全固体リチウム−硫黄電気化学セルおよびその生産方法

著者らは特許

H01M - 化学的エネルギーを電気的エネルギーに直接変換するための方法または手段,例.電池
H01M2/14 - 隔離板;薄膜;隔膜;間隔保持部材
H01M2/16 - 材質に特徴のあるもの
H01M4/02 - 活物質からなるまたは活物質を含有した電極
H01M4/04 - 製造方法一般
H01M4/134 - 金属,Siまたは合金を主成分とする電極
H01M4/136 - 酸化物,水酸化物以外の無機化合物,例.硫化物,セレン化物,テルル化物,ハロゲン化物またはLiCoFyを主成分とする電極
H01M4/1397 - 酸化物,水酸化物以外の無機化合物,例.硫化物,セレン化物,テルル化物,ハロゲン化物またはLiCoFy,を主成分とする電極の製造方法
H01M4/36 - 活物質,固形活物質,流体活物質の材料の選択
H01M4/38 - 元素または合金
H01M4/40 - アルカリ金属を主とする合金
H01M4/58 - 酸化物,水酸化物以外の無機化合物,例.硫化物,セレン化物,テルル化物,ハロゲン化物またはLiCoFy;ポリアニオン構造を有する化合物,例.リン酸塩,ケイ酸塩またはホウ酸塩
H01M4/587 - 軽金属を挿入するためのもの
H01M4/62 - 固形活物質中の不活性材料成分の選択,例.結着剤,充填剤
H01M4/66 - 物質の選択
H01M10/0525 - ロッキングチェア電池,すなわち両方の電極でリチウムの挿入を伴うもの;リチウムイオン電池
H01M10/0562 - 固体
H01M10/0565 - ポリマー,例.ゲルタイプまたは固体タイプ
H01M10/058 - 構造または製造
H01M10/0583 - 折り畳まれた電極またはセパレータ〔巻回されたものを除く〕,例.Z形の電極またはセパレータ を有する二次電池
H01M10/0585 - 板状電極を有する二次電池
H01M10/0587 - 巻回された電極及びセパレータを有する二次電池

の所有者の特許 JP2016524803:

ハイドロ−ケベック

 

本発明は、全固体リチウム−硫黄電気化学セルおよびその生産方法に関する。Li−S電気化学セルは、イオン伝導性固体電解質被膜、硫黄複合体を含有する正電極被膜、およびリチウムを含有する負電極被膜を含む少なくとも1つの多層構成要素を含む。本発明は、正電極被膜、事前製作した電解質−正電極素子ならびにそれらの使用および生産方法にもまた関する。さらなる実施形態では、固体電解質の無機化合物は、SiO、Al、TiO、およびその他のリチウムイオン伝導性固体、ならびにこれらの組合せから選択され、但しリチウムイオン伝導性固体は、リチウムイオン伝導性セラミックおよびガラス、例えば、結晶質の形態または非晶質の形態のいずれかであるNASICON、LISICON、チオ−LISICON、ガーネット、ならびにこれらの組合せから選択されてもよい。

 

 

関連出願
本出願は、2013年6月21日に出願されたカナダ出願第2,820,635号に対して優先権を主張し、その記載全体が参考を全ての目的として本明細書中に援用される。
発明の分野
本発明は、リチウム−硫黄(Li−S)電気化学セルの分野およびその製造に関する。より詳細には、本発明は、全固体Li−S電気化学セル、システム、およびユニットと、それらの製造プロセスとに関する。
発明の背景
Li−Sバッテリーは、一般に、リチウム金属(Li(m))アノード、炭素と混合された硫黄(S)を含有するカソード(硫黄自体は不良導体である)、および液体電解質を含む。放電中、アノードからのリチウムは酸化されてリチウムイオンを形成し、硫黄はカソードで還元されてLi−多硫化物種を発生させる。従来の液体電解質における充放電反応の原理を、図1に示す。
リチウム−硫黄(Li−S)バッテリーの理論上の比エネルギーは、Liイオンバッテリーの比エネルギーよりも約3〜5倍高い(2567Wh/kg)。この理由のため、またその経済的および環境上の利益のため、Li−Sバッテリー技術はしばしば、最も将来性あるLiイオン置換技術の1つと言われる。しかし、不十分なサイクル寿命、低サイクル効率、重度の自己放電、および疑わしい安全性の問題を含めたいくつかの欠点により、市場へのその参入が引き延ばされてきた。これは、Li−多硫化物種が少なくとも部分的に電解質に可溶であること、より根本的には硫黄およびリチウムの硫化物の絶縁する性質がこの活性材料の利用を制限することに起因すると考えられる(Zhang S. S.ら、2013年、J. Power. Sources、231巻、153〜162頁参照)。
Li−Sバッテリー技術を改善する際のほとんどの努力は、硫黄含有複合体の修飾に集中してきた(硫黄をカソード内に捕捉するため、X. Jiら、2010年、J. Mat. Chem.、20巻、9821〜9826頁)。しかし提案された方法のほとんどは、より大きい工業生産規模にそれほど適用可能でないステップを含み、かつ/またはより高い生産コストを必要とする。
いくつかの研究グループは、多硫化物イオンの溶解性を遅延させるために、例えばPEOホモポリマーを使用してポリマー電解質システムを開発してきたが、セル性能は、初期放電後に即刻劣化することを示した(S.S. Jeongら、2007年、Journal of Power Sources174巻、745〜750頁)。
全固体Li−Sバッテリーは、Nagaoら、2013年、J. Power. Sources、222巻、237〜242頁に記載されている。このシステムは、メソポーラスカソード複合体、Li−Al合金アノード、およびチオ−LISICON(Li3.25Ge0.250.75)固体電解質を含む。並外れて高い容量にもかかわらず、これは室温で低放電電圧および0.1C未満の限られた電力性能を示す。
他のLi−Sバッテリーの代替物と比較した場合、改善されたサイクル寿命、より良好なサイクル効率、より低い自己放電、改善された安全性、および/またはより低い生産コストの少なくとも1つを有する、工業的に適用可能なLi−S電気化学セルが求められている。
Zhang S. S.ら、2013年、J. Power. Sources、231巻、153〜162頁
X. Jiら、2010年、J. Mat. Chem.、20巻、9821〜9826頁
S.S. Jeongら、2007年、Journal of Power Sources174巻、745〜750頁
Nagaoら、2013年、J. Power. Sources、222巻、237〜242頁

