正極活物質及びそれを含むリチウム二次電池とその製造方法

 

本発明は、正極活物質及びそれを含むリチウム二次電池とその製造方法であって、
(a)下記化学式1のリチウム金属酸化物を製造するステップと、
Li1+zNiMnCo1−(a+b) (1)
(上記式中、0≦z≦0.1、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8及びa+b<1である。)
(b)前記リチウム金属酸化物とジルコニウム及びフッ素含有前駆体とを乾式混合するステップと、
(c)ステップ(b)の乾式混合後に熱処理して、ジルコニウム及びフッ素含有前駆体をZrOに変換させ、酸素(O)アニオンの一部がFで置換されるステップと、
を含むことを特徴とする、ZrO及びFがコーティングされた正極活物質の製造方法及びそれを用いて製造される正極活物質を提供する。

 

 

本発明は、正極活物質及びそれを含むリチウム二次電池とその製造方法に係り、より詳細には、所定のリチウム金属酸化物を製造するステップ、前記リチウム金属酸化物とジルコニウム及びフッ素含有前駆体とを乾式混合するステップ、及びこのような乾式混合後に熱処理して、ジルコニウム及びフッ素含有前駆体をZrOに変換させ、酸素(O)アニオンの一部がFで置換されるステップを含むことを特徴とする、ZrO及びFがコーティングされた正極活物質の製造方法に関する。
リチウム二次電池は、高いエネルギー密度と作動電位を示し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いので、モバイルデバイスだけでなく、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、電力貯蔵装置などのような中大型デバイスなどにも広く使用されている。
リチウム二次電池の正極活物質としてはリチウム含有コバルト酸化物(LiCoMO)が主に使用されており、その他にも、リチウム含有ニッケル酸化物(LiNiMO)、層状構造のリチウムマンガン酸化物(LiMnMO)、スピネル構造のリチウムマンガン酸化物(LiMnMO)の使用も考慮されており、最近はLiMO(Mは、Co、Ni及びMn)が使用されている。
このようなLiMO(M:Co、Ni、Mn)の表面には、合成過程中に多量のLi副産物が発生するようになり、これらLi副産物のほとんどはLiCO及びLiOHの化合物からなっているので、正極ペーストの製造時にゲル(gel)化するという問題点、及び電極の製造後、充放電の進行によるガス発生の原因となる。
一方、リチウム二次電池には、イオンを伝達する媒介として電解質が必須であり、前記電解質は、一般的に溶媒とリチウム塩で構成されており、前記リチウム塩としては、塩の溶解度と化学的安定性などの関係において四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)などが主に使用されている。しかし、上記のようにフッ素(F)を含むリチウム塩を溶解させた電解質は、電解質内の微量の水分と反応してフッ酸(HF)を形成し、前記フッ酸は電極を分解するという問題を招く。
また、炭酸リチウム(LiCO)は、非水溶性純粋溶媒では溶出されずに安定に存在するが、フッ酸(HF)と反応する場合には、電解質に溶出されて二酸化炭素(CO)を発生させるため、貯蔵またはサイクルの間に過量のガスが発生するという欠点がある。それによって、電池のスウェリング(swelling)現象を誘発し、高温安全性を低下させるという問題を有している。
本発明は、上記のような従来技術の問題点及び過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
具体的に、本発明の目的は、ZrO及びFのコーティング層によって、正極活物質の表面に存在する不純物(LiCO、LiOH)と電解質内のフッ酸(HF)との接触を防ぎ、ZrOが電解質内のフッ酸(HF)と反応して安定な物質を生成することによって、安全性及びサイクル特性に優れた正極活物質の製造方法を提供することである。
本発明の更に他の目的は、前記方法で製造された新しい構造の正極活物質を提供することである。
このような目的を達成するための本発明に係る正極活物質の製造方法は、
(a)下記化学式1のリチウム金属酸化物を製造するステップと、
Li1+zNiMnCo1−(a+b) (1)
(上記式中、0≦z≦0.1、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8及びa+b<1である)、
(b)前記リチウム金属酸化物とジルコニウム及びフッ素含有前駆体とを乾式混合するステップと、
(c)ステップ(b)の乾式混合後に熱処理して、ジルコニウム及びフッ素含有前駆体をZrOに変換させ、酸素(O)アニオンの一部がFで置換されるステップと、
を含んでいることによって、ZrO及びFがコーティングされた正極活物質を提供する。
