熱交換器

 

蒸気圧縮システム用の熱交換器(1、201、201’、301、401、501、501’、601、601’、701、801、801’、901、901’、1001、1101)であって、シェル(10)と、シェル(10)の内部に配置され、冷媒を分配する分配部(20)と、管束(30、230、330、430、530、630、730)と、トラフ部(40、40’、240、240’、340、440)とを備える。管束(30、230、330、430、530、630、730)は、シェル(10)内部の分配部(20)の下方に配置される複数の伝熱管(31)を備える。管束(30、230、330、430、530、630、730)は、分配部(20)の下方に配置される流下膜領域(FF)と、流下膜領域(FF)の下方に配置される貯留領域(A)と、シェル(10)の底部であって貯留領域(A)の下方に配置される浸漬領域(FL)とを備える。トラフ部(40、40’、240、240’、340、440)は、貯留領域(A)の少なくとも1つの伝熱管(31)の下で延び、内部に冷媒を貯留する。トラフ部(40、40’、240、240’、340、440)は、シェル(10)の長手方向中心軸(C)に垂直な水平方向に沿って見て、貯留領域(A)の少なくとも1つの伝熱管(31)と少なくとも部分的に重なる。
【選択図】図7

 

 

本発明は一般的に、蒸気圧縮システムに使用される熱交換器に関する。本発明は特に、流下膜領域、貯留領域、および浸漬領域を備えた管束を含む、熱交換器に関する。
蒸気圧縮冷凍は、大規模な建築物等の空調に最も一般的に用いられている方法である。従来の蒸気圧縮冷凍システムは、典型的には蒸発器を有し、蒸発器は、冷媒を液体から蒸気へと蒸発させると同時に蒸発器を通過する被冷却液体から熱を吸収することのできる熱交換器である。あるタイプの蒸発器は、内部を被冷却液体が循環する水平に延びる複数の伝熱管を含む管束を有し、管束は円筒シェル内に収容されている。このタイプの蒸発器において、冷媒を蒸発させる方法がいくつか知られている。浸漬式蒸発器においては、シェルが液体冷媒で満たされているとともに、液体冷媒が、沸騰するおよび/又は蒸気として蒸発するよう、伝熱管が液体冷媒のプールに浸漬されている。流下膜式蒸発器においては、上方から液体冷媒が伝熱管の外部表面に落ち、これにより、液体冷媒の層あるいは薄膜が伝熱管の外部表面に沿って形成される。伝熱管の壁部からの熱は、対流および/又は液体膜を通じた伝導によって、液体冷媒の一部が蒸発している気液界面へと伝達され、これにより、伝熱管内を流れる水から熱が取り去られる。蒸発しなかった液体冷媒は、重力により上部位置の伝熱管から下部位置の伝熱管に向かって鉛直に流下する。また、管束におけるいくつかの伝熱管の外部表面に液体冷媒が落ち、管束における他の伝熱管はシェルの底部に集められた液体冷媒に浸漬される、ハイブリッド式の流下膜式蒸発器も存在する。
浸漬式蒸発器の伝熱性能は高いが、伝熱管を液体冷媒のプールに浸漬するため、浸漬式蒸発器では相当量の冷媒が必要となる。最近開発された新しい冷媒(R1234ze又はR1234yf等)は地球温暖化係数が非常に低いが、コストが高いので、蒸発器における冷媒充填を低減することが望ましい。流下膜式蒸発器の主たる利点は、良好な伝熱性能を確保しながら冷媒充填を低減できることにある。したがって、流下膜式蒸発器は、大規模な冷房システムにおいて浸漬式蒸発器と置き換えられる可能性が大いにある。
米国特許5,839,294号には、浸漬方式で動作する部分と、流下膜方式で動作する部分とを有するハイブリッド式の流下膜式蒸発器が開示されている。より具体的には、この公報に開示された蒸発器は、管束において、複数の水平方向伝熱管が通る外側シェルを有する。シェルへと入る冷媒が管の上部に分配されるよう、分配システムは、管束における最上位の伝熱管を覆うような関係に配置される。液体冷媒は、液体冷媒の一部が蒸気冷媒として蒸発する、それぞれの伝熱管の外壁に沿って膜を形成する。残りの液体冷媒は、シェルの下部に溜まる。定常状態動作において、外側シェル内の冷媒の液位は、シェルの下端近傍の水平方向伝熱管の少なくとも25パーセントが液体冷媒に浸漬される液位に保持される。したがって、この公報においては、シェルの下側部分における伝熱管が浸漬伝熱方式で動作すると同時に、液体冷媒に浸漬されていない伝熱管が流下膜伝熱方式で動作する状態で、蒸発器は動作する。
米国特許7,849,710号には、蒸発器シェルの下部に集められた液体冷媒が再循環される流下膜式蒸発器が開示されている。より具体的には、この公報において開示された蒸発器は、シェル内を実質的に水平に延びる複数の伝熱管を含む管束を有するシェルを備えている。シェルに入る液体冷媒は、分配器から伝熱管に送られる。液体冷媒は、液体冷媒の一部が蒸気冷媒として蒸発するそれぞれの伝熱管の外壁に沿って膜を形成する。残りの液体冷媒は、シェルの下部に溜まる。この公報においては、シェルの下部に溜まった液体冷媒を吸引し、シェルの下部から分配器に液体冷媒を再循環させるよう、ポンプ又はエジェクタが備えられている。
米国特許5,839,294号に開示されたハイブリッド流下膜式蒸発器には、上述のように、シェルの底部に浸漬部分があるので、比較的大量の冷媒充填を必要とするという問題が未だ残っている。一方、米国特許7,849,710号に開示された、集められた液体冷媒をシェルの底部から分配器に再循環させる蒸発器では、蒸発器の性能の変動によりドライパッチが形成された場合に、伝熱管上のドライパッチを再度湿った状態にするためには、過量の循環冷媒が必要となる。さらに、蒸気圧縮システムにおけるコンプレッサが潤滑油(冷凍機油)を利用する場合、油が冷媒ほど揮発性ではないので、コンプレッサから蒸気圧縮システムの冷凍回路へと移動した油が蒸発器に貯留されやすい。このため、米国特許7,849,710号に開示された冷媒再循環システムでは、油が液体冷媒と共に蒸発器内で再循環され、蒸発器において循環する液体冷媒中の油の濃度が高くなる。したがって、蒸発器の性能が低下する。
従来の技術では、コンプレッサから少量の油が流出する冷凍サイクルにおいて蒸発器の性能を確保するために、コンプレッサの後ろに油分分離器が設けられる。このようなシステムにおいて、以下の方法が採用されてきた。(1)大型の油分分離器と浸漬型を使用する、(2)小型の油分分離器とハイブリッド流下膜型を使用する。(1)では、大型の油分分離器の価格は高い。(2)では、流下膜型なので冷媒の量を減らすことが可能である。しかしながら、多くの浸漬部分が必要となるために、冷媒量の低減効果が縮小してしまう。さらに、油分を凝縮するために多くの伝熱管が必要となる。
さらに、少量の油分がコンプレッサから排出されて冷媒に供給されるシステム(例えば、スクリューコンプレッサを用いた冷凍サイクル)における蒸発器には、少量の油分(通常、0.5〜2wt%)が通常入る。冷水と冷媒との間で熱を交換する蒸発器内のシェル内に設けられた伝熱管の外表面上で冷媒が蒸発するハイブリッド型の熱交換器(浸漬型、流下膜型)では、熱交換器内で蒸発する冷媒蒸気には油分は含まれていない。したがって、油分は蒸発器内で凝縮し、液体冷媒内の油分濃度は高まっていく(図32参照)。
通常このようなサイクルのコンプレッサに油分を戻すために、油分調整回路(oil tempering circuit)が設置される(図33参照、米国特許6,233,967号)。このような油分調整において、油分は冷媒と共にコンプレッサに戻される。油分が冷媒と共にコンプレッサに戻されるので、戻った冷媒の量が多いと、無効な冷媒が増える。それによって、性能は低下してしまう。したがって、性能が低下しないようにするために、油分の濃度を増やす必要がある(冷媒の比率はできるだけ小さくする)。
蒸発器に流入する油分の濃度が0.5wt%であると、性能の低下を2%以内(油分調整に使用する冷媒の量が蒸発量の2%以内)に抑えるためには、コンプレッサに戻される油分の濃度を30wt%に増やす必要がある(図34参照)。従来、このようなシステムにおいて、浸漬型(図35)又は流下型の上部部分と浸漬型の下部部分とを有するハイブリッド流下膜型(図36、米国特許6,170,286号)が採用される。
浸漬型の場合、図37に示すように、伝熱性能は油分濃度が上昇するにつれて低下していく。したがって、油分の濃度はおよそ2wt%にする必要がある。このような場合、油分の濃度はおよそ0.05wt%にする必要があり、大型の気液分離器が必要となる。
流下膜型において、油分の濃度は小さく、流下膜型上部部分では性能が確保される。流下膜型では、油分の濃度が上昇すると、性能が大きく低下してしまい、30wt%にまで油分を凝縮することが困難となる。したがって、油分の凝縮は浸漬型下部部分で行われる。その場合、高濃度の油分の液体冷媒が浸漬部分からコンプレッサに戻される。
上述のように、大型の油分分離器及び浸漬型を使用する方法又は小型の油分分離器及びハイブリッド流下膜型を使用する方法が採用される。
ハイブリッド流下膜型において、浸漬部分の伝熱性能は、流下膜型部分のおよそ半分である。したがって、多くの伝熱管が必要となる。さらに、多くの浸漬部分が必要であるため、冷媒の量が多くなる。
上記の点に鑑みて、本発明の一の目的は、熱交換器の高い性能を確保しながら冷媒充填の量を低減することができる熱交換器を提供することにある。
本発明の他の目的は、コンプレッサから蒸気圧縮システムの冷凍回路へと移動した冷凍機油を貯留し、冷凍機油を蒸発器の外部に放出する熱交換器を提供することにある。
本発明の一態様に係る熱交換器は、蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成され、シェルと、分配部と、管束と、トラフ部と、を備える。シェルは、その長手方向中心軸が水平面と略平行に延びる。分配部は、シェルの内部に配置され、冷媒を分配する。管束は、シェルの内部において分配部の下方に配置される複数の伝熱管を含み、分配部から放出される冷媒が管束上に供給される。伝熱管は、シェルの長手方向中心軸と略平行に延びる。管束は、分配部の下方に配置される流下膜領域と、流下膜領域の下方に配置される貯留領域と、シェルの底部であって貯留領域の下方に配置される浸漬領域と、を備える。トラフ部は、貯留領域の少なくとも1つの伝熱管の下でシェルの長手方向中心軸と略平行に延び、内部に冷媒を貯留する。トラフ部は、シェルの長手方向中心軸に垂直な水平方向に沿って見て、貯留領域の少なくとも1つの伝熱管と少なくとも部分的に重なっている。
本発明に係るこれらおよび他の目的、特徴、態様、および利点は、添付の図面と組み合わせて、好ましい態様を開示する以下の詳細な説明から当業者に明らかとなろう。
当開示の一部をなす添付の図面を以下に説明する。
本発明の第一実施形態に係る熱交換器を有する蒸気圧縮システムの概略全体斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る熱交換器を有する蒸気圧縮システムの冷凍回路を示すブロック図である。 本発明の第一実施形態に係る熱交換器の概略斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る熱交換器の内部構造の概略斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る熱交換器の内部構造の分解図である。 図3の切断線6−6’に沿って見た、本発明の第一実施形態に係る熱交換器の概略長手方向断面図である。 図3の切断線7−7’に沿って見た、本発明の第一実施形態に係る熱交換器の概略横方向断面図である。 図7に示した熱交換器の上部部分の拡大断面図である。 本発明の第一実施形態に係る熱交換器の、バッフル構造の逆斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る熱交換器が使用されている状態における、図7の領域Xに配置された伝熱管およびトラフ部の拡大概略断面図である。 図10における、伝熱管と、トラフ部分のうちの1つと、の拡大断面図である。 図11の矢印12に沿った方向から見た、図11の伝熱管およびトラフ部分の部分側面図である。 本発明の第一実施形態に係る、管束およびトラフ部の構成の変形例を示す、熱交換器の概略横方向断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例に係る熱交換器が使用されている状態を示す、図13の領域Xに配置された伝熱管およびトラフ部の拡大概略断面図である。 図14における、伝熱管と、トラフ部のトラフ部分のうちの1つと、の拡大断面図である。 図15の矢印16に沿った方向から見た、図15の伝熱管およびトラフ部分の部分側面図である。 