一態様によれば、本発明は:電気化学的に活性な材料として硫黄を含む正電極被膜と;負電極と正電極との間の固体電解質被膜であって、少なくとも1種のリチウム塩および少なくとも1種のポリマーを含む少なくとも1つの層(複数可)を含む該固体電解質被膜と;電気化学的に活性な材料としてリチウムを含む負電極被膜とを含む少なくとも1つの多層構成要素を含む、電気化学セルに関する。
一実施形態では、固体電解質被膜は、イオン伝導性被膜であり、ポリマー含有層中にまたは別のイオン伝導性固体層中に少なくとも1種の無機化合物をさらに含む。
別の実施形態では、電解質のポリマーは、少なくとも1つのリチウムイオン溶媒和セグメントおよび少なくとも1つの架橋可能セグメントから構成されたブロックコポリマーからなる。好ましくは、リチウムイオン溶媒和セグメントは、式(I):
(式中、
Rは、H、C〜C10アルキル、または−(CH−O−R)から選択され;
は(CH−CH−O)であり;
は、HおよびC〜C10アルキル基から選択され;
xは、10〜200,000から選択される整数であり;かつ
yは、0〜10から選択される整数である)
の反復単位を有するホモまたはコポリマーから選択される。
別の実施形態では、ポリマーの架橋可能セグメントは、照射または熱処理によって多次元的に架橋可能である少なくとも1つの官能基を含む、ポリマーセグメントである。固体電解質は、イオン伝導性固体に溶解した少なくとも1種のリチウム塩をさらに含んでいてもよく、好ましくはリチウム塩は、式Li(式中、Xは、非局在化電荷を持つ陰イオン、好ましくはPF、BF、AsF、ClO、CFSO、(CFSO(TFSI)、および(CSO(BETI)から選択される陰イオンである)のものである。
さらなる実施形態では、固体電解質の無機化合物は、SiO、Al、TiO、およびその他のリチウムイオン伝導性固体、ならびにこれらの組合せから選択され、ここで、このリチウムイオン伝導性固体は、リチウムイオン伝導性セラミックおよびガラス、例えば、結晶質相または非晶質相のいずれかであるNASICON、LISICON、チオ−LISICON、ガーネット、ならびにこれらの組合せから選択されてもよい。リチウムイオン伝導性ガラスまたはセラミックは、好ましくは、25℃で少なくとも10−4S/cmのリチウムイオン伝導率を有する。イオン伝導性被膜は、10〜200μmの間、10〜100μmの間、または20〜50μmの間の厚さを有する。
別の態様によれば、本発明は、ポリマー結合剤を含む正電極に関する。好ましくはポリマー結合剤は、少なくとも1つのリチウムイオン溶媒和セグメントおよび少なくとも1つの架橋可能セグメントから構成されたブロックコポリマーであり、このリチウムイオン溶媒和セグメントは、上記にて定義されたような式(I)の反復単位を有するホモまたはコポリマーから選択される。一実施形態では、正電極中のポリマー結合剤は、電解質のポリマーと同じである。別の実施形態では、正電極のポリマー結合剤は、電解質のポリマーとは異なる。
別の実施形態では、正電極は、任意選択でメカノフュージョンによって製造された、コーティング材料に封入された硫黄を含む複合材料を含む。好ましくは、コーティング材料は:
− Li(XO)(式中、0≦a≦2、0<b≦1であり;Mは、Fe、Mn、Co、Ni、およびTi、またはこれらの組合せから選択され、Xは、P、Si、およびSから選択される)、例えば、LiFePO、LiNiPO、LiMnPO、LiCoPO、もしくはLiFe1−xTiPO(式中、0<x<1);または
− Li(式中、0≦c≦4、0<d≦5、0<e≦12であり;Mは、Mo、V、Ti、Al、およびSiから選択され;Zは、O、S、およびSeから選択される)、例えばTiO、TiS、V、LiV、LiTi12、MoS、MoO、SiO、もしくはAl
から選択される無機材料を含む。
任意選択で、無機材料は、炭素で任意選択でコーティングされた粒子の形態である。別の実施形態では、正電極被膜は、例えばカーボンブラック、活性炭、グラファイト、グラフェン、およびこれらの混合物から選択される炭素粉末または繊維のような伝導性炭素をさらに含む。好ましくは、伝導性炭素は、少なくとも5m/g、または少なくとも50m/gの比表面積を有する。別の実施形態では、伝導性炭素は少なくとも500m/gの比表面積を有する。
本発明の別の実施形態によれば、電気化学セルの負電極被膜は、リチウム金属箔、または少なくとも90重量%のリチウムを含む合金などのリチウム金属合金を含む。一実施形態では、負電極被膜の電気化学的に活性な材料の表面は、in situで形成された不動態層をさらに含む。別の実施形態では、負電極被膜は、例えば合成油などの潤滑剤を含む保護層をさらに含み、この合成油は、脂肪酸とポリエチレングリコールとのエステル化生成物であってもよい。別の実施形態では、負電極の電気化学的に活性な材料は、約5μm〜約200μmの間の厚さを有する被膜である。
別の実施形態では、本発明の電気化学セルは、負電極に隣接する絶縁体層をさらに含む。さらなる実施形態では、本発明の電気化学セルの正電極は、正電極の電気化学的に活性な材料の支持体としても作用する電流コレクタをさらに含み、該電気化学的に活性な材料は、固体電解質に隣接している。好ましくは、電流コレクタは、アルミ箔であり、例えば、約10μm〜30μmの間の厚さを有し、炭素層を任意選択で含む。
本発明による電気化学セルを製造するためのプロセスは:
a)本明細書に記載されるとおりの正電極被膜、電解質被膜、および負電極被膜を用意するステップと;
b)正電極被膜、電解質被膜、および負電極被膜を一緒に積層し層状化(圧延)するステップと
を含む。
一実施形態では、負電極被膜を用意するステップは、少なくとも2つのロールの間でリチウム箔を層状化し、任意選択で表面を保護層でコーティングするステップを含む。
別の実施形態では、正電極被膜を用意するステップは、正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、任意選択でリチウム塩、無機化合物、および/または溶媒と一緒に混合するステップと、得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングするステップと、溶媒を蒸発させるステップ(必要な場合)と、UV照射または加熱などによって重合させて正電極被膜を形成させるステップとを含む。
別の実施形態では、電解質被膜を用意するステップは、ポリマー前駆体、リチウム塩、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒を混合して、粘度を調整するステップと、得られた混合物を基材上に流延するステップと、溶媒を蒸発させるステップ(必要な場合)と、UV照射または加熱などによって重合させて固体電解質被膜を形成させるステップとを含む。
別の実施形態では、電解質被膜を用意するステップは、(a)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および無機化合物(複数可)、ならびに任意選択で溶媒(複数可)を混合して、粘度を調整し、そのように得られた混合物を基材上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱などによって重合させて固体電解質被膜を形成させてポリマー−無機化合物被膜を得るステップと;(b)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整し、そのように得られた混合物を、ポリマー−無機化合物被膜上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱などによって重合させて固体ポリマー電解質被膜を形成させるステップとを含む。
別の実施形態では、正電極被膜、電解質被膜、および負電極被膜を一緒に積層し層状化するステップは、正電極被膜を電解質被膜と一緒に層状化し、その後、その上に負電極被膜を層状化するステップをさらに含む。
本発明の別の実施形態では、電気化学セルは、圧延または折り畳むことができる1つの多層構成要素を含む。さらなる実施形態では、電気化学セルは、2つまたはそれ超の積層された多層構成要素を含む。
本発明はさらに、本発明の実施形態の1つによる複合材料を含む硫黄含有正電極と;本明細書で定義されたとおりの固体電解質とを含み、これら正電極および電解質が一緒に積層され層状化された、事前製作した電解質−正電極素子を企図する。
