リチウム−硫黄電池用の正極およびその製造方法

 

本発明はリチウム−硫黄電池用の正極およびその製造方法に関する。より具体的には、本発明の一実施状態によるリチウム−硫黄電池用の正極は、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部、および前記正極活性部の表面の少なくとも一部分に備えられ、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子(amphiphilic polymer)を含む正極コーティング層を含む。

 

 

本出願は2013年8月1日に韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2013−0091784号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
本発明はリチウム−硫黄電池用の正極およびその製造方法に関する。
最近まで、負極としてリチウムを用いた高エネルギー密度電池を開発するのに相当な関心があった。リチウム金属は、例えば、非電気活性材料の存在で負極の重量および体積を増加させて電池のエネルギー密度を減少させるリチウム挿入の炭素負極、およびニッケルまたはカドミウム電極を有する他の電気化学システムに比べて、低重量および高エネルギー密度を有するため、電気化学電池の負極活物質として非常に関心を引いている。リチウム金属負極、またはリチウム金属を主に含む負極は、リチウムイオン、ニッケル金属水素化物またはニッケル−カドミウム電池のような電池よりは軽量化され、高エネルギー密度を有する電池を構成する機会を提供する。このような特徴は、プレミアムが低い価格で売買される、携帯電話およびラップトップ型コンピュータのような携帯用電子デバイス用の電池に対して非常に好ましい。
このような類型のリチウム電池用の正極活物質が公示されており、これらは硫黄−硫黄結合を含む含硫黄正極活物質を含み、硫黄−硫黄結合の電気化学的切断(還元)および再形成(酸化)から高エネルギー容量および再充電能力が達成される。
上記のように負極活物質としてリチウムとアルカリ金属を、正極活物質として硫黄を用いたリチウム−硫黄電池は、理論エネルギー密度が2,800Wh/kg(1,675mAh)として他の電池システムに比べて遥かに高く、硫黄はリソースが豊かで安価であり、環境に優しい物質であるという長所があるため、携帯用の電子機器として注目を浴びている。
しかし、リチウム−硫黄電池の正極活物質として用いられる硫黄は不導体であるため、電気化学反応で生成された電子の移動が難しく、酸化−還元反応時に硫黄が電解質に流出されて電池の寿命が劣化するだけでなく、適切な電解液を選択しなかった場合には硫黄の還元物質であるリチウムポリスルフィドが溶出され、これ以上電気化学反応に寄与できなくなるという問題点があった。
そこで、電解液に溶出されるリチウムポリスルフィドの量を最小化し、不導体である硫黄電極に電気伝導度特性を付与するために炭素と硫黄の複合体を正極として用いる技術が開発されたものの、依然としてリチウムポリスルフィドの溶出問題を解決できない実情である。
したがって、リチウム−硫黄電池の放電時にリチウムポリスルフィドが電解質に溶出されることを効果的に遮断してサイクル特性を向上させる技術に対する必要性が高い実情である。
本発明は、前記問題点を解決するために、リチウム−硫黄電池の放電時にリチウムポリスルフィドが電解質に溶出されることを効果的に遮断してサイクル特性を向上させる技術を提供しようとする。
本発明の一実施状態は、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部、および前記正極活性部の表面の少なくとも一部分に備えられ、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子(amphiphilic polymer)を含む正極コーティング層を含むリチウム−硫黄電池用の正極を提供する。
また、本発明の他の実施状態は、負極活物質としてリチウム金属またはリチウム合金を含む負極、前記リチウム−硫黄電池用の正極、前記正極と負極との間に備えられるセパレータ、および前記負極、正極およびセパレータに含浸しており、リチウム塩と有機溶媒を含む電解質を含むリチウム−硫黄電池を提供する。
なお、本発明のまた他の実施状態は、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部を形成するステップ、および前記正極活性部の表面の少なくとも一部分に、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子を含む正極コーティング層を形成するステップを含むリチウム−硫黄電池用の正極の製造方法を提供する。
本発明によれば、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部の表面の少なくとも一部分に、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子を含む外部コーティング層を備えることによって、前記両親媒性高分子が放電時に生成されるリチウムポリスルフィドと結合することができ、それによってリチウムポリスルフィドが電解液に溶出される現象を抑制してリチウム−硫黄電池のサイクル特性を向上させることができる。
