熱力学的装置及びこの熱力学的装置を製造する方法

著者らは特許

F25B30/00 - ヒートポンプ
F25B30/02 - 圧縮式のもの
F25B39/02 - 蒸発器
F25B39/04 - 凝縮器
F25B41/00 - 流体循環装置,例.蒸発器からボイラに流体を移送する装置(ポンプそれ自体,ポンプの密封装置F04)

の所有者の特許 JP2016528472:

エフィシェント・エナージー・ゲーエムベーハーEfficient Energy GmbH

 

熱力学的装置は、作動中、第1圧力を維持するよう構成された第1液体容器であって、作動中、作動流体によって部分的に満たされる第1液体容器と、作動中、第2圧力を維持するよう構成された第2液体容器であって、第2圧力は第1圧力より高く、作動中、作動流体によって部分的に満たされる第2液体容器と、作動流体が通過できる補償パイプであって、作動中、第2液体容器内の作動流体レベルを画定するために第2液体容器内に配置された入口と、作動流体が入口から出口へと輸送され得るように第1液体容器内に配置された出口と、を有する補償パイプとを備える。入口は設置方向において出口より上方に配置されており、補償パイプは湾曲部を有し、この湾曲部の下端領域は作動中、出口より下方に配置されており、熱力学的装置は作動中、第1液体容器から第2液体容器へと作動流体を送り輸送するよう構成され、かつ第2液体容器から第1液体容器へと補償パイプを介して作動流体を戻り輸送するよう構成されている。
【選択図】 図1

 

 