別の実施形態では、本発明は:a)正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、任意選択でリチウム塩(複数可)、無機材料(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップと;b)ステップ(a)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、溶媒(存在する場合)を蒸発させ、重合させて正電極被膜を形成するステップと;c)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および無機粒子(複数可)を、任意選択で溶媒(複数可)中で混合し、基材上にコーティングして電解質被膜前駆体を形成するステップと;d)ステップ(c)の電解質被膜前駆体を照射または加熱して、固体電解質被膜を形成するステップと;e)ステップ(b)の正電極被膜を、ステップ(d)の固体電解質被膜と一緒に積層し層状化するステップとを含む、本発明の事前製作した電解質−正電極素子を調製するためのプロセスを提供する。このプロセスは、ステップ(e)の前または後に基材を除去するステップをさらに含んでいてもよい。
さらなる実施形態では、本発明の事前製作した電解質−正電極素子を調製するためのプロセスは:a)正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、任意選択でリチウム塩(複数可)、無機材料(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップと;b)ステップ(a)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、溶媒(存在する場合)を蒸発させ、重合させて正電極被膜を形成するステップと;c)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および無機粒子(複数可)を、任意選択で溶媒中で混合し、ステップ(b)の正電極の電流コレクタと反対側の表面上にコーティングして、コーティングした正電極を生成するステップと;d)ステップ(c)で得られたコーティングした正電極を照射または加熱して、固体電解質−正電極素子を形成するステップと;e)任意選択で、ステップ(d)で得られた組成物を層状化するステップとを含む。
さらに別の実施形態では、本発明は、本発明による、電気化学セル、正電極、または事前製作した電解質−正電極素子を含むシステムと、本発明による電気化学セルの製造における、事前製作した電解質−正電極素子または正電極の使用とに関する。本発明は、リチウムイオンバッテリーとの置き換えにおける本発明の電気化学セルの使用、および高エネルギー再充電可能バッテリーを必要とするシステムにおける、より詳細には電動車両およびユビキタスITデバイスなどのシステムにおける、本発明の電気化学セルの使用も企図する。
図1は、従来の液体電解質システムにおけるリチウム−硫黄バッテリーの一般的な原理を示す図である。
図2は、本発明の電気化学セル内の、固体電解質の構成の例を示す図である。
図3は、外側コーティング内に封入された内側硫黄粒子によって特徴付けられる硫黄複合材料を概略的に示す図である。
図4は、硫黄−LiFePO複合体であって、硫黄粒子がLiFePO層内に封入されている複合体のSEM画像を示す図である。
図5は、実施例2で調製された電気化学セルと実施例1(比較)で得られた電気化学セルとで得られた結果を比較して、0.1C(167mA/g)で試験をした1回目の放電および充電のプロファイルを示す図である。
図6は、実施例3で示したセルの第3の放電および充電のプロファイルを、実施例1(比較)のセルの場合との比較において示す図である。
図7は、それぞれ実施例3および4で調製されたセルのサイクル性能を示す図である。
図8は、実施例1(比較)、2〜4、6、7、9〜12、14、17、および18(比較)で調製されたセルの初期容量およびクーロン効率の概要を示す図である。
詳細な説明
下記の詳細な説明および実施例は、例示を目的としたものであり、本発明の範囲をさらに限定すると解釈すべきでない。
本発明のLi−S電気化学セルは、液体、ゲル、またはセラミックのみの電解質を含有しない。一般に電気化学セルは、リチウム含有負電極被膜、電流コレクタ上の硫黄含有正電極被膜を含む、少なくとも1つの多層構成要素を含み、これらの負電極および正電極は、少なくとも1つの層を含む固体電解質被膜によって分離されており、この層はポリマーを含有する。
好ましくは、電気化学セルの1つの多層構成要素は、約10μm〜約1000μm、好ましくは約100μm〜約500μmの全厚を有する。電気化学セルは、例えば、バッテリー構成に応じて1〜100個の多層構成要素(複数可)を含む。例えば、電気化学セルは、圧延または折り畳むことができる1つの多層構成要素から構成することができる。別の例として、電気化学セルは、一緒に積層することができる2つまたはそれ超の多層構成要素から構成されてもよい。
このLi−S電気化学セルの電解質中で使用されるポリマーとして、重合(例えば、加熱または照射による)前に添加剤が添加されたイオン伝導性ポリマーが挙げられる。架橋ポリマーの使用はさらに、改善された伝導特性を提供する。ナノ粒子またはセラミックシートのいずれかの形態である固体電解質への無機材料の添加は、電解質被膜の機械的強度を改善し、リチウム金属電極の可逆性を増強する。これらの無機粒子は、ポリマー含有層内にまたは電解質の別の層として含まれる。
図2は、本発明による固体電解質の種々の構成を持つ電気化学セルの例を示し、リチウム含有負電極は、不動態層をさらに含む。
本発明の電気化学システムにおける多硫化物イオンの限られた溶解性、したがって限られた移動度により、セルは、著しく改善されたクーロン効率を示し、図5に示すような、多硫化物シャトル反応なし(または非常に低い多硫化物シャトル反応)では90%超である。
本発明の別の態様は、以下に、より詳細に定義される正電極に関する。本発明によるこの正電極は、元素硫黄粒子、イオン伝導性ポリマー結合剤、および伝導性炭素添加剤を含有する。正電極の硫黄粒子は、結合剤を塗布する前に、無機伝導性材料にさらに封入することもできる。さらなる添加剤、例えば、リチウム塩および無機化合物、例えば、ガラスおよびセラミック粒子は、正電極組成物に添加することもできる。
本発明は、事前製作した正電極−電解質素子、ならびにそれらの調製および電気化学セルの製造での使用も企図する。これらの事前製作した正電極−電解質ユニットは、それぞれ本明細書に記載されるような正電極被膜および固体電解質被膜を含む。
本発明の電気化学セルは、リチウムイオンバッテリーが一般に使用される場合またはその置き換えにおいて使用される場合の使用と、高エネルギー再充電可能バッテリーを要求するシステム、より詳細には電動車両およびユビキタスITデバイスなどのシステムにおける使用とに適している。
下記は、本発明の電気化学セルの構成要素の例示的な組成および性質である。
固体電解質
固体電解質は、少なくとも1種のリチウム塩および少なくとも1種のイオン伝導性ポリマーを含むイオン伝導性被膜を含む。固体電解質は、電解質のポリマー被膜中または異なる被膜中に存在することができる無機化合物をさらに含んでいてもよい。
好ましい態様では、ポリマーは、少なくとも1つのリチウムイオン溶媒和セグメントAおよび少なくとも1つの架橋可能セグメントBから構成されたブロックコポリマーからなる。セグメントAは、式(I):
(式中、
Rは、H、C〜C10アルキル、または−(CH−O−R−R)から選択され;
は、(CH−CH−O)であり;
は、HまたはC〜C10アルキル基から選択され;
xは、10〜200,000の範囲で選択される整数であり;かつ
yは、0〜10の範囲で選択される整数である)
の反復単位を有するホモまたはコポリマーから選択される。
セグメントBは、照射または熱処理によって多次元的に架橋可能である少なくとも1つの官能基を含む、ポリマーセグメントである。
リチウム塩はLi(式中、Xは、非局在化電荷を持つ陰イオンであり、例えばPF、BF、AsF、ClO、CFSO、(CFSO(TFSI)、および(CSO(BETI)から選択される陰イオンである)によって表される。
固体電解質中の無機化合物は、例えば、SiO、Al、TiO、ならびにその他のリチウムイオン伝導性固体、例えば、リチウムイオン伝導性セラミックおよびガラス、例えば、結晶質の形態および/または非晶質の形態であるNASICON、LISICON、チオ−LISICON、ガーネットのようなもの、ならびにこれらの組合から選択される。
本発明の固体電解質の構造は、1つの単層からまたは2つもしくはそれ超の層からなるものであってもよい。例えば、固体電解質は、図2に例示される3つの異なる構成から選択することができ、下記の通りまとめられる:
a)固体電解質は、無機化合物粒子を含有するポリマー層を含む1つの被膜を含む;
b)固体電解質は、2つの被膜を含み、第1の被膜は(a)で定義された通りであり、第2のポリマー被膜は無機化合物を含まない;または
c)固体電解質は、2つの被膜を含み、第1の被膜はポリマー被膜であり、第2の被膜は無機化合物を含む。
選択肢(c)において、ポリマー被膜は、任意選択で無機化合物をさらに含んでいてもよい。固体電解質被膜は、上述のポリマー溶液を基材上に流延しまたは正電極上に直接流延し、その後、UVもしくは電子ビーム照射を介した架橋によってまたは熱処理によって製造される。乾燥被膜の厚さは、好ましくは10μm〜100μmの間、好ましくは20μm〜50μmの間で制御される。基材は、例えば、電気化学セルのその他の素子に固体電解質被膜を層状化する前に除去することができる、プラスチック被膜である。