本発明の一実施状態として、リチウム−硫黄電池の放電時に溶出されるリチウムポリスルフィドが正極の正極コーティング層に含まれた両親媒性高分子によって正極から硫黄の溶出が防止されることを示すものである。 本発明の一実施状態として、実施例1および比較例1〜2のリチウム−硫黄電池の初期放電容量を示す図である。 本発明の一実施状態として、実施例1および比較例1〜2のリチウム−硫黄電池のサイクル別の放電容量を示す図である。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の発明者らは、深度のある研究と様々な実験を繰り返し行った結果、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部の少なくとも一部分に、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子を含む正極コーティング層を形成する場合、親水性と疏水性を同時に有する両親媒性高分子が硫黄と炭素を結着させるだけでなく、図1に示されるように、放電時に生成されるリチウムポリスルフィドを引き留めるため、リチウムポリスルフィドが電解液に溶出される現象を抑制してリチウム−硫黄電池のサイクル特性を向上させることを確認し、本発明を完成するに至った。
本発明の一実施状態によるリチウム−硫黄電池用の正極は、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部、および前記正極活性部の表面の少なくとも一部分に備えられ、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子(amphiphilic polymer)を含む正極コーティング層を含む。
前記両親媒性高分子は、親水性(hydrophilicity)の部分と疏水性(hydrophobicity)の部分を同時に有する物質である。前記両親媒性高分子の例としてはポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone、PVP)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide、PEO)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、これらの共重合体などを挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
一つの具体的な例として、前記両親媒性高分子は正極活性部の表面の少なくとも一部分に位置することができる。また、前記両親媒性高分子は正極活性部の表面の全体領域に位置することができる。
また、前記両親媒性高分子は正極活性部の表面に位置し、前記両親媒性高分子の疏水性の部分が硫黄−炭素複合体側に配向され、親水性の部分は外側に配向されることができる。
本発明の一実施状態において、前記硫黄−炭素複合体は多孔性炭素に硫黄粒子を塗布して形成されたものである。
本発明の一実施状態において、前記硫黄−炭素複合体は硫黄粒子を溶かして炭素と混合して形成されたものである。
本発明の一実施状態において、前記硫黄−炭素複合体の炭素および硫黄の含量比は重量を基準に1:20〜1:1であってもよい。
前記炭素は結晶質または非晶質炭素であってもよく、導電性炭素であれば特に限定されず、例えば、グラファイト(graphite)、カーボンブラック、活性炭素繊維、非活性炭素ナノ繊維、炭素ナノチューブ、炭素織物などであってもよい。
本発明の一実施状態において、前記正極コーティング層は気孔を含む。
前記気孔は1nm〜10μmの平均直径を有する気孔であってもよい。
前記正極コーティング層の気孔の平均直径が1nm以上である場合は、前記両親媒性高分子を含む正極コーティング層の面積が充分であって、リチウム−硫黄電池の放電時、前記硫黄−炭素複合体から溶出されるリチウムポリスルフィドを引き寄せる特性に優れ、リチウム−硫黄電池のサイクル特性および容量が増加する。また、前記正極コーティング層の気孔の平均直径が10μm以下である場合は、リチウム−硫黄電池の充電時、正極側へのリチウムイオンの移動が容易であって、充電時間が短縮される。
前記正極コーティング層の気孔度は、前記リチウム−硫黄電池用の正極の総体積に対して50〜95%であってもよい。より具体的には、前記正極コーティング層の気孔度は、前記リチウム−硫黄電池用の正極の総体積に対して70〜95%であってもよい。
本発明の一実施状態において、前記正極コーティング層の厚さは10nm〜1μmである。
本発明の一実施状態において、前記正極コーティング層は前記正極活性部の表面の全面に位置する。
本発明の一実施状態において、前記リチウム−硫黄電池用の正極の形態はプレート型(plate type)またはロッド型(rod type)である。
前記リチウム−硫黄電池用の正極の形態がプレート型(plate type)である場合は、前記正極コーティング層は前記正極活性部の表面中の電解質に露出される一部分に位置することが好ましい。
前記リチウム−硫黄電池用の正極の形態がロッド型(rod type)である場合は、前記正極コーティング層は前記正極活性部の表面の全部分に位置することが好ましい。
