車両のための方法

著者らは特許

G05B23/02 - 電気式試験または監視
G06F17/50 - 計算機利用設計(静的記憶装置の試験的回路の設計のためのものG11C29/54)

の所有者の特許 JP2016528416:

ボルボトラックコーポレーション

 

本発明は、車両の一部のためのモデルを提供する方法であって、少なくとも一つの作動状態を選択する段階、前記車両の部分について少なくとも一つの可能性がある故障タイプを選択する段階、前記少なくとも一つの可能性がある故障タイプが発生している間の前記少なくとも一つの作動状態について車両部分の性能をシミュレートする段階、各シミュレーションについて前記車両部分の性能の表示を生じさせ、各表示を少なくとも一つの作動パラメータ値と関連付ける段階、及び前記少なくとも一つの表示を記憶する段階、を含む。
【選択図】図6

 

 

本発明は、車両のための方法に関し、特に、例えば内燃機関といった車両の一部の故障を判定するために用いる車載モデルを提供する方法に関する。更に本発明は、そのような車載モデルを備える車両の故障を判定する方法に関する。
例えばトラック、建設車両、その他といった大型車両は、通常、内燃機関(ICE)により駆動される。ICEは、典型的に、一つあるいは複数の過給機を備えるディーゼル機関である。トラックは、通常、例えば長距離や長い運転期間といった厳しい状況の下で運転される。点検あるいは保守を必要とする故障が一旦車両に生じると、トラック所有者のコストは急速に増加する。従って、多くの場合、好ましくは、計画されていない車両の休止時間をそのような故障が生じさせる前に、故障をより早く検出することが望ましい。
これについては、モデルベースの方法が提案されてきた。典型的に、そのような方法は、車両の特有の部分、例えば過給機を表すモデルを必要とする。このモデルは、実際の運転パラメータに対応する一つあるいは複数の入力を必要とし、そして一つあるいは複数の出力を与える。その出力は、運転の間に得られる実パラメータ値と比較され、実パラメータ値とその出力の間の一致は、車両のその特有の部分が適切に機能していることを示す。同様に、実パラメータ値と出力との間の偏差は故障を示す。
他の方法が特許文献1に記載されている。この文献は、排気ガス再循環(EGR)システムを診断する方法を説明している。測定された、あるいは実際のEGRガス温度は、経験的に決定されてテーブルあるいは制御装置のメモリの機能内に記憶されたEGRガス温度と比較される。実際のEGRガス温度が、経験的に決定されたEGRガス温度に対し予め定められた量を上回って低いあるいは高い場合、EGRガス温度に基づいてEGRシステムの劣化が判定され、メモリに記録できる。
米国特許出願公開第2012/0290190号明細書
車両における故障検出を提供する目下のところ提案されている方法があるが、これらの用途において、十分に正確でかつ信頼性が高い方法を提供することは非常に困難なものであることが判っている。まず第一に、車両は、その適切な働きが全体的な車両性能にとって決定的である膨大な量の重要な機械部品を有する、極めて複雑な構造体である。このことは、特に内燃機関、並びに、例えば排気ガス流路といった関連部品に当てはまる。第2に、車両上でそのような方法を実行するための資源は、使用可能なメモリ並びに処理能力の両方の観点において、極めて制約されている。
これらの制約を考慮すると、車両における故障検出を可能にする他の方法の必要性がある。より詳しくは、車両上で種々の故障の検出を可能にする改良された方法、並びに車両の更なる部分への拡大が容易であり、従ってそのような追加の部分における種々の故障の検出を可能にする方法、の必要性がある。
従って、本発明は、好ましくは、添付の請求の範囲による方法を提供することにより、上述した従来技術における不完全さ及び短所を単独であるいは任意の組合せにおいて、軽減し若しくは取り除くと共に、少なくとも上述した課題を解決しようとするものである。
本発明の着想は、例えば内燃機関といった、車両の部分のためのモデルを提供することにあり、一つあるいは複数の故障タイプについて特有の作動状態をシミュレーションすることにより一つあるいは複数のシミュレーションに帰着し、かつ各シミュレーションは一つあるいは複数の作動パラメータ値の表示として記憶される。
本発明の更なる着想は、そのような表示を車両に記憶することであり、かつ車両が作動している間に記憶されている作動パラメータ値を測定された値と比較するためにそのような表示を使用する。それぞれの表示について、すなわち異なる故障タイプについて、そのような比較を実行することにより、どの故障タイプが最も存在していそうであるかを判定することが可能である。