本発明の製造方法により形成されたZrO及びFの皮膜は、正極活物質の表面に存在する不純物(LiCO、LiOH)と電解質内のフッ酸(HF)の接触を防ぐことができ、また、前記ZrO皮膜は、電解質内のフッ酸(HF)と反応して安定な形態のZrO・5HF・HOを形成できるので、正極活物質の表面を安定化させる作用をする。
したがって、本発明により製造される正極活物質は、電解液との接触による正極活物質の構造崩壊及び副反応産物としての二酸化炭素の発生を抑制できるので、これを含むリチウム二次電池は、スウェリング現象の最小化によって向上した安全性を有し、サイクル特性が向上するという効果を発揮する。
化学式1のリチウム金属酸化物は、ニッケルの含量(a)及びマンガンの含量(b)が、詳細には、それぞれ0.1以上〜0.8以下であってもよく、より詳細には、前記化学式1のリチウム金属酸化物は、LiNi1/3Mn1/3Co1/3またはLiNi0.5Mn0.3Co0.2であってもよい。
このようなリチウム遷移金属酸化物粒子は、固相法、共沈法などの当業界において公知となった製造方法により準備することができるので、これについての詳細な説明は省略する。
本発明に係る製造方法において、前記ジルコニウム及びフッ素含有前駆体は、Zr及びFを提供できる化合物であって、特に制限されるものではないが、具体的にはZrFであってもよい。
一具体例において、ステップ(b)において、リチウム遷移金属酸化物にコーティングされるZrO及びFの量が正極活物質の全重量を基準として0.001〜0.100重量%になるように、リチウム遷移金属酸化物の量を調節して混合することができ、詳細には0.001〜0.010重量%になるように混合することができる。
前記ZrO及びFの量が少なすぎる場合、所望の効果を発揮しにくく、多すぎる場合、比容量(specific capacity)が減少することがあるため好ましくない。
ステップ(b)の乾式混合は、例えば、単純混合または高エネルギーミリング(high energy milling)により行われてもよい。特に、高エネルギーミリング(high energy milling)は、例えば、メカノフュージョン装置またはノビルタ装置などを用いて達成することができ、前記メカノフュージョンは、乾式状態で強い物理的な回転力により混合物を形成させる方法であって、構成物質間の静電気的な結着力が形成される方法である。
前記熱処理は、例えば、400〜1000℃の温度で4時間〜10時間、空気雰囲気下で行うことができ、このような熱処理により、ジルコニウム及びフッ素含有前駆体がZrOに変換され、酸素(O)アニオンの一部がFで置換されて、ZrO及びFがコーティングされたリチウム遷移金属酸化物を製造することができる。
前記熱処理の温度範囲は、本発明で望む正極活物質を得ることができる最適の範囲であって、前記熱処理温度が高すぎるまたは低すぎる場合、不純物、結晶結合、試片の壊れなどの問題が発生することがあるため好ましくない。
本発明はまた、前記製造方法を用いて製造したZrO及びFがコーティングされていることを特徴とする二次電池用正極活物質を提供する。
前記コーティング層の厚さは、具体的には0.01〜0.1μmであってもよく、より具体的には0.01〜0.05μmであってもよい。前記コーティング層の厚さが薄すぎる場合には、電解液との接触を防止できなかったり、電池の作動過程で損傷が生じやすく、厚すぎる場合には比容量(specific capacity)が減少することがあるため好ましくない。
前記ZrO及びFは、正極活物質の表面積を基準として、例えば、60〜100%のコーティング面積で塗布されてもよく、具体的には、80〜100%のコーティング面積で塗布されてもよい。前記コーティング層の面積が小さすぎる場合、正極活物質と電解液との接触面積が増加することがあるため好ましくない。
本発明はまた、前記のような正極活物質を含む二次電池用正極合剤、及び前記正極合剤が塗布されている二次電池用正極を提供する。
前記正極合剤には、前記正極活物質以外に、選択的に導電材、バインダー、充填剤などが含まれてもよい。
前記導電材は、通常、正極活物質を含んだ混合物の全重量を基準として1〜30重量%で添加される。このような導電材は、当該電池に化学的変化を誘発せずに導電性を有するものであれば特に制限されるものではなく、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などを使用することができる。
前記バインダーは、活物質と導電剤などの結合及び集電体に対する結合を助ける成分であって、通常、正極活物質を含む混合物の全重量を基準として1〜30重量%で添加される。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、澱粉、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などを挙げることができる。
前記充填剤は、正極の膨張を抑制する成分として選択的に使用され、当該電池に化学的変化を誘発せずに繊維状材料であれば特に制限されるものではなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