本発明の第二実施形態に係る熱交換器の、管束およびトラフ部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第二実施形態に係る熱交換器の、管束およびトラフ部の構成の変形例を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第三実施形態に係る熱交換器の、管束およびトラフ部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第四実施形態に係る熱交換器の、管束およびトラフ部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第五実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部および浸漬部分の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第五実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部および浸漬部分トラフ部の構成の変形例を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第六実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部および浸漬部分トラフ部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第六実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部および浸漬部分トラフ部の構成の変形例を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第七実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部および浸漬部分トラフ部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第八実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部およびガイド部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第八実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部およびガイド部の構成の変形例を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第九実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部およびガイド部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第九実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部およびガイド部の構成の変形例を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第十実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部およびガイド部の構成を示す、概略横方向断面図である。 本発明の第十一実施形態に係る熱交換器の、管束、トラフ部およびガイド部の構成を示す、概略横方向断面図である。 凝縮された冷凍機油の濃度が上昇していく様子を示す、従来のハイブリッド(流下膜および浸漬)熱交換器の概略断面図である。 冷凍サイクルのコンプレッサに油分を戻すために油分調整回路が設置された従来の冷凍サイクルの概略回路図である。 複数種類の油分wt%の冷媒が供給される場合に関し、Y軸に油分濃度(wt%)を示し、X軸に戻り/総流量(%)を示したグラフである。 油分濃度のパーセンテージを示した浸漬型蒸発器の概略断面図である。 油分濃度のパーセンテージを示した従来の冷凍サイクルの従来のハイブリッド蒸発器の概略断面図である。 浸漬型熱交換器(FL)と流下膜型熱交換器(FF)とに関し、Y軸上にOHTC(kW/m2K)として熱伝達性能を示し、X軸上に油分濃度(wt%)を示したグラフである。
本発明の選択的な実施形態を、図面を参照して説明する。以下の本発明に係る実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される本発明を限定するものではないことは、本開示から、当業者には明らかであろう。
まず図1および図2を参照して、第一実施形態に係る熱交換器を有する蒸気圧縮システムを説明する。図1に示すように、第一実施形態に係る蒸気圧縮システムは、大きな建築物等の空調のための、暖房、換気および空調(HVAC)システムにおいて用いることができるチラーである。第一実施形態の蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮冷却サイクルを介して被冷却液(例えば水、エチレン、エチレングリコール、塩化カルシウムブライン等)から熱を取り去るよう構成され配置される。
図1および図2に示すように、蒸気圧縮システムは、次の4つの主要な構成要素、蒸発器1、コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4を有する。
蒸発器1は、蒸発器1を通過する被冷却液(この例では水)から熱を取り去る熱交換器であり、循環する冷媒が蒸発器1において蒸発すると、水の温度が低下する。蒸発器1に入る冷媒は、二相の気体/液体状態にある。液体冷媒は蒸発器1において蒸気冷媒として蒸発すると同時に、水から熱を吸収する。
低圧低温蒸気冷媒は、蒸発器1から放出され、吸引によってコンプレッサ2に入る。コンプレッサ2において、蒸気冷媒は高圧高温蒸気へと圧縮される。コンプレッサ2は、任意のタイプの従来のコンプレッサ、例えば遠心式コンプレッサ、スクロールコンプレッサ、往復式コンプレッサ、およびスクリューコンプレッサ等であってよい。
次に、高温高圧蒸気冷媒が、凝縮器3へと入る。凝縮器は、蒸気冷媒から熱を取り去って気体状態から液体状態に凝縮させる他の熱交換器である。凝縮器3は、空冷式、水冷式又は任意の適切なタイプの凝縮器であってよい。熱は、凝縮器3を通過する冷却水又は空気の温度を上昇させ、そして、熱は、冷却水又は空気により運ばれ、システムの外部へと排出される。
その後、凝縮された液体冷媒は、冷媒が圧力の急激な低下を受ける膨張装置4に入る。膨張装置4は、オリフィスプレートと同程度に簡単な構成とすることができ、あるいは電子可変熱膨張弁と同程度に複雑な構成とすることもできる。急激な減圧により、液体冷媒は部分的に蒸発し、その結果、蒸発器1に入る冷媒は二相の気体/液体状態となる。
蒸気圧縮システムにおいて用いられる冷媒の例として、ハイドロフルオロカーボン(HFC)ベースの冷媒(例えばR−410A、R−407CやR−134a)、ハイドロフルオロオレフィン(HFO)、不飽和HFCベースの冷媒(例えばR−1234zeやR−1234yf)、自然冷媒(例えばR−717やR−718)、又は他の適切なタイプの冷媒が挙げられる。
蒸気圧縮システムは、蒸気圧縮システムの動作を制御するようコンプレッサ2の駆動機構に機能的に連結される制御ユニット5を有する。
本発明を実施するために、従来のコンプレッサ、凝縮器および膨張装置を、それぞれ、コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4として用いることができることは、本開示から当業者には明らかであろう。言いかえれば、コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4は、当該技術において周知の従来の構成要素である。コンプレッサ2、凝縮器3および膨張装置4が、当該技術において周知であるので、これらの構造をここでは詳細に説明・例示しない。蒸気圧縮システムは、複数の蒸発器1、コンプレッサ2および/又は凝縮器3を有することもできる。
次に図3〜図5を参照して、第一実施形態に係る熱交換器である蒸発器1の詳細な構造を説明する。図3および図6に示すように、蒸発器1は、長手方向中心軸C(図6)が略水平方向に延びる略円筒形状のシェル10を有する。シェル10は、入口水室13aおよび出口水室13bを形成する接続ヘッド部材13と、水室14aを形成する戻りヘッド部材14と、を有する。接続ヘッド部材13および戻りヘッド部材14は、シェル10の円筒状本体の長手方向両端部に固定して連結される。入口水室13aおよび出口水室13bは、水バッフル13cによって分割される。接続ヘッド部材13は、シェル10に入る水が通過する水入口管15と、シェル10から放出される水が通過する水出口管16と、を有する。図3および図6に示すように、シェル10は、冷媒入口管11と冷媒出口管12とを更に有する。冷媒入口管11は、供給導管6(図7)を介して膨張装置4に流体的に接続され、これにより、二相の冷媒がシェル10へと導入される。膨張装置4は、冷媒入口管11と直接連結されてもよい。二相の冷媒における液体成分は、蒸発器1を通る水から熱を吸収し、蒸発器1において沸騰および/又は蒸発し、液体から蒸気へと相変化する。蒸気冷媒は冷媒出口管12からコンプレッサ2へと吸引によって流出する。
図4は、シェル10内に収容される内部構造を示す概略斜視図である。図5は、図4に示される内部構造の分解図である。図4および図5に示すように、蒸発器1は基本的に、分配部20と、管束30と、トラフ部40と、を有する。蒸発器1は好ましくは、図7に示すようなバッフル部材50を更に有する。しかしながら、図4〜図6においては簡潔化のため、バッフル部材50の図示を省略している。図4〜図6には更に、ガイド部が示されており、これは後述の実施形態のいくつかにおいて便宜上組み込むものであるが、ガイド部は随意的なものであり、本実施形態の一部ではない。
分配部20は、気液分離器と冷媒分配器との両方として機能するよう構成され配置される。図5に示すように、分配部20は、入口管部21と、第一トレー部22と、複数の第二トレー部23と、を有する。
図6に示すように、入口管部21はシェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。入口管部21は、シェル10の冷媒入口管11と流体的に接続され、これにより、二相の冷媒が冷媒入口管11を介して入口管部21へと導かれる。入口管部21は、矩形断面構造を有する。第一トレー部22は、入口管部21と嵌合する構造を有し、入口管部21の矩形断面形状の一部を形成する。
入口管部21は、シェル10の冷媒入口管11に流体的に接続され、これにより、二相の冷媒が冷媒入口管11を介して入口管部21内へと導入される。入口管部21は、第一トレー部22に取り付けられた第一(供給)逆U字型部材21aと第二(分配)逆U字型部材21bとを有することが好ましい。第一(供給)逆U字型部材21aは、堅い金属シート/板材料で形成され、液体および気体冷媒を通過させない。一方、第二(分配)逆U字型部材21bは、堅い金属メッシュ(スクリーン)材料で形成することが好ましく、液体や気体冷媒が通過可能である。第一および第二逆U字型部材21aおよび21bは、別々の部材(図4〜5ではまとめて示されているが)であり、第一トレー部22の長手方向中央に取り付けられる。
図5〜8を参照すると、第一トレー部22は、底表面から上方向に延びる一対の長手方向延伸フランジ22aを有し、長手方向中心軸Cに平行な方向に沿って中央長手方向流路22bを形成している。フランジ22Aは、第一トレー部22と一体的に形成しても、第一トレー部22に(溶接等によって)固定された別のフランジであってもよく、第一トレー部22の底表面に取り付けられたU字型の流路の一部であってもよい。いずれの場合でも、中央長手方向流路22bには開口部がないことが好ましい。一方、フランジ22aの向かい合った側面のエリアには、孔22cが形成されており、冷媒が第二トレー部23へと通過していく。図示した実施形態において、第二(分配)逆U字型部材21bが好ましくは堅い金属メッシュで形成されているので、流路22b内に配置された液体冷媒が一定の高さを超えるとフランジ22aを超えて流れるように、フランジ22aは所定の高さにまで延びていることが好ましい。
あるいは、第二(分配)逆U字型部材21bは、ソリッド(solid)のシート/板状金属で形成してもよく、ただし、穴を形成して、液体および又は気体冷媒が通過可能とする。このような場合、穴は、所定の高さで配置することが好ましい。さらにこのような場合、フランジ22aの高さによって、液体冷媒がいつ第二(分配)逆U字型部材21bから流出するかを決定する必要はなく、したがって、所望であれば(第二(分配)逆U字型部材21bの穴の高さによって、どの高さで液体冷媒が穴を通って流れるかを決めるので)、フランジ22aを短くできる可能性がある。
流路22b内には穴は形成されないが、流路22bの両側面のエリアには穴が形成される。第一および第二逆U字型部材21aおよび21bは、長手方向流路22bに受け入れられる自由端を有するような寸法/大きさとすることが好ましく、フランジ22aおよび第一トレー部22の底表面と共に矩形断面筒状構造を形成する。第一および第二逆U字型部材21aおよび21bは、溶接によって、ナット/ボルト等の締め具によって、又はその他の任意の適切な取り付け技術によって、第一トレー部22のフランジ又は底部に取り付けられる。図示した実施形態において、第一および第二逆U字型部材21aおよび21bを第一トレー部22に取り付けるのに、溶接が使用される。
さらに図5〜8を参照すると、追加の、より大きな第三(分配)逆U字型部材24が、第二(分配)逆U字型部材21bの上に間隔を置いて取り付けられる。具体的には、複数のボルト25が第二(分配)逆U字型部材21bを介して上方向に延びており、ナットによって取り付けられている。ナットは、部材21bの上方に第三(分配)逆U字型部材24を設置する際のスペーサとして機能している。第三(分配)逆U字型部材24は、第二(分配)逆U字型部材21bよりも横方向に広く、それと同じか若干小さい高さを有する。ただし、スペーサとして機能するナットは比較的薄く、図8において最もよくわかるように、第三(分配)逆U字型部材24の自由端は、フランジ22aの上端の下方で下に突出して第一トレー22の底部の上に配置される。ボルト25の自由端は、第三(分配)逆U字型部材24も通過して延び、更なるナットが第三(分配)逆U字型部材24を第二(分配)逆U字型部材21bに固定するのに使用される。これらの追加のナットもまた、第三(分配)逆U字型部材24から上方向に間隔を空けてバッフル構造50を配置するためのスペーサとして機能する。
第三(分配)逆U字型部材24によって、冷媒蒸気のそこを通過した流れが妨げられる。二相冷媒が入口管部21の第一逆U字型部材21aから放出されると、放出された二相冷媒の液体成分は第一トレー部22によって受け入れられる。一方、二相冷媒の蒸気成分は、上方向に流れ、バッフル構造50に衝突するので、蒸気に取り込まれた液滴がバッフル構造50によって捕獲され、バッフル構造50から直接出口管12へと向かう気体状の冷媒の流れは減少する。
図5および図7に示すように、第一トレー部22は複数の第一放出孔22cを有し、そこに貯留された液体冷媒は下方へと放出される。第一トレー部22の第一放出孔22cから放出される液体冷媒は、第一トレー部22の下方に配置された第二トレー部23のいずれかによって受けられる。