本発明の第1の態様によると、車両の一部のためのモデルを提供する方法が提供される。方法は、少なくとも一つの作動状態を選択する段階、その車両の部分について少なくとも一つの可能性がある故障タイプを選択する段階、その少なくとも一つの可能性がある故障タイプが発生している間の少なくとも一つの作動状態についてその車両部分の性能をシミュレートする段階、各シミュレーションについて、少なくとも一つの作動パラメータ値に関連付けられる、自動車の部分の性能の表示を作り出す段階、及び、少なくとも一つの表示を記憶する段階、を含む。
この方法は、故障タイプが発生していない少なくとも一つの作動状態について、車両の部分の性能をシミュレートする段階、及び、故障タイプが発生していないシミュレーションについて、少なくとも一つの作動パラメータ値にその表示が関連付けられている、自動車の部分の性能の表示を作り出す段階、をさらに含むことができる。従って、そのモデルはまた、故障していない車両の部分についての表示を含む。
その作動状態は特有の環境条件についての特有の運転特性に対応し得ると共に、その故障タイプは特有の重要さを有する特有の故障に対応し得る。
車両の部分の性能をシミュレートする段階は、少なくとも一つの可能性がある故障タイプのそれぞれが発生している間の少なくとも一つの作動状態のそれぞれについて実行されて、一組の固有のシミュレーションに帰着する。
更に、その車両の部分は内燃機関あるいはその部品であり、それぞれの表示は、特有の出力トルク、特有のエンジン回転数、特有の環境条件、及び特有の故障タイプについての一連の作動パラメータ値である。
一実施形態においては、その車両の部分が内燃機関であり、かつ少なくとも一つの作動パラメータが、過給機の過給圧、過給機の吸気圧、過給機の回転数、過給機の出口温度、過給機の入口温度、及び/又はEGR温度より成るグループから選択される。
第2の態様によると、電子制御装置がもたらされる。この電子制御装置は第1の態様によるモデルを記憶しているメモリを備える。
第3の態様によると、作動の間に車両の部分の故障を特定する方法がもたらされる。その方法は、その車両の部分の実際の作動状態を判定する段階、異なる故障タイプについて判定された作動状態に対応して、それぞれの表示が少なくとも一つの作動パラメータ値に関係付けられている、複数の記憶されている表示のそれぞれから、少なくとも一つの作動パラメータの値を受け取る段階、少なくとも一つの作動パラメータの少なくとも一つの実際値を検出する段階、及び、少なくとも一つの受け取った作動パラメータ値が検出された実際の作動パラメータ値に最も類似している特定の表示に関連付けられている特有の故障タイプを特定する段階、を含む。
特有の故障タイプを特定する段階は、それぞれの表示について、受け取った作動パラメータ値と検出された実際の作動パラメータ値との間の誤差を計算する段階、その誤差が最小限の変動を有する1つの表示を選択する段階、及び、選択された表示に関係付けられている特有の故障タイプを特定する段階、を更に含む。
更に、少なくとも一つの作動パラメータ値を検出する段階は、少なくとも一つの作動パラメータについて一連の実際の値を検出するために繰り返すことができる。
第4の態様によると、コンピュータプログラム製品が提供される。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータ上で実行されるときに第3の態様による方法のすべての段階を実行する、コンピュータ可読媒体に記憶されたプログラムコード手段を含んでいる。
以下に、添付の図面を参照して本発明を説明する。
内燃機関の概略図である。 一実施形態の方法を例示している。 一実施形態の表示を示す線図である。 更なる実施形態の方法を例示している。 実際のエンジン性能に関連する表示を示す一実施形態の線図である。 さらに他の実施形態の方法を例示している。
図1から始めると、内燃機関(ICE)10が示されている。エンジンブロック12には複数のシリンダ14が収容されており、それぞれがマニホールド16に接続されている。マニホールド16は、この特有の用途においては2つの部分に分けられていてそれぞれが一群の3つのシリンダ14に関係付けられており、過給機20のタービン側22に排気ガスを運んでいる。タービン側22は、シリンダ14に吸気を導入する前に吸気を圧縮するように構成されたコンプレッサ側24を駆動する。インタークーラ30は通常は吸気経路に設けられて吸気を冷却し、かつ燃費の向上並びにエミッション低減のために排気ガス再循環システム40も設けることができる。
図1に示されているように、ICEは、その性能を監視して高めるために種々のセンサを備えることができる。例えば、圧力センサ50及び温度センサ52がシリンダ14の吸気ポートに設けられる。追加の圧力センサ54が排気ガスマニホールド16に設けられており、圧力及び温度を測定する更なるセンサ56、58が排気ガス再循環経路40に設けられている。
