相乗的多相水素化物合金

著者らは特許

C22C19/03 - ニッケルを基とする合金
C22C19/007 - コバルトを基とする合金
H01M4/38 - 元素または合金

の所有者の特許 JP2016528676:

オヴォニック バッテリー カンパニー インコーポレイテッド

 

水素貯蔵合金材料が、AB型構造を有する一次相と、当該合金の電気化学的特性を向上させるB2構造を有する二次相とを含む。一次相のA成分はLa及びCeを含み、一次相のB成分はNi、Co、Al及びMnを含む。二次相はAl、Mn及びNiを含み得る。当該合金材料を含む電池システムも開示される。

 

 

本発明は、合金材料及びその製造方法に関する。本発明は詳しくは、水素の吸脱着能力を有する金属水素化物合金材料に関する。本発明は詳しくは、金属水素化物合金材料であって、一次相と、当該合金の電気化学的特性を向上させる二次相とを含む金属水素化物合金材料に関する。
関連出願の相互参照
本願は、2013年6月25日出願の米国特許出願第13/926,134号に従属しかつその優先権を主張し、その全内容がここに参照として組み入れられる。
業界で周知のように、所定の金属水素化物合金材料は、水素の吸脱着能力を有する。こうした材料は、金属水素化物/空気電池システムを含む燃料電池及び金属水素化物電池のための水素貯蔵媒体及び/又は電極材料として使用することができる。
金属水素化物セルにおいてカソード及び金属水素化物アノード間に電位が適用されると、負極材料(M)が、水素の電気化学的吸着及び水酸化物イオンの電気化学的放出によって充電され、放電時には、貯蔵された水素が解放されて水分子が形成かつ電子が放出される。ニッケル金属水素化物セルの正極において生じる反応もまた、可逆的である。ほとんどの金属水素化物セルは、水酸化ニッケル正極を使用する。以下の充電及び放電反応が、水酸化ニッケル正極において生じる。