図5および図6に示すように、第一実施形態の分配部20は、3つの同一の第二トレー部23を有する。これらの第二トレー部23は、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って隣り合うように配置される。図6に示すように、3つの第二トレー部23の総長手方向長さは、図6に示すように、第一トレー部22の長手方向長さと実質的に同一である。図7に示すように、第二トレー部23が管束30の全幅にわたって実質的に延設されるように、第二トレー部23の横方向幅は第一トレー部22の横方向幅より大きく設定されている。第二トレー部23は、第二トレー部23に貯留された液体冷媒が第二トレー部23間で移動しないように構成される。図5および図7に示すように、各第二トレー部23は、複数の第二放出孔23aを有し、そこから液体冷媒は管束30に向かって下方へと放出される。具体的には、第二トレー部23は、第一トレー部22の孔22cより多い数の孔23aを有することが好ましい。分配部20の構成や構造が単に一つの好適な例に過ぎず、ここに開示した分配部20の特定の構造に請求項が限定されるものではないことは、本開示から、当業者には明らかであろう。
図4〜9を参照すると、バッフル構造50は基本的に、キャノピー部材52と、第一バッフル部材54と、第二バッフル部材56と、第三バッフル部材58とを含み、これらは溶接、又は任意の適切な取り付け技術によって共に固定されている。キャノピー部材52は、バッフルの最上部である。第三バッフル部材58は、キャノピー部材52の直下にある。第二バッフル部材56は、第三バッフル部材58の直下にある。第一バッフル部材54は、第二バッフル部材56の直下にある。第一、第二および第三バッフル部材54、56、58はそれぞれ、金属シート/板状材料からなる逆U字型部材として形成される。第一、第二および第三バッフル部材54、56、58の脚部は、図9において最もよくわかるように、直線的に間隔を置いて交互に形成された切り込みを有する。具体的には、第三バッフル部材58は、複数の長手方向に間隔を空けたプレート状タブ部分58aを含み、第一バッフル部材54の長手方向に間隔を空けたプレート状タブ部分54aと長手方向の位置が一致している。第二バッフル部材56は、複数の長手方向に間隔を空けたプレート状タブ部分56bを含み、これらはタブ部分54aとタブ部分58aとの間の空隙内に長手方向に配置される。このようなタブ部分54a、56b、58aの配置は、気体状冷媒の流れについて(空隙内に)曲がりくねった経路を形成し、気体冷媒の流れが衝突するが、気体状冷媒がバッフル部材54、56、58を通過してある程度流れる。
図8〜9において最もよくわかるように、キャノピー部材52は、中央部80と一対の側面部82とを有する。両側面部82は、互いに鏡像であることを除いて、互いに同一である。第一、第二および第三バッフル部材54、56、58は、中央部80に取り付けられ、図8に示すように、設置位置において、タブ部分54a、56b、58aは中央部80から下方に突出する。中央部80および第一、第二および第三バッフル部材54、56、58は、ボルト25を受け入れるための開口を有する。第三(分配)逆U字型部材24を固定するのに使用するナットが、第一バッフル部材54と接することによって、バッフル構造50を上方に間隔を空けて配置している。ナットがボルト25の自由端に取り付けられ、中央部80が分配部20の上方に位置するよう、バッフル構造50に固定される。分配部20は、冷媒分配アセンブリとも呼ばれる。中央部80によって、冷媒分配アセンブリの上端に取り付けられるキャノピー部材52の取り付け部が形成される。
中央部80は、平面形状の部分である。側面部82は、中央部80の側端から横方向に延びる。具体的には、側面部82は、長手方向中心軸Cに沿って見たときに、冷媒分配アセンブリ20の上方の位置から横方向外側および下方向に向かって延びる。各側面部82は、傾斜部分82a、垂直部分82b、およびフランジ部分82cを有する。各側面部82は、垂直部分82bの底端に形成された自由端を有する。自由端は、長手方向中心軸Cに沿って見たときに、長手方向中心軸Cを通過する垂直平面Vから冷媒分配アセンブリ20よりも遠い位置に配置され、図8においてわかるように、長手方向中心軸Cに沿って見たときに、冷媒分配アセンブリ20の最側端の上端(第二トレー部23の側端の上端)よりも低い位置に配置される。
冷媒分配アセンブリ20は、一対の最側端を有し、第二トレー部23の側端に形成される。トレー部23の上端は、冷媒分配アセンブリ20の横方向の最外端の上端を形成する。図示した実施形態において、一対の側面部82は、冷媒分配アセンブリ20の上方の位置から横方向外側および下方向に延び、その自由端が鉛直板32に(即ち、第二トレー23の底に対応する鉛直位置に)接するよう配置される。鉛直板32については、以下により詳細に述べる。ただし、側面部82の自由端が鉛直板32から上方に間隔を置いて配置されてもよいことは本開示から当業者には明らかであろう。図示した実施形態において、フランジ部分82cは、傾斜部分82aに対して垂直方向に、冷媒分配アセンブリ20に向かって延び、中央部80と垂直部分82bとからおよそ等しい間隔をもって配置される。
バッフル構造50によって捕獲された液滴は、第一トレー部22および/又は第二トレー部23に向かって誘導される。蒸気成分は、第一、第二および第三バッフル部材54、56、58を通じて横方向に、側面部82に沿って下方向に、およびその後向きを変えて側面部82の自由端で出口管12に向かって上方向に流れる。蒸気冷媒は、出口管12を介してコンプレッサ2に向かって放出される。バッフル構造50(即ち、キャノピー部材52)の構造によって、側面部82の自由端付近での蒸気冷媒の速度は、およそ0.7m/秒であり、一方従来のバッフル部材ではおよそ1.0m/秒である。このような0.7m/秒範囲での液滴は気体を伴わず、したがって、ほぼ全てが下方向に落下する。したがって、気体冷媒管には液体冷媒はほとんど導入されない。バッフル構造50(例えばキャノピー部材52)によって、伝熱ユニット(管束30)の構造に関係なく性能が向上する。
管束30は、分配部20の下方に配置されており、これにより、分配部20から放出される液体冷媒が管束30上へと供給される。図6に示すように、管束30は、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる複数の伝熱管31を有する。伝熱管31は、金属等の高い熱伝導率を有する材料で形成されている。伝熱管31には、好ましくは、冷媒と伝熱管31の内部を流れる水との間の熱交換をさらに促進するために内部溝および外部溝が形成されている。このような内部溝および外部溝を有する伝熱管は、当該技術において周知である。例えば、日立電線株式会社のサーモエクセル(登録商標)−Eを本実施形態の伝熱管31として用いることができる。図5に示すように、伝熱管31は、シェル10に固定して連結されて鉛直方向に延びる複数の支持板32によって支持される。
本実施形態において、管束30は、二経路(ツーパス)システムを形成するよう構成され、伝熱管31は、管束30の下部領域に配置された供給ライングループと、管束30の上部領域に配置された戻りライングループと、に分割される。図6に示すように、供給ライングループの伝熱管31の入口端部は、接続ヘッド部材13の入口水室13aを介して水入口管15と流体的に接続されており、これにより、蒸発器1に入る水が供給ライングループの伝熱管31へと分配される。供給ライングループの伝熱管31の出口端部および戻りライン管の伝熱管31の入口端部は、戻りヘッド部材14の水室14aと流体的に連通されている。したがって、供給ライングループの伝熱管31の内部を流れる水は水室14aへと放出され、戻りライングループの伝熱管31へと再分配される。戻りライングループの伝熱管31の出口端部は、接続ヘッド部材13の出口水室13bを介して水出口管16と流体的に連通されている。このように、戻りライングループの伝熱管31の内部を流れる水は、水出口管16を通って蒸発器1から出る。典型的なツーパス蒸発器において、水入口管15に入る水の温度を華氏約54度(約12℃)とでき、水出口管16から出ていく時、水は華氏約44度(約7℃)に冷却される。本実施形態においては、水が蒸発器1の同じ側で出入りするツーパスシステムを形成するよう蒸発器1が構成されているが、一経路(ワンパス)あるいは三経路(スリーパス)システム等の他の従来のシステムを用いることができることは、本開示から当業者には明らかであろう。また、ツーパスシステムにおいて、ここで例示した構成の代わりに、戻りライングループを供給ライングループの下方に又は横に並べて配置することもできる。
第一実施形態に係る蒸発器1の伝熱機構の詳細な構成を、図7を参照して説明する。図7は、図3の切断線7−7’に沿って見た蒸発器1の概略横方向断面図である。
上述の通り、二相状態の冷媒は、供給導管6を通って入口管11を介して分配部20の入口管部21に供給される。図7において、冷凍回路における冷媒のフローを概略的に示す。簡潔化のため、入口管11を省略している。分配部20に供給された冷媒の蒸気成分は、分配部20の第一トレー部22における液体成分から分離されて、出口管12を通って蒸発器1から出る。一方、二相の冷媒の液体成分は、第一トレー部22に貯留され、その後第二トレー部23に貯留されて、そして、第二トレー部23の放出孔23aから管束30に向かって下方へ放出される。
図7に示すように、管束30は、流下膜領域FFと、貯留領域Aと、浸漬領域FLとを有する。流下膜領域FFにおける伝熱管31は、液体冷媒の流下膜式蒸発を行うよう構成され配置される。より具体的には、分配部20から放出される液体冷媒が各伝熱管31の外壁に沿って層(すなわち膜)を形成し、そこで液体冷媒が蒸気冷媒として蒸発するとともに、伝熱管31の内部を流れる水から熱を吸収するように、流下膜領域FFにおける伝熱管31は構成される。図7に示すように、シェル10の長手方向中心軸Cと平行な方向から見て(図7のように)、流下膜領域FFにおける伝熱管31は、互いに平行に延びる複数の鉛直方向の列に配置されている。したがって、伝熱管31の列のそれぞれにおいて、冷媒は、重力によって一の伝熱管から他の伝熱管へと下方に落下する。伝熱管31の列は、第二トレー部23の第二放出開口部23aに対して配置され、第二放出開口部23aから放出される液体冷媒は、各列における伝熱管31のうち最も上方にある管上へと落ちる。図示した実施形態において、図7に示すように、流下膜領域FFにおける伝熱管31の列は、千鳥状に配置される。流下膜領域FFにおける伝熱管31のうちの2つの隣接する管の間の鉛直方向ピッチは実質的に一定である。同様に、流下膜領域FFにおける伝熱管31の列の2つの隣接する列の間の水平方向ピッチは実質的に一定である。
図7に示すように、流下膜領域FFにおいて蒸発しなかった液体冷媒は、重力によって、トラフ部40が配置される貯留領域A内へと連続的に落下する。トラフ部40は、貯留領域Aにおける伝熱管31がトラフ部40に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬されるように、上方から流下する液体冷媒を貯留するように構成され配置される。図7に示す例において、トラフ部40は、貯留領域Aにおける2行の伝熱管31に対して設けられる。
図7に示すように、トラフ部40は、二つの第一トラフ部分41と、三つの第二トラフ部分42と、を有する。図6に示すように、第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、伝熱管31の長手方向長さと実質的に同一の長手方向長さにわたって、シェル10の長手方向中心軸Cと略平行に延びる。図7に示すように、長手方向中心軸Cに沿って見て、トラフ部40の第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、シェル10の内面から間隔を空けて配置される。第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、金属、合金、樹脂等の種々の材料で形成できる。本実施形態においては、第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、鋼板(鋼板シート)等の金属材料で形成されている。第一トラフ部分41および第二トラフ部分42は、支持板32によって支持される。支持板32は、第一トラフ部分41の内部領域に対応する位置に配置された開口部(図示せず)を有しており、これにより、トラフ部分41のすべての区分(セグメント)が第一トラフ部分41の長手方向長さに沿って流体連通状態にある。したがって、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、トラフ部分41の長手方向長さに沿って、支持板32における開口部を介して流動する。同様に、支持板32には、第二トラフ部分42の内部領域に対応する位置に配置された開口部(図示せず)が設けられ、これにより、第二トラフ部分42のすべての区分(セグメント)が第二トラフ部分42の長手方向長さに沿って流体連通状態にある。したがって、トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、第二トラフ部分42の長手方向長さに沿って、支持板32における開口部を介して流動する。
図7に示すように、第一トラフ部分41は貯留領域Aにおける伝熱管31の最も下の行の下方に配置されており、第二トラフ部分42は貯留領域Aにおける伝熱管31の下から二番目の行の下方に配置されている。図7に示すように、貯留領域Aにおける下から二番目の行の伝熱管31は三つのグループに分割されており、第二トラフ部分42のそれぞれは、三つのグループのそれぞれの下方に配置されている。第二トラフ部分42の間に隙間が形成されており、これにより、液体冷媒が第二トラフ部分42から第一トラフ部分41に向かってオーバーフローする。
本実施形態においては、貯留領域Aにおける伝熱管31は、図7に示すように、管束30の両側において、貯留領域Aのそれぞれの行における伝熱管31のうち最も外側の管が、流下膜領域FFにおける伝熱管31の最も外側の列の外側に配置されるよう構成される。シェル10内の蒸気フローにより、液体冷媒のフローは、管束30の下側領域に向かうにつれて外側に広がる傾向があるので、図7に示すように、貯留領域Aのそれぞれの行において少なくとも1つの伝熱管を、流下膜領域FFにおける伝熱管31の最も外側の列の外側に配置することが好ましい。
