印刷可能な有機発光ダイオードインク配合物のためのエステルベースの溶媒系

 

有機発光ダイオード中に活性層を形成するためのインク組成物が提供される。また、インク組成物を使用してOLEDの活性層を形成する方法が提供される。インク組成物は、実質的に大部分の溶媒が1種または複数のエステル化合物から構成される溶媒系を含む。正孔輸送層および発光層は、本発明のインク組成物を使用して形成され得るタイプの活性層の例である。エステルベースの溶媒系における実質的に大部分の溶媒は、エステル溶媒、例えばオクタン酸アルキル、セバシン酸アルキルまたはこのようなエステルと他のエステル溶媒の組合せを含む。

 

 

関連出願との相互参照
本出願は、その全体が参考として本明細書に援用される2013年8月12日に出願された米国仮出願第61/865,087号に対する利益を主張する。
要旨
OLED中に活性層を形成するためのインク組成物が提供される。また、インク組成物を使用してOLEDの活性層を形成する方法が提供される。正孔輸送層および発光層は、本発明のインク組成物を使用して形成され得るタイプの活性層の例である。エステルベースの溶媒系における実質的に大部分の溶媒は、エステル溶媒、例えばオクタン酸アルキル、セバシン酸アルキルまたはこのようなエステルと他のエステル溶媒の組合せを含む。
有機発光ダイオードのための発光層を形成する方法の一実施形態は、(a)有機発光ピクセルセル中にインク組成物の層を形成するステップであって、ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定された放出領域を含み、インク組成物は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含み、エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約26ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、(b)溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって発光層を形成するステップとを含む。一部の実施形態では、発光層のためのエステルベースの溶媒系は、セバシン酸ジエチルを含み、それからなり、またはそれから本質的になる。他の実施形態では、発光層のためのエステルベースの溶媒系は、オクタン酸オクチルを含み、それからなり、またはそれから本質的になる。さらに他の実施形態では、発光層のためのエステルベースの溶媒系は、オクタン酸オクチルと、フタル酸ジアリル(dially)およびイソノナン酸イソノニルの少なくとも一方との混合物を含み、それからなり、またはそれから本質的になる。
有機発光ダイオードのための正孔輸送層を形成する方法の一実施形態は、(a)ピクセルセル中にインク組成物の層を形成するステップであって、ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定された放出領域を含み、インク組成物は、架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含み、正孔輸送材料は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解しており、エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約25ダイン/cm〜約32ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、(b)溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって正孔輸送層を形成するステップとを含む。一部の実施形態では、正孔輸送層用のインク組成物のためのエステルベースの溶媒系は、オクタン酸アルキルを含む。この実施形態には、エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルの混合物を含み、それからなり、またはそれから本質的になる実施形態が含まれる。
以下、本発明の例示的な実施形態を、添付の図面を参照しながら説明するが、図中、同じ数字は同じ要素を示す。
図1は、有機発光ダイオード(OLED)インクジェット印刷システムを例示するブロック図である。
図2は、ピクセルセルのマトリックス内に配列された複数のOLEDを含む平板ディスプレイの概略図であり、各ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定されている。
図3(A)は、セバシン酸ジエチルのエステルベースの溶媒系を含むインク組成物を用いて印刷されたEMLを有するOLEDから放出されたルミネッセンスの顕微鏡写真である。
図3(B)は、図3(A)の顕微鏡写真の黒色および白色線画である。
図3(C)は、図3(A)の顕微鏡写真に対応する放出強度分布を示す図である。
図4(A)は、オクタン酸オクチルのエステルベースの溶媒系を含むインク組成物を用いて印刷されたEMLを有するOLEDから放出されたルミネッセンスの顕微鏡写真である。
図4(B)は、図4(A)の顕微鏡写真の黒色および白色線画である。
図4(C)は、図4(A)の顕微鏡写真に対応する放出強度分布を示す図である。
図5(A)は、オクタン酸オクチル、フタル酸ジアリルおよびイソノナン酸イソノニルの混合物のエステルベースの溶媒系を含むインク組成物を用いて印刷されたEMLを有するOLEDから放出されたルミネッセンスの顕微鏡写真である。
図5(B)は、図5(A)の顕微鏡写真の黒色および白色線画である。
図5(C)は、図5(A)の顕微鏡写真に対応する放出強度分布を示す図である。
図6(A)は、セバシン酸ジエチルのエステルベースの溶媒系を含むEMLインク組成物について、液滴体積の周波数応答を示すグラフである。
