セパレータフリー型シリコン‐硫黄電池用カーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造

 

電気化学システムと、これに関連する電気化学システム形成方法及び使用方法を開示する。本発明の電気化学システムは、電源の性能を向上させる、特に、比エネルギーを高め、放電レート能力を実用的にし、サイクル寿命を良好にするのに有効な、新規なセル形態及び複合カーボンのナノ材料ベースの設計戦略を実施する。本発明の電気化学システムは多用途に適しており、携帯電子装置への使用を含む一連の重要な適用分野に有用な、シリコン‐硫黄リチウムイオン電池のような二次のリチウムイオンセルを含んでいる。又、本発明の電気化学セルは、プレリチオ化した活物質を用いて金属リチウムの使用を排除するとともに、カーボンナノチューブとグラフェンとの双方又は何れか一方の複合電極構造を導入して、充放電中の活物質の膨張及び収縮により生じる残留応力及び機械的歪みに対処することにより、リチウムイオン二次電池技術の従来の状態に比べて安全性及び安定性を高める。
【選択図】図1A

 

 

本発明は、セパレータフリー型シリコン‐硫黄電池用カーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造に関するものである。
[関連出願の相互参照]
本出願は、2013年7月3日に出願された出願番号61/842,511の米国特許仮出願及び2014年2月14日に出願された出願番号61/939,996の米国特許仮出願の優先権を主張するものであり、更には2010年4月5日に出願された出願番号61/320,883の優先権を主張するものであり、これらの米国特許仮出願の各々は、ここで矛盾しない内容を参照することにより導入されるものである。
[連邦政府資金による研究開発の記載]
不適用である。
過去数十年に亘り、電気化学的な蓄積及び変換装置において画期的な進歩が達成され、これらのシステムの機能及び用途は著しく拡張されている。従来の電気化学的な蓄積及び変換装置の現在の状態は、特に携帯用電子機器、輸送、エネルギー、照明、センシング及び通信を含む多様な分野を支援する要件及び動作条件を可能にする性能(パフォーマンス)属性を達成するように処理されるセル設計を遂行するものである。この一連の高度な電気化学的な蓄積及び変換システムは進歩しているとともに広く採用されているにもかかわらず、これらのシステムの機能性を拡張し、これにより装置の適用範囲を更に広くする研究を促進する大きな圧力が加え続けられている。例えば、高出力の携帯電子製品に対して要求される急速で進行する成長が、より高いエネルギー密度及びサイクル性能を達成しうるより安全で軽量な二次電池(バッテリ)を開発することに関する多大な関心を生ぜしめている。
電気化学的な蓄積及び変換技術における最近の多くの進歩は、電池の主要な構成要素に対する新たな材料の発見に直接寄与している。例えば、これらのシステムに対する新規な電極及び電解質材料が発見されている為に、リチウム電池技術が少なくとも部分的に急速に発展し続けている。フッ素化カーボン材料及びナノ構造の遷移金属酸化物のような正極(正電極)に対するインターカレーションホスト材料の先駆的な発見及び最適化から、高性能の非水系電解質の開発までで、リチウム電池システムに対する新規な材料戦略の実行によりこれらの設計及び性能能力を革命的に改善している。更に、これらのシステムにおける負極(負電極)に対するインターカレーションホスト材料の開発が、高容量、良好な安定性及び実用的なサイクル寿命を呈するリチウムイオン二次電池の発見及び商業的実施をもたらしている。これらの進展の結果として、リチウムベースの電池技術は、携帯電子システムに対する一次及び二次電気化学セルを含むかなり大きな適用範囲に用いるのに現在広く採用されている。
市販の一次リチウム電池システムは代表的に、液相又は固相の電解質を通る放電中に移送され且つインターカレーションホスト材料を有する正極でインターカレーション反応を受けるようにするリチウムイオンを発生させるのにリチウム金属の負極を用いている。リチウム金属が、カーボン(例えば、グラファイト、コークス、等)、金属酸化物、金属窒化物、金属リン化物のような負極に対するリチゥムイオンインターカレーションホスト材料と置換されるデュアルインターカレーションリチウムイオン二次電池も開発されている。リチウムイオンの挿入及び脱離の同時反応により、放電及び充電中にリチウムイオンを正極及び負極のインターカレーション電極間で伝導させる。負極に対しリチウムイオンインターカレーションホスト材料を導入することにより、金属リチウムの高反応性で非エピタキシャル堆積特性に起因するサイクル時の安全性の問題の影響を受けやすい金属リチウムの使用を回避するという重要な利点も得られる。
リチウム元素には、高性能の電気化学セルに用いるのに優れたものとする特性の独特な組合せがある。第1に、リチウムは、6.94 amuの原子質量を有する周期律表で一番軽量の金属である。第2に、リチウムは、極めて低い電気化学的酸化/還元電位を有している(すなわち、NHE(標準的な水素基準電極)に対して3.045Vを有している)。特性の独特なこの組合せによれば、リチウムベースの電気化学セルが高い比容量を達成しうるようにする。リチウム電池技術に対する材料戦略及び電気化学セルの設計における進歩によれば、
(i) 高いセル電圧(例えば、約3.8Vまで)
(ii) ほぼ一定(例えば、平坦)な放電プロファイル
(iii) 長い品質保持期限(例えば、10年まで)
(iv) 動作温度範囲との適合性(例えば、−20〜60℃)
を含む有効な装置性能を提供しうる電気化学セルを実現している。これらの有益な特性の結果として、リチウム及びリチウムイオン電池は、携帯電話及び携帯用コンピュータのような携帯用電子装置において現在最も広く採用されている電源である。以下の参考文献は一般にリチウム及びリチウムイオン電池システムに向けられているものであり、これらは参考のためにここに導入しているものである。これらの参考文献は、
米国特許第4,959,281号、米国特許第5,451,477号、米国特許第5,510,212号、米国特許第6,852,446号、米国特許第6,306,540号、米国特許第6,489,055号と、Kluer Academic Publishers なる出版社により2004年発行の本“Lithium Batteries Science and Technology”(Gholam-Abbas Nazri氏及びGianfranceo Pistoia 氏著)と
である。
これらの進歩にもかかわらず、これらシステムのコスト、電気化学的性能及び安全性に関連する問題を含むリチウムイオン電池の益々の発展に対し対処すべき重要な課題が残存している。LiMn2 4 、LiCoO2 、LiFePO4 のようなカソードの活物質における進歩が装置の性能の改善をアクセスしている。(例えば、米国特許第5,763,120号、米国特許第5,538,814号、米国特許第8,586,242号、米国特許第6,680,143号及び米国特許第8,748,084号を参照されたい。)しかし、このように進歩されたカソードの活物質は、達成しうる全エネルギー密度において依然として制限されており、しかも幾つかの材料に対する総導電率、サイクル性能及び毒性に関する重要な問題を有している。ナノ構造のSi、Sb、Sn、Ge及びこれらの合金のような高容量のアノード活物質は、より高い比容量をアクセスするとともに、金属リチウムの使用を排除して樹状突起の成長と関連する問題を回避するものである。(例えば、米国特許出願公開第2013/0252101号及び米国特許第8,697,284号を参照されたい。)しかし、このような進歩したアノード活物質は、充電及び放電時に体積の大きな変化の影響を受けやすく、これによりサイクルに際しての構造上の劣化を生ぜしめるおそれがあり、その結果、容量のフェージング、サイクル寿命の劣化、システム効率の低減化及び内部抵抗の増大を導入する。更に、進歩したカソード及びアノード活物質を導入する市販の多くのリチウムイオンシステムが呈する実際の比エネルギーは代表的に、セパレータ、電解質、カレントコレクタ、コネクタ及び包装用構成要素のような他の電池構成要素の大きな重量の為に電極の比エネルギーの4分の1〜12分の1となる。
上述したところから明らかなように、高性能の携帯 電子機器に対する急激に増大する需要を含む一連の重要な装置の適用分野のための二次の電気化学セルに対する技術的な必要性が存在する。具体的には、有効なセル電圧、比容量及びサイクル寿命を提供しうるのと同時に良好な安定性及び安全性を呈する二次の電気化学セルを必要とする。リチウムイオン電池システムにリチウムを使用するのに固有の安全問題を無くす又は軽減させる他のセル形態及びインターカレーションに基づく電気化学セルに対する必要性も存在する。
米国特許第4,959,281号 米国特許第5,451,477号 米国特許第5,510,212号 米国特許第6,852,446号 米国特許第6,306,540号 米国特許第6,489,055号 米国特許第5,763,120号 米国特許第5,538,814号 米国特許第8,586,242号 米国特許第6,680,143号 米国特許第8,748,084号 米国特許出願公開第2013/0252101号 米国特許第8,697,284号 米国特許第4,052,539号
"Lithium Batteries Science and Technology"
J. Electrochem. Soc.(電気化学会ジャーナル)147(3) 892-898 (2000) (Seel及びDahn氏著)
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電気化学システムと、これに関連する電気化学システム形成方法及び使用方法とを提供する。本発明の電気化学システムは、電源の性能を向上させる、特に、比エネルギーを高め、放電レート能力を実用的なものにし、サイクル寿命を良好にするのに有効な、新規なセル形態及び複合カーボンのナノ材料ベースの設計戦略を提供することにある。本発明の電気化学システムには多用途的であり、携帯電子装置での使用を含む一連の重要な適用分野に対し有用な、シリコン‐硫黄リチウム電池のような二次のリチウムイオンセルを含めるものである。又、本発明の電気化学セルは、プレリチオ化した活物質を用いて金属リチウムの使用を排除するとともに、カーボンナノチューブとグラフェンとの双方又は何れか一方の複合電極構造を導入して、充放電中の活物質の膨張及び収縮により生じる残留応力及び機械的歪みに対処することにより、リチウムイオン二次電池技術の従来の状態に比べて安全性及び安定性を高めることにある。
本発明のある例では、本発明の電気化学セルが、正極及び負極に対してカーボンナノチューブのテンプレート化複合構造を一体化して、通常のセパレータの構成要素の必要性を排除する全セル構造を達成し、これにより比容量を高めるようにする。更に、本発明のカーボンナノチューブのテンプレーティング法は、例えば、内部導電率を高くすることにより且つ充放電サイクル中の活物質の膨張及び収縮により生じる残留応力を低減させる有効な手段により、正極及び負極に対する有用なフォームファクタにおいて、シリコン及び硫黄のような高性能な活物質を導入するための補完にもなるものである。更に、ある例の電気化学セルでは、グラフェンエンクロージャ(グラフェン包囲体)を活物質に対して一体化して、充放電中に発生される多硫化物のような電解質の劣化を生ぜしめるおそれがある、ある種の反応生成物の移送を、正極に対し硫黄活物質を用いることにより低減させるか、又は完全に阻止するようにする。更に、ある例の電気化学セルでは、シリコン活物質及び硫黄活物質の組合せを有する複合電極構造を一体化し、これにより電気化学的な性能を高めるようにするとともに、有毒な又は不安定な或いはこれらの双方の材料を使用するのを回避するようにする。
一態様では、本発明により、