第一トラフ部分41は、第二トラフ部分42よりも幅が広く、その数は少ない。各トラフ部分41は、底壁部41aおよび一対の側壁部41bを含む。同様に、各トラフ部分42は、底壁部42aおよび一対の側壁部42bを含む。側壁部41bおよび42bは、場所によって高さが異なる。それぞれのトラフ部分の側壁部41bおよび42bは、ある場所の高さ以外、互いに鏡像となっている。(場合によって)高さが異なることと互いに鏡像であることとを除けば、側壁部41bと42bとは互いに同じであり、したがって、便宜上同じ参照符号を付する。
本実施形態において、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って見たときに、貯留領域Aにおける伝熱管31は、水平な2行に配置される。トラフ部40は、長手方向中心軸Cに沿って見たときに、貯留領域Aの伝熱管31の水平な行の数に対応する、複数の層(本実施形態では二層)内の水平な行の下方に配置された、複数のトラフ部分41および42を含む。第一の(下部)層における側壁部41bのうちの二つが第一の(下部)層の最外側端を形成し、残りの数の側壁部41bが第一の(下部)層の内側壁部を形成する。第一の(下部)層の任意の内側壁部41bは、第一の(下部)層の最外側端を形成する側壁部41bのうちの二つよりも鉛直方向の高さが低い。同様に、第二の(上部)層における側壁部42bのうちの二つが第二の(上部)層の最外側端を形成し、残りの数の側壁部42bが第二の(上部)層の内側壁部を形成する。第二の(上部)層の任意の内側壁部42bは、第二の(上部)層の最外側端を形成する側壁部42bのうちの二つよりも鉛直方向の高さが低い。この配置は、図7および図10〜12において最もよく理解できる。
このように、各層のトラフ部分41/42の側壁部41b/42bのうちの二つは、層の最外側端を形成し、残りの数の側壁部41b/42bが層の内側壁部を形成し、各層の任意の内側壁部41b/42bは、層の最外側端を形成する側壁部41b/42bのうちの二つよりも鉛直方向の高さが低い。各層の内側壁部41b/42bは、底壁部41a/42aから、層の上方の水平な行における伝熱管31の少なくとも50%と重複する位置まで鉛直に延びる。図示した実施形態において、層の伝熱管31の50%は、内側壁部41b/42bと重複している。外側壁部41b/42bは、層の伝熱管の約100%と鉛直方向に重複する。したがって、各層をオーバーフローする液体冷媒は、内側壁部41b/42bからオーバーフローするが、層の最外側端を形成する側壁部41b/42bのうちの二つからはオーバーフローしない。
図示した実施形態において、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って見たときに、貯留領域Aの伝熱管31は、水平な2行に配置され、トラフ部40は、貯留領域Aに配置された伝熱管31の下を横方向に連続的に延びる。本実施形態において、D1は内側壁部41b/42bの重なり距離(高さ)を表し、一方D2は、最外側壁部41b/42bの重なり距離(高さ)を表す。上述のように、D1/D2≧0.5であることが好ましい。(例えば、図示した実施形態では、0.5)。
図10は、図7の領域Xの拡大断面図で、蒸発器1が通常条件で使用されている状態を概略的に示している。簡潔化のため、図8には伝熱管31の内部で流れる水を描画していない。図10に示すように、液体冷媒は流下膜領域FFにおいて伝熱管31の外面に沿って膜を形成し、液体冷媒の一部は蒸気冷媒として蒸発する。このように、液体冷媒が蒸気冷媒として蒸発するうちに、伝熱管31を伝って落下する液体冷媒の量は、管束30の下側領域に向かうにつれて減少する。さらに、分配部20からの液体冷媒の分配が均一でない場合には、管束30の下側領域に配置された伝熱管31にドライパッチが形成される可能性が高くなり、伝熱には不利益である。そのため、本発明の本実施形態において、トラフ部40は、管束30の下側領域に配置される貯留領域Aに配置され、これにより、上方から流下する液体冷媒を貯留し、貯留された冷媒をシェルCの長手方向に沿って再分配する。したがって、貯留領域Aにおけるすべての伝熱管31は、第一実施形態に係るトラフ部40に集められた液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。こうして、管束30の下側領域におけるドライパッチの形成を防止することができ、また、良好な蒸発器1の熱伝達効率を確保することができる。
例えば、図10に示すように、「1」と印した伝熱管31が冷媒をほとんど受けないとき、「1」と印した伝熱管の直下に配置された「2」と印した伝熱管31は、上方からの液体冷媒を受ける。しかしながら、液体冷媒が他の伝熱管31に沿って流れるため、液体冷媒は第二トラフ部分42に貯留される。したがって、第二トラフ部分42の直上の伝熱管31は、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。さらに、伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に部分的にのみ浸漬される(つまり、それぞれの伝熱管31の一部が露出している)場合であっても、トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、毛管現象により、図10に示す矢印のように、伝熱管31の外壁の露出面に沿って上昇する。したがって、第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒は、伝熱管31を通る水から熱を吸収すると同時に、沸騰および/又は蒸発する。さらに、第二トラフ部分42は、液体冷媒が第二トラフ部分42から第一トラフ部分41へとオーバーフローするよう設計されている。図10に示すように、第一トラフ部分41直上に配置された伝熱管31は、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。さらに、伝熱管31が第二トラフ部分41に貯留された液体冷媒に部分的にのみ浸漬される(つまり、それぞれの伝熱管31の一部が露出している)場合であっても、トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、毛管現象により、貯留された冷媒に少なくとも部分的に浸漬された伝熱管31の外壁の露出面に沿って上昇する。したがって、第一トラフ部分41に貯留された液体冷媒は、伝熱管31の内部を通る水から熱を吸収すると同時に、沸騰および/又は蒸発する。したがって、液体冷媒と、貯留領域Aにおける伝熱管31の内部を流れる水との間で、効果的に伝熱が行われる。
図11および図12を参照して、第一トラフ部分41および第二トラフ部分42の詳細な構造を、第二トラフ部分42の1つを用いて説明する。底壁部42aおよび側壁部42bは、液体冷媒が貯留される凹部を形成し、これにより、蒸発器1が通常条件で動作する時、伝熱管31が第二トラフ部分42に貯留された液体冷媒に少なくとも部分的に浸漬される。具体的には、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見て、第二トラフ部42の側壁部42bは、第二トラフ部42の直上に配置された伝熱管31と部分的に重なっている。図12は、シェル10の長手方向中心軸Cに垂直な水平方向に沿って見た、トラフ部分42および伝熱管31を示す。上述のように、重なり距離D1は、伝熱管31の高さ(外径)D2の2分の1以上(D1/D2≧0.5)に設定される。第一トラフ部分41が横方向に広いことを除いて、第一トラフ部分41は第二トラフ部分42と同じ構造を有する。したがって、液体冷媒は、内部側壁部41bからオーバーフローして、浸漬領域FLに流下する。これについて以下に説明する。
図7を再び参照すると、浸漬領域FLは、ハブシェル11の底部にある貯留領域の下方のグループに配置される複数の伝熱管31を含む。貯留領域Aと流下膜領域FFとを含む管束30の構成によって、浸漬領域FLの管31の数と浸漬領域FLの全体寸法(深さ)はより小さくできる。したがって、冷媒の量は、性能を低下させることなく減少させられる。
本実施形態において、流体導管8が、シェル10内部の浸漬領域FLに流体的に接続される。具体的には、シェル10は、導管8と流体連通する底部出口管17を有する。ポンプ装置8aが流体導管8に接続され、流体をシェル10の底部からコンプレッサ2に戻す。浸漬領域FLに貯留された液体が所定のレベルに到達して、液体をそこから蒸発器1の外部に放出する際には、ポンプ8aは選択的に動作可能である。図示した実施形態において、導管8は、浸漬領域FLの最底点に接続される。ただし、流体導管8は、浸漬領域の最底点から離れた場所で浸漬領域FLに連結可能であることが、本開示から当業者には明らかであろう。いずれにせよ、浸漬領域の最底点と浸漬領域内の液位に応じた位置との間の場所において(例えば、最底点と浸漬領域FLの管31の最上層との間の場所において)、流体導管8は、浸漬領域FLと流体的に接続するのが好ましい。さらに、ポンプ装置8aの代わりとしてエジェクタを使用可能であろうことは、本開示から当業者には明らかであろう。この場合、ポンプ装置8aがエジェクタで置き換えられると、エジェクタもまたコンプレッサ2から圧縮された冷媒を受け取る。エジェクタはその後、コンプレッサ2からの圧縮された冷媒と浸漬領域FLから受け取った液体とを混合可能であり、これによって、特定の油分濃度をコンプレッサ2に戻すよう供給可能である。ポンプ8a等のポンプ及び上述のようなエジェクタは、業界では周知であるので、さらに詳細には説明又は例示しない。
図示した実施形態において、蒸発器1に供給される冷媒は、油分を含んでいる(例えば、濃度0.5wt%)。冷媒/油分が蒸発器1内で熱交換及び蒸発を経ると、蒸発器1内の油分濃度は、液体が蒸発器の下部に移動するにつれて徐々に上昇する。例えば、本実施形態において、流下膜領域FFでの油分濃度は、0.5wt%と1wt%との間であろう。貯留領域Aでは、油分濃度は2wt%と10wt%との間であろう(例えば、上部トラフ部分42では2wt%で、下部トラフ部分41では10wt%)。浸漬領域FLでは、油分濃度は30wt%に到達するであろう。トラフ部40が以下の実施形態のように変形されたとしても、浸漬領域FLでの油分濃度は、30wt%に到達するであろう。ただし、ここに開示した配置によって、油分濃度は、下方向において徐々に増加可能であって、従来の技術ほどは伝熱に悪い影響を与えない。さらに、ここに開示した配置によって、浸漬領域の大きさは小さくでき、したがって、冷媒の量もまた少なくできる。
管束30およびトラフ部40の構成は、図7に示す構成に限定されない。本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更および変形が行えることは、本開示から当業者には明らかであろう。いくつかの変形例を以下に説明する。
<第一実施形態の変形例>
次に図13〜16を参照すると、第一実施形態の変形例に係る蒸発器1’が示される。蒸発器1’は、変形されたトラフ部40’を備えること以外、蒸発器1と同一である。このような第一実施形態の変形例と第一実施形態との類似点に鑑みて、第一実施形態の部品と同じ第一実施形態の変形例の部品には、第一実施形態と同一の参照符号を付す。さらに、第一実施形態の部品と同じ第一実施形態の変形例の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。さらに、ここで説明及び例示することを除いて、前述の実施形態の説明及び例示が第一実施形態の変形例にも当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。
変形されたトラフ部40’は、変形されたトラフ部40’が変形されたトラフ部分41’および42’を備えることを除いて、トラフ部40と同一である。変形されたトラフ部分41’および42’は、トラフ部分41’および42’の内側端において、層に配置された伝熱管の75%と重なるようにD1の寸法が設定されることを除いて、トラフ部分41および42と同じである。したがって、各トラフ部分41’は、底壁部41a’および一対の側壁部41b’を含む。同様に、各トラフ部分42’は、底壁部42a’および一対の側壁部42b’を含む。側壁部41b’および42b’は、場所によって高さが異なる。それぞれのトラフ部分の側壁部41b’および42b’は、ある場所の高さ以外、互いに鏡像となっている。(場合によって)高さが異なることと互いに鏡像であることを除けば、側壁部41b’と42b’とは互いに同じであり、したがって、便宜上同じ参照符号を付する。
<第二実施形態>
次に図17を参照して、第二実施形態に係る蒸発器201を以下に説明する。本第二実施形態は、変形されたトラフ部240を備えること以外、第一実施形態と同一である。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第一実施形態の説明及び例示が第二実施形態にも当てはまる。第二実施形態と第一実施形態との類似点に鑑みて、第一実施形態の部品と同じ第二実施形態の部品には、第一実施形態と同一の参照符号を付す。さらに、第一実施形態の部品と同じ第二実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。先に述べたとおり、本第二実施形態に係る蒸発器201は、蒸発器201が変形されたトラフ部240を備えること以外、第一実施形態の蒸発器1と同一である。具体的には、変形されたトラフ部240は、トラフ部分42を備えるが、第一形態からトラフ部分41が省略されている。トラフ部分41の伝熱管31もまた削除されて、変形された管束230を形成する。それ以外の点で、管束230(伝熱ユニット)は、管束30と同一である。