正電極:
本発明の電気化学セルの正電極は、少なくとも1種の硫黄含有材料、好ましくは元素硫黄粒子、少なくとも1種の伝導性炭素添加剤、少なくとも1種のポリマー結合剤を含む硫黄複合材料を含む。正電極材料は、任意選択で、少なくとも1種のリチウム塩および/または無機化合物をさらに含む。
硫黄複合材料は、10nm〜100μmの間、好ましくは0.1μm〜50μmの間の粒子サイズを有する硫黄粒子によって特徴付けられてもよい。
ポリマー結合剤は、正電極被膜を形成するために硫黄粒子に添加される。ポリマー結合剤は、好ましくはイオン伝導性ポリマーである。1つの好ましい実施形態では、ポリマー結合剤は、少なくとも1つのリチウムイオン溶媒和セグメントAおよび少なくとも1つの架橋可能セグメントBから構成されたブロックコポリマーであり、好ましくはセグメントAは、式Iで定義された通りである。ポリマー結合剤は、固体電解質中のポリマーと同じでも異なっていてもよい。
さらに伝導性炭素添加剤は、ポリマー結合剤に添加することができ、それによってその伝導性が増大する。伝導性炭素添加剤の例として、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、グラフェン、およびこれらの混合物から選択される炭素粉末または繊維が挙げられる。例えば、選択される炭素の比表面積は、5m/gよりも高く、任意選択で50m/gよりも高く、または500m/gよりも高い。
一態様によれば、ポリマー結合剤中の硫黄粒子は、任意選択で外側コーティング層に封入され、このコーティング材料は、炭素で任意選択でコーティングされた無機材料の粒子を含み、この無機材料は:
− Li(XO)(式中、0≦a≦2、0<b≦1であり、Mは、Fe、Mn、Co、Ni、およびTi、またはこれらの組合せから選択され、Xは、P、Si、およびSから選択される)、例えば、コーティング材料は、LiFePO、LiNiPO、LiMnPO、LiCoPO、およびLiFe1−xTiPO(式中、0<x<1)から選択されるもの;または
− Li(式中、0≦c≦4、0<d≦5、0<e≦12であり、Mは、Mo、V、Ti、Al、およびSiから選択され、Zは、O、S、およびSeから選択される)、例えば、コーティング材料は、TiO、TiS、V、LiV、LiTi12、MoS、MoO、SiO、またはAlであるもの
から選択される。
無機材料の例は、例えば、参照を全ての目的としてその主題の全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,910,382号(Goodenoughら)に見出すこともできる。
1種または複数のリチウム塩は、任意選択で正電極複合体に添加される。例として、PF、BF、AsF、ClO、CFSO、(CFSO(TFSI)、および(CSO(BETI)のリチウム塩が挙げられ、固体電解質中に存在する塩と同じでも異なっていてもよい。
無機化合物も、任意選択で、正電極複合体に添加される。無機化合物の例として、SiO、Al、TiO、ならびにリチウムイオン伝導性固体、例えばリチウムイオン伝導性セラミックおよびガラス、例えば、結晶質の形態または非晶質の形態であるNASICON、LISICON、チオ−LISICON、ガーネット、およびこれらの組合せが挙げられ、固体電解質中に存在する無機化合物と同一でも異なっていてもよい。
正電極の電流コレクタは、例えば、好ましくは約10μm〜30μmの厚さを有するアルミ箔からなる。電流コレクタは、正電極複合体中に存在する伝導性炭素への電流コレクタの接着を促進させるため、炭素コーティング層を含んでいてもよい。
負電極:
本発明の負電極は、リチウム金属またはリチウムを少なくとも90重量%含有するリチウム合金のいずれかの箔の形態であるリチウムを含む。好ましい態様によれば、負電極は、その表面に保護層を有するリチウム金属箔を含む。リチウム箔は、10μm〜500μm、好ましくは20μm〜200μmの厚さを有する。リチウム被膜を調製するためのプロセスは、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,528,920号(Bouchardら)に見出すことができる。
保護層は、自然酸化物が形成される前に、リチウム箔の新しい表面に潤滑剤材料をコーティングすることによって形成される。潤滑剤は、合成油から、より好ましくは脂肪酸およびPEG(ポリエチレングリコール)のエステル化生成物から選択されてもよい。リチウム被膜の調製における使用のための潤滑剤および添加剤の例は、参照によりその内容全体が本明細書に組み込まれる米国特許第6,517,590号(Gauthierら)に見出すことができる。
製造プロセス:
本発明の電気化学セルを製造するプロセスは:(a)本明細書に記載されるとおりの正電極被膜、固体電解質被膜、および負電極被膜を用意するステップと、(b)正電極被膜、固体電解質被膜、および負電極被膜を一緒に積層し層状化するステップとを含む。
一態様では、負電極被膜を用意するステップは、リチウム箔を層状化し、その表面を保護層でコーティングするステップを含む。
別の態様では、正電極被膜を用意するステップは、正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップと、得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングするステップと、溶媒を蒸発させるステップ(必要な場合)と、UV照射または加熱によって重合させて正電極被膜を形成させるステップとを含む。
さらなる態様では、固体電解質被膜を用意するステップは、ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して、粘度を調整するステップと、得られた混合物を基材上に流延するステップと、溶媒を蒸発させるステップ(必要な場合)と、UV照射または加熱によって重合させて固体電解質被膜を形成させるステップとを含む。
あるいは、固体電解質被膜を用意するステップは、(a)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および無機化合物(複数可)、ならびに任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整し、得られた混合物を基材上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させてポリマー−無機化合物被膜を得るステップと;(b)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整し、得られた混合物をポリマー−無機化合物被膜上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて固体ポリマー電解質被膜を形成させるステップとを含む。
別の態様では、正電極被膜、固体電解質被膜、および負電極被膜を一緒に積層し層状化するステップは、正電極被膜を固体電解質被膜と一緒に層状化するステップと、その後、負電極被膜を固体電解質被膜上に層状化するステップとを含む。
図2(a)に示されるとおりの電気化学セルを製造するためのプロセスは、例えば下記のステップ:a)上述のように、リチウム箔を層状化し、任意選択でその表面を保護層でコーティングするステップ;b)正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップ;c)ステップ(b)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、正電極被膜を形成するステップ;d)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して、粘度を調整するステップ;e)ステップ(d)で得られた混合物を基材上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、固体電解質被膜を形成するステップ;f)ステップ(c)で得られた正電極被膜、(e)で得られた固体電解質被膜、およびステップ(a)からの負電極被膜を積層し層状化するステップであって、負電極被膜および正電極被膜がそれぞれ、固体電解質被膜の反対側の面に接触しているステップを含む。このプロセスは、ステップ(f)の前に固体電解質被膜から基材を除去するステップをさらに含んでいてもよい。