水酸化ニッケル正極及び水素貯蔵負極を有する金属水素化物セルにおいて、これらの電極は典型的に、不織布、フェルト、ナイロン又はポリプロピレンのセパレータによって分離される。電解質は通常、例えば20〜45重量パーセントの水酸化カリウムのようなアルカリ性電解液である。
金属水素化物電池システムにおいて有用性がある金属水素化物材料の一つの特定的な群は、メンバー成分の元素が占有する結晶サイトを参照するとABクラスの材料として知られる。AB型材料は、例えば、その開示がここに参照として組み入れられる特許文献1及び2に開示される。かかる材料は、改質されたLaNi型及びTiVZrNi型活物質を含むがこれらに限られない。これらの材料は、水素を貯蔵するべく可逆的に水素化物を形成する。
AB水素化物合金材料、特にAB合金ベースのミッシュメタルは、AB材料の一つの型であって、ニッケル金属水素化物(NiMH)電池において電極材料として大々的に使用されている。最も一般的に用いられるAB合金の定式化配合は、La、Ce、Pr及びNdをAサイトに、並びにNi、Co、Al及びMnをBサイトに含む化学量論組成である。かかるAB合金材料の調製は一般に、かかる材料の調製において形成され得る任意の二次相を排除することによって組成を均質化するアニーリングステップを含む。先行技術が教示するのは、アニーリングプロセスが、材料の圧力−濃度−温度(PCT)等温線におけるプラトー領域を平坦かつ低下させるべく動作し、ひいては当該材料の可逆的水素貯蔵容量、電気化学的放電容量及び粒子サイズを増加させることである。さらには、粒子サイズの増加が一般に、サイクル安定性を改善する一方で高率放電能力を減少させることもわかっている。
米国特許第5,536,591号明細書 米国特許第6,210,498号明細書 特許第4087454号公報 特開2009−054514号公報 特開2012−067357号公報 特開平10−237563号公報 特開2011−102433号公報
本発明が先行技術を覆して認識するのは、AB材料における二次相の存在が、バルク合金の電気化学的特性を改善するべく、例えば容量及び/又は高率放電の改善によって作用するということである。さらに、本発明の合金が、Pr又はNdのような高価な成分を含まない金属混合物から調製できることもわかっている。本発明のこれら又は他の利点が、以下の図面、議論及び説明から明らかとなる。
開示されるのは、xが1〜6の範囲にあるAB型水素貯蔵合金である。合金は、一次相からなり、さらには二次相を含む。二次相は、当該合金の電気化学的特性を、容量又は高率放電の少なくとも一つを改善することによって、二次相を含まない同様の組成の合金よりも向上させる。本発明の合金はさらに、Pr又はNdをなんら含まないことも特徴とし得る。特定例において、合金はAB型合金であり、かかる例において一次相はCaCu結晶構造を有し得る。他の実施形態において、一次相は、AB、A、A19及びABからなる群から選択される。ここで、Aは、少なくとも一つのアルカリ土類元素と少なくとも一つの希土類元素との組み合わせであり、Bは、Al、Si、Sn、遷移金属、及びこれらの組み合わせから選択され、当該合金は、当該少なくとも一つのアルカリ土類元素の10原子パーセント以下と当該少なくとも一つの希土類元素の10原子パーセント以下とを包含する。
特定例において、一次相のA成分は、xが0.33よりも大きくかつ0.66以下のときのLa1−xCeであり、当該一次相のB成分は、少なくともNi、Co、Al及びMnを含み、当該一次相は、yが−1から0.9の範囲にあるときの組成AB5+yを有する。いくつかの特定例において、一次相のB成分はさらに、Cu、Si又はZrの少なくとも一以上を含み得る。
本発明の所定の実施形態において、二次相は少なくともAl、Mn及びNiを含む。特定例において、二次相はB構造を有する。本発明のいくつかの実施形態において、二次相は、体積ベースで合金の1〜15%、特定例では合金の2〜10%を含む。
本発明の特定の合金は、合金を含む原材料が混合され、溶融され、及び固化可能とされるときに、自発的に一次及び二次相を形成することを特徴とする。本発明の一つの特定合金は、La、Ce、Ni、Co、Mn、Al、Cu、Si及びZrを含むバルク混合物から調製される。
一シリーズの合金の、アニーリング前のX線回折パターンを例示する。 図1aの合金の、アニーリング後のX線回折パターンを例示する。 図2aは、一シリーズの合金に対する格子定数a及びcのプロットをCe含有量の関数として示し、図2bは、この群の合金に対する格子定数比c/aのプロットをCe含有量の関数として示す。 本発明の当該シリーズの鋳放し合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズの鋳放し合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズの鋳放し合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズの鋳放し合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズの鋳放し合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズの鋳放し合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズのアニーリング済み合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズのアニーリング済み合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズのアニーリング済み合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズのアニーリング済み合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズのアニーリング済み合金からのSEM後方散乱電子画像である。 本発明の当該シリーズのアニーリング済み合金からのSEM後方散乱電子画像である。 