図6(B)は、セバシン酸ジエチルのエステルベースの溶媒系を含むEMLインク組成物について、液滴速度の周波数応答を示すグラフである。
図7(A)は、オクタン酸エチルおよびオクタン酸オクチルのエステルベースの溶媒系を含むHTLインク組成物について、液滴体積の周波数応答を示すグラフである。
図7(B)は、オクタン酸エチルおよびオクタン酸オクチルのエステルベースの溶媒系を含むHTLインク組成物について、液滴速度の周波数応答を示すグラフである。
詳細な説明
OLED中に活性層を形成するためのインク組成物が提供される。また、インク組成物を使用してOLEDの活性層を形成する方法が提供される。インク組成物は、非常に均一な厚さおよび均質な組成を有する層を提供することができる。その結果として、このインク組成物を使用して製造されたOLEDは、非常に均一な発光プロファイルを提供することができる。
インク組成物は、実質的に大部分の溶媒が、本明細書ではエステルベースの溶媒系と呼ばれる1種または複数のエステル化合物から構成される溶媒系を含む。例えば、エステルベースの溶媒系は、系中の溶媒の総重量に対して少なくとも90重量パーセント(wt%)のエステル溶媒を含むことができる。この実施形態には、エステルベースの溶媒系が少なくとも99wt%のエステル溶媒を含む実施形態が含まれ、エステルベースの溶媒系が、エステル溶媒から本質的になり、またはそれからなる実施形態がさらに含まれる。セバシン酸アルキル、例えばセバシン酸ジ−n−アルキル、オクタン酸アルキルおよびこれらと他のエステルの混合物は、エステルベースの溶媒系において使用するのに十分適したエステルの例である。
溶媒系は、OLEDにおける活性層の機能的有機ポリマーおよび/または化合物を可溶化する。これらの機能的材料の性質は、形成される層の性質に依存する。例えば、発光層を形成するのに有用なインク組成物では、有機エレクトロルミネセンス材料が、エステルベースの溶媒系に溶解させられる。同様に、正孔輸送層を形成するのに有用なインク組成物では、正孔輸送材料が、エステルベースの溶媒系に溶解させられる。エステルベースの溶媒系は、例えば、より従来型の溶媒、例えば、OLEDのために印刷可能なインク配合物において現在使用されているドデシルベンゼンの代わりに使用することができる。
インク組成物は、スピンコーティング、キャスティング、熱印刷およびインクジェット印刷を含めた様々なフィルム形成技術を使用して付着させることができる。したがって、インク組成物の実用的な特性は、意図するフィルム形成技術に依存する。一般に、インクジェット印刷用途に有用なインク組成物について、インク組成物の表面張力、粘度および濡れ特性は、組成物を、印刷のために使用される温度(例えば、室温、約23℃)においてノズル上で乾燥させず、またはノズルを詰まらせずにインクジェット印刷ノズルを介して分配できるように調整されるべきである。より具体的には、沸点が少なくとも約300℃(例えば、約300℃〜約330℃の範囲内の沸点)であり、表面張力が23℃で約25ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲であるエステルベースの溶媒系により、層の幅にわたって非常に均一な厚さおよび組成均質性を有するインクジェット印刷層を提供できることが発見された。(本開示の目的では、記載する沸点は、そうではないと示さない限り大気圧における沸点を指す)。
本発明のインク組成物を印刷するのに適したインクジェットプリンターは、市販されており、それには、例えばFujifilm Dimatix(Lebanon、N.H.)、Trident International(Brookfield、コネチカット州)、Epson(Torrance、カリフォルニア州)、Hitachi Data systems Corporation(Santa Clara、カリフォルニア州)、Xaar PLC(Cambridge、英国)、およびIdanit Technologies,Limited(Rishon Le Zion、イスラエル(Isreal))から入手可能なドロップ−オン−デマンドのプリントヘッドが含まれ得る。例えば、Dimatix Materials Printer DMP−3000を使用することができる。
発光層(EML)および正孔輸送層(HTL)は、本発明のインク組成物を使用して印刷できるタイプの活性なOLED層の例である。例えば、HTLのためのインク組成物は、沸点が少なくとも300℃であり、表面張力が23℃で約25ダイン/cm〜約32ダイン/cmの範囲であるエステルベースの溶媒系に溶解した、正孔輸送材料、典型的には架橋可能な半導体ポリマーを含む。HTLインク組成物のためのエステルベースの溶媒系の一部の実施形態は、1種または複数のオクタン酸アルキル、例えばオクタン酸オクチル、オクタン酸ジエチルまたはそれらの混合物を含み、それから本質的になり、またはそれからなる。このような1種のインク組成物の具体的な一実施形態は、重量比が約40:60〜約60:40の範囲のオクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルの混合物を含む。この実施形態には、重量比が約45:55〜約55:45の範囲である実施形態が含まれ、重量比が約50:50である実施形態がさらに含まれる。
HTLインク組成物に含まれ得るポリマーの例として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリアリールアミンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5チエニレンビニレン)もしくはその誘導体が挙げられる。