別の態様によれば、本発明の電気化学セルを製造するためのプロセスは、下記のステップ:a)上述のように、リチウム箔を層状化し、任意選択でその表面を保護層でコーティングするステップ;b)正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップ;c)ステップ(b)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、溶媒を蒸発させて(必要な場合)、正電極被膜前駆体を形成するステップ;d)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整するステップ;e)ステップ(d)で得られた混合物を、ステップ(c)の正電極被膜前駆体上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、正電極/固体電解質被膜を形成するステップ;f)ステップ(e)で得られた正電極/固体電解質被膜、およびステップ(a)からの負電極被膜を、積層し層状化するステップであって、負電極被膜および正電極被膜がそれぞれ、固体電解質被膜の反対側の面に接触しているステップを含む。
図2(b)に示される電気化学セルを製造するためのプロセスは、下記のステップ:a)上述のように、リチウム箔を層状化し、任意選択でその表面を保護層でコーティングするステップ;b)正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップ;c)ステップ(b)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、正電極被膜を形成するステップ;d)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整するステップ;e)ステップ(d)で得られた混合物を基材上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、第1の固体電解質被膜を形成するステップ;f)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整するステップ;g)ステップ(f)で得られた混合物を基材上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、第2の固体電解質被膜を形成するステップ;h)ステップ(c)で得られた正電極被膜、(e)で得られた第1の固体電解質被膜、(g)で得られた第2の固体電解質被膜、およびステップ(a)からの負電極被膜を積層し層状化するステップであって、正電極被膜および負電極被膜はそれぞれ、第1の固体電解質被膜および第2の固体電解質被膜に面しているステップを含む。このプロセスは、ステップ(h)の前に、1つまたは両方の固体電解質被膜の基材(複数可)を除去するステップをさらに含んでいてもよい。
別の態様によれば、本発明の電気化学セルを製造するためのプロセスは、下記のステップ:a)上述のように、リチウム箔を層状化し、任意選択でその表面を保護層でコーティングするステップ;b)正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップ;c)ステップ(b)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、溶媒を蒸発させて(必要な場合)、正電極被膜前駆体を形成するステップ;d)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整するステップ;e)ステップ(d)で得られた混合物を、(c)で得られた正電極被膜前駆体上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、被膜「正電極/第1の固体電解質被膜」を形成するステップ;f)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整するステップ;g)ステップ(f)で得られた混合物を基材上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、第2の固体電解質被膜を形成するステップ;h)ステップ(e)で得られた被膜「正電極/第1の固体電解質被膜」、(g)で得られた第2の固体電解質被膜、およびステップ(a)からの負電極被膜を積層し層状化するステップであって、第2の固体電解質被膜は、正電極被膜と反対側にある第1の固体電解質被膜の自由表面に面し、負電極被膜は、第1の固体電解質被膜と反対側にある第2の固体電解質被膜に面しているステップを含む。このプロセスは、ステップ(h)の前に、第2の電解質被膜から基材を除去するステップをさらに含んでいてもよい。
別の態様によれば、本発明の電気化学セルを製造するためのプロセスは、下記のステップ:a)上述のように、リチウム箔を層状化し、任意選択でその表面を保護層でコーティングするステップ;b)正電極の電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップ;c)ステップ(b)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、溶媒を蒸発させて(必要な場合)、正電極被膜前駆体を形成するステップ;d)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整するステップ;e)ステップ(d)で得られた混合物を、ステップ(c)の正電極被膜前駆体上に流延し、溶媒を蒸発させる(必要な場合)ステップ;f)ポリマー前駆体、リチウム塩、無機化合物、および任意選択で溶媒を混合して粘度を調整するステップ;g)ステップ(f)で得られた混合物を、(e)で得られた被膜の「電解質」表面上に流延し、溶媒を蒸発させ(必要な場合)、UV照射または加熱によって重合させて、正電極/固体電解質被膜を形成するステップであって、この固体電解質被膜が2つの層を含むステップ;h)ステップ(g)で得られた正電極/固体電解質被膜、およびステップ(a)からの負電極被膜を積層し層状化するステップであって、負電極被膜および正電極被膜がそれぞれ、固体電解質被膜の反対側の面に接触しているステップを含む。
図2(c)に示されるとおりの電気化学セルを製造するためのプロセスは、上記と同様に実施され、固体電解質被膜と負電極被膜との間に無機層を調製し付加するステップをさらに含む。例えば、無機層は、無機粉末を押圧してペレットまたはシートを形成することによって、および500℃〜1000℃の温度で加熱することによって調製される。無機粉末のペレットまたはシートは、好ましくは約10μm〜1000μm、好ましくは50〜500μmの厚さを有する。無機層はまた、カソードスパッタリングによって堆積されてもよい。
(実施例1)(比較)
a)正電極被膜の調製
ポリ(エチレンオキシド)ホモポリマー(PEO)(MW5,000,000)を、アセトニトリルおよびトルエン(体積比8:2)の混合物に、10重量%の濃度で溶解して、PEO溶液を得た。硫黄粉末(3.00g)、Ketjen(商標)ブラック(1.00g)、およびPEO溶液(4.49g)を、遊星型遠心混合器(Thinky Mixer ARE−250(商標))を使用して混合した。追加の溶媒(アセトニトリル+トルエン 体積比8:2)をスラリーに添加して、コーティングのために約10,000cPの適切な粘度に到達させた。このように得たスラリーを、100μmギャップのドクターブレードを使用して、炭素でコーティングされたアルミ箔上にコーティングした。
b)セルアセンブリ
CR2032型コインセルを、ヘリウムが充填されたグローブボックス内で、Celgard 3501(商標)セパレータおよびリチウム箔(Hoshen、200μm)アノードを使用して組み立てた。次に、エチレングリコールジメチルエーテル(DME)および1,3−ジオキソラン(DOX)(体積比1:1)の混合物中の1Mのリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)0.12mlを、セル内に注入した。実施例1(比較)の1回目の充電(0.1C)および放電(0.1C)曲線を図5に示す。
(実施例2)
a)硫黄複合材料の調製
予備乾燥した硫黄粉末(20g)および炭素でコーティングされたLiFePO(平均100nm、5g)を、Nobilta(商標)粉末混合器(NOB−MINI(商標)、Hosokawa Micron Corp.)中において、5000rpmで5分間加工した。このように得た硫黄複合体のSEM画像を、図4に提示する。
b)正電極被膜の調製
架橋可能ポリ(エチレンオキシド)ポリマーを、アセトニトリルおよびトルエン(体積比8:2)の混合物に、28.75重量%の濃度で溶解した(以後、「ポリマー溶液」)。ステップ(a)からの硫黄複合体(9.79g)、Ketjen(商標)ブラック(4.88g)、ポリマー溶液(17.0g)、および溶媒(アセトニトリル:トルエン、体積比8:2;99.2g)を、アルミナボールを充填したアルミナジャー内で、24時間ボールミリングを行った。次いでLiClO(0.44g)および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(0.06g)を添加し、混合物をさらに30分間ボールミリングを行った。得たスラリーを、ドクターブレードを使用して、炭素でコーティングされたアルミ箔上にコーティングした。溶媒を60℃で10分間乾燥後、被膜をNパージ雰囲気中で2分間、UV光で照射した。