センサ50、52、54、56、58は、好ましくは、センサ信号を受信してこれらの信号の種々の計算を実行しICEの状態を判定する電子制御装置60に接続できる。電子制御装置60は、受信したセンサ信号を考慮して、例えば吸気の流れや、燃料の供給、その他といったICEの種々の部分を制御するための出力信号を、更に出力できる。
過給機を単独で考慮すると、リアルタイムセンサのコストは、過給機の性能の完全な監視を可能にするのに十分なセンサを設けることを極めて困難にする。例えば、タービン効率の直接的な監視は、タービンの両側の圧力及び温度並びにタービン速度を必要とする。同じことがコンプレッサの効率についても当てはまり、過給機の性能及び効率を判定するための9つの固有のセンサに帰着する。ほとんどの場合、これらのセンサのうちの一つあるいは複数が欠けているので、性能を監視するための他の方法をもたらす必要がある。
以下の段落において説明するそのような一つの方法は、車外でエンジン性能をシミュレートする故障検出アルゴリズムを適用するが、シミュレーションの結果と測定データとの比較は車上で実行する。
ここで図2を参照し、ICEのモデルを生み出す方法100を説明する。第1ステップ102においては、特有の作動状態が判定される。この作動状態は、例えば、特有の雰囲気温度における特有の大気圧、あるいは特有の回転速度における特有のトルクといった、ICEの性能に影響を及ぼす静的な状態に対応している。あるいは、作動状態は、例えば特有のトルク、速度、圧力及び温度といった、複数の静的な状態での運転状況に対応し得る。
次のステップ104においては、一つあるいは複数の故障タイプが選択される。この故障タイプは、好ましくは、それらが車両を運転する間に発生し得る、例えば排気ガス流路の空気漏れ、インタークーラの空気漏れ、インタークーラの効率低下、あるいは過給機のコンプレッサの効率低下といった特有の故障を表すように特定され、かつその後で選択される。各故障タイプは更に、排気ガス流路の空気漏れについては漏れ無し、小さい漏れ、中間の漏れ、あるいは大きな漏れという4つの異なる故障タイプが特定されるように、重要さと関係付けることができる。例えば小さな漏れは直径5mmの孔に対応させることができ、その一方で例えば中間漏れは直径7mmの孔に対応させることができる。大きな漏れは、直径10mmの孔に対応させることができる。効率低下に関連する故障については、いくつかの故障タイプを特定することもできる。例えば1つの故障タイプが0%の効率低下(すなわち、故障なし)に対応し、1つの故障タイプが3%の効率低下(すなわち、わずかな低下)に対応し、1つの故障タイプが5%の効率低下(すなわち、中程度の低下)に対応し、かつ1つの故障タイプが10%の効率低下(すなわち、大きな低下)に対応する。
作動状態及び故障タイプが一旦選択されると、ステップ106の間にICE性能がシミュレートされる。このシミュレーションは、入力として特定された作動状態を、故障タイプのうちの1つと共に用いて実行される。従って、(4つの故障がそれぞれ4つの異なる重要さを有している)16の故障タイプが特定される状況においては、各作動状態について16のシミュレーションが必要である。
シミュレーションは、好ましくは、コンピュータベースのシミュレーション環境において、あるいは実際の内燃機関装置上で実行できる。このためのコンピュータベースのシミュレーション環境は、特有のエンジン型式について開発できるが、その故障タイプが実際の内燃機関装置上での再現が困難である故障として選択されたときに好ましいものとなり得る。そのような故障は、例えば、過給機効率の特有の低下に対応するタービンの故障あるいはコンプレッサホイールの損傷であり得る。
シミュレーションステップ106の目的は、特定された作動状態を、特有の故障タイプと共に、特有のICEにとって重要である一つあるいは複数の作動パラメータと関連づけることである。従って、シミュレーションは、一つあるいは複数の出力、すなわち作動パラメータ値を与えるために、多くの入力(すなわち、運転状態及び故障タイプ)を必要とする。
ステップ102〜106は、特有の故障タイプのうちのそれぞれについていくつかの運転状態がシミュレートされるように、複数の運転状態について反復できる。