本発明は、熱力学的装置(thermodynamic device)に関し、特に、例えばヒートポンプにおける場合のように、様々な圧力下で作動する複数の液体容器を有する熱力学的装置に関する。
特許文献1は、水蒸発機、圧縮機、液化機を備えたヒートポンプを開示している。ヒートポンプ作用の間、蒸発機内の圧力は、例えば水のような蒸発されるべき作動流体が例えば+10℃であってもよい所要の温度で蒸発するように、設定される。ラジアルインペラを有する連続流動機械として構成されている圧縮機は、蒸気を圧縮し、圧縮蒸気を液化機へと輸送する。蒸気圧縮により、蒸気の温度は蒸発機内の温度からより高温、例えば40℃又は50℃へと上昇する。高温の蒸気は液化機内で凝縮され、それにより液化機内で作動流体を加熱するであろう。このヒートポンプが発熱しているとき、圧縮蒸気によって液化機内に導入された熱量は建物を加熱するのに使用されてもよい。しかしながら、ヒートポンプが冷却しているときには、液化機内に導入された熱量は廃熱として排出されるであろうが、一方で、蒸発機内で蒸発によって冷却された作動流体は、冷却目的のために使用されるであろう。
ヒートポンプ作用のために、材料は蒸発機から液化機へと連続的に送り輸送される。液化機がオーバーフローしないようにするため、液化した水が圧力制御用のポンプ又はバルブを介して蒸発機に向かって戻り輸送するためのドレーン(排水部)が設けられる。
圧力制御用のポンプ又はバルブとして、典型的なヒートポンプは、液化機内での高圧を蒸発機内の低圧と変換するために、調整可能なスロットル(絞り)を備える。蒸発/圧縮/液化プロセスに起因して送り輸送される作動流体が大幅に変化するので、ドレーンを通って戻り輸送される作動流体の量も大幅に変化する。これは、ヒートポンプは、パワーが増大するにつれて、又は温度の広がり、つまり液化機内での高温と蒸発機内での低温との温度差が増大するにつれて、変化するという事実に起因している。あるヒートポンプが加熱又は冷却を達成するために大量のパワーを供給する必要がある場合には、あるヒートポンプが加熱又は冷却を達成するために小さなパワーを提供すべきである場合に比べて、さらに多くの作動流体が輸送されるであろう。したがって、スロットルは典型的に、ドレーン内の様々な流れに広範囲に適応できるように、調整可能である。
この概念についての欠点は、調整可能でなければならないスロットルが追加的コスト及びヒートポンププロセスにおける追加的損失を伴うことである。特に、温かい作動流体が低圧領域へと通過する際、そのようなスロットル内で典型的に発生する温かい作動流体の自然発生的な蒸発のために、エネルギー損失が発生し、さらに追加的に、ヒートポンプの全体のノイズレベルに影響するノイズが発生する。特に、ヒートポンプが、典型的なヒートポンプがそうであるように大容量利用(mass utilization)を目的としている場合、前述の追加的要素にかかるコストと必要な制御とが占める部分もまた過少評価できず、さらに破損に対する脆弱性についても言及すべきである。
欧州特許第2016349(B1)号
本発明の目的は、より効率的な熱力学的装置を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の熱力学的装置、又は請求項15に記載の熱力学的装置を製造する方法により達成される。
本発明は、ヒートポンプの場合に例えば液化機である第2液体容器から、ヒートポンプの場合に蒸発機であり得る第1液体容器へ作動流体を効率よく戻り輸送するためには、調整可能なスロットルに代えて、単純な補償パイプで十分である、という知見に基づいている。補償パイプは、第2液体容器、例えば液化機の中に配置された入口を含み、この入口により、作動中の、第2液体容器内の作動流体レベルが画定される。一方で、補償パイプの出口は第1液体容器内に配置され、作動流体が補償パイプの中を通ってその入口から出口へと輸送され得る。加えて、入口はその導入方向に沿って、出口よりも高い位置に配置されている。さらに、補償パイプは湾曲部を含み、その下端領域は作動中、出口よりも下方に配置されている。その結果、作動中に作動流体が第1液体容器から第2液体容器へと送り輸送され、かつ、第2液体容器からオーバーフローするのを防止し、又は第1液体容器内の作動流体が不足するのを回避するため、作動流体が補償パイプを通って第2液体容器から第1液体容器へと戻り輸送されるような、熱力学的装置が存在し得る。
入口と出口の特定の配置によって、補償パイプは、重力スロットル(gravitational throttle)として作動し、さらに自己調整もできる。同時に、重力スロットルは、第2液体容器内の入口の位置に基づいて、第2液体容器内の液面レベルを画定しており、第2液体容器は第1液体容器よりも高い圧力を有している。さらなる作動流体が高圧の液体容器内に存在するやいなや、その作動流体は第1液体容器へと戻される。第2液体容器と第1液体容器との熱力学的装置の特定の最大圧力差に依存するが、補償パイプの湾曲部の最大高さは、入口に近い液面レベルが下端領域に到達しないように、即ち、熱力学的装置の最大圧力差が生じる事象においても作動流体が依然として湾曲部内に存在するように構成されており、その結果、高圧部分と低圧部分との間の圧力バリアを維持している。