(i) シリコン活物質を支持するカーボンナノチューブの第1のアセンブリを有する負極と、
(ii) 硫黄活物質を支持するカーボンナノチューブの第2のアセンブリを有する正極と、
(iii) 前記正極及び前記負極間に設けられ、電荷キャリアを伝導させうる電解質と
を有する電気化学セルであって、前記カーボンナノチューブの第1のアセンブリと前記カーボンナノチューブの第2のアセンブリとが互いに物理的に分離されているとともに共通表面により支持されている電気化学セルを提供する。ある例では、電気化学セルを例えばリチウムイオン電池とし、例えば、電荷キャリアがLiイオンであり、正極及び負極が電気化学セルの充電又は放電中にLiイオンを収容しうるようにする。ある例では、シリコン活物質又は硫黄活物質或いはこれらの双方をプレリチオ化する、例えば、電気化学的にプレリチオ化した活物質とする。プレリチオ化した活物質を本発明の電気化学セル内に導入するのは、充放電サイクル中に金属リチウムの樹状突起が形成されることにより生じる安全及び性能問題を回避するのに有効な方法である。
カーボンナノチューブのアセンブリにより支持された活物質を有する複合電極によれば、電気化学的な性能及び安全性に対する利点を提供する広範囲のセル構造を可能にする。ある例では、例えば、本発明のナノチューブアセンブリをベースとする複合構造により、透過性の膜のような通常のセパレータの構成要素を使用せずに電極を互いに物理的に分離させ、これにより高い比容量を呈する電気化学セルを可能にするようにする。ある例では、例えば、本発明のナノチューブアセンブリをベースとする複合構造により、細条構造、指合(インターリーブ)構造及び螺旋構造のような、良好な放電レート能力を支援する広範囲のスペース充填構造において電極をパターン化するものである。又、ある例では、例えば、本発明のナノチューブアセンブリをベースとする複合構造により、電気化学セル上に加わる代表的な負荷により対向する電極の方向で正極又は負極に作用する力を発生しない構成で電極をパターン化するものである。又、ある例では、カーボンナノチューブの第1のアセンブリとカーボンナノチューブの第2のアセンブリとを、例えば、電解質が占める正極及び負極間の1つ以上の空間領域が与えられるように、少なくとも10μm、随意的には100μmだけ互いに物理的に分離させる。
本発明には、正極及び負極がポリマー、無機質、セラミック、金属又は複合の基板のような共通基板により支持されているセル構造を含める。ある例では、例えば、電気化学セルが更に基板を有し、カーボンナノチューブの第1のアセンブリとカーボンナノチューブの第2のアセンブリとを支持する共通表面がこの基板の外面となるようにする。正極及び負極を支持する外面は、円筒状、折り畳み形状、湾曲形状又は巻取り形状のような平面又は非平面形状にすることができる。ある例では、例えば、カーボンナノチューブの第1のアセンブリとカーボンナノチューブの第2のアセンブリとを、基板の外面上に、或いはカーボンナノチューブの第1のアセンブリ及びカーボンナノチューブの第2のアセンブリの双方又は何れか一方と基板の外面との間に設けられた1つ以上の中間構造体上に設けるようにする。
ある例では、第1及び第2のカーボンナノチューブアセンブリを、互いに独立させて、基板により支持された又随意ではあるが基板と物理的に接触された1つ以上のカレントコレクタ構造体と電気接触させる、又随意ではあるが1つ以上のカレントコレクタ構造体と物理的に接触させる。ある例では、例えば、カーボンナノチューブの第1のアセンブリを基板の外面により支持された第1のカレントコレクタ上に設け、カーボンナノチューブの第2のアセンブリを基板の外面により支持された第2のカレントコレクタ上に設ける。ある例では、例えば、電気化学セルが更に第1のグラフェン電気相互接続体及び第2のグラフェン電気相互接続体を有し、第1のグラフェン電気相互接続体がカーボンナノチューブの第1のアセンブリと第1のカレントコレクタとの間に設けられ、第2のグラフェン電気相互接続体がカーボンナノチューブの第2のアセンブリと第2のカレントコレクタとの間に設けられているようにする。本発明の電気化学セルは、カーボンのカレントコレクタ、金属のカレントコレクタ、微粒子のカレントコレクタ、等の一連のカレントコレクタを有することができる。
本発明のセルの電極は、例えば、リソグラフ堆積及び液相堆積の双方又は何れか一方を用いて、基板及びカレントコレクタの双方又は何れか一方の上のカーボンナノチューブの成長用触媒をパターン化することを含む、カーボンナノチューブアセンブリのための一連のパターン化技術によりアクセスされる広範囲のスペース充填形態で設けることができる。ある例では、例えば、カーボンナノチューブの第1のアセンブリを基板により支持された1つ以上の第1の細条として設け、カーボンナノチューブの第2のアセンブリを基板により支持された1つ以上の第2の細条として設ける。ナノチューブの成長用触媒を有する基板、相互接続体及びカレントコレクタの何れか又はこれらの任意の組合せを最初に空間的にパターン化し、これに続いて、気相又は液相の前駆体に曝し、その結果として触媒のパターンにより空間的に規定された基板の領域に局所化されたナノチューブアレイ又はネットワークを成長させることを必要とする処理を含む、当該技術分野で既知のナノチューブパターン化技術を用いることにより、物理的寸法(例えば、厚さ、幅、長さ、等)と、物理的特性(例えば、ナノチューブの表面濃度、密度、チューブ間の間隔、等)と、第1及び第2のアセンブリを有するナノチューブの細条の位置及び形状と、を正確に規定することができる。
ある例では、このような第1及び第2の組の細条により、正極及び負極の物理的寸法、形状、距離間隔及び全体のフォームファクタを規定するようにする。ある例では、例えば、第1の細条を第2の細条から少なくとも10μmだけ離間させ、又随意ではあるがある適用分野の場合少なくとも50μmだけ離間させ、又随意ではあるがある適用分野の場合少なくとも100μmだけ離間させる。ある例では、第1の細条及び第2の細条が、10μm〜1mmの範囲から選択した、又随意ではあるがある適用分野の場合100μm〜1mmの範囲から選択した幅と、30μm〜3mmの範囲から選択した、又随意ではあるがある適用分野の場合300μm〜3mmの範囲から選択した長さとで特性化されている形状を有するようにする。ある例では、例えば、第1の細条及び第2の細条が、スペース充填形態に配置されているようにする。ある例では、例えば、第1の細条及び第2の細条が、平行形態と、指合形態と、渦巻形態と、入れ子形態と、螺旋形態との何れかの形態に配置されているようにする。
カーボンナノチューブアセンブリによれば、本発明の電気化学セルの正極及び負極の機械的、電気的及び化学的特性を有益なものにする。カーボンナノチューブの種々の構成及び形状は本発明のナノチューブアセンブリにおいて実用的なものである。ある例では、例えば、第1のアセンブリ及び第2のアセンブリのカーボンナノチューブが、単層カーボンナノチューブか又は多層カーボンナノチューブか或いは単層カーボンナノチューブと多層カーボンナノチューブとの双方の混合体を有しているようにする。正極及び負極に対してナノチューブアセンブリに多層カーボンナノチューブを使用することは、単層カーボンナノチューブに比べてこれらの導電率を高くするとともに物理的寸法をより大きくするためにある例にとっては好ましいことである。従って、本発明には、多層ナノチューブのみのカーボンナノチューブを有する複合電極構造を設けるようにする。ある例では、例えば、第1のアセンブリ及び第2のアセンブリのカーボンナノチューブが、主として金属のカーボンナノチューブを、又随意ではあるが排他的に金属のカーボンナノチューブを有するようにする。ある例では、例えば、第1のアセンブリのカーボンナノチューブと第2のアセンブリのカーボンナノチューブとが互いに独立して、5nm〜100nmの範囲から選択した、又随意ではあるがある適用分野の場合20nm〜100nmの範囲から選択した径方向寸法(例えば、直径)と、10μm〜5mmの範囲から選択した、又随意ではあるがある適用分野の場合100μm〜5mmの範囲から選択した長手方向寸法とにより特性化されているようにする。ある例では、例えば、第1のアセンブリのカーボンナノチューブと第2のアセンブリのカーボンナノチューブとが互いに独立して、20nm以上の径方向寸法(例えば、直径)と、1000μm以上の長手方向寸法とにより特性化されているようにする。ある例では、例えば、第1のアセンブリのカーボンナノチューブと第2のアセンブリのカーボンナノチューブとが互いに独立して、25ナノチューブμm-2以上の、又随意ではあるが100ナノチューブμm-2以上の平均表面濃度により特性化されているようにする。
本発明のナノチューブアセンブリは、空間的に整列されたカーボンナノチューブを有するアレイを含むカーボンナノチューブアレイと、無作為のナノチューブネットワークを含むカーボンナノチューブネットワークとの双方又は何れか一方を含むようにする。ある例では、例えば、第1のアセンブリのカーボンナノチューブが、縦方向で整列されたカーボンナノチューブの第1のアレイを有し、第2のアセンブリのカーボンナノチューブが、縦方向で整列されたカーボンナノチューブの第2のアレイを有するようにする。ここで用いた“縦方向で整列された”とは、支持基板又はカレントコレクタに対し交差する、又随意ではあるが直交する軸線に沿うアセンブリにおけるナノチューブの整列を言及するものである。ある例では、例えば、第1のアレイ及び第2のアレイの縦方向で整列されたカーボンナノチューブが共通表面から離れる1つ以上の方向に延在しているようにする。ある例では、例えば、隣接するナノチューブ間の平均間隔を10nm〜200nmの範囲から選択することにより、第1のアレイ及び第2のアレイの縦方向で整列されたカーボンナノチューブが互いに独立して特性化されているようにする。ある例では、複数のナノチューブの交差を有する構成により又はほぼ平行な向き(例えば、ずれが完全な直線性から20%よりも少ない向き)のカーボンナノチューブの構成によりナノチューブのアセンブリを特徴化する。
ある例では、例えば、第1及び第2のアセンブリのカーボンナノチューブが、劣化と、導電率の低下と、機械故障との何れか又はこれらの任意の組合せを生ぜしめるおそれのある電極に作用する力に対処又はこの力を最小にする機械的なスカフォードを形成するようにする。ある例では、例えば、第1のアセンブリのカーボンナノチューブが、電気化学セルの充電又は放電中のシリコン活物質の膨張により生じる応力に対応しうる機械的スカフォードを形成し、機械故障を生じることなく200%以上の負極の可逆的な体積変化を可能にするようにする。ある例では、例えば、第2のアセンブリのカーボンナノチューブが、電気化学セルの充電又は放電中の硫黄活物質の膨張により生じる応力に対応しうる機械的スカフォードを形成し、機械故障を生じることなく200%以上の正極の可逆的な体積変化を可能にするようにする。本発明のこの態様は、例えば、充放電サイクル中の破損、亀裂及びカレントコレクタからの断絶を回避することにより、シリコン活物質を有する複合負極に対する優れたサイクル寿命を得るのに特に有効である。
ある例では、例えば、第1及び第2のアセンブリのカーボンナノチューブにより、正極及び負極の双方又は何れか一方の総導電率を高める有効な手段を提供するようにする。ある例では、例えば、第1のアセンブリのカーボンナノチューブ及び第2のアセンブリのカーボンナノチューブが互いに独立して、正極及び負極の総導電率を10倍以上に、又随意ではあるがある例の場合100倍以上に高めるようにする。例えば、カーボンナノチューブは代表的に、シリコン及び硫黄よりもそれぞれ5倍以上及び19倍以上の導電性となる。カーボンナノチューブがバルク電極の0.1体積%である構成の場合、本発明のナノ複合電極構造を用いることにより、導電率を約100倍に改善することができる。本発明のこの態様は、硫黄活物質の高抵抗値を有する複合正極に対し実用的な導電率を提供するのに特に有効である。