このことは、特有の故障タイプについての複数の運転状態のマップを図示する図3に示されている。それぞれの円は、特有の出力トルクについての特有のエンジン回転数を定めている。すべての円について、大気圧及び雰囲気温度は一定である。このように特有の作動状態に対応するそれぞれの円は、一連の作動パラメータ値y^−y^に帰着する。これらの作動パラメータは、シミュレーションステップ106によって、このように算出され、好ましくは、車両上で測定可能であって特定された故障タイプに関連する作動パラメータに対応する。ここで留意されるべきことは、図3が、如何にしてその表示が提示されるかの一例を示していることである。一実施形態において、その表示は、二次元では記憶されず、それに代えて各次元がそのシミュレーションの1つの入力信号、例えば、出力トルク、エンジン回転数、外気温度、大気圧、あるいは故障タイプに対応する、多次元空間に記憶される。ICEのガス流路について16の異なる故障タイプを有する本実施例において、y^−y^は、過給機の過給圧、過給機の吸気圧、過給機の回転数、過給機の出口温度、過給機の入口温度、及び/又はEGR温度より成るグループのうちの一つあるいは複数を表すように選択できる。
大気圧及び/又は温度を変えて、ステップ102〜106の更なる反復を実行できる。例えば、大気圧の低下は高い標高での運転に対応し得るので、従って、故障タイプ毎に異なるトルク及びエンジン回転数での多数の新規なシミュレーションに結びつくことになる。
作動状態は、好ましくは、例えば大きなエンジン負荷の有り無しでの常温における高速道路での運転といった、頻繁に発生する定常状態での運転状態を表すべく特定されかつ選択される。しかしながら、作動状態は、過給機のコンプレッサ効率の低下を判定する際には、例えば高い標高での運転といった、特有の故障タイプがエンジン性能に対しより重要な影響を及ぼすことが予想される特有の作動状態を特定しかつ選択することもできる。
シミュレーションを繰り返した後には、一束の表示がステップ108において、生じ、それぞれの表示は、特有の作動状態及び故障タイプについての一連の作動パラメータ値に対応する。これらの表示は、その後、ステップ110において、一つのモデルとして車両上に記憶される。このモデルは、いくつかの方法で、例えば、ルックアップテーブルとして、あるいは作動状態の関数として作動パラメータが説明される多次元多項式として、表すことができる。
ここで図4を参照すると、車両の故障を判定する方法200が一般論として説明されている。この方法200は、前述したように車両上に記憶されているモデル100を必要とすると共に、走行している車両上でリアルタイムに実行される。
ステップ202においてスタートすると、車両上のセンサあるいは信号を用いて現在の作動状態が判定される。例えば、本実施例においては、ステップ202において、現在の出力トルク、エンジン回転数、外気温度並びに大気圧を確認する。
ステップ204において、一つあるいは複数の作動パラメータの実測値が測定され/サンプリングされる。この作動パラメータは、好ましくは、例えば本実施形態については過給機の過給圧、過給機の吸気圧、過給機の回転数、過給機の出口温度、過給機の入口温度、及び/又はEGR温度といった、モデルに記憶されている作動パラメータにそれらが対応するように選択される。ここで留意されるべきことは、実際の作動状態について記憶されている表示がない場合に、特有の作動パラメータの値をサンプリングする前に実際の作動状態を測定することが好ましいにもかかわらず、ステップ202と204を逆の順序で実行し得ることである。
その後のステップ206において、決定された作動状態は、車両上に記憶されているモデルにアドレスするために用いられ、かつこの方法200にとって利用可能となる。従って、このモデルにおいては複数の、すなわち各故障タイプについて表示を利用できるので、複数の作動パラメータ値をモデルから受け取ることができる。
サンプリングされた値は、各表示について、すなわち各故障タイプについて、ステップ208において、作動パラメータ値と比較される。そのような比較を実行することにより、どの表示が測定されたあるいはサンプリングされた値に最も類似しているかの特定が可能となる。従って、そのような特定するステップが故障の検出に帰着する。
ここで図5を参照すると、この方法200は、ベクトルy−yで示されるリアルタイムデータをサンプリングする。ステップ204において、測定された特有のエンジン回転数についての特有のトルクに対応する実際の作動状態が、十字マークで示されている。この線図は、特有の温度と圧力についてのシミュレーションを更に示しており、それによって、実際の作動状態はシミュレートされた作動状態に近いものとなっている。従って、モデルは、実測値y−yと比較される、一連の作動パラメータ値y^−y^を出力する。選択的に、一連の作動パラメータ値及び/又は実測値は、1つの特有の作動状態に当てはめるために補間できる。
従って、y^ベクトルをyベクトルと比較することは、一致があるかどうかを示すことになる。しかしながら、更にyベクトルを、他の故障タイプに関連付けられているy^ベクトルと比較することは、この方法が最も類似するy^ベクトルを実際に選択し、従って現在の故障タイプを示すことができるようにする。
従って、モデルに故障タイプを含めることにより、単一の比較ステップにおいて、いくつかの故障タイプの分析を実際に実行できる。