上述の相違点を除くと、本第二実施形態は、第一実施形態と同一である。したがって、本第二実施形態において、貯留領域Aの伝熱管31は、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って見たときに、(単一の)水平な行に配置され、トラフ部240は、長手方向中心軸Cに沿って見たときに、貯留領域Aの伝熱管31の水平な行の下方に配置された複数の横方向に配置されたトラフ部分42を有する。さらに、第一実施形態のように、各トラフ部分42は、底壁部42aおよび一対の側壁部42bを含む。側壁部42bのうちの二つはトラフ部240の最外側端を形成し、残りの数の側壁部42bは内側壁部を形成する。第一実施形態のように、内側壁部42bは、トラフ部240の最外側端を形成する側壁部42bのうちの二つよりも鉛直方向の高さが低い。さらに、第一実施形態のように、内側壁部42bは、底壁部から、水平な行における伝熱管31の少なくとも50%と重複する位置まで鉛直上方向に延びる。さらに、第一実施形態のように、シェル10の長手方向中心軸Cに沿って見て、横方向に関し、貯留領域Aの伝熱管31のうちの最外の管は、流下膜領域FFの伝熱管31の列の最外の列の外側に位置する。
<第二実施形態の変形例>
次に図18を参照すると、第二実施形態の変形例に係る蒸発器201’が示される。蒸発器201’は、変形されたトラフ部240’を備えること以外、蒸発器201と同一である。このような第二実施形態の変形例と第二実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第二実施形態の変形例の部品には、他の実施形態と同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第二実施形態の変形例の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。さらに、ここで説明及び例示することを除いて、前述の第二実施形態の説明及び例示が第二実施形態の変形例にも当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。
変形されたトラフ部240’は、変形されたトラフ部240’が第一実施形態の変形例の変形されたトラフ部分42’と同一の変形されたトラフ部分42’を備えることを除いて、トラフ部240と同一である。したがって、変形されたトラフ部分42’は、層に配置された伝熱管の75%と重なるようにD1の寸法が設定されることを除いて、トラフ部分42と同じである。
<第三実施形態>
次に図19を参照して、第三実施形態に係る蒸発器301を以下に説明する。本第三実施形態は、変形されたトラフ部340を備えること以外、第一実施形態と同一である。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第一実施形態の説明及び例示が第三実施形態にも当てはまる。第三実施形態と第一実施形態との類似点に鑑みて、第一実施形態の部品と同じ第三実施形態の部品には、同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第三実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。先に述べたとおり、本第三実施形態に係る蒸発器301は、蒸発器301が変形されたトラフ部340を備えること以外、第一実施形態の蒸発器1と同一である。具体的には、変形されたトラフ部340は、第一実施形態のトラフ部分41および42の代わりに単一のトラフ部分342を含む。トラフ部分342の構造によって、変形された管束330が形成される。それ以外の点で、管束330(伝熱ユニット)は、管束30と同一である。
トラフ部分342は、大きさ、形状および位置においてトラフ部分41に概ね対応し、単一層の冷媒管31のすべてがそこに配置可能である。トラフ部342は、底壁部342aと一対の側壁部342bとを含むことが好ましい。側壁部342bは、そこに配置される伝熱管31の層の100%と重なることが好ましい。上述の差異を除けば、本第三実施形態は、第一実施形態と同一である。
<第四実施形態>
次に図20を参照して、第四実施形態に係る蒸発器401を以下に説明する。本第四実施形態は、変形されたトラフ部440を備えること以外、第一実施形態と同一である。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第一実施形態の説明及び例示が第四実施形態にも当てはまる。第四実施形態と第一実施形態との類似点に鑑みて、第一実施形態の部品と同じ第四実施形態の部品には、同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第四実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。先に述べたとおり、本第四実施形態に係る蒸発器401は、蒸発器401が変形されたトラフ部440を備えること以外、第一実施形態の蒸発器1と同一である。具体的には、変形されたトラフ部440は、第一実施形態のトラフ部分41および42の代わりに単一のトラフ部分442を含む。トラフ部分442の構造によって、変形された管束430が形成される。それ以外の点で、管束430(伝熱ユニット)は、管束30と同一である。
トラフ部分442は、トラフ部分41および42より深い(約二倍深い)ので、二層の冷媒管31をそこに配置可能である。トラフ部442は、底壁部442aと一対の側壁部442bとを含むことが好ましい。側壁部442bは、そこに配置される伝熱管31の二層の100%と重なることが好ましい。上述の差異を除けば、本第四実施形態は、第一実施形態と同一である。
<第五実施形態>
次に図21を参照して、第五実施形態に係る蒸発器501を以下に説明する。本第五実施形態は、貯留領域Aの下方の浸漬領域FLに配置された伝熱管31の下方に配置される浸漬領域トレー90を備えること以外、第二実施形態と同一である。浸漬領域トレー90は、貯留領域Aの下方の浸漬領域FLの伝熱管31の全体寸法と形状に対応する寸法と形状を有する。浸漬部分トレー90があることによって、流体導管8は、伝熱管31が配置されたトレー90の流路と連通する。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第二実施形態の説明及び例示が第五実施形態にも当てはまる。第五実施形態と先行する実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第五実施形態の部品には、他の実施形態の部品と同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第五実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。
本第五実施形態に係る蒸発器501は、蒸発器501が浸漬部分トレー90を備えること以外、第二実施形態の蒸発器201と同一である。具体的には、浸漬部分トレー90は、浸漬領域FLに配置された伝熱管31のグループの下方に配置される。浸漬部分トレー90は、トラフ部分41および42のように伝熱管31の長さに沿って、中央軸Xに沿って長手方向に延びる。浸漬部分トレー90は、図21に示すような断面形状に曲げられた、押し出された、又は成形された、金属シート又は金属板のような堅い材料で構成されるのが好ましい。また、浸漬部分トレー90は、長手方向の長さ全体に沿って一定の断面を有することが好ましい。各鉛直板32は、開口部(図示せず)を有することが好ましく、これによって浸漬部分トレー90に受け入れた冷媒は浸漬部分トレー90内で長手方向に流れる。浸漬部分トレー90は基本的に、底壁部90a、一対の側壁部90b、一対の側端部90c、および底壁部90aから底部出口管17へと下方向に延びる流体連通管部90dとを備える。したがって、浸漬部分トレー90の流路は、流体導管8と連通する。本実施形態において、底壁部90aと一対の側壁部90bとは、そこに配置される伝熱管31のグループの全体寸法と形状に対応する寸法と形状とを有する。本実施形態において、底壁部90aと一対の側壁部90bとは、台形形状を有する。外側端部90cは、略平行に延びる。図示した実施形態において、浸漬領域の伝熱管31は、先行する実施形態とは若干違う構成であり、浸漬領域FLの容積を最小化しており、浸漬領域トレー90は、同じ寸法および形状を有する。それ以外の点で、管束530(伝熱ユニット)は、管束230と同一である。
<第五実施形態の変形例>
次に図22を参照すると、第五実施形態の変形例に係る蒸発器501’が示される。蒸発器501’は、第二実施態様の変形例のような変形されたトラフ部240’を備えること以外、蒸発器501と同一である。このような第五実施形態の変形例と第五実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第五実施形態の変形例の部品には、他の実施形態と同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第五実施形態の変形例の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。さらに、ここで説明及び例示することを除いて、前述の第五実施形態の説明及び例示が第五実施形態の変形例にも当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。
変形されたトラフ部240’は、上述の第二実施形態の変形例に開示されたものであり、したがって、簡潔にするためにここでは繰り返さない。それ以外の点で、本第五実施形態の変形例は、第五実施形態と同一である。
<第六実施形態>
次に図23を参照して、第六実施形態に係る蒸発器601を以下に説明する。本第六実施形態は、貯留領域Aの下方の浸漬領域FLに配置された伝熱管31の下方に配置される浸漬領域トレー90(即ち、第五実施形態のようなもの)を備えること以外、第一実施形態と同一である。浸漬領域トレー90は、貯留領域Aの下方の浸漬領域FLの伝熱管31の全体寸法と形状に対応する寸法と形状を有する。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第一実施形態の説明及び例示が第六実施形態にも当てはまる。第六実施形態と先行する実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第六実施形態の部品には、他の実施形態の部品と同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第六実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。
本第六実施形態に係る蒸発器601は、蒸発器601が(第五実施形態の)浸漬部分トレー90を備えること以外、第一実施形態の蒸発器1と同一である。浸漬部分トレー90については、第五実施形態ですでに説明しており、簡潔にするために説明は繰り返さない。図示した実施例において、浸漬領域の伝熱管31は、先行する実施形態とは若干違う構成であり(第五実施形態のように構成されており)、浸漬領域FLの容積を最小化して、浸漬領域トレー90は、同じ寸法および形状を有する。それ以外の点で、管束630(伝熱ユニット)は、管束30と同一である。
<第六実施形態の変形例>
次に図24を参照すると、第六実施形態の変形例に係る蒸発器601’が示される。蒸発器601’は、第一実施形態の変形例のように、変形されたトラフ部40’を備えること以外、蒸発器601と同一である。このような第六実施形態の変形例と第六実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第六実施形態の変形例の部品には、他の実施形態と同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第六実施形態の変形例の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。さらに、ここで説明及び例示することを除いて、前述の第六実施形態の説明及び例示が第六実施形態の変形例にも当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。
変形されたトラフ部40’は、上述の第一実施形態の変形例に開示されたものであり、したがって、簡潔にするためにここでは繰り返さない。それ以外の点で、本第六実施形態の変形例は、第六実施形態と同一である。
<第七実施形態>
次に図25を参照して、第七実施形態に係る蒸発器701を以下に説明する。本第七実施形態は、貯留領域Aの下方の浸漬領域FLに配置された伝熱管31の下方に配置される浸漬領域トレー90(即ち、第五実施形態のようなもの)を備えること以外、第四実施形態と同一である。浸漬領域トレー90は、貯留領域Aの下方の浸漬領域FLの伝熱管31の全体寸法と形状に対応する寸法と形状を有する。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第四実施形態の説明及び例示が第七実施形態にも当てはまる。第七実施形態と先行する実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第七実施形態の部品には、同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第七実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。
本第七実施形態に係る蒸発器701は、蒸発器701が浸漬部分トレー90を備えること以外、第四実施形態の蒸発器401と同一である。図示した実施例において、浸漬領域の伝熱管31は、先行する実施形態とは若干違う構成であり(第五実施形態のように構成されており)、浸漬領域FLの容積を最小化して、浸漬領域トレー90は、同じ寸法および形状を有する。それ以外の点で、管束730(伝熱ユニット)は、管束430と同一である。
<第八実施形態>
次に図26を参照して、第八実施形態に係る蒸発器801を以下に説明する。本第八実施形態は、分散した冷媒をトラフ部240の上方の伝熱管31に向かって戻すよう導くよう配置されたガイド部70を備えること以外、第二実施形態と同一である。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第二実施形態の説明及び例示が第八実施形態にも当てはまる。第八実施形態と先行する実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第八実施形態の部品には、同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第八実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。