本発明の電気化学セルは、高性能で、安定で、毒性のない材料を含む正極及び負極用の一連の活物質に適合しうる。ある例では、例えば、シリコン活物質が、元素のシリコン又はその合金のようなシリコン含有材料を有するようにする。ある例では、例えば、硫黄活物質が、元素の硫黄又はその合金のような硫黄含有材料を有するようにする。シリコン及び硫黄の活物質を含む本発明の例の重要な利点には、高比容量と、低価格と、従来の遷移金属‐金属カソード材料のような毒性材料の回避とが含まれる。
ある例では、例えば、シリコン活物質及び硫黄活物質が互いに独立して単結晶材料又は多結晶材料又はアモルファス材料を有するようにする。ある例では、例えば、シリコン活物質及び硫黄活物質を第1及び第2のアセンブリのカーボンナノチューブと電気接触させて、又随意ではあるが物理的に接触させて設けるようにする。ある例では、例えば、物理的な蒸着、化学的な蒸着、電着、スパッタリング、溶媒流延法、液体注入及び液相堆積より成る群から選択した処理により、シリコン活物質を第1のアセンブリのカーボンナノチューブ上に設けることと、硫黄活物質を第2のアセンブリのカーボンナノチューブ上に設けることとの双方又は何れか一方を行うようにする。ある例では、例えば、シリコン活物質により第1のアセンブリのカーボンナノチューブを少なくとも部分的に、又随意ではあるが完全に被覆するか、又は硫黄活物質により第2のアセンブリのカーボンナノチューブを少なくとも部分的に被覆し、或いは、シリコン活物質により第1のアセンブリのカーボンナノチューブを少なくとも部分的に、又随意ではあるが完全に被覆することと、硫黄活物質により第2のアセンブリのカーボンナノチューブを少なくとも部分的に、又随意ではあるが完全に被覆することとの双方を達成するようにする。ある例では、例えば、シリコン活物質が、第1のアセンブリのカーボンナノチューブの少なくとも一部分上に0.1μm以上の厚さを有する被膜を形成するようにする。ある例では、例えば、硫黄活物質が、第1のアセンブリのカーボンナノチューブの少なくとも一部分上に0.1μm以上の厚さを有する被膜を形成するようにする。ある例では、例えば、正極及び負極が互いに独立して、10μm〜1mmの範囲から選択した、又随意ではあるがある適用分野では100μm〜1mmの範囲から選択した全厚さ(すなわち、活物質+カーボンナノチューブ)を有するようにする。
本発明の電気化学セルは更に、正極及び負極の双方又は何れか一方の機械的特性、化学的特性及び電気的特性の何れか又はこれらの任意の組合せを全体的に高めるために、これら正極及び負極の双方又は何れか一方に対する活物質を少なくとも部分的に囲む1つ以上のグラフェンエンクロージャを有するようにしうる。これらの例のグラフェン層は、正極及び負極の双方又は何れか一方に対する化学的バリア及び機械的支持体の双方又は何れか一方として機能するようにしうる。ある例では、例えば、電気化学セルが更に、負極のシリコン活物質を少なくとも部分的に囲んでいる第1のグラフェン層か、又は正極の硫黄活物質を少なくとも部分的に囲んでいる第2のグラフェン層か、或いは負極のシリコン活物質を少なくとも部分的に囲んでいる第1のグラフェン層と正極の硫黄活物質を少なくとも部分的に囲んでいる第2のグラフェン層との双方を有しているようにする。ある例では、例えば、第1のグラフェン層及び第2のグラフェン層のようなグラフェン層の各々が、これらグラフェン層における欠陥又はその他の通路構造を介して電荷キャリアのイオン移送を達成することにより、Li電荷キャリアのような電荷キャリアを透過しうるようにする。ある例では、例えば、第1のグラフェン層及び第2のグラフェン層のようなグラフェン層の各々が互いに独立して、5nm〜100nmの範囲から選択した平均厚さを有しているようにする。ある例では、第1のグラフェン層を前記シリコン活物質と、又はその上に設けた層と物理的に接触させて設けるとともに、第2のグラフェン層を硫黄活物質と、又はその上に設けた層と物理的に接触させて設けるようにする。ある例では、例えば、第1のグラフェン層と第2のグラフェン層との双方又は何れか一方が、負極のシリコン活物質及び正極の硫黄活物質の双方又は何れか一方の、例えば充電又は放電サイクル中に生じる、体積の膨張又は収縮に対応しうる電解質に対する弾性バリアを構成しているようにする。ある例では、例えば、第1のグラフェン層又は第2のグラフェン層が独立して、負極のシリコン活物質又は正極の硫黄活物質と、電解質とからの1種類以上の反応生成物の移送を阻止しうる化学的バリアを構成しているようにする。ある例では、例えば、第2のグラフェン層が、正極の硫黄活物質で発生される多硫化物が電解質に移送されるのを阻止するようにする。
本発明の電気化学セルは、液相電解質、又はゲル電解質、又は固相電解質を含む広範囲の電解質に適合しうるようにする。ある例では、例えば、電解質は、非水溶媒やリチウム包含塩をこの非水溶媒中に少なくとも部分的に溶解させたものを有するようにする。本発明の電解質は電極(正極及び負極)間に、電極表面と又は電極表面上の層(例えば、SEI層)と物理的に接触するように設け、電荷キャリアが、電解質から電極表面に移送しうるようにする。ある例では、例えば、電解質は、Liの電荷キャリアのような電荷キャリアに対し1.5S-1以上の、又随意ではあるが5S-1以上のイオン伝導率を有するようにする。本発明のこの態様に対する有効なリチウム塩には、LiBF、LiF、LiClO、LiAsF、LiSbF及びLiPFが含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明の非水電解質において有効な溶剤には、プロピレンカーボネート、1,2‐ジメトキシエタン、トリフルオロエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジエトキシエタン、1,3‐ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2‐メチルテトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ギ酸メチル、α-ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ‐ブチロラクトン、ジエトキシエタン、アセトニトリル及び酢酸メチルが含まれるが、これらに限定されるものではない。ある例では、例えば、電解質が、プロピレンカーボネート内に少なくとも部分的に溶解されたLiBF又はエチレンカーボネート内に少なくとも部分的に溶解されたLiPFを有するようにする。
本発明の電気化学システムには、良好な電子的性能を呈するスーパーキャパシタ及び二次電気化学セルを含めるようにする。ある例では、例えば、本発明の電気化学システムが、シリコン‐硫黄リチウムイオン電池のようなリチウムイオン電池を含んでいるようにする。ある例では、例えば、本発明により、約387.5Whkg-1以上の比エネルギー、例えば、理論的な比エネルギーの1/4を有している電気化学セルを提供する。ある例では、例えば、本発明により、1.35V以上の標準セル電圧、例えば、80%の電圧効率を有している電気化学セルを提供する。ある例では、例えば、本発明により、約1000サイクル以上のサイクル寿命を有している電気化学セルを提供する。
他の態様では、本発明により、電流を発生させる方法であって、
(i):(1)シリコン活物質を支持するカーボンナノチューブの第1のアセンブリを有する負極と、(2)硫黄活物質を支持するカーボンナノチューブの第2のアセンブリを有する正極と、(3)正極及び負極間に設けられ、電荷キャリアを伝導しうる電解質とを有する電気化学セルであって、カーボンナノチューブの第1のアセンブリ及びカーボンナノチューブの第2のアセンブリは互いに物理的に分離され且つ共通表面により支持されている当該電気化学セルを準備するステップと、
(ii):この電気化学セルを放電させるステップと
を有する電流発生方法を提供する。ある例では、この態様の方法は更に、ここに開示した追加の処理ステップ及び処理条件の双方又は何れか一方の如何なるものをも有するようにしうる。
他の態様では、本発明により、電気化学セルを形成する方法であって、
(i)カーボンナノチューブの第1のアセンブリを形成するステップと、
(ii)このカーボンナノチューブの第1のアセンブリ内にシリコン活物質を導入し、これによりこのカーボンナノチューブの第1のアセンブリにより支持されたシリコン活物質を有する負極を形成するステップと、
(iii )カーボンナノチューブの第2のアセンブリを形成するステップと、
(iv)このカーボンナノチューブの第2のアセンブリ内に硫黄活物質を導入し、これによりこのカーボンナノチューブの第2のアセンブリにより支持された硫黄活物質を有する正極を形成するステップと、
(v)外面を有する基板を形成するステップと、
(vi)この外面により支持された第1領域に負極を設けるステップと、
(vii )外面により支持された第2領域に正極を設け、負極のカーボンナノチューブの第1のアセンブリ及び正極のカーボンナノチューブの第2のアセンブリを互いに物理的に分離させるとともに外面により支持させるステップと、
(viii)電荷キャリアを伝導しうる電解質を正極及び負極間に設けるステップと
を有する電気化学セル形成方法を提供する。ある例では、この態様の方法は、負極と正極との間にセパレータ(例えば、透過膜)を設けるステップを含んでいない。ある例では、この態様の方法は更に、ここに開示した追加の処理ステップ及び処理条件の双方又は何れか一方の如何なるものをも有するようにしうる。
ある例では、例えば、カーボンナノチューブの第1のアセンブリを形成するステップが、基板の外面上に又はこの上に設けられた構造体上に直接成長させるステップを有するようにする。ある例では、例えば、カーボンナノチューブの第1のアセンブリを形成するステップが、カーボンナノチューブの第1のアセンブリを、第1のカレントコレクタ上に又はこの第1のカレントコレクタにより支持された第1の電気相互接続体上に成長させるステップを有し、カーボンナノチューブの第2のアセンブリを形成するステップが、カーボンナノチューブの第2のアセンブリを、第2のカレントコレクタ上に又はこの第2のカレントコレクタにより支持された第2の電気相互接続体上に成長させるステップを有するようにする。ナノチューブの第1及び第2のアセンブリを成長させる有効な方法は、カレントコレクタ又は電気相互接続体をカーボンナノチューブ成長用触媒に対しパターン化するとともに、このパターン化されたこのカーボンナノチューブ成長用触媒を気相又は液相のカーボンナノチューブ前駆体に曝すことを含む。これらの例でのカーボンナノチューブ成長用触媒をパターン化することにより、物理的寸法、物理的特性(例えば、ナノチューブの表面濃度及び密度の双方又は何れか一方、等)及びカーボンナノチューブアレイの位置を制御する有効な手段を得ることができる。ある例では、例えば、縦方向で整列されたカーボンナノチューブは例えば、当該技術分野で既知の技術(例えば、Aria, A. I. ; Gharib, M. 氏著“Reversible Tuning of the Wettability of Carbon Nanotube Arrays: The Effect of Ultraviolet/Ozone and Vacuum Pyrolysis Treatments”Langmuir 27, pp.9005-9011, doi:10.1021/la201841m (2011)参照)を介して互いに独立して、基板か、又は第1又は第2のカレントコレクタか、又は電気相互接続体上に成長させる。ある例では、例えば、第1及び第2のカーボンナノチューブアセンブリをそれぞれ、随意ではあるが基板の外面により支持された形態にした第1及び第2のカレントコレクタ上に直接成長させる。