図5aは、本発明の、鋳放し状態における2つの特定合金の様々な成分の設計及び測定された原子パーセントを示し、図5bは、当該合金のアニーリング済み状態における組成を示す。 本発明の2つの鋳放し合金の水素貯蔵特性を示すグラフである。 当該合金のアニーリング後の水素貯蔵特性を示すグラフである。 本発明の2つの他の鋳放し合金の水素貯蔵特性を示すグラフである。 当該2つの他の合金のアニーリング後の水素貯蔵特性を示すグラフである。 本発明の鋳放し及びアニーリング済み材料の水素化物安定性を、先行技術による比較データとともに単位セル体積の関数として示すグラフである。 本発明の鋳放しの合金の一シリーズに対し、放電容量をサイクル数の関数として示すグラフである。 対応するアニーリング済み合金の放電容量対サイクル数のグラフである。 本発明の、鋳放し及びアニーリング済み状態における一シリーズの合金の放電容量及び等価気相容量を示すグラフである。 図10aは、本発明の、鋳放し状態における一シリーズの合金の高率放電容量を示すグラフであり、図10bは、アニーリング済み状態における当該合金の対応するグラフである。
本発明は、AB合金材料と称される一般型の金属水素化物合金材料に関する。本発明は詳しくは、xが1〜6の範囲にあるAB合金材料に関する。本発明は特定例では、AB材料と称される合金に関する。業界周知のように、かかる材料は、第1成分Aと、原子パーセントで第1成分よりも近似的に5倍高く存在する第2成分Bとを含む。留意すべきなのは、かかる材料がAB材料と称される一方、業界では、組成が化学量論から外れていても依然としてAB材料とみなされ得ると理解されることである。一般に、本発明のAB材料は、yが−1から0.9の範囲にあるときの化学式AB5+yの材料を含むと理解され得る。本発明の材料は、上述のようなAB構造を有する一次相を含む。材料はさらに、業界周知のような一般にB構造を有する二次相も含む。二次相は、体積ベースで合金の近似的に1〜15%を、特定例においては合金の体積の2〜10%を含み得る。
本発明の原理は、特定のAB型合金を参照して説明されるにもかかわらず、多相AB合金材料の一般的なクラスに適用することもできる。例えば、当業者であれば、ここに説明される教示に鑑み、AB、A、A19及びAB構造を含むがこれらに限られない構造を有する本発明の多相合金を特定かつ調製することができる。
本発明の材料は、二次相を含まない同様の材料と比べ、電気化学的特性の改善を実証する。詳しくは、本発明の材料は、容量及び/又は高率放電(HRD)の全体的な改善を実証する。これらは双方とも電池アプリケーションにおいて重要である。特定例において、本発明の合金材料は、少なくとも0.95のHRD、少なくとも0.97のHRD、0.98のHRDのような、少なくとも0.9のHRDを有する。
憶測に束縛されるのを望むわけではないが、二次相の存在は、水素の合金材料への結合を弱めることによって合金材料の水素拡散/輸送特性を改善すると考えられる。この点において、一次相が水素貯蔵相材料として作用する一方、二次相は、容易に水素を吸脱着する結果、バルク一次相への及びバルク一次相からの水素輸送を補助する水素リザーバを与えるバッファ材料として機能すると考えられている。二次相は、一次相全体に分散した一シリーズの別個領域を含み得るか、又は、一次相を通って延びる相互接続ネットワークの態様で存在し得る。上記仮説の裏づけは、以下に説明されることだが、本発明の材料が、二次相を除去するべくアニーリングされた場合に、電気化学的特性の改善が低減されるとの事実によって示唆される。
本発明の一群の材料の一次相は、一次相のA成分が、A成分の組成が一般にLa1−xCeとなるような比率でLa及びCeベースとなるAB型材料である。ここで、xは0.33よりも大きくかつ0.66以下である。一次相のB成分は典型的に、少なくともNi、Co、Al及びMnを含む。第1成分の全体的な組成は、化学式AB5+yによって与えられる。ここで、yは−1から0.9の範囲にある。特定例において、一次相のB成分は、Cu、Si又はZrの一以上のような付加成分を含み得る。さらに他の組成も当業者にとって明らかであって、本発明の範囲内にある。
本発明の当該材料の二次相は一般にB構造を有し、少なくともAl、Mn及びNiを含み得る。本発明の合金の一つの特定群は、化学式La15−xCeNi68.7Co4.7Mn4.3Al5.6Cu1.2Zr0.2Si0.3によって定義される。ここで、xは5〜10の範囲にある。
実験
実験シリーズが行われ、その中で本発明の一群のAB型合金材料が調製され、その物理的及び電気化学的特性が決定された。
この研究において、一シリーズの試料インゴットが、誘導溶融によって調製された。これは、MgO製るつぼ、アルミナ製タンディッシュ及び鋼製パンケーキ形鋳型を使用した2kgの炉においてアルゴン雰囲気下で行われた。インゴットのアニーリングは、960℃の真空(1.33×10−6Pa(1×10−8torr))において10時間行われた。各試料の化学組成は、Varian社のLiberty100誘導結合プラズマ(ICP)システムによって試験された。Philips社のX’PertPro(登録商標)X線回折計(XRD)がミクロ構造の研究に使用され、エネルギー分散分光法(EDS)能力を備えたJEOL−JSM6320F走査型電子顕微鏡(SEM)が、相の分布及び組成の研究に使用された。各試料のPCT特性が、鈴木商館の多チャンネルPCTシステムを使用して測定された。PCT分析において、各試料はまず、4回の室温吸着/脱着サイクルを行うことにより活性化され、その後、20、30及び60℃におけるPCT等温線が測定された。水素の拡散及び表面電荷移動電流の測定が、アルビンインストゥルメント社のBT4+ポータブル電池試験システムを使用して行われた。
Ceが部分的にLaを置換しかつ一般化学式AB5.7を有する6つの合金La15−xCeNi68.7Co4.7Mn4.3Al5.6Cu1.2Zr0.2Si0.3(x=5、6、7、8、9及び10)が、誘導溶融によって調製された。その設計組成を以下の表1に列挙する(LC01からLC06)。共通するB元素(Ni、Co、Mn及びAl)のほかにCuも包含された。これは、表面酸化物に、通常の粒状介在物の代わりに空隙、トンネル、及び金属スクロールを充填することによって修正する能力に基づいて低温電力性能を改善するためである。