本発明の一実施状態において、前記正極コーティング層の両親媒性高分子の含量は、前記正極活性部の硫黄−炭素複合体100重量部に対して0.01〜10重量部である。
本発明の一実施状態において、前記正極活性部は、遷移金属元素、IIIA族元素、IVA族元素、これらの元素の硫黄化合物、およびこれらの元素と硫黄の合金のうちから選択された一つ以上の添加剤をさらに含むことができる。
前記遷移金属元素としてはSc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Hgなどが挙げられ、前記IIIA族元素としてはAl、Ga、In、Tiなどが挙げられ、前記IVA族元素としてはGe、Sn、Pbなどが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
前記正極活性部は、正極活物質、または選択的に添加剤と共に、電子が正極内で円滑に移動するようにするための電気伝導性の導電材および正極活物質を集電体によく付着させるためのバインダーをさらに含むことができる。
前記導電材としては特に限定されないが、KS6のような黒鉛系の物質、Super−P、デンカブラック、カーボンブラックのようなカーボン系の物質などの導電性物質またはポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセンチレン、ポリピロールなどの導電性高分子を単独または混合して用いることができる。
前記バインダーとしては、ポリ(ビニルアセテート)、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、アルキル化ポリエチレンオキシド、架橋結合されたポリエチレンオキシド、ポリビニルエーテル、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリビニリデンフルオリド、ポリヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオリドのコポリマー(商品名:Kynar)、ポリ(エチルアクリレート)、ポリテトラフルオロエチレンポリビニルクロライド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルピリジン、ポリスチレン、これらの誘導体、混合物、コポリマーなどが用いられることができる。
前記バインダーの含量は、前記正極活物質を含む混合物の全体重量を基準に0.5〜30重量%で添加されることができる。前記バインダーの含量が0.5重量%未満であれば、正極の物理的性質が低下して正極内の活物質と導電材が脱落するという問題点があり、30重量%を超過すれば、正極における活物質と導電材の比率が相対的に減少して電池容量が減少するので好ましくない。
本発明は前述したリチウム−硫黄電池用の正極を含むリチウム−硫黄電池を提供する。
前記正極と負極との間に位置するセパレータは、正極と負極を互いに分離または絶縁させ、正極と負極との間にリチウムイオンの輸送を可能にするものであり、多孔性の非導電性または絶縁性物質からなることができる。このようなセパレータはフィルムのような独立した部材であってもよく、正極および/または負極に付加されたコーティング層であってもよい。
前記セパレータをなす物質は、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン、ガラス繊維のろ過紙およびセラミック物質が含まれるが、これらに限定されず、その厚さは約5μm〜約50μm、より詳しくは約5μm〜約25μmであってもよい。
本発明の一実施状態において、前記リチウム塩はLiSCN、LiBr、LiI、LiPF、LiBF、LiSOCF、LiClO、LiSOCH、LiB(Ph)、LiC(SOCFおよびLiN(SOCFからなる群から選択された一つ以上である。
前記リチウム塩の濃度は、電解質溶媒混合物の正確な組成、塩の溶解度、溶解した塩の導電性、電池の充電および放電条件、作業温度およびリチウムバッテリー分野に公知された他の要因といった色々な要因により、約0.2M〜2.0Mであってもよい。本発明に用いるためのリチウム塩の例としては、LiSCN、LiBr、LiI、LiPF、LiBF、LiSOCF、LiClO、LiSOCH、LiB(Ph)、LiC(SOCFおよびLiN(SOCFからなる群から一つ以上が含まれることができる。
本発明の一実施状態において、前記負極活物質として、リチウム合金はリチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、AlおよびSnからなる群から選択された金属の合金である。
本発明の一実施状態において、前記有機溶媒は、単一溶媒または2以上の混合有機溶媒である。
2以上の混合有機溶媒を用いる場合、弱い極性溶媒群、強い極性溶媒群、およびリチウムメタル保護溶媒群のうち2以上の群から1以上の溶媒を選択して用いることが好ましい。
弱い極性溶媒は、アリール化合物、二環状エーテル、非環状カーボネートのうち硫黄元素を溶解できる誘電定数が15より小さい溶媒と定義され、強い極性溶媒は、二環状カーボネート、スルホキシド化合物、ラクトン化合物、ケトン化合物、エステル化合物、スルフェート化合物、サルファイト化合物のうちリチウムポリスルフィドを溶解できる誘電定数が15より大きい溶媒と定義され、リチウムメタル保護溶媒は、飽和されたエーテル化合物、不飽和されたエーテル化合物、N、O、Sまたはこれらの組み合わせが含まれた複素環化合物のようなリチウム金属に安定したSEI(Solid Electrolyte Interface)を形成する充放電サイクル効率(cycle efficiency)が50%以上の溶媒と定義される。