本第八実施形態に係る蒸発器801は、蒸発器801がガイド部70を備えること以外、第二実施形態の蒸発器201と同一である。具体的には、ガイド部70は基本的に、トラフ部240の上端の向かい合う側面の鉛直位置に、管束230から上方および横方向外側に延びる一対の側面部72を有する。いずれの場合にも、ガイド部70は、トラフ部240の上端の鉛直位置に、管束230から上方および横方向外側に延びる少なくとも一つの側面部72を有する。図4〜6において最もよくわかるように、各側面部72は鉛直板32に溶接された複数の別々の部分で形成される。
ガイド部70の各側面部72は、シェル10の長手方向中心軸Cを通る水平面Pに対して10度から45度の間で傾斜する傾斜部分72aを備える。各傾斜部分72aが、水平面Pに対して30度から45度の間で傾いていることがより好ましい。図示した実施形態において、各傾斜部分72aは、水平面Pに対して約40度傾斜している。図7に示すように、側面部72および傾斜部分72aは、その向きが互いに鏡像であることを除いて、互いに同一である。図示した実施形態において、各側面部72は、ただ一つの傾斜部分72aからなる。なお、必要があればおよび/又は所望であれば、各側面部72が、1つ以上の追加的な部分を有することができることは、本開示から当業者には明らかであろう。
<第八実施形態の変形例>
次に図27を参照すると、第八実施形態の変形例に係る蒸発器801’が示される。蒸発器801’は、第二実施形態の変形例のように、変形されたトラフ部240’を備えること以外、蒸発器801と同一である。このような第八実施形態の変形例と第八実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第八実施形態の変形例の部品には、他の実施形態と同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第八実施形態の変形の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。さらに、ここで説明及び例示することを除いて、前述の第八実施形態の説明及び例示が第八実施形態の変形例にも当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。
変形されたトラフ部240’は、上述の第二実施形態の変形例に開示されたものであり、したがって、簡潔にするためにここでは繰り返さない。それ以外の点で、本第八実施形態の変形例は、第八実施形態と同一である。
<第九実施形態>
次に図28を参照して、第九実施形態に係る蒸発器901を以下に説明する。本第九実施形態は、本第九実施形態がガイド部70(第八実施形態のようなもの)を備えること以外、第一実施形態と同一である。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第一実施形態の説明及び例示が第九実施形態にも当てはまる。第九実施形態と先行する実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第九実施形態の部品には、同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第九実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。
本第九実施形態の蒸発器901は、蒸発器901が(第八実施形態の)ガイド部70を備えること以外、第一実施形態の蒸発器1と同一である。ガイド部70は、第八実施形態において既に説明しており、したがって、簡潔にするためにここでは説明を繰り返さない。
<第九実施形態の変形例>
次に図29を参照すると、第九実施形態の変形例に係る蒸発器901’が示される。蒸発器901’は、第一実施形態の変形例のように、変形されたトラフ部40’を備えること以外、蒸発器901と同一である。このような第九実施形態の変形例と第九実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第九実施形態の変形の部品には、他の実施形態と同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第九実施形態の変形例の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。さらに、ここで説明及び例示することを除いて、前述の第九実施形態の説明及び例示が第九実施形態の変形例にも当てはまることは、本開示から当業者には明らかであろう。
変形されたトラフ部40’は、上述の第一実施形態の変形例に開示されたものであり、したがって、簡潔にするためにここでは繰り返さない。それ以外の点で、本第九実施形態の変形例は、第九実施形態と同一である。
<第十実施形態>
次に図30を参照して、第十実施形態に係る蒸発器1001を以下に説明する。本第十実施形態は、本第十実施形態がガイド部70(第八実施形態のようなもの)を備えること以外、第四実施形態と同一である。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第四実施形態の説明及び例示が第十実施形態にも当てはまる。第十実施形態と先行する実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第十実施形態の部品には、同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第十実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。
第十実施形態の蒸発器1001は、蒸発器1001が(第八実施形態の)ガイド部70を備えること以外、第四実施形態の蒸発器401と同一である。ガイド部70は、第八実施形態において既に説明しており、したがって、簡潔にするためにここでは説明を繰り返さない。
<第十一実施形態>
次に図31を参照して、第十一実施形態に係る蒸発器1101を以下に説明する。本第十一実施形態は、本第十一実施形態がガイド部70(第八実施形態のようなもの)を備えること以外、第七実施形態と同一である。したがって、ここで説明及び例示することを除いて、第七実施形態の説明及び例示が第十一実施形態にも当てはまる。第十一実施形態と先行する実施形態との類似点に鑑みて、他の実施形態の部品と同じ第十一実施形態の部品には、同一の参照符号を付す。さらに、他の実施形態の部品と同じ第十一実施形態の部品については、簡潔にするためにその説明を省略する。
第十一実施形態の蒸発器1101は、蒸発器1101が(第八実施形態の)ガイド部70を備えること以外、第七実施形態の蒸発器701と同一である。ガイド部70は、第八実施形態において既に説明しており、したがって、簡潔にするためにここでは説明を繰り返さない。
<実施形態の効果>
上述の実施形態に開示された構造の効果を以下に説明する。ハイブリッド流下膜型蒸発器において、トレー(即ち、貯留領域Aにおいて)は、流下膜型の上部部分と浸漬型の下部部分との間に設けられ、伝熱管がそこに設けられて油分が徐々に凝縮する。油分は最終的には浸漬型の下部部分(FL)において凝縮される。このような構成によれば油分が徐々に凝縮される。
上部部分(FF)から落下する冷媒は、シェル10に向かって分散することがある。分散した冷媒が浸漬領域(FL)に落下すれば、浸漬部分(FL)で処理すべき冷媒が増えることになる。このような状況を避けるために、ガイド70が設けられ、分散した冷媒をトラフ部40(即ち、貯留領域A内)に戻し、冷媒はトラフ部40で処理される。さらに、ガイド70を設けることで、凝縮がより効率的に行える。
開示した実施形態によれば、液体が下方向に流れるにつれて油分の濃度が徐々に変化するので、浸漬型部分以外でのトラフ部40(即ち、貯留領域Aでの)での伝熱性能が向上する。したがって、熱交換の能力を同じにしながら、伝熱管の数を減らすことができる。さらに、浸漬領域FLの大きさを小さくすることで、冷媒の量が減少する。浸漬部分トレー90によってさらに浸漬領域(FL)の大きさが減らせるので、必要な冷媒の量が更に減らせる。
従来の技術を用いた浸漬領域FLにおいて、油分は最終的な濃度30wt%に混合される。しかしながら、開示された実施形態によれば、流下膜領域FFと浸漬領域FLとの間にトラフ部40を設けることで、油分がさらに段階的に凝縮可能となる。したがって、従来の技術において起こるような低性能の場合が減り、全体的な伝熱性能が向上する。
一般的な浸漬部分において、伝熱管が設けられないエリアが多くあり、さらに、比較的大量の冷媒が必要となる。しかしながら、浸漬領域に管の大きさおよび形状に応じた浸漬部分トレー90を設けることで、このような無効のエリアが大きく減り、冷媒の量も更に減らせる。
従来の技術によれば、米国特許5,561,987号では浸漬部分は25%以下であり、米国特許5,839,294号では25%以上、約50%が好ましい。米国特許公開公報2011/0017432の請求項には記載がないが、製品を分解して内部を確認したところ約33%であった。
一方、本発明によれば、貯留領域Aおよび浸漬領域FLの総熱交換面積は、管束30の総熱交換面積の30%以下である。言い換えれば、貯留領域Aの伝熱管31の数および浸漬領域FLの伝熱管31の数の総数は、管束における伝熱管31の総数の30%以下であることが好ましい。図示した実施形態において、伝熱管31はすべて同じ外形寸法を有し、このような場合、管の数が上述の比率に対応する。なお、管の大きさが異なる場合には、貯留領域Aと浸漬領域FLとの熱交換面積の総和は、管束30の総熱交換面積の30%以下となる。本出願の図面は、便宜上簡略されている。言い換えれば、ここに図示した領域における管の正確な数は、すべての実施形態においてこの段落で議論している比率には対応しないかもしれない。ただし、簡略化した図面が正確な比率を示すよう意図されたものではなく、実施形態の概略の構造を示したものであることは、本開示から当業者には明らかであろう。図示した実施形態において、0.5wt%の油分濃度の冷媒が蒸発器1に供給される場合、上述の比率が望ましい。
ただし、流下膜型の部分以外の部分に関しては、必要な比率は油分の濃度に依存して変化する。濃度が約0.1wt%と小さくなると、米国特許5,561,987号に記載のように25%以下となる(十分な効果は15〜25%で得られる)。濃度が約0.5wt%の場合には、先の段落で記載のように、比率は約30%となりうる。
濃度が約0.5〜1wt%の場合には、比率はおそらく約30%〜50%となる。濃度がもっと高い場合には、取り出しの際に運び去られる液体冷媒の量が多くなるので、システムは作動しない。図示した実施形態の実際の動作時には、上述のように約0.5wt%の油分濃度が好ましく用いられるであろう。
貯留領域Aの浸漬領域FLに対する比率は、およそ50:50であることが好ましい。いずれの場合にも、この比率は、1:2以上であって、2:1以下であることが好ましいが、40:60と60:40との間であることがより好ましく、約50:50であることがさらに好ましい。このように、油分濃度は貯留領域Aで徐々に上昇し、最終的に底部の浸漬領域FLにおいて所定の濃度(例えば30wt%)にまで上昇する。
<用語の一般的な説明>
本発明の範囲の理解する際、ここで用いられる用語である「備える」およびその派生語は、記載された特徴、要素、部品、群、整数、および/又はステップの存在を規定するが、記載されていない特徴、要素、部品、群、整数、および/又はステップの存在を排除するものではないオープンエンドの用語を意図する。上述のことは、用語「含む」、「有する」およびそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形で用いられる「パート」、「部分」、「部」、「部材」あるいは「要素」という用語は、単一のパーツあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。以上の実施形態の説明に用いられる、以下の用語、「上部」、「下部」、「上方」、「下向き」、「鉛直」、「水平」、「下方」、「横方向」や他の同様な方向を示す用語は、図6および図7に示すように蒸発器の長手方向中心軸が実質的水平に配置されたときの、蒸発器の方向を示す用語として使用される。したがって、本発明の説明に用いられるこれらの用語は、通常の動作位置において用いられている蒸発器に対して解釈される。さらには、本明細書は、「実質的」、「約」、「およそ」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いられる。
本発明の説明のためにいくつかの選ばれた実施例だけが選択されたが、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱しない範囲で、種々の変更、変形ができることは、本開示から当業者には明らかであろう。例えば、必要に応じておよび/又は望まれるように、種々の構成要素の大きさ、形状、配置、向きを変更できる。互いに直接的に接続あるいは接触するよう示した構成要素は、それらの間に中間構造体を有することができる。1つの要素の機能は、2つの要素によって達成することができ、またその逆の場合も同様である。一の態様の構造および機能を他の態様に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の態様にもたらされる必要はない。先行技術にはないそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴と組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的なあるいは機能的な思想を含む出願人によるさらなる発明の別の内容として考慮されるものとする。このように、前述の本発明に係る実施例の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物によって定義される本発明を限定するものではないことは、本開示から当業者には明らかであろう。
米国特許5,839,294号 米国特許7,849,710号