アニーリング前(鋳放し)及びアニーリング後(アニーリング済み)の6つすべての合金のICP結果は、表1に列挙されるように、標準的なICP装置によっては分析不可能なSiの含有量を除いて設計組成に非常に近かった。したがって、合金におけるSiの存在は、EDS分析によって検証された。ごく少量のFeが注目されるが、これは、冷却鋳型に由来すると考えられる。アニーリングプロセス中に少量のMn損失も存在した。設計、鋳放し、及びアニーリング済みのインゴットのB/A化学量論比が、表1の最終列に列挙される。鋳放しLC06(5.71)を除くすべてのB/A比(5.49から5.63)が、設計値5.67よりもわずかに低い。
材料の構造がX線回折(XRD)により分析され、合金から測定されたアニーリング前(LC01からLC06)及びアニーリング後(LC01AからLC06A)のXRDパターンがそれぞれ、図1a及び1bに示される。すべてのピークが、CaCu結晶構造にフィッティングされ得る。各XRDパターンにおいて45.5°付近の(002)ピークは、残りのピークと比べて著しく広いので、ミクロ構造に二次相が存在し得る。二次立方相の存在は、リートベルト法を使用する全パターンフィッティングによって確認された。さらに、近似的にAlMnNiの化学量論を有する二次相が、SEM/EDS試験によって観測された。三元相図によれば、AlMn2−xNiは、0〜1のxの全範囲にわたってB2構造を有する。したがって、現行の研究の各合金における主な二次相は、立方B2結晶構造を有すると結論付けることが合理的である。
各合金に対するAB主相(VAB5)の格子定数a及びc、c/a比、並びに単位セル体積が、表2に列挙されかつ図2a及び2bにプロットされる。鋳放し及びアニーリング済み双方の合金において、合金内のCe含有量が増加するにつれてa値が減少する一方、c値は相対的に不変のままである。これは、先の報告に一致する。その結果、サイクル粉砕率に強い相関を有するc/a比は、Ce含有量の増加に伴い増加する(図2b)。AサイトにおけるCe含有量増加に伴うこの単位セル異方性収縮は、AB結晶構造におけるCeの多原子価の性質による。このデータは、アニーリングがaを(−0.1から−0.3%へと)減少させかつcを(<0.2%に)わずかに増加させることにより、c/a比を(+0.2から+0.4%へと)高めかつAB相の単位セル体積を(−0.1から−0.5%へと)小さくすることを示す。このc/a比の傾向は、高いCe含有量のアニーリング済み合金が、水素化/脱水素化サイクル中に低い程度の粉砕を受けることを示唆する。この研究における合金のc/a比は、0.2原子%Zrを有するABMH合金ベースの典型的なミッシュメタルのそれ(c/a=0.8078)よりも高い。これは、合金におけるZrの組み合わせ、Siの混入、及びハイパー化学量論に起因し得る。ABの単位セル体積は、Ce含有量の増加とともに減少する(図2b)。これは、高いプラトー圧力ゆえに、あまり安定しない水素化を促進する。図1a及び1bにおける30°と40°との間にある垂直線は、Ce含有量の増加とともに回折ピークが高い角度へとシフトすることを明示する。これは、小さな格子定数、及び結果的な単位セル収縮を示す。ABの(001)回折ピークの半値全幅(FWHM)から推定される結晶サイズも、表2に列挙される。Ce含有量の増加に伴い、合金の結晶サイズは最初に増加し、その後、アニーリング前及びアニーリング後において減少する。一般に、アニーリングは、鋳放しの対応物よりも主相の結晶サイズを増加させる。