第2液体容器内の作動流体が第1液体容器内の作動流体より温かい、本発明のさらに好適な実施形態では、湾曲部の高さは明確に低減され得る。これは、次のような事実に起因する。すなわち、補償パイプにおいて、温かい作動流体が第1液体容器内に流入する場所、つまり出口近傍で補償パイプの外側、又は出口近傍で既に補償パイプ内にある位置には、追加的な蒸気バリアが形成されるからである。このことは、出口近傍で、温かい作動流体が冷たい作動流体と第1液体容器内で合流する際に、温かい作動流体が蒸発し始める、つまり沸騰し、及び/又は泡を形成する傾向を示す、という事実に起因している。よって、「蒸気バリア」とそれによる追加的圧力降下を、補償パイプ内にもたらす。この追加的圧力降下は、湾曲部の高さを明確に低減することを可能にし、つまり典型的にはU字形の補償パイプの高さを低減することができる。
熱力学的装置が最大として処理すべき特定の圧力差が例えば200mbarである場合、特に作動流体として単なる水が使用された場合、湾曲部の必要高さは最大で2mにもなり得る。このことは、加熱又は冷却のために設定されるべきヒートポンプが、本発明の重力スロットルを形成するために、液化機の下方に2mの追加的スペースを設置用として必要とすることを意味する。
上述の追加的高さは、全体のヒートポンプ組立体のサイズの増大を招く。第1液体容器内の作動流体の温度が第2液体容器内の温度より低い場合に発生するであろう追加的な圧力差に起因して、つまり蒸気バリアによる追加的な圧力降下に起因して、例えば2mの上記高さは明確に低減され得る、つまり5cm又は2cmにまでも低くできる。そのような場合でも、補償パイプを介して液体容器間で圧力補償を起こさずに、第2液体容器内の圧力を第1液体容器内の圧力から信頼性をもって分離できる、重力スロットルを含む信頼性のある熱力学的装置を提供することができる。
本発明には−追加的損失、破損に対する脆弱性、及び追加的コストなどの全ての問題を引き起こす可能性のある−制御可能なバルブが不要になるという長所がある。その代わり、単純な補償パイプが必要であり、それは例えば非常に簡易な導管として樹脂又は金属から形成されたホースで構成されてもよく、その直径は10cm未満でもよい。一方で、少なくとも1cmの最小径又は0.8cm2の最小断面積が望ましい。
特に、蒸気バリアが重力スロットルを追加的に支援する場合には、この熱力学的装置は低い設置高さ(installation height)によってさらに特徴付けられる。なぜなら、重力スロットルが装備されるべき「下方」のスペースは、追加的蒸気バリアによって明確に削減されるからである。
簡易な補償パイプを含む熱力学的装置のさらなる長所は、補償パイプの維持管理からの解放と、フローターなどの如何なる追加の手段を必要とせずに補償パイプの入口によって画定される第2液体容器内の液面レベルの自動調節、及び第1液体容器内の出口の柔軟性のある取り付け性にある。この柔軟性は、第1液体容器内に存在する作動液のレベルより下方に出口が位置している限り、構造的な尺度において許可される。入口もまた、それが液面レベルを画定する限り、所望に沿って取り付けられ得る。例えば、第2液体容器の底部を貫通して、突出パイプとして取り付けても良く、又は画定された液面レベルが位置するであろうと想定される位置に、第2液体容器に横向きに取り付けてもよい。
よって、重力スロットルを備える本発明の熱力学的装置は、第1液体容器から第2液体容器への作動流体の送り輸送が発生し、かつその送り輸送が補償パイプによって補償されるべきである場所ではどこでも使用されてもよい。特に、ヒートポンプとして構成される熱力学的装置であって、かつ送り輸送手段が対応する蒸気取入口と蒸気排出口とを持つ圧縮機を備えるよう構成されている場合、補償パイプは特に好適であり、その柔軟性のある取り付け性と機械的特徴により決定される機能性とにより、維持管理が低減され、かつ制御可能なスロットルなどによって生じ得る如何なる損失をももたらさない特に効率のよいヒートポンプのために好適となる。
本発明のさらなる不可欠な長所は、従来技術における場合のように、調整可能なスロットル内で自然発生的な蒸発が起こることにより、圧力差が浪費されることがない点である。その代わり、本発明では、圧力差は、例えばヒートポンプの蒸発機である第1液体容器内に直接的に導入される。ここで見られる核沸騰を伴う蒸発への傾向は、追加的な圧力バリアを形成し、そのバリアによって設置高さ、つまり補償パイプの湾曲部の高さを明確に低減することができ、更に、蒸発機内でのさらに効率のよい蒸発をもたらし、それにより通常の又は「規則的な」蒸発プロセスを強化することになる。その故、公知の熱力学的装置の損失、つまり調整可能なスロットルでは受容されている損失が完全に解消されるだけでなく、戻り輸送が、蒸発効率を高めるための積極的な方法で追加的に使用される。なぜなら、出口の近傍で生成された作動流体蒸気は、「通常の」蒸発プロセスによって蒸発機内で生成された作動流体蒸気が寄与するのと同様に、ヒートポンプ効果に寄与するからである。
以下に、本発明の好ましい実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明の一実施形態に従う熱力学的装置の概略図を示す。 同じ圧力を持つ連絡パイプを示す。 異なる圧力を持つ連絡パイプを示す。 熱力学的装置の一実施形態としてのヒートポンプの概略図を示す。 出口付近に追加的圧力バリアを有する液体容器を持つ補償パイプの概略図を示す。