弱い極性溶媒の具体的な例としては、キシレン(xylene)、ジメトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、トルエン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジグライム、テトラグライムなどが挙げられる。
強い極性溶媒の具体的な例としては、ヘキサメチルホスホリックトリアミド(hexamethyl phosphoric triamide)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、N−メチルピロリドン、3−メチル−2−オキサゾリドン、ジメチルホルムアミド、スルホラン、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルフェート、エチレングリコールジアセテート、ジメチルサルファイト、またはエチレングリコールサルファイトなどが挙げられる。
リチウム保護溶媒の具体的な例としては、テトラヒドロフラン、エチレンオキシド、ジオキソラン、3,5−ジメチルイソオキサゾール、フラン、2−メチルフラン、1,4−オキサン、4−メチルジオキソランなどが挙げられる。
本発明は前記リチウム−硫黄電池を単位電池として含む電池モジュールを提供する。
前記電池モジュールは、具体的には電気自動車、ハイブリッド電気自動車、プラグインハイブリッド電気自動車または電力貯蔵装置の電源として用いられることができる。
また、本発明の一実施状態によるリチウム−硫黄電池用の正極の製造方法は、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部を形成するステップ、および前記正極活性部の表面の少なくとも一部分に、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子を含む正極コーティング層を形成するステップを含む。
本発明の一実施状態によれば、前記正極活性部を形成するステップは、ボールミル工程または溶融混合工程を利用することができる。
本発明の一実施状態によれば、前記正極コーティング層を形成するステップは、両親媒性高分子を含む組成物を用いて、ディップコーティング、ダイコーティング、コンマコーティング、グラビアコーティングまたはバーコーティング方法を利用することができるが、これらのみに限定されるものではない。
本発明の一実施状態によれば、前記両親媒性高分子の含量は、前記硫黄−炭素複合体100重量部に対して0.01〜10重量部であってもよい。
本発明の一実施状態によれば、前記両親媒性高分子を含む組成物は溶媒をさらに含むことができ、前記両親媒性高分子の含量は組成物の全体重量に対して1〜30重量%であってもよい。
以下、本発明の実施例を参照して説明するが、下記の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明の範囲がこれらのみに限定されるものではない。
<実施例1>
電気伝導性を有する導電性炭素と硫黄を30:70重量%で混合し、ボールミル工程によって硫黄−炭素複合体を製造した。
前記硫黄−炭素複合体を含む正極活物質70.0重量%、Super−P(導電材)20.0重量%、およびPVDF(バインダー)10.0重量%の組成物を溶剤であるNMP(N−methyl−2−pyrrolidone)に添加して正極スラリーを製造した後、アルミニウム集電体上にコーティングして正極を製造した。
前記正極上にDI waterに5重量%で溶解しているポリビニルピロリドン(PVP)水溶液を用いてオーバーコーティングをした。
負極として約150μm厚さを有するリチウム箔を、電解液として1M LiN(CFSOが溶解されたジメトキシエタン、ジオキソラン(5:5体積比)の混合電解液を用い、セパレータとして16ミクロンのポリオレフィンを用いて、リチウム−硫黄電池を製造した。
<比較例1>
前記実施例1において、前記正極上にポリビニルピロリドン(PVP)水溶液をオーバーコーティングする工程の代わりに、前記正極スラリー内のポリビニルピロリドン(PVP)を5重量%追加したことを除いては、前記実施例1と同様に実施した。
<比較例2>
前記実施例1において、前記正極上にポリビニルピロリドン(PVP)水溶液をオーバーコーティングする工程を除いては、前記実施例1と同様に実施した。
<実験例>
前記実施例1および比較例1〜2で製造されたリチウム−硫黄電池に対し、充放電測定装置を用いて充放電特性の変化を試験した。得られた電池は0.1C/0.1C充電/放電、0.2C/0.2C充電/放電、および0.5C/0.5C充電/放電で各々50サイクル(cycle)の充放電を繰り返し行って、初期放電容量およびサイクル別の放電容量を測定し、その結果を下記表1〜2および図2〜3に示す。より具体的には、図2は前記実施例1および比較例1〜2のリチウム−硫黄電池の初期放電容量を示す図であり、図3は前記実施例1および比較例1〜2のリチウム−硫黄電池のサイクル別の放電容量を示す図である。