ある例では、例えば、カーボンナノチューブの第1のアセンブリ内にシリコン活物質を導入するステップと、カーボンナノチューブの第2のアセンブリ内に硫黄活物質を導入するステップとを、物理的な蒸着、化学的な蒸着、スパッタリング、電着、溶媒流延法、液体注入及び液相堆積より成る群から選択した方法を用いて独立的に行う。シリコンをカーボンナノチューブの第1のアセンブリ内に導入するのは例えば、シラン前駆体を用いる化学的な蒸着と、シリコンナノ粒子及びナノワイヤの双方又は何れか一方の分散処理と、スパッタリング及び蒸発技術の双方又は何れか一方を用いたSiの物理的な蒸着との何れか又はこれらの任意の組合せを介して行うことができる。硫黄をカーボンナノチューブの第2のアセンブリ内に導入するのは例えば、溶融硫黄と溶液を包含する硫黄との双方又は何れか一方を、カーボンナノチューブのアセンブリのチューブ間間隔内に注入する処理を介して行うことができる。ある例では、例えば、硫黄をカーボンナノチューブの第2のアセンブリ内に導入することにより、300%〜350%の範囲から選択した体積変化が得られるようにする。
本発明のこの態様の方法は更に、カーボンナノチューブの第1のアセンブリにより支持されたシリコン活物質をプレリチオ化するステップと、カーボンナノチューブの第2のアセンブリにより支持された硫黄活物質をプレリチオ化するステップとの双方又は何れか一方を有するようにしうる。ある例では、例えば、第1のナノチューブアレイにより支持されたシリコン活物質を、リチウム箔又は安定化されたリチウム金属粉末のような金属リチウムと物理的に接触するように配置して、自然のプレリチオ化を生ぜしめるようにする。或いはまた、プレリチオ化は例えば、第1のナノチューブアレイにより支持されたシリコン活物質を直流電源の負側に接続するとともにリチウム金属箔を正側に接続することにより、電気化学的に実行しうる。ある例では、第1のナノチューブアレイにより支持されたシリコン活物質を、250%〜300%の範囲から選択した体積変化を受けるようにプレリチオ化する。
ある例では、例えば、この態様の方法が更に、カーボンナノチューブの第1のアセンブリにより支持されたシリコン活物質を第1のグラフェン層で少なくとも部分的に囲むか、随意ではあるが完全に囲むステップと、カーボンナノチューブの第2のアセンブリにより支持された硫黄活物質を第2のグラフェン層で少なくとも部分的に囲むか、随意ではあるが完全に囲むステップとの双方又は何れか一方を有するようにする。本発明の方法で有効なグラフェンエンクロージャを得るための製造法には、ナノチューブアセンブリにより支持された活物質上にグラフェンフィルム分散液を直接ドロップキャスティングするとともに乾燥させる処理が含まれる。
ある例では、例えば、この態様の方法が更に、負極及び正極を、基板の外面を有する共通表面上に、或いはその上に設けられた中間構造体(例えば、カレントコレクタ、電気相互接続体、等)上に設けるステップを有しているようにする。ある方法で装置を製造するのは、第1及び第2のカーボンナノチューブのアセンブリをそれぞれ支持する第1及び第2のカレントコレクタを、基板又はここに設けられた中間構造体(例えば、カレントコレクタ、電気相互接続体、等)の外面上に設けることにより達成するようにする。ある例では、例えば、第1及び第2のカーボンナノチューブのアセンブリを、互いに接触させない構成で共通表面上に設ける。本発明のこの態様の方法は更に、基板により支持された正極及び負極をケーシング内に設けるステップを有するようにしうる。
如何なる特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、ここで開示した装置及び方法に関連する基礎原理の意見又は理解の説明が存在する可能性がある。機械学的説明又は仮説の最終的な正確さに拘らず、本発明の例は有効で実用的なものとしうる。
図1Aは、本発明の電気化学セルを示す線図的断面図である。 図1Bは、本発明の他の電気化学セルを示す線図的断面図である。 図1Cは、電極を2つの隣接する細条から形成した本発明の電気化学セルを示す線図的頂面図である。 図1Dは、互いに指合させた電極を有する本発明の電気化学セルを示す線図的頂面図である。 図1Eは、指合させた電極を有し、負極を概してC字状とした本発明の他の電気化学セルを示す線図的頂面図である。 図1Fは、各電極を概して方形の螺旋形状とした本発明の他の電気化学セルを示す線図的頂面図である。 図2Aは、セパレータフリー型シリコン‐硫黄電池を示す線図的頂面図及び側面図であって、この図に示すように、この電池は、スカフォード及びエンクロージャとしてカーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造を用い、活性電極材料としてシリコン及び硫黄を用いており、カソード及びアノードは、これらの双方がセパレータを用いずに互いに接触しないように同じ平面上に位置する特定の形状にパターン化されていることを示す図である。 図2Bは、本発明のある実施例に対し有用な電極構造を示す線図である。 図3は、スカフォード及びエンクロージャとしてカーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造を用い、活性電極材料としてシリコン及び硫黄を用いて、セパレータフリー型シリコン‐硫黄電池を製造するフローチャートを示すブロック線図である。 図4は、代表的な薄膜構造に対してカーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造を用いる利点を示す線図であって、このカーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造により、極めて厚肉の膜のシリコン及び硫黄の活物質をこれらの内部電気抵抗を高めることなしに使用しうるようにするとともに、充電及び放電サイクル中にシリコン及び硫黄を自由に伸縮させて、シリコンの体積変化により導入される応力及び歪みが硫黄に対して作用しないように且つ硫黄の体積変化により導入される応力及び歪みがシリコンに対して作用しないようにすることを示す線図である。
ここで用いる用語及びフレーズは、標準のテキスト、雑誌の参考文献及び当業者にとって既知のコンテキストを参照することにより見つけうる当該技術分野で認識される意味を有するものである。以下の定義は、本発明のコンテキストにおけるこれらの特定の使用を明瞭にするために行ったものである。
“標準の電極電位”(E)は、溶質の濃度が1Mであり、ガス圧力が1atm (≒1013 hPa)であり、温度が25℃である場合の電極電位を言及するものである。ここで用いる標準の電極電位は標準の水素電極に対して測定する。
“電荷キャリア”は、電気化学セルの放電及び充電中に正極及び負極間で伝導する、電気化学セル中に生じるイオンを言及するものである。電荷キャリアは、電気化学セルの電解質及び電極構成要素の双方又は何れか一方に存在させることができる。本発明の電気化学セルにおいて有用な電荷キャリアにはリチウムイオン(Li)が含まれる。
“活物質”は、電気エネルギーを蓄積又は放出する電気化学反応に関与する電極中の材料を言及するものである。ある実施例では、正極及び負極の双方又は何れか一方に対する活物質は、Liホスト材料のようなホスト材料を単独で有するようにする。本発明の正極に対し有用な活物質には、硫黄、例えば、硫黄元素が含まれる。又、本発明の負極に対し有用な活物質には、シリコン及びその合金が含まれる。
“ホスト材料”は、リチウムイオンを収容しうる材料を言及するものである。このコンテキストでは、この収容には、ホスト材料中へのリチウムイオンの挿入と、ホスト材料中へのリチウムイオンのインターカレーションと、ホスト材料に対するリチウムイオンの反応との何れか又はこれらの任意の組合せが含まれるものである。
“インターカレーション”は、イオンをホスト材料中に挿入して、リチウムイオンのような伝導性ゲストイオンの挿入に加えて電気化学的な電荷転送処理を含むホスト/ゲスト固相酸化還元反応を介してインターカレーション化合物を発生するようにする処理を言及するものである。ホスト材料の主たる構造上の特徴は、インターカレーションを介するゲストイオンの挿入後でも保持されている。幾つかのホスト材料では、インターカレーションは、ゲストイオンが層状のホスト材料の層間の間隙(例えば、ギャラリー)で捕捉される処理を言及するものである。
用語“電気化学セル”は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換するか又は電気エネルギーを化学エネルギーに変換する装置と装置構成要素との双方又は何れか一方を言及するものである。電気化学セルは、2つ以上の電極(例えば、正極及び負極)と、電解質とを有しており、電極表面で生じる電極反応の結果として電荷転送処理が生じるようになっている。電気化学セルには、一次電池、二次電池及び電気分解システムが含まれるが、これらに限定されるものではない。一般的なセル及び電池の双方又は何れか一方の構造は当該技術分野で既知であり、例えば、米国特許第6,489,055号、米国特許第4,052,539号、米国特許第6,306,540号及びJ. Electrochem. Soc.(電気化学会ジャーナル)147(3) 892-898 (2000) (Seel及びDahn氏著)を参照されたい。
“電極”は、イオン及び電子を電解質と外部回路とでやり取りする導電体を言及するものである。“正極”及び“カソード”は本発明において同義語として用いており、電気化学セルにおいて高い方の(すなわち、負極よりも高い)電極電位を有する電極を言及するものである。“負極”及び“アノード”は本発明において同義語として用いており、電気化学セルにおいて低い方の(すなわち、正極よりも低い)電極電位を有する電極を言及するものである。カソード還元は化学種の電子の獲得を言及し、アノード酸化は化学種の電子の消失を言及するものである。
用語“容量”は、電池のような電気化学セルが保有しうる電荷の総量を言及するものである。容量は代表的に、アンペア時の単位で表される。用語“比容量”は、単位重量当たりの、電池のような電気化学セルの容量出力を言及するものである。比容量は代表的に、アンペア時kg-1の単位で表される。
用語“放電レート”は、電気化学セルが放電する電流を言及するものである。放電レートは、アンペアの単位で表される。或いはまた、放電レートは電気化学セルの定格容量に正規化でき、C/(Xt)として表すことができる。ここで、Cは電気化学セルの容量であり、Xは変数であり、tはここで用いる特定の時間単位であり1時間に等しい。
“電流密度”は電極の単位面積当たりで流れる電流を言及するものである。
“電極電位”は通常、異なる酸化(原子価)状態で化学種の電極内に又はこれと接触して存在する為に基準電極に対して測定される電圧を言及するものである。
“電解質”は、固体状態、液体状態(最も一般的である)又は最もまれに気体(例えば、プラズマ)で存在しうるイオン伝導体を言及するものである。ある実施例の電気化学セルは、少なくとも部分的に非水溶媒中に溶解させたリチウムを包含する塩を有するようにする。
“カーボンナノチューブ”及び“ナノチューブ”は同義語として用いているものであり、円筒状に構成された1つ以上のグラフェンシートを有するカーボンの同素体を言及するものである。カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ(SWNT)及び多層カーボンナノチューブ(MWNT)を有している。カーボンナノチューブは代表的に、小さい直径(1〜100ナノメートル)と長い長さ(数ミリメートルまで(例えば、5mm))とを有し、従って、長さ対直径の比は約102 〜約108 となりうる。ナノチューブの長手方向の寸法がその長さであり、ナノチューブの断面寸法がその直径(又は半径)である。カーボンナノチューブには、半導体カーボンナノチューブと、金属カーボンナノチューブと、半金属カーボンナノチューブと、これらの混合物とが含まれる。