HTLインク組成物中の正孔輸送材料の濃度は、インク組成物が、インク組成物を適用するのに用いるフィルム形成技術に適したものになるように選択されるべきである。単なる例として、インクジェット印刷用途において有用なHTLインク組成物について、正孔輸送材料の濃度は、正孔輸送材料およびエステルベースの溶媒系を組み合わせた重量に対して約0.1〜約5wt%(例えば約0.5〜約2wt%)の範囲であり得る。望ましくは、正孔輸送材料は、印刷温度においてインク組成物中最大3wt%またはそれを超える正孔輸送材料濃度で、粘度が100cPsまたはそれ未満(例えば、50cPsまたはそれ未満)のインク組成物を提供するのに十分に、溶媒系の溶媒に可溶性である。
EMLのためのインク組成物は、沸点が少なくとも300℃であり、表面張力が23℃で約26ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲であるエステルベースの溶媒系に溶解した発光材料を含む。EMLインク組成物のエステルベースの溶媒系の一部の実施形態は、セバシン酸アルキル、例えばセバシン酸ジエチル、オクタン酸アルキル、例えばオクタン酸オクチル、または1種もしくは複数のセバシン酸アルキルもしくはオクタン酸アルキルと別のエステル溶媒、例えばフタル酸エステルを含む混合物を含み、それから本質的になり、またはそれからなる。セバシン酸アルキル、例えばセバシン酸ジエチルは、接触角によって測定する場合それらの濡れ挙動が、下にある架橋可能な正孔輸送ポリマー材料を含むHTLの架橋度とは独立であり、または実質的に独立なので、EMLインクのためのエステルベースの溶媒系において特に有用であることが発見された。このことは、HTLにおける架橋が不完全であるか、または基板間で異なる場合でも、セバシン酸ジエチルを含むインク組成物が、それらのHTL基板上に非常に均一で再現性のある層の厚さを有するEMLを形成することを可能とするので重要である。
このような1種のインク組成物の具体的な一実施形態は、オクタン酸オクチルとフタル酸ジアリルの混合物を含む。オクタン酸オクチルおよびフタル酸ジアリルは、例えば約60:40〜約80:20の範囲の重量比で存在することができる。この実施形態には、重量比が約65:35〜約75:25の範囲である実施形態が含まれ、重量比が約70:30である実施形態がさらに含まれる。
EMLインク組成物の別の実施形態は、オクタン酸オクチル、フタル酸ジアリルおよびイソノナン酸イソノニルの混合物を含む。このインク組成物におけるオクタン酸オクチルと、フタル酸ジアリルおよびイソノナン酸イソノニルを組み合わせた重量との重量比は、例えば約50:50〜約60:40の範囲であってもよい。この組成物におけるフタル酸ジアリルとイソノナン酸イソノニルとの重量比は、例えば約60:40〜約70:30の範囲であってもよい。単なる例として、このような1種のEMLインク組成物は、オクタン酸オクチル、フタル酸ジアリルおよびイソノナン酸イソノニルの混合物を約55:30:15の重量比で含む。
EMLインク組成物の発光材料は、一般に、それ自体発光材料であるか、または金属錯体ドーパントを含めた1種もしくは複数の追加のドーパントと組み合わさって発光材料を提供する有機ポリマー、小分子またはデンドリマーを含む。例えば一部の実施形態では、発光材料は、ポリマーホストマトリックスと、ホストマトリックス内に分散した1種または複数のドーパントを含む。EMLインク組成物に含まれ得る有機ポリマーホスト材料の例として、ポリパラフェニレンビニレン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、ポリシラン誘導体、ポリアセチレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、およびポリビニルカルバゾール誘導体が挙げられる。他の実施形態では、ホストマトリックス材料は、小分子であってもよい。8−ヒドロキシキノリンおよび類似の誘導体の金属錯体は、あるクラスの有用なホスト材料を構成し、特に500nmより長い波長での発光に適している。ベンザゾール誘導体は、別のクラスの有用なホスト材料を構成し、特に400nmを超える発光波長に有用である。ホスト材料として、9位および10位に置換を有するアントラセン誘導体、例えば9,10−ジアリールアントラセンの誘導体も挙げられ得る。
インク組成物に含まれ得るドーパント材料の例として、ペリレン誘導体、クマリン誘導体、ルブレン誘導体、キナクリドン誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、スチリル顔料、テトラセン誘導体、ピラゾロン誘導体、デカシクレン、およびフェノキサゾン、シクロペンダミン(cyclopendamine)誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体化合物、トリフェニルアミン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピラゾロキノリン誘導体、ジスチリルベンゼン(distyrylbcnzenc)誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体、ピロール誘導体、チオフェン環化合物、ピリジン環化合物、ペリノン(perynone)誘導体、オリゴチオフェン誘導体、オキサ−ジアゾール二量体、ピラゾリン二量体、キナクリドン誘導体、およびクマリン誘導体が挙げられる。EMLインク組成物に含まれ得る金属錯体ドーパントの例として、中心金属としてAI、Zn、Be、希土類金属、例えばTb、EuおよびDy等を有する金属錯体、ならびにリガンドとしてオキサジアゾール、チアジアゾール、フェニルピリジン、フェニルベンズイミダゾール、キノリン等の構造を有する金属錯体、例えば三重項励起状態から光を放出するイリジウム錯体および白金錯体などの金属錯体、ベンゾキノリノール(benzoquinolinole)ベリリウム錯体、ベンゾオキサゾリル亜鉛錯体、ベンゾチアゾール亜鉛錯体、アゾメチル亜鉛錯体、ポルフィリン亜鉛錯体、およびユーロピウム錯体が挙げられる。