各合金のB2二次相の格子定数及び存在比も表2に列挙される。各合金におけるB2相の格子定数aは、AlMnNi合金から報告されるもの(a=5.824Å)よりも小さい。AサイトにおけるCe置換に対する格子定数に明らかな傾向は存在しないが、B2の存在比は、Ce含有量の増加とともに単調増加する。アニーリングは、B2格子定数をわずかに増加させ、かつ、二次相の量を10〜30%だけ減少させる。
合金のミクロ構造が走査型電子顕微鏡(SEM)によって研究された。鋳放しLC01〜LC06及びアニーリング済みLC01A〜LC06Aの合金からのSEM後方散乱電子画像(BEI)はそれぞれ、図3a〜f及び図4a〜fに示される。すべての鋳放し及びアニーリング済みの試料において、4つのBEIコントラストが見える。これらは、最も明るいものから最も暗いものへと、金属La/Ce包含、AB主相、ZrO包含、及びB2相となる。
Zrを含有する先行技術のAB合金には、La/Ce包含及びZrO包含が共通して見られるが、希土類元素が何もないB2相関連領域は、特にこのような高体積パーセント(3〜9体積%)において、まれである。B2領域における原子半径の大きなMn及びAlの欠損((Mn+Al)<50原子%)は、XRD分析(表2)に見られるように、化学量論AlMnNi合金(a=5.824Å)と比べて相対的に小さな格子定数(5.731〜5.779Å)に寄与し得る。アニーリング後、Ni含有量は、50.2〜51.5原子%から51.6〜55.3原子%へとわずかに増加する。これは、大きなサイズのMn及びAlを小さなサイズのNiが置換することに起因する格子定数のわずかな減少に一致する。加えて、B2二次相の粒は大きく成長するが、その数及び総体積分率は減少する(表2)。主相と二次相との界面密度は、アニーリング後に実質的に減少する。
本発明の材料におけるCe含有量の増加とともに、AB主相のB/A化学量論比(表3において太字で強調)は最初に5.24(LC01)から4.99(LC03)まで減少しその後、アニーリング前に5.34(LC06)まで増加する一方、アニーリング済み試料の傾向はその正反対となる。すなわち、B/A比は最初に5.25(LC01A)から5.76(LC05A)まで増加しその後5.59(LC06A)まで減少する。このように、本発明の材料は、Ce/La含有量の変化に伴いAB主相の化学量論において体系的ではあるが反対の変化を示す。アニーリング済み試料は、主にNi、Al及びMn(AB相におけるすべてのBサイト元素)からなるB2相の存在比の減少ゆえに、AB主相において鋳放し合金よりも高いB/A比を有する。AB主相の組成を設計値と比べると、AlMnNi相の形成ゆえにMn及びAlの含有量に最大偏差が見出された。鋳放し試料のAB主相におけるMn及びAlの含有量は、広い範囲(それぞれ1.7〜2.8原子%及び4.1〜6.1原子%)を示す場合、アニーリング済み試料において整合し(Mn及びAlの含有量はそれぞれ3.3〜4.8原子%及び4.0〜4.8原子%)、アニーリングがAB主相の組成均質性を有効に改善することが示される。合金LC01及びLC04の当初設計値からのアニーリング前後のAB主相の組成の偏差がそれぞれ、例えば、図5a及び5bに例示される。Mn、Al及びSiの含有量に大きな偏差が見られるが、これは、Siを0.1〜0.2原子%しか含まないAl及びMnが豊富なB2相が形成されたためである。
合金の気体水素貯蔵特性が、20、30及び60℃で測定されたPCTによって研究された。例えば、LC01、LC01A、LC03、LC03A、LC04、LC04A、LC06及びLC06Aの、20℃で測定された吸着及び脱着の等温線が図6a〜dに示される。この研究における鋳放し合金の等温線を、市販のABMH合金のそれと比較すると、プラトー領域の平坦さに大きな違いが観測された。一般に、先行技術の未アニーリングAB合金は、かなり傾斜したPCT等温線プラトーを示し、化学組成の均質性を改善することによってこれを平坦化するアニーリングを必要とする。この研究では、鋳放し合金に見られる平坦なプラトー領域が、B2二次相の存在に強く関連していると考えられる。鋳放し合金における化学組成は、B2二次相の形成ゆえに一様とはいえない。したがって、二次相の存在がPCT等温線プラトーを平坦化し得る理由は、主AB相の金属・水素結合の強度を、主貯蔵相と二次触媒相との相乗効果を介して均質化する能力に関連するのかもしれない。
PCT研究から得られた情報は表4にまとめられる。第1データ列において、0.6重量%貯蔵容量及び20℃における脱着圧力として定義されるプラトー圧力が、各合金に対して列挙される。プラトー圧力は、鋳放し及びアニーリング済み双方のシリーズの合金において、Ce含有量が増加するにつれて増加する。アニーリングもまたプラトー圧力を増加させる。これら2つの知見は、Ce含有量増加又はアニーリングいずれかから得られたAB単位セルの収縮と一致する。0.01〜0.5MPaの圧力での水素貯蔵容量と総容量との比として定義される傾き係数(SF)が、AB合金におけるBサイト元素置換に関する初期の研究において計算され、かつ、合金の無秩序性の程度を決定するべく使用された。この研究では、支配的因子は、平衡圧力に大きな影響を与えるAサイト元素(La/Ce)の組成であるから、固定された圧力範囲によるSFの先の定義は、もはや適用できない。したがって、SFの新たな定義、すなわち−ln(P80%/P20%)が採用される。ここで、P80%及びP20%はそれぞれ、総容量の80及び20%に対応する脱着圧力である。高いSF値は、傾いた等温線プラトーを示す。各合金に対して新たに定義されたSFが、表4の第2データ列に列挙される。鋳放し及びアニーリング済み双方のシリーズの合金において、SFは最初に増加してその後減少する。これは、等温線プラトーが最初に傾いてその後、Ce含有量の増加とともに平坦になることを意味する。一般に、アニーリングはSFを増加させる。これは、傾いた等温線プラトーに相当する。この知見は、通常の化学量論ABMH合金のアニーリング前後での比較から集められた理解に反する。他方、B2二次相の、合金における均質性を増加させる正の効果がさらに証明される。詳しくは、アニーリングによるPCT等温線プラトーの傾きの増加は、(表2における拡大した結晶からわかる)B2相存在比及び主/二次相界面密度双方の減少の結果である。