実際の値をモデル化された値と比較するステップ208は、種々の方法で実行できる。好ましい実施形態において、この方法200は、実際の値とモデル化された値との間の誤差を算出するステップを含む。より好ましくは、それぞれの誤差は、それぞれの故障タイプについてr=(y^−y)/y^、となるように正規化誤差rとして算出される。その後のステップにおいては、特有の故障タイプについてすべての誤差の変動を算出するために、その正規化誤差を用いることができる。従って、比較ステップ208は、それぞれの故障タイプについてその変動を比較すること、及びその変動を最小化する故障タイプを選択することを含む。
他の実施形態において、この方法200は、ステップ208において、モデルの出力、すなわちモデル化された作動パラメータ値と実際の値を別々に正規化する。その結果、誤差rが、r=y^/y^−y/yに従って算出される。ここで、y^及びyは故障のない内燃機関に対応する値である。
ここで図6を参照すると、方法300の特有の実施形態についてのより詳細な説明が与えられている。この方法300は、方法200に類似している。すなわち、先に説明した方法100によって、生み出されたモデルを用いることにより、故障を検出する役割を果たす。
車両が走行しているときに、この方法300は自動的に開始させることができる。第1ステップ302において、この方法は、リアルタイムの運転特性に対応するデータをサンプリングする。サンプリングする値は、例えばエンジン回転数、出力トルク及び環境条件といった作動状態パラメータを含んでいる。しかしながら、サンプリングする値にはまた、決定用の作動パラメータ値、すなわちy−yが含まれる。ステップ302の後、次のステップ304が実行され、使用可能な状況が満たされているかどうかを判定するためにサンプリングした値が評価される。そのような評価は、例えば、i)実際の作動状態が、モデルに記憶されている対応表示を有しているか、ii)車両が一定状態の運転状態にあるか、及び、iii)サンプリングした値の信号精度は充分か、といった一つあるいは複数の予め定められた判定基準に基づくことができる。例証として、ステップ304は、ICEが最近始動してあまりに冷たい場合、サンプルデータ信号があまりに弱くあるいはあまりに多くのノイズを含む場合、及び/又はICEが一定状態の作動状態にない場合は、否定的な評価に帰着する。
評価が否定的である場合、すなわち、一つあるいは複数の予め定めた条件が満たされない場合、方法300は新しいデータをサンプリングするためにステップ302に戻る。他方、評価が肯定的である場合、すなわちすべての条件が満たされる場合、この方法はステップ306に進み、実際の作動状態が判定される。従って、ステップ302におけるサンプル値は、現在の出力トルク、現在のエンジン回転数、並びに、例えば温度や圧力といった現在の環境条件を決定するためにここで用いられる。
ステップ308において、この方法300は、車両上に記憶されているモデルをコールして、実際の作動状態についての複数の表示を受け取るが、それぞれの表示には特有の故障タイプに関係付けられている複数の作動パラメータ値y^が含まれている。これらの表示は特有の作動状態についてモデル化されていて、必ずしも実際の作動状態と完全に一致する訳ではないので、実際の作動状態を考慮して複数の作動パラメータ値が修正されるように、受け取った表示を補間する必要があり得る。そのような補間は多くの方法で実行できるが、そのうちの1つの実例は、2番目に近い表示についての表示を受け取ると共に、最も近い作動状態のためにその表示を修正すべく作動パラメータ値をそのような表示に用いることである。
次のステップ310においては、以前に説明したように誤差が計算される。従って、ステップ310は、受け取った表示についての一つの誤差ベクトル、すなわち各故障タイプについての一つの誤差ベクトルに帰着し得る。
ステップ312は、充分に統計的な選択を確実にするために実行される。従って、十分に信頼できるシステムを提供するためには、いくつかの測定を実行しなければならず、従って一組の誤差に帰着する。そのような一組の誤差をもたらすために、ステップ302〜310は何回も繰り返すことができる。しかしながら、ステップ302〜310はリアルタイムに実行されるので、処理能力についての如何なる大きな負荷もなく、膨大な量のサンプル及び対応する誤差を非常に短い時間でもたらすことができる。
ステップ312が、この方法300は十分に励起した状態にある、すなわち算出した誤差が統計学的に信頼できることを一旦確認すると、この方法300は、故障が無い状態に対応する表示について算出された誤差を評価する。完全に一致する場合、この方法300はステップ314において、ICEは故障していないと決定することができ、その後、新しいデータをサンプリングするためにステップ302に戻り、最初からもう一度開始することになる。