EMLインク組成物中の発光材料の濃度は、インク組成物が、インク組成物を適用するのに用いるフィルム形成技術に適したものになるように選択されるべきである。単なる例として、インクジェット印刷用途において有用なEMLインク組成物について、発光材料の濃度は、発光材料およびエステルベースの溶媒系を組み合わせた重量に対して約0.1〜約5wt%(例えば約0.5〜約2wt%)の範囲であり得る。
本発明のインク組成物を使用してOLEDの活性層を形成するための方法は、例えば、OLEDインクジェット印刷システムを使用してインク組成物の層を基板上に形成するステップと、エステルベースの溶媒系の溶媒を蒸発させるステップとを含む。エステルベースの溶媒系の溶媒を蒸発させるステップは、インク組成物の層を減圧に付す、すなわち真空に曝露することによって、インク組成物の層を高温に曝露することによって、またはこれらの2つを組み合わせることによって促進することができる。その後任意選択で、層から溶媒をさらに除去するため、かつ/またはインク配合物中の任意の架橋可能なポリマーの架橋を促進するために、層を焼成することができる。したがって、焼成ステップは、前記ポリマーを架橋して、その後付着させる層の溶媒系においてそのポリマーを不溶性にさせるために、架橋可能なポリマーを含むHTLを最初に形成した後に使用することができる。
OLEDインクジェット印刷システムの様々な実施形態は、インク組成物の小滴を基板上の特定位置に確実に置くことを可能とするいくつかのデバイスおよび装置から構成され得る。これらのデバイスおよび装置は、プリントヘッド、インク送達システム、モーションシステム、基板ロードおよびアンロードシステム、ならびにプリントヘッドメンテナンスシステムを含み得るが、これらに限定されない。プリントヘッドは、インク組成物の小滴を制御された率、速度、およびサイズで吐出することができる少なくとも1つのオリフィスとともに少なくとも1つのインクジェットヘッドを含む。プリントヘッドは、インク組成物をプリントヘッドに提供するインク組成物供給システムによって補充され得る。印刷には、プリントヘッドと基板との間の相対移動が必要である。これは、モーションシステム、典型的にはガントリまたはスプリット軸XYZシステムを用いて達成することができる。プリントヘッドは、固定された基板上を移動することができるか(ガントリ式)、またはスプリット軸構成の場合における、プリントヘッドおよび基板の両方が移動できるかのいずれかである。別の実施形態では、プリントステーションは固定することができ、基板は、プリントヘッドに対してX軸およびY軸方向に移動することができ、Z軸の移動は、基板またはプリントヘッドのいずれかに提供される。プリントヘッドが基板に対して移動すると、インク組成物の小滴が、基板上の所望の位置に付着するように、正確な時間で吐出される。基板は、基板ロードおよびアンロードシステムを使用してプリンターに挿入し、プリンターから取り出すことができる。これは、プリンター構成に依存して、機械コンベヤ、基板浮揚台、またはエンドエフェクタを備えたロボットを用いて達成することができる。
プリントヘッドメンテナンスシステムは、例えば、これらに限定されるものではないが、小滴体積の測定、プリントヘッドノズルプレート表面からの過剰なインクの排除、および廃棄物槽(waste basin)にインクを吐出するためのプライミングなどのメンテナンスタスクを可能にするいくつかのサブシステムから構成され得る。
図1は、本発明のインク組成物を印刷するために使用できるOLEDインクジェット印刷システム100を例示するブロック図である。システム100は、プリントヘッドデバイス110、インク送達システム120、モーションシステム130、基板ロードおよびアンロードシステム140、プリントヘッドメンテナンスシステム150、プロセッサ160、小滴測定デバイス170、ならびにノズルチューニングデバイス180を含む。プリントヘッドデバイス110は、インク組成物の小滴を制御された速度およびサイズで吐出することができる少なくとも1つのオリフィスと共に少なくとも1つのインクジェットヘッドを含む。インクジェットヘッドは、インク組成物をインクジェットヘッドに提供するインク供給システムによって補充される。様々な実施形態では、インクジェットまたはプリントヘッドは、インクを基板またはパネル上の2つ以上の位置に同時に分配することを可能とする複数のオリフィスまたはノズルを含む。例えば、インク組成物は、インク送達システム120を使用してプリントヘッドデバイス110に供給される。プリントヘッドメンテナンスシステム150は、小滴体積の測定、インクジェットノズル表面の拭き取り、廃棄物槽にインク組成物を吐出するためのプライミングなどのメンテナンスタスクを可能にするいくつかのサブシステムを含むことができる。
プリントヘッド110、インク送達システム120、モーションシステム130、基板ロードおよびアンロードシステム140、ならびにプリントヘッドメンテナンスシステム150へのデータおよび/またはそれらからのデータを制御、送信および/または受信するために、プロセッサ160が使用される。プロセッサ160は、コンピュータシステム、例えば、図1に示されているコンピュータシステム、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または制御情報およびデータ情報を送信および受信することができ、指示を実行することができる電子回路であり得る。プロセッサ160は、例えば、互いに通信できるプリントヘッド110、インク送達システム120、モーションシステム130、基板ロードおよびアンロードシステム140、ならびにプリントヘッドメンテナンスシステム150の間に分布した1つの電子回路または複数の電子回路であり得る。