前記結果のように、本発明によれば、硫黄−炭素複合体を含む正極活性部の表面の少なくとも一部分に、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子を含む外部コーティング層を備えることによって、前記両親媒性高分子が放電時に生成されるリチウムポリスルフィドと結合することができ、それによってリチウムポリスルフィドが電解液に溶出される現象を抑制してリチウム−硫黄電池のサイクル特性を向上させることができる。



  1. 硫黄−炭素複合体を含む正極活性部、および
    前記正極活性部の表面の少なくとも一部分に備えられ、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子(amphiphilic polymer)を含む正極コーティング層
    を含むリチウム−硫黄電池用の正極。

  2. 前記両親媒性高分子は、ポリビニルピロリドン(polyvinyl pyrrolidone、PVP)、ポリエチレンオキシド(polyethylene oxide、PEO)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA)、およびこれらの共重合体からなる群から選択された1種以上を含む、請求項1に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  3. 前記両親媒性高分子の疏水性の部分が硫黄−炭素複合体側に配向される、請求項1または2に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  4. 前記両親媒性高分子の含量は、前記正極活性部の硫黄−炭素複合体100重量部に対して0.01〜10重量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  5. 前記正極コーティング層は気孔を含み、
    前記気孔の平均直径は1nm〜10μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  6. 前記正極コーティング層の気孔度は、前記リチウム−硫黄電池用の正極の総体積に対して50〜95%である、請求項5に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  7. 前記正極コーティング層の厚さは10nm〜1μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  8. 前記正極コーティング層は、前記正極活性部の表面の全部分に備えられる、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  9. 前記硫黄−炭素複合体は、多孔性炭素に硫黄粒子を塗布して形成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  10. 前記硫黄−炭素複合体は、硫黄粒子を溶かして炭素と混合して形成される、請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  11. 前記正極活性部は、遷移金属元素、IIIA族元素、IVA族元素、これらの元素の硫黄化合物、およびこれらの元素と硫黄の合金のうちから選択された一つ以上の添加剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極。