本発明に係る正極は、上記のような化合物を含む正極合剤をNMPなどの溶媒に混合して作られたスラリーを正極集電体上に塗布した後、乾燥及び圧延して製造することができる。
前記正極集電体は、一般に3〜500μmの厚さに製造される。このような正極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せずに導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどを使用することができる。集電体は、その表面に微細な凹凸を形成して正極活物質の接着力を高めることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態が可能である。
本発明はまた、前記正極と、負極、分離膜、及びリチウム塩含有非水電解液で構成されたリチウム二次電池を提供する。
前記負極は、例えば、負極集電体上に負極活物質を含んでいる負極合剤を塗布した後、乾燥して製造され、前記負極合剤には、必要に応じて、上述したような成分が含まれてもよい。
前記負極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LiFe(0≦x≦1)、LiWO(0≦x≦1)、SnMe1-xMe’(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me’:Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1、1≦y≦3、1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;錫系合金;SnO、SnO、PbO、PbO、Pb、Pb、Sb、Sb、Sb、GeO、GeO、Bi、Bi、Biなどの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li−Co−Ni系材料などを使用することができる。
前記負極集電体は、一般に3〜500μmの厚さに製造する。このような負極集電体は、当該電池に化学的変化を誘発せずに高い導電性を有するものであれば、特に制限されるものではなく、例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム−カドミウム合金などを使用することができる。また、正極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して負極活物質の結合力を強化させることもでき、フィルム、シート、ホイル、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体などの様々な形態で使用することができる。
前記分離膜は、正極と負極との間に介在し、高いイオン透過度及び機械的強度を有する絶縁性の薄い薄膜が使用される。一般に、分離膜の気孔径は0.01〜10μmで、厚さは5〜300μmである。このような分離膜としては、例えば、耐化学性及び疎水性のポリプロピレンなどのオレフィン系ポリマー;ガラス繊維またはポリエチレンなどで作られたシートや不織布などが使用される。電解質としてポリマーなどの固体電解質が使用される場合には、固体電解質が分離膜を兼ねることもできる。
前記リチウム塩含有非水系電解液は電解液とリチウム塩からなっており、前記電解液としては、非水系有機溶媒、有機固体電解質、無機固体電解質などが使用される。
前記非水系有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリジノン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロキシフラン(franc)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、ホルム酸メチル、酢酸メチル、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エーテル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの非プロトン性有機溶媒を使用することができる。
前記有機固体電解質としては、例えば、ポリエチレン誘導体、ポリエチレンオキシド誘導体、ポリプロピレンオキシド誘導体、リン酸エステルポリマー、ポリエジテーションリシン(agitation lysine)、ポリエステルスルフィド、ポリビニルアルコール、ポリフッ化ビニリデン、イオン性解離基を含む重合体などを使用することができる。
前記無機固体電解質としては、例えば、LiN、LiI、LiNI、LiN−LiI−LiOH、LiSiO、LiSiO−LiI−LiOH、LiSiS、LiSiO、LiSiO−LiI−LiOH、LiPO−LiS−SiSなどのLiの窒化物、ハロゲン化物、硫酸塩などを使用することができる。