印刷、乾燥および任意選択の焼成プロセスの最終生成物は、非常に均一な厚さおよび組成を有する材料の層である。例えば、層の全幅にわたって10%を超えない厚さ変動を有する層が可能である。層全体の厚さは、スタイラス触針式表面計(profilometer)または干渉計顕微鏡などの計測ツールを使用して測定することができる。光学的干渉法に適した干渉計は、Zygo計装から市販されている。
インク組成物を使用して、多層化OLED構造中に活性層を直接的に印刷することができる。典型的なOLEDは、支持基板、アノード、カソード、およびアノードとカソードとの間に配置された発光層を含む。デバイスに存在することができる他の層には、アノードから発光層への正孔注入の一助にするためにアノードと発光層との間に提供された伝導性正孔注入材料(HIL)の層、発光層への正孔の輸送の一助にするためにHIL(存在する場合)と発光層との間に提供された正孔輸送層、およびEMLとカソードとの間に配置された電子輸送層(ETL)が含まれる。基板は、一般に透明なガラスまたはプラスチック基板であり、アノードおよびカソードの少なくとも一方は、EMLから放出された光の透過を容易にするために、一般に透明である。
HIL層もまた、エステルベースの溶媒系を含むインク組成物を使用して形成することができる。このようなインク配合物は、典型的にはドープされた有機または無機伝導性材料を含むHIL材料をさらに含む。このような材料の例として、フェニルアミン、スターバーストタイプのアミン、フタロシアニン、ポリアニリン、およびポリチオフェン誘導体が挙げられる。
これらの多層化構造中に、1つまたは複数の層を、本発明のエステルベースの溶媒系を含むインク組成物を使用して形成することができる一方、他の層を、他のタイプの溶媒系を使用して形成することができる。さらに、1つまたは複数の層を、インクジェット印刷によって形成することができる一方、他の層を、他のフィルム形成技術を使用して付着させることができる。典型的には、対応するピクセルバンクによって画定される1つまたは複数のピクセルセル内に、様々な層が形成される。各セルは、フロアとセルの周囲長を画定する壁を含む。セルの表面は、任意選択で、付着したインク組成物の液滴がセルから溢れるのを防ぐために、界面活性剤などの表面改変コーティングでコーティングすることができる。しかし、一部の実施形態では、このような界面活性剤は、発光層のルミネッセンスをクエンチするおそれがあるので存在しない。
図2は、ピクセルバンクのマトリックスによって画定されたピクセルセルのマトリックス内に配列された複数のOLEDを含む平板ディスプレイの概略図である。図2は、赤色発光ピクセルセル232、緑色発光ピクセルセル234および青色発光ピクセルセル236を含む複数のピクセルセルの配列230を示す、パネル200の領域の拡大図220を示す。さらに集積回路238が、使用中に電圧を各ピクセルに制御された方式で印加する目的で、その回路が各ピクセルセルに隣接するように平板ディスプレイ基板上に形成され得る。ピクセルセルのサイズ、形状、および縦横比は、例えば、これに限定されるものではないが、所望の解像度に応じて変わり得る。例えば、コンピュータディスプレイに使用されるパネルでは、ピクセルセル密度は100ppiで十分な場合があり、例えば約300ppi〜約450ppiの高解像度の場合には、基板表面により高いピクセル密度を効率的に充填するのに適した様々なピクセルセル設計となり得る。
以下の実施例は、エステルベースの溶媒系を含むインク組成物を使用して、OLEDデバイス構造中にHTLおよびEMLを印刷することを例示する。
材料および方法
HTLインク組成物の調製
30mlのアンバーバイアルおよび撹拌棒を清浄にし、グローブボックスに移した。分量0.12gの正孔輸送ポリマー粉末を、グローブボックスの不活性環境内で量り分けた。蒸留し脱気したオクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルの混合物29.88gから構成されたエステルベースの溶媒系を、バイアル中重量比1:1で調製した。次に、調製した正孔輸送固形物をバイアルに添加し、撹拌棒を使用してエステルベースの溶媒系と混合した。得られた混合物を、固体粉末が完全に溶解するまで、60℃に設定したホットプレート上で撹拌した。次に、バイアルをホットプレートから取り出し、室温に冷却した。得られた溶液を、0.2μmのPTFEフィルタを通して濾過し、100mLのアンバーガラス瓶に入れた。分量2mLの溶液を、粘度および表面張力の測定のために確保した。次に、瓶を封止し、グローブボックスから取り出し、印刷のために確保した。
EMLインク組成物の調製
30mlのアンバーバイアルおよび撹拌棒を清浄にし、グローブボックスに移した。分量0.3gの有機エレクトロルミネセンス材料を、グローブボックスの不活性環境内で量り分けた。分量29.7gの3種の異なるエステルベースの溶媒系を、別個のバイアル中で調製した。第1の系のエステル溶媒は、蒸留し、脱気したセバシン酸ジエチルであり、第2の系のエステル溶媒は、オクタン酸オクチルであり、第3の系のエステル溶媒は、重量比約5.5:3:1.5のオクタン酸オクチル、フタル酸ジアリルおよびイソノナン酸イソノニルの混合物であった。調製した有機エレクトロルミネセンス固形物をバイアルに添加し、撹拌棒を使用してエステルベースの溶媒系と混合した。得られた混合物を、固体粉末が完全に溶解するまで、150℃に設定したホットプレート上で撹拌した。次に、バイアルをホットプレートから取り出し、室温に冷却した。得られた溶液を、0.2μmのPTFEフィルタを通して濾過し、100mLのアンバーガラス瓶に入れた。分量2mLの各溶液を、粘度および表面張力の測定のために確保した。次に、瓶を封止し、グローブボックスから取り出し、印刷のために確保した。