“縦方向整列ナノチューブ”は、これらナノチューブの長手部分が共通表面から、随意であるがほぼ同じ方向で離れるように延在する向きで得られるナノチューブを言及するものである。ある実施例では、ナノチューブの長手部分が、基板の1つ以上の外面である、又はカレントコレクタ、電気相互接続体、その他の装置の構成要素、等の基板上に設けられた構造体の1つ以上の外面である共通表面から離れる方向に延在する向きで、縦方向整列ナノチューブが設けられるようにする。ある実施例では、アレイ中の隣接ナノチューブが互いにほぼ整列されているアレイ形態で縦方向整列ナノチューブが設けられるようにする。ある実施例では、縦方向整列ナノチューブの長手部分は互いに平行な垂直方向(すなわち、共通表面から離れる方向)に延在するようにする。ある実施例では、ナノチューブの長手部分がほぼまっすぐな構造をとるように(すなわち、直線性からのずれが20%以下となるように)した直線形態を縦方向整列ナノチューブが有するようにする。このコンテキストで用いられている用語“平行”は、カーボンナノチューブの長手部分がこれらのそれぞれの長手部分に沿う個所の少なくとも一部に対して互いからほぼ等距離にあり、同じ方向又は曲率を有する形態を言及するものである。用語の平行は、絶対平行性からある程度のずれを包含することを意図している。一実施例では、例えば、縦方向整列ナノチューブは、20度よりも少ない絶対平行性からのずれ、好ましくはある分野の場合10度よりも少ない絶対平行性からのずれ、更に好ましくはある分野の場合1度よりも少ない絶対平行性からのずれを以て互いに平行な空間定位を有するようにする。“ほぼ整列されたナノチューブ”は、互いに整列されているが絶対的に平行な構造では設けられていない垂直方向に延在する長手部分を有する。ある実施例では、例えば、ほぼ整列されたナノチューブは、絶対的な直線性からのずれが約10%よりも大きい構造をこれらのナノチューブの長手部分が成している部分的に直線性の形態を有し、又ある実施例では、絶対的な直線性からのずれを約20%よりも大きくする。
“カーボンナノチューブのアセンブリ”は、空間的に局在された、例えば、基板の1つ以上の外面の領域、又はカレントコレクタ、電気相互接続体、その他の装置の構成要素、等の基板上に設けられた構造体の1つ以上の外面の領域上に空間的に局在されたカーボンナノチューブの群を言及するものである。カーボンナノチューブのアセンブリは、ほぼ整列されたナノチューブ、高線形度を呈するナノチューブ及び縦方向で整列されたナノチューブを含むナノチューブアレイを含有する。又、カーボンナノチューブのアセンブリは、無作為に又はほぼ整列された向きで設けられたナノチューブを有するネットワークと、複数のナノチューブの交差を特徴とするネットワークとを含むナノチューブネットワークを有する。
表現“線形度”は、カーボンナノチューブの形状に最も近似する完全な直線と比べた、カーボンナノチューブの長手部分に沿うこのカーボンナノチューブの中央位置におけるずれを反映するこのカーボンナノチューブの特徴を言及するものである。高線形度を呈するカーボンナノチューブは、完全な直線に近似する構造を有する。しかし、高線形度なる表現は、ナノチューブの形状に最も近似する完全な直線からのある程度のずれを有するナノチューブの構造を含むことを意図するものである。ある実施例では、高線形度を呈するナノチューブが、これらの長手部分の全体に沿って、完全な直線性から約50ナノメートル以下のずれを有し、又ある分野に対し有益な実施例では、高線形度を呈するナノチューブが、これらの長手部分の全体に沿って、完全な直線性から約10ナノメートル以下のずれを有するようにする。又、ある実施例では、高線形度を呈するナノチューブが、完全な直線性から長手部分の1ミクロン当り約50ナノメートル以下のずれを有し、又ある分野に対し有益な実施例では、完全な直線性から長手部分の1ミクロン当り約5ナノメートル以下のずれを有するようにする。本発明は、アレイ中のナノチューブの少なくとも95%が高線形度を呈するナノチューブのアレイ及びこれに関連するナノチューブのアレイの形成方法を提供する。
“ナノチューブのアレイ”は、アレイ中の個々のナノチューブが相対位置及び相対空間定位を有するようにした空間構造を具える複数のナノチューブを言及するものである。
“ナノチューブの前駆体”は、例えば、化学蒸着処理、電気化学的合成処理及び熱分解処理によりカーボンナノチューブを形成するのに用いられる材料を言及するものである。ある実施例では、ナノチューブの前駆体をカーボンナノチューブの成長用触媒と相互作用させてカーボンナノチューブを形成するようにする。代表的なナノチューブの前駆体には、メタン、一酸化炭素、エチレン、ベンゼン及びエチルアルコールのようなハイドロカーボン(炭化水素)が含まれる。
“ナノチューブの成長用触媒”は、カーボンナノチューブの形成及び成長に対し触媒作用を及ぼす材料である。本発明の方法に対し有効なナノチューブの成長用触媒には、フェリチン、ニッケル、モリブデン、パラジウム、イットリウム、鉄、銅、コバルトを含むが、これらに限定されるものではない。
“基板により支持された”は、構造体が基板表面上に少なくとも部分的に存在すること又は構造体がこの構造体と基板表面との間に位置する1つ以上の中間構造体上に少なくとも部分的に存在することを言及するものである。用語“基板により支持された”は、基板内に部分的に又は完全に埋設された構造体、基板表面上に部分的に又は完全に固定された構造体及び基板表面上に部分的に又は完全に積層された構造体をも言及することができる。
用語“ナノ構造”は、材料及び構造体の双方又は何れか一方が、約1ミクロンよりも小さい少なくとも1つの物理的寸法(例えば、高さ、幅、長さ、横断面の寸法)を有する複数の構造領域を有することを言及するものである。このコンテックスでは、構造領域は、特性的な組成、構造及び位相の何れか又はこれらの任意の組合せを有する材料又は構造体の特徴事項、構成要素又は部分を言及するものである。又、“基板により支持された”は、構造体が基板表面上に少なくとも部分的に存在すること又は構造体がこの構造体と基板表面との間に位置する1つ以上の中間構造体上に少なくとも部分的に存在することを言及するものである。
図1A及び1Bは、本発明の電気化学セルを線図的に示している。これらの図1A及び1Bに示すセルは、断面図で示してある。図1A及び1Bにおける電気化学セルの各々は、共通表面(65)上に設けられ且つ基板(60)により支持された負極(40)及び正極(50)を有している。負極(40)及び正極(50)は、リチウムイオン(Li)電荷キャリアのような電荷キャリアを伝導させうる電解質(90)により分離されている。負極(40)及び正極(50)はそれぞれ単独で、活物質を支持するナノチューブのアセンブリを有している。ある実施例では、例えば、負極(40)がシリコン活物質(20)を支持するナノチューブ(10)の第1のアセンブリを有し、正極(50)が硫黄活物質(30)を支持するナノチューブ(10)の第2のアセンブリを有するようにする。又、図1A及び1Bは、基板(60)により支持されたカレントコレクタ(80)と、カーボンナノチューブアセンブリにより支持された活物質を少なくとも部分的に囲むとともに又随意ではあるがこの活物質と物理的に接触するグラフェンエンクロージャ(70)とを含む負極(40)及び正極(50)の随意の構成要素をも示している。随意ではあるが、(図1A及び1Bには図示されてないが、図2Bには図示されている)グラフェン相互接続体が、正極又は負極の何れか又は双方のナノチューブ(10)のアセンブリ及びカレントコレクタ(80)間に単独で設けられている。
図1A及び1Bに示すように、負極(40)及び正極(50)は、電解質(90)が占める空間を規定する距離dだけ分離されている。ある実施例では、dを10μm以上とし、随意ではあるが、ある実施例では、dを100μm以上とする。この構成によれば、電気化学セルの充電及び放電中にイオンを正極(50)及び負極(40)間で有効に移送させるも、正極(50)と負極(40)とが電気接触しないようにする。双方の電極(40)及び(50)はこれらを、例えば、基板(60)に、又は基板により支持されたカレントコレクタ(80)のような構造体に、又はカレントコレクタ(80)上に設けられた電気相互接続体に結合(例えば、接着)させることにより、共通基板(60)により支持された空間的に局在された位置に維持されるようにする。従って、図1A及び1Bにおける電極配置は、これら図1A及び1Bに示すセル設計において正極及び負極を分離させるのに通常のセパレータ(例えば、イオン伝導性の透過膜)を有さない又は必要としない。図1A及び1Bにおける電極配置によれば、負極(40)及び正極(50)の分離は、これらのそれぞれのカーボンナノチューブアセンブリを空間的に局在させることにより、例えば、基板上の又は基板により支持された構造体上のナノチューブをパターン化することにより有効に達成される。
図1A及び1Bに示すように、各電極はカーボンナノチューブ(10)のアセンブリを有している。この実施例の説明中で用いるナノチューブのアセンブリは、基板(60)により支持されている空間的に局在されている領域内に設けられた複数のナノチューブを言及するものである。図1A及び1Bに示すように、個々のナノチューブ(10)は負極においては平均距離dだけ離間されており、正極においては距離dだけ離間されている。ある実施例では、隣接するナノチューブ間の平均間隔はナノチューブの平均直径の2〜4倍とする。ある実施例では、隣接するナノチューブ間の平均間隔を10nm〜20nmの範囲から選択する。
図1A及び1Bは、カーボンナノチューブを一般に縦方向で整列されたものとして示している。図1A及び1Bに示す実施例では、縦方向で整列されたカーボンナノチューブは、これらが支持されている又は取付けられている表面に対しほぼ垂直な向きで設けられている。ナノチューブは、これらが平均で表面の法線から30度、25度、20度、15度、10度又は5度以内に配置されている場合にほぼ垂直にあると言える。他の実施例では、カーボンナノチューブを縦方向で整列させない。ある実施例では、非整列のカーボンナノチューブが触媒材料から成長させたカーボンナノチューブのネットワーク、マット又はフォレストの形態をとるようにしうる。ある実施例では、ナノチューブを多層ナノチューブとする。ある実施例では、多層ナノチューブの平均直径を15nm〜400nm、15nm〜200nm、15nm〜100nm又は15nm〜50nmとする。ある実施例では、ナノチューブを、例えば、基板(60)により支持されたカレントコレクタ(80)又は電気相互接続体上に設けられた触媒材料から成長させる。ある実施例では、カレントコレクタ(80)を、金属のカレントコレクタ、カーボンのカレントコレクタ(例えば、グラファイト)又は微粒子のカレントコレクタとする。ある実施例では、ナノチューブを共通表面に、又は触媒材料に、又はこれらの組合せに接着させる。適切な触媒材料には、Fe、Co、Ni、Au、Ag、Cu、Pb及びInが含まれるが、これらに限定されるものではない。
各電極におけるナノチューブのアセンブリは活物質を支持している。ある実施例では、図1Aに示すように、ナノチューブ間の空間内に活物質を充填させる。他の実施例では、図1Aに示すように、ナノチューブ間の空間内に活物質を完全には充填させずに、個々のナノチューブを少なくとも部分的に被覆させるようにする。アセンブリのナノチューブ上に活物質を設けるのに、物理的な蒸着、化学的な蒸着、電着、スパッタリング、溶媒流延法、液体注入及び液相堆積を含む種々の技術を用いることができる。ある実施例では、負極(40)がシリコン活物質(20)を有し、正極(50)が硫黄活物質(30)に対する支持体を有するようにする。活物質を支持するのにカーボンナノチューブアレイを使用することにより、電極の総導電率を高め、これにより放電率性能を高める。ある実施例では、活物質を支持するのにカーボンナノチューブアレイを用いることにより、電気化学セルのサイクル中の活物質の体積変化に基づく残留応力を減少させ、これにより電気化学セルのサイクル性能を高めるようにする。