しかしながら、好ましくは前に説明したように誤差の変動を評価することにより、故障していないという表示の誤差の評価に特有の逸脱がみられる場合、この方法300はステップ316に続き、すべての表示について、すなわちすべての故障タイプについての誤差を評価する。従って、この方法300は、誤差の変動が最小である表示、すなわち故障タイプを選択するように構成できる。そのような選択は、故障の検出及び決定に帰着する。
選択的なステップ318もまた可能であり、そこにおいて、残りの寿命が推定されあるいは予測される。そのような予測は、点検あるいは保守が必要である特有の状況を定める、予め定められたデータに基づくものとすることができる。上記の実例を用いると、小さな漏れは車両の休止時間を必要としないが、大きな漏れは必要とする。従って、この方法300を繰り返して実行することにより、小さい漏れを検出すると共に,この小さな漏れを連続的に監視することによって、漏れが次第に大きくなる割合を実際に決定することが可能となり得る。従って、その漏れについての注意が必要となり、かつ保守を前もって計画することになる前に、将来の運転時間を推定することが可能となる。その結果、この方法300は、車両のオーナ及び/又はオペレータにとって主要な懸念である計画されてない運用上の障害を低減するために用いることができる。
従って、この方法300は、車両における故障を決定し、並びに故障の傾向を監視できる。
好ましくは、これらの方法200、300は車両上に、例えば図1に示す電子制御装置(60)のメモリに記憶される。
ICEのガス流路を参照して異なる方法を説明してきたが、ここで留意されるべきことは、これらの方法100、200、300を車両の他の重要な部分についても実行し得ることである。例えば、この方法は、ブレーキ装置がそのようなシステムにおいて生じる故障を監視し検出するために、用いることができる。
そのような実施形態において、作動状態は、ブレーキディスクの特有の温度、車輪の特有の角速度、特有の液圧、及び特有のブレーキペダル位置として選択できる。同様に、モデルの出力、すなわち作動パラメータ値は、減速、摩擦、スリップ、破断等より成るグループから選択できる。例えば故障タイプは、油圧システムにおける効率の損失、油導管の漏れ、ブレーキディスク上の付着物等として選択できる。特有の作動状態及び特有の故障タイプに関して特有の部分あるいはシステムをシミュレートすることができる限り、この方法100は、そのような部分あるいはシステムのモデルを生じさせるために用いることができ、そのモデルは異なる作動状態及び故障タイプについての表示に基づいたものになる。同様に、図4及び図6を参照して説明してきた車載モデルは、そのようなモデルを用いてリアルタイムの故障検出及び監視を実際に実行するために用いることができる。リアルタイムにサンプリングした実際の値とモデルが出力する値との間の誤差を比較することにより、極めて効果的かつ信頼できる故障検出を実行することができ、将来の点検及び保守のための予測を実際に提供することの可能性に結びつく。
さらに他の実施形態において、この方法100は、組合せエラーに適用できるモデルを生じさせるために実行できる。例えば、空気漏れ並びにコンプレッサの効率低下についてICE性能をシミュレートすることができる。そのような組合せエラーについての表示はモデルに記憶することができ、それによって、この方法200、300は、エラーを比較するときにこの表示を追加することにより、そのような組合せエラーを容易に検出する。このように、ここで提案する方法は非常に用途が広く、エラーの組合せを含む他の故障タイプにも容易に合わせることができる。このことは、前述したように例えばブレーキ装置といった車両の他の部分にも当てはまる。
ここで認識されるべきことは、前述した実施形態が、添付の請求の範囲によって定められる範囲を逸脱することなく組み合わせ得ることである。
請求項における「含む/含んでいる」という用語は、他の要素あるいはステップの存在を除外するものではない。加えて、個々の特徴を異なる請求項に含めることができるにもかかわらず、これらは有利に組み合わせることができる場合があり、また、異なる請求項に含まれていることは、その特徴の組合せが実行可能ではなく及び/又は有利ではないことを意味するものでない。加えて、単一であることの言及は複数であることを除外するものではない。「a」、「an」等の用語は複数であること排除するものではない。
12 エンジンブロック
14 シリンダ
16 排気マニホールド
20 過給機
22 タービン側
24 コンプレッサ側
30 インタークーラ
40 排気ガス再循環経路
50 圧力センサ
52 温度センサ
54 圧力センサ
56 センサ
58 センサ
60 電子制御装置