粘度および表面張力の測定
粘度測定は、DV−I Prime Brookfieldレオメータを使用して実施した。表面張力は、SITA気泡圧力張力計を用いて測定した。
これらの方法を使用すると、HTLインク組成物の粘度は、3.71±0.1cPsであると決定され、その表面張力は、27.3±0.3ダイン/cmであると決定された。
第1のエステルベースの溶媒系を含むEMLインク組成物の粘度は、5.7±0.2cPsであると決定され、その表面張力は、31.5±0.1ダイン/cmであると決定された。第2のエステルベースの溶媒系を含むEMLインク組成物の粘度は、3.8±0.1cPsであると決定され、その表面張力は、27.5±0.1ダイン/cmであると決定された。第3のエステルベースの溶媒系を含むEMLインク組成物の粘度は、5.6±0.2cPsであると決定され、その表面張力は、29.1±0.1ダイン/cmであると決定された。
OLEDの製造および印刷
この実施例では、OLEDのHTLおよびEML層を、前述の通り、エステルベースの溶媒系を含むインク組成物を使用してインクジェット印刷する。市販の配合物であるHILデバイス層も、インクジェット印刷した。他のデバイス層は、以下により詳細に説明する通り、他の手段によって形成する。
インクジェット印刷されるHTLおよびEML層については、インク組成物を、Fujifilmから入手可能なDimatix Materials Printer DMP−3000などのインクジェットプリンターを用いて使用するために、インクカートリッジに搭載する。次に、インクカートリッジをプリンターに入れ、基板をプリントヘッドの下に置く。インクを発射するための波形を展開し、パルス時間および電圧を、安定な噴射範囲を確立するように調節し、最適化する。例えば、インクジェット試験を実施して、周波数を変化させることの液滴の体積および速度に対する作用を調査することによって、インク組成物の印刷性能を評価することができる。パルス時間および電圧を最適化した後のこのタイプの周波数応答試験からの結果の例を、図6(A)および6(B)のグラフに例示する。これらのグラフは、セバシン酸ジエチルを含むEMLインク組成物に関する、液滴体積および速度の周波数応答をそれぞれ示している。図7(A)および7(B)は、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルの混合物から構成されたHTLインク組成物に関する、液滴体積および速度の周波数応答をそれぞれ示している。
OLEDの基板は、厚さ0.7mmのガラスであり、その上に60nmのITO(酸化インジウムスズ)のアノードをパターニングする。次に、ITO上にバンク材料(ピクセル画定層としても公知)をパターニングして、ウェルを形成し、そのウェル中にインクジェット印刷層を付着させる。次にPEDOT:PSS(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリ(スチレンスルホネート))から構成されたHIL層を、ウェルにインクジェット印刷し、真空下で乾燥させ、層から溶媒を除去するために高温で焼成する。次に、HTL層を前述のプロセスに従ってHIL層上にインクジェット印刷した後、真空下で乾燥させ、高温で焼成して溶媒を除去し、架橋可能なポリマーの架橋を誘発する。次に、EML層を前述のプロセスに従ってHTL層上にインクジェット印刷した後、真空下で乾燥させ、高温で焼成して溶媒を除去する。次に、カソード層を真空熱蒸発によって適用する。次に、真空熱蒸発によって、ETL層の後にカソード層を適用する。カソード層は、100nmのアルミニウムから構成される。
特徴付け
OLEDを製造したら、各ダイオードにわたって電流を印加し、発光を画像化することによって、OLEDのエレクトロルミネセンスの均一性を調査した。その結果を図3〜5に示す。各図のパネル(A)は、各OLEDのルミネッセンスの画像を示す顕微鏡写真であり、各図のパネル(B)は、顕微鏡写真の黒色および白色線レンダリングであり、各図のパネル(C)は、各OLEDの幅にわたる対応するエレクトロルミネセンス強度分布である。図3(C)、4(C)および5(C)では、データを、ピクセルの長さにわたるルミネッセンスの最も明るい点に対して正規化する。OLEDからの放出は、図3〜5のBのパネルの領域IおよびIIによって表されている。図3〜5のCのパネルは、領域IおよびIIを含むピクセルの幅にわたるOLED放出の均一性分布を示す。典型的には、放出は、領域Iと比較して領域IIの方がわずかに高い。ピクセルバンクは、OLEDピクセルの活性領域を画定しており、領域IIの外縁に位置している。
ピクセルからのルミネッセンスの均一性は、ルミネッセンスの変動係数(CV%)によって定量化することができ、この係数は、その((標準偏差)/平均)100)と定義される。一部の実施形態では、本発明のエステルベースの溶媒系によって、20%を超えないCV%を有するOLEDピクセルを製造することができる。この実施形態には、CV%が16%を超えない、12%を超えない、および10%を超えないOLEDピクセルの実施形態が含まれる。単なる例として、OLEDピクセルの一部の実施形態は、約2〜約20%の範囲のCV%を提供する。この実施形態には、約5〜約15%の範囲のCV%を提供する実施形態が含まれる。
例として、この実施例に従って製造したOLEDピクセルのCV%を、以下の通り測定した。ルミネッセンス放出を、2D関心領域(ROI)にわたって測定し、これを図3(A)、3(B)、4(A)、4(B)、5(A)および5(B)の領域Iとして表し、次に、ROIからの放出に関する標準偏差および平均を、各OLEDについて決定し、CV%を算出した。算出の結果を、以下の表1に提示する。