表4の第3データ列に列挙されるPCT等温線のヒステリシスはln(P/P)として定義される。ここで、P及びPはそれぞれ、0.6重量%貯蔵容量における吸着及び脱着の平衡圧力である。ヒステリシスは、サイクル中の粉砕率を予測するべく使用され、ABベースの合金におけるc/a比に強い相関を有する。LC01を除くすべての合金のヒステリシスが非常に小さいので、当該合金に対しては長期サイクル安定性が予測される。この結果は、XRD分析に見出された例外的に大きなc/a比に一致し、Si及びZrの付加とハイパー化学量論の採用との組み合わせに起因し得る。
最大及び可逆の気相水素貯蔵容量がそれぞれ、表4の第4及び第5データ列に列挙される。双方の容量は、鋳放し及びアニーリング済み双方のシリーズの合金に対し最初に増加しその後減少する。最大及び可逆の気相水素容量は一般に、主貯蔵相の増加ゆえに、アニーリング後に増加する。貯蔵容量は、Ce含有量が増加するにつれて、AB単位セルの収縮ゆえに減少する。しかしながら、ABMH合金の場合に報告されるのと同じ相乗効果を通じて触媒として作用し得るB2二次相の増加ゆえに、容量を増加させる反対の駆動力も存在する。したがって、貯蔵容量に対する正味の効果は、Ce含有量の増加と混合される。
20、40及び60℃で測定された0.6重量%貯蔵容量における脱着平衡圧力が、以下の式によってエンタルピー(ΔH)及びエントロピー(ΔS)の変化を計算するべく使用された。
ΔG=ΔH−TΔS=RTlnP (式1)
ここで、Rは理想気体定数、Tは絶対温度である。これらの計算結果が、表4の第6及び第7データ欄に列挙される。Ce含有量増加及びアニーリングの双方は、ΔHを(負側に)増加させ、その結果、安定ではない水素化物を促進する。これは、AB単位セル収縮に一致する。図7は、VAB5に対する−ΔHのプロットを示す。興味深いことだが、鋳放し及びアニーリング済み双方のシリーズの合金が−ΔH及びVAB5間の線形的依存を示すにもかかわらず、これら2つの直線はほぼ平行であって整列はしないことが観測される。図7において、アニーリング済み試料による直線は、鋳放し試料による直線を下回る。これは、アニーリング済み合金からの水素化物が、匹敵するAB単位セル体積を備えた鋳放し合金からの水素化物よりも、安定的ではない(負側のΔHとなる)ことを示す。未アニーリングのLaNi5−xAl合金についての研究からの第3組のデータが、図7において比較のため付加されるが、これは、本研究においてアニーリング済みのシリーズから得られたものと同様の傾向を示す。しかしながら、鋳放しのシリーズにおける傾向は、他の2つに整合しない。図7においてAB単位セル体積をx軸として選択することにより、アニーリング後のAB単位セル収縮が一因子として除去される。これにより、B2二次相が、傾向のシフト原因として残される。B2相存在比及び主/二次相界面密度は双方とも、アニーリング後に減少する(二次相サイズ及び主相結晶サイズの成長からわかる)ので、B2からの触媒補助が低減され、主相の水素貯蔵能力が悪化し、ひいてはΔHが(負側に)増加する。アニーリング後の水素化物はあまり安定的ではない(ΔHが高い)が、AB主相存在比の増加ゆえに気相水素貯蔵は増加する。
ΔSは、鋳放し及びアニーリング済み双方のシリーズの合金においてCe含有量の増加とともに増加する。Laとは異なり、Ceは、2つの酸化状態(3+及び4+)を有する。これは、水素貯蔵サイトのサイズを改変して水素化物のエントロピーを増加させる。アニーリング後、ΔS値は(負側に)増加し水素気体と固体中水素との関係より得られた値(−120JK−1mol−1)からさらに逸脱するので、無秩序性のβ水素化物相が示唆される。この知見は、アニーリング後の合金から観測された高いSF(傾斜した等温線プラトー)に整合し、二次相からの相乗効果の減少に関連し得る。これにより、金属・水素結合強度の均質性の増加が引き起こされる。
