヘパラン硫酸、2−メルカプトエタノール及びEGFで構成された群から選択される1種類以上の成分をさらに含有することを特徴とする請求項1に記載の幹細胞の再生能を向上させるための培地組成物。

  5. 前記幹細胞は、成体幹細胞であることを特徴とする請求項1に記載の幹細胞の再生能を向上させるための培地組成物。

  6. 前記幹細胞は、脂肪組織由来中間葉幹細胞であることを特徴とする請求項5に記載の幹細胞の再生能を向上させるための培地組成物。

  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の培地組成物で幹細胞を培養する工程を含む、幹細胞の再生能を向上させる方法。

  8. 前記幹細胞は、成体幹細胞であることを特徴とする請求項7に記載の幹細胞の再生能を向上させる方法。

  9. 前記幹細胞は、脂肪組織由来中間葉幹細胞であることを特徴とする請求項8に記載の幹細胞の再生能を向上させる方法。

 

 

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