c)固体ポリマー電解質被膜の調製
シリカ(4.46g)をポリマー溶液(94.57g)に添加し、24時間ボールミリングを行った。次いでLiClO(5.05g)および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(0.12g)を溶液に添加し、混合物をさらに30分間ボールミリングを行った。被膜を作製するために、溶液をポリプロピレン基材上に流延し、溶媒を60℃で10分間除去した後、被膜を、窒素パージ雰囲気中で2分間、UV光で照射した。被膜の厚さは、乾燥後に25μmと測定された。
代替プロセスとして、ポリマー溶液を正電極被膜上に流延し、同じ条件下で架橋した。
d)セルの組み立て
セルを、30psiの圧力下、80℃で、3種の被膜:正電極、固体ポリマー電解質、およびリチウム箔(40μm)を積層し層状化することによって組み立てた。末端を電極に接続した後、セルを気密プラスチックバッグ内に密封した。実施例のセル性能を図5に示す。
(実施例3)
a)正電極被膜の調製
実施例2(a)からの硫黄複合体(2.438g)、カーボンブラック(0.993g、Super P(登録商標)Timcal Graphite and Carbonより)、実施例2(a)からのポリマー溶液(4.391g)、および溶媒(アセトニトリル:トルエン、体積比8:2;26.08g)を、遊星型遠心混合器(Thinky Mixer ARE−250(商標))を使用して混合した。次いでLiTFSI(0.298g)および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(0.015g)を添加し、混合物を4分間混合した。得たスラリーを、ドクターブレードを使用して、炭素でコーティングされたアルミ箔上にコーティングした。溶媒を60℃で10分間乾燥した後、被膜を、Nパージ雰囲気中で2分間、UV光で照射した。
b)固体ポリマー電解質被膜の調製
SiO(0.799g)をポリマー溶液(20.00g)に添加し、24時間ボールミリングを行った。次いでLiTFSI(1.205g)および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(0.022g)を溶液に添加し、遊星型遠心混合器を使用して2分間混合した。被膜を作製するために、溶液をポリプロピレン基材上に流延し、溶媒を60℃で10分間除去した後、被膜を、窒素パージ雰囲気中で2分間、UV光で照射した。被膜の厚さは、乾燥後に25μmと測定された。
代替プロセスとして、ポリマー溶液を正電極被膜上に流延し、同じ条件下で架橋した。
c)セルの組み立て
セルを、3種の被膜:正電極、固体ポリマー電解質、およびリチウム箔(40μm)を80℃で積層し層状化することによって組み立てた。末端を電極に接続した後、セルを気密パッケージ内に密封した。3回目の充電(0.1C)および放電(0.1C)曲線を、実施例1のセルの場合との比較において図6に示す。連続サイクル挙動を図6に提示する。
(実施例4)
a)正電極被膜の調製
実施例2(a)からの硫黄複合体(2.529g)、Super P(登録商標)(1.01g)、SiO(0.165g)、ポリマー溶液(3.969g)、および溶媒(アセトニトリル:トルエン、体積比8:2、28.04g)を、遊星型遠心分離混合器を使用して混合した。次いでLiTFSI(0.244g)および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(0.016g)を添加し、混合物を4分間混合した。得たスラリーを、ドクターブレードを使用して、炭素でコーティングされたアルミ箔上にコーティングした。溶媒を60℃で10分間乾燥した後、被膜を、Nパージ雰囲気中で2分間、UV光で照射した。
b)固体ポリマー電解質被膜の調製
SiO(0.799g)をポリマー溶液(20.00g)に添加し、24時間ボールミリングを行った。次いでLiTFSI(1.205g)および2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(0.022g)を溶液に添加し、遊星型遠心分離混合器を使用して2分間混合した。被膜を作製するために、溶液をポリプロピレン基材上に流延し、溶媒を60℃で10分間除去した後、被膜を、窒素パージ雰囲気中で2分間、UV光で照射した。被膜の厚さは、乾燥後に25μmと測定された。
代替プロセスとして、溶液を正電極被膜上に流延し、同じ条件下でポリマーを架橋した。
c)負電極被膜の調製
潤滑剤溶液を、PEO200ジステアレート(6.6g、PEO単位の分子量:およそ200)をトルエン(100mL)に溶解し、ヘキサン(900mL)を添加することによって調製する。厚さ300μmのリチウムシートを、2つのロール間で層状化して、潤滑剤溶液を箔上に注入しながら厚さ30μmのリチウム被膜を作製する。
d)セルの組み立て
セルを、3種の被膜:正電極、固体ポリマー電解質、および負電極を80℃で積層し層状化することによって組み立てた。末端を電極に接続した後、セルを気密パッケージ内に密封した。サイクル性能を、図7の実施例3と比較する。
(実施例5)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにTiSを使用して調製する。その他の条件は、実施例4と同じである。
(実施例6)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにTiOを使用して調製した。その他の条件は、実施例4と同じであった。0.1Cでの初期放電容量およびそのクーロン効率を、図8に示す。
(実施例7)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにMoSを使用して調製した。その他の条件は、実施例4と同じであった。0.1Cでの初期放電容量およびそのクーロン効率を、図8に示す。
(実施例8)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにMoOを使用して調製する。その他の条件は、実施例4と同じである。
(実施例9)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにLiVを使用して調製した。その他の条件は、実施例4のと同じであった。0.1Cでの初期放電容量およびそのクーロン効率を、図8に示す。
(実施例10)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにVを使用して調製した。その他の条件は、実施例4と同じであった。0.1Cでの初期放電容量およびそのクーロン効率を、図8に示す。
(実施例11)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにLiTi12を使用して調製した。その他の条件は、実施例4の場合と同じであった。0.1Cの初期放電容量およびそのクーロン効率を、図8に実証する。
(実施例12)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにSiOを使用して調製した。その他の条件は、実施例4と同じであった。0.1Cでの初期放電容量およびそのクーロン効率を、図8に示す。
(実施例13)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄複合材料は、C−LiFePOの代わりにAlを使用して調製する。その他の条件は、実施例4と同じである。
(実施例14)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき固体電解質は、OHARAガラス被膜(厚さ150μm)および実施例4のポリマー電解質被膜を積層することによって調製して、図2(c)に示されるとおりの構造を得た。その他の条件は、実施例4と同じであった。0.02Cでの放電容量およびそのクーロン効率を、図8に示す。
(実施例15)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき固体電解質は、SiOの代わりにLiLaZrTaO12を使用して調製する。その他の条件は、実施例4と同じである。
(実施例16)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき固体電解質は、SiOの代わりにAlを使用して調製する。その他の条件は、実施例4と同じである。
(実施例17)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき固体電解質は、SiOの代わりにTiOを使用して調製した。その他の条件は、実施例4と同じであった。0.1Cでの放電容量およびそのクーロン効率を、図8に示す。
(実施例18)(比較)
電気化学セルを実施例4のように調製し、このとき硫黄粉末そのままを、実施例4の硫黄複合材料の代わりに使用した。その他の条件は実施例4と同じであった。0.1Cでの放電容量およびそのクーロン効率を、図8で示す。