本発明の一態様では、グラフェン層(70)が電極の活物質に結合されるとともに、この活物質を少なくとも部分的に囲むようにする。図1Aに示すように、グラフェン層が硫黄活物質に結合されるとともに、この硫黄活物質を少なくとも部分的に囲むようにするとともに、他のグラフェン層がシリコン活物質に結合されるとともに、このシリコン活物質を少なくとも部分的に囲むようにする。ある実施例では、グラフェン層がこの層を通るリチウムイオンの有効な移送を達成するが、電極から電解質へのある反応生成物(例えば、多硫化物)の移送、例えば、電気化学性能に悪影響を及ぼすおそれのある反応生成物の移送を制限する又は阻止するようにする。グラフェン層中の欠陥密度を制御することにより、グラフェン層を通る種々の種の伝導の相対的容易さを少なくとも部分的に制御しうる。電極の劣化程度を制限することにより、電解質と、この電解質及び電極間の界面(例えば、SEI層)との双方又は何れか一方の劣化をも制限しうる。
電解質(90)は負極と正極との間に存在させる。ある実施例では、電解質を、イオン伝導率が高くて導電率が低い液体とする。ある実施例では、電解質を、リチウム塩と溶剤との溶体を有する非水電解質とする。本発明のこの態様に対する有用なリチウム塩には、LiBF、LiF、LiClO、LiAsF、LiSbF及びLiPFが含まれるが、これらに限定されるものではない。ある実施例では、例えば、非水電解質溶液中におけるLiBFのようなリチウム塩の濃度はある分野の場合好ましくは1.0Mよりも小さくし、ある分野の場合より好ましく0.5Mよりも小さくする。本発明のある電気化学セルに対する有用なリチウム塩の濃度は、例えばLiBFが選択されたリチウム塩である場合に約0.75M〜0.25Mの範囲から選択する。本発明の非水電解質において有用な溶媒には、プロピレンカーボネート、1,2‐ジメトキシエタン、トリフルオロエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジエトキシエタン、1,3‐ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2‐メチルテトラヒドロフラン、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ギ酸メチル、α-ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ‐ブチロラクトン、ジエトキシエタン、アセトニトリル及び酢酸メチルが含まれるが、これらに限定されるものではない。本発明の非水電解質には、溶媒のフッ素類似物をも含まれる。
エンクロージャ(100)は代表的にセルに設けられているが、セルの種々の特徴部の識別を容易にするために図1A及び1Bには図示していない。しかし、エンクロージャ(100)は、以下で説明するように図1C〜1F及び図2に図示してある。
図1C〜1Fは、本発明の電気化学セルの種々の異なる電極構造を示す頂面図である。ある実施例では、双方の電極は類似形状となっている。図1Cは、双方の電極がほぼ方形形状となっている構造を示している。図1Dは、一方の電極が凹形状の特徴を有し、他方の電極が凸形状の特徴を有するこれらの電極を指合させている構造を示している。図1Fは、双方の電極がほぼ方形の螺旋形態にした構造を示している。図1Eは、一方の電極がC字状をしており、他方の電極がほぼ方形であり、これら双方の電極を指合させた実施例を示している。
(例1:セパレータフリー型シリコン‐硫黄電池用カーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造)
数十年間にわたり、リチウムイオン電池が、電気エネルギーを蓄積する最も有効な手段として知られている。しかし、これらの電池を大規模に採用することは、安全上の懸念、高生産性、維持費及び並の性能により著しく妨げられている。このような問題は殆ど、現在入手しうる正極及び負極(それぞれカソード及びアノード)と関連するエネルギー密度の制限及び充放電サイクルの悪さから生じるものである。例えば、一般に用いられているLiMnのカソードのエネルギー密度は極めて低く、このカソードの充放電サイクルは制限されている。LiCoO及びLiFePOのカソードのエネルギー密度は適度に高いが、前者のカソードには著しい毒性があり、後者のカソードの導電率は極めて悪い。同様に、リチウム金属のアノードを使用することにより、しばしば火災及び爆発の危険を生じる。充放電サイクル中にリチウム金属上に成長される樹状突起が短絡や熱の散逸を生ぜしめるおそれがある。一般に使用されているグラファイトアノードは極めて廉価であり高導電率であるが、これらのエネルギー密度は極めて悪い。
リチウムイオン電池の安全上の懸念を緩和させるとともにエネルギー密度を改善するために、アノード及びカソードとしてそれぞれプレリチオ化されたシリコン及び硫黄を使用することが考えられた(後に記載する参考文献1及び2を参照されたい)。このような組合せにより、極めて不安定でエネルギー密度が悪いリチウム金属及び挿入化合物電極を使用する必要性を排除する。シリコンは豊富でありその理論的な容量は高い(4200mAhg-1)為、シリコンは最も将来性のあるアノード材料として考えられている。しかし、プレリチオ化されたシリコンアノードを用いることにより問題が無くなるものではない。シリコンは充放電サイクル中に非常に大きな体積変化を受ける。このような体積の変化に起因するアノードの破損、亀裂及びカレントコレクタからの断絶により容量の急速な減少及びサイクル寿命の劣化を生ぜしめる。硫黄は豊富であり、廉価であり、その理論的容量が高い(1675mAhg-1)為、硫黄は最も将来性のあるカソード材料として考えられている。更に、硫黄は、毒性がある遷移金属化合物に比べてより環境に優しくもある。それでもなお、硫黄カソードの使用により問題が無くなるものでもない。硫黄は、充放電サイクル中に、可溶性のリチウム多硫化物Li及び不溶性の硫化物を電解液中に形成することを含む一連の構造上及び形態学上の変化を受ける。このような構造上の変化は硫化物の高抵抗と相俟って硫黄電極内に不安定な電気化学的接点を形成する。これらの問題は、急速な容量の減少、サイクル寿命の劣化、システム効率の低下及び内部抵抗の増大を生ぜしめる。
シリコンのアノード及び硫黄のカソードの組合せを用いるリチウムイオン電池は1550Wh/kgの比エネルギーを有することが予測されている(後に記載する参考文献3を参照されたい)。しかし、他の電池構成要素、例えば、カレントコレクタ、電解質、セパレータ、コネクタ、ケーシング及びパッケージングの重量を考慮すると、実際の電池性能は優れたものとなりえない。代表的に、電池の実際の比エネルギーは、実際に活性電極材料の比エネルギーの約4分の1〜12分の1となる(後に記載する参考文献4を参照されたい)。従って、実際の電池の性能を高めるためには、活性電極材料と他の電池構成要素との間の質量比(MR)及び体積比(VR)を最大にする必要がある。
本例では、スカフォード及びエンクロージャとしてカーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造を用い、活性電極材料としてシリコン及び硫黄を用いて高性能でしかも手ごろな価格のリチウムイオン電池を製造する新規な構想を開示する。これらの電池は、毒性があり且つ不安定な材料が存在しない為に本質的に安全でもある。この構想には4つの基本的な態様が存在する。すなわち、
1.活性アノード及びカソード材料としてそれぞれプレリチオ化されたシリコン及び硫黄を使用する。
2.充放電サイクル中のシリコン及び硫黄の大きな体積変化に対応するために電極スカフォードとして縦方向で整列されたカーボンナノチューブ(VACNT)を使用する。これらのVACNTのスカフォードは極めて厚肉の層のシリコン及び硫黄を使用しうるようにするとともに、同時にこれらの内部電気抵抗を低減させる。
3.多硫化物が電解質内に溶解するのを阻止するとともに、体積変化によるシリコン及び硫黄の破損を最小にするために、電極エンクロージャとしてグラフェンを使用する。
4.カソード及びアノードと、これらの対応するカレントコレクタとをパターン化して、カソード及びアノードの双方が同じ平面上に配置され且つセパレータの必要性を排除しうるようにする。
ある実施例では、正極及び負極に対して活物質を支持するために、カーボンナノチューブのアセンブリを有する、パターン化されたカーボンナノチューブスカフォードをそれぞれ独立させて設け、随意ではあるが、グラフェンエンクロージャにより活物質を部分的に囲むようにする。又、ある実施例では、ナノチューブのアセンブリをパターン化することにより、正極及び負極を空間的に局在させて基板により支持された領域を分離させ、これにより通常のセパレータの構成要素の必要性を排除するようにする。ある実施例では、プレリチオ化された活物質を用い、これにより金属のリチウムの必要性を排除してサイクル中の樹状突起の形成と関連する問題を回避するようにする。
前述したように、ある実施例では、カソード及びアノードの双方を特定の形状にパターン化し、これらの双方が互いに接触せずに同じ平面上に存在するようにする。この形状の一例は、セパレータフリー型シリコン‐硫黄電池の頂面図及び側面図を示す線図を提供する図2Aに示してある。この図2Aに示すように、この電池は、スカフォード及びエンクロージャとしてカーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造を用い、活性電極材料としてシリコン及び硫黄を用いている。カソード及びアノードは特定の形状にパターン化し、これらの双方が互いに接触せずに同じ平面上に存在し、セパレータを使用する必要性を排除するようにする。図2Bは、例えば、ESRを最小にするとともにカレントコレクタ(例えば、Cu箔)を保護するために、カーボンナノチューブアセンブリとカレントコレクタとの間に設けたグラフェン相互接続体を有する他の電極形状を示している。
図3は、スカフォード及びエンクロージャとしてカーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造を用い、活性電極材料としてシリコン及び硫黄を用いて、セパレータフリー型シリコン‐硫黄電池を製造する処理を説明するフローチャートを示す。カソード及びアノードの双方の形状及び位置はVACNTのスカフォードの形状及び位置により決定される為、ある適用分野の場合、カレントコレクタをパターン化し、その上に直接VACNTのスカフォードを成長させることにより製造処理を開始するのが有利である。金属のカレントコレクタは、リソグラフィ、物理的な蒸着及び電気メッキのような周知の微細加工技術を用いてパターン化しうる。これに続いて、化学的な蒸着によりカレントコレクタ上に直接VACNTのスカフォードを成長させることができる(後に記載する参考文献5を参照されたい)。ある実施例では金属のカレントコレクタを基板上にパターン化し、例えば、パターン化したナノチューブの触媒をナノチューブの前駆体に曝すことにより、VACNTのアセンブリをカレントコレクタ上に成長させる。次に、正極及び負極用の活物質をナノチューブアセンブリに設け、随意ではあるが電気化学的にプレリチオ化させる。又、随意ではあるが、正極及び負極の活物質を少なくとも部分的に囲む個別のグラフェンエンクロージャを設ける。或いはまた、ある実施例では、VACNTのアセンブリをグラフェンフィルム上に発生させ、その後にこれらを、基板上にパターン化されたカレントコレクタと電気接触させるように移して電気化学セルを製造する。