図1は、作動中、第1圧力P1を維持するよう構成された第1液体容器100を備えた熱力学的装置を示し、その第1液体容器100は作動中、作動流体110によって部分的に満たされている。特に、液面レベル115が図1に概略的に示されている。液面レベル115より下方には作動流体110が存在し、液面レベル115より上方には空気、蒸発した作動流体、真空又はその同等物が存在し、つまり、ガス分室120が存在する。
さらに、熱力学的装置は第2液体容器200を含み、その第2液体容器は作動液面レベル215を有し、液面レベルより下方では、210で示された作動流体が第2液体容器内に収容され、第2液体容器は液面レベルより上方に位置づけられたガス分室220を有し、そのガス分室は空気又は蒸発した作動流体を含み、ガス分室の圧力P2は第1液体容器100内に存在する第1圧力P1よりも高い。よって、第1液体容器と同様に、第2液体容器は作動中、作動流体210によって部分的に満たされている。
加えて、第2液体容器200内に配置された入口310を含む、作動流体が通過できる補償パイプ300が設けられ、その入口は、作動中、第2液体容器内の作動流体の液面レベル215を画定する。さらに、補償パイプは第1液体容器100内に配置された出口320を含み、それにより作動流体は入口310から出口320へと輸送され得る。さらに、図1に示すように、入口310は出口320に比べて、熱力学的装置の設置方向において高い位置に配置されている。さらに、補償パイプは湾曲部330を含み、その湾曲部の下端領域は作動中、設置方向において出口320より下方に配置されている。実施形態によるが、出口つまり出口が第1液体容器の中に挿入している位置及び/又は第1液体容器の底部から、下端領域までの距離は、少なくとも2cm、及び好ましくは少なくとも5cmである。構成によるが、湾曲部の最大高さは2mまでであるが、第1液体容器と第2液体容器との間の特定の最大圧力差によって予め定義された高さを超えない。例えば、特許文献1に記載のような典型的な水作動型のヒートポンプにおけるように、もし作動流体が水であり、最大圧力差が200mbarであるならば、湾曲部の高さ、つまり湾曲部の下端領域と第1液体容器の底部との間の差は2mになるであろう。その高さは、図4を参照しながら説明するように特に追加的な蒸気バリアによって、以下に説明するように、2mより大きくなることはないが、2mより小さくなることはあり得る。
本発明の好適な一実施形態では、送り輸送手段400と共に図1に表された熱力学的装置は、ヒートポンプとして構成される。その場合、図1の送り輸送手段400は、図3に示されるように、又は特許文献1に記載のように、ヒートポンプの圧縮機C410として構成される。一実施形態では、本発明のヒートポンプは、その新規な特徴を除いて、特許文献1の記載と正に同様に構成されることができることを明確に指摘しておかねばならない。その文献はその全体が、参照により明確に本願明細書に組み込まれる。第1液体容器100は蒸発機150として構成され、第2液体容器は液化機250として構成される。
作動中、ヒートポンプ内に現れる特異な圧力及び温度条件が存在する。特に、蒸発機内に現れる圧力P1は液化機内に現れる圧力P2より低い。加えて、液化機内の温度T2は蒸発機内の温度T1より高い。冷却されるべき作動流体は、蒸発機取入口160を介して蒸発機へと供給され、冷却済みの作動流体は蒸発機ドレーン170を介して排出される。ヒートポンプが冷却のために使用された場合には、ドレーン170を介して排出された冷却済みの作動流体は、例えばコンピュータ又は他の電気若しくは電子デバイスの冷却のように、冷却のために使用される。
加えて、液化機もまた取入口260とドレーン270とを含む。例えばヒートポンプが加熱のために使用された場合には、ドレーン270はビルの暖房システムへの給水部を表しており、一方、冷却済み作動流体が液化機250に再度供給される場合には、戻り流れ要素260は暖房システムの戻り流れを表している。特に、蒸発機は作動流体を効率よく蒸発させる拡大ユニット180を含んでいる。次に、作動流体蒸気190は、圧縮機410により特異な吸引装置195を用いて吸引されかつ圧縮され、圧縮済みの作動流体蒸気260として、特異な蒸気迂回組立体270を介して液化機容積の中へ導入され、その結果、液化機内の作動流体と一緒に凝縮することができ、作動流体の液面レベルは215で示される。液面レベル215は、補償パイプ300の入口を画定し、補償パイプの湾曲部330は図3にも示されている。
好ましくは、入口310は液化機の底部280から突出するパイプとして構成されている。なぜなら、それにより、入口の底部280からの突出高さが、液化機内、すなわち図1の第2液体容器内の液面レベル215を画定するからである。
両液体容器内に存在する様々な圧力比により、図2bに示されるように、様々な液面レベルの高さが連絡パイプとしての補償パイプ内で形成される。これと対照的に、図2aは、連絡パイプの両枝管、すなわちU字形補償パイプの両端部における液面レベルが同じ高さである比較例を示している。対照的に、連絡パイプの一端側に他端側より高い圧力がかかっている場合には、その高い圧力がかかる一端側における液面レベルが低くなるであろうし、その減少量は圧力差トpに比例する。この観点から、最大高さHは次のように画定される。すなわち、U字形補償パイプの両端部の液面レベルは、図2bの左側のレベルが湾曲部の頂点に達しない範囲で、異なるようにされてもよい。左側のレベルが湾曲部の頂点に達した場合には、異なる圧力を有する2つの液体容器の間の信頼性のある圧力封止又は圧力バリアがもはやなくなるであろう。既に述べたように、作動流体として水が使用された場合、200mbarの最大圧力差に対して、最大高さHmaxは2mに達する。熱機関/冷却機において通常使用され、かつ当業者にとって公知なように、作動流体として他の液体が使用された場合には、異なる高さ及び異なる差圧が生じるであろう。