本発明のこれらの合金の電気化学的特性が評価され、この点において、鋳放し及びアニーリング済み双方のシリーズの合金の活性化挙動及び初期サイクル寿命性能が、部分的に事前充電された正極としてのNi(OH)対電極に対する浸水セル構成において研究された。AB合金とは異なり、熱アルカリ溶液中での事前活性化は不要であった。12mA/gの電流密度で測定された最初の13サイクルの全放電容量を、鋳放し及びアニーリング済みそれぞれの試料に対して図8a及び8bにプロットする。容量劣化が鋳放し試料に対して明らかなのに対し、アニーリング済み試料は、かなり改善されたサイクル安定性を示す。これらの合金のほとんどにとって活性化が容易である。Ce含有量が相対的に高い合金(LC04、LC05、LC06及びLC06A)のみが、全容量に到達するべく一を超えるサイクルを必要とする。鋳放し及びアニーリング済み双方の試料に対する全電気化学的放電容量を、最大気相水素貯蔵容量から変換された等価容量(1重量%=268mAh/g)とともに、Ce含有量の関数として図9にプロットする。気相容量は、他の多くのMH合金においてと同様に、電気化学的容量の上限として作用する。
鋳放しシリーズにおいて、Ce含有量に対する全電気化学的放電容量の展開は、最大気相貯蔵容量のそれと類似する。しかしながら、アニーリング済みシリーズにおけるCe含有量に対する全電気化学的放電容量の、単調減少となる展開は、最大気相貯蔵容量のそれとは異なる。アニーリング後、電気化学的放電容量は、二次相からの相乗効果が有効でなくなるにつれて、Ce含有量の増加に伴いAB単位セル体積の減少によって支配される。
HRD性能が、最初に最も高率の放電容量(400mA/g)を測定し、第1サイクルにおいて異なる引き出し電流密度が追従することによって研究された。これらの容量を、図10a及び10bにおいて様々な放電率に対してプロットする。本研究での各合金に対する400及び50mA/gにおいて測定された容量並びに2つの(HRD)比がそれぞれ、表4の第8、第9及び第10データ列に列挙される。鋳放し試料からのHRD比は類似し、アニーリング済み試料からのそれよりも高い。アニーリング済みシリーズのHRDは、Ce含有量の増加に伴い増加する。初期の研究によれば、HRD比は、ABMH合金における主相及び二次相間の相乗効果に強い相関がある。本研究のABMH合金においても同じ現象が観測されると考えられる。主/二次相界面密度はアニーリングによって低減され、ひいてはHRD比も減少する。鋳放し試料のHRDは、わずかなばらつきはあるが、1に近い。アニーリング済み試料においては、Ce含有量が増加するにつれて、B2二次相の存在比が増加し(表2)、ひいてはHRD比も増加する。
B2二次相によるHRD改善の要因について良好な理解を得るべく、表面交換電流(I)及びバルク拡散係数(D)の双方が電気化学的に測定された。双方のパラメータ測定の詳細はすでに報告されており、その値は、AB、AB及びAMH合金からのデータとともに表5に列挙される。本研究の合金のIが、AB金(LC02を除く)からのものより小さい一方、Dは、他のMH合金からのものよりもかなり高い。アニーリング後、I及びDは双方とも減少する。これは、HRDの劣化と整合する。鋳放し及びアニーリング済みのシリーズにおけるCe含有量の増加に伴うIの傾向は逆であり、異なる因子によって支配され得る。Iに対する支配的因子は現時点では明らかではなく、さらなる研究を要する。Dの場合、一般的傾向は、鋳放し及びアニーリング済み双方の試料に対し、Ce含有量の増加に伴う減少であった。Ce含有量が増加するにつれて高くなる主/二次相界面密度、プラトー圧力及びエントロピーが、Dに対して積極的に寄与するはずである。B2二次相は、水素拡散の障壁として存在し得る。
上述のように、及び実験シリーズにおいてサポートされるように、本発明の多相合金材料は、一次AB型相と、B2構造を有する二次相とを含む。2つの相は、合金を含む原材料成分が混合、溶融及び冷却されるときに自発的に形成される。二次相の存在により、金属水素化物電池システムに組み入れられた場合の合金の、電荷貯蔵容量及び高率放電能力のような電気化学的特性は有意に改善される。二次相は、一次相への及び一次相からの水素の移動を容易にすると考えられる。さらに、本発明の合金の、充電及び放電の結果による粉砕程度が最小限となり、これは、二次相の存在に起因する良好な水素移動に相関し得る。本発明のいくつかの特定材料は一次相のA成分としてLa及びCeの混合物を利用するが、Ceが適切なレベルで存在することが、本発明の合金の様々な性能改善に相関し得るAB主相の格子定数の修正を補助すると考えられている。
上述の図面、議論、説明及び実験が例示するのは、本発明のいくつかの特定の材料である。ここに説明される教示及び原理に鑑み、これらのさらに他の変形例及び修正例は、当業者にとって明白であり、かつ、本発明の範囲内に包含される。すべての均等なものを含む以下の特許請求の範囲こそが、本発明の範囲を画定する。