前記リチウム塩は、前記非水系電解質に溶解しやすい物質であって、例えば、LiCl、LiBr、LiI、LiClO、LiBF、LiB10Cl10、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiAlCl、CHSOLi、CFSOLi、(CFSONLi、クロロボランリチウム、低級脂肪族カルボン酸リチウム、4フェニルホウ酸リチウム、イミドなどを使用することができる。
また、電解液には、充放電特性、難燃性などの改善を目的として、例えば、ピリジン、トリエチルホスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グリム(glyme)、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノン、N,N−置換イミダゾリジン、エチレングリコールジアルキルエーテル、アンモニウム塩、ピロール、2−メトキシエタノール、三塩化アルミニウムなどが添加されてもよい。場合によっては、不燃性を付与するために、四塩化炭素、三フッ化エチレンなどのハロゲン含有溶媒をさらに含ませることもでき、高温保存特性を向上させるために二酸化炭酸ガスをさらに含ませることもでき、FEC(Fluoro−Ethylene carbonate)、PRS(Propene sultone)、FPC(Fluoro−Propylene carbonate)などをさらに含ませることができる。
本発明に係る二次電池は、小型デバイスの電源として使用される電池セルに使用できるだけでなく、多数の電池セルを含む中大型電池モジュールに単位電池としても好ましく使用することができる。
また、本発明は、前記電池モジュールを中大型デバイスの電源として含む電池パックを提供し、前記中大型デバイスは、電気自動車(Electric Vehicle、EV)、ハイブリッド電気自動車(Hybrid Electric Vehicle、HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(Plug−in Hybrid Electric Vehicle、PHEV)などを含む電気車及び電力貯蔵装置などを挙げることができるが、これに限定されるものではない。
本発明に係る一実施例で得られた遷移金属酸化物の電子顕微鏡写真である。 実験例1に係る寿命特性を示すグラフである。
以下、実施例を参照して本発明をより詳述するが、下記の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範疇がこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
三成分系リチウム遷移金属酸化物としてLi1+zNiMnCo1−(a+b)(0≦z≦0.1、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8及びa+b<1)を使用し、0.01〜0.20重量%のZrFを混合した後、300〜700℃の温度で3〜10時間の間熱処理して、図1に示すように、表面にZrFがコーティングされた正極活物質を合成した。
前記正極活物質を、活物質、導電剤及びバインダーの比率を95:2.5:2.5にしてスラリーを作り、厚さ20μmのAl−foil上にコーティングした後、コイン状の電池を作製した。負極としてはLi−metalを使用し、電解液としてはEC:EMC:DEC(1:2:1)にLiPF 1Mを使用した。
<比較例1>
前記リチウム遷移金属酸化物として、表面にZrFがコーティングされていないLiNi3/5Mn1/5Co1/5で表されるリチウム金属酸化物を使用した以外は、正極の製造及び電池の製造方法においては前記実施例1と同様の方法でコイン型電池を作製した。
<実験例1>
実施例及び比較例1で製造された電池を45℃で200サイクル進行した後、寿命特性を分析して、図2に示した。
実験の結果、図2に示すように、本発明に係る実施例1の電池の場合、比較例1の電池に比べて寿命特性が大きく向上したことがわかる。これは、電池表面のコーティング層によって電池の寿命特性及び容量特性を著しく向上させる効果があることを確認することができる。
本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、上記内容に基づいて本発明の範疇内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。
以上で説明したように、本発明に係る正極活物質の製造方法は、ジルコニウム及びフッ素含有前駆体とリチウム遷移金属酸化物を乾式混合した後、熱処理するステップを含むことによって、これによって製造される正極活物質の表面にZrO及びFがコーティングされて、電解質内のフッ酸(HF)と反応して安定な物質を生成することができる。
したがって、電解液との接触による正極活物質の構造崩壊及び副反応産物としての二酸化炭素の発生を抑制することができ、これを含むリチウム二次電池は、スウェリング現象の最小化によって向上した安全性を有し、サイクル特性が向上する効果を発揮する。