  1. − 電気化学的に活性な材料として硫黄を含む正電極被膜と、
    − 電気化学的に活性な材料としてリチウムを含む負電極被膜と、
    − 該負電極被膜と該正電極被膜との間の固体電解質被膜であって、少なくとも1種のリチウム塩および少なくとも1種のポリマーを含む固体電解質被膜と
    を含む少なくとも1つの多層構成要素を含む、電気化学セル。

  2. 前記固体電解質被膜が少なくとも1種のポリマー層を含む、請求項1に記載の電気化学セル。

  3. 前記固体電解質被膜が、イオン伝導性被膜であり、少なくとも1種の無機化合物を前記ポリマー層中にまたは別のイオン伝導性固体層中にさらに含む、請求項1または2に記載の電気化学セル。

  4. 前記固体電解質被膜が、前記イオン伝導性固体層に溶解された少なくとも1種のリチウム塩を含む、請求項3に記載の電気化学セル。

  5. 前記ポリマーが、少なくとも1つのリチウムイオン溶媒和セグメントおよび少なくとも1つの架橋可能セグメントから構成されたブロックコポリマーからなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  6. 前記リチウムイオン溶媒和セグメントが、式(I):
    (式中、
    Rは、H、C〜C10アルキル、または−(CH−O−R)から選択され、
    は(CH−CH−O)であり、
    は、HおよびC〜C10アルキル基から選択され、
    xは、10〜200,000の範囲から選択される整数であり、かつ
    yは、0〜10の範囲から選択される整数である)
    の反復単位を有するホモおよびコポリマーから選択される、請求項5に記載の電気化学セル。

  7. 前記架橋可能セグメントが、照射または熱処理によって多次元的に架橋可能である少なくとも1つの官能基を含むポリマーセグメントである、請求項5または6に記載の電気化学セル。

  8. 前記リチウム塩が、式Li(式中、Xは、非局在化電荷を持つ陰イオン、好ましくはPF 、BF 、AsF 、ClO 、CFSO 、(CFSO(TFSI)、および(CSO(BETI)から選択される陰イオンである)のものである、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  9. 前記固体電解質被膜中の前記無機化合物が、SiO、Al、TiO、リチウムイオン伝導性ガラスまたはセラミック、およびその他のリチウムイオン伝導性固体、ならびにこれらの組合せから選択される、請求項3から8のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  10. 前記リチウムイオン伝導性ガラスまたはセラミックが、結晶質の形態または非晶質の形態のいずれかであるNASICON、LISICON、チオ−LISICON、ガーネット、およびこれらの組合せから選択される、請求項9に記載の電気化学セル。

  11. 前記リチウムイオン伝導性ガラスまたはセラミックが、25℃で少なくとも10−4S/cmのリチウムイオン伝導率を有する、請求項9または10に記載の電気化学セル。

  12. 前記固体電解質被膜が、10〜200μmの間、10〜100μmの間、または20〜50μmの間の厚さを有する、請求項3から11のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  13. 前記正電極被膜が、ポリマー結合剤をさらに含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  14. 前記ポリマー結合剤が、少なくとも1つのリチウムイオン溶媒和セグメントおよび少なくとも1つの架橋可能セグメントから構成されたブロックコポリマーである、請求項13に記載の電気化学セル。

  15. 前記リチウムイオン溶媒和セグメントが、請求項4で定義されたとおりの式(I)の反復単位を有するホモまたはコポリマーから選択される、請求項14に記載の電気化学セル。

  16. 前記ポリマー結合剤が、前記固体電解質被膜の前記ポリマーと同じである、請求項13から15のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  17. 前記ポリマー結合剤が、前記固体電解質被膜の前記ポリマーとは異なる、請求項13から15のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  18. 前記正電極被膜が、コーティング材料に封入された硫黄を含む複合材料を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  19. 前記コーティング材料が、
    − Li (XO)(式中、0≦a≦2、0<b≦1であり、Mは、Fe、Mn、Co、Ni、およびTi、またはこれらの組合せから選択され、Xは、P、Si、およびSから選択される)と、
    − Li (式中、0≦c≦4、0<d≦5、0<e≦12であり、Mは、Mo、V、Ti、Al、およびSiから選択され、Zは、O、S、およびSeから選択される)と
    から選択される無機材料を含む、請求項18に記載の電気化学セル。

  20. 前記無機材料が、LiFePO、LiNiPO、LiMnPO、LiCoPO、およびLiFe1−xTiPO(式中、0<x<1である)から選択される、請求項19に記載の電気化学セル。

  21. 前記無機材料がLiFePOである、請求項20に記載の電気化学セル。

  22. 前記無機材料が、TiO、TiS、V、LiV、LiTi12、MoS、MoO、SiO、およびAlから選択される、請求項19に記載の電気化学セル。

  23. 前記無機材料が、炭素で任意選択でコーティングされた粒子の形態である、請求項19から22のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  24. 前記複合材料がメカノフュージョンによって調製される、請求項18から23のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  25. 前記正電極被膜が、伝導性炭素をさらに含む、請求項13から24のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  26. 前記伝導性炭素が、カーボンブラック、活性炭、グラファイト、グラフェン、およびこれらの混合物から選択される炭素粉末または繊維である、請求項25に記載の電気化学セル。