さらに、図3はヒートポンプ作動の異なる傾向を示している。温度差、つまり液化機内と蒸発機内とに現れる温度の差が増大するとき、すなわちヒートポンプが、特に増大する冷蔵又は加熱要件のために、さらなるパワーを提供すべきとき、好ましくはラジアルインペラを持つターボ圧縮機として構成される圧縮機Cの回転速度が増大する。圧縮機C又は圧縮機のラジアルインペラはより高速で回転する。その結果、より大きな蒸気体積が吸い込まれ、蒸発機から液化機へと送り輸送される。液化機内の所定の液面レベルを維持するために、液化機から蒸発機へと補償パイプ330を通ってより多くの作動流体を戻り輸送する必要が生じる。この動作は、格別な制御を必要とせずに自動的に起こり、この動作は特に補償パイプに起因して発生し、補償パイプは重力式自動調整スロットルとして作動する。しかし、ヒートポンプに対する温度及び/又はパワー要件が再び低下した場合には、より少量の作動流体が送り輸送され、その場合、補償パイプはより少量の作動流体を蒸発機へと戻り輸送するであろう。このプロセスはまた、如何なる他の制御又は介入を行うことなく、完全に自動的に生じる。
図3は本発明の補償パイプの他の利点を示しており、そのパイプはその排出ポイントにおいて蒸発機と如何なる特異なスロットルを介さずに接続されている。温かい作動流体が冷たい蒸発機に直接的に供給されるという事実に起因して、温かい作動流体が低い圧力を持つ冷たい蒸発機の中へと侵入する場所で、即ち出口320の近傍において、温かい作動流体は核沸騰しやすくなる。このように、蒸発機作動流体は、出口320の効果によって追加的に蒸発し、これはさらなる蒸気198によって図示されるように、蒸発の点からみてプラスの効果がある。即ち、その蒸気198は、ヒートポンプの作用に関し、「通常の」蒸発プロセスによって生成される作動流体蒸気190と同じ効果を持つ。
図4を参照して、圧力バリアについて以下でさらに詳細に説明する。そのバリアは、例えば水などの作動流体に関し、温かい作動流体の蒸発のための膨張、及び又は泡の発生に向かう傾向に起因してもたらされるものである。上述の圧力バリアは図4に199で図示されている。
出口320の領域では、その周囲に圧力バリア199が形成され、従って高圧領域p2から低圧領域p1への追加的な圧力降下が発生する。このことは、圧力バリアがない場合に優勢であろうと考えられる高低差340が、高低差350まで減少する結果を招く。よって、圧力バリア199はすでに、高低差340と350との差360に対応する圧力差を順応させる。特に、温かい温度T2と冷たい温度T1との温度差が大きくなれば一層明白になる、この有利な現象は、この構成の機能として、例えば図2bに示されるように、湾曲部330の高さを最大高さから50%又は80%削減するために、本発明に従って有利に利用される。その結果、2つの液体容器間の信頼性のある圧力封止を確実にするために、湾曲部の下端領域を、ごくわずか、例えば2cmだけ、またある許容誤差を持って少なくとも5cmだけ、作動中の出口の下方に配置するだけで既に十分である。よって、熱力学的装置の設置高さは、例えばヒートポンプの場合には2mまで低減され、組立体のサイズの顕著な削減をもたらし、その結果、市場の受け入れ度がかなり増大する。
好ましくは、補償パイプ300は最大で10cmの直径又は最大で80cm2の断面積を有する。他方で、補償パイプの直径は少なくとも1cmであり、断面積は少なくとも0.8cm2である。
好ましくは、湾曲部の下端領域は、最大距離Hmaxだけ出口の下方に配置されており、その最大距離Hmaxは第2圧力と第1圧力との最大圧力差によって決定される。任意の形式でよい図1の送り輸送手段400とは異なり、補償パイプは第1液体容器と第2液体容器との間の唯一の液体連絡要素であるため、全ての逆流はこの補償パイプを介して発生するが、その補償パイプは制御可能なスロットル又は制御可能なバルブを備えず、代わりに、全長に亘って一定の直径を有する簡易なパイプ又は簡易なホースとして構成され得る。
図3に示すように、出口320は第1液体容器の容器底部191に取り付けられている。さらに補償パイプ300の湾曲部330はU字形に形成され、出口320は湾曲部の一端部に配置されている。パイプ395の直線部分は、入口310と湾曲部の他端部との間に設けられ、その他端部は図3において390で示されている。
既に説明したように、第2液体容器250はさらに底部280を備えており、この底部から補償パイプが長さ396だけ突出しており、この長さ396は液化機250内での最大液面レベルを画定している。しかしながら、代替的に、入口310はまた液体容器のある高さにおいて横向きに配置されていても良く、その高さは第2液体容器内の液面レベルを画定している。
熱力学的装置を製造する方法において、補償パイプはその入口が第1液体容器に接続され、その出口が第2液体容器に接続されており、それにより、第2液体容器内の作動流体レベルは、第2液体容器内に入口の位置によって画定される。
本発明は、効果的、低コストでかつ維持管理費が低い熱力学的装置を提供する。