  1. 蒸気圧縮システムにおいて用いられるよう構成される熱交換器であって、
    長手方向中心軸が水平面と略平行に延びるシェルと、
    前記シェルの内部に配置され、冷媒を分配するよう構成され配置される分配部と、
    前記シェルの前記長手方向中心軸と略平行に延びる複数の伝熱管を含む管束であって、前記分配部から放出される前記冷媒が該管束上に供給されるよう、前記シェルの内部において前記分配部の下方に配置され、
    前記分配部の下方に配置される流下膜領域と、
    前記流下膜領域の下方に配置される貯留領域と、
    前記シェルの底部であって前記貯留領域の下方に配置される浸漬領域と、
    を有する管束と、
    前記貯留領域の少なくとも1つの前記伝熱管の下で前記シェルの前記長手方向中心軸と略平行に延び、内部に前記冷媒を貯留するトラフ部であって、前記シェルの前記長手方向中心軸に垂直な水平方向に沿って見て、前記貯留領域の前記少なくとも1つの伝熱管と少なくとも部分的に重なっているトラフ部と、
    を備える、熱交換器。

  2. 前記トラフ部の上端の鉛直位置において、前記管束から上方および横方向外側に延びる少なくとも一つの側面部を含むガイド部、を更に備える、
    請求項1に記載の熱交換器。