  1. 二次電池用正極活物質の製造方法であって、
    (a)下記化学式1のリチウム金属酸化物を製造するステップと、
    Li1+zNiMnCo1−(a+b) (1)
    (上記式中、0≦z≦0.1、0.1≦a≦0.8、0.1≦b≦0.8及びa+b<1である。)
    (b)前記リチウム金属酸化物とジルコニウム及びフッ素含有前駆体とを乾式混合するステップと、
    (c)ステップ(b)の乾式混合後に熱処理して、ジルコニウム及びフッ素含有前駆体をZrOに変換させ、酸素(O)アニオンの一部がFで置換されるステップと、
    を含むことを特徴とする、ZrO及びFがコーティングされた正極活物質の製造方法。

  2. 前記化学式1のリチウム金属酸化物が、LiNi1/3Mn1/3Co1/3またはLiNi0.5Mn0.3Co0.2であることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

  3. 前記ジルコニウム及びフッ素含有前駆体がZrFであることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

  4. 前記ステップ(b)において、リチウム遷移金属酸化物にコーティングされるZrO及びFの総量が正極活物質の全重量を基準として0.001〜0.100重量%になるように、リチウム遷移金属酸化物の量を調節して混合することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

  5. 前記ZrO及びFの総量が正極活物質の全重量を基準として0.001〜0.010重量%になるように、リチウム遷移金属酸化物の量を調節して混合することを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。

  6. ステップ(b)の乾式混合が、高エネルギーミリングにより行われることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

  7. 前記熱処理が、400〜1000℃で4〜7時間行われることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

  8. 請求項1に記載の製造方法を用いて製造したZrO及びFがコーティングされていることを特徴とする、二次電池用正極活物質。

  9. 前記ZrO及びFのコーティングの厚さが0.01〜0.10μmであることを特徴とする、請求項8に記載の二次電池用正極活物質。

  10. 前記ZrO及びFが、正極活物質の表面積を基準として60〜100%のコーティング面積で塗布されることを特徴とする、請求項8に記載の二次電池用正極活物質。

  11. 請求項8に記載の正極活物質を含むことを特徴とする、正極合剤。

  12. 請求項11に記載の正極合剤が集電体上に塗布されていることを特徴とする、二次電池用正極。

  13. 請求項12に記載の二次電池用正極を含むことを特徴とする、リチウム二次電池。

  14. 前記リチウム二次電池が、中大型デバイスの電源である電池モジュールの単位電池であることを特徴とする、請求項13に記載のリチウム二次電池。

  15. 前記中大型デバイスが、電気自動車、ハイブリッド自動車、プラグインハイブリッド電気自動車または電力貯蔵用システムであることを特徴とする、請求項14に記載のリチウム二次電池。

 

 

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類似の特許
(i)少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒、
(ii)少なくとも1種の導電性塩、
(iii)式(I)
【化1】


[式中、XおよびXは、互いに独立に、N(R)、P(R)、OおよびSから選択され、YおよびYは、互いに独立に、(O)、(S)、(PR)および(NR)から選択される]
の少なくとも1種の化合物
を含有する電解質組成物(A)、ならびに電解質組成物(A)を含有する電気化学電池。
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【選択図】図1
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本発明は、
(i)少なくとも1種の非プロトン性有機溶媒、
(ii)少なくとも1種の導電性塩、
(iii)式(I)
【化1】


の少なくとも1種の化合物、および
(iv)任意に、少なくとも1種のさらなる添加剤
を含有する、電解質組成物(A)に関する。
ケーブル型二次電池 // JP2016527681
内部集電体及び前記内部集電体の外面を囲んで形成された内部電極活物質層を備える内部電極;前記内部電極の外面を囲んで、前記内部電極が内部に挿入されるように形成された分離層;前記分離層の外面を囲んで、前記分離層が内部に挿入されるように形成された外部電極活物質構造体であって、多孔性ポリマー支持体、及び前記多孔性ポリマー支持体の上面及び下面の少なくとも1つの上に形成された外部電極活物質層を備える外部電極活物質構造体;並びに前記外部電極活物質構造体を囲んで、前記外部電極活物質構造体が内部に挿入されるように形成された外部集電体を備える外部電極;を備えるケーブル型二次電池が提供される。
【選択図】 図1
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【選択図】図1
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