  1. 一般化学式ABを有する希土類ニッケルベースの水素貯蔵合金であって、
    xは1〜6の範囲にあり、
    前記合金は一次相を含み、
    さらには、前記合金の電気化学的特性を、容量又は高率放電の少なくとも一つを改善することによって向上させる二次相も含む合金。

  2. 前記一次相はCaCu結晶構造を有する請求項1の合金。

  3. 前記合金は、Pr又はNdを含まないAB型合金である請求項2の合金。

  4. 前記一次相はAB、A、A19及びABからなる群から選択され、
    Aは、少なくとも一つのアルカリ土類元素と少なくとも一つの希土類元素との組み合わせであり、
    Bは、Al、Si、Sn、遷移金属及びこれらの組み合わせからなる群から選択され、
    前記合金は、前記少なくとも一つのアルカリ土類元素を10原子パーセント以下含み、かつ、前記少なくとも一つの希土類元素を10原子パーセントを超えて含む請求項1から3のいずれか一項の合金。

  5. 前記一次相のA成分はLa1−xCeであり、
    xは0.33より大きくかつ0.66以下であり、
    前記一次相のB成分は、少なくともNi、Co、Al及びMnを含み、
    前記一次相は組成AB5+yを有し、
    yは−1から0.9の範囲にあり、
    前記二次相は少なくともAl、Mn及びNiを含む請求項1から3のいずれか一項の合金。

  6. 前記二次相はB2構造を有する請求項5の合金。

  7. 前記一次相の前記B成分はさらに、Cu、Si又はZrの少なくとも一以上を含む請求項5の合金。

  8. yは0〜0.5の範囲にある請求項5の合金。

  9. yはゼロよりも大きい請求項5の合金。

  10. 前記二次相は、体積ベースで前記合金の1〜15%を含む請求項1〜3のいずれか一項の合金。

  11. 前記二次相は、体積ベースで前記合金の2〜10%を含む請求項1から3のいずれか一項の合金。

  12. 前記合金は、前記合金を含む原材料が混合され、溶融され、及び固化が許容されるときに、前記一次相及び前記二次相を自発的に形成する請求項1から3のいずれか一項の合金。

  13. 前記合金は、La、Ce、Ni、Co、Mn、Al、Cu、Si及びZrを含むバルク混合物から調製される請求項1から3のいずれか一項の合金。

  14. 合金であって、
    La15−xCeNi68.7Co4.7Mn4.3Al5.6Cu1.2Zr0.2Si0.3を含み、
    xは5〜10の範囲にある合金。

  15. 請求項1から3のいずれか一項の合金を含む電池システム。

 

 

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