  1. 熱力学的装置であって、
    作動中、第1圧力を維持するよう構成された第1液体容器(100)であって、作動中、作動流体(110)によって部分的に満たされる第1液体容器(100)と、
    作動中、第2圧力を維持するよう構成された第2液体容器(200)であって、前記第2圧力は前記第1圧力より高く、作動中、前記作動流体(210)によって部分的に満たされる第2液体容器(200)と、
    前記作動流体が通過できる補償パイプ(300)であって、作動中、前記第2液体容器内の作動流体レベル(215)を画定するために、前記第2液体容器(200)内に配置された入口(310)と、前記作動流体が前記入口(310)から出口(320)へと輸送され得るように、前記第1液体容器内に配置された出口(320)と、を有する補償パイプ(300)と、を備え、
    前記入口(310)は設置方向において前記出口(320)より上方に配置されており、
    前記補償パイプ(300)は湾曲部(330)を有し、この湾曲部の下端領域は作動中、前記出口(320)より下方に配置されており、
    前記熱力学的装置は作動中、前記第1液体容器(100)から前記第2液体容器(200)へと作動流体を送り輸送するよう構成され、かつ前記第2液体容器(200)から前記第1液体容器(100)へと前記補償パイプ(300)を介して作動流体を戻り輸送するよう構成されている、熱力学的装置。