  3. 前記貯留領域の前記伝熱管は、前記シェルの前記長手方向中心軸に沿って見て、水平行に配置される、
    請求項1又は2に記載の熱交換器。

  4. 前記トラフ部が、前記長手方向中心軸に沿って見て前記貯留領域の前記伝熱管の前記水平行の下方に連続して配置される単一のトラフ部分を含む、
    請求項3に記載の熱交換器。

  5. 前記トラフ部が、前記長手方向中心軸に沿って見て前記貯留領域の前記伝熱管の前記水平行の下方に配置される横方向に配置された複数のトラフ部分を含む、
    請求項3に記載の熱交換器。

  6. 各トラフ部分は、底壁部と、一対の側壁部と、を含み、
    前記側壁部のうちの二つが前記トラフ部の最外側端を形成し、前記側壁部のうちの残りの部分が内側壁部を形成し、
    前記内側壁部は、前記トラフ部の前記最外側端を形成する前記側壁部のうちの前記二つよりも鉛直方向の高さが低い、
    請求項5に記載の熱交換器。

  7. 前記内側壁部は、前記底壁部から、前記水平行における前記伝熱管の少なくとも50%と重複する位置まで鉛直上方に延びる、
    請求項6に記載の熱交換器。

  8. 前記貯留領域の前記伝熱管は、前記シェルの前記長手方向中心軸に沿って見た際に、少なくとも2つの水平行に配置される、
    請求項1又は2に記載の熱交換器。

  9. 前記トラフ部は、前記長手方向中心軸に沿って見て、前記貯留領域の前記伝熱管の複数の前記水平行に対応する、複数の層内の前記水平行の下方に配置された複数のトラフ部分を含む、
    請求項8に記載の熱交換器。

  10. 各トラフ部分は、底壁部と、一対の側壁部と、を含み、
    各層における前記トラフ部分の前記側壁部のうちの二つが該層の最外側端を形成し、前記側壁部のうちの残りの部分が該層の内側壁部を形成し、
    各層の任意の内側壁部は、該層の前記最外側端を形成する前記側壁部のうちの前記二つよりも鉛直方向の高さが低い、
    請求項9に記載の熱交換器。

  11. 各層の前記内側壁部は、前記底壁部から、該層の上方の前記水平行における前記伝熱管の少なくとも50%と重複する位置まで鉛直上方に延びる、
    請求項10に記載の熱交換器。

  12. 前記貯留領域の前記伝熱管は、前記シェルの前記長手方向中心軸に沿って見た際に、2つの水平行に配置され、
    前記トラフ部は、前記貯留領域に配置された前記伝熱管の下に横方向に連続的に配置された単一のトラフ部分を含む、
    請求項1又は2に記載の熱交換器。

  13. 前記貯留領域の下方の前記浸漬領域内に配置された前記伝熱管の下方に配置される浸漬領域トレー、を更に備える、
    請求項1から12のいずれか1項に記載の熱交換器。

  14. 前記浸漬領域トレーは、前記貯留領域の下方の前記浸漬領域の前記伝熱管の全体の寸法および形状に対応する寸法および形状を有する、
    請求項13に記載の熱交換器。

  15. 前記貯留領域内の前記伝熱管の数と前記浸漬領域内の前記伝熱管の数の総数が、前記管束の前記伝熱管の総数の30%以下である、
    請求項1から14のいずれか1項に記載の熱交換器。

 

 

Patent trol of patentswamp
類似の特許
本発明の内燃機関(M)は、水放熱器(20)および潤滑油回路(30)に関連付けられた冷却水回路(23)を備える。熱交換器(HE)は、冷水導管(22)および冷却水回路(23)により水放熱器(20)の出口(20b)に、ならびに戻り導管(24)および熱水導管(21)により水放熱器(20)の入口(20a)に直列に接続された水入口(41a)および水出口(41b)と、エンジン(M)への燃料供給部に選択的に接続された燃料入口ノズル(42a)および燃料出口ノズル(42b)と、それぞれの油導管(34、33)により潤滑油回路(30)に接続された潤滑油入口(43a)および潤滑油出口(43b)とを備える。
本発明は、エンタルピー交換器の作製を可能にし、これにより顕エネルギー交換効率及び潜エネルギー交換効率を変化及び制御、ならびに特に改善することができるエンタルピー交換器エレメントを提供する。a)板の外寸内での所定の穿孔パターン(2、2、・・・)に従って平板エレメント(1)を穿孔する工程、または細孔構造をあらかじめ備えている板エレメント(1)を準備する工程;b)この板エレメント(1)の少なくとも1側面(1a)に、水蒸気透過特性(水蒸気透過度、WVTR)を有するポリマー薄膜(3)を塗布する工程;c)波形パターン(4、4、・・・)を示す所望の形状に上記の板エレメント(1)を成形し、これによりこの板エレメント(1)と同じ波形パターン形状に上記のポリマー膜(3)を成形する工程を含む、エンタルピー交換器エレメントの製造方法も提供する。
【選択図】図2
熱交換器 // JP2016525205
熱交換器(1,1A,1B,1C,1D,1E,1F,101,201,201A,201B,201C,301,401,401',501,501',601,701,701')は、シェル(10)と、冷媒分配アッセンブリ(20,420)と、熱伝達ユニット(30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,230,230A,230B,230C,330,430,530,630,730)と、キャノピー部材(452)と、を備える。冷媒分配アッセンブリ(20,420)は、シェル(10)に入る冷媒を受け、その冷媒を放出する。冷媒分配アッセンブリ(20,420)は、少なくとも一つの横方向最外側端部を有する。冷媒分配アッセンブリ(20,420)から放出された冷媒が熱伝達ユニット(30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,230,230A,230B,230C,330,430,530,630,730)に供給されるよう、熱伝達ユニット(30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,230,230A,230B,230C,330,430,530,630,730)は冷媒分配アッセンブリ(20,420)の下方に配置される。熱伝達ユニット(30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,230,230A,230B,230C,330,430,530,630,730)は複数の伝熱管(31)を有する。キャノピー部材(452)は、冷媒分配アッセンブリ(20,420)の上方の位置から横方向外側にかつ下方へ延びる少なくとも一つの側方部(482)を有する。側方部(482)は、鉛直面(V)から冷媒分配アッセンブリ(20,420)よりもさらに遠方に、かつ冷媒分配アッセンブリ(20,420)の横方向最外側端部の上部縁より下側に配置される、自由端を有する。
【選択図】図29
【課題】 熱を回収、蓄積および供給する一体型太陽エネルギ乾燥システムを提供する。
【解決手段】 本システムは、太陽エネルギ温室と、太陽エネルギ熱蓄積床と、空気凝縮器と、湿式集塵器と、各装置を連結する管および弁と、ブロワーを含む。太陽エネルギ温室は、床板に多孔質コンクリート板を有する枠構造である。太陽エネルギ熱蓄積床は、上側および下側空気箱と、多数の太陽エネルギ回収蓄積管と、密封室を含む。空気凝縮器は円柱形構造であり、その両端には空気の流入および流出のための開口が設けられ、その上側開口および下側開口には気体室が設けられ、それらは空気管により連結される。空気入口は太陽エネルギ温室の床の下方に設けられ、また2個の空気出口は床の上方に設けられる。太陽エネルギ温室の空気入口および一方の空気出口、太陽エネルギ熱蓄積床の上側空気箱、空気凝縮器の上側気体室、空気凝縮器の空気出口はそれぞれ管により連結される。太陽エネルギ温室の他方の空気出口、太陽エネルギ蓄積床の下側空気箱および空気凝縮器の空気出口は管により連結されるとともに、空気凝縮器の下側気体室は湿式集塵器に連結される。
【選択図】図1
本出願は、滅菌容器の滅菌状態表示手段を生成するための相転移物質20の使用と、相転移物質20を含む液密ケース10を備える、滅菌容器用の滅菌状態表示手段に関する。このアセンブリでは、ケース10のケース壁11、12は、少なくとも1つの透明領域14及びアクチベータ15を備え、アクチベータ15は、活性化エネルギ及び/又は種結晶を放出するために作動され得る。アクチベータ15は相転移物質20と接触している。さらに、本出願は容器槽部と容器蓋を備え、滅菌状態表示手段を有する滅菌容器を開示する。滅菌状態表示手段は容器槽部か容器蓋のどちらか一方上に設けられており、アクチベータ15は、滅菌容器の閉状態では、容器槽部と容器蓋のうちの他方の要素に直接的に又は間接的に接続されている。
【選択図】図1
本発明は、伝熱流体用の入口と出口との間における伝熱流体又は冷媒の通流のためのダクト(5)の回路を含むベース(3)と、前記ベース(3)に取付けられ、熱制御されるべきバッテリに接触することが意図され、前記ダクトを覆う接触プレート(7)と、を備え、前記ベース(3)は成形プラスチック材料からなり、前記接触プレート(7)は熱伝導性材料にて作製されている、バッテリ熱管理のための熱交換プレート(1)に関する。また、本発明は、このような熱交換プレート(1)の製造方法に関する。
熱交換器(HE)は、エンジン(M)に着座され固着された接続ブロック(100)に着座され固着された第1のステージ(E1)および第2のステージ(E2)を有する。第1のステージ(E1)は、エンジン(M)への燃料供給部に接続された燃料入口ノズル(42a)および燃料出口ノズル(42b)を有し、接続ブロック(100)は、エンジン(M)の冷却水回路(23)の出口(23b)を第1のステージ(E1)の水入口(41a)と連通させる戻り導管(101)、第1のステージ(E1)の水出口(41b)を第2のステージ(E2)の水入口(43a)と連通させる相互接続導管(102)、第2のステージ(E2)の水出口(43b)を、出口(20b)を有する水放熱器(20)の入口(20a)と連通させる出口導管(103)、ならびにエンジン(M)の潤滑油回路(30)を第2のステージ(E2)と連通させる2つの油導管(104、105)を画定する。
本発明は、レーザー装置を冷却する冷却装置(100)と、このような少なくとも2つの冷却装置(100)を含むレーザーシステムについて説明する。本発明は、冷却装置(100)及びレーザーシステムの製造方法についてさらに説明する。冷却装置(100)は、レーザー装置のための取付領域(105)と、この取付領域を冷却するように配置された冷却チャネルを含む冷却容積(140)と、冷却容積(140)の冷却チャネルに接続された冷却液入口及び冷却液出口(150,145)と、冷却液入口(150)に接続された第1の冷却液供給貫通孔(110)と、冷却液出口(145)に接続された第2の冷却液供給貫通孔(111)と、を含む。冷却装置(100)は、第2の冷却装置(100)に対する着脱自在な相互接続を可能にする少なくとも1つの結合要素(115,130,135)をさらに含み、それによって、冷却装置(100)を第2の冷却装置(100)に相互接続する際に、冷却装置(100)の第1の冷却液供給貫通孔(110)は、第2の冷却装置(100)の第1の冷却液供給貫通孔に接続され、冷却装置(100)の第2の冷却液供給貫通孔(111)は、第2の冷却装置(100)の第2の冷却液供給貫通孔に接続される。冷却装置(100)は、冷却液を、第1の冷却液供給貫通孔(110)及び第2の冷却液供給貫通孔(111)を介して冷却容積に供給することができるように配置される。冷却装置(100)によって、コスト効果の高い且つスケーラブルな(拡張性を有する)レーザーシステムが可能になる。
To top