  1. 車両の一部のためのモデルを提供する方法であって、
    少なくとも一つの作動状態を選択する段階、
    前記車両の部分について少なくとも一つの可能性がある故障タイプを選択する段階、
    前記少なくとも一つの可能性がある故障タイプが発生している間の前記少なくとも一つの作動状態について車両部分の性能をシミュレートする段階、
    各シミュレーションについて前記車両部分の性能の表示を生じさせ、各表示を少なくとも一つの作動パラメータ値と関連付ける段階、及び、
    前記少なくとも一つの表示を記憶する段階、
    を含む方法。

  2. 故障タイプが発生していない前記少なくとも一つの作動状態について車両の部分の性能をシミュレートする段階、及び、
    故障タイプが発生していない前記シミュレーションについて前記車両の部分の性能の表示を生じさせ、前記表示が少なくとも一つの作動パラメータ値と関係付けられる段階、
    を更に含む請求項1に記載の方法。

  3. 前記作動状態は、特有の環境条件についての特有の運転特性に対応する、請求項1又は2に記載の方法。

  4. 前記故障タイプは、特有の重要さを有する特有の故障に対応する、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。

  5. 車両の部分の性能をシミュレートする段階は、前記少なくとも一つの可能性がある故障タイプのそれぞれが発生している間の前記少なくとも一つの作動状態のそれぞれについて実行されて、一組の固有のシミュレーションに帰着する、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。

  6. 前記車両の部分は、内燃機関あるいはその部品であり、前記表示のそれぞれは、特有の出力トルク、特有のエンジン回転数、特有の環境条件、及び特有の故障タイプについての一連の作動パラメータ値である、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。

  7. 前記車両の部分が内燃機関であり、かつ前記少なくとも一つの作動パラメータが、過給機の過給圧、過給機の吸気圧、過給機の回転数、過給機の出口温度、過給機の入口温度、及び/又はEGR温度より成るグループから選択される、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。

  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のモデルを記憶しているメモリを備える電子制御装置(60)。

  9. 作動の間に車両の部分の故障を特定する方法であって、
    前記車両の部分の実際の作動状態を判定する段階、
    異なる故障タイプについて前記判定された作動状態に対応して、それぞれが少なくとも一つの作動パラメータ値に関係付けられている複数の記憶されている表示のそれぞれから、少なくとも一つの作動パラメータの値を受け取る段階、
    前記少なくとも一つの作動パラメータの少なくとも一つの実際値を検出する段階、及び、
    前記少なくとも一つの受け取った作動パラメータ値が前記検出された実際の作動パラメータ値に最も類似している特定の表示に関連付けられている特有の故障タイプを特定する段階、
    を含む方法。

  10. 前記特有の故障タイプを特定する段階が、
    前記表示のそれぞれについて、前記受け取った作動パラメータ値と前記検出された実際の作動パラメータ値との間の誤差を計算する段階、
    前記誤差が最小限の変動を有する1つの表示を選択する段階、及び、
    前記選択された表示に関係付けられている特有の故障タイプを特定する段階、
    を更に含んでいる請求項9に記載の方法。

  11. 前記少なくとも一つの作動パラメータ値を検出する段階が、前記少なくとも一つの作動パラメータについて一連の実際の値を検出するために繰り返される、請求項9又は10に記載の方法。

  12. コンピュータプログラム製品であって、前記プログラム製品がコンピュータ上で実行されるときに請求項9乃至11のいずれかに記載したあらゆる段階を実行するためのコンピュータ可読媒体に記憶されるプログラムコード手段を含んでいるコンピュータプログラム製品。

 

 

Patent trol of patentswamp
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及び、