  2. 請求項1に記載の熱力学的装置であって、この熱力学的装置はヒートポンプとして構成され、
    前記第1液体容器(100)は蒸発機(150)であり、前記第2液体容器(200)は前記設置方向において前記蒸発機(150)より上方に配置された液化機(250)であり、
    前記作動流体蒸気が前記液化機(250)内で液化するように、前記作動流体蒸気を圧縮して前記液化機(250)へと供給する圧縮機(410)が追加的に配置されている、
    熱力学的装置。

  3. 請求項1又は2に記載の熱力学的装置であって、
    前記熱力学的装置は、
    前記第2液体容器(200)内の前記作動流体の温度が前記第1液体容器(100)内の前記作動流体の温度より高くなるよう構成され、且つ、前記第1圧力は、前記作動流体が前記熱力学的装置の作動中に前記出口(320)で追加的な蒸気バリアを形成するか、前記作動流体が前記熱力学的装置の作動中に前記出口(320)で蒸発するか、又は、前記作動流体が前記熱力学的装置の作動中に前記出口(320)で泡を形成するよう構成される、熱力学的装置。

  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記補償パイプ(300)は最大で10cmの直径を有するか、又は最大で80cm2の断面積を有する、熱力学的装置。

  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記湾曲部(330)の下端領域は前記出口よりも最大距離だけ下方に配置されており、前記最大距離の長さは前記第2圧力と前記第1圧力との最大圧力差によって画定される、熱力学的装置。

  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記下端領域は、作動中、前記出口(320)より最大で2m下方に配置されている、熱力学的装置。

  7. 請求項6に記載の熱力学的装置であって、
    前記作動流体は水であり、前記第2圧力と前記第1圧力との特定の最大圧力差は200mbarである、熱力学的装置。

  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記補償パイプ(300)は、前記作動流体の戻り輸送を達成するための、前記第1液体容器と前記第2液体容器との間の唯一の液体連絡要素である、熱力学的装置。

  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記補償パイプ(300)は、制御可能なスロットル又は制御可能なバルブを備えていない、熱力学的装置。

  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記補償パイプ(300)は、全長に亘って一定の断面積を有する連続ホースとして構成されている、熱力学的装置。

  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記第1液体容器(100)は容器底部(191)を有し、前記出口(320)は前記容器底部(191)に配置され、液面レベル(115)は前記第1液体容器の作動中、前記出口(320)よりも上方に配置されている、熱力学的装置。

  12. 請求項1乃至11のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記補償パイプの湾曲部はU字形に形成され、前記出口(320)は前記湾曲部の一端部に設けられ、パイプ(395)の直線部分は、前記湾曲部(330)の他端部(390)を前記入口(310)と接続するために、前記入口(310)と前記湾曲部(330)の他端部(390)との間に設けられている、熱力学的装置。

  13. 請求項1乃至12のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記第2液体容器(200)は底部(280)を有し、前記補償パイプ(300)は前記底部(280)を貫通して前記第2液体容器内に延びており、前記第2液体容器の底部(280)から前記第2液体容器内にある長さ(396)だけ突出しており、その長さ(396)は前記第2液体容器内の作動流体レベルを画定している、熱力学的装置。

  14. 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の熱力学的装置であって、
    前記湾曲部(330)の下端領域は作動中、前記出口(320)より少なくとも5cmだけ下方に配置されている、熱力学的装置。

  15. 熱力学的装置を製造する方法であって、
    作動中、第1圧力を維持するよう構成された第1液体容器(100)と、作動中、前記第1圧力より高い第2圧力を維持するよう構成された第2液体容器(200)とを、作動流体が通過できる補償パイプ(300)によって接続するステップであって、前記第1液体容器(100)は作動中、作動流体(110)によって部分的に満たされ、前記第2液体容器は作動中、前記作動流体(210)によって部分的に満たされ、前記補償パイプ(300)は、作動中、前記第2液体容器内の作動流体レベル(215)を画定するために前記第2液体容器(200)内に配置された入口(310)と、前記作動流体が前記入口(310)から出口(320)へと輸送され得るように前記第1液体容器内に配置された出口(320)と、を有するステップを備え、
    前記入口(310)は設置方向において前記出口(320)より上方に配置されており、
    前記補償パイプ(300)は湾曲部(330)を有し、この湾曲部の下端領域は作動中、前記出口(320)より下方に配置されており、
    前記熱力学的装置は作動中、前記第1液体容器(100)から前記第2液体容器(200)へと作動流体を送り輸送するよう構成され、かつ前記第2液体容器(200)から前記第1液体容器(100)へと前記補償パイプ(300)を介して作動流体を戻り輸送するよう構成されている、方法。

 

 

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電子膨張弁が開示され、この弁は、収容部(3)と弁座アセンブリとを備え、弁座アセンブリは、同一直線に位置する第1の接続パイプ(24)と第2の接続パイプ(23)とを含み、弁座アセンブリは主弁チャンバを形成し、主弁チャンバは第1の接続パイプとの間に鋭角である夾角をなし、弁座アセンブリは、一体構造でありシェル部品に溶接されて固定され、弁座アセンブリと収容部との溶接位置の径方向延長線と、第1の接続パイプとの間に、事前設定距離がある。溶接を行なうために弁体が相対的に回転しているとき、溶接は第1の接続パイプによって邪魔されることなくスムーズに行なうことができそうして一体化された弁体が形成される。電子膨張弁の製造方法も開示される。電子膨張弁は一体構造であるので、製品の漏れ率を低減でき、製品の製造コストも材料の厚みおよび質量を増すことなく効果的に制御できる。
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