用語「例示的な」は、本明細書では一例、実例または例示を提供することを意味するために使用される。本明細書において「例示的な」と記載される任意の態様または設計は、必ずしも他の態様または設計よりも好ましいまたは有利であると解釈されない。さらに、本開示の目的では、別段特定されない限り、「a」または「an」は、「1つまたは複数の」を意味する。またさらに、「および」または「または」の使用は、別段具体的に示されない限り「および/または」を含むことを企図する。
本発明の例示的な実施形態の先の説明は、例示し、説明する目的で提示されている。先の説明は、包括的であること、または本発明を開示の正確な形態に制限することを企図せず、先の教示に照らして改変および変更を加えることが可能であり、または本発明の実施から改変および変更が生じる場合がある。諸実施形態は、本発明の原理を説明するために、また当業者が本発明を様々な実施形態において、かつ企図される特定の使用に適した様々な改変とともに利用できるようにするための本発明の実用的な適用として選択され、説明されている。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびそれらの均等論によって定義されるものとする。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
有機発光ダイオードのための発光層を形成する方法であって、
有機発光ダイオードピクセルバンクのピクセルセル中にインク組成物の層を形成するステップであって、該ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定された放出領域を含み、該インク組成物は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含み、該エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約26ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、
該溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該発光層を形成するステップと
を含む方法。
(項目2)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキル、セバシン酸アルキルまたはそれらの組合せから選択されるエステルを含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルを含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルから本質的になる、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルを含む、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルから本質的になる、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記エステルベースの溶媒系が、少なくとも1種の追加のエステルを含み、さらに、該エステルベースの溶媒系が、該エステルベースの溶媒系中の溶媒の総重量に対して、少なくとも50重量パーセントのオクタン酸オクチルを含む、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記少なくとも1種の追加のエステルが、フタル酸ジアリル、イソノナン酸イソノニルまたはそれらの混合物を含む、項目8に記載の方法。
(項目10)
前記発光層の厚さが、前記ピクセルセルの幅にわたって10%以下だけ変動する、項目1に記載の方法。
(項目11)
有機発光ダイオードのための正孔輸送層を形成する方法であって、
有機発光ダイオードピクセルバンクのピクセルセル中にインク組成物の層を形成するステップであって、該ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定された放出領域を含み、該インク組成物は、架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含み、該正孔輸送材料は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解しており、該エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約25ダイン/cm〜約32ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、
該溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該正孔輸送層を形成するステップと
を含む、方法。
(項目12)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、項目11に記載の方法。
(項目13)
前記エステルベースの溶媒系が、2種またはそれ超のオクタン酸アルキルを含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルを含む、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルから本質的になる、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記正孔輸送層の厚さが、前記ピクセルセルの幅にわたって10%以下だけ変動する、項目11に記載の方法。
(項目17)
有機発光ダイオードのための正孔輸送層および発光層を形成する方法であって、
項目11〜16に記載の方法のいずれかの有機発光ダイオードのための正孔輸送層を形成するステップと、
項目1〜10のいずれかに記載の有機発光ダイオードのための発光層を形成するステップであって、該発光層は、該正孔輸送層上に形成される、ステップと
を含む、方法。
(項目18)
前記正孔輸送層の前記架橋性ポリマーが、完全には架橋されない、項目17に記載の方法。
(項目19)
有機発光ダイオードのための正孔輸送層および発光層を形成する方法であって、
有機発光ダイオードピクセルバンクのピクセルセル中に第1のインク組成物の層を形成するステップであって、該第1のインク組成物は、架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含み、該正孔輸送材料は、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルの混合物を含む第1のエステルベースの溶媒系に溶解している、ステップと、
該第1のエステルベースの溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該正孔輸送層を形成するステップと、
該ピクセルセル中の該正孔輸送層上に第2のインク組成物の層を形成するステップであって、該第2のインク組成物は、セバシン酸ジエチルを含む第2のエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含む、ステップと、
該第2のエステルベースの溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該発光層を形成するステップと
を含む、方法。
(項目20)
少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含む、有機発光ダイオードの発光層を形成するためのインク組成物であって、該エステルベースの溶媒系が、少なくとも300℃の沸点および23℃で約26ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、インク組成物。
(項目21)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキル、セバシン酸アルキルまたはそれらの組合せから選択されるエステルを含む、項目20に記載のインク組成物。
(項目22)
前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルを含む、項目20に記載のインク組成物。
(項目23)
前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルから本質的になる、項目20に記載のインク組成物。
(項目24)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、項目20に記載のインク組成物。
(項目25)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルを含む、項目24に記載のインク組成物。
(項目26)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルから本質的になる、項目25に記載のインク組成物。
(項目27)
前記エステルベースの溶媒系が、少なくとも1種の追加のエステルを含み、さらに、該エステルベースの溶媒系が、該エステルベースの溶媒系中の溶媒の総重量に対して少なくとも50重量パーセントのオクタン酸オクチルを含む、項目25に記載のインク組成物。
(項目28)
前記少なくとも1種の追加のエステルが、フタル酸ジアリル、イソノナン酸イソノニルまたはそれらの組合せを含む、項目27に記載のインク組成物。
(項目29)
架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含む、有機発光ダイオードの正孔輸送層を形成するためのインク組成物であって、該正孔輸送材料が、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解しており、該エステルベースの溶媒系が、少なくとも300℃の沸点および23℃で約25ダイン/cm〜約32ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、インク組成物。
(項目30)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、項目29に記載のインク組成物。
(項目31)
前記エステルベースの溶媒系が、2種またはそれ超のオクタン酸アルキルを含む、項目30に記載のインク組成物。
(項目32)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルを含む、項目31に記載のインク組成物。
(項目33)
前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルから本質的になる、項目32に記載のインク組成物。