【選択図】図1
デバイスは、スタティックランダムアクセスメモリセルと、sramセルの出力部に結合されたリードバッファとを含む。リードバッファは、インバータおよびスイッチを含む。インバータの入力部は、sramセルの出力部に応答する。スイッチの制御端子は、インバータの出力部に応答する。
後に電気システムの電気図をグラフィックス生成するために自動車に関するデータを管理する方法。後に電気システムの電気図をグラフィックス生成するために自動車に関するデータを管理する方法は、コンピュータにより要素のセットを生成する(E3)ことを可能にし、セットの各要素は、電気システムのリストにある電気システムと、構成のリストにある関連付けられた車両構成とを含み、各要素は生成される電気図を好ましくは潜在的に決定する。
【選択図】図1
回路はパルスラッチ回路を含む。パルスラッチ回路は第1の複数のトランジスタを含む。第1の複数のトランジスタのうちの1つまたは複数は拡散長(LOD)保護される。
エッジ亀裂の検出 // JP2016526215
金属板製品要素のエッジ亀裂を検出するための方法及びシステムを提供する。この方法は、第1のダイを使用する形成工程に関連する第1の応力を計算するステップと、第2のダイを使用する仕上げ工程に関連する第2の応力を計算するステップと、第1の応力と第2の応力とを組み合わせて全応力を導出するステップと、金属板製品をシミュレートして基準応力を生成するステップと、全応力と基準応力とを比較して、要素がエッジ亀裂を含むかどうかを判定するステップとを含む。
【選択図】図3
いくつかのデバイス(D,D,D)でのリソースフローをモニタリングするためのシステム(2)が開示される。システム(2)は、デバイスレベルで、フロー率及び/又はフロー率の変化を検知するよう構成された、いくつかのセンサ(S,S,S,S,S)、及び少なくとも一部のデバイス(D,D,D)のフロー全体を計測するよう構成された、いくつかの計器(M,M,M)からデータを受信する受信ユニット(4)を備える。システム(2)は、センサ(S,S,S,S,S)及び計器(M,M,M)から情報を受信するよう構成された計算モジュール(8)を備え、計算モジュール(8)は、少なくとも一部のデバイス(D,D,D)のリソースフロー及び/又は性能(例えば、使用度)の見積もり及び/又は予測をするよう構成された数学的統計モデル(38)を備える
【選択図】図1
本発明は、ブレード(2)の一部がオフセット(3)を持つ、非流線型のプロペラ(1)のブレード(2)の少なくとも一部をモデル化する方法であって、装置(10)のデータ処理手段(11)を用いて、(a)オフセット(3)を特徴づける前記ブレード(2)の変形を表す少なくとも1つのベジェ曲線をパラメータ化するステップであり、a.第1および第2のエンド制御点(PCU、PCU)と、b.エンド点(PCU、PCU)の間に配置される少なくとも1つの中間制御点(PCU,、i∈[[2,k−1]]と、によって定義され、パラメータ化が、中間制御点(PCU)の横座標および第2のエンド点(PCU)の縦座標が表されるものを基礎として、少なくとも1つの変形パラメータおよびブレード(2)の前記切断高さに従って行われる、パラメータ化するステップと、(b)変形パラメータまたは複数の変形パラメータの最適化値を決定するステップと、(c)このように決定された値を前記装置(10)のインターフェース(13)に出力するステップと、を実行することを含むことを特徴とする、方法に関する。
本発明は、少なくとも1つのサブ部分を有するプラントのモデルデータを生成する方法に関し、・トポロジ情報を含む其々のサブ部分に関するhmiの少なくとも1つの其々の図を用意し、・其々の図をコンピュータ可読形式へ転換し、・其々の転換された図をコンピュータのデータ記憶装置にインポートして、そこから其々のサブ部分のモデルデータを抽出し、モデルデータが其々のサブ部分のトポロジを記述し、・コンピュータのインターフェースにモデルデータを供給し、前記図からモデルデータを抽出する処理が、・プラントオブジェクトの検出及び・プラントオブジェクトの結合の検出を含む。
コンピュータ実装方法およびシステムは、コンピュータ支援シミュレーションプロセスによる使用のためにデータを自動的に作成する。方法およびシステムは、CADモデル構成要素が、ファスナである実世界のオブジェクトを表すと判定する。方法およびシステムは、CAD構成要素を自動的の分析し、およびシミュレーションプロセスによる使用のための特性を導出する。特性された特性は、サイズデータ、位置データ,および材質タイプデータを含む。方法およびシステムは、CAD構成要素の別のCAD構成要素に対する影響の範囲を算出する。シミュレーションプロセスは、影響の範囲を算出して、そのファスナが構成要素である実世界のアセンブリをシミュレートするために特性のうちの少なくとも1つを利用する。
複数のテスト運転からの測定結果を、著しくより効果的に、より速く且つより良好に重ね合わせて比較できるようにするため、仮想区間A−Bが、データ記録装置4から読み取られる。この場合、この仮想区間A−Bが、連続する複数の地理座標P及びこれらの地理座標Pに付随して関連する前記車両1、運転手及び/又は前記車両1の環境のデータとして記録され、前記仮想車両1用の前記テスト運転を実行するために使用される。前記仮想車両1の測定データMが、前記テスト運転中に取得され、前記地理座標Pに関連させて記録される。
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