  27. 前記伝導性炭素が、少なくとも5m/g、少なくとも50m/g、または少なくとも500m/gの比表面積を有する、請求項25または26に記載の電気化学セル。

  28. 前記負電極被膜の前記電気化学的に活性な材料が、リチウム金属箔を含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  29. 前記負電極被膜の前記電気化学的に活性な材料が、リチウム金属合金を含む、請求項1から27のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  30. 前記負電極被膜の前記電気化学的に活性な材料の表面が、in situで形成された不動態層をさらに含む、請求項1から29のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  31. 前記負電極被膜が保護層をさらに含む、請求項1から30のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  32. 前記リチウム金属合金が、少なくとも90重量%のリチウムを含む、請求項29に記載の電気化学セル。

  33. 前記負電極被膜の前記電気化学的に活性な材料が、約5μm〜約200μmの厚さを有する被膜である、請求項24から32のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  34. 前記負電極被膜に隣接する絶縁体層をさらに含む、請求項24から33のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  35. 前記正電極被膜が、該正電極被膜の前記電気化学的に活性な材料の支持体としても作用する電流コレクタをさらに含み、該電気化学的に活性な材料が前記固体電解質被膜に隣接している、請求項1から34のいずれか一項に記載の電気化学セル。

  36. 前記電流コレクタがアルミ箔を含む、請求項35に記載の電気化学セル。

  37. 前記アルミ箔が、約10μm〜約30μmの間の厚さを有する、請求項36に記載の電気化学セル。

  38. 前記アルミ箔が炭素層をさらに含む、請求項36または37に記載の電気化学セル。

  39. 下記のステップ:
    a)前記正電極被膜、前記電解質被膜、および前記負電極被膜を用意するステップと、
    b)該正電極被膜、該電解質被膜、および該負電極被膜を、少なくとも2つのローラの間で一緒に積層し層状化するステップと
    を含む、請求項1から38のいずれか一項で定義されたとおりの電気化学セルを製造するための方法。

  40. 前記負電極被膜を用意する前記ステップが、少なくとも2つのローラの間でリチウム箔を層状化するステップと、任意選択で、該被膜の表面を保護層でコーティングするステップとを含む、請求項39に記載の方法。

  41. 前記正電極被膜を用意する前記ステップが、前記正電極の前記電気化学的に活性な材料を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップと、得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングするステップと、該溶媒(存在する場合)を蒸発させるステップと、重合させて該正電極被膜を形成するステップとを含む、請求項39または40に記載の方法。

  42. 前記電解質被膜を用意する前記ステップが、ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、任意選択で無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)を混合して粘度を調整するステップと、得られた混合物を基材上に流延するステップと、該溶媒(存在する場合)を蒸発させるステップと、重合させて該固体電解質被膜を形成するステップとを含む、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。

  43. 前記電解質被膜を用意する前記ステップが、(i)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して、粘度を調整し、得られた混合物を基材上に流延し、該溶媒(存在する場合)を蒸発させ、重合させて前記固体電解質被膜を形成し、それによってポリマー−無機化合物被膜を得るステップと、(ii)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合して粘度を調整し、得られた混合物を、前記ポリマー−無機化合物被膜上に流延し、該溶媒を蒸発させ(必要な場合)、重合させて該固体電解質被膜を形成するステップとを含む、請求項39から41のいずれか一項に記載の方法。

  44. ステップ(b)が、前記正電極被膜を前記固体電解質被膜と一緒に層状化し、その後、その上に前記負電極被膜を層状化することを含む、請求項39から43のいずれか一項に記載の方法。

  45. 前記重合させるステップが、UV照射によって熱処理によって実施される、請求項41から44のいずれか一項に記載の方法。

  46. 圧延されたまたは折り畳まれた1つの多層構成要素を含む、請求項1から38のいずれか一項に記載の、または請求項39から45のいずれか一項に記載の方法によって得られる、電気化学セル。

  47. 2つまたはそれ超の積層された多層構成要素を含む、請求項1から38のいずれか一項に記載の、または請求項39から45のいずれか一項に記載の方法によって得られた、電気化学セル。

  48. 硫黄、ポリマー結合剤、および伝導性炭素を含む、正電極被膜。

  49. 前記ポリマー結合剤が、請求項5から7のいずれか一項で定義された通りである、請求項48に記載の正電極被膜。

  50. 少なくとも1種のリチウム塩をさらに含む、請求項48または49に記載の正電極被膜。

  51. 少なくとも1種の無機化合物をさらに含む、請求項48から50のいずれか一項に記載の正電極被膜。

  52. 請求項13から27のいずれか一項で定義されたとおりの正電極被膜要素をさらに含む、請求項48に記載の正電極被膜。

  53. − 請求項48から52のいずれか一項で定義されたとおりの正電極被膜と、
    − 請求項3から12のいずれか一項で定義されたとおりの固体電解質被膜の要素を含む固体電解質被膜と
    を含み、該正電極被膜および該固体電解質被膜が積層され層状化されている、事前製作した電解質−正電極素子。

  54. 請求項53で定義されたとおりの事前製作した電解質−正電極素子を調製するための方法であって、
    a)硫黄を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップと、
    b)ステップ(a)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、該溶媒(存在する場合)を蒸発させ、重合させて該正電極被膜を形成するステップと、
    c)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、および無機化合物(複数可)を、1種または複数の溶媒中で混合し、基材上にコーティングして電解質被膜前駆体を形成するステップと、
    d)ステップ(c)の電解質被膜前駆体を照射または加熱して、前記固体電解質被膜を形成するステップと、
    e)ステップ(b)の正電極被膜を、ステップ(d)の固体電解質被膜と一緒に積層し層状化して、該事前製作した電解質−正電極素子を生成するステップと
    を含む、方法。

  55. 請求項53で定義されたとおりの事前製作した電解質−正電極素子を調製するための方法であって、
    a)硫黄を、伝導性炭素、ポリマー前駆体、ならびに任意選択でリチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および/または溶媒(複数可)と一緒に混合するステップと、
    b)ステップ(a)で得られた混合物を電流コレクタ上にコーティングし、該溶媒(存在する場合)を蒸発させて、正電極被膜前駆体を形成するステップと、
    c)ポリマー前駆体、リチウム塩(複数可)、無機化合物(複数可)、および任意選択で溶媒(複数可)を混合し、ステップ(b)の正電極被膜前駆体の表面上にコーティングして、電解質被膜/正電極被膜前駆体を生成するステップと、
    d)ステップ(c)で得られた電解質被膜/正電極被膜前駆体を照射または加熱して、該事前製作した電解質−正電極素子を形成するステップと
    を含む、方法。

  56. 請求項1から38のいずれか一項で定義されたとおりの電気化学セル、請求項48から52のいずれか一項で定義されたとおりの正電極被膜、または請求項53で定義されたとおりの事前製作した電解質−正電極素子を含む、システム。

  57. 電気化学セルの製造における、請求項53で定義されたとおりの事前製作した電解質−正電極素子または請求項48から52のいずれか一項で定義されたとおりの正電極被膜の使用。

  58. 電動車両およびユビキタス情報技術デバイスなどの高エネルギー再充電可能バッテリーを必要とするシステムにおける、請求項1から38のいずれか一項で定義されたとおりの、または請求項39から45のいずれか一項で定義されたとおりの方法によって得られた、電気化学セルの使用。

 

 

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【選択図】図4
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【選択図】図2
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