図4は、カーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造を用いる利点を、従来の薄膜構造と比べて示す線図である。カーボンナノチューブ‐グラフェンハイブリッド構造は、極めて厚肉のフィルムのシリコン及び硫黄の活物質を、これらの内部電気抵抗を高めることなく使用しうるようにする。これらの活物質は、シリコン及び硫黄を、充放電サイクル中に自由に伸縮させて、シリコンの体積変化により導入される応力及び歪みが硫黄に対して作用しないように且つ硫黄の体積変化により導入される応力及び歪みがシリコンに対して作用しないようにもする。この電極構造の利点には、
(i) Si及びSの活物質を自由に伸縮させる能力と、
(ii) Si及びSの活物質の体積変化により導入される力が互いに逆らわず、これにより短絡が生じないようにすることと、
(iii) 導電率及び熱分散を良好にし、これによりSi及びSの活物質の装填度を高くして容量を大きくするとともに熱の散逸のおそれを最少にすることと
が含まれる。
VACNTのスカフォードは、数mm(例えば、3mm)までの極めて厚肉のフィルムのシリコン及び硫黄を、これらの内部電気抵抗を高めることなく使用しうることを銘記することが重要である(図4)。又、上述した構成によって、代表的にアノード及びカソード間に配置するセパレータの必要性を完全に排除することもできる。シリコン及び硫黄の装填度が高くなることとセパレータが不要になることとが相俟って、MR及びVRの値を高くし、これにより最終的に電池の実際の比エネルギーをまさに活性電極材料の理論的な比エネルギーに近づける。更に、この構成によれば、充放電サイクル中にシリコン及び硫黄を自由に伸縮させる。従って、カソードの体積変化により導入される応力及び歪みがアノードに対して作用しないように且つアノードの体積変化により導入される応力及び歪みがカソードに対して作用しないようにする(図4)。
シリコンは前述した方法(図3)を用いてVACNTのスカフォード内に導入することができる。これらの方法には、シラン前駆体を用いる化学的蒸着と(後に記載する参考文献6及び7を参照されたい)、シリコンナノ粒子及びナノワイヤの分散処理と(後に記載する参考文献8を参照されたい)、スパッタリング及び蒸発作用を用いた物理的な蒸着とが含まれる(後に記載する参考文献9を参照されたい)。シリコンがVACNT内に一旦首尾よく導入されると(Si‐VACNT)、次のステップは、リチウムイオンを電気化学反応によりシリコン内に挿入させることである(図3)。ここで、Si‐VACNTを電解質の存在下でリチウム金属箔又は安定化リチウム金属パウダー(SLMP(登録商標))に接続する(後に記載する参考文献1及び10を参照されたい)。理想的には、Si‐VACNTがリチウム金属箔又は安定化リチウム金属パウダーと直接接触した際に自然にプレリチオ化処理が生じるようにする。しかし、接触時にリチウムイオンがSi‐VACNTに容易に挿入されない場合に、過電圧を用いることもできる。この場合、Si‐VACNTは、これをDC電源の負側に接続するとともにリチウム金属箔を正側に接続することにより充電される。Si‐VACNTに、構造的な完全性の損失及び破損を生ぜしめるおそれのある過リチウム化が行われないようにする注意する必要がある。原理的には、Si‐VACNTの良好なプレリチオ化処理は約250%〜300%の体積変化により表される。
Si‐VACNT電極が一旦首尾よくプレリチオ化されると、これら電極をグラフェンエンクロージャによりカプセル封止してサイクル寿命及び全電池効率を改善するようにしうる(図3)。グラフェンエンクロージャは、単にグラフェンフィルムの分散液をアノード上に直接ドロップキャスティングするとともに乾燥させることによりSi‐VACNT上に堆積させることができる。前述した方法を用いることにより、グラフェンフィルムを液体内に分散させることができる(後に記載する参考文献11及び12を参照されたい)。グラフェンエンクロージャは、充放電サイクル中にSi‐VACNTの体積変化を抑制し、シリコンの破損及びVACNTのスカフォードからの断絶を阻止するようにする。グラフェンエンクロージャは導電性であるとともにイオン伝導性である為、これらグラフェンエンクロージャはSi‐VACNTの内部抵抗を最小にするとともに、同時に電気化学反応を生ぜしめる。グラフェンによりカプセル封止したSi‐VACNT(Si‐VACNT/G)電極はリチウムイオン電池におけるアノードとして容易に用いられる。
同様に、前述した方法(図3)を用いて硫黄をVACNTのスカフォード内に導入することができる。これらの方法は、溶融硫黄と溶液を包含する硫黄との双方又は何れか一方を、VACANTのチューブ間の間隔内に注入する処理を含む(後に記載する参考文献13〜15を参照されたい)。原理的には、良好な硫黄注入処理は、約300%〜350%の重量変化により表される。VACNTのスカフォードに硫黄が一旦完全に注入されると(S‐VACNT)、これらをグラフェンエンクロージャによりカプセル封止することができる。グラフェンエンクロージャは、充放電サイクル中に電解質とS‐VACNT内に形成された多硫化物との間の直接的な接触を阻止する。従って、多硫化物が電解質内に溶解するのを回避しうるのと同時に電気化学反応を生ぜしめることができる。これにより最終的にサイクル寿命を改善するとともに、S‐VACNTの容量の急速な減少(フェージング)を最小にする。更に、グラフェンエンクロージャは、S‐VACNTの内部抵抗をも減少させ、最終的に電池の全効率を改善する。グラフェンによりカプセル封止されたS‐VACNT(S‐VACNT/G)電極は、リチウムイオン電池におけるアノードとして容易に用いられる。
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(参考文献の内容及びその変形の導入に関する説明)
本明細書全体で引用した全ての参考文献、例えば、交付済みの、すなわち登録された特許又はこれらと同等なものを含む特許文献、特許出願公開文献及び非特許文献又はその他の資料は、これらの全内容において参考のために導入されるものであるが、各参考文献は本発明における開示と少なくとも部分的に矛盾していない程度まで参考導入されるもの(例えば、部分的に矛盾する参考文献はその部分的に矛盾する部分を除いて参考導入されるもの)である。
本発明で用いた用語及び表現は、説明用語として用いたものであってこれらに限定されるものではなく、このような用語及び表現の使用において、図示した及び説明した特徴事項又はその一部の如何なる等価事項をも除く意図はなく、種々の変更が特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内で可能となるものである。従って、本発明を好適実施例、代表的な実施例及び随意の特徴事項により明瞭に開示したが、ここで開示した概念の変更及び変形が当業者にとって明らかであり、このような変更及び変形は特許請求の範囲に規定した本発明の範囲内であることを理解すべきである。ここに開示した特定の実施例は、本発明の実用的な実施例の例示的なものであり、当業者にとって明らかなように、本発明は、装置と、装置の構成要素と、本発明で説明した方法のステップとの多数の変形を用いて実施しうるものである。又、当業者にとって明らかなように、本発明の方法及びこれらにとって有効な装置には、多数の随意の構成や、多数の処理要素及びステップを含みうるものである。
本発明で置換基群を開示する場合、置換基群の要素の如何なる異性体(イソマー)、鏡像異性体(エナンチオマー)及びジアステレオマーをも含む置換基群及び全てのサブ群の全ての個々の要素を別々に開示している。ここでマーカッシュ群又はその他の群を用いる場合、この群の個々の要素や、この群の可能な全ての結合体及び副結合体はここに個別に導入されるものである。ここで、化合物の特定の異性体、鏡像異性体又はジアステレオマーを例えば化学式中で、又は化学名で特定しないようにこの化合物を記載する場合には、この記載は、個別に又は何らかの組合せで開示する化合物の各異性体及び鏡像異性体を含むことを意図するものである。更に、本発明で開示した化合物のあらゆる同位体の変形も、他に定義しない限り本発明で包含されることを意図するものである。例えば、ここで開示する分子における如何なる1つ以上の水素も重水素又は三重水素と置換しうる。分子の同位体の変形は一般に、分子に対する分析や、分子又はその用途に関連する化学的及び生物学的研究における基準として有用である。このような同位体の変形を形成する方法は当該技術分野において既知である。化合物の特定の名称は代表的なものであることを意図するものである。その理由は、当業者は同じ化合物を異なるように称呼することができる為である。
本明細書及び特許請求の範囲で用いられている用語には、単数の記載がない限り、複数が含まれるものである。従って、例えば、用語“セル”には複数のこのようなセルや、当業者にとって既知のその等価物等が含まれるものである。同様に、“1つ以上”及び“少なくとも1つ”は互いに交換して用いることができる。“有する”及び“含む”は互いに交換して用いることができることにも注意すべきである。“請求項XX〜YYの何れか1項に記載の”の表現(ここで、XX及びYYは請求項の番号を表している)は多項従属請求項を選択形態で表すものである。
他に定義しない限り、本発明で使用される全ての技術用語および科学用語は、一般的に、本発明が属する技術分野の当業者によって理解されるものと同じ意味を有するものである。本発明における記載のものと類似する又は等価の如何なる方法及び材料も本発明の実施又は試験において使用することができるが、本発明では好ましい方法および材料を記載している。本発明は先行発明による前述したような開示に先行する権利がないということを認めるものと解釈されるものは、本発明には何も存在するものではない。
本発明においてある範囲、例えば、整数の範囲、温度範囲、時間範囲、組成範囲又は濃度範囲が与えられた場合、あらゆる中間範囲及び部分範囲や、これらの範囲に含まれるあらゆる個々の値も本発明に含まれるものである。本発明で用いる範囲には特に範囲の端点の値として与えられる値が含まれるものである。又、本発明で用いる範囲には特に範囲のあらゆる整数値が含まれるものである。例えば、1〜100の範囲には特に1及び100の端点の値が含まれるものである。本発明で記載した如何なる部分範囲も或いは範囲又は部分範囲における個々の値も特許請求の範囲から除外することができることが理解されるであろう。
本発明で用いた用語“有する”は、“含む”、“包含する” 又は“特徴とする”と同義語であり、これらと交換して用いることができるとともに包括的又は非限定的であり、付加的で記載のない要素又は方法のステップを排除するものではない。本発明で用いた用語“より成る”は、特許請求の範囲に特定されていない如何なる要素、ステップ又は成分をも排除するものである。本発明で用いた用語“実質的により成る”は、特許請求の範囲の請求項の基本的で新規な特徴事項に著しい悪影響を及ぼさない材料又はステップを排除するものではない。ここでどの場合でも、用語“有する”、“実質的により成る”及び“より成る”の如何なる用語も他の2つの用語の何れとも置換えることができるものである。例示的に説明した本発明は、ここで明確に開示していない如何なる要素や限定がなくても適切に実施しうるものである。
当業者にとって明らかなように、具体的に例示した以外の、出発材料、生物材料、試薬、合成方法、精製方法、解析方法、分析方法及び生物学的方法を、不当な実験に頼らずに本発明を実施する際に採用しうる。このような如何なる材料及び方法の、当該技術分野で既知の機能的な等価な全てのものを本発明に含めることを意図とするものである。採用した用語及び表現は、説明の用語として用いたものであり、これらに限定されるものではなく、このような用語及び表現の使用にあたっては、図示の及び説明した特徴事項の如何なる等価事項をも排除することを意図するものではなく、種々の変形が特許請求の範囲の範囲に記載した本発明の範囲内で可能なものである。従って、本発明を好適実施例及び随意の特徴事項により具体的に開示したが、ここに開示した概念の変更及び変形を、特許請求の範囲により規定された本発明の範囲内で当業者が行うことができることを理解すべきである。