  1. 有機発光ダイオードのための発光層を形成する方法であって、
    有機発光ダイオードピクセルバンクのピクセルセル中にインク組成物の層を形成するステップであって、該ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定された放出領域を含み、該インク組成物は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含み、該エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約26ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、
    該溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該発光層を形成するステップと
    を含む方法。

  2. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキル、セバシン酸アルキルまたはそれらの組合せから選択されるエステルを含む、請求項1に記載の方法。

  3. 前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルを含む、請求項1に記載の方法。

  4. 前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルから本質的になる、請求項1に記載の方法。

  5. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、請求項1に記載の方法。

  6. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルを含む、請求項5に記載の方法。

  7. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルから本質的になる、請求項6に記載の方法。

  8. 前記エステルベースの溶媒系が、少なくとも1種の追加のエステルを含み、さらに、該エステルベースの溶媒系が、該エステルベースの溶媒系中の溶媒の総重量に対して、少なくとも50重量パーセントのオクタン酸オクチルを含む、請求項6に記載の方法。

  9. 前記少なくとも1種の追加のエステルが、フタル酸ジアリル、イソノナン酸イソノニルまたはそれらの混合物を含む、請求項8に記載の方法。

  10. 前記発光層の厚さが、前記ピクセルセルの幅にわたって10%以下だけ変動する、請求項1に記載の方法。

  11. 有機発光ダイオードのための正孔輸送層を形成する方法であって、
    有機発光ダイオードピクセルバンクのピクセルセル中にインク組成物の層を形成するステップであって、該ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定された放出領域を含み、該インク組成物は、架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含み、該正孔輸送材料は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解しており、該エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約25ダイン/cm〜約32ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、
    該溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該正孔輸送層を形成するステップと
    を含む、方法。

  12. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、請求項11に記載の方法。

  13. 前記エステルベースの溶媒系が、2種またはそれ超のオクタン酸アルキルを含む、請求項12に記載の方法。

  14. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルを含む、請求項13に記載の方法。

  15. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルから本質的になる、請求項14に記載の方法。

  16. 前記正孔輸送層の厚さが、前記ピクセルセルの幅にわたって10%以下だけ変動する、請求項11に記載の方法。

  17. 有機発光ダイオードのための正孔輸送層および発光層を形成する方法であって、
    有機発光ダイオードピクセルバンクのピクセルセル中にインク組成物の層を形成するステップであって、該ピクセルセルは、ピクセルバンクによって画定された放出領域を含み、該インク組成物は、架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含み、該正孔輸送材料は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解しており、該エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約25ダイン/cm〜約32ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、
    該溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該正孔輸送層を形成するステップと、
    該正孔輸送層の上にインク組成物の層を形成するステップであって、該インク組成物は、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含み、該エステルベースの溶媒系は、少なくとも300℃の沸点および23℃で約25ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、ステップと、
    該溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該発光層を形成するステップと
    を含む、方法。

  18. 前記正孔輸送層の前記架橋性ポリマーが、完全には架橋されない、請求項17に記載の方法。

  19. 有機発光ダイオードのための正孔輸送層および発光層を形成する方法であって、
    有機発光ダイオードピクセルバンクのピクセルセル中に第1のインク組成物の層を形成するステップであって、該第1のインク組成物は、架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含み、該正孔輸送材料は、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルの混合物を含む第1のエステルベースの溶媒系に溶解している、ステップと、
    該第1のエステルベースの溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該正孔輸送層を形成するステップと、
    該ピクセルセル中の該正孔輸送層上に第2のインク組成物の層を形成するステップであって、該第2のインク組成物は、セバシン酸ジエチルを含む第2のエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含む、ステップと、
    該第2のエステルベースの溶媒系から溶媒を蒸発させ、それによって該発光層を形成するステップと
    を含む、方法。

  20. 少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解した有機エレクトロルミネセンス材料を含む、有機発光ダイオードの発光層を形成するためのインク組成物であって、該エステルベースの溶媒系が、少なくとも300℃の沸点および23℃で約26ダイン/cm〜約33ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、インク組成物。

  21. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキル、セバシン酸アルキルまたはそれらの組合せから選択されるエステルを含む、請求項20に記載のインク組成物。

  22. 前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルを含む、請求項20に記載のインク組成物。

  23. 前記エステルベースの溶媒系が、セバシン酸ジエチルから本質的になる、請求項20に記載のインク組成物。

  24. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、請求項20に記載のインク組成物。

  25. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルを含む、請求項24に記載のインク組成物。

  26. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸オクチルから本質的になる、請求項25に記載のインク組成物。

  27. 前記エステルベースの溶媒系が、少なくとも1種の追加のエステルを含み、さらに、該エステルベースの溶媒系が、該エステルベースの溶媒系中の溶媒の総重量に対して少なくとも50重量パーセントのオクタン酸オクチルを含む、請求項25に記載のインク組成物。

  28. 前記少なくとも1種の追加のエステルが、フタル酸ジアリル、イソノナン酸イソノニルまたはそれらの組合せを含む、請求項27に記載のインク組成物。

  29. 架橋性ポリマーを含む正孔輸送材料を含む、有機発光ダイオードの正孔輸送層を形成するためのインク組成物であって、該正孔輸送材料が、少なくとも1種のエステルを含むエステルベースの溶媒系に溶解しており、該エステルベースの溶媒系が、少なくとも300℃の沸点および23℃で約25ダイン/cm〜約32ダイン/cmの範囲の表面張力を有する、インク組成物。

  30. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸アルキルを含む、請求項29に記載のインク組成物。

  31. 前記エステルベースの溶媒系が、2種またはそれ超のオクタン酸アルキルを含む、請求項30に記載のインク組成物。

  32. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルを含む、請求項31に記載のインク組成物。

  33. 前記エステルベースの溶媒系が、オクタン酸ジエチルおよびオクタン酸オクチルから本質的になる、請求項32に記載のインク組成物。

 

 

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