  12. 負極活物質としてリチウム金属またはリチウム合金を含む負極、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池用の正極、
    前記正極と負極との間に備えられるセパレータ、および
    前記負極、正極およびセパレータに含浸しており、リチウム塩と有機溶媒を含む電解質
    を含むリチウム−硫黄電池。

  13. 前記リチウム塩は、LiSCN、LiBr、LiI、LiPF、LiBF、LiSOCF、LiClO、LiSOCH、LiB(Ph)、LiC(SOCFおよびLiN(SOCFからなる群から選択された一つ以上である、請求項12に記載のリチウム−硫黄電池。

  14. 前記リチウム合金は、リチウムとNa、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra、AlおよびSnからなる群から選択された金属の合金である、請求項12または13に記載のリチウム−硫黄電池。

  15. 前記有機溶媒は、単一溶媒または2以上の混合有機溶媒である、請求項12〜14のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池。

  16. 請求項12〜15のいずれか1項に記載のリチウム−硫黄電池を単位電池として含む電池モジュール。

  17. 硫黄−炭素複合体を含む正極活性部を形成するステップ、および
    前記正極活性部の表面の少なくとも一部分に、親水性の部分および疏水性の部分を含む両親媒性高分子を含む正極コーティング層を形成するステップ
    を含むリチウム−硫黄電池用の正極の製造方法。

  18. 前記正極コーティング層を形成するステップは両親媒性高分子を含む組成物を用い、
    ディップコーティング、ダイコーティング、コンマコーティング、グラビアコーティングまたはバーコーティング方法を利用する、請求項17に記載のリチウム−硫黄電池用の正極の製造方法。

  19. 前記両親媒性高分子を含む組成物は溶媒をさらに含み、
    前記両親媒性高分子の含量は組成物の全体重量に対して1〜30重量%である、請求項18に記載のリチウム−硫黄電池用の正極の製造方法。

 

 

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バッテリーに使用するための電解質溶液であって、少なくとも以下を含む:イオン化可能な塩;少なくとも1つの有機溶媒;及び好ましくは少なくとも1つの2,2,2−トリフルオロエトキシ基と少なくとも1つのエトキシ基とを含む少なくとも1つの環状ホスファゼン化合物。
本発明は、(S1)高分子粒子を帯電させ、帯電された高分子粒子を形成する帯電段階と、(S2)前記帯電された高分子粒子を、多孔性高分子基材の少なくとも一面に転写して電極接着層を形成し、前記電極接着層の形成面積が前記多孔性高分子基材の全体面積に対し1〜30%となるように形成する転写段階と、(S3)前記電極接着層を熱及び圧力で固定する定着段階と、を含むリチウム二次電池用セパレーターの製造方法、その方法によって製造されたセパレーター及びこれを含むリチウム二次電池を提供する。
本発明によれば、溶媒を含むスラリーの塗布ではなく、静電気を用いて電極接着層を導入したリチウム二次電池用セパレーターの製造方法であって、レーザープリンティング方式で高分子粒子を塗布するため、溶媒が不要となり、これによって取り扱い及び保管が容易になって費用節減の効果が得られ、溶媒の乾燥段階が不要であるため、迅速にリチウム二次電池用セパレーターを製造することができる。更には、電極接着層の全体面積の塗布ではなく、一定面積にのみ塗布することで、リチウム二次電池の抵抗の上昇を防止することができる。
【選択図】 なし
3つの目的:液体電解質に部分的に可溶性である電極のカレンダー寿命およびサイクル寿命の延長、バッテリー稼働時の副反応として水素および酸素への水の電気分解のレートを制限する目的、およびコスト低減の目的、のための液体電解質バッテリーにおける共溶媒の使用を含む、溶解および/または加水分解に対して電極を安定化するためのシステムおよび方法。
モノフルオロリン酸ナトリウム(NaPOF)、ジフルオロリン酸ナトリウム(NaPO)およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つのナトリウム化合物を含む、ナトリウムイオン電池に好適な、電解質組成物、ならびにそれを含むナトリウムイオン電池が開示される。
【選択図】 なし
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