  1. シリコン活物質を支持するカーボンナノチューブの第1のアセンブリを有する負極と、
    硫黄活物質を支持するカーボンナノチューブの第2のアセンブリを有する正極と、
    前記正極及び前記負極間に設けられ、電荷キャリアを伝導させうる電解質と
    を有する電気化学セルであって、
    前記カーボンナノチューブの第1のアセンブリと前記カーボンナノチューブの第2のアセンブリとが互いに物理的に分離されているとともに共通表面により支持されている電気化学セル。

  2. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記電荷キャリアがLiイオンであり、前記正極及び前記負極が前記電気化学セルの充電又は放電中に前記Liイオンを収容するようになっている電気化学セル。

  3. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記シリコン活物質又は硫黄活物質或いはこれらの双方がプレリチオ化されている電気化学セル。

  4. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルがセパレータを含んでいない電気化学セル。

  5. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリと前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリとが少なくとも10μmだけ互いに物理的に分離されている電気化学セル。

  6. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが更に基板を有し、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリと前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリとを支持する前記共通表面がこの基板の外面である電気化学セル。

  7. 請求項6に記載の電気化学セルにおいて、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリと前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリとが、前記基板の前記外面上に、或いは前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリ又は前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリと前記基板の前記外面との間に設けられた1つ以上の中間構造体上に互いに独立して設けられている電気化学セル。

  8. 請求項7に記載の電気化学セルにおいて、前記カーボンナノチューブの第1のアセンブリが前記基板の前記外面により支持された第1のカレントコレクタ上に設けられ、前記カーボンナノチューブの第2のアセンブリが前記基板の前記外面により支持された第2のカレントコレクタ上に設けられている電気化学セル。

  9. 請求項8に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが更に第1のグラフェン電気相互接続体及び第2のグラフェン電気相互接続体を有し、前記第1のグラフェン電気相互接続体が前記カーボンナノチューブの第1のアセンブリと前記第1のカレントコレクタとの間に設けられており、前記第2のグラフェン電気相互接続体が前記カーボンナノチューブの第2のアセンブリと前記第2のカレントコレクタとの間に設けられている電気化学セル。

  10. 請求項6に記載の電気化学セルにおいて、前記カーボンナノチューブの第1のアセンブリが前記基板により支持された1つ以上の第1の細条として設けられ、前記カーボンナノチューブの第2のアセンブリが前記基板により支持された1つ以上の第2の細条として設けられている電気化学セル。

  11. 請求項10に記載の電気化学セルにおいて、前記第1の細条が前記第2の細条から少なくとも10μmだけ離間されている電気化学セル。

  12. 請求項10に記載の電気化学セルにおいて、前記第1の細条及び前記第2の細条が、10μm〜1mmの範囲から選択した幅と30μm〜3mmの範囲から選択した長さとで特性化されている電気化学セル。

  13. 請求項10に記載の電気化学セルにおいて、前記第1の細条及び前記第2の細条が、スペース充填形態に配置されている電気化学セル。

  14. 請求項13に記載の電気化学セルにおいて、前記第1の細条及び前記第2の細条が、平行形態と、指合形態と、入れ子形態と、渦巻形態と、螺旋形態との何れかの形態に配置されている電気化学セル。

  15. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリ及び前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブか又は多層カーボンナノチューブか或いはこれらの双方を有している電気化学セル。

  16. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリ及び前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブが金属カーボンナノチューブを有している電気化学セル。

  17. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブと前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブとが互いに独立して、5nm〜100nmの範囲から選択した径方向寸法及び10μm〜5mmの範囲から選択した長手方向寸法により特性化されている電気化学セル。

  18. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブと前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブとが互いに独立して、25ナノチューブμm-2以上の平均表面濃度により特性化されている電気化学セル。

  19. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブと前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブとが、1つ以上のカーボンナノチューブアレイ又はカーボンナノチューブネットワークを有している電気化学セル。

  20. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブが縦方向で整列されたカーボンナノチューブの第1のアレイを有し、前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブが縦方向で整列されたカーボンナノチューブの第2のアレイを有している電気化学セル。

  21. 請求項20に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアレイ及び前記第2のアレイの前記縦方向で整列されたカーボンナノチューブが前記共通表面から離れる1つ以上の方向に延在している電気化学セル。

  22. 請求項20に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアレイ及び前記第2のアレイの前記縦方向で整列されたカーボンナノチューブが前記共通表面から離れる共通方向に延在している電気化学セル。

  23. 請求項20に記載の電気化学セルにおいて、隣接するナノチューブ間の平均間隔を10nm〜200nmの範囲から選択することにより、前記第1のアレイ及び前記第2のアレイの前記縦方向で整列されたカーボンナノチューブが互いに独立して特性化されている電気化学セル。

  24. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブが、前記電気化学セルの充電又は放電中の前記シリコン活物質の膨張により生じる応力に対応しうる機械的スカフォードを形成し、機械故障を生じることなく200%以上の負極の可逆的な体積変化を可能にするようになっている電気化学セル。

  25. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブが、前記電気化学セルの充電又は放電中の前記硫黄活物質の膨張により生じる応力に対応しうる機械的スカフォードを形成し、機械故障を生じることなく200%以上の正極の可逆的な体積変化を可能にするようになっている電気化学セル。

  26. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブと前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブとが互いに独立して、前記正極及び前記負極の総導電率を100倍以上に高めるようになっている電気化学セル。

  27. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記シリコン活物質が元素のシリコン又はその合金を有している電気化学セル。

  28. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記硫黄活物質が元素の硫黄を有している電気化学セル。

  29. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記シリコン活物質及び前記硫黄活物質が互いに独立して単結晶材料又は多結晶材料又はアモルファス材料を有している電気化学セル。

  30. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記シリコン活物質が前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブを少なくとも部分的に被覆しているか、又は前記硫黄活物質が前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブを少なくとも部分的に被覆しているか、或いは前記シリコン活物質が前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブを少なくとも部分的に被覆しているとともに、前記硫黄活物質が前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブを少なくとも部分的に被覆している電気化学セル。

  31. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、物理的な蒸着、化学的な蒸着、スパッタリング、電着、溶媒流延法、液体注入及び液相堆積より成る群から選択した処理により、前記シリコン活物質が前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブ上に設けられているか、又は前記硫黄活物質が前記第2のアセンブリの前記カーボンナノチューブ上に設けられている電気化学セル。

  32. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記シリコン活物質が、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブの少なくとも一部分上に0.1μm以上の厚さを有する被膜を形成している電気化学セル。

  33. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記硫黄活物質が、前記第1のアセンブリの前記カーボンナノチューブの少なくとも一部分上に0.1μm以上の厚さを有する被膜を形成している電気化学セル。

  34. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが更に、前記負極の前記シリコン活物質又は前記正極の前記硫黄活物質を少なくとも部分的に囲んでいる少なくとも1つ以上のグラフェン層を有している電気化学セル。

  35. 請求項34に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが更に、前記負極の前記シリコン活物質を少なくとも部分的に囲んでいる第1のグラフェン層か又は前記正極の前記硫黄活物質を少なくとも部分的に囲んでいる第2のグラフェン層か或いはこれらの双方を有している電気化学セル。

  36. 請求項35に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のグラフェン層及び前記第2のグラフェン層の各々はLiの電荷キャリアを透過しうるようになっている電気化学セル。

  37. 請求項35に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のグラフェン層及び前記第2のグラフェン層の各々は互いに独立して、5nm〜100nmの範囲から選択した平均厚さを有している電気化学セル。

  38. 請求項35に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のグラフェン層又は前記第2のグラフェン層は、前記負極の前記シリコン活物質又は前記正極の前記硫黄活物質の体積の膨張又は収縮に対応しうる、前記電解質に対する弾性バリアを構成している電気化学セル。

  39. 請求項35に記載の電気化学セルにおいて、前記第1のグラフェン層又は前記第2のグラフェン層は、前記負極の前記シリコン活物質又は前記正極の前記硫黄活物質と、前記電解質とから1種類以上の反応生成物が移送されるのを阻止しうる化学的バリアを構成している電気化学セル。

  40. 請求項39に記載の電気化学セルにおいて、前記第2のグラフェン層が、前記正極の前記硫黄活物質で発生される多硫化物が前記電解質に移送されるのを阻止するようになっている電気化学セル。

  41. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記電解質は液相電解質か、又はゲル電解質か、又は固相電解質である電気化学セル。

  42. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒中に少なくとも部分的に溶解させたリチウム包含塩とを有している電気化学セル。

  43. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、前記電解質は、前記電荷キャリアに対し1.5S-1以上のイオン伝導率を有している電気化学セル。

  44. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが二次電気化学セルを有している電気化学セル。

  45. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルがリチウムイオン電池を有している電気化学セル。

  46. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが約387.5Whkg-1以上の比エネルギーを有している電気化学セル。

  47. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが1.35V以上の標準セル電圧を有している電気化学セル。

  48. 請求項1に記載の電気化学セルにおいて、この電気化学セルが約1000サイクル以上のサイクル寿命を有している電気化学セル。

  49. シリコン活物質を支持するカーボンナノチューブの第1のアセンブリを有する負極と、硫黄活物質を支持するカーボンナノチューブの第2のアセンブリを有する正極と、前記正極及び前記負極間に設けられ、電荷キャリアを伝導しうる電解質とを有する電気化学セルであって、前記カーボンナノチューブの第1のアセンブリ及び前記カーボンナノチューブの第2のアセンブリは互いに物理的に分離され且つ共通表面により支持されている当該電気化学セルを準備するステップと、
    この電気化学セルを放電させるステップと
    を有する電流発生方法。

  50. カーボンナノチューブの第1のアセンブリを形成するステップと、
    このカーボンナノチューブの第1のアセンブリ内にシリコン活物質を導入し、これによりこのカーボンナノチューブの第1のアセンブリにより支持された前記シリコン活物質を有する負極を形成するステップと、
    カーボンナノチューブの第2のアセンブリを形成するステップと、
    このカーボンナノチューブの第2のアセンブリ内に硫黄活物質を導入し、これによりこのカーボンナノチューブの第2のアセンブリにより支持された前記硫黄活物質を有する正極を形成するステップと、
    外面を有する基板を形成するステップと、
    この外面により支持された第1領域に前記負極を設けるステップと、
    前記外面により支持された第2領域に前記正極を設け、前記負極の前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリ及び前記正極の前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリを互いに物理的に分離させるとともに前記外面により支持させるステップと、
    電荷キャリアを伝導しうる電解質を前記正極及び前記負極間に設けるステップと
    を有する電気化学セル形成方法。

  51. 請求項50に記載の電気化学セル形成方法において、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリを形成する前記ステップが、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリを第1のカレントコレクタ上に又はこの第1のカレントコレクタにより支持された第1の電気相互接続体上に成長させるステップを有し、前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリを形成する前記ステップが、前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリを第2のカレントコレクタ上に又はこの第2のカレントコレクタにより支持された第2の電気相互接続体上に成長させるステップを有している電気化学セル形成方法。

  52. 請求項50に記載の電気化学セル形成方法において、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリ内に前記シリコン活物質を導入する前記ステップと、前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリ内に前記硫黄活物質を導入する前記ステップとを、物理的な蒸着、化学的な蒸着、スパッタリング、電着、溶媒流延法、液体注入及び液相堆積より成る群から選択した方法を用いて独立的に行う電気化学セル形成方法。

  53. 請求項50に記載の電気化学セル形成方法において、この電気化学セル形成方法が更に、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリにより支持された前記シリコン活物質をプレリチオ化するステップ又は前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリにより支持された前記硫黄活物質をプレリチオ化するステップを有している電気化学セル形成方法。

  54. 請求項50に記載の電気化学セル形成方法において、この電気化学セル形成方法が更に、前記カーボンナノチューブの前記第1のアセンブリにより支持された前記シリコン活物質を第1のグラフェン層で少なくとも部分的に囲むステップか、又は前記カーボンナノチューブの前記第2のアセンブリにより支持された前記硫黄活物質を第2のグラフェン層で少なくとも部分的に囲むステップを有している電気化学セル形成方法。

  55. 請求項50に記載の電気化学セル形成方法において、この電気化学セル形成方法が更に、前記負極及び前記正極を、前記基板の前記外面を有する共通表面上に、或いはその上に設けられた中間構造体上に設けるステップを有している電気化学セル